説明

航空機用座席

【課題】 物品の出し入れが容易なポケットを備え、かつ、後席の着座者の圧迫感を軽減できる航空機用座席を提供する。
【解決手段】 航空機用座席1は、後席の着座者が使用するためのテーブル40をシートバック10の後面側に備えており、後席の着座者の前方で使用時の状態にあるテーブル40よりも上方で後面から後席側に張り出して、後面との間に物品を収納可能なポケットPを形成した張出し部13を有し、ポケットPの物品の出し入れ口14は、シートバック10の後面と張出し部13の上縁部13cとによって上向きに形成され、出し入れ口14の上方は開放されており、テーブル40は、不使用時に張出し部13の正面部13bに保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、後席の着座者が使用するためのテーブルをシートバックの後面側に備えた航空機用座席に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の航空機用座席は、シートバックの後面側で、テーブルが配設されている位置よりも下の下部にポケットが設けられていた。このポケットは、ばねフレームを使用しているために、ポケットにものを出し入れする度に片方の手でポケットを手前側に開き、もう一方の手で物をポケットに入れることをしなければならなかった。このため、テーブルを使用しているときは、テーブルが邪魔になり、ポケットに物を出し入れし難かった。特に、雑誌等のようにある程度の長さがあるものは、出し入れがし難かった。
【0003】
このような問題を解決するために、非特許文献1の第22頁および第23頁に記載されているようなポケットの出し入れ口をテーブルの上方に設けたものがあった。
すなわち、背板のうち使用中のテーブルよりも上に位置する部分に収納スペースを設けてポケットとし、非使用時の収納されたテーブルよりも高い位置にポケットへの出し入れ口を設けたものである。
【0004】
【非特許文献1】月刊誌 AIRCRAFTINTERIORS INTERNATIONAL June 2004 ( UK & International Press 発行)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の技術では、テーブルを背板に沿って収納したときのテーブル背面の奥にポケットの出し入れ口があるので、長さのある物を入れるときは、ポケットの出し入れ口よりも上方に位置する背板の上縁部が邪魔をして入れ難いことがあるという問題点があった。
【0006】
本発明は、このような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、物品の出し入れが容易なポケットを備え、かつ、後席の着座者の圧迫感を軽減できる航空機用座席を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1] 後席の着座者が使用するためのテーブル(40)をシートバック(10)の後面側に備えた航空機用座席(1)において、
後席の着座者の前方で使用時の状態にある前記テーブル(40)よりも上方で前記後面側から後席側に張り出して、前記後面との間に物品を収納可能なポケット(P)を形成した張出し部(13)を有し、
前記ポケット(P)の物品の出し入れ口(14)は、前記シートバック(10)の後面と前記張出し部(13)の上縁部(13c)とによって上向きに形成され、前記出し入れ口(14)の上方は開放されており、
前記テーブル(40)は、不使用時に前記張出し部(13)の正面部(13b)に保持されることを特徴とする航空機用座席(1)。
【0008】
[2] 前記出し入れ口(14)の開口面は、前記シートバック(10)の後面から下方に傾斜したことを特徴とする[1]に記載の航空機用座席(1)。
【0009】
[3] 前記張出し部(13)は、前記ポケット(P)に収納した物品を取り出し可能である、前記出し入れ口(14)と異なる取出し口(15)が形成されたことを特徴とする[1]または[2]に記載の航空機用座席(1)。
【0010】
[4] 前記張出し部(13)は、前記ポケット(P)に収納した物品を保持する保持部材(16)を前記取出し口(15)に備えたことを特徴とする[3]に記載の航空機用座席(1)。
【0011】
[5] 前記張出し部(13)は、前記ポケット(P)の底部と前記取出し口(15)との間に前記底部を清掃するための清掃窓(18)を形成したことを特徴とする[3]または[4]に記載の航空機用座席(1)。
【0012】
前記本発明は次のように作用する。
航空機用座席(1)のシートバック(10)には、その後面側に後席の着座者が使用するためのテーブル(40)が備えられており、テーブル(40)は、不使用時には後席の着座者の居住空間を侵害しないように、シートバック(10)の後面に沿った不使用時位置に保持されている。使用時には、不使用時位置よりも下方で後席の着座者の前方に物品の載置面(41)が略水平上向きになる使用時位置まで下げることができる。
【0013】
本発明の航空機用座席(1)は、シートバック(10)の後面側の前記張出し部(13)の正面部(13b)に不使用時のテーブル(40)の載置面(41)が面するようにテーブル(40)を保持しており、後席の着座者の居住空間へ不使用時のテーブル(40)が侵入しまうことを防いでいる。
【0014】
張出し部(13)がシートバック(10)の後面との間に形成しているポケット(P)は、物品の出し入れ口(14)が上向きに形成されている。この出し入れ口(14)は、前記後面に沿った横長の開口である。この出し入れ口(14)の略真上の空間には航空機用座席(1)を構成する部材等が侵入していないので、開放された状態にある。
【0015】
これにより、長めの物品をポケット(P)に出し入れするときでも片手でポケット(P)に出し入れすることができる。また、新聞紙や薄い雑誌等を出し入れする際に途中で折れてしまうことなく真直ぐに出し入れすることができる。さらに、シートバック(10)の後面のうち、ポケット(P)の出し入れ口(14)よりも上の部分は、後席の着座者が通常の着座姿勢で前を向いているときの視線の先に位置するが、従来のシートバックの側縁に設けられているシートバックフレームやその他のものがなく、開放されているので、後席の着座者から見て従来の航空機用座席(1)の同じ部位よりも居住空間への侵入感が少なく、もって、居住空間の拡大感が得られる。
【0016】
前記出し入れ口(14)は、前記[2]に示したようにその開口面をシートバック(10)の後面から下方に傾斜させてもよい。すなわち、前記後面から張出した張出し部(13)の上縁部(13c)を前記後面から下方に向かって傾斜させてもよい。これにより、開口面積が広がるとともに、出し入れ口(14)が後席の着座者側にも向くことになるので、ポケット(P)への物品の出し入れがさらに容易になる。
【0017】
また、前記[3]に示したように張出し部(13)に出し入れ口(14)とは異なる取出し口(15)を設けてポケット(P)に収納した物品を取り出し可能にした航空機用座席(1)によれば、例えば、張出し部(13)の正面部(13b)で不使用時位置に保持されたテーブル(40)に隠される部分に取出し口(15)を設けることにより、テーブル(40)を不使用時には取出し口(15)がテーブル(40)によって閉ざされ、テーブル(40)を使用時状態にしたときには取出し口(15)が露出する。このとき、出し入れ口(14)からだけでなく、取出し口(15)からも物品をポケット(P)に出し入れできる。また、ポケット(P)に収納した状態では完全にポケット(P)内に隠れてしまう大きさの物品をポケット(P)に収納した場合に、テーブル(40)を使用時の位置に向けて動かすことにより、取出し口(15)からポケット(P)内部を視認できるので、ポケット(P)に物品が残っているか否かの確認が容易にできる。
また、テーブル(40)にカップを保持するためのカップホールがテーブル(40)を貫通して設けられている場合には、テーブル(40)が不使用時位置に保持されている状態でも、ポケット(P)の内部を確認することができる。
【0018】
この取出し口(15)には、[4]に示したようなポケット(P)に収納した物品を保持する保持部材(16)を備えてもよい。保持部材(16)は、例えば、取出し口(15)を横断するように渡したゴムのような伸縮部材であってもよいし、取出し口(15)を分割するように出張部材と一体に形成したものでもよい。また、取出し口(15)内に部分的に突出したものでもよい。このような保持部材(16)を備えた航空機用座席(1)によれば、出し入れ口(14)からは取り出せないような小物品をポケット(P)に収納しても、保持部材(16)が小物品を保持する。これにより、テーブル(40)を使用時の位置に動かしても、ポケット(P)内の小物品は、取出し口(15)から落ちることなくポケット(P)内に収納しておくことができる。
さらに、張出し部(13)には、ポケット(P)の底部と取出し口(15)との間に[5]の清掃窓(18)を形成することにより、底部に溜まった細かいごみや埃等をブラシなどによって掃き出すことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明にかかる[1]に記載の航空機用座席によれば、ポケットの出し入れ口が上向きに形成されており、かつ、上方が開放されているので物品をポケットに出し入れするときに片手で容易に出し入れすることができる。また、前記開放された部分は、後席の着座者が通常の着座姿勢で前を向いているときの視線の先に位置しているので、後席の着座者は圧迫感の軽減と居住空間の拡大感とを得ることができる。
【0020】
また、[2]に記載の航空機用座席のようにポケットの出し入れ口の開口面をシートバックの後面から下方に傾斜させることが好ましく、これにより、開口面積が広がるとともに、出し入れ口が後席の着座者側にも向くので、ポケットへの物品の出し入れがさらに容易になる。
【0021】
さらに、[3]に記載の航空機用座席のように張出し部に出し入れ口とは異なる取出し口を形成することが好ましく、テーブルを使用時の状態にしたときに取出し口からでも物品を出し入れできるので便利である。また、出し入れ口からは手が届かなくて取り出せないような小物品をポケットに収納した場合に、テーブルを使用時の状態にすることによって取出し口から容易に取り出すことができる。さらに、ポケット内に完全に隠れてしまう大きさの物品を収納した場合に、テーブルを使用時の状態になるように動かすことにより、取出し口からポケットの内部を視認できるので、ポケット内に物品が残っているか否かを確実かつ容易に確認することができる。
【0022】
さらに、[4]に記載の航空機用座席のようにポケットに収納した物品を保持する保持部材を取出し口に設けることが好ましく、出し入れ口からは手が届かなくて取り出せないような小物品をポケットに収納した場合でも、ポケット内の小物品は保持部材によって保持されるので、テーブルを使用時の状態にしても取出し口から小物品が落ちてしまうことを防止できる。
【0023】
さらに、[5]に記載の航空機用座席のようにポケットの底部と取出し口との間に底部を清掃するための清掃窓を形成することが好ましく、底部に溜まった細かいごみや埃等を清掃窓からブラシなどによって容易に掃き出すことができる。これにより、ポケット内を常に清潔に保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面に基づき本発明の好適な一実施の形態を説明する。
図1および図2は本発明の一実施の形態を示している。
図1は、本実施の形態にかかる航空機用座席が3席繋げられた3人掛けの航空機用座席を斜め後方から見た斜視図であり、図2は、本実施の形態にかかる航空機用座席の側面図である。
【0025】
航空機用座席1は、シートバック10、シートボトム20、アームレスト30、テーブル40などを備えている。シートボトム20は、金属製のボトムフレーム21の上に設けられている。このボトムフレーム21は、ベースフレーム22に連結されている。また、ベースフレーム22は脚部23によって支持されており、この脚部23は、航空機の客室内の床に設置されている。
【0026】
一方、シートバック10は、硬質の樹脂によって成形された背板部材11とその前面に装着されたクッション12と、背板部材11の後面側から後席側に張出した張出し部13およびこの張出し部13よりも下方に装着されたキックパネル19から成っている。
【0027】
張出し部13は、背板部材11とは別体に形成されたものであり、背板部材11の両側の側縁付近からそれぞれ後席側へ張出した側部13aと、両側部13a,13aから連続して背板部材11の後面との間にポケットPとしての空間を形成する正面部13bとから成っている。このような張出し部13を背板部材11に配設する位置は、図1、および図2の2点鎖線で示した使用状態にあるテーブル40よりも上方である。背板部材11は、張出し部13によって強度を高められている。
【0028】
ポケットPは、雑誌Мを縦に収納できるだけの深さを有している。ポケットPへ物品を出し入れするための出し入れ口14は、背板部材11の後面と張出し部13の上縁部13cとによって上向きに形成されている。この出し入れ口14は、背板部材11の後面に沿った横長の開口に形成されている。
【0029】
図示したようにこの出し入れ口14の上方は、ポケットPへの物品の出し入れを妨げるような部材等がなく開放されている。また、上縁部13cは、側部13aでは背板部材11の後面側から下方に緩やかに傾斜している。したがって、出し入れ口14の開口面は、背板部材11の後面から下方に緩やかに傾斜している。このため、シートバック10がアップライトの状態でも、着座者は出し入れ口14の開口面を目視できるので、ポケットPへの物品の出し入れが容易にできる。
【0030】
張出し部13は、ポケットP内に貫通する取出し口15が正面部13bに開設されている。この取出し口15からもポケットPに収納した物品を出し入れすることができる。この取出し口15には、ポケットPに収納した物品を保持するための保持部材を設けてもよい。図1に示した例は、保持部材として取出し口15を横断するように張ったゴム紐16である。図では、ゴム紐16が1本だけ設けられているが、2本以上でもよい。また、張る方向は図示した方向に限らず、縦方向でも斜め方向でもよい。また、保持部材は、ゴム紐16のような伸縮部材であってもよいし、取出し口15を縦方向、横方向、あるいは斜め方向に2分割あるいはそれ以上に分割するように張出し部13に形成したもの、あるいは、張出し部13に取り付けたものでもよい。さらに別の形態として、保持部材は取出し口15内に部分的に突出したものでもよい。
【0031】
以上のように形成された取出し口15は、不使用時のテーブル40によって塞ぐことができる。テーブル40は、その端部を、基端側が回動自在に枢支された2本のアーム50の先端側に挟まれるようにして回動自在に枢支されている。不使用時のテーブル40は、物品の載置面41側を張出し部13の正面部13bに沿って保持させておくことができる。取出し口15の周縁には、テーブル40を保持したときに、載置面41とは反対側の裏面42と正面部13bの面との間に殆ど段差が生じないように凹みが形成されている。この凹みに収納されたテーブル40は、張出し部13と一体感を醸し出すように保持される。
【0032】
張出し部13の正面部13b側には、テーブル40を保持するためのテーブル保持部17が出し入れ口14の近くに設けられている。テーブル保持部17は、張出し部13の表面から一段凹んだ凹部17aと、該凹部17aに回動自在に設けられた回動部材17bとから成る。
【0033】
一方、テーブル40の裏面42側にも一段凹んだ凹部42aが設けられている。テーブル40を正面部13bに沿って保持される位置に位置させると、凹部42aとテーブル保持部17の凹部17aとは略同一面になるので、回動部材17bを回して該回動部材17bの一部が凹部42aに掛かるようにすることによってテーブル40を保持することができる。
【0034】
なお、張出し部13には、ポケットPの底部と取出し口15との間に清掃窓18が形成されている。この清掃窓18は、テーブル40が正面部13bに保持された状態ではテーブル40によって隠されるが、テーブル40を使用時の状態にしたときには露出する。これにより、テーブル40を使用時の状態にすることによってポケットPの底部に溜まった細かいごみや埃等を小型のブラシなどを用いて容易に掃き出すことができる。
なお、張出し部13の下方に装着されたキックパネル19の上部の一部を開閉可能な蓋に形成し、キックパネル19の上部と背板部材11の後面との間にサブ・ポケットを形成して、PETボトルや化粧ポーチを入れておけるようにしてもよい。
【0035】
次に、作用を説明する。
図2において、本発明の航空機用座席1は、シートバック10の後面側の張出し部13の正面部13bに不使用時のテーブル40の載置面41が面するようにテーブル40を保持しているが、この場合およびテーブル40を使用している場合のいずれのときでも、ポケットPの出し入れ口14は、テーブル40よりも高い位置にあるので、航空機用座席1の着座者が前席のシートバック10の後面側に設けられたポケットPに、雑誌等の比較的長さのあるものを収納しようとする場合でも、テーブル40に邪魔されることなく、物品の出し入れができる。
【0036】
図示したように、出し入れ口14は上を向いており、さらに、出し入れ口14が向いている上方には物品の出し入れに邪魔になるような部材がなく、開放されているので、物品の出し入れが非常に容易である。また、従来のように物品を出し入れする際に両手を使わずにできるので、便利である。また、新聞や薄い雑誌等を出し入れする際に、途中で折れてしまうこともなく、あるいは、途中で折る必要もなく真直ぐに出し入れすることができる。
【0037】
また、出し入れ口14の開口面は、背板部材11の後面から下方に緩やかに傾斜しているので、開口面積が広いとともに、後席の着座者が開口を直接に見ることができるので、ポケットPへの物品の出し入れがより容易になっている。
【0038】
テーブル40を使用時の状態にすると、張出し部13の正面部13bに形成された取出し口15は後席の着座者の前方に露出する。ポケットPは、テーブル40の載置面41よりも高い位置にあるので、取出し口15も載置面41よりも高い位置にある。このため、ポケットPに収納した物品を取出し口15から取り出すことができる。また、取出し口15からポケットPに物品を収納することもできる。
【0039】
また、テーブル40が正面部13bに保持された状態ではポケットPにすっかり隠れてしまうような小物品をポケットPに入れたまま忘れていないかどうかを確認する際にも、テーブル40を使用時の状態にすることにより、容易にポケットP内を確認することができる。なお、ポケットPにすっかり収納されてしまうような小物品は、ゴム紐16によって保持されるので、テーブル40を使用時の状態にしても、小物品が取出し口15からポケットPの外へ落ちてしまうことがない。
また、清掃窓18が露出するので、小型のブラシなどを清掃窓18や取出し口15からポケットP内に入れて、ポケットPの底部に溜まった細かいごみや埃等を清掃窓18から掃き出すことが容易であり、ポケットP内を常に清潔に保っておくことができる。
【0040】
テーブル40を使用せずに、テーブル40を正面部13bに保持させた状態では、テーブル40が張出し部13と一体となるように保持されており、さらに、出し入れ口14の上方が開放されて後席の着座者側に出っ張っている部材がない。後席の着座者が航空機用座席1に通常の着座姿勢で座して前を向いているときの視線の先は出し入れ口14の上辺りであるが、この部分は前記のように着座者側に出っ張っている部材がないので、視線の当たる部分までの距離が従来の航空機用座席1よりも大きくなる。これにより、着座者は居住空間の拡大感を得られて、圧迫感が軽減される。
【0041】
なお、テーブル40には、テーブル40を貫通するカップホール(図示せず)を設けて、使用時の状態にあるときにカップを保持できるようにしてもよい。このカップホールを有する場合には、テーブル40が不使用時位置に保持されている状態でも、カップホールを通してポケットPの内部を確認することができる。
なお、前記実施の形態においては、張出し部13は、背板部材11とは別体に形成して背板部材11の後面側に装着するものであるとしたが、背板部材11と一体に形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施の形態に係る航空機用座席を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る航空機用座席を示す側面図である。
【符号の説明】
【0043】
P…ポケット
М…雑誌
1…航空機用座席
10…シートバック
11…背板部材
12…クッション
13…張出し部
13a…側部
13b…正面部
13c…上縁部
14…出し入れ口
15…取出し口
16…ゴム紐
17…テーブル保持部
17a…凹部
17b…回動部材
18…清掃窓
19…キックパネル
20…シートボトム
21…ボトムフレーム
22…ベースフレーム
23…脚部
30…アームレスト
40…テーブル
41…載置面
42…裏面
42a…凹部
50…アーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
後席の着座者が使用するためのテーブルをシートバックの後面側に備えた航空機用座席において、
後席の着座者の前方で使用時の状態にある前記テーブルよりも上方で前記後面側から後席側に張り出して、前記後面との間に物品を収納可能なポケットを形成した張出し部を有し、
前記ポケットの物品の出し入れ口は、前記シートバックの後面と前記張出し部の上縁部とによって上向きに形成され、前記出し入れ口の上方は開放されており、
前記テーブルは、不使用時に前記張出し部の正面部に保持されることを特徴とする航空機用座席。
【請求項2】
前記出し入れ口の開口面は、前記シートバックの後面から下方に傾斜したことを特徴とする請求項1に記載の航空機用座席。
【請求項3】
前記張出し部は、前記ポケットに収納した物品を取り出し可能である、前記出し入れ口と異なる取出し口が形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の航空機用座席。
【請求項4】
前記張出し部は、前記ポケットに収納した物品を保持する保持部材を前記取出し口に備えたことを特徴とする請求項3に記載の航空機用座席。
【請求項5】
前記張出し部は、前記ポケットの底部と前記取出し口との間に前記底部を清掃するための清掃窓を形成したことを特徴とする請求項3または4に記載の航空機用座席。

【図1】
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【図2】
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