説明

臭気吸収モニタリング用視覚指示デバイスを含む臭気コントロール物品

本発明は、臭気、特に足、生ゴミ、地下室、料理、ペット、タバコ、大便及び尿の臭気をコントロールするための視覚指示デバイスと物品に関する。本物品は、臭気に感色性である視覚指示薬を含み、任意的に臭気吸収剤を含む。視覚指示薬は、物品を飽和させるのに十分量の臭気に物品がさらされた時に色を変える。指示薬を2以上のゾーンに異なる濃度で適用して、物品の使用者に臭気吸収容量のどの程度が使用されたか、或いは逆に臭気吸収容量のどの程度が残存しているかを示すことができる。臭気に応じて色を変える好適な視覚指示薬についても開示する。臭気をコントロールするための物品は、使い捨ての臭気吸収シート、空気を新鮮にする製品、おむつ、下着パッド、フェイスマスク、空気ろ過デバイス、生理用ナプキン、タンポン、パンティーシールド又は失禁パッドでよい。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の背景〕
本発明は、一般的に臭気、特に足臭気、尿臭気、大便臭気、生ゴミ臭気、タバコ臭気及び生肉臭気のような臭気をコントロール及び吸収する物品で使う視覚指示デバイスに関する。本発明は、このような指示デバイスを含む臭気吸収物品にも関する。
臭気コントロールのためにいくつかの製品が開発されており、そのほとんどが臭気マスキング、臭気吸収又は臭気形成化合物の分解に基づいている。臭気吸収によって臭気をコントロールする製品では、使用者は、通常、不快臭の除去が遅いことを除いては、臭気吸収物品が働いているか働いていないかについて何も分からない。従って、臭気吸収製品が飽和して交換が必要な時、使用者は、その製品が臭気の吸収を止めて不快臭が顕著になってきた時に気付くだけである。そのため、物品が飽和して交換が必要であるという事実をこの状況が生じる前に気付かせることは使用者にとって至便だろう。
ある状況では、臭気が吸収されており、顕著でない場合でさえ臭気が存在することを使用者が気付くことができれば、使用者は臭気の原因を取り除く処置を採ることができ、或いはもっと安心して製品が有効に働いていると感じることができるので好都合だろう。
Brunnerらに対する米国特許第5,733,272号は、臭気が除去されていることを示す芳香剤又は香料の使用を教示している。この芳香剤は湿気で活性化され、濡れると小さく破裂して香りが放出される。Glaugらに対する米国特許第6,369,290号及びTrinhら対するPCT国際公開番号WO 98/26808も臭気が除去されていることを示す芳香剤の放出を開示している。
しかし、芳香剤の使用は、すべての使用者が芳香剤を心地よいと思うわけではないので、常に望ましいわけではなく、使用者が、他人が検出できる芳香剤の放出ではなくむしろ控えめなタイプの指示薬を好む場合もある。このようなシステムは、臭気吸収製品が飽和して交換が必要な時も使用者に示さない。
Carlucciらに対する欧州特許第1 157 672号は、冷蔵庫のような生命のない場所用の液状の臭気吸収構造を開示している。この特許は、該構造がその構造の寿命の終わりを示す指標を備えうると述べているが、該指標が本技術の当業者に公知の通常の指示手段であると述べていること以外、指標についてこれ以上進まない。
Perssonに対するPCT国際公開番号WO 00/76558は、吸収物品中の活性成分の活性を示すために視覚指示薬を使用することを開示している。この視覚指示薬は、吸収物品中の活性添加剤の変化に応じて色を変える。活性添加剤の活性のこの変化は、いくつかの理由、例えば周囲条件の変化の結果としてだろう。
本発明者らは、臭気吸収製品に対して使うのに適し、かつ臭気に直接応じて色を変える現存する視覚指示システムを何も知らない。
【0002】
〔発明の概要〕
本発明は、臭気をコントロールするための物品であって、臭気吸収剤と、臭気に応じて色を変える少なくとも1種の視覚指示薬とを含む物品を提供する。指示薬の濃度によって、臭気が存在する時、又は臭気が吸収されている時、又は臭気吸収物品が飽和して交換する必要がある時に色の変化が観察される。
本明細書では、用語“臭気化合物”及び“臭気”は、嗅覚系で検出可能ないずれの分子又は化合物をも指す。臭気化合物は、気体化合物として存在することができ、液体のような他の媒体中に存在してもよい。
本明細書では、用語“臭気吸収剤”は、臭気をコントロールするのに有用な物質、化合物、化学薬品、混合物又は吸収剤(活性炭、粘土、ゼオライト、被覆若しくは変性されたナノ粒子シリカ又はアルミナ及び分子ふるい)を指す。
本明細書では、用語“視覚指示薬”は、十分な濃度で臭気が存在する時に視覚的指標を与える物質、組成物又は材料を指す。
視覚指示薬は、典型的に、体臭気、足臭気、生ゴミ臭気、尿臭気、大便臭気、タバコ臭気、生肉臭気、他の通常の家庭臭気(寝室、ペット及び料理臭気のような)、メルカプタン(又はチオール)、アミン、アンモニア、イオウ、硫化物、硫化水素、イオウ分解生成物、脂肪酸、イソ吉草酸、酪酸、及び酢酸から成る群より選択される少なくとも1つの臭気に対して感色性である。
好適な視覚指示薬は、ニュートラルレッド、3-ニトロフェノール、ブリリアントイエロー、クロロフェノールレッド、ローズベンガル染料、D&C Red 28染料、4,4'-ビス(ジメチルアミノ)-ベンズヒドロール(BDMB又はミヒラーヒドロール(MH))、メチルレッド、メチルバイオレット、メチルオレンジ、ブロモクレゾールモーブ、Acid Blue 80、青色染料Calcocid Blue 2G、エチルレッド、ブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールグリーン、クリスタルバイオレット、クレゾールレッド、チモールブルー、エリトロシンB、2,4-ジニトロフェノール、EriochromeTM Black T、アリザリン、ブロモチモールブルー、フェノールレッド、m-ニトロフェノール、o-クレゾールフタレイン、チモールフタレイン、アリザリンYellow Reller、コバルト塩及びコバルト錯体、銅塩及び銅錯体、銅フェナントロリン錯体、鉄塩及び鉄錯体から選択される。
【0003】
さらなる指示薬は、下記一般式(I)又は(II)で表されるものである。
【化1】

式中、R、R'、R''は下表1に示されるとおりである。
【0004】
【表1】

【0005】
臭気吸収剤は、典型的に活性炭、炭酸水素ナトリウム、粘土、ゼオライト、シリケート、デンプン、イオン交換樹脂、シクロデキストリン、分子ふるい又はナノ粒子のような高表面積材料である(例えばEP-A-348 978、EP-A-510619、WO 91/12029、WO 91/11977、WO 89/02698及びWO 91/12030を参照されたい)。
視覚指示薬と臭気吸収剤が同じ薬剤の場合もある。例えば、BDMBは、イオウ、アミン及びアンモニア臭気用の臭気吸収剤としても指示薬としても使用しうる。
視覚指示薬を適用しうる適切な臭気吸収物品として、限定するものではないが、使い捨ておむつ、トレーニングパンツ、下着パッド、生理用ナプキン、タンポン、パンティーシールド、失禁パッド、吸収ズボン下、赤ちゃん用のふく物、吸収テイッシュ、医用衣服、包帯、吸収ドレープ、医用のふく物、フェイスマスク、空気ろ過媒体、空気を新鮮にする製品、靴用使い捨て臭気吸収シート、運動バッグ、ロッカー又はガレージ領域等が挙げられる。
臭気吸収物品に取り付け、又はその上に印刷したストリップ又はパッチ上の物品に視覚指示薬を適用する。視覚指示薬は、複数のゾーン、ドット、ストリップ、或いは視覚指示薬が色を変える時に出現し、消失し、又は色を変える円形状若しくは文字列のようなパターンで適用することができる。使い捨ておむつの外カバーの通気性フィルムのようないずれかの織物若しくはフィルム層上、又は空気を新鮮にする製品の外カバー上、又は足臭気を吸収するためのシート上の被覆物としてパッチ又はストリップを適用しうる。
【0006】
視覚指示薬を溶液状態で物品に適用し、乾燥残渣が物品上に残存するように乾燥させることができる。本明細書では、用語“溶液”は水、水溶液、アルコール、トルエン等のような液体中の指示薬を指す。
デバイスは単一ゾーン(指示薬ひいては該ゾーンが色を変えて、臭気吸収デバイスが飽和点に達して交換すべきであることを示すような濃度の指示薬を有する)を含んでよい。
しかし、指示薬の濃度と臭気の量が、指示薬が色を変えると解釈する時を決定する主因子なので、異なる濃度の指示薬を有する複数のゾーンを使用すると、ストリップ又はパッチを適用した臭気吸収物品が働いていること及び臭気吸収容量のどの程度が残存しているか(又は逆にどの程度吸収物品が消耗しているか)を使用者に示す目盛スケールを作り出すことができる。最後の色又は色の欠如は、吸収物品が飽和して交換が必要な時を示す。このスケールは線形スケール、円形スケール、ドット、文字列などの集合の形態でよい。
【0007】
〔発明の詳細な説明〕
現在、臭気吸収デバイスが臭気を検出した時、及び/又は臭気吸収デバイスが飽和して交換が必要な時、使用者に視覚的に指示する適切なシステムがない。
臭気吸収物品、特に尿臭気、大便臭気、体臭気、足臭気及び他の通常の家庭臭気吸収物品が、臭気が存在する時、及び/又はその物品が飽和点に達して交換が必要な時に視覚的に指示するための指示薬を含んでいれば、臭気吸収物品の使用者にとって好都合だろう。
従って、本発明は、臭気吸収物品が飽和している時に視覚的に指示するための指示デバイスを提供する。
ネコ臭気、イヌ臭気、生ゴミ臭気、体臭気、足臭気、食物臭気、尿臭気、大便臭気及びタバコ臭気のような通常の家庭臭気の主な臭気化合物はアミン、イオウ化合物、カルボン酸及びアルデヒドである。
例えば、尿由来の臭気の発生は、ほとんど尿成分の化学的及び生物的分解に基づいており、アミン、アンモニア及びイオウ分解生成物(メチルメルカプタン及び硫化水素)が尿中の主な臭気源である。これらは大便臭気や体臭気にも見られる。さらに。ウレアーゼのような酵素が、尿中の主成分である尿素をアンモニアに変換し、それによって尿中の臭気の発生を増やしうる。吉草酸、イソ吉草酸、酪酸及び酢酸のような脂肪酸は一般的に体臭気、足臭気、タバコ煙、生肉、生ゴミ(台所)臭気、ネコ臭気及び地下室や貯蔵室のカビ臭中の主な臭気成分であることが分かっている。
表2は、通常の家庭臭気の化学成分の濃度をそのヒト閾値(ヒト鼻で検出できる濃度)と共に示す。
【0008】
【表2】

【0009】
以下の実施例では、非常に低レベル(例えば、>0.01十億分率(ppb)、さらに好ましくは>10ppbから、最も好ましくは>100ppb)のアミン、アンモニア、イオウ化合物、カルボン酸及びアルデヒドに感受性であるいくつかの色変化指示薬を同定した(表3)。指示薬は、より低いレベルの臭気化合物を即座には検出できないが、これら低レベルに応じて時間(例えば、おむつの場合)、日、週、月でさえ(例えば空気フィルターの場合)をかけて色を変えうる。指示薬はすべてMilwaukee, WisconsinのAldrich Chemical社から入手可能である。
【0010】
ミヒラーヒドロールは下記反応によってアミン又はイオウ化合物と反応する。
【化2】

【0011】
以下の実施例で具体的に言及する臭気吸収剤はNissan Chemical America Corporation of Houston, Texas製のナノ粒子及びAldrich Chemical製のミヒラーヒドロールであるが、技術的に公知の活性炭、炭酸水素ナトリウム、粘土、ゼオライト及び分子ふるいのような他の臭気吸収剤、及び他の高表面積材料又はナノ粒子も臭気吸収剤として使用しうる。
この発明の粒子で使用するナノ粒子は、該ナノ粒子の表面上に存在する少なくとも1種の金属イオンの担体として作用することができ、その金属イオンが、少なくとも1種の気体化合物及び/又は臭気化合物と結合することによって周囲環境から該化合物を除去する活性部位を生じさせる。ナノ粒子は、周囲環境由来の特定の気体化合物及び/又は臭気化合物を該ナノ粒子の表面上に直接吸着させて吸収することもできる。
ガス及び臭気化合物のような化合物とイオン結合する金属イオンでナノ粒子を改変する。“金属イオン”は、周期表でIB〜VIIIVとして示される遷移金属元素の塩イオン及び/又はイオン錯体を意味する。他のイオンも本発明で使用できる。ナノ粒子は、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、二酸化チタン、酸化鉄、金、酸化亜鉛、酸化銅、及びその組合せのいずれからも製造することができ、その上に、銅イオン、銀イオン、金イオン、過マンガン酸塩イオン、亜塩素酸塩イオン、過硫酸塩イオン、鉄イオン、及びその組合せの少なくとも1種の金属イオンを有しうる。
ナノ粒子を金属イオン含有溶液と混合することによって改変ナノ粒子を製造する。このような溶液は、通常、溶媒中に金属化合物を溶かすことによって調製し、その結果、溶液に遊離金属イオンが生じる。電位差によって金属イオンが引き出されてナノ粒子上に吸着する。ナノ粒子を改変のさらなる考察は、2002年4月30日提出の米国特許出願10/137052(参照によって本明細書に取り込まれる)で見出すことができる。
【0012】
金属とシリカ粒子を結合させて“配位結合”及び/又は“共有結合”を形成することも可能である。このことは、使用中(例えば、洗浄後)いずれかの金属が遊離状態のままである可能性を減らすといった種々の利益を有する。シリカ粒子への金属の強い付着が、さらに臭気吸着効率を最適化もする。
多くの技術を利用して遷移金属とシリカ粒子との間のより強い結合を形成しうる。例えば、シリカゾルは一般的に約7より高いpH、特に9〜10のpHで安定と考えられている。水に溶かすと、遷移金属の塩は酸性(例えば、塩化銅は約4.8のpHを有する)である。従って、このような酸性の遷移金属塩を塩基性のシリカゾルと混合すると、pHは低下し、シリカ粒子の表面上に金属塩が沈殿する。これはシリカ粒子の安定性を損なわせる。さらに、低いpH値では、シリカ粒子の表面上に存在するシラノール基の数が減る。遷移金属はこれらシラノール基に結合するので、より低いpH値では遷移金属のための粒子の能力が減る。
酸性の遷移金属塩(例えば、塩化銅)の添加よって生じるpH低下効果を改善するため、本発明の特定の実施態様は遷移金属との混合の際にシリカ粒子のpHを越える選択的コントロールを利用する。pHを越える選択的コントロールは、技術的に周知の種々の緩衝系のいずれかを用いて達成することができる。
シリカナノ粒子の改変でpHコントロールを使用することはNissan Chemical製のSNOWTEX-OXS(登録商標)ナノ粒子(未改変粒径が4〜6nm)の10質量%懸濁液を使用して実証された。溶液のpHを8.7に調整してから高い混合せん断力(約10,000rpm)で塩化銅の溶液に添加した。pH、ゼータ電位及び粒径をモニターし、正のゼータ電位が得られたとき、塩化銅の添加を止めた。生じた改変銅ナノ粒子は約43nmの粒径と約500m2/gの表面積を有した。
【0013】
他の技術を利用してさらに遷移金属とシリカ粒子との間に形成される結合の強さを高めることもできる。
例えば、有効量のカップリング剤を用いて遷移金属をシリカ粒子に結合させることができる。このようなカップリング剤は、上述したpH調整しながら又はpH調整せずに使用しうる。有機官能性シランカップリング剤を用いて遷移金属をシリカ粒子に結合させる場合もある。使用しうる好適な有機官能性シランカップリング剤のいくつかの例として、限定するものではないが、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、5-ヘキセニルトリメトキシシラン、3-グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドオキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-(メタ)アクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、4-ビニルフェニルトリメトキシシラン、3-(4-ビニルフェニル)プロピルトリメトキシシラン、4-ビニルフェニルメチルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、及びその部分加水分解物が挙げられる。
これらカップリング剤のうち、有機官能性アルコキシシラン、特にアミノ官能性アルコキシシラン(例えば、3-アミノプロピルトリエトキシシラン)が好ましい。
一般的に、シランカップリング剤はその表面上に存在するシラノール基(Si-OH)を介してシリカ粒子に共有結合しうる。詳しくは、シランカップリング剤のケイ素原子がシラノール基の酸素と共有結合を形成しうる。シランカップリング剤がシリカ粒子と共有結合すると、有機官能基が遷移金属と配位結合を形成しうる。例えば、銅はアミノプロピルトリエトキシシランカップリング剤上に存在する種々のアミノ基と配位結合を形成しうる。
【0014】
臭気吸収物品中で使用する臭気吸収剤の量は臭気吸収物品の性質及び吸収しようとする臭気の量によって決まるので、臭気吸収物品ごとに変わるだろう。例えば、尿及び大便臭気を吸収することを意図する使い捨ておむつは、長時間にわたってペット臭気を吸収することを意図しているシートとは異なる量の臭気を含有しうる。シート又は物品の臭気吸収容量(臭気吸収可能なmg/シートのg)を測定し、指示薬が臭気化合物と反応する容量(臭気化合物のモル/指示薬のモル)を知ることによって、指示薬がシート又は物品の臭気吸収に合うように臭気吸収容量をマッチングさせることができる。従って、いかなる場合にも限定するものではないが、指示薬は0.001〜15%wt/wt、さらに好ましくは0.005〜5%wt/wt、最も好ましくは0.1〜1%wt/wtの量で存在しうる。
本発明で使用する指示薬の量は、物品が吸収できる臭気の量によって決まるので、物品に適用する指示薬の濃度も物品によって変わる。
【0015】
【表3】

【0016】
以下の実施例では、変色する視覚指示薬を溶媒(例えば、水、アルコール又はアセトニトリル)に溶かして1mg/ml〜100mg/mlの範囲の濃度を与える。この溶液を以下の1つの方法で基材(例えば、セルロース、綿、不織布、ガラス繊維など)に適用した:
(a)基材の表面上に既知量の溶液を滴下して該液体で基材を濡らしてから基材を空気乾燥させる;
(b)基材を溶液に浸漬し、基材を摘み取って過剰の溶液を除去してから基材を空気乾燥又は低温乾燥器内で乾燥器乾燥させる;
(c)基材上に溶液を噴霧し、基材を乾燥させる;或いは
(d)フレキソ印刷、オフセット印刷又はインクジェット印刷で溶液を基材上に印刷する。
任意的に、視覚指示薬を適用する前に臭気吸収剤で基材をプレコートした。
2滴の臭気溶液(25mlの溶液中25mgの臭気)を含浸させた2cm×2cmのセルロースティッシュと共にジャー内に置くことによって、視覚指示薬を含有する試料を試験した。容器上に蓋を置き、色の変化の時間と完了を観察した。
【0017】
〔実施例1〕
Aldrich Chemicalから入手可能なイソ吉草酸(主な足臭気成分)の希釈溶液を、50mlの脱イオン水に該酸を25mg加えて封止容器内で30分間撹拌することによって調製した。これを足臭気を模す臭気基準として使用した。
Mississauga, ON, CanadaのScott Paperから入手可能なScott(登録商標)ペーパータオル上に浸漬と空気乾燥法で臭気吸収被覆物を適用した。この実施例の臭気吸収剤はNissan Chemicalから入手可能なアルミナ被覆シリカナノ粒子SNOWTEX-AK(登録商標)だった。
視覚指示薬、フェノールレッド(やはりAldrich Chemicalから入手可能)を、ペーパータオル上に1〜5滴の溶液を置いてそれを空気乾燥させることによって溶液(10mg/ml)で添加した。
一実施態様では1列に複数滴置き、別の実施態様では同じスポット上に1、2、3又は4滴含有するスポットの列を作って、勾配ストリップに処理タオルが臭気を吸収する容量を測定させた。タオル上の被覆物が臭気を吸収し、その臭気に感受性である視覚指示薬がその臭気と反応してゆっくり色を変える。
タオルは容器トップの内側に取り付けてイソ吉草酸の溶液と接触するのを防止した。3分以内で最初のスポットの色が赤色からほとんど黄色に変化した。これは酸臭気の存在と吸収を示している。経時的に他のスポットが赤色から黄色に変化し、スポット中の染料濃度を反映している。すなわち、染料濃度が高いほど、色を変えるのに長時間かかる。
同じ手順に従い、クレゾールレッド、ニュートラルレット、3-ニトロフェノール、ブリリアントイエロー、ブロモチモールブルー及びクロロフェノールレッド(すべてAldrich Chemicalから入手可能)も低濃度(0.01〜0.0015%wt/wt)の脂肪酸臭気に対して感受性であることが分かった。酸臭気にさらして3〜30分以内で色の変化が見えてきて、その時間はタオルに適用した指示薬の濃度に依存した。
フェノールレッドと小量のF,D&C Blue 1染料(やはりAldrich Chemicalから入手可能)を混合して色範囲を広げて最初の色を橙色/茶色に変えた。酸臭気にスポットをさらすと橙色/茶色が緑色に変わり、酸臭気の吸収を示している(フェノールレッド染料は酸臭気で黄色に変わるが、F,D&C Blue 1染料は酸臭気に感受性でないので未変化のままである。こうして生じたスポットは黄色と青色の混合物であり、緑色スポットをもたらす)。このように、主要な色の色混合に基づいて種々の色の変化が得られることが分かった。
【0018】
〔実施例2〕
ミヒラーヒドロールのチオールを検出する能力を調べるため、1mlの反応混合物を、10μlのフルフリルメルカプタン(それぞれ0、0.228、0.456、1.912、1.824及び3.648ppm)、980μlの緩衝液(40mMの酢酸ナトリウムと4モル/リットルの塩化グアニジンを含有、pH 5.1)及び10μlの0.65mg/ml MH染料(BDMB)(すべてAldrich Chemical社から入手可能)を含有する6本の各バイアルに入れた。すべてのバイアルを室温で5分未満インキュベーション後、各バイアルから一部(200μl)を微量定量プレートウェルに移し、微量定量プレートリーダー(Dynex Technologies of Chantilly, Virginia (Model # MRX))で590nmにおける吸光度を測定した。580〜615nmの範囲でも吸光度を測定することができる。
図1に示されるように、BDMB法で検出可能なモデルチオール臭気化合物としてフルフリルメルカプタンを用いて基準曲線を得た。図1中、x軸はフルフリルメルカプタンの0〜4ppmの濃度であり、y軸は590nmにおける吸光度の逆数である。この方法ではチオール検出の感受性が非常に高いことが分かり、後述するガスクロマトグラフィーヘッドスペース法よりもずっと感受性が高かった。
【0019】
〔実施例3〕
ニンニクはその主要な臭気成分としてイオウ化合物(ジアリルチオスルフィネート(アリシン))を有するので、これをミヒラーヒドロールのイオウ臭気に対する反応を試験するための実施例として用いた。切ったばかりのニンニクをMH-染色したScott(登録商標)ペーパータオルと共にジャーに入れ、ジャーを封止した。ニンニク含有ジャー中のペーパータオルを観察すると、3〜5分以内で色が変わったが(青色から無色)、対照ジャーでは色の変化が観察されなかった。
【0020】
〔実施例4〕
図2に示されるように、BDMB(MH-染料)で検出可能なアンモニア臭気源として水酸化アンモニウム溶液を用いて基準曲線を得た。図2中、x軸は0〜400ppbのアンモニア濃度であり、y軸は590nmにおける吸光度である。8本の各バイアル中で、50μlの特有濃度のアンモニア溶液(それぞれ0、0.01、0.02、0.04、0.08、0.16、0.32及び0.64%)を150μlのMH溶液(CH3CN中10.0mg/ml MHを20μlと、5.0mlの40mM酢酸ナトリウム及び4MグアニジンHCl、pH 5.1)(すべてMilwaukee, WisconsinのAldrich Chemical社から入手可能)と混合し、バイアルを封止して4分以内インキュベートした。
次に、溶液を微量定量プレートウェルに移し、Dynex Technologies of Chantilly, Virginia (Model # MRX)製の微量定量プレートリーダーで590nmにおける吸光度を測定した。吸光度の示度をアンモニア溶液の濃度(十億分率(ppb)として濃度を表す)に対してプロットした。MH-染料法ではアンモニア検出の感受性が非常に高く、MH-染料濃度を変えることで感受性を変化させうることが分かった。
【0021】
〔実施例5〕
上述したのと同様の方法論でBDMBによる尿素臭気の検出についての基準曲線も調製し(図3)、BDMBがこの臭気に対しても感受性であることが分かった。図3中、x軸は0〜9モル/リットルの尿素濃度であり、y軸は590nmにおける吸光度である。
【0022】
〔実施例6〕
Agilent 7694ヘッドスペースサンプラーを備えたAgilent 5890, Series IIガスクロマトグラフ(両方ともAgilent Technologies, Waldbronn, Germanyから入手可能)で行ったヘッドスペースガスクロマトグラフィー試験で臭気吸収を決定した。キャリヤーガスとしてヘリウムを用いた(注入ポート圧力:188.9kPa(12.7psig);ヘッドスペースバイアル圧力:210.3kPa(15.8psig);供給ライン圧力:515.1kPa(60psig))。DB-624カラム(長さ30m、内径0.25mm)を臭気化合物のために使用した(J&W Scientific, Inc. of Folsom, Californiaから入手可能)。
ヘッドスペースガスクロマトグラフィーで用いた操作パラメーターを下表4に示す。
















【0023】
【表4】

【0024】
試験手順は、20cm3(cc)のヘッドスペースバイアルに臭気吸収剤含有試料0.005〜0.006gを入れることを含んだ。注射器を用いて一定分量の臭気化合物もバイアルに入れた。バイアルをキャップとセプタムで封止して37℃のヘッドスペースガスクロマトグラフィー乾燥器内に置いた。10分後、セプタムを通して中空針をバイアル中に挿入した。次にヘッドスペース(バイアル内の空気)の1ccの試料をガスクロマトグラフに注入した。
最初に、一定分量の臭気化合物だけの対照バイアルを調べて臭気化合物0%吸収を定義した。試料によって除去されるヘッドスペース臭気化合物の量を計算するため、試料を有するバイアルから得た臭気化合物のピーク表面積を臭気化合物対照バイアルから得たピーク表面積と比較した。5μlの2,3-ブタンジオン、5μlのアセトアルデヒド、及び5μlの3-メチルブタナールで試験を行った。各試料は二通り試験した。
【0025】
〔実施例7〕
イオウ臭気の具体例としてAldrich Chemical製のエチルメルカプタン(EtSH)を用いてイオウ(チオール)臭気をコントロール又は吸収するBDMBの能力を決定した。
閉じたバイアル内で1mlの上記緩衝液を含有する対照試料と水を調製した。1mlの緩衝液だけを含有する試料も調製し、それぞれ1mlの0.5mg/ml MH及び2.0mg/ml MHを含有する2試料も調製した。1mlの0.5mg/ml MHと5mM ZnCl2(両方ともAldrich Chemical製)を含有する試料も調製してMHに金属塩を添加する効果を確認してから5mM ZnCl2だけを含有する試料を調製した。
2.0mgのエチルメルカプタンを各試料に注入し、試料を室温で約5分間静置した。次いで、上記方法に従って各試料の1mlのヘッドスペースをGC分析で測定し、その結果を下表5に示す。





【0026】
【表5】

【0027】
これら結果より、BDMDがイオウ臭気を吸収するこにもその存在を示すことにも適切であることが明白である。さらに、この結果は、金属塩を添加するとBDMBによる臭気化合物の吸収率が向上することを示している。
【0028】
〔実施例8〕
また、尿含有試料にBDMBを添加することの効果をBDMBを添加していない試料と比較することによって、尿臭気の吸収に及ぼすBDMBの効果を決定した(表6)。
2mlの尿を含有する第1対照試料(対照1)を閉じたバイアル内で調製し、パッド上に置いた2mlの尿を含有する第2対照試料(対照2)も閉じたバイアル内に置いた。それぞれ1mgの尿素と0.15mgのMH(すべてAldrich Chemicalから入手可能)を含有するバイアルを調製し、2mlの尿を有するパッド(対照2に示すように)をこれら各バイアル内に置いた。
試料を室温で約5分間静置した。次いで、上記方法に従って各試料からの1mlのヘッドスペースをGC分析で決定した。
結果は、BDMBが尿のGCヘッドスペース分析で得られるピーク(RT 0.77分)を減らすのに有効であることを示している。さらに、臭気をかぐ試験に基づいて、BDMB処理尿は有意な臭気がないことも観察された。













【0029】
【表6】

【0030】
〔実施例9〕
BDMBがイオウ臭気用指示薬として適することを確認するため、4のKIMWIPES(登録商標)ティッシュ(Kimberly-Clark Corporation, Dallas, TX, USAから入手可能)を、Aldrich Chemical製のMH(0.5mg/ml)で染色した。2のKIMWIPES(登録商標)ティッシュにZnCl2(5mM)(やはりAldrich Chemical製)を添加した。各KIMWIPES(登録商標)ティッシュを閉じたバイアル内に置き、KIMWIPES(登録商標)ティッシュとMHのみを含有する1つのバイアルと、KIMWIPES(登録商標)ティッシュとMH及びZnCl2の両方を含有する1つのバイアルにエチルメルカプタン(EtSH)臭気(これもAldrich Chemical製)を注入した。両方の場合に、臭気を含むバイアルと臭気を注入しなかったバイアルとの間で顕著な色の変化が観察された(図示せず)。
従って、BDMBは、とりわけ尿、大便、イヌ及び料理の臭気の主成分であるイオウ、アミン及びアンモニア臭気用の有効な多機能性の臭気低減剤であると結論を下した。
【0031】
〔実施例10〕
20mlの20%wt/wt SNOWTEX-C(登録商標)ナノ粒子懸濁液に20mgの塩化銅を入れることによってNissan Chemical製のSNOWTEX-C(登録商標)シリカナノ粒子を改変した。Kimberly-Clark Corporation製のKIMWIPES(登録商標)ティッシュをこの銅イオン改変シリカナノ粒子懸濁液で被覆して空気乾燥させた。この明るい緑色のKIMWIPES(登録商標)ティッシュをバイアル内に置き、10ppmのエチルメルカプタン臭気(Aldrich Chemical)にさらした。KIMWIPES(登録商標)ティッシュは即座に青色に変わり、臭気の吸収及び臭気吸収ティッシュが働いていることの視覚指示薬を与えた。乾燥粉末形態である塩化銅で実験を繰りすと、同様の色の変化が観察された。
〔実施例11〕
KIMWIPES(登録商標)ティッシュをAldrich Chemical製のローズベンガル染料(Acid Red 94)の1%wt/wt溶液で被覆して空気乾燥させた。この明るい赤色染料はエチルメルカプタン(やはりAldrich Chemical製)にさらすと急速に脱色した。この指示薬の水溶液と乾燥被覆物の両方ともエチルメルカプタンにさらすと無色に変化した。
〔実施例12〕
薬物及び化粧品用途で承認されている染料であるD&C Red 28染料(Acid Red 92)を好適な視覚指示薬として同定し、イオウ臭気にさらして脱色することで還元させて実施した。セルロース基材上の水溶液としても乾燥被覆物としても働くことを実証した(SCOTT(登録商標)ペーパータオル上に1%wt/wt水溶液を被覆して乾燥させた)。
〔実施例13〕
塩化コバルトがイオウ、アルデヒド及びアミン臭気に対して感受性であることが分かった。塩化コバルトはスカイブルーからアミン臭気の存在下で無色に、イオウ臭気の存在下で茶色に、アルデヒド臭気の存在下で緑色に色を変えた。塩化コバルトは、セルロース基材上の水溶液としても乾燥被覆物としても機能することを実証した(SCOTT(登録商標)ペーパータオル上に被覆した1%wt/wt水溶液)。
〔実施例14〕
青色の銅フェナントロリン錯体は、イオウ臭気にさらすと茶色/橙色に変わり、アミン臭気にさらすと緑色に変わった。これは、セルロース基材上の水溶液としても乾燥被覆物としても機能することを実証した(SCOTT(登録商標)ペーパータオル上に被覆した1%wt/wt水溶液)。
〔実施例15〕
黄色/茶色固体である塩化鉄(III)は、乾燥粉末状態でイオウ又はアミン臭気にさらすと茶色/黒色に変わった。それは基材上の被覆物(SCOTT(登録商標)ペーパータオル上に被覆した1%wt/wt水溶液)又はシリカ若しくはアルミナ粉末上の被覆物(Nissan Chemical)でよい。
【0032】
〔実施例16〕
前記実施例で述べた基材上に視覚指示薬を被覆することに加え、インクジェットプリンターで基材上に指示薬の溶液を印刷することもできることも実証した。インクジェット印刷は、基材のトップ上に指示薬の薄い被覆物を沈着させるので、おそらく基材上の被覆物をより感色性にする。
下表7に示すインクジェット添加剤と共にAldrich Chemical製のミヒラーヒドロールを製剤化した。
【0033】
【表7】

【0034】
インク溶液を、Eden Prairie, MinnesotaのMcDermid-Colorspanから得た空のMargarita(登録商標)カートリッジ(Part #0900400-300)中に装填し、広幅型式McDermid-Colorspanプリンター(Model XII)を用いて印刷した。Scott(登録商標)ペーパータオル基材上の良いインクジェット印刷を実証した。印刷したScott(登録商標)ペーパータオルのストリップをニンニク臭気にさらすと、10秒で青色が脱色されるのが観察された(前記実施例の1つのMHで飽和させたScott T(登録商標)ペーパータオルの色の変化を観察するために3〜5分かかった)。従って、基材上に指示薬をインクジェット印刷することによって、この臭気に対してより高い感受性が観察された。
【0035】
〔実施例17〕
図4(a)及び4(b)は、本発明の指示デバイスを形成するストリップ10又はパッチ20の2つの可能なデザインを示すが、本技術の当業者には、他のタイプのいずれのデザイン、例えば、花のデザイン、文字列、連続ドットなども使用しうることが明かである。図4(a)及び4(b)のそれぞれパッチ20及びストリップ10は、4つのゾーン12、14、16及び18に分割し(単に例として)、“新”と記した第1ゾーン12は最低濃度の指示薬を含有し、“交換”と記した第4ゾーン18は最高濃度の指示薬を含有する。
シート又は物品の臭気吸収容量(吸収可能な臭気のmg/シートのg)を測定し、指示薬が反応する臭気化合物の容量(臭気化合物のモル/指示薬のモル)を知ることによって、指示薬がシート又は物品の臭気吸収に合うように臭気吸収容量をマッチングさせることができる。
従って、どのゾーンも色を変えなければ、これはその製品がその臭気吸収容量の25%未満までさらされたことを示す。製品が臭気にさらされると、ゾーンが色を変え始め、臭気吸収剤が付着している物品の臭気吸収容量の25%に達すると第1ゾーン12が色を変え、臭気吸収容量の50%に達すると第2ゾーン14が色を変えるなど、臭気吸収容量の100%に達した時、第4かつ最後のゾーンが色を変える。
図5は、上述したように、視覚指示パッチ20を印刷した外カバー60を有する使い捨ておむつを示す。
【0036】
本発明を本発明の特定の実施態様について詳述したが、当業者には本発明の精神及び範囲を逸脱することなく本発明に種々の改変、修正及び他の変更を為しうることは明かである。従って、特許請求の範囲は、このようなすべての修正、改変及び/又は変更をカバー又は包含することを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】4,4'-ビス(ジメチルアミノ)-ベンズヒドロール(BDMB)によるフルフリルメルカプタンの検出用基準曲線を示す。
【図2】BDMBによるアンモニアの検出用基準曲線を示す。
【図3】BDMBによる尿素の検出用基準曲線を示す。
【図4A】本発明の指示デバイスを形成するストリップ又はパッチの可能なデザインを示す。
【図4B】本発明の指示デバイスを形成するストリップ又はパッチの可能なデザインを示す。
【図5】本発明の一実施態様の指示デバイスを有する使い捨ておむつを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
臭気をコントロールするための物品であって、前記臭気に感色性である少なくとも1種の視覚指示薬を含んでなる物品。
【請求項2】
さらに臭気吸収剤を含む、請求項1の物品。
【請求項3】
前記視覚指示薬が臭気吸収剤でもある、請求項1の物品。
【請求項4】
前記視覚指示薬が、前記物品を飽和させるのに十分な臭気に前記物品がさらされた時を指し示す、請求項1の物品。
【請求項5】
前記指示薬が指示デバイス上にあり、前記デバイスは、ディスク、パッチ及びストリップから成る群より選択され、前記物品に適用され、或いは前記物品中に挿入されている、請求項1の物品。
【請求項6】
前記指示薬が溶液状態で前記物品上に印刷され、前記溶液の乾燥残渣が前記物品上に残存するように乾燥させられている、請求項1の物品。
【請求項7】
前記指示薬が溶液状態で前記物品上に被覆され、前記溶液の乾燥残渣が前記物品上に残存するように乾燥させられている、請求項1の物品。
【請求項8】
前記指示薬が、前記物品の臭気吸収容量のどの程度が利用されていないかを示すための2以上のゾーンに異なる濃度で適用されている、請求項1の物品。
【請求項9】
前記指示薬が、前記物品の臭気吸収容量のどの程度が使用されたかを示すための2以上のゾーンに異なる濃度で適用されている、請求項1の物品。
【請求項10】
前記臭気が、体臭気、足臭気、尿臭気、タバコ臭気、肉臭気、生ゴミ臭気、地下室臭気、メルカプタン、硫化物、硫化水素、アミン、アンモニア、イオウ、イオウ分解生成物、脂肪酸、イソ吉草酸、酪酸及び酢酸から成る群より選択される、請求項1の物品。
【請求項11】
前記視覚指示薬が、ニュートラルレッド、3-ニトロフェノール、ブリリアントイエロー、クロロフェノールレッド、ローズベンガル染料、D&C Red 28染料、4,4'-ビス(ジメチルアミノ)-ベンズヒドロール(BDMD又はミヒラーヒドロール)、パラローザニリン塩基、α-ナフトールベンゼン、ナフトクロムグリーン、メチルレッド、メチルバイオレット、メチルオレンジ、ブロモクレゾールモーブ、Acid Blue 80、青色染料Calcocid Blue 2G、エチルレッド、ブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールグリーン、クリスタルバイオレット、クレゾールレッド、チモールブルー、エリトロシンB、2,4-ジニトロフェノール、アリザリン、ブロモチモールブルー、フェノールレッド、m-ニトロフェノール、o-クレゾールフタレイン、チモールフタレイン、アリザリンYellow Reller、コバルト塩及びコバルト錯体、銅塩及び銅錯体、銅フェナントロリン錯体、鉄塩及び鉄錯体から成る群より選択される、請求項1の物品。
【請求項12】
前記視覚指示薬が4,4'-ビス(ジメチルアミノ)-ベンズヒドロールである、請求項11の物品。
【請求項13】
前記臭気吸収剤と視覚指示薬がいずれも4,4'-ビス(ジメチルアミノ)-ベンズヒドロールである、請求項3の物品。
【請求項14】
使い捨ての臭気吸収シート、おむつ、下着パッド、フェイスマスク、ろ過デバイス、生理用ナプキン、タンポン、パンティーシールド及び失禁パッドから選択される、請求項1の物品。
【請求項15】
シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、二酸化チタン、酸化鉄、金、酸化亜鉛、酸化銅及びその組合せから選択されるナノ粒子を含んでなる臭気をコントロールするための物品であって、前記ナノ粒子上に、銅イオン、銀イオン、金イオン、過マンガン酸塩イオン、亜塩素酸塩イオン、過硫酸塩イオン、鉄イオン及びその組合せから成る群より選択される少なくとも1種の金属イオンを有する、前記物品。
【請求項16】
臭気吸収物品の臭気を吸収する能力を示すための視覚指示デバイスであって、前記臭気にさらされたときに色を変える視覚指示薬のゾーンを少なくとも1つ含み、前記ゾーンは、前記物品が飽和して交換すべきであることを示すために色を変える濃度の前記視覚指示薬を有する、前記デバイス。
【請求項17】
臭気をコントロールするための物品が飽和したときを視覚的に示す方法であって、以下の工程:
前記物品の中又は上に、前記臭気に感色性である視覚指示薬を導入する工程、及び
前記物品が前記臭気で飽和したときに前記指示薬の色の変化を観察する工程
を含む方法。
【請求項18】
臭気をコントロールするための物品に対しての、前記物品が前記臭気で飽和したときを指し示す視覚指示薬の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−508105(P2007−508105A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−535485(P2006−535485)
【出願日】平成16年8月23日(2004.8.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/027624
【国際公開番号】WO2005/039656
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】