説明

致命的な病気の患者における生理機能測定のための親水性吸光組成物

【課題】光の可視領域で吸光し蛍光を発する、高親水性インドールおよびベンゾインドール誘導体を開示する。
【解決手段】本発明の新規組成物は、親水性であり電磁スペクトルの可視および近赤外領域の光を吸収する、式1ないし6の染料を含む。インビボの投与後の染料のクリアランス経路を改変するのが容易なことが、生理的モニタリング用のこれらの使用を可能にする。従って、血液タンパク質結合化合物は、血管造影法および器官潅流分析に有用であり、それは特に臓器移植および致命的な病気の患者において有用である。染料の腎臓クリアランスが支配的であることは、動的腎機能モニタリング用のそれらの使用を可能にし、血液からの染料の迅速な肝臓取込みは、肝機能評価に有用な指数として役立つ。これらの化合物は、生理および器官機能モニタリングに有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
この発明は、生理機能モニタリングで使用するための新規光学プローブ、特にインドールおよびベンゾインドール化合物に関連するものである。
【0002】
発明の背景
臨床での患者の生理機能の動的モニタリングは、様々な臨床的、生理的および病理的条件によってもたらされる急性腎不全のリスクを最小限にするために、非常に望ましい(C.A.Rabito, L.S.T. Fang, and A.C. Waltman, Renal function in patients at risk withcontrast material−induced acute renal failure: Noninvasive real−time monitoring, Radiology1993, 186, 851−854; N.L. Tilney, and J.M. Lazarus, Acute renal failure in surgicalpatients: Causes, clinical patterns, and care, Surgical Clinics of North America,1983, 63, 357−377; B.E. VanZe, W.E. Hoy, and J.R. Jaenike, Renal injury associatedwith intravenous pyelography in non−diabetic and diabetic patients, Annals ofInternal Medicine, 1978, 89, 51− 54; S. Lundqvist, G. Edbom, S. Groth, U. Stendahl,and S.−O. Hietala, Iohexol clearance for renal function measurement in gynecologiccancer patients, Acta Radiologica, 1996, 37, 582−586; P. Guesry, L. Kaufman,S. Orlof, J.A. Nelson, S. Swann, and M. Holliday, Measurement of glomerular filtrationrate by fluorescent excitation of non−radioactive meglumine iothalamate, ClinicalNephrology, 1975, 3, 134−138)。
【0003】
このモニタリングは、致命的な病気や傷害の患者の場合に特に重要である。なぜなら、これらの患者の大部分が、死を招く多臓器不全(multiple organ failure;MOF)のリスクに直面するからである(C.C.Baker et al., Epidemiology of Trauma Deaths, American Journal of Surgery,1980, 144−150; R.G. Lobenhofer et al., Treatment Results of Patients with MultipleTrauma: An Analysis of 3406 Cases Treated Between 1972 and 1991 at a German LevelI Trauma Center, Journal of Trauma, 1995, 38, 70−77)。MOFは、肺、肝臓、および腎臓の連続的な不全であり、急性肺障害(ALI)、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、代謝亢進、低血圧症、持続性炎症性病巣、または敗血症症候群などの1つまたはそれ以上の重篤な原因に誘発される。MOFを招く低血圧症およびショックに共通の組織学的特徴には、組織の壊死、血管の鬱血、間質性および細胞性の浮腫、出血、および微小血栓が含まれる。これらの変化は、肺、肝臓、腎臓、腸、副腎、脳および膵臓(頻度について降順)を冒す(J.Coalson, Pathology of Sepsis, Septic Shock, and Multiple Organ Failure. In NewHorizons: Multiple Organ Failure, D.J. Bihari and F.B. Cerra (Eds). Societyof Critical Care Medicine, Fullerton, CA, 1986, pp. 27−59)。外傷の早期段階から臨床上のMOFへの移行は、肝臓および腎臓の不全の程度と、約30%から約50%への死亡危険の変化によって明示される(F.B.Cerra, Multiple Organ Failure Syndrome. In New Horizons: Multiple Organ Failure,D.J. Bihari and F.B. Cerra (Eds). Society of Critical Care Medicine, Fullerton,CA, 1989, pp. 1−24)。
【0004】
臨床検査室で頻繁に測定される血清クレアチニンは、現在最も一般的な腎機能評価法であり、致命的な病気の患者で起こる腎機能の動的な変化を追跡する(P.D. Dollan,E.L. Alpen, and G.B. Theil, A clinical appraisal of the plasma concentrationand endogenous clearance of creatinine, American Journal of Medicine, 1962,32, 65−79; J.B. Henry (Ed). Clinical Diagnosis and Management by Laboratory Methods,17th Edition, W.B. Saunders, Philadelphia, PA, 1984); C.E. Speicher, Theright test: A physician’s guide to laboratory medicine, W.B. Saunders, Philadelphia,PA, 1989)。これらの値は、年齢、水分補給状態、腎潅流、筋肉量、食事の摂取、および多数の他の臨床的、人体測定学的変数が値に影響するので、頻繁に誤りを招くものである。さらに、採取後数時間を遡る単一の値は、血圧、心拍出量、水分補給状態および他の特殊な臨床的事象(例えば、出血、菌血、人工呼吸器の設置など)のような他の重要な生理的事象に対応させるのが難しい。球体濾過率の概算は、24時間の尿収集を介して成すことができるが、このことは、試料収集に24時間、試料分析にさらに数時間、そして細心の注意を払う臨床での収集技法を要する。新規または反復データも、等しく得にくい。時には、血清クレアチニンの変化を、尿中電解質、オスモル濃度、および「腎不全指数」や「ナトリウム分画排泄率」などの導かれる計算結果の値に基づいてさらに調節しなければならない。これには尿試料と同時に収集されるさらなる血清試料が必要であり、遅延の後、正確な計算が必要である。薬物の投与は何回も腎機能に適合させられ、従ってベースとした値と同程度に不正確で、同程度に遅れ、そして同じくらい再評価が困難であり得る。最後に、致命的な病気の集団における臨床的決断は、多くの場合、その的確さについてと同程度に、その時機について重要である。
【0005】
インシュリン、イオヘキソール(iohexol)、51Cr−EDTA、Gd−DTPAまたは99mTc−DTPAなどの外来性(exogenous)マーカーは、球体濾過率(GFR)を測定すると報告されてきた(P.L.Choyke, H.A. Austin, and J.A. Frank, Hydrated clearance of gadolinium−DTPA asa measurement of glomerular filtration rate, Kidney International, 1992, 41,1595−1598; M.F. Twedle, X. Zhang, M. Fernandez, P. Wedeking, A.D. Nunn, and H.W.Strauss, A noninvasive method for monitoring renal status at bedside, Invest.Radiol., 1997, 32, 802−805; N. Lewis, R. Kerr, and C. Van Buren, Comparativeevaluation of urographic contrast media, inulin, and 99mTc−DTPA clearancemethods for determination of glomerular filtration rate in clinical transplantation,Transplantation, 1989, 48, 790−796)。123Iおよび125I標識o−ヨウ化馬尿酸塩(o−iodohippurate)または99mTc−MAGなどの他のマーカーは、細管分泌過程の評価に使用される(W.N.Tauxe, Tubular Function, in Nuclear Medicine in Clinical Urology and Nephrology,W.N. Tauxe and E.V. Dubovsky, Editors, pp. 77−105, Appleton Century Crofts, EastNorwalk, 1985; R. Muller−Suur, and C. Muller−Suur, Glomerular filtration andtubular secretion of MAG in rat kidney, Journal of NuclearMedicine, 1989, 30, 1986−1991)。しかしながら、これらのマーカーには、放射能の使用またはエクスビボ(ex−vivo)での血液および尿試料の取扱いなどの、いくつかの望ましくない特性がある。従って、現状を評価し、腎臓病の進行を追跡するために、簡単、安全、正確かつ継続的な、好ましくは非放射能手順による腎機能測定方法の開発に、かなりの関心がある。リアルタイム・モニタリングの恩恵を受ける他の器官および生理機能には、特に臓器移植患者における、心臓、肝臓、および血液潅流が含まれる。
【0006】
親水性、陰イオン性物質は、一般に腎臓により排出されると認識されている(F. Roch−Ramel, K. Besseghir, and H. Murer, Renalexcretion and tubular transport of organic anions and cations, Handbook of Physiology,Section 8, Neurological Physiology, Vol. II, E.E. Windhager, Editor, pp. 2189−2262,Oxford University Press, New York, 1992; D.L. Nosco, and J.A. Beaty−Nosco, Chemistryof technetium radiopharmaceuticals 1: Chemistry behind the development of technetium−99mcompounds to determine kidney function, Coordination Chemistry Reviews, 1999,184, 91−123)。スルホン酸残基を有する薬物は、腎臓を介するクリアランスの改善を示すことがさらに認識されている(J. Baldas, J. Bonnyman,Preparation, HPLC studies and biological behavior of techentium−99m and 99mTcN0−radiopharmaceuticalsbased on quinoline type ligands, Nucl. Med. Biol., 1999, 19, 491−496; L. Hansen,A. Taylor, L., L.G. Marzilli, Synthesis of the sulfonate and phosphonate derivativesof mercaptoacetyltriglycine. X−ray crystal structure of Na[ReO(mercaptoacetylglycylglycylaminomethane−sulfonate)]3H,Met.−Based Drugs, 1994, 1, 31−39)。
【0007】
外来性光学マーカー、即ち陰イオン性ポリペプチド由来フルオレセイン・バイオコンジュゲート(bioconjugate)の血液クリアランスの継続的モニタリングによる腎機能の評価は、我々および他の人々によって開発されてきた(R.B.Dorshow, J.E. Bugaj, B.D. Burleigh, J.R. Duncan, M.A. Johnson, and W.B. Jones, Noninvasivefluorescence detection of hepatic and renal function, Journal of BiomedicalOptics, 1998, 3, 340−345; M. Sohtell et al., FITC−Inulin as a Kidney Tubule Markerin the Rat, Acta. Physiol. Scand., 1983, 119, 313−316, 各々を出典明示により本明細書の一部とする)。高分子量ポリペプチドの主な欠点は、免疫原性であることである。加えて、狭い分子量分散の大型ポリマーは、特に大量には、調製困難である。従って、当分野には、腎臓、肝臓、心臓および他の器官の機能の評価に使用できる、光を吸収および/または放出する低分子量化合物を開発する必要がある。
【0008】
発明の概要
本発明は、硫酸塩、スルホン酸塩、スルファミン酸塩および戦略的に位置するヒドロキシル基の形態の、親水性陰イオン性またはポリヒドロキシ残基を組込むことにより、これらの難点を克服する。従って、本発明は、多数の親水性部分を含有する新規染料、および器官機能評価用の診断物質としてのそれらの使用に関連する。
【0009】
本発明の新規組成物は、親水性であり電磁スペクトルの可視および近赤外領域の光を吸収する、式1ないし6の染料を含む。インビボの投与後の染料のクリアランス経路を改変するのが容易なことが、生理的モニタリング用のこれらの使用を可能にする。従って、血液タンパク質結合化合物は、血管造影法および器官潅流分析に有用であり、それは特に臓器移植および致命的な病気の患者において有用である。染料の腎臓クリアランスが支配的であることは、動的腎機能モニタリング用のそれらの使用を可能にし、血液からの染料の迅速な肝臓取込みは、肝機能評価に有用な指数として役立つ。
【0010】
図1−7に図解するように、これらの染料は、分子内および分子間に誘導される疎水性相互作用を妨害することにより、溶液中での凝集を阻害するように設計されている。
【0011】
本発明は、一般式1
【化3】



式1
式中、R、R、R、R、およびR、並びにYは、−H、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリアルコキシアルキル、C1−C20ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、糖類、アミノ、C1−C10アミノアルキル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、親水性ペプチド、アリールポリスルホン酸塩、C1−C10アルキル、C1−C10アリール、−SOT、−COT、−OH、−(CHSOT、−(CHOSOT、−(CHNHSOT、−(CHCO(CHSOT、−(CHOCO(CHSOT、−(CHCONH(CHSOT、−(CHNHCO(CHSOT、−(CHNHCONH(CHSOT、−(CHNHCSNH(CHSOT、−(CHOCONH(CHSOT、−(CHPOHT、−(CHPO、−(CHOPOHT、−(CHOPO、−(CHNHPOHT、−(CHNHPO、−(CHCO(CHPOHT、−(CHCO(CHPO、−(CHOCO(CHPOHT、−(CHOCO(CHPO、−(CHCONH(CHPOHT、−(CHCONH(CHPO、−(CHNHCO(CHPOHT、−(CHNHCO(CHPO、−(CHNHCONH(CHPOHT、−(CHNHCONH(CHPO、−(CHNHCSNH(CHPOHT、−(CHNHCSNH(CHPO、−(CHOCONH(CHPOHT、および−(CHOCONH(CHPO、−CH(CH−O−CH−CH−OH、−(CH−COT、−CH−(CH−O−CH−CH−COT、−(CH−NH、−CH−(CH−O−CH−CH−NH、−(CH−N(R)−(CH−COT、および−(CH−N(R)−CH−(CH−O−CH−CH−COTからなる群から独立して選択され;Wは、−CR、−O−、−NR、−S−、および−Seからなる群から選択され;a、b、d、f、h、i、およびjは、1−10で独立して変化し;c、e、g、およびkは、1−100で独立して変化し;R、R、R、およびRは、Yと同様に定義され;Tは、Hまたは負電荷のいずれかである、
のインドールを含む新規化合物に特に関連する。
【0012】
本発明はまた、一般式2
【化4】


式2
式中、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、およびYは、−H、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリアルコキシアルキル、C1−C20ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、糖類、アミノ、C1−C10アミノアルキル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、親水性ペプチド、アリールポリスルホン酸塩、C1−C10アルキル、C1−C10アリール、−SOT、−COT、−OH、−(CHSOT、−(CHOSOT、−(CHNHSOT、−(CHCO(CHSOT、−(CHOCO(CHSOT、−(CHCONH(CHSOT、−(CHNHCO(CHSOT、−(CHNHCONH(CHSOT、−(CHNHCSNH(CHSOT、−(CHOCONH(CHSOT、−(CHPOHT、−(CHPO、−(CHOPOHT、−(CHOPO、−(CHNHPOHT、−(CHNHPO、−(CHCO(CHPOHT、−(CHCO(CHPO、−(CHOCO(CHPOHT、−(CHOCO(CHPO、−(CHCONH(CHPOHT、−(CHCONH(CHPO、−(CHNHCO(CHPOHT、−(CHNHCO(CHPO、−(CHNHCONH(CHPOHT、−(CHNHCONH(CHPO、−(CHNHCSNH(CHPOHT、−(CHNHCSNH(CHPO、−(CHOCONH(CHPOHT、および−(CHOCONH(CHPO、−CH(CH−O−CH−CH−OH、−(CH−COT、−CH−(CH−O−CH−CH−COT、−(CH−NH、−CH−(CH−O−CH−CH−NH、−(CH−N(R)−(CH−COT、および−(CH−N(R)−CH−(CH−O−CH−CH−COTからなる群から独立して選択され;Wは、−CR、−O−、−NR、−S−、および−Seからなる群から選択され;a、b、d、f、h、i、およびjは、1−10で独立して変化し;c、e、g、およびkは、1−100で独立して変化し;R、R、R、およびRは、Yと同様に定義され;Tは、Hまたは負電荷のいずれかである、
のベンゾインドールを含む新規化合物に関連する。
【0013】
本発明はまた、一般式3
【化5】




式3
式中、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、Y、およびZは、−H、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリアルコキシアルキル、C1−C20ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、糖類、アミノ、C1−C10アミノアルキル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、親水性ペプチド、アリールポリスルホン酸塩、C1−C10アルキル、C1−C10アリール、−SOT、−COT、−OH、−(CHSOT、−(CHOSOT、−(CHNHSOT、−(CHCO(CHSOT、−(CHOCO(CHSOT、−(CHCONH(CHSOT、−(CHNHCO(CHSOT、−(CHNHCONH(CHSOT、−(CHNHCSNH(CHSOT、−(CHOCONH(CHSOT、−(CHPOHT、−(CHPO、−(CHOPOHT、−(CHOPO、−(CHNHPOHT、−(CHNHPO、−(CHCO(CHPOHT、−(CHCO(CHPO、−(CHOCO(CHPOHT、−(CHOCO(CHPO、−(CHCONH(CHPOHT、−(CHCONH(CHPO、−(CHNHCO(CHPOHT、−(CHNHCO(CHPO、−(CHNHCONH(CHPOHT、−(CHNHCONH(CHPO、−(CHNHCSNH(CHPOHT、−(CHNHCSNH(CHPO、−(CHOCONH(CHPOHT、および−(CHOCONH(CHPO、−CH(CH−O−CH−CH−OH、−(CH−COT、−CH−(CH−O−CH−CH−COT、−(CH−NH、−CH−(CH−O−CH−CH−NH、−(CH−N(R)−(CH−COT、および−(CH−N(R)−CH−(CH−O−CH−CH−COTからなる群から独立して選択され;WおよびXは、−CR、−O−、−NR、−S−、および−Seからなる群から選択され;Vは、単結合であるか、または−O−、−S−、−Se−、および−NRからなる群から選択され;a、b、d、f、h、i、およびjは、1−10で独立して変化し;c、e、g、およびkは、1−100で独立して変化し;aおよびbは、0ないし5で変化し;R、R、R、およびRは、Yと同様に定義され;Tは、Hまたは負電荷のいずれかである、
のシアニン染料を含む新規組成物に関連する。
【0014】
本発明はさらに、一般式4
【化6】


式4
式中、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、Y、およびZは、−H、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリアルコキシアルキル、C1−C20ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、糖類、アミノ、C1−C10アミノアルキル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、親水性ペプチド、アリールポリスルホン酸塩、C1−C10アルキル、C1−C10アリール、−SOT、−COT、−OH、−(CHSOT、−(CHOSOT、−(CHNHSOT、−(CHCO(CHSOT、−(CHOCO(CHSOT、−(CHCONH(CHSOT、−(CHNHCO(CHSOT、−(CHNHCONH(CHSOT、−(CHNHCSNH(CHSOT、−(CHOCONH(CHSOT、−(CHPOHT、−(CHPO、−(CHOPOHT、−(CHOPO、−(CHNHPOHT、−(CHNHPO、−(CHCO(CHPOHT、−(CHCO(CHPO、−(CHOCO(CHPOHT、−(CHOCO(CHPO、−(CHCONH(CHPOHT、−(CHCONH(CHPO、−(CHNHCO(CHPOHT、−(CHNHCO(CHPO、−(CHNHCONH(CHPOHT、−(CHNHCONH(CHPO、−(CHNHCSNH(CHPOHT、−(CHNHCSNH(CHPO、−(CHOCONH(CHPOHT、および−(CHOCONH(CHPO、−CH(CH−O−CH−CH−OH、−(CH−COT、−CH−(CH−O−CH−CH−COT、−(CH−NH、−CH−(CH−O−CH−CH−NH、−(CH−N(R)−(CH−COT、および−(CH−N(R)−CH−(CH−O−CH−CH−COTからなる群から独立して選択され;WおよびXは、−CR、−O−、−NR、−S−、および−Seからなる群から選択され;Vは、単結合であるか、または−O−、−S−、−Se−、および−NRからなる群から選択され;aおよびbは、0ないし5で変化し;a、b、d、f、h、i、およびjは、1−10で独立して変化し;c、e、g、およびkは、1−100で独立して変化し;R、R、R、およびRは、Yと同様に定義され;Tは、Hまたは負電荷のいずれかである、
のシアニン染料を含む新規組成物に関連する。
【0015】
本発明はまた、一般式5
【化7】


式5
式中、R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43、R44、R45、Y、およびZは、−H、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリアルコキシアルキル、C1−C20ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、糖類、アミノ、C1−C10アミノアルキル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、親水性ペプチド、アリールポリスルホン酸塩、C1−C10アルキル、C1−C10アリール、−SOT、−COT、−OH、−(CHSOT、−(CHOSOT、−(CHNHSOT、−(CHCO(CHSOT、−(CHOCO(CHSOT、−(CHCONH(CHSOT、−(CHNHCO(CHSOT、−(CHNHCONH(CHSOT、−(CHNHCSNH(CHSOT、−(CHOCONH(CHSOT、−(CHPOHT、−(CHPO、−(CHOPOHT、−(CHOPO、−(CHNHPOHT、−(CHNHPO、−(CHCO(CHPOHT、−(CHCO(CHPO、−(CHOCO(CHPOHT、−(CHOCO(CHPO、−(CHCONH(CHPOHT、−(CHCONH(CHPO、−(CHNHCO(CHPOHT、−(CHNHCO(CHPO、−(CHNHCONH(CHPOHT、−(CHNHCONH(CHPO、−(CHNHCSNH(CHPOHT、−(CHNHCSNH(CHPO、−(CHOCONH(CHPOHT、および−(CHOCONH(CHPO、−CH(CH−O−CH−CH−OH、−(CH−COT、−CH−(CH−O−CH−CH−COT、−(CH−NH、−CH−(CH−O−CH−CH−NH、−(CH−N(R)−(CH−COT、および−(CH−N(R)−CH−(CH−O−CH−CH−COTからなる群から独立して選択され;WおよびXは、−CR、−O−、−NR、−S−、および−Seからなる群から選択され;Vは、単結合であるか、または−O−、−S−、−Se−、および−NRからなる群から選択され;Dは、単結合または二重結合であり;A、BおよびEは、同一であるか、または異なっていてもよく、−O−、−S−、−Se−、−P−、−NR、−CR、CR、アルキル、および−C=Oからなる群から選択され;A5、、D、およびEは、一緒になって6または7員の炭素環式環、または場合により1個またはそれ以上の酸素、窒素、または硫黄原子を含有する6または7員の複素環式環を形成してもよく;a、b、d、f、h、i、およびjは、1−10で独立して変化し;c、e、g、およびkは、1−100で独立して変化し;aおよびbは、0ないし5で変化し;R、R、R、およびRは、Yと同様に定義され;Tは、Hまたは負電荷のいずれかである、
のシアニン染料を含む新規組成物に関連する。
【0016】
本発明はまた、一般式6
【化8】


式6
式中、R46、R47、R48、R49、R50、R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57およびR58、Y、およびZは、−H、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリアルコキシアルキル、C1−C20ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、糖類、アミノ、C1−C10アミノアルキル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、親水性ペプチド、アリールポリスルホン酸塩、C1−C10アルキル、C1−C10アリール、−SOT、−COT、−OH、−(CHSOT、−(CHOSOT、−(CHNHSOT、−(CHCO(CHSOT、−(CHOCO(CHSOT、−(CHCONH(CHSOT、−(CHNHCO(CHSOT、−(CHNHCONH(CHSOT、−(CHNHCSNH(CHSOT、−(CHOCONH(CHSOT、−(CHPOHT、−(CHPO、−(CHOPOHT、−(CHOPO、−(CHNHPOHT、−(CHNHPO、−(CHCO(CHPOHT、−(CHCO(CHPO、−(CHOCO(CHPOHT、−(CHOCO(CHPO、−(CHCONH(CHPOHT、−(CHCONH(CHPO、−(CHNHCO(CHPOHT、−(CHNHCO(CHPO、−(CHNHCONH(CHPOHT、−(CHNHCONH(CHPO、−(CHNHCSNH(CHPOHT、−(CHNHCSNH(CHPO、−(CHOCONH(CHPOHT、および−(CHOCONH(CHPO、−CH(CH−O−CH−CH−OH、−(CH−COT、−CH−(CH−O−CH−CH−COT、−(CH−NH、−CH−(CH−O−CH−CH−NH、−(CH−N(R)−(CH−COT、および−(CH−N(R)−CH−(CH−O−CH−CH−COTからなる群から独立して選択され;WおよびXは、−CR、−O−、−NR、−S−、および−Seからなる群から選択され;Vは、単結合であるか、または−O−、−S−、−Se−、および−NRからなる群から選択され;Dは、単結合または二重結合であり;A、BおよびEは、同一であるか、または異なっていてもよく、−O−、−S−、−Se−、−P−、−NR、−CR、CR、アルキル、および−C=Oからなる群から選択され;A6、、D、およびEは、一緒になって6または7員の炭素環式環、または場合により1個またはそれ以上の酸素、窒素、または硫黄原子を含有する6または7員の複素環式環を形成してもよく;a、b、d、f、h、i、およびjは、1−10で独立して変化し;c、e、g、およびkは、1−100で独立して変化し;aおよびbは、0ないし5で変化し;R、R、R、およびRは、Yと同様に定義され;Tは、Hまたは負電荷のいずれかである、
のシアニン染料を含む新規組成物に関連する。
【0017】
本発明の組成物および方法は、特定であるが変化する状況下で、外来性マーカーを使用して、リアルタイムの、正確な、繰返し可能な腎排出速度の測定を提供するので、有利である。このことは、現在利用可能であるか、または広く実施されているいかなる方法に対しても、実質的な改善を意味する。なぜなら、現在、光学的方法による、特定の腎機能評価のための、信頼できる、継続的な、繰返し可能な臨床方法は全く存在しないからである。さらに、本発明の方法は、外来性化学物質の腎排除にひとえに依存するので、測定は絶対的であり、年齢、筋肉量、血圧などに基づく主観的解釈を必要としない。実際に、それはこれらの特定の状況下での、まさにこの時間における、この特定の患者の腎機能の性質を表す。
【0018】
本発明の化合物および方法は、簡単、効率的かつ有効な器官機能のモニタリングを提供する。化合物を投与し、化合物が血液から除去される速度を測定するために、外部または内部のいずれかのセンサーを使用して吸光および/または発光を検出する。R基の改変により、化合物をより器官特異的にしてもよい。したがって、本発明は、以下を提供する。

(1)式
【化101】


式2
式中、R、R、R10、R11、R12、R13およびR14、およびYは、−H、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリアルコキシアルキル、C1−C20ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、糖類、アミノ、C1−C10アミノアルキル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、親水性ペプチド、アリールポリスルホン酸塩、C1−C10アルキル、C5−C20アリール、−SOT、−COT、−OH、−(CHSOT、−(CHOSOT、−(CHNHSOT、−(CHCO(CHSOT、−(CHOCO(CHSOT、−(CHCONH(CHSOT、−(CHNHCO(CHSOT、−(CHNHCONH(CHSOT、−(CHNHCSNH(CHSOT、−(CHOCONH(CHSOT、−(CHPOHT、−(CHPO、−(CHOPOHT、−(CHOPO、−(CHNHPOHT、−(CHNHPO、−(CHCO(CHPOHT、−(CHCO(CHPO、−(CHOCO(CHPOHT、−(CHOCO(CHPO、−(CHCONH(CHPOHT、−(CHCONH(CHPO、−(CHNHCO(CHPOHT、−(CHNHCO(CHPO、−(CHNHCONH(CHPOHT、−(CHNHCONH(CHPO、−(CHNHCSNH(CHPOHT、−(CHNHCSNH(CHPO、−(CHOCONH(CHPOHT、および−(CHOCONH(CHPO、−CH(CH−O−CH−CH−OH、−(CH−COT、−CH−(CH−O−CH−CH−COT、−(CH−NH、−CH−(CH−O−CH−CH−NH、−(CH−N(R)−(CH−COT、および−(CH−N(R)−CH−(CH−O−CH−CH−COTからなる群から独立して選択され;Wは、−CR、−O−、−NR、−S−、および−Seからなる群から選択され;a、b、d、f、h、i、およびjは、1−10で独立して変化し;c、e、g、およびkは、1−100で独立して変化し;R、R、R、およびRは、Yと同様に定義され;そして、Tは、Hまたは負電荷のいずれかである、
のインドールを含む組成物。
(2)R、R、R10、R11、R12、R13、R14、およびYは、−H、C1−C5アルコキシル、C1−C5ポリアルコキシアルキル、C1−C10ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、単−および二糖類、ニトロ、親水性ペプチド、アリールポリスルホン酸塩、C1−C5アルキル、C5−C20アリール、−SOT、−COT、−OH、−(CHSOT、−(CHOSOT、−(CHNHSOT、−(CHCO(CHSOT、−(CHOCO(CHSOT、−CH(CH−O−CH−CH−OH、−(CH−COT、−CH−(CH−O−CH−CH−COT、−(CH−NH、−CH−(CH−O−CH−CH−NH、−(CH−N(R)−(CH−COT、および−(CH−N(R)−CH−(CH−O−CH−CH−COTからなる群から独立して選択され;Wは、−CR、−O−、−NR、−S−、および−Seからなる群から選択され;a、b、d、f、h、I、およびjは、1−5で独立して変化し;c、e、g、およびkは、1−20で独立して変化し;R、R、R、およびRは、Yと同様に定義され;そしてTは負電荷である、
請求項1に記載の組成物。
(3)R、R、R11、R13、およびR14の各々はHであり、各R10およびR12はSOTであり、Yは−(CHSOTであり;Wは−C(CHであり;そしてTは負電荷である、請求項1に記載の組成物。
(4)診断または治療手法を実施する方法であって、式
【化102】


式2
式中、R、R、R10、R11、R12、R13ないしR14、およびYは、−H、C1−C10アルコキシル、C1−C10ポリアルコキシアルキル、C1−C20ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、糖類、アミノ、C1−C10アミノアルキル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、親水性ペプチド、アリールポリスルホン酸塩、C1−C10アルキル、C5−C20アリール、−SOT、−COT、−OH、−(CHSOT、−(CHOSOT、−(CHNHSOT、−(CHCO(CHSOT、−(CHOCO(CHSOT、−(CHCONH(CHSOT、−(CHNHCO(CHSOT、−(CHNHCONH(CHSOT、−(CHNHCSNH(CHSOT、−(CHOCONH(CHSOT、−(CHPOHT、−(CHPO、−(CHOPOHT、−(CHOPO、−(CHNHPOHT、−(CHNHPO、−(CHCO(CHPOHT、−(CHCO(CHPO、−(CHOCO(CHPOHT、−(CHOCO(CHPO、−(CHCONH(CHPOHT、−(CHCONH(CHPO、−(CHNHCO(CHPOHT、−(CHNHCO(CHPO、−(CHNHCONH(CHPOHT、−(CHNHCONH(CHPO、−(CHNHCSNH(CHPOHT、−(CHNHCSNH(CHPO、−(CHOCONH(CHPOHT、および−(CHOCONH(CHPO、−CH(CH−O−CH−CH−OH、−(CH−COT、−CH−(CH−O−CH−CH−COT、−(CH−NH、−CH−(CH−O−CH−CH−NH、−(CH−N(R)−(CH−COT、および−(CH−N(R)−CH−(CH−O−CH−CH−COTからなる群から独立して選択され;Wは、−CR、−O−、−NR、−S−、および−Seからなる群から選択され;a、b、d、f、h、i、およびjは、1−10で独立して変化し;c、e、g、およびkは、1−100で独立して変化し;R、R、R、およびRは、Yと同様に定義され;そして、Tは、Hまたは負電荷のいずれかである、
のベンゾインドールの有効量を哺乳動物に投与することを含む、方法。
(5)R、R、R10、R11、R12、R13、およびR14、およびYは、−H、C1−C5アルコキシル、C1−C5ポリアルコキシアルキル、C1−C10ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、単−および二糖類、ニトロ、親水性ペプチド、アリールポリスルホン酸塩、C1−C5アルキル、C5−C20アリール、−SOT、−COT、−OH、−(CHSOT、−(CHOSOT、−(CHNHSOT、−(CHCO(CHSOT、−(CHOCO(CHSOT、−CH(CH−O−CH−CH−OH、−(CH−COT、−CH−(CH−O−CH−CH−COT、−(CH−NH、−CH−(CH−O−CH−CH−NH、−(CH−N(R)−(CH−COT、および−(CH−N(R)−CH−(CH−O−CH−CH−COTからなる群から独立して選択され;Wは、−CR、−O−、−NR、−S−、および−Seからなる群から選択され;a、b、d、f、h、I、およびjは、1−5で独立して変化し;c、e、g、およびkは、1−20で独立して変化し;R、R、R、およびRは、Yと同様に定義され;そしてTは負電荷である、ベンゾインドールの組成物の有効量を投与することを含む、請求項4に記載の方法。
(6)R、R、R11、R13、およびR14の各々はHであり、R10およびR12の各々はSOTであり、Yは−(CHSOTであり;Wは−C(CHであり;そしてTは負電荷である、インドールの組成物の有効量を投与することを含む、請求項5に記載の方法。
(7)該手法が、350−1300nmの領域の波長の光を利用するものである、請求項4に記載の方法。
(8)該手法が、350ないし1300nmの領域の波長の光を使用して、蛍光により血液クリアランスプロフィールをモニタリングすることを含む、請求項4に記載の方法。
(9)該手法が、350ないし1300nmの領域の波長の光を使用して、吸光により血液クリアランスプロフィールをモニタリングすることを含む、請求項4に記載の方法。
(10)該手法が生理機能モニタリング用である、請求項4に記載の方法。
(11)該手法が腎臓部機能モニタリング用である、請求項10に記載の方法。
(12)該手法が心機能モニタリング用である、請求項10に記載の方法。
(13)該手法が腎臓機能モニタリング用である、請求項10に記載の方法。
(14)該手法がインビボで器官潅流を測定するためのものである、請求項10に記載の方法。
【0019】
図面の簡単な説明
図1:インドール誘導体調製の反応経路。
図2:ベンゾインドール誘導体調製の反応経路。
図3:インドカルボシアニン誘導体調製の反応経路。
図4:ベンゾインドカルボシアニン誘導体調製の反応経路。
図5:頑強な(robust)インドカルボシアニン誘導体調製の反応経路。
図6:頑強なベンゾインドカルボシアニン誘導体調製の反応経路。
図7:長波長吸光インドカルボシアニン誘導体調製の反応経路。
【0020】
図8a:水中のインドールジスルホン酸塩の吸光スペクトル。
図8b:水中のインドールジスルホン酸塩の発光スペクトル。
図9a:水中のインドカルボシアニンテトラスルホン酸塩の吸光スペクトル。
図9b:水中のインドカルボシアニンテトラスルホン酸塩の発光スペクトル。
図10a:アセトニトリル中のクロロインドカルボシアニンの吸光スペクトル。
図10b:アセトニトリル中のクロロインドカルボシアニンの発光スペクトル。
図11:カルボシアニン−ポリアスパラギン酸(10kDa)コンジュゲートの、ラットにおける血液クリアランスプロフィール。
図12:カルボシアニン−ポリアスパラギン酸(30kDa)コンジュゲートの、ラットにおける血液クリアランスプロフィール。
図13:インドールジスルホン酸塩の、ラットにおける血液クリアランスプロフィール。
図14:カルボシアニンテトラスルホン酸塩の、ラットにおける血液クリアランスプロフィール。
【0021】
詳細な説明
本発明のある実施態様では、本発明の染料は、特に致命的な病気の患者および腎臓移植患者のための、腎機能の継続的モニタリング用のプローブとして役立つ。
【0022】
本発明の他の態様では、本発明の染料は、特に致命的な病気の患者および肝臓移植患者のための、動的肝機能モニタリングに有用である。
【0023】
発明のなお他の態様では、発明の染料は、特に心臓病の患者における、心機能のリアルタイム測定に有用である。
【0024】
発明のさらに他の態様では、本発明の染料は、特に致命的な病気、癌、および臓器移植患者のための、器官潅流のモニタリングに有用である。
【0025】
本発明の新規染料は、図1−7に一般的に図解し、実施例1−11で特定化合物について記載したように、当分野で周知の方法に従って調製される。
【0026】
ある実施態様では、トレーサーとも呼ばれる本発明の新規組成物は、式1を有し、式中、R、R、R、RおよびR、およびYは、−H、C1−C5アルコキシル、C1−C5ポリアルコキシアルキル、C1−C10ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、単−および二糖類、ニトロ、親水性ペプチド、アリールポリスルホン酸塩、C1−C5アルキル、C1−C10アリール、−SOT、−COT、−OH、−(CHSOT、−(CHOSOT、−(CHNHSOT、−(CHCO(CHSOT、−(CHOCO(CHSOT、−CH(CH−O−CH−CH−OH、−(CH−COT、−CH−(CH−O−CH−CH−COT、−(CH−NH、−CH−(CH−O−CH−CH−NH、−(CH−N(R)−(CH−COT、および−(CH−N(R)−CH−(CH−O−CH−CH−COTからなる群から独立して選択され;Wは、−CR、−O−、−NR、−S−、および−Seからなる群から選択され;a、b、d、f、h、I、およびjは、1−5で独立して変化し;c、e、g、およびkは、1−20で独立して変化し;R、R、R、およびRは、Yと同様に定義され;Tは負電荷である。
【0027】
他の実施態様では、本発明の新規組成物は、一般式2を有し、式中、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、およびYは、−H、C1−C5アルコキシル、C1−C5ポリアルコキシアルキル、C1−C10ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、単−および二糖類、ニトロ、親水性ペプチド、アリールポリスルホン酸塩、C1−C5アルキル、C1−C10アリール、−SOT、−COT、−OH、−(CHSOT、−(CHOSOT、−(CHNHSOT、−(CHCO(CHSOT、−(CHOCO(CHSOT、−CH(CH−O−CH−CH−OH、−(CH−COT、−CH−(CH−O−CH−CH−COT、−(CH−NH、−CH−(CH−O−CH−CH−NH、−(CH−N(R)−(CH−COT、および−(CH−N(R)−CH−(CH−O−CH−CH−COTからなる群から独立して選択され;Wは、−CR、−O−、−NR、−S−、および−Seからなる群から選択され;a、b、d、f、h、I、およびjは、1−5で独立して変化し;c、e、g、およびkは、1−20で独立して変化し;R、R、R、およびRは、Yと同様に定義され;Tは負電荷である。
【0028】
他の実施態様では、本発明の新規組成物は、一般式3を有し、式中、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、Y、およびZは、−H、C1−C5アルコキシル、C1−C5ポリアルコキシアルキル、C1−C10ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、単−および二糖類、ニトロ、親水性ペプチド、アリールポリスルホン酸塩、C1−C5アルキル、C1−C10アリール、−SOT、−COT、−OH、−(CHSOT、−(CHOSOT、−(CHNHSOT、−(CHCO(CHSOT、−(CHOCO(CHSOT、−CH(CH−O−CH−CH−OH、−(CH−COT、−CH−(CH−O−CH−CH−COT、−(CH−NH、−CH−(CH−O−CH−CH−NH、−(CH−N(R)−(CH−COT、および−(CH−N(R)−CH−(CH−O−CH−CH−COTからなる群から独立して選択され;WおよびXは、−CR、−O−、−NR、−S−、および−Seからなる群から選択され;Vは、単結合であるか、または−O−、−S−、−Se−、および−NRからなる群から選択され;a、b、d、f、h、i、およびjは、1−5で独立して変化し;c、e、g、およびkは、1−50で独立して変化し;aおよびbは、0ないし5で変化し;R、R、R、およびRは、Yと同様に定義され;Tは、Hまたは負電荷のいずれかである。
【0029】
他の実施態様では、本発明の新規組成物は、一般式4を有し、式中、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、Y、およびZは、−H、C1−C5アルコキシル、C1−C5ポリアルコキシアルキル、C1−C10ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、単−および二糖類、ニトロ、親水性ペプチド、アリールポリスルホン酸塩、C1−C5アルキル、C1−C10アリール、−SOT、−COT、−OH、−(CHSOT、−(CHOSOT、−(CHNHSOT、−(CHCO(CHSOT、−(CHOCO(CHSOT、−CH(CH−O−CH−CH−OH、−(CH−COT、−CH−(CH−O−CH−CH−COT、−(CH−NH、−CH−(CH−O−CH−CH−NH、−(CH−N(R)−(CH−COT、および−(CH−N(R)−CH−(CH−O−CH−CH−COTからなる群から独立して選択され;WおよびXは、−CR、−O−、−NR、−S−、および−Seからなる群から選択され;Vは、単結合であるか、または−O−、−S−、−Se−、および−NRからなる群から選択され;aおよびbは、0ないし5で変化し;a、b、d、f、h、i、およびjは、1−5で独立して変化し;c、e、g、およびkは、1−50で独立して変化し;R、R、R、およびRは、Yと同様に定義され;Tは、Hまたは負電荷のいずれかである。
【0030】
他の実施態様では、本発明の新規組成物は、一般式5を有し、式中、R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43、R44、R45、Y、およびZは、−H、C1−C5アルコキシル、C1−C5ポリアルコキシアルキル、C1−C10ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、単−および二糖類、ニトロ、親水性ペプチド、アリールポリスルホン酸塩、C1−C5アルキル、C1−C10アリール、−SOT、−COT、−OH、−(CHSOT、−(CHOSOT、−(CHNHSOT、−(CHCO(CHSOT、−(CHOCO(CHSOT、−CH(CH−O−CH−CH−OH、−(CH−COT、−CH−(CH−O−CH−CH−COT、−(CH−NH、−CH−(CH−O−CH−CH−NH、−(CH−N(R)−(CH−COT、および−(CH−N(R)−CH−(CH−O−CH−CH−COTからなる群から独立して選択され;WおよびXは、−CR、−O−、−NR、−S−、および−Seからなる群から選択され;Vは、単結合であるか、または−O−、−S−、−Se−、および−NRからなる群から選択され;Dは、単結合または二重結合であり;A、BおよびEは、同一であるか、または異なっていてもよく、−O−、−S−、−NR、−CR、CR、およびアルキルからなる群から選択され;A5、、D、およびEは、一緒になって6または7員の炭素環式環、または場合により1個またはそれ以上の酸素、窒素、または硫黄原子を含有する6または7員の複素環式環を形成してもよく;a、b、d、f、h、i、およびjは、1−5で独立して変化し;c、e、g、およびkは、1−50で独立して変化し;aおよびbは、0ないし5で変化し;R、R、R、およびRは、Yと同様に定義され;Tは、Hまたは負電荷のいずれかである。
【0031】
また他の実施態様では、本発明の新規組成物は、一般式6を有し、式中、R46、R47、R48、R49、R50、R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57、R58、Y、およびZは、−H、C1−C5アルコキシル、C1−C5ポリアルコキシアルキル、C1−C10ポリヒドロキシアルキル、C5−C20ポリヒドロキシアリール、単−および二糖類、ニトロ、親水性ペプチド、アリールポリスルホン酸塩、C1−C5アルキル、C1−C10アリール、−SOT、−COT、−OH、−(CHSOT、−(CHOSOT、−(CHNHSOT、−(CHCO(CHSOT、−(CHOCO(CHSOT、−CH(CH−O−CH−CH−OH、−(CH−COT、−CH−(CH−O−CH−CH−COT、−(CH−NH、−CH−(CH−O−CH−CH−NH、−(CH−N(R)−(CH−COT、および−(CH−N(R)−CH−(CH−O−CH−CH−COTからなる群から独立して選択され;WおよびXは、−CR、−O−、−NR、−S−、および−Seからなる群から選択され;Vは、単結合であるか、または−O−、−S−、−Se−、および−NRからなる群から選択され;Dは、単結合または二重結合であり;A、BおよびEは、同一であるか、または異なっていてもよく、−O−、−S−、−NR、−CR、CR、およびアルキルからなる群から選択され;A6、、D、およびEは、一緒になって6または7員の炭素環式環、または場合により1個またはそれ以上の酸素、窒素、または硫黄原子を含有する6または7員の複素環式環を形成してもよく;a、b、d、f、h、i、およびjは、1−5で独立して変化し;c、e、g、およびkは、1−50で独立して変化し;aおよびbは、0ないし5で変化し;R、R、R、およびRは、Yと同様に定義され;Tは、Hまたは負電荷のいずれかである。
【0032】
トレーサーの用量は、企図する臨床手法によって変化し得、一般的に1ピコモーラーないし100ミリモーラーの範囲である。トレーサーは、静脈内、腹膜内または皮下の注射または点滴、経口投与、皮膚を介する経皮吸収を含む、任意の適する方法により、または吸入により、患者に投与され得る。トレーサーの検出は、内視鏡、カテーテル、耳のクリップ、手のバンド、表面のコイル、指プローブなどの侵襲性または非侵襲性のプローブを使用して、当分野で既知の光学的蛍光、吸光、または光散乱方法によって達成される(Mulleret al. Eds, Medical Optical Tomography, SPIE Volume IS11, 1993, 出典明示により本明細書の一部とする)。生理機能は、これらの物質の体液からのクリアランスプロフィールおよび速度に相関する(R.B.Dorshow et al., Non−Invasive Fluorescence Detection of Hepatic and Renal Function,Bull. Am. Phys. Soc. 1997, 42, 681, 出典明示により本明細書の一部とする)。
【0033】
器官の機能は、正常細胞と損なわれた細胞がトレーサーを血流から除去する様式の差異によって、器官または組織でのこれらのトレーサーの割合または蓄積の測定によって、あるいは器官または組織の断層撮影画像の獲得によって、評価できる。血液プールクリアランスは、耳たぶまたは指に見出されるような好都合な表面毛細血管から、例えば耳クリップまたは指クリップのセンサーを使用して、非侵襲的に測定し得、あるいは血管内カテーテルを使用して侵襲的に測定し得る。目的の細胞内でのトレーサーの蓄積は、同様にして評価できる。トレーサー染料のクリアランスは、励起波長と放出された光子用のフィルターを選択することにより測定し得る。濃度−時間曲線を、マイクロプロセッサーによりリアルタイムで分析し得る。本発明の化合物が器官の機能をモニターする実行可能性を証明するために、化合物を注入した脈管構造から放射するシグナルをモニターする、非侵襲的吸光または蛍光検出システムを使用した。式1−6のようなインドール誘導体は、当業者に既知であるか、または容易に決定されるような適切な波長で励起されると、350nmないし1300nmの波長で蛍光を発する。
【0034】
非侵襲性の技法に加えて、必要な測定を実施するために、改変型肺動脈カテーテルを使用できる(R.B. Dorshow, J.E. Bugaj, S.A. Achilefu,R. Rajagopalan, and A.H. Combs, Monitoring Physiological Function by Detectionof Exogenous Fluorescent Contrast Agents, in Optical Diagnostics of BiologicalFluids IV, A. Priezzhev and T. Asakura, Editors, Procedings of SPIE 1999, 3599,2−8, 出典明示により本明細書の一部とする)。現在、肺動脈カテーテルは、血管内の圧力、心排出量および他の派生する血流の計測のみを測定している。致命的な病気の患者はこれらのパラメーターを使用して管理されるが、腎機能の評価には断続的な血液採取と試験に依存している。これらの検査室的パラメーターは不連続なデータを表し、多くの患者集団で頻繁に誤りを招く。しかし、重要なことに、これらは、患者の評価、処置判断および薬物投与のために非常に頼りにされている。
【0035】
改変型肺動脈カテーテルは、標準的な肺動脈カテーテルの先端に、光センサーを組込んでいる。この波長特異的光センサーは、光学的に検出可能な化学物質の腎機能特異的排除をモニターできる。従って、染料希釈曲線に類似の方法によって、光学的に検出される化合物の消滅により、リアルタイムの腎機能をモニターできる。標準的な肺動脈カテーテルの改変には、当業者に既知のように、光ファイバーセンサーを波長特異的にするだけでよい。混合静脈酸素飽和度を測定するために光ファイバー技術を組込んだカテーテルは、今日存在する。
【0036】
本発明は、腎機能の迅速な臨床評価に、そしてまた血液透析の効率をモニターするのに使用し得る。本発明を、以下の実施例によりさらに明らかにする。記載する実施態様に対して、詳細における多くの改変、変化および変更をなし得るので、前述の説明中の、そして添付の図面に示す全ての事項は、例示説明であって限定的意味ではないと解釈されることを意図している。
【0037】
実施例1
インドールジスルホン酸塩の合成
(図1、化合物5、Y=SO;X=H;n=1)
酢酸(45mL)中の3−メチル−2−ブタノン(25.2mL)とp−ヒドラジノベンゼンスルホン酸(15g)の混合物を110℃で3時間加熱した。反応後、混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(100mL)を添加して生成物を沈殿させ、それを濾過し、酢酸エチル(100mL)で洗浄した。中間体化合物である、2,3,3−トリメチルインドーレニウム(indolenium)−5−スルホン酸塩(図1、化合物3)を、桃色粉末として収率80%で得た。メタノール(115mL)中の化合物3の一部(9.2g)を、注意深くKOHのイソプロパノール溶液(100mL)に添加した。黄色のスルホン酸のカリウム塩を、12時間の真空乾燥の後に収率85%で得た。2,3,3−トリメチルインドーレニウム−5−スルホン酸カリウム塩の一部(4g)および1,3−プロパンスルトン(2.1g)をジクロロベンゼン(40mL)中で110℃で12時間加熱した。混合物を室温に冷却し、生じた沈殿を濾過し、イソプロパノールで洗浄した。生じた桃色粉末を、真空下で乾燥させて97%の所望の化合物を得た。
【0038】
上記と同様の方法で調製される他の化合物には、
【化9】


のようなポリヒドロキシルインドール類が含まれる。
【0039】
実施例2
インドールジスルホン酸塩の合成
(図1、化合物5、Y=SO;X=H;n=2)
この化合物は、1,3−プロパンスルトンの代りに1,4−ブタンスルトンを使用したこと以外は、実施例1に記載のものと同じ手順で調製した。
【0040】
実施例3
ベンゾインドールジスルホン酸塩の合成
(図2、化合物8、Y、Y=SO;X=H;n=2)
この化合物は、ヒドラジノベンゼンスルホン酸の代りにヒドラジノナフタレンジスルホン酸を使用したこと以外は、実施例1に記載のものと同じ手順で調製した。
【0041】
同様の方法で調製される他の化合物には、
【化10】

などのポリヒドロキシインドール類が含まれる。
【0042】
実施例4
ベンゾインドールジスルホン酸塩の合成
(図2、化合物8、Y、Y=SO;X=OH;n=4)
この化合物は、3−メチル−2−ブタノンの代りに3−ヒドロキシメチル−4−ヒドロキシル−2−ブタノンを使用したこと以外は、実施例1に記載のものと同じ手順で調製した。
【0043】
実施例5
ビス(エチルカルボキシメチル)インドシアニン染料の合成
【化11】


1,2−ジクロロベンゼン(40mL)中の1,1,2−トリメチル−[1H]−ベンズ[e]インドール(9.1g、43.58ミリモル)および3−ブロモプロピオン酸(10.0g、65.37ミリモル)の混合物を110℃で12時間加熱した。溶液を室温に冷却し、得られた赤色残渣を濾過し、アセトニトリル:ジエチルエーテル(1:1)混合物で洗浄した。得られた固体を真空下で乾燥させ、10g(64%)の淡茶色粉末を得た。この固体の一部(6.0g;16.56ミリモル)、グルタコンアルデヒドダイアニル(dianil)モノヒドロクロリド(2.36g、8.28ミリモル)および酢酸ナトリウム三水和物(2.93g、21.53ミリモル)をエタノール(150mL)中で90分間還流した。溶媒を蒸発させた後、40mLの2N水性HClを残渣に添加し、混合物を遠心分離し、上清をデカンタした(decant)。この手順を、上清がほぼ無色になるまで繰返した。約5mLの水:アセトニトリル(3:2)の混合物を固体残渣に添加し、凍結乾燥して、2gの暗緑色の薄片を得た。化合物の純度を、H−NMRおよび液体クロマトグラフィー/質量分析(LC/MS)で確立した。
【0044】
実施例6
ビス(ペンチルカルボキシメチル)インドシアニン染料の合成
【化12】


1,2−ジクロロベンゼン(250mL)中の2,2,3−トリメチル−[1H]−ベンズ[e]インドール(20g、95.6ミリモル)および6−ブロモヘキサン酸(28.1g、144.1ミリモル)の混合物を110Cで12時間加熱した。緑色の溶液を室温に冷却し、形成された茶色固体沈殿を濾過により収集した。固体を1,2−ジクロロベンゼンおよびジエチルエーテルで洗浄した後、得られた茶色粉末(24g、64%)を真空下、室温で乾燥させた。エタノール(80mL)中のこの固体の一部(4.0g;9.8ミリモル)、グルタコンアルデヒドダイアニルモノヒドロクロリド(1.4g、5ミリモル)および酢酸ナトリウム三水和物(1.8g、12.9ミリモル)を、1時間還流した。溶媒を蒸発させた後、20mLの2N水性HClを残渣に添加し、混合物を遠心分離し、上清をデカンタした。この手順を、上清がほぼ無色になるまで繰返した。約5mLの水:アセトニトリル(3:2)混合物を固体の残渣に添加し、凍結乾燥して、約2gの暗緑色の薄片を得た。化合物の純度を、H−NMR、HPLCおよびLC−MSで確立した。
【0045】
実施例7
ポリヒドロキシインドールスルホン酸塩の合成
(図3、化合物13、Y、Y=O;X=OH;n=2)
ジメチルホルムアミド(DMF、0.5モル、40mL)およびジクロロメタン(DCM、40mL)の冷却(−2℃)混合物に、酸塩化リン(37ml、0.4モル)を撹拌しながら滴下添加し、続いてアセトン(5.8g、0.1モル)を添加した。氷槽を除去し、溶液を3時間還流した。室温に冷却後、生成物を水/DCMに分配し、分離し、乾燥させるか、または分留により精製した。核磁気共鳴および質量スペクトル分析は、所望の中間体である10が得られたことを示した。中間体と2当量の2,2,3−トリメチル−[H]−ベンズ[e]インドールスルホン酸塩−N−プロピオン酸および2当量の酢酸ナトリウム三水和物のエタノール中での反応により、1.5時間の還流の後、青緑色の溶液を得た。ビス(イソプロピリデン(isopropylidene))アセタール保護単糖による染料のさらなる官能化は、文献に記載の方法(J. H. Flanagan, C. V. Owens, S. E. Romero, et al., Near infrared heavy−atom−modifiedfluorescent dyes for base−calling in DNA−sequencing application using temporal discrimination.Anal. Chem., 1998, 70(13), 2676−2684)により実行した。
【0046】
実施例8
ポリヒドロキシインドールスルホン酸塩の合成
(図4、化合物16、Y、Y=SO;X=H;n=1)
この化合物の調製は、単糖の代りにp−ヒドロキシベンゼンスルホン酸を、そしてインドール誘導体ではなくベンゾインドールを使用して、実施例6に記載のものと同じ手順により容易に達成された。
【0047】
実施例9
ポリヒドロキシインドールスルホン酸塩の合成
(図5、化合物20、Y、Y=H;X=OH;n=1)
ヒドロキシインドール化合物は、文献の方法(P.L. Southwick, J.G. Cairns, L.A. Ernst, and A.S. Waggoner,One pot Fischer synthesis of (2,3,3−trimethyl−3−H−indol−5−yl)−acetic acid derivativesas intermediates for fluorescent biolabels. Org. Prep. Proced. Int. Briefs, 1988,20(3), 279−284)により容易に調製された。p−カルボキシメチルフェニルヒドラジン塩酸塩(30mmol、1当量)および1,1−ビス(ヒドロキシメチル)プロパノン(45mmol、1.5当量)の、酢酸(50mL)中、室温、30分間の反応と、1の還流により、(3,3−ジヒドロキシメチル2−メチル−3−H−インドール−5−イル)−酢酸を固体残渣として得た。
【0048】
中間体2−クロロ−1−ホルミル−3−ヒドロキシメチレンシクロ−ヘキサンを、文献(G. A. Reynolds and K. H. Drexhage, Stableheptamethine pyrylium dyes that absorb in the infrared. J. Org. Chem., 1977, 42(5),885−888)に記載のように調製した。等量(各40mL)のジメチルホルムアミド(DMF)とジクロロメタンを混合し、溶液をアセトン−ドライアイス槽中で−10℃に冷却した。アルゴン大気下で、ジクロロメタン中の酸塩化リン(40mL)を冷却DMF溶液に滴下添加し、続いて10gのシクロヘキサノンを添加した。生じた溶液を室温に温め、還流で6時間加熱した。室温に冷却後、混合物を氷冷水に注ぎ、4℃で12時間保存した。黄色粉末を得た。インドール中間体(2当量)によるこの環状ジアルデヒドの一部(1当量)の縮合を実施例5に記載のように実行した。さらに、ビス(イソプロピリデン)アセタール保護単糖による染料の官能化を、文献に記載の方法(J.H. Flanagan, C. V. Owens, S. E. Romero, et al., Near infrared heavy−atom−modifiedfluorescent dyes for base−calling in DNA−sequencing application using temporal discrimination.Anal. Chem., 1998, 70(13), 2676−2684)により実行した。
【0049】
実施例10
ポリヒドロキシルベンゾインドールスルホン酸塩の合成
(図6、化合物22、Y、Y=H;X=OH;n=1)
インドールをベンゾインドール誘導体で置き換えることにより、この化合物の調製に実施例8に記載のものと同様の方法を使用した。
【0050】
実施例11
剛性(rigid)複素環式芳香族インドールスルホン酸塩の合成
(図7、化合物27、Y、Y、X=H;n=1)
3−オキソ−4−シクロヘキセノンで開始して、この複素環式芳香族親水性染料は実施例8に記載のように容易に調製された。
【0051】
実施例12
侵襲性が最小限である、染料の血液クリアランスプロフィールのモニタリング
染料の発光団の励起に適切な波長のレーザーを、光ファイバー束の1端に向け、他方の端をラットの耳から数ミリメートルに置いた。放射された蛍光を検出するために第2の光ファイバー束も同じ耳の近くに置き、データ収集のために他方の端を光学部および電子部に向けた。収集光学列中の干渉フィルター(IF)を使用して、染料発光団に適切な波長の放射された蛍光を選択した。
【0052】
Sprague−Dawley または Fischer 344 ラットを、1.35g/kg体重の用量の腹膜内注射を介して投与したウレタンで麻酔した。動物が所望の麻酔水準に到達した後、12”チューブを有する21ゲージのバタフライ針を、各動物の側尾部静脈(lateraltail vein)に設置し、ヘパリン化塩水を勢いよく流した(flush)。研究全体を通して、動物を加熱パッドに置き、温かく保った。左耳の耳たぶをガラス顕微鏡スライドに貼り、運動と振動を低減させた。
【0053】
光ファイバーから送達された入射レーザー光を、貼りつけた耳に集中させた。次いでデータ取得を開始し、試験化合物の投与に先立って蛍光のバックグラウンド読取り(reading)を得た。
【0054】
側尾部静脈のボーラス注射を通して、化合物を動物に投与した。用量は、典型的に0.05ないし20μモル/体重kgであった。蛍光シグナルは急速にピーク値に増加し、その後、コンジュゲート(conjugate)が血流から除去されるにつれて、時間の関数として減衰した。
【0055】
この手順を、正常および腫瘍ラットにおいて、いくつかの染料−エペチド(epetide)コンジュゲートで繰返した。代表的なプロフィールを図6−10に示す。
【0056】
発明の好ましい実施態様の詳細を参照して発明を開示したが、本発明の精神および添付の請求の範囲における改変は当業者にとって容易に起こると予想されるので、開示は限定的意味よりもむしろ例示説明におけるものと意図していることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】インドール誘導体調製の反応経路。
【図2】ベンゾインドール誘導体調製の反応経路。
【図3】インドカルボシアニン誘導体調製の反応経路。
【図4】ベンゾインドカルボシアニン誘導体調製の反応経路。
【図5】頑強なインドカルボシアニン誘導体調製の反応経路。
【図6】頑強なベンゾインドカルボシアニン誘導体調製の反応経路。
【図7】長波長吸光インドカルボシアニン誘導体調製の反応経路。
【図8a】水中のインドールジスルホン酸塩の吸光スペクトル。
【図8b】水中のインドールジスルホン酸塩の発光スペクトル。
【図9a】水中のインドカルボシアニンテトラスルホン酸塩の吸光スペクトル。
【図9b】水中のインドカルボシアニンテトラスルホン酸塩の発光スペクトル。
【図10a】アセトニトリル中のクロロインドカルボシアニンの吸光スペクトル。
【図10b】アセトニトリル中のクロロインドカルボシアニンの発光スペクトル。
【図11】カルボシアニン−ポリアスパラギン酸(10kDa)コンジュゲートの、ラットにおける血液クリアランスプロフィール。
【図12】カルボシアニン−ポリアスパラギン酸(30kDa)コンジュゲートの、ラットにおける血液クリアランスプロフィール。
【図13】インドールジスルホン酸塩の、ラットにおける血液クリアランスプロフィール。
【図14】インドカルボシアニンテトラスルホン酸塩の、ラットにおける血液クリアランスプロフィール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−231113(P2008−231113A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−116400(P2008−116400)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【分割の表示】特願2002−535528(P2002−535528)の分割
【原出願日】平成13年10月5日(2001.10.5)
【出願人】(595181003)マリンクロッド・インコーポレイテッド (203)
【氏名又は名称原語表記】Mallinckrodt INC.
【Fターム(参考)】