船舶
【課題】船首隔壁の隔壁形状を工夫することにより、揚錨装置の防爆上の要求を満たしつつ、なおかつ船首隔壁と船首垂線の距離の短縮化、貨物倉の容積の増加、揚錨装置の船首隔壁側への配置による利用可能な船首部面積の拡大等のメリットが得られる船舶を提供する。
【解決手段】船体の前後位置に関して、船首隔壁4の上側部分4bを該船首隔壁4の下側部分4aより後方に配置し、該船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5の前後位置を該船首隔壁4の下側部分4aの前後位置よりも後方に配置する。
【解決手段】船体の前後位置に関して、船首隔壁4の上側部分4bを該船首隔壁4の下側部分4aより後方に配置し、該船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5の前後位置を該船首隔壁4の下側部分4aの前後位置よりも後方に配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶、例えば、タンカー、化学薬品タンカー、ガス運搬船等の船舶に関し、より詳細には、これらの船舶の船首部における揚錨装置の防爆配置と船首隔壁の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、船舶の船首部においては、通常は上甲板で形成される暴露甲板上に、アンカーを海底に降ろすための揚錨装置が設けられている。この揚錨装置は、図14及び図15に示すように、アンカー(図示しない)に接続されべルマウス(図示しない)を通過するチェーン(アンカーチェーン)11と、このチェーン11を巻き上げるためのケーブルリフター(ウインドラス:揚錨機)12と、巻き上げたチェーン11を格納するためのチェーンロッカー13と、チェーン11をチェーンロッカー13に誘導するためのチェーンパイプ14を備えて形成されている。
【0003】
このケーブルリフター12は暴露甲板2上に配置され、チェーンロッカー13は暴露甲板2の下側に設けられている。また、このケーブルリフター12とチェーンロッカー13の間にチェーンパイプ14が配置されている。
【0004】
このケーブルリフター12とチェーンパイプ14は投錨時や揚錨時に、チェーン11と接触して火花を発生する可能性があり、可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶においては、貨物倉3から漏出した揮発成分と外気が混合した混合気に火花が触れて引火すると爆発を起こす危険性がある。
【0005】
これを防止するために、図14及び図15に示すように、可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶1Xにおいては、暴露甲板2上に危険区域(図14及び図15の斜線部)Zdを設けると共に、この危険区域Zdを避けてケーブルリフター12とチェーンパイプ14を配置することが求められている。
【0006】
この危険区域Zdは暴露甲板2上から高さH1までで、この危険区域Zdの前端X1は、船首部に設けられた水密構造の衝突隔壁である船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5から、前方に所定の距離L1離れた位置とされる。この危険区域Zdの範囲は、各国政府、国際規則及び船級などによる規則の要求する範囲で適用され、配置に反映される。例えば、その一例としては、DNV船級協会の船級規則の一つの設定方法では、H1=2.4mでL1=3mとなっている。
【0007】
そのため、従来技術の可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶1Xでは、鉛直方向に設けられた船首隔壁4Xと水平方向に設けられた暴露甲板2との交線である接続部5から、所定の距離L1前方に離れた場所にチェーンパイプ14とケーブルリフター12を配置している。言い換えれば、チェーンパイプ14とケーブルリフター11を配置している位置から所定の距離L1後方に鉛直方向に設けられる船首隔壁4Xを配置している。
【0008】
その結果、従来技術の可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶1Xでは、船首部では、チェーンパイプ14とケーブルリフター11等の揚錨装置の防爆配置の関係から定まってくる所定の長さL2が必要となり、他の要求から決まる長さよりも長くなる場合が多かった。つまり、船首隔壁と船首垂線との距離(船首部長さ)L4は、輸送効率上、短い方が望ましいが、揚錨装置の防爆配置の観点から短くできないという問題がある。
【0009】
この所定の長さL2は、従来技術の船舶においては、船首隔壁4と船首垂線F.P.との間の距離である船首部長さL4と同じであるが、この船首部長さL4を短縮することができると、従来船よりも、貨物倉の増加、又は、船長の短縮を行うことができる。結果、貨物倉容積を増加できるため、一航海で運搬できる貨物量の増加、輸送効率の増加を図り、また、船長を短くできるため、汎用性を高め、構造重量、排水量の低減を図り、必要馬力の低減、CO2の排出削減、運航費の低減等の効果に期待できる。また、揚錨装置の配置の自由度、船首部における暴露甲板上の利用可能な面積の拡大にも期待できる。
【0010】
なお、揚錨装置と船首隔壁との関係を示すものの一つとして、肥大船において、船首部における揚錨時の錨の下端の引き上げ位置を、側面視で、船長方向に関しては、船首垂線より後方で、且つ、船首隔壁(船首衝突隔壁)より前方とし、上下側向に関しては、満載喫水状態で航行中の水面盛り上がり位置よりも、0.25%Lpp(垂線間長)分だけ高い位置よりも高く、且つ、揚錨機を設置した甲板の舷側線よりも低い範囲にして、肥大船の船首部における揚錨時の錨の位置を上側に移動することにより、錨と波との干渉による航海性能の低下を低減する船舶が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008−149819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上述の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、船首隔壁の隔壁形状を工夫することにより、揚錨装置の防爆上の要求を満たしつつ、なおかつ船首隔壁と船首垂線の距離の短縮化、貨物倉の容積の増加、揚錨装置の船首隔壁側への配置による利用可能な船首部面積の拡大等のメリットが得られる可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するための本発明の船舶は、可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶、例えば、タンカー、化学薬品タンカー、ガス運搬船等であって、船体の前後位置に関して、船首隔壁の上側部分を該船首隔壁の下側部分より後方に配置し、該船首隔壁と暴露甲板との接続部の前後位置を該船首隔壁の下側部分の前後位置よりも後方に配置して構成する。
【0014】
この構成によれば、船首隔壁と暴露甲板との接続部が船首隔壁の下側部分よりも後方になるので、その分危険区域の前端を船首隔壁の下側部分に対して、従来技術の可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶よりも後方に後退させることができる。言い換えれば、船首隔壁の下側部分と船首垂線の距離を短くすることができる。
【0015】
また、上記の船舶において、前記船首隔壁の前記上側部分を上側に行くに伴って後方に行くように傾斜させて形成して構成する。あるいは、上記の船舶において、船体の鉛直方向に関して前記船首隔壁の上側に階段部を設けて、船体の前後方向に関して前記船首隔壁の前記上側部分を前記船首隔壁の前記下側部分よりも後方に配置して形成して構成する。なお、この傾斜部及び階段部の形状に関しては特に限定する必要はなく、階段の段差の数にも制限はなく、一段でも複数段でもよい。さらに、傾斜部と階段部の組合せであってもよい。
【0016】
また、上記の船舶において、平面視で、チェーンパイプとケーブルリフターを配置する部位に対して、前記船首隔壁と前記暴露甲板との接続部の位置を後方に後退させて、前記接続部に凹部を設けて形成して構成すると、船首隔壁の上側部分の後退による、船首隔壁の後方の貨物倉の容積の減少量を抑制しながら、船首隔壁と暴露甲板との接続部を部分的に船首隔壁の下側部分よりも後方にして、チェーンパイプとケーブルリフターの部分に対向する部位で危険区域の前端を、従来技術の可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶よりも後方に後退させることができる。言い換えれば、船首隔壁の下側部分と船首垂線の距離を短くすることができる。
【0017】
あるいは、上記の目的を達成するための本発明の船舶は、可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶、例えば、タンカー、化学薬品タンカー、ガス運搬船等であって、船首隔壁の上側部分において、暴露甲板との接続部が前記船首隔壁と前記暴露甲板との接続部よりも船体の前後位置に関して後方になるように、水密構造で形成される傾斜壁部材又は階段状壁部材を設けて構成される。なお、この傾斜壁部材及び階段状壁部材の形状に関しては特に限定する必要はなく、階段の段差の数にも制限はなく、一段でも複数段でもよい。さらに、傾斜壁部材と階段状壁部材の組合せであってもよい。
【0018】
この構成によれば、船首隔壁の上側部分を後退させずに、水密構造の壁部材と暴露甲板との接続部を船首隔壁と暴露甲板との接続部よりも後方に設けたので、危険区域の前端を船首隔壁の位置に対して、従来技術の可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶よりも後方に後退させることができる。言い換えれば、船首隔壁と船首垂線の距離を短くすることができる。
【0019】
あるいは、上記の目的を達成するための本発明の船舶は、可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶、例えば、タンカー、化学薬品タンカー、ガス運搬船等であって、平面視で、チェーンパイプとケーブルリフターを配置する部位に対向する部位において、船首隔壁の船体の前後位置に関して後側に水密構造の壁部材で囲まれた空間部を設けて構成される。なお、この空間部の形状に関しては特に限定する必要はなく、傾斜部や段差部で形成してもよく、傾斜部と段差部の組合せであってもよい。
【0020】
この構成によれば、船首隔壁の後側の空間部による、船首隔壁の後方の貨物倉の容積の減少量を減少しながら、水密構造の壁部材と暴露甲板との接続部を船首隔壁と暴露甲板との接続部よりも後方にして、チェーンパイプとケーブルリフターの部分における危険区域の前端を、従来技術の可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶よりも後方に後退させることができる。言い換えれば、船首隔壁と船首垂線の距離を短くすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の船舶によれば、従来技術の船首隔壁を鉛直に形成した可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶に比べて、船首隔壁と船首垂線の距離を短くすることができる。そのため、従来船よりも、貨物倉の増加、又は、船長の短縮を行うことができる。結果、貨物倉容積を増加できるため、一航海で運搬できる貨物量の増加、輸送効率の増加を図り、また、船長を短くできるため、汎用性を高め、構造重量、排水量の低減を図り、必要馬力の低減、CO2の排出削減、運航費の低減等の効果に期待できる。また、揚錨装置の配置の自由度、船首部における暴露甲板上の利用可能な面積の拡大にも期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る第1及び第2の実施の形態の船舶の船首部の構成を示す平面図である。
【図2】本発明に係る第1の実施の形態の船舶の船首部の構成を示す、図1のX−X断面図である。
【図3】本発明に係る第2の実施の形態の船舶の船首部の構成を示す、図1のX−X断面図である。
【図4】本発明に係る第3及び第4の実施の形態の船舶の船首部の構成を示す平面図である。
【図5】本発明に係る第3及び第4の実施の形態の船舶の船首部の構成を示す、図4のX−X断面図である。
【図6】本発明に係る第3の実施の形態の船舶の船首部の構成を示す、図4のY−Y断面図である。
【図7】本発明に係る第4の実施の形態の船舶の船首部の構成を示す、図4のY−Y断面図である。
【図8】本発明に係る第5及び第6の実施の形態の船舶の船首部の構成を示す平面図である。
【図9】本発明に係る第5の実施の形態の船舶の船首部の構成を示す、図8のZ−Z断面の部分拡大図である。
【図10】本発明に係る第6の実施の形態の船舶の船首部の構成を示す、図8のZ−Z断面の部分拡大図である。
【図11】本発明に係る第7及び第8の実施の形態の船舶の船首部の構成を示す平面図である。
【図12】本発明に係る第7の実施の形態の船舶の船首部の構成を示す、図10のY−Y断面の部分拡大図である。
【図13】本発明に係る第8の実施の形態の船舶の船首部の構成を示す、図10のY−Y断面の部分拡大図である。
【図14】従来技術の可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶の船首部の構成を示す平面図である。
【図15】従来技術の可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶の船首部の構成を示す、図14のX−X断面図である。
【図16】チェーンパイプとケーブルリフターを示す平面図である。
【図17】チェーンパイプとケーブルリフターを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明に係る船舶について説明する。図1〜図3に第1及び第2の実施の形態の船舶1,1Aを示し、図4〜図7に第3及び第4の実施の形態の船舶1B,1Cを示す。更に、図8〜図10に第5及び第6の実施の形態の船舶1D,1Eを示し、図11〜図13に第7及び第8の実施の形態の船舶1F,1Gを示す。
【0024】
本発明に係る実施の形態の船舶1,1A〜1Gは、可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶、例えば、タンカー、化学薬品タンカー、ガス運搬船等の船舶であり、図1〜図13に示すように、揚錨装置として、アンカー(図示しない)、チェーン(アンカーチェーン:錨鎖)11、ケーブルリフター(ウインドラス:揚錨機)12、チェーンロッカー(錨鎖庫)13、チェーンパイプ14を備えている。
【0025】
このチェーン11は、その先端側はアンカー(図示しない)に接続され、船首フレアに設けられたベルマウス(図示しない)を通過して、図16及び図17に示すようなケーブルリフター12により巻き上げられて、チェーンパイプ14に誘導されてチェーンロッカー13に格納される。ケーブルリフター12は通常は上甲板で形成される暴露甲板2上に配置され、チェーンロッカー13は暴露甲板2の下側の設けられる。
【0026】
また、船首部には、水密構造の衝突隔壁である船首隔壁4が設けられており、その後方に貨物倉3が設けられている。
【0027】
そして、本発明に係る第1の実施の形態の船舶1は、図1及び図2に示すように、船首隔壁4は、船体の前後位置に関して、船首隔壁4の上側部分4bを上側に行くに伴って後方に行くように傾斜させて形成することにより、船首隔壁4の下側部分4aよりも船首隔壁4の上側部分4bを後方に配置し、船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5の前後位置を船首隔壁4の下側部分4aの前後位置よりも、距離L3だけ後方に配置して構成する。
【0028】
一方、暴露甲板2上の危険区域(図1及び図2の斜線部)Zdの前端は、船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5から所定の距離L1だけ前方となる。この危険区域Zdを避けて、ケーブルリフター12とチェーンパイプ14が配置される。
【0029】
この構成によれば、暴露甲板2上の危険区域Zdの前端X1は接続部5から所定の距離L1だけ前方となり、一方、船首隔壁4の下部部分4aはこの接続部5よりも距離L3だけ前方となるので、船首垂線F.P.と船首隔壁4との間の距離である船首部長さはL4となり、貨物倉3の容積としては、図2のクロスハッチングの部分Vaの部分の量が増加することになる。
【0030】
また、本発明に係る第2の実施の形態の船舶1Aは、図1及び図3に示すように、船首隔壁4は、船体の前後位置に関して、船体の鉛直方向に関して船首隔壁4の上側に階段部(段差)を設けて、船体の前後方向に関して船首隔壁4の上側部分4dを船首隔壁4の下側部分4aよりも後方に配置して形成することにより、船首隔壁4の下側部分4aよりも船首隔壁4の上側部分4dを後方に配置し、船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5の前後位置を船首隔壁4の下側部分4aの前後位置よりも、距離L3だけ後方に配置して構成する。
【0031】
一方、暴露甲板2上の危険区域(図1及び図3の斜線部)Zdの前端X1は、船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5から所定の距離L1だけ前方となる。この危険区域Zdを避けて、ケーブルリフター12とチェーンパイプ14が配置される。
【0032】
この構成によれば、暴露甲板2上の危険区域Zdの前端X1は接続部5から所定の距離L1だけ前方となり、一方、船首隔壁4の下部部分4aはこの接続部5よりも距離L3だけ前方となるので、船首部長さはL4となり、貨物倉3の容積としては、図3のクロスハッチングの部分Vaの部分の量が増加することになる。
【0033】
また、本発明に係る第3の実施の形態の船舶1Bは、図4、図5、図6に示す船首部構造を有して構成される。船首隔壁4は、図4に示すように、船体を見下ろす平面視で、チェーンパイプ14とケーブルリフター12を配置する部位に対して、船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5の位置を後方に後退させて、接続部5に後方に凸となる凹部(屈折部)5aを設ける。この凹部5aの平面視の形状は、四角形形状(図4)、台形形状、半円形状、半楕円形状等様々な形状を採用することができるが、四角形形状や台形形状で形成すると工作し易くなる。
【0034】
この凹部5a以外の接続部5の部分(個々では前進部ということにする)5bでは、図5に示すように、船首隔壁4はその下側から上側まで鉛直に形成されるが、船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5の前後位置を凹部5aの後端側の前後位置よりも、距離L3だけ前方に配置する。
【0035】
また、凹部5aにおいては、図6に示すように、船体の前後位置に関して、船首隔壁4の上側部分4bを上側に行くに伴って後方に行くように傾斜させて形成することにより、船首隔壁4の下側部分4aよりも船首隔壁4の上側部分4bを後方に配置し、船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5の前後位置を船首隔壁4の下側部分4aの前後位置よりも、距離L3だけ後方に配置して構成する。
【0036】
この構成によれば、第1の実施の形態に比べて、船首隔壁4の上側部分4bを後退させる範囲が凹部5aのみとなるので、その分、貨物倉3の容積を増加することができる。
【0037】
また、本発明に係る第4の実施の形態の船舶1Cは、船首隔壁4は、第3の実施の形態と同様に、図4に示すように、平面視で、チェーンパイプ14とケーブルリフター12を配置する部位に対して、船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5の位置を後方に後退させて、接続部5に後方に凸となる凹部5aを設ける。
【0038】
この凹部5a以外の接続部5の前進部5bの構成は第3の実施の形態と同じであるが、凹部5aにおいては、図7に示すように、船首隔壁4は、船体の前後位置に関して、船体の鉛直方向に関して船首隔壁4の上側に階段部(段差)4c、4dを設けて、船体の前後方向に関して船首隔壁4の上側部分4dを船首隔壁4の下側部分4aよりも後方に配置して形成することにより、船首隔壁4の下側部分4aよりも船首隔壁4の上側部分4dを後方に配置し、船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5の前後位置を船首隔壁4の下側部分4aの前後位置よりも、距離L3だけ後方に配置して構成する。
【0039】
この構成によれば、第2の実施の形態に比べて、船首隔壁4の上側部分4dを後退させる範囲が凹部5aのみとなるので、その分、貨物倉3の容積を増加することができる。
【0040】
また、本発明に係る第5の実施の形態の船舶1Dは、図8及び図9に示すように、船首隔壁4の上側部分において、暴露甲板2との接続部7が船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5よりも船体の前後位置に関して後方になるように、水密構造で形成される傾斜壁部材(スラントプレート)6bを設ける。それと共に、この傾斜壁部材6bを点検できる開口部4eを船首隔壁4に設ける。これにより、船首隔壁4の後方上側において、貨物倉3に対して張り出した空間部8ができる。その他の構成は、第1の実施の形態の船舶1と同じである。
【0041】
この構成によれば、船首隔壁4の上側部分を後退させずに、水密構造の壁部材6bと暴露甲板2との接続部7を船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5よりも後方に設けることで、危険区域Zbの前端X1の位置を接続部7からの所定の距離L1前方とすることができるので、危険区域Zbの前端X1を船首隔壁4の位置に対して後退させることができる。
【0042】
また、本発明に係る第6の実施の形態の船舶1Eは、図8及び図10に示すように、船首隔壁4の上側部分において、暴露甲板2との接続部7が船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5よりも船体の前後位置に関して後方になるように、水密構造で形成される階段状壁部材6c、6dを設ける。この階段状壁部材は、水平壁部材6cと垂直壁部材6dで構成されるが、段差の数は一つでも複数でもよい。また、段差の断面の形状も四角に限定されない。これにより、船首隔壁4の後方上側において、貨物倉3に対して張り出した空間部8ができる。それと共に、この階段状壁部材6c、6dを点検できる開口部4eを船首隔壁4か暴露甲板2に設ける。傾斜壁部材6bの替りに階段状壁部材6c、6dを設けること以外は、第5の実施の形態の船舶1Dと同じである。
【0043】
この構成によれば、船首隔壁4の上側部分を後退させずに、水密構造の壁部材6dと暴露甲板2との接続部7を船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5よりも後方に設けることで、危険区域Zbの前端X1の位置を接続部7からの所定の距離L1前方とすることができるので、危険区域Zbの前端X1を船首隔壁4の位置に対して後退させることができる。
【0044】
また、本発明に係る第7の実施の形態の船舶1Fは、図11及び図12に示すように、平面視で、チェーンパイプ14とケーブルリフター12を配置する部位に対向する部位において、船首隔壁4の船体の前後位置に関して後側に、傾斜壁部材(スラントプレート)6bを有する水密構造の壁部材6b、6eで囲まれた空間部8を設けると共に、この空間部8に連通する開口部4eを船首隔壁4に設ける。
【0045】
この構成によれば、船首隔壁4の後側の空間部8による、船首隔壁4の後方の貨物倉3の容積の減少量を第5の実施の形態よりも小さくしながら、水密構造の壁部材6bと暴露甲板2との接続部7を船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5よりも後方に配置して、チェーンパイプ14とケーブルリフター12の部分における危険区域Zbの前端X1を後退させることができる。
【0046】
また、本発明に係る第8の実施の形態の船舶1Gは、図11及び図13に示すように、平面視で、チェーンパイプ14とケーブルリフター12を配置する部位に対向する部位において、船首隔壁4の船体の前後位置に関して後側に、水平壁部材6cと垂直壁部材6d、6eを有する水密構造の壁部材6c、6b、6eで囲まれた空間部8を設けるとともに、この空間部8に連通する開口部4eを船首隔壁4か暴露甲板2に設ける。傾斜壁部材6bの替りに水平壁部材6cと垂直壁部材6d、6eを設けること以外は、第7の実施の形態の船舶1Fと同じである。
【0047】
この構成によれば、船首隔壁4の後側の空間部8による、船首隔壁4の後方の貨物倉3の容積の減少量を第6の実施の形態よりも小さくしながら、水密構造の壁部材6bと暴露甲板2との接続部7を船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5よりも後方にして、チェーンパイプ14とケーブルリフター12の部分における危険区域Zbの前端X1を後退させることができる。
【0048】
上記の第1〜第4の実施の形態の船舶1,1A〜1Dによれば、チェーン11と接触して火花を発生する可能性があるケーブルリフター12とチェーンパイプ14を、その前端が、船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5からの所定の距離L1前方の位置となる危険区域Zdから外れた部位に設置すると共に、接続部5を船首隔壁4の下側部分4aよりも距離L3だけ前方に配置しているので、この分の容積Vaだけ、貨物倉3の容積を増加することができる。
【0049】
また、上記の第4〜第8の実施の形態の船舶1E〜1Gによれば、チェーン11と接触して火花を発生する可能性があるケーブルリフター12とチェーンパイプ14を、その前端が、水密構造の壁部材6と暴露甲板2との接続部7からの所定の距離L1前方の位置となる危険区域Zdから外れた部位に設置すると共に、接続部7を船首隔壁4よりも距離L3だけ前方に配置しているので、この分の容積Vaだけ、貨物倉3の容積を増加することができる。
【0050】
従って、可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶、例えば、タンカー、化学薬品タンカー、ガス運搬船等において、貨物倉3から漏出した揮発成分と外気が混合した混合気に火花が触れて引火する危険性を回避しながら、従来技術の可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶1Xよりも、L2をL4に短縮することができる。
【0051】
これにより、従来船よりも、貨物倉の増加、又は、船長の短縮を行うことができる。結果、貨物倉容積を増加できるため、一航海で運搬できる貨物量の増加、輸送効率の増加を図り、また、船長を短くできるため、汎用性を高め、構造重量、排水量の低減を図り、必要馬力の低減、CO2の排出削減、運航費の低減等の効果に期待できる。また、揚錨装置の配置の自由度、船首部における暴露甲板上の利用可能な面積の拡大にも期待できる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の船舶は、従来技術の船首隔壁を鉛直に形成した船舶に比べて、船首部長さを短くすることができ、貨物倉の増加、又は、船の全長の短縮を行うことができるので、各種の船舶として利用できる。
【符号の説明】
【0053】
1、1A〜1G 船舶
1X 可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶
2 暴露甲板
3 貨物倉
4、4X 船首隔壁
4d 上側部分(階段部)
4c 水平部分(階段部)
4e 開口部
5 船首隔壁と暴露甲板との接続部
5a 凹部
5b 前進部(凹部以外の接続部)
6b 傾斜壁部材
6c 水平壁部材(階段状壁部材)
6d 垂直壁部材(階段状壁部材)
7 水密構造壁部材と暴露甲板との接続部
8 空間部
11 チェーン
12 ケーブルリフター(ウインドラス:揚錨機)
13 チェーンロッカー
14 チェーンパイプ
L1 所定の距離
L2 所定の長さ
L3 接続部に対する船首隔壁の下側部分の前進距離
L4 船首部長さ
H1 危険区域の高さ
Va 貨物倉の増量部分
X1 危険区域の前端
Zd 危険区域
【技術分野】
【0001】
本発明は、可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶、例えば、タンカー、化学薬品タンカー、ガス運搬船等の船舶に関し、より詳細には、これらの船舶の船首部における揚錨装置の防爆配置と船首隔壁の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、船舶の船首部においては、通常は上甲板で形成される暴露甲板上に、アンカーを海底に降ろすための揚錨装置が設けられている。この揚錨装置は、図14及び図15に示すように、アンカー(図示しない)に接続されべルマウス(図示しない)を通過するチェーン(アンカーチェーン)11と、このチェーン11を巻き上げるためのケーブルリフター(ウインドラス:揚錨機)12と、巻き上げたチェーン11を格納するためのチェーンロッカー13と、チェーン11をチェーンロッカー13に誘導するためのチェーンパイプ14を備えて形成されている。
【0003】
このケーブルリフター12は暴露甲板2上に配置され、チェーンロッカー13は暴露甲板2の下側に設けられている。また、このケーブルリフター12とチェーンロッカー13の間にチェーンパイプ14が配置されている。
【0004】
このケーブルリフター12とチェーンパイプ14は投錨時や揚錨時に、チェーン11と接触して火花を発生する可能性があり、可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶においては、貨物倉3から漏出した揮発成分と外気が混合した混合気に火花が触れて引火すると爆発を起こす危険性がある。
【0005】
これを防止するために、図14及び図15に示すように、可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶1Xにおいては、暴露甲板2上に危険区域(図14及び図15の斜線部)Zdを設けると共に、この危険区域Zdを避けてケーブルリフター12とチェーンパイプ14を配置することが求められている。
【0006】
この危険区域Zdは暴露甲板2上から高さH1までで、この危険区域Zdの前端X1は、船首部に設けられた水密構造の衝突隔壁である船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5から、前方に所定の距離L1離れた位置とされる。この危険区域Zdの範囲は、各国政府、国際規則及び船級などによる規則の要求する範囲で適用され、配置に反映される。例えば、その一例としては、DNV船級協会の船級規則の一つの設定方法では、H1=2.4mでL1=3mとなっている。
【0007】
そのため、従来技術の可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶1Xでは、鉛直方向に設けられた船首隔壁4Xと水平方向に設けられた暴露甲板2との交線である接続部5から、所定の距離L1前方に離れた場所にチェーンパイプ14とケーブルリフター12を配置している。言い換えれば、チェーンパイプ14とケーブルリフター11を配置している位置から所定の距離L1後方に鉛直方向に設けられる船首隔壁4Xを配置している。
【0008】
その結果、従来技術の可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶1Xでは、船首部では、チェーンパイプ14とケーブルリフター11等の揚錨装置の防爆配置の関係から定まってくる所定の長さL2が必要となり、他の要求から決まる長さよりも長くなる場合が多かった。つまり、船首隔壁と船首垂線との距離(船首部長さ)L4は、輸送効率上、短い方が望ましいが、揚錨装置の防爆配置の観点から短くできないという問題がある。
【0009】
この所定の長さL2は、従来技術の船舶においては、船首隔壁4と船首垂線F.P.との間の距離である船首部長さL4と同じであるが、この船首部長さL4を短縮することができると、従来船よりも、貨物倉の増加、又は、船長の短縮を行うことができる。結果、貨物倉容積を増加できるため、一航海で運搬できる貨物量の増加、輸送効率の増加を図り、また、船長を短くできるため、汎用性を高め、構造重量、排水量の低減を図り、必要馬力の低減、CO2の排出削減、運航費の低減等の効果に期待できる。また、揚錨装置の配置の自由度、船首部における暴露甲板上の利用可能な面積の拡大にも期待できる。
【0010】
なお、揚錨装置と船首隔壁との関係を示すものの一つとして、肥大船において、船首部における揚錨時の錨の下端の引き上げ位置を、側面視で、船長方向に関しては、船首垂線より後方で、且つ、船首隔壁(船首衝突隔壁)より前方とし、上下側向に関しては、満載喫水状態で航行中の水面盛り上がり位置よりも、0.25%Lpp(垂線間長)分だけ高い位置よりも高く、且つ、揚錨機を設置した甲板の舷側線よりも低い範囲にして、肥大船の船首部における揚錨時の錨の位置を上側に移動することにより、錨と波との干渉による航海性能の低下を低減する船舶が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008−149819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上述の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、船首隔壁の隔壁形状を工夫することにより、揚錨装置の防爆上の要求を満たしつつ、なおかつ船首隔壁と船首垂線の距離の短縮化、貨物倉の容積の増加、揚錨装置の船首隔壁側への配置による利用可能な船首部面積の拡大等のメリットが得られる可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するための本発明の船舶は、可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶、例えば、タンカー、化学薬品タンカー、ガス運搬船等であって、船体の前後位置に関して、船首隔壁の上側部分を該船首隔壁の下側部分より後方に配置し、該船首隔壁と暴露甲板との接続部の前後位置を該船首隔壁の下側部分の前後位置よりも後方に配置して構成する。
【0014】
この構成によれば、船首隔壁と暴露甲板との接続部が船首隔壁の下側部分よりも後方になるので、その分危険区域の前端を船首隔壁の下側部分に対して、従来技術の可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶よりも後方に後退させることができる。言い換えれば、船首隔壁の下側部分と船首垂線の距離を短くすることができる。
【0015】
また、上記の船舶において、前記船首隔壁の前記上側部分を上側に行くに伴って後方に行くように傾斜させて形成して構成する。あるいは、上記の船舶において、船体の鉛直方向に関して前記船首隔壁の上側に階段部を設けて、船体の前後方向に関して前記船首隔壁の前記上側部分を前記船首隔壁の前記下側部分よりも後方に配置して形成して構成する。なお、この傾斜部及び階段部の形状に関しては特に限定する必要はなく、階段の段差の数にも制限はなく、一段でも複数段でもよい。さらに、傾斜部と階段部の組合せであってもよい。
【0016】
また、上記の船舶において、平面視で、チェーンパイプとケーブルリフターを配置する部位に対して、前記船首隔壁と前記暴露甲板との接続部の位置を後方に後退させて、前記接続部に凹部を設けて形成して構成すると、船首隔壁の上側部分の後退による、船首隔壁の後方の貨物倉の容積の減少量を抑制しながら、船首隔壁と暴露甲板との接続部を部分的に船首隔壁の下側部分よりも後方にして、チェーンパイプとケーブルリフターの部分に対向する部位で危険区域の前端を、従来技術の可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶よりも後方に後退させることができる。言い換えれば、船首隔壁の下側部分と船首垂線の距離を短くすることができる。
【0017】
あるいは、上記の目的を達成するための本発明の船舶は、可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶、例えば、タンカー、化学薬品タンカー、ガス運搬船等であって、船首隔壁の上側部分において、暴露甲板との接続部が前記船首隔壁と前記暴露甲板との接続部よりも船体の前後位置に関して後方になるように、水密構造で形成される傾斜壁部材又は階段状壁部材を設けて構成される。なお、この傾斜壁部材及び階段状壁部材の形状に関しては特に限定する必要はなく、階段の段差の数にも制限はなく、一段でも複数段でもよい。さらに、傾斜壁部材と階段状壁部材の組合せであってもよい。
【0018】
この構成によれば、船首隔壁の上側部分を後退させずに、水密構造の壁部材と暴露甲板との接続部を船首隔壁と暴露甲板との接続部よりも後方に設けたので、危険区域の前端を船首隔壁の位置に対して、従来技術の可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶よりも後方に後退させることができる。言い換えれば、船首隔壁と船首垂線の距離を短くすることができる。
【0019】
あるいは、上記の目的を達成するための本発明の船舶は、可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶、例えば、タンカー、化学薬品タンカー、ガス運搬船等であって、平面視で、チェーンパイプとケーブルリフターを配置する部位に対向する部位において、船首隔壁の船体の前後位置に関して後側に水密構造の壁部材で囲まれた空間部を設けて構成される。なお、この空間部の形状に関しては特に限定する必要はなく、傾斜部や段差部で形成してもよく、傾斜部と段差部の組合せであってもよい。
【0020】
この構成によれば、船首隔壁の後側の空間部による、船首隔壁の後方の貨物倉の容積の減少量を減少しながら、水密構造の壁部材と暴露甲板との接続部を船首隔壁と暴露甲板との接続部よりも後方にして、チェーンパイプとケーブルリフターの部分における危険区域の前端を、従来技術の可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶よりも後方に後退させることができる。言い換えれば、船首隔壁と船首垂線の距離を短くすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の船舶によれば、従来技術の船首隔壁を鉛直に形成した可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶に比べて、船首隔壁と船首垂線の距離を短くすることができる。そのため、従来船よりも、貨物倉の増加、又は、船長の短縮を行うことができる。結果、貨物倉容積を増加できるため、一航海で運搬できる貨物量の増加、輸送効率の増加を図り、また、船長を短くできるため、汎用性を高め、構造重量、排水量の低減を図り、必要馬力の低減、CO2の排出削減、運航費の低減等の効果に期待できる。また、揚錨装置の配置の自由度、船首部における暴露甲板上の利用可能な面積の拡大にも期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る第1及び第2の実施の形態の船舶の船首部の構成を示す平面図である。
【図2】本発明に係る第1の実施の形態の船舶の船首部の構成を示す、図1のX−X断面図である。
【図3】本発明に係る第2の実施の形態の船舶の船首部の構成を示す、図1のX−X断面図である。
【図4】本発明に係る第3及び第4の実施の形態の船舶の船首部の構成を示す平面図である。
【図5】本発明に係る第3及び第4の実施の形態の船舶の船首部の構成を示す、図4のX−X断面図である。
【図6】本発明に係る第3の実施の形態の船舶の船首部の構成を示す、図4のY−Y断面図である。
【図7】本発明に係る第4の実施の形態の船舶の船首部の構成を示す、図4のY−Y断面図である。
【図8】本発明に係る第5及び第6の実施の形態の船舶の船首部の構成を示す平面図である。
【図9】本発明に係る第5の実施の形態の船舶の船首部の構成を示す、図8のZ−Z断面の部分拡大図である。
【図10】本発明に係る第6の実施の形態の船舶の船首部の構成を示す、図8のZ−Z断面の部分拡大図である。
【図11】本発明に係る第7及び第8の実施の形態の船舶の船首部の構成を示す平面図である。
【図12】本発明に係る第7の実施の形態の船舶の船首部の構成を示す、図10のY−Y断面の部分拡大図である。
【図13】本発明に係る第8の実施の形態の船舶の船首部の構成を示す、図10のY−Y断面の部分拡大図である。
【図14】従来技術の可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶の船首部の構成を示す平面図である。
【図15】従来技術の可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶の船首部の構成を示す、図14のX−X断面図である。
【図16】チェーンパイプとケーブルリフターを示す平面図である。
【図17】チェーンパイプとケーブルリフターを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明に係る船舶について説明する。図1〜図3に第1及び第2の実施の形態の船舶1,1Aを示し、図4〜図7に第3及び第4の実施の形態の船舶1B,1Cを示す。更に、図8〜図10に第5及び第6の実施の形態の船舶1D,1Eを示し、図11〜図13に第7及び第8の実施の形態の船舶1F,1Gを示す。
【0024】
本発明に係る実施の形態の船舶1,1A〜1Gは、可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶、例えば、タンカー、化学薬品タンカー、ガス運搬船等の船舶であり、図1〜図13に示すように、揚錨装置として、アンカー(図示しない)、チェーン(アンカーチェーン:錨鎖)11、ケーブルリフター(ウインドラス:揚錨機)12、チェーンロッカー(錨鎖庫)13、チェーンパイプ14を備えている。
【0025】
このチェーン11は、その先端側はアンカー(図示しない)に接続され、船首フレアに設けられたベルマウス(図示しない)を通過して、図16及び図17に示すようなケーブルリフター12により巻き上げられて、チェーンパイプ14に誘導されてチェーンロッカー13に格納される。ケーブルリフター12は通常は上甲板で形成される暴露甲板2上に配置され、チェーンロッカー13は暴露甲板2の下側の設けられる。
【0026】
また、船首部には、水密構造の衝突隔壁である船首隔壁4が設けられており、その後方に貨物倉3が設けられている。
【0027】
そして、本発明に係る第1の実施の形態の船舶1は、図1及び図2に示すように、船首隔壁4は、船体の前後位置に関して、船首隔壁4の上側部分4bを上側に行くに伴って後方に行くように傾斜させて形成することにより、船首隔壁4の下側部分4aよりも船首隔壁4の上側部分4bを後方に配置し、船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5の前後位置を船首隔壁4の下側部分4aの前後位置よりも、距離L3だけ後方に配置して構成する。
【0028】
一方、暴露甲板2上の危険区域(図1及び図2の斜線部)Zdの前端は、船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5から所定の距離L1だけ前方となる。この危険区域Zdを避けて、ケーブルリフター12とチェーンパイプ14が配置される。
【0029】
この構成によれば、暴露甲板2上の危険区域Zdの前端X1は接続部5から所定の距離L1だけ前方となり、一方、船首隔壁4の下部部分4aはこの接続部5よりも距離L3だけ前方となるので、船首垂線F.P.と船首隔壁4との間の距離である船首部長さはL4となり、貨物倉3の容積としては、図2のクロスハッチングの部分Vaの部分の量が増加することになる。
【0030】
また、本発明に係る第2の実施の形態の船舶1Aは、図1及び図3に示すように、船首隔壁4は、船体の前後位置に関して、船体の鉛直方向に関して船首隔壁4の上側に階段部(段差)を設けて、船体の前後方向に関して船首隔壁4の上側部分4dを船首隔壁4の下側部分4aよりも後方に配置して形成することにより、船首隔壁4の下側部分4aよりも船首隔壁4の上側部分4dを後方に配置し、船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5の前後位置を船首隔壁4の下側部分4aの前後位置よりも、距離L3だけ後方に配置して構成する。
【0031】
一方、暴露甲板2上の危険区域(図1及び図3の斜線部)Zdの前端X1は、船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5から所定の距離L1だけ前方となる。この危険区域Zdを避けて、ケーブルリフター12とチェーンパイプ14が配置される。
【0032】
この構成によれば、暴露甲板2上の危険区域Zdの前端X1は接続部5から所定の距離L1だけ前方となり、一方、船首隔壁4の下部部分4aはこの接続部5よりも距離L3だけ前方となるので、船首部長さはL4となり、貨物倉3の容積としては、図3のクロスハッチングの部分Vaの部分の量が増加することになる。
【0033】
また、本発明に係る第3の実施の形態の船舶1Bは、図4、図5、図6に示す船首部構造を有して構成される。船首隔壁4は、図4に示すように、船体を見下ろす平面視で、チェーンパイプ14とケーブルリフター12を配置する部位に対して、船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5の位置を後方に後退させて、接続部5に後方に凸となる凹部(屈折部)5aを設ける。この凹部5aの平面視の形状は、四角形形状(図4)、台形形状、半円形状、半楕円形状等様々な形状を採用することができるが、四角形形状や台形形状で形成すると工作し易くなる。
【0034】
この凹部5a以外の接続部5の部分(個々では前進部ということにする)5bでは、図5に示すように、船首隔壁4はその下側から上側まで鉛直に形成されるが、船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5の前後位置を凹部5aの後端側の前後位置よりも、距離L3だけ前方に配置する。
【0035】
また、凹部5aにおいては、図6に示すように、船体の前後位置に関して、船首隔壁4の上側部分4bを上側に行くに伴って後方に行くように傾斜させて形成することにより、船首隔壁4の下側部分4aよりも船首隔壁4の上側部分4bを後方に配置し、船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5の前後位置を船首隔壁4の下側部分4aの前後位置よりも、距離L3だけ後方に配置して構成する。
【0036】
この構成によれば、第1の実施の形態に比べて、船首隔壁4の上側部分4bを後退させる範囲が凹部5aのみとなるので、その分、貨物倉3の容積を増加することができる。
【0037】
また、本発明に係る第4の実施の形態の船舶1Cは、船首隔壁4は、第3の実施の形態と同様に、図4に示すように、平面視で、チェーンパイプ14とケーブルリフター12を配置する部位に対して、船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5の位置を後方に後退させて、接続部5に後方に凸となる凹部5aを設ける。
【0038】
この凹部5a以外の接続部5の前進部5bの構成は第3の実施の形態と同じであるが、凹部5aにおいては、図7に示すように、船首隔壁4は、船体の前後位置に関して、船体の鉛直方向に関して船首隔壁4の上側に階段部(段差)4c、4dを設けて、船体の前後方向に関して船首隔壁4の上側部分4dを船首隔壁4の下側部分4aよりも後方に配置して形成することにより、船首隔壁4の下側部分4aよりも船首隔壁4の上側部分4dを後方に配置し、船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5の前後位置を船首隔壁4の下側部分4aの前後位置よりも、距離L3だけ後方に配置して構成する。
【0039】
この構成によれば、第2の実施の形態に比べて、船首隔壁4の上側部分4dを後退させる範囲が凹部5aのみとなるので、その分、貨物倉3の容積を増加することができる。
【0040】
また、本発明に係る第5の実施の形態の船舶1Dは、図8及び図9に示すように、船首隔壁4の上側部分において、暴露甲板2との接続部7が船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5よりも船体の前後位置に関して後方になるように、水密構造で形成される傾斜壁部材(スラントプレート)6bを設ける。それと共に、この傾斜壁部材6bを点検できる開口部4eを船首隔壁4に設ける。これにより、船首隔壁4の後方上側において、貨物倉3に対して張り出した空間部8ができる。その他の構成は、第1の実施の形態の船舶1と同じである。
【0041】
この構成によれば、船首隔壁4の上側部分を後退させずに、水密構造の壁部材6bと暴露甲板2との接続部7を船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5よりも後方に設けることで、危険区域Zbの前端X1の位置を接続部7からの所定の距離L1前方とすることができるので、危険区域Zbの前端X1を船首隔壁4の位置に対して後退させることができる。
【0042】
また、本発明に係る第6の実施の形態の船舶1Eは、図8及び図10に示すように、船首隔壁4の上側部分において、暴露甲板2との接続部7が船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5よりも船体の前後位置に関して後方になるように、水密構造で形成される階段状壁部材6c、6dを設ける。この階段状壁部材は、水平壁部材6cと垂直壁部材6dで構成されるが、段差の数は一つでも複数でもよい。また、段差の断面の形状も四角に限定されない。これにより、船首隔壁4の後方上側において、貨物倉3に対して張り出した空間部8ができる。それと共に、この階段状壁部材6c、6dを点検できる開口部4eを船首隔壁4か暴露甲板2に設ける。傾斜壁部材6bの替りに階段状壁部材6c、6dを設けること以外は、第5の実施の形態の船舶1Dと同じである。
【0043】
この構成によれば、船首隔壁4の上側部分を後退させずに、水密構造の壁部材6dと暴露甲板2との接続部7を船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5よりも後方に設けることで、危険区域Zbの前端X1の位置を接続部7からの所定の距離L1前方とすることができるので、危険区域Zbの前端X1を船首隔壁4の位置に対して後退させることができる。
【0044】
また、本発明に係る第7の実施の形態の船舶1Fは、図11及び図12に示すように、平面視で、チェーンパイプ14とケーブルリフター12を配置する部位に対向する部位において、船首隔壁4の船体の前後位置に関して後側に、傾斜壁部材(スラントプレート)6bを有する水密構造の壁部材6b、6eで囲まれた空間部8を設けると共に、この空間部8に連通する開口部4eを船首隔壁4に設ける。
【0045】
この構成によれば、船首隔壁4の後側の空間部8による、船首隔壁4の後方の貨物倉3の容積の減少量を第5の実施の形態よりも小さくしながら、水密構造の壁部材6bと暴露甲板2との接続部7を船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5よりも後方に配置して、チェーンパイプ14とケーブルリフター12の部分における危険区域Zbの前端X1を後退させることができる。
【0046】
また、本発明に係る第8の実施の形態の船舶1Gは、図11及び図13に示すように、平面視で、チェーンパイプ14とケーブルリフター12を配置する部位に対向する部位において、船首隔壁4の船体の前後位置に関して後側に、水平壁部材6cと垂直壁部材6d、6eを有する水密構造の壁部材6c、6b、6eで囲まれた空間部8を設けるとともに、この空間部8に連通する開口部4eを船首隔壁4か暴露甲板2に設ける。傾斜壁部材6bの替りに水平壁部材6cと垂直壁部材6d、6eを設けること以外は、第7の実施の形態の船舶1Fと同じである。
【0047】
この構成によれば、船首隔壁4の後側の空間部8による、船首隔壁4の後方の貨物倉3の容積の減少量を第6の実施の形態よりも小さくしながら、水密構造の壁部材6bと暴露甲板2との接続部7を船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5よりも後方にして、チェーンパイプ14とケーブルリフター12の部分における危険区域Zbの前端X1を後退させることができる。
【0048】
上記の第1〜第4の実施の形態の船舶1,1A〜1Dによれば、チェーン11と接触して火花を発生する可能性があるケーブルリフター12とチェーンパイプ14を、その前端が、船首隔壁4と暴露甲板2との接続部5からの所定の距離L1前方の位置となる危険区域Zdから外れた部位に設置すると共に、接続部5を船首隔壁4の下側部分4aよりも距離L3だけ前方に配置しているので、この分の容積Vaだけ、貨物倉3の容積を増加することができる。
【0049】
また、上記の第4〜第8の実施の形態の船舶1E〜1Gによれば、チェーン11と接触して火花を発生する可能性があるケーブルリフター12とチェーンパイプ14を、その前端が、水密構造の壁部材6と暴露甲板2との接続部7からの所定の距離L1前方の位置となる危険区域Zdから外れた部位に設置すると共に、接続部7を船首隔壁4よりも距離L3だけ前方に配置しているので、この分の容積Vaだけ、貨物倉3の容積を増加することができる。
【0050】
従って、可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶、例えば、タンカー、化学薬品タンカー、ガス運搬船等において、貨物倉3から漏出した揮発成分と外気が混合した混合気に火花が触れて引火する危険性を回避しながら、従来技術の可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶1Xよりも、L2をL4に短縮することができる。
【0051】
これにより、従来船よりも、貨物倉の増加、又は、船長の短縮を行うことができる。結果、貨物倉容積を増加できるため、一航海で運搬できる貨物量の増加、輸送効率の増加を図り、また、船長を短くできるため、汎用性を高め、構造重量、排水量の低減を図り、必要馬力の低減、CO2の排出削減、運航費の低減等の効果に期待できる。また、揚錨装置の配置の自由度、船首部における暴露甲板上の利用可能な面積の拡大にも期待できる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の船舶は、従来技術の船首隔壁を鉛直に形成した船舶に比べて、船首部長さを短くすることができ、貨物倉の増加、又は、船の全長の短縮を行うことができるので、各種の船舶として利用できる。
【符号の説明】
【0053】
1、1A〜1G 船舶
1X 可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶
2 暴露甲板
3 貨物倉
4、4X 船首隔壁
4d 上側部分(階段部)
4c 水平部分(階段部)
4e 開口部
5 船首隔壁と暴露甲板との接続部
5a 凹部
5b 前進部(凹部以外の接続部)
6b 傾斜壁部材
6c 水平壁部材(階段状壁部材)
6d 垂直壁部材(階段状壁部材)
7 水密構造壁部材と暴露甲板との接続部
8 空間部
11 チェーン
12 ケーブルリフター(ウインドラス:揚錨機)
13 チェーンロッカー
14 チェーンパイプ
L1 所定の距離
L2 所定の長さ
L3 接続部に対する船首隔壁の下側部分の前進距離
L4 船首部長さ
H1 危険区域の高さ
Va 貨物倉の増量部分
X1 危険区域の前端
Zd 危険区域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶であって、船体の前後位置に関して、船首隔壁の上側部分を該船首隔壁の下側部分より後方に配置し、該船首隔壁と暴露甲板との接続部の前後位置を該船首隔壁の下側部分の前後位置よりも後方に配置したことを特徴とする船舶。
【請求項2】
前記船首隔壁の前記上側部分を上側に行くに伴って後方に行くように傾斜させて形成したことを特徴とする請求項1記載の船舶。
【請求項3】
船体の鉛直方向に関して前記船首隔壁の上側に階段部を設けて、船体の前後方向に関して前記船首隔壁の前記上側部分を前記船首隔壁の前記下側部分よりも後方に配置して形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の船舶。
【請求項4】
平面視で、チェーンパイプとケーブルリフターを配置する部位に対して、前記船首隔壁と前記暴露甲板との接続部の位置を後方に後退させて、前記接続部に凹部を設けて形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の船舶。
【請求項5】
可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶であって、船首隔壁の上側部分において、暴露甲板との接続部が前記船首隔壁と前記暴露甲板との接続部よりも船体の前後位置に関して後方になるように、水密構造で形成される傾斜壁部材又は階段状壁部材を設けたことを特徴とする船舶。
【請求項6】
可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶であって、平面視で、チェーンパイプとケーブルリフターを配置する部位に対向する部位において、船首隔壁の船体の前後位置に関して後側に水密構造の壁部材で囲まれた空間部を設けたことを特徴とする船舶。
【請求項1】
可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶であって、船体の前後位置に関して、船首隔壁の上側部分を該船首隔壁の下側部分より後方に配置し、該船首隔壁と暴露甲板との接続部の前後位置を該船首隔壁の下側部分の前後位置よりも後方に配置したことを特徴とする船舶。
【請求項2】
前記船首隔壁の前記上側部分を上側に行くに伴って後方に行くように傾斜させて形成したことを特徴とする請求項1記載の船舶。
【請求項3】
船体の鉛直方向に関して前記船首隔壁の上側に階段部を設けて、船体の前後方向に関して前記船首隔壁の前記上側部分を前記船首隔壁の前記下側部分よりも後方に配置して形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の船舶。
【請求項4】
平面視で、チェーンパイプとケーブルリフターを配置する部位に対して、前記船首隔壁と前記暴露甲板との接続部の位置を後方に後退させて、前記接続部に凹部を設けて形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の船舶。
【請求項5】
可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶であって、船首隔壁の上側部分において、暴露甲板との接続部が前記船首隔壁と前記暴露甲板との接続部よりも船体の前後位置に関して後方になるように、水密構造で形成される傾斜壁部材又は階段状壁部材を設けたことを特徴とする船舶。
【請求項6】
可燃性ガスを発生する貨物を運搬する船舶であって、平面視で、チェーンパイプとケーブルリフターを配置する部位に対向する部位において、船首隔壁の船体の前後位置に関して後側に水密構造の壁部材で囲まれた空間部を設けたことを特徴とする船舶。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
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【図5】
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【図11】
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【図14】
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【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−73484(P2011−73484A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−224300(P2009−224300)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
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