説明

船上ポンプ室及び海上プラットフォームの爆発性雰囲気中にバラスト水処理用紫外線システムを設置するための装置

【課題】爆発危険領域に設置する紫外線水処理システムを提供すること
【解決手段】
石油タンカーポンプ室等の爆発性雰囲気中で水を処理する装置であって、対向する端面を有する処理室を画定する反応器と、処理室を通して水を流すための反応器を通る入口及び出口開口部と、対向する端面間に取付け、前記室を通して延在するガラス管内に密閉した複数の水処理ランプと、ガラス管の端部を覆うように反応器に固定する端部カバーと、反応器の各端部に固定する防爆筺体とを含み、各防爆筺体は、反応器に取着する手段を有するシェルと、防爆筺体をパージして、筺体を過剰気圧で非爆発性ガスで充填する手段と、非爆発性雰囲気で発生させた電力を、防爆筺体を介して反応器ランプに供給して、爆発性雰囲気を発火させる危険性無く、爆発性雰囲気中で駆動した反応器が運転できるようにする手段とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船上及び海上プラットフォーム上で、爆発性雰囲気を有するポンプ室内に設置するバラスト水処理用紫外線システムに関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線システムは、除菌効果及び殺菌効果のために、バラスト水の処理を含む水処理に長年使用されてきた。紫外線システムは高電力及び高電圧を必要とするため、石油タンカーのポンプ室や石油/ガスの海上プラットフォームといった爆発性雰囲気中での設置が避けられている。そうしたタンカーやプラットフォーム用の紫外線システムは、船上やプラットフォーム上の制限された空間に設置するのが難しい大型容器に組込まれる。本発明は、その主目的として、爆発性雰囲気を伴うポンプ室を有する石油タンカー上又は石油/ガス海上プラットフォーム上に、高電力及び高電圧の紫外線バラスト水処理システムを設置するという課題に対する解決法を有する。
【0003】
また、本発明は、バラスト水処理における、紫外線照射の効率を高めるために、紫外線反応器に水流路を備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、爆発危険領域に設置する紫外線水処理システムを提供することである。
【0005】
本発明の別の目的は、船上ポンプ室及び油/ガス井海上プラットフォームの爆発性雰囲気に設置するバラスト水用紫外線システムを提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、爆発性雰囲気に設置するのに適した、バラスト水に対する除菌及び殺菌効果を目的とする高出力な紫外線システムを提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、防爆筺体を有する紫外線反応器を、危険領域に設置し、操作及び制御構成要素を非危険領域に設置する、高出力な紫外線水処理システムを提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、紫外線処理の効率を高めるためのバラスト水流路を紫外線反応器に備えることである。
【0009】
本発明の他の目的及び更なる目的については、以下の本発明に関する詳細な説明を理解するに伴い、又は本発明を使用する際に明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様では、本発明は、タンカー上のポンプ室内、海上プラットフォーム上の他、紫外線水処理システムを使用するあらゆる爆発性雰囲気中に設置する機器を規定する。本発明の好適実施形態では、防爆筺体で保護した紫外線反応器を、船上ポンプ室に設置して、関連する紫外線反応器制御及び操作システムを船の機関室又は他の非危険領域に設置した状態で、例えば、水の除菌及び殺菌処理を行う。本発明の同態様では、紫外線反応器は、反応室を画定する長尺のシェルを含み、前記反応室に、該反応室に亘り延在する複数の紫外線ランプを装着する。ランプへの電力接続部を、シェルの各端部に、圧力、温度及びランプ強度用制御センサと共に設ける。非爆発性雰囲気中に電力接続部を配置するために、防爆筺体を、反応器シェルの各端部に設ける。こうして非爆発性雰囲気で保護した紫外線反応器を、爆発性雰囲気を有するポンプ室内又は他の空間内に設置する。紫外線反応器に対する動力供給部と操作制御部を、ポンプ室外に、通常は、船の機関室に置いて配置する。
【0011】
本発明の別の態様では、危険領域での設置に適した紫外線反応器は、複数の紫外線ランプ、入口及び出口パイプ、ランプを通り入口から出口まで流れる内部水流路を有する反応器シェルを含み、除菌及び殺菌効果のための紫外線照射の効率を最大にする。紫外線ランプは、反応器に亘るバラスト水入口及び出口流路にまで放射でき、それにより、バラスト水を放射に曝す時間が長くなり、その結果かかる放射による除菌及び殺菌効果を向上できる。
【0012】
明瞭化のために、以下の詳細な説明では、具体的な実施例を含むが、本発明の範囲内で、様々な詳細点を変更できるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の好適実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の技術を有する者が容易に本発明を構築し、使用する方法について理解できるように、詳細な説明のために選択したものであり、添付図で示している。
【0014】
【図1】本発明によるバラスト水紫外線反応器の、内部構成要素を示した、平面図である。
【図2】図1の反応器に関する側面図である。
【図3】図1の反応器の右端部に関する端面図である。
【図4】図1の紫外線反応器の端部フランジに関する拡大正面図である。
【図5】図4の5−5線に沿った断面図である。
【図6】紫外線ランプの端部及び該ランプの石英ガラス管を図4のフランジに取付けるアダプタの立面図における断面図である。
【図7】図6のアダプタを密閉する端部カバーの立面図における断面図である。
【図8】図1の反応器のためのアダプタ、紫外線ランプを有する石英ガラス管、端部カバーの組立体の立面図における断面図である。
【図9】図1の反応器の端部に対する防爆筺体カバーの側面図である。
【図10】図9の筺体の内側に取付けたフランジの正面図である。
【図11】図9の筺体の外側に覆せるフランジの正面図である。
【図12】反応器の制御及び操作構成要素を船の機関室に設置した状態で、外航石油タンカーのポンプ室の爆発性雰囲気に設置している紫外線反応器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を参照すると、本発明は、反応器12、該反応器を通して水を流すための入口ライン14及び出口ライン16、反応器内にある複数の紫外線処理ランプL−1、L−2、L−3、各紫外線ランプの両端部用カバー18、反応器の各端部に対する防爆筺体20、制御及び操作構成要素22(図12)を含む紫外線水処理システム10を対象としている。
【0016】
反応器は、本体の筒状シェル12aを含み、該シェルを、好適には、所望する装置の流量容量に応じて直径300〜600mmで、チタンから作製する。環状フランジ12bを、本体シェルの端部に溶接する。フランジからフランジまでの反応器全長を、1500mmとする。
【0017】
入口パイプ14を、シェルの下部表面に対して90度で外周に溶接し、本体の流下能力に対応する寸法にし、バラスト水供給ラインに連結するフランジ14aに装着する。同様に、出口パイプ16も、シェルの上部表面に対して90度で外周に溶接し、本体の流下能力に対応する寸法にし、バラスト水排出ラインに連結するフランジ16aに装着する。本体、入口パイプ及び出口パイプを、使用圧力10バール、及び試験圧力15バールに設計する。
【0018】
図2、図4、図5で示した部品取付用フランジ24を、適当なボルト締結体を穴24aに通して、本体の環状フランジに固定する。部品フランジ24を伴う筒状シェル12aにより、水の紫外線処理を行う反応室13を画定する。各部品フランジは、紫外線ランプL−1、L−2、L−3用石英ガラス管の端部を取付けると共に、該ガラス管をフランジ24に連結するアダプタ26(図6)を取付ける複数の開口部24bを有する。また、部品フランジ24は、圧力センサ、温度センサ、ランプ強度センサを反応室内に入れるためのポート24c、24d、24e(図4)を有する。これらは、反応器の各端部に紫外線センサ24eの設置用ポートを含み、1端部に温度センサ24d及び圧力スイッチ24cの設置用ポートを含む。
【0019】
好適な実施形態では、3紫外線ランプL−1、L−2、L−3は、部品フランジ24及び石英ガラス取付用アダプタ26間で反応室を通り延在させる。好適には、部品フランジ24を、チタン製とし、防爆筺体に関する法的規制を満たすようにその外装面をガスケットで被覆する。
【0020】
図6及び図8で示すように、開口端にした長尺の筒状石英ガラス管28により、紫外線ランプLを、部品フランジ24間で反応器の略全長を通して支持する。石英管は、光学的に透明であり、試験圧力を15バールとし、反応室内で水から紫外線ランプを保護、分離し、船の震動及び振動に耐え得る。ランプは、最大35kWに定格され、16%の効率で254nmで紫外線放射する、即ち100kW入力当たり16kWの紫外線放射を発生する。ランプの定格入力を最大35kWとする。ランプは、オゾン、他の酸化剤又は化学物質を発生しないものとする。
【0021】
アダプタスリーブ26は、段付き外面を有し、該外面は、部品フランジ開口部24b(図5)内でアダプタ肩部26b及びガスケット係合フランジ表面24と組付けるネジ切りした下部レベル26aを含む。アダプタ肩部26bは、穴26cにトルクボルト対(図示せず)を収容し、該ボルト頭部で、適当なスパナを用いて、フランジ24にアダプタ26を締着可能になる。
【0022】
アダプタの内面26dは、ガラス管28の端部を挿入し易くする面取りした差込口26eを有し、凹部に、ガラス管28の外装面に対して密封するための第1及び第2Oリング26f、26gを有する。肩部26bの内面の部分26hをネジ状にして、係止鍔部30を受容し、該鍔部を、第2Oリング26gを圧縮して突出させ、ガラス管28としっかりと密封接触させる目的で、好適には、プラスチック製パイプの部分品で作製する。押さえ鍔部の内縁部に、テフロン(登録商標)等のスリップコーティングを付けて、或いはグラファイトガスケットを有して、圧縮した際の第2Oリングの歪みを回避する。押さえ鍔部の外縁部は、鍔部及びアダプタを組付けるためのスパナ切欠き部(図示せず)を有する。実際には、第2Oリングがガラス管に対して適切に突出するよう鍔部を手締めすることが望ましい。鍔部を係止することで、第2Oリングを加圧及び拡張して、水がガラス管を通り越してアダプタに漏入するのを止められる。
【0023】
図6、図7、図8で最も良く示すように、部品フランジ24に固定した端部カバー32により、各アダプタ26及び紫外線ランプLを収容するガラス管28を密閉する。端部カバー32は、内端32bで開口し、外端板32cで閉じた筒体32aを含む。穴32gを有するフランジ32dにより、ボルト等の適当な締着体で部品フランジ24にカバーを固定するために開口端部を取り囲む(図4)。端部カバーで、上側肩部26bを含むアダプタ全体を密閉する。筒体32aにニップル部32eを装着し、該ニップル部により、紫外線ランプL、紫外線ランプ用電源リード線E、信号ケーブル(図12に示す)へと指向する空冷ノズル34を通過させるための、体壁を通る開口32fを画定する。ニップル部を金属製とし、運転圧力を10バールに保持するように設計する。好適には、端部カバーをステンレス鋼製とし、ガラス管が破損した場合に、反応室からバラスト水が漏出しないようにする。従って、カバーを、反応器シェルと同じ圧力クラス、即ち10バールに設計する。
【0024】
カバーの端板32cは、紫外線ランプLを担持するガラス管28の開口部内に延伸するノズル34(図8)を装着するニップル部32eを有する。ノズルは、ランプソケットがランプ管内部で高温になると、該ソケットを適切な使用温度に冷却するために、紫外線ランプソケットに冷却用空気を送る。冷却用空気を、機関室にあるレギュレータによって空気供給制御する器具からパイプを通して送る。ランプソケット冷却用空気を、図12に関連して以下で記述するケーブル及びパージ空気と同じダクトを通して、引込み、排出する。
【0025】
図1及び図2で示した本発明による好適な構成では、中間圧力の紫外線ランプL−1、L−2、L−3は、入口パイプ開口部14と出口パイプ開口部16の両方を横断して延在して、反応室に出入りする水の方向に放射する。最適には、図1及び図2に示した紫外線ランプL−2及びL−3は、入口開口部を横断して延在し、ランプL−1は、反応室の出口開口部を横断して延在する。
【0026】
反応室を通る水流について、図1及び図3の矢印で示しており、水が石英管と紫外線ランプの外装部周りに循環している。乱流により、粒子、ウイルス、バクテリア、藻類を回転させるため、紫外線放射を通過する際に、それらが四方から照らされる。下側の紫外線ランプL−2及びL−3により、紫外線光を入口パイプ14を通り流れる水に照射するため、紫外線増強が既に入口パイプ内で始まり、処理工程を長くできる。同様に、上側の紫外線ランプL−1を配置するため、該ランプは光を出口パイプ内に照射し、反応器から流出する水の処理工程を更に延すことができる。紫外線投与量(UV)は、紫外線強度254nm(I)に設備(T)内での保持時間を乗算した結果となる。紫外線ランプを入口パイプ及び出口パイプの水も処理するように置くことで、保持時間を長くして処理を向上できる。
【0027】
図1、図2及び図9乃至図12で示すように、防爆筺体20で反応器の端部を完全に被覆して、紫外線ランプの高電力電気接続部のための非爆発性雰囲気を提供する。各筺体は、部品フランジ24と連結する内側環状フランジ20b、及び端部閉塞板20dを取付ける外側環状フランジ20cを有する無孔筒状シェル20a体から成る。シェル壁20aに固着した一組のニップル部20eにより、制御及び操作ユーティリティを、紫外線ランプを操作及び紫外線ランプ性能をモニタリングするために筺体に通すための開口部20fを画定する。好適な構成では、端部閉塞板に、電力供給線と紫外線ランプとの接続点としてセラミック端子を装着して、容易に紫外線ランプの組付け及びメンテナンスできるようにする。反応器と組付けた場合に、各防爆筺体は、ポンプ室雰囲気に対して、保護ガスを内部で70ミリバール超過圧力に維持できる。好適には、保護ガスを空気とする。防爆筺体と紫外線反応器を合せた全作動長を、2000mmとする。
【0028】
本装置を船上に設置したところを、図12に示しており、隔壁Bによりポンプ室と機関室とを分離している。また、本装置は、製油施設及びガスプラントにおける爆発性雰囲気でも使用できる。
【0029】
防爆筺体20を付けた反応器12を、ポンプ室に設置すると共に、動力盤、制御盤、パージ加圧制御盤を機関室に設置する。電力、パージ空気、ランプ冷却用空気、制御電気回路のための操作ケーブル及び保護ガスパイプは、承認された貫通スリーブSの中を通り安全隔壁を通る。好適には、防爆筺体内の圧力をパージし維持する保護ガスを、空気とする。窒素又は不活性ガス等の他のガスも、利用可能であれば、使用してもよい。
【0030】
第1導管ダクト48は、機関室から反応器まで、器具ケーブル40及びパージ用及び冷却用空気パイプ42を運ぶために、貫通スリーブSを通り延伸する。第1導管48は、接続箱48aを有すると共に、ニップル部20eの1つを通り防爆筺体20’に入る分岐ライン48bを有して、反応器12の全長に亘り延在する。第1導管終端部48cは、ニップル部20eを通り防爆筺体20”に入る。
【0031】
第2導管ダクト50は、ランプ電源ケーブル44、パージ空気及び冷却用空気出口パイプ46を運ぶために、貫通スリーブS’を通り延伸する。
【0032】
導管50は、貫通スリーブS’を通過し、筺体20’に入る分岐ライン50bと、筺体20”に入る終端部50cを有して、接続箱50aを通り反応器の全長に亘り延在する。
【0033】
紫外線反応器を操作、モニタリングするために、導管48及び50により、電気ケーブル及び保護ガスパイプを、非危険領域(船の機関室)から貫通スリーブを介して危険領域(船のポンプ室)へと安全に通過させて、防爆筺体に入れる。圧力逃し弁を有するパージ空気ライン52を、防爆筺体20’と20”との間に延在させて、筺体を連続的にパージする。
【0034】
器具ケーブル束40は、反応器の各端部への紫外線センサケーブル、温度スイッチケーブル、圧力スイッチケーブルから成り、全てのケーブルは、制御盤から引き出され、第1導管ダクト48を介して各器具へと向かう。反応器を試験及び試運転中にモニタリングする信号ケーブルも、ダクト48を通す。
【0035】
パージ空気パイプ42を、パージ加圧制御盤から導管ダクト48を通して第1防爆筺体20’に引き込む(図12)。パージは連続して行う必要があるため、パージ用パイプ52を、防爆筺体間に設置し、システム内での過圧力を防ぐために圧力逃し弁54を有する。パージ空気を、パージシステムによって提供して、防爆筺体20’及び20”を閉鎖した際に存在する可能性があるガスを除去する。ライン42を通して、パージ空気が連続して筺体20’に流入し、ライン52を通して筺体20”に流入する。第2防爆筺体20”から排出したパージ空気を、第2導管ダクト50を通して送り、パイプ端部46で機関室に戻す。
【0036】
ランプケーブル束44を、動力盤からスリーブS及び第2導管ダクト50を通して防爆筺体20’、20”まで引き込み、該筺体で、該ケーブルをセラミック端子に接続し、該端子を介してランプに接続する。
【0037】
使用時に、防爆筺体を空気で、空気の5倍の体積流量程度までパージすることから運転を開始するが、これを連続的にまず図12の筺体20’を通して、圧力逃し弁54を通して、その後筺体20”を通して、排気用パイプ46へとパージする。パージが完了し、圧力が70ミリバールに保持されると、制御盤は紫外線ランプを駆動するように信号を動力盤に送る。
【0038】
1反応器当たりに入力する電力を、80Aで400V、3ph、38kWとし、動力盤及び制御盤から、端部フランジ20dの内部に取付けたセラミック接続箱を介して、紫外線ランプに供給する。動力盤は、入力電力を紫外線ランプが必要とする電力に変換し、ランプの燃焼バランスを維持して、最大UVC出力を提供する。
【0039】
ランプソケットに対する冷却用空気は、有利には、ライン42、導管48を通して、防爆筺体に流入させ、ノズル34(図8)に入れてもよい。排出する冷却用空気は、端部カバー32のニップル部32eを通り、防爆筺体ニップル部20e(図2)を通り、その後導管50に流入して、機関室で排出する。
【0040】
バラスト水処理機器の承認試験用にIMOが指定した検査水は、通常、紫外線透過度がT1(即ち、1cm)で70〜90%、又は吸光度が0.16〜0.05ABS/cmである。この極めて低質な検査水を使用してIMO(国際海事機関)承認試験にかけた本発明のバラスト水処理装置では、所望する除菌及び殺菌効果が認められた。
【0041】
上記装置は、かかる機器及びその設置に関するIEC及び米国沿岸警備隊の規則及び仕様に完全に準拠する。
【0042】
本発明の原理を具現化する構造体に対しては、様々な変更を加えることができる。上記実施形態は、例示目的で記載したもので、制限を意味するものではない。本発明の範囲は、本明細書に付記した特許請求の範囲によって規定される。
【符号の説明】
【0043】
10 紫外線水処理システム
12 反応器
12a、20a シェル
12b、14a、16a、20b、20c、32d フランジ
13 反応室
14 入口パイプ
16 出口パイプ
18 カバー
20 防爆筺体
20d 端部閉塞板
20e、32e ニップル部
20f、24b 開口部
22 制御及び操作構成要素
24 部品フランジ
24a、26c、32g 穴
24c、24d、24e ポート
26 アダプタ
26b 肩部
26e 差込口
26f、26g Oリング
28 ガラス管
30 係止鍔部
32 端部カバー
32a 筒体
32b 内端
32c 外端板
32f 開口
34 ノズル
40 器具ケーブル
42 パージ用及び冷却用空気パイプ
44 ランプ電源ケーブル
46 パージ空気及び冷却用空気出口パイプ
48、50 導管
48a、50a 接続箱
48b、50b 分岐ライン
52 パージ空気ライン
54 圧力逃し弁
B 隔壁
L−1、L−2、L−3 紫外線処理ランプ
S 貫通スリーブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
石油タンカーポンプ室及び海上プラットフォームの爆発性雰囲気中で水を処理する装置であって、該装置は、対向する端面を有する処理室を画定する反応器と、前記処理室を通して水を流すための、前記反応器を通る入口及び出口開口部と、対向する端面間に取付け、前記室を通して延在するガラス管内に密閉した複数の水処理ランプと、前記ガラス管の端部を覆うように前記反応器に固定する端部カバーと、前記反応器の各端部に固定する防爆筺体と、を含み、各防爆筺体は、前記反応器に取着する手段を有するシェルと、前記防爆筺体をパージして、前記筺体を過剰気圧で非爆発性ガスで充填する手段と、非爆発性雰囲気で発生させた電力を、前記防爆筺体を介して前記反応器ランプに供給して、前記爆発性雰囲気を発火させる危険性無く、爆発性雰囲気中で前記駆動した反応器が運転できるようにする手段とを含むことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記反応器の運転圧力を10バールとする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
石油タンカーポンプ室及び海上プラットフォームの爆発性雰囲気中で水を処理する装置であって、該装置は、開口端にした反応器シェルと、前記反応器シェルの各開口端に取付けて、処理室を画定する反応器を形成する部品フランジと、前記処理室を通して水を流すための、前記反応器シェルを通る入口及び出口開口部と、部品フランジ間で前記室に亘り延在するガラス管内に密閉した複数の紫外線水処理ランプと、前記管とランプを部品フランジ間で取付けるための、前記ガラス管の端部と係合するアダプタ手段と、前記アダプタ手段及び前記ガラス管の端部を覆うように前記部品フランジに固定する端部カバーと、前記反応器の各端部で前記部品フランジに固定する防爆筺体と、を含み、各防爆筺体は、前記部品フランジに取着する内フランジ及びシェルと協働して前記防爆筺体を画定する外フランジを有する前記シェルと、前記防爆筺体をパージして、前記筺体を過剰気圧で非爆発性ガスで充填する手段と、非爆発性雰囲気で発生させた電力を、前記防爆筺体を通過させて前記反応器ランプに供給して、前記爆発性雰囲気を発火させる危険性無く、爆発性雰囲気中で前記駆動した反応器が運転できるようにする手段とを含むことを特徴とする装置。
【請求項4】
前記紫外線ランプは、最大35kWに定格され、16%の効率で254nmで放射する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
石油タンカーポンプ室及び海上プラットフォームの爆発性雰囲気中で水を紫外線(UV)処理する装置であって、該装置は、開口端にした反応器シェルと、前記反応器シェルの各開口端に取付けて、処理室を画定する反応器を形成する部品フランジと、前記処理室を通して水を流すための、前記反応器シェルを通る入口及び出口ラインと、部品フランジ間で前記室に亘り延在するガラス管内に密閉した複数の水処理紫外線ランプであって、入口及び出口ラインに流れる水を紫外線処理するための、入口及び出口開口部を横切り延在する前記紫外線ランプと、前記管及びランプを部品フランジ間で取付けるための、前記ガラス管の端部と係合するアダプタ手段と、前記アダプタ手段及び前記ガラス管の端部を覆うように前記部品フランジに固定する端部カバーと、前記反応器の各端部で前記部品フランジに固定する防爆筺体と、を含み、各防爆筺体は、前記部品フランジに取着する内フランジ及びシェルと協働して前記防爆筺体を画定する外フランジを有する前記シェルと、前記防爆筺体をパージして、前記筺体を過剰気圧で非爆発性ガスで充填する手段と、非爆発性雰囲気で発生させた電力を、前記防爆筺体及び端部カバーを通して前記反応器ランプに供給して、前記爆発性雰囲気を発火させる危険性無く、爆発性雰囲気中で前記駆動した反応器が運転できるようにする手段と、を含むことを特徴とする装置。
【請求項6】
前記アダプタ手段を内面を持つスリーブの形とし、該内面は、前記ガラス管端部を受容する面取りした差込口を有し、前記ガラス管に対して密封する第1及び第2Oリングを有し、片方のOリングを押圧、突出させて、前記ガラス管に対して密封係合させる係止鍔部を有し、前記アダプタは、該アダプタを前記部品フランジに固定する手段を有する外面を持つ、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記反応室を通る水流は、管及び紫外線ランプの外装部周りに乱流で循環して、前記水に同伴して粒子、ウイルス、バクテリア、藻類を回転させ、その結果紫外線放射を通過する際に、四方から照らされること、更に紫外線増強が前記入口ラインで開始し、前記出口ラインから前記反応器より流水するにつれて継続することを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
石油タンカーポンプ室及び海上プラットフォームの爆発性雰囲気中で水を紫外線処理する装置であって、該装置は、開口端にした反応器シェルと、前記反応器シェルの各開口端に取付けて、処理室を画定する反応器を形成する部品フランジと、前記処理室を通して水を流すための、前記反応器シェルを通る入口及び出口開口部と、部品フランジ間に取付け、前記室に亘り延在するガラス管内に密閉した複数の水処理紫外線ランプと、前記管及びランプを部品フランジに固定するための、前記ガラス管の端部を受容する面取りした差込穴を有するアダプタと、前記ガラス管の端部を覆うように前記部品フランジに固定する端部カバーであって、該カバーを前記部品フランジに固定する本体シェル及びフランジで画定し、前記ランプに電力を通すための第1開口部、ランプに向かう冷却用空気ノズルを通すための第2開口部を有する前記端部カバーと、前記反応器の各端部で前記部品フランジに固定する防爆筺体と、を含み、各防爆筺体は、前記部品フランジに取着する内フランジ及びシェルと協働して前記防爆筺体を画定する外フランジを有する前記シェルと、前記防爆筺体をパージして、前記筺体を過剰気圧で非爆発性ガスで充填する手段と、電力を前記防爆筺体及び端部カバーを通して前記ランプに供給して、前記爆発性雰囲気を発火させる危険性無く、爆発性雰囲気中で前記駆動した反応器が運転できるようにする非爆発性雰囲気に設置する手段と、を含むことを特徴とする装置。
【請求項9】
前記端部カバーの使用圧力を、10バールとする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
石油タンカーポンプ室及び海上プラットフォームの爆発性雰囲気中で水を紫外線処理する装置であって、該装置は、処理室を画定する反応器と、前記処理室を通して水を流すための、前記反応器シェルを通る入口及び出口開口部と、前記室を通して延在するガラス管内に密閉した複数の紫外線水処理ランプと、前記ガラス管の端部を覆うように前記反応器に固定する端部カバーと、前記反応器の各端部で前記部品フランジに固定する防爆筺体と、を含み、各防爆筺体は、前記部品フランジに取着する内フランジ及びシェルと協働して前記防爆筺体を画定する外フランジを有する前記シェルと、前記防爆筺体を、安全隔壁を介して、非爆発性雰囲気を有するコンパートメントに相互接続する第1及び第2導管手段と、 前記防爆筺体間に延伸するガスパージラインと、パージガスを、前記第1導管を通して片方の防爆筺体に供給し、前記パージラインを通して他方の防爆筺体に供給して、前記防爆筺体から爆発性ガスをパージし、該防爆筺体を過剰気圧で非爆発性ガスで充填する、前記コンパートメントに存在させる手段と、前記コンパートメントでパージガスを排出するための、前記第2導管を通過する他方の防爆筺体からのパージガス排出ラインと、反応器の運転をモニタリングし制御するために、前記コンパートメントから始まり、前記第1導管を通過する圧力、温度、及びランプセンサラインと、前記コンパートメントで発生させた電力を前記反応器ランプに供給し、前記第2導管を通過させて防爆筺体に供給して、前記爆発性雰囲気を発火させる危険性無く、爆発性雰囲気中で前記駆動した反応器が運転できるようにする一方で、動力供給部及び反応器制御部を非爆発コンパートメント雰囲気で運転する手段と、を含むことを特徴とする装置。
【請求項11】
前記反応器を、石油タンカーのポンプ室に配置し、前記コンパートメントをタンカーの機関室とする請求項10に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公表番号】特表2013−505831(P2013−505831A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532054(P2012−532054)
【出願日】平成21年10月20日(2009.10.20)
【国際出願番号】PCT/US2009/005711
【国際公開番号】WO2011/049546
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(512009595)
【氏名又は名称原語表記】ENVIRO TECH AS
【住所又は居所原語表記】400 Main Street,Stamford,CT 06901 United States of America
【Fターム(参考)】