説明

船舶構造及び船舶操舵室の配線経路製造方法

【課題】船舶の全体高さを変えることなしに、各種ケーブル類の敷設や交換作業及びメンテナンス作業を容易に実施できる船舶構造を提供すること。
【解決手段】室内に設置された機器類に接続される各種ケーブル類6が敷設されている操舵室2を備えている船舶構造において、操舵室2の床面形成部材10に配線経路となる凹溝部11を形成し、該凹溝部11を着脱可能な床板部材12で塞ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばLNG船等の各種船舶に適用される船舶構造及び船舶操舵室の配線経路製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば図8に示すように、船舶1の操舵室2は、遠方まで見通せることが重要になるため、通常居住区の最上部に配置される。このため、操舵室2については船舶製造工程の最終段階となり、また、通常の船舶製造工程においては、艤装工事が船殻工事の後となる。
さらに、操舵室2は美観も重視される場所であるため、各種のケーブル敷設作業はいわゆる隠蔽工事となるため作業時間を要している。
【0003】
船舶1の操舵室2に適用される従来のケーブル敷設方法(構造)としては、主に下記の二通りが知られている。
(1)床下配線構造
床下配線構造は、図9に示すように、操舵室2の床下(下階の天井部分)に形成された空間3を利用し、配管4やダクト5とともにケーブル類6を敷設する配線構造である。この配線構造では、配管4やダクト5が先行して取り付けられ、操舵室2の構造ができあがった後、各種ケーブル類6を床面の穴から下の階の天井部分にアクセスし、配管4やダクト5をよけて敷設する。なお、図中の符号7は操舵室2の床板(床面形成部材)、8は下階の天井面である。
(2)二重床板配線構造
二重床板配線構造は、図10に示すように、操舵室2に上下二重の床板7a,7bを設置し、上下の床板7a,7b間に形成された空間9にケーブル類6を敷設する配線構造である。この場合、下側の床板7bは、船舶1及び操舵室2の構造部材として必要な強度を有し、下部に配管4やダクト5が取り付けられる。上側の床板7aは、船舶1等の構造部材とは関係なく、床板7a上に載る機器や人の荷重を支える程度の強度を有するとともに、容易に取付・取り外しができる構造とし、ケーブル類6の敷設後に取付が完了する。なお、図中の符号7cは、床板7aを支持する柱部材である。
【0004】
ところで、船舶の操舵室に関連する従来技術としては、船橋前端壁の曝露側に最下甲板から操舵室甲板まで一体型の水密ダクトを設け、該ダクト内に電源ケーブル、通信ケーブル、油圧管及び空圧管等を一括して導設する船舶操縦装置が知られている。(たとえば、特許文献1参照)
また、船舶を操船する自動操船装置として、構成を小型化するとともに、操船作業を容易にしたものが提案されている。(たとえば、特許文献2参照)
【特許文献1】特開昭62−55291号公報
【特許文献2】特開2002−234494号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した船舶操舵室に関する従来技術の配線構造については、下記のような技術課題が指摘されている。
上述した床下配線構造は、床板7の下部に形成される空間3を利用して配管4やダクト5とともにケーブル類6を敷設する配線構造であり、各種ケーブル類6を床面の穴から下の階の天井部分にアクセスして配管4やダクト5をよけて敷設するものであるから、敷設作業やメンテナンス・交換作業が困難である。
【0006】
一方、上述した二重床板配線構造は、上下二重にした床板7a,7bの間に形成された空間9にケーブル類6を敷設するので、船舶重量が増加するとともに、操舵室2の床面と下階天井との間に形成される空間高さhが大きくなる。このため、空間9を形成した分だけ操舵室2の天井高さが低くなるか、あるいは、操舵室2に十分な天井高さを確保すると船舶全体の高さが高くなる。なお、船舶全体の高さが高くなると、抵抗増加や重量増加により燃費が悪化し不利である。
【0007】
このような背景から、船舶の全体高さを変えることなく、各種ケーブル類の敷設や交換作業及びメンテナンス作業を容易に実施できる船舶構造及び船舶操舵室の配線経路製造方法が望まれる。
また、船舶構造及び船舶操舵室の配線経路製造方法においては、操舵室内に設置される機器レイアウトパターンが多種多様であることから、各パターンに対して効率よく対応できることが望ましい。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、船舶の全体高さを変えることなしに、各種ケーブル類の敷設や交換作業及びメンテナンス作業を容易に実施できる船舶構造及び船舶操舵室の配線経路製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係る船舶構造は、室内に設置された機器類に接続される各種ケーブル類が敷設されている操舵室を備えている船舶構造において、
前記操舵室の床面形成部材に配線経路となる凹溝部を形成し、該凹溝部を着脱可能な床板部材で塞ぐことを特徴とするものである。
【0009】
このような船舶構造によれば、操舵室の床面形成部材に配線経路となる凹溝部を形成するとともに、該凹溝部を着脱可能な床板部材で塞ぐように構成されているので、操舵室内のケーブル類を集約して配線路を限定し、床板部材を取り除いた状態にして凹溝部の上部開口から各種ケーブル類の敷設作業等を容易に実施することができる。
【0010】
上記の発明において、前記凹溝部は略十字状に交差して二方向へ形成された交差部を備えていることが好ましく、これにより、配線経路となる凹溝部を備えた床面形成部材は、多種多様な機器レイアウトパターンに対応可能となる。
【0011】
上記の発明において、前記凹溝部の出口側端部は略鉛直方向に形成された船橋部貫通経路に連結されることが好ましく、これにより、操舵室の内外を接続する各種ケーブル類を集約して敷設する配線が容易になる。
【0012】
上記の発明において、下層階のダクト及び配管は前記凹溝部を避けて設置されることが好ましく、これにより、操舵室の床面と下層階の天井面との間に必要な空間高さを最小限に抑えることができる。
【0013】
本発明に係る船舶操舵室の配線経路製造方法は、室内に設置された機器類に接続される各種ケーブル類を敷設する操舵室を備え、該操舵室の床面形成部材に配線経路となる凹溝部を形成する船舶操舵室の配線経路製造方法であって、
前記操舵室の床面形成部材を切断して前記配線経路の開口部となる貫通部を形成する切断工程と、前記貫通部に凹溝形成パーツを取り付けて前記凹溝部を形成する凹溝形成工程とを具備し、前記凹溝形成パーツとして、断面を凹溝形状にした底面から所定の高さとなる位置に前記ケーブル類を支持する支持部材を設けた直線部、折曲部、T字状交差部及び十字交差部を含む基本パーツが予め用意され、前記基本パーツが組み合わされて使用されることを特徴とするものである。
【0014】
このような船舶操舵室の配線経路製造方法によれば、操舵室の床面形成部材を切断して配線経路の開口部となる貫通部を形成する切断工程と、貫通部に凹溝形成パーツを取り付けて凹溝部を形成する凹溝形成工程とを具備し、凹溝形成パーツとして、断面を凹溝形状にした底面から所定の高さとなる位置にケーブル類を支持する支持部材が設けられている直線部、折曲部、T字状交差部及び十字交差部を含む複数種類の基本パーツを予め用意しておき、これらの基本パーツを組み合わせて使用するので、多種多様な機器レイアウトパターンに対応した船舶操舵室の配線経路を容易に製造することができる。
【発明の効果】
【0015】
上述した本発明の船舶構造及び船舶操舵室の配線経路製造方法によれば、操舵室の天井高さや船舶の全体高さを変えることなしに、船舶の操舵室に係わる各種ケーブル類の敷設作業や交換作業及びメンテナンス作業を容易に実施できるという顕著な効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る船舶構造及び船舶操舵室の配線経路製造方法の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1(a)は船舶1の操舵室2を示す平面図であり、操舵室2の室内には操船等に必要な各種の機器類が設置されている。図示の例では、図中に実線表示した4つの制御装置P(必要に応じてP1,P2,P3,P4と区別する)が設置されており、各制御装置Pには、図1(b)に示す断面図のように、後述する凹溝部11を通す各種のケーブル類6が接続されている。
【0017】
上述したケーブル類6を隠蔽して見栄えよく敷設するため、図示の操舵室2には、操舵室2の床面形成部材10に配線経路となる凹溝部11を形成し、該凹溝部11を着脱可能な床板部材12で塞いだ構成が採用されている。すなわち、操舵室2の床板形成部材10には、床面位置より下方へ(下層階側)へ突出する凹溝部11を予め形成しておき、この凹溝部11の上部またはその近傍に制御装置Pを配置することで、床下の凹溝部11にケーブル類6を集中して敷設できるように限定された配線経路が形成されている。
【0018】
この床面形成部材10は、たとえば図3に示すように、略十字状に交差するように、好ましくは操舵室2の略中心位置において船体の前後方向及び左右方向が交差するように予め形成された凹溝部11を備えている。略十字状に交差する凹溝部11は、制御装置Pの多種多様なレイアウトに対して容易に集中配線が可能な配線経路となるので、床面形成部材10を各種船舶に使用可能な標準部品化することができる。なお、図3においては、凹溝部11の開口部を塞ぐ床板部材12の図示が省略されている。
【0019】
上述した床面形成部材10には、たとえば図4及び図5に示すように、標準化した複数種類の凹溝形成パーツが用いられている。すなわち、床面形成部材10は、凹溝形成パーツと一般的な板材との組み合わせにより凹溝部11を形成したものが望ましい。
図4に示す凹溝形成パーツは、凹溝部11の直線部に使用する直線用標準パーツ51である。この直線用標準パーツ51は、直線状に延びる凹断面形状の配線空間52と、配線空間52の両側端上部に設けた板材と溶接するためのフランジ部53と、フランジ部53の内側に設けた床板部材12の受け面54と、ケーブル類6を底面から浮かせた状態に支持するケーブル受け面55とを備えている。なお、ケーブル受け面55には、ケーブル類6が幅方向に移動するのを阻止するため、必要に応じて仕切板56が設けられている。
【0020】
また、図5に示す凹溝形成パーツは、凹溝部11の合流(分離)部及び折曲部に使用するものである。
図5(a)に示す凹溝形成パーツは、T字状に合流する部分に使用するT字標準パーツ61である。このT字標準パーツ61にも、上述した直線用標準パーツ51と同様に、図配線空間62、フランジ部63、受け面64、ケーブル受け面65及び仕切板66が設けられている。
【0021】
図5(b)に示す凹溝形成パーツは、90度に折曲される直角折曲部分に使用する折曲標準パーツ71である。この折曲標準パーツ71にも、上述した直線用標準パーツ51と同様に、図配線空間72、フランジ部73、受け面74、ケーブル受け面75及び仕切板76が設けられている。なお、必要に応じて45度の折曲部分に使用するパーツを用意してもよい。
図5(c)に示す凹溝形成パーツは、十字状に合流する部分に使用する十字標準パーツ81である。この十字標準パーツ81にも、上述した直線用標準パーツ51と同様に、図配線空間82、フランジ部83、受け面84、ケーブル受け面85及び仕切板86が設けられている。
【0022】
また、略十字状に交差する凹溝部11は、その出口側端部11aが略鉛直方向に形成された船橋部貫通路(不図示)に連結されている。この船橋部貫通路は、船橋部内の各種ケーブル類、ダクト類及び配管類を通すために設けたスペースであり、たとえば操舵室2の船体後方側に設けられている。
上述した凹溝部11には、制御装置Pが設置されない部分の上部開口を塞ぐようにして、床面を形成する床板部材12が着脱可能に設置される。この床板部材12は、凹溝形成パーツ50の開口部寸法に合わせて標準化した形状の異なる複数種類を予め用意しておき、制御装置Pを設置して残った開口形状に合わせて適宜組み合わせて使用する。
【0023】
ここで、床板部材12の標準化例を図2に示すと、たとえば正方形床板12a、正方形床板12aを対角線に沿って二分割した三角形床板12b、及び正方形床板12aに開口部12cを設けた穴あき床板12dを予め用意しておけばよい。このような床板部材12の設置には、たとえば凹溝部11の幅が広い場合など、必要に応じて支持用の柱部材を使用してもよい。
なお、穴あき床板12dに設けた開口部12cは、たとえばケーブル類6を通す通路として使用される。
【0024】
また、床面形成部材10の下面に配置される下層階用の配管4及びダクト5は、上下方向に重ならないようにするため、凹溝部11を避けた位置に配置する。この結果、船舶全体の高さが増したり、あるいは、操舵室2の天井高さが低くなることを防止できる。
なお、上述した操舵室2の床面形成部材10は、通常は上面にカーペット等を敷き詰めた床面となる。
【0025】
続いて、操舵室2内に設置された制御装置P等の機器類に接続される各種ケーブル類6を敷設する配線経路として、床面形成部材10に凹溝部11を形成する船舶操舵室の配線経路製造方法、すなわち、上述した凹溝部11を備えている床面形成部材10の製造方法を図6に基づいて説明する。
この製造方法では、図6(a)に示す最初の切断工程において、操舵室2の床面形成部材となる板材20を切断し、配線経路の開口部となる貫通部21を形成する。図示の例では、操舵室2の中心位置に船体前後方向の貫通部21aを形成するとともに、この貫通孔21aと直交する船体幅方向に貫通部21bを形成している。
【0026】
次の凹溝部形成工程では、図6(a)に示すように、貫通部21の上面側に凹溝形成パーツを取り付けることにより、すなわち、直線用標準パーツ51、T字標準パーツ61、折曲標準パーツ71及び十字標準パーツ81を適宜組み合わせて取り付けることにより、凹溝部11を形成する。ここで使用する凹溝形成パーツは、上述したように、断面を凹溝形状にした底面から所定の高さとなる位置にケーブル類6を支持する支持部材としてケーブル受け面55等を備えている。この結果、図6(b)に示すように、凹溝部11を形成した床板形成部材10が上下裏返しの状態で完成する。
【0027】
この後、床板形成部材10の上面側には、図6(c)に示すように、上方に向けて突出する凹溝部11を避けるようにして、下層階用の配管4やダクト5が取り付けられる。
次の製造工程では、図6(d)に示すように、下層階用の配管4やダクト5を一体に取り付けた床板形成部材10を上下反対にして、すなわち所定の向きに裏返してから、船橋内に配置された操舵室2の床面形成位置に取り付けて操舵室2を組み立てる。この後、操舵室2内に制御装置Pを搬入し、床板形成部材10上の所定位置に固定設置する。
最後に、凹溝部11にケーブル類6を敷設し、制御装置Pの底面から接続する。そして、ケーブル類6の敷設が全て完了したら、凹溝部11の上面開口を床板部材12で塞いでフラットな床面とする。
【0028】
このようにすれば、ケーブル類6を凹溝部11に集中化して配線経路を限定するとともに、上面が開口する凹溝部11に上からアクセスしてケーブル敷設作業を実施でき、凹溝部11以外の部分は、下面側に下層階用の配管4やダクト5を取り付けられる。従って、船舶の全体高さを変えずに、ケーブル類6の敷設及びメンテナンスや交換等の作業を容易に実施できる。
また、配線経路となる凹溝部11の平面形状を略十字形状にしたので、操舵室2に設置されてケーブル類6の接続を必要とする多くの制御装置P等の機器レイアウトパターンに効率よく対応できる。具体的には、たとえば図1に示すように、制御装置P1が二分割された制御装置P′として設置位置を変えた場合でも、予め設けた凹溝部11を利用して設置可能である。そして、制御装置P1の位置は、床板部材12により塞ぐことで床面となる。
【0029】
ところで、操舵室2については、図7に示すように、他の場所で床板形成部材10の上に側壁や天井部分を取り付けるとともに、所定位置に制御装置Pを固定設置して完成させた操舵室ユニット2′を搬送し、下層階の上部に載せて組み立てる工法を採用することも可能である。この場合、下層階用の配管4やダクト5については、下層階の天井パネル8上に予め取り付けておくとよい。
【0030】
このように、本発明の船舶構造及び船舶操舵室の配線経路製造方法によれば、操舵室2の天井高さや船舶の全体高さを変えることなく、船舶1の操舵室2に係わる各種ケーブル類6の敷設作業や交換作業及びメンテナンス作業を容易に実施できる。また、操舵室2の制御装置P等の機器レイアウトに自由度を持たせることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る船舶構造の一実施形態を示す図で、(a)は操舵室の一例を示す平面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図2】床板部材の形状例を示す図で、(a)は正方形床板、(b)は三角形床板、(c)は穴あき床板である。
【図3】操舵室内の凹溝部及び制御装置のレイアウト例を示す斜視図である。
【図4】直線用標準パーツの構成例を示す図で、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図5】(a)はT字標準パーツの構成例を示す斜視図、(b)は折曲標準パーツの構成例を示す斜視図、(c)は十字標準パーツを示す斜視図である。
【図6】船舶操舵室の配線経路製造方法として、床板形成部材及び操舵室の組立・製造手順の一実施形態を示す工程説明図である。
【図7】操舵室の組立・製造手順について、他の実施形態を示す工程説明図である。
【図8】操舵室を備えた船舶の一例を示す側面図である。
【図9】従来の床下配線構造を示す断面図である。
【図10】従来の二重床板配線構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 船舶
2 操舵室
2′ 操舵室ユニット
4 配管
5 ダクト
6 ケーブル類
10 床面形成部材
11 凹溝部
12 床板部材
51 直線用標準パーツ
61 T字標準パーツ
71 折曲標準パーツ
81 十字標準パーツ
P 制御装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内に設置された機器類に接続される各種ケーブル類が敷設されている操舵室を備えている船舶構造において、
前記操舵室の床面形成部材に配線経路となる凹溝部を形成し、該凹溝部を着脱可能な床板部材で塞ぐことを特徴とする船舶構造。
【請求項2】
前記凹溝部が略十字状に交差して二方向へ形成された交差部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の船舶構造。
【請求項3】
前記凹溝部の出口側端部が略鉛直方向に形成された船橋部貫通経路に連結されることを特徴とする請求項1または2に記載の船舶構造。
【請求項4】
下層階のダクト及び配管が前記凹溝部を避けて設置されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の船舶構造。
【請求項5】
室内に設置された機器類に接続される各種ケーブル類を敷設する操舵室を備え、該操舵室の床面形成部材に配線経路となる凹溝部を形成する船舶操舵室の配線経路製造方法であって、
前記操舵室の床面形成部材を切断して前記配線経路の開口部となる貫通部を形成する切断工程と、
前記貫通部に凹溝形成パーツを取り付けて前記凹溝部を形成する凹溝形成工程とを具備し、
前記凹溝形成パーツとして、断面を凹溝形状にした底面から所定の高さとなる位置に前記ケーブル類を支持する支持部材を設けた直線部、折曲部、T字状交差部及び十字交差部を含む基本パーツが予め用意され、前記基本パーツが組み合わされて使用されることを特徴とする船舶操舵室の配線経路製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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