説明

色パレット表示制御方法、色パレット表示制御装置、色パレット表示制御プログラムおよび記憶媒体

【課題】
本発明は、ユーザの手間を減らしつつ、トナーもしくはインクの消費量が均等になるように印刷できることを目的とする。
【解決手段】
本発明は、印刷装置の複数色の記録材の残量を確認可能な印刷制御工程と接続可能な情報処理装置のアプリケーションにおける色パレット表示制御方法において、前記印刷制御工程から前記印刷装置の複数色の記録材の残量を取得する記録材残量取得工程と、前記記録材残量取得工程により取得した複数色の記録材の残量の内、残量が一定値より少ないと判断される記録材がある場合、該残量が少ないと判断される記録材の色を特定する残量少記録材特定工程と、前記残量少記録材特定工程により特定された記録材の色を前記アプリケーションの色パレット上での表示順の優先順位を下げて表示する色パレット表示制御工程と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に接続された情報処理装置によるアプリケーション上の色パレット表示制御方法に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
カラーレーザ印刷装置やインクジェット印刷装置などのカラー印刷装置を用いて行うカラー印刷のニーズが高くなりつつある。このようなカラー印刷装置では、印刷する画像や印刷データによっては一色のみが極端に消耗される場合がある。
【0003】
一色のみが極端に消耗されると、装置によっては、全てのトナーもしくはインクの残量が所定の量以上でないと、印刷起動がかからないものがある。さらに、1色でもトナーがなくなると、トナーそのものを廃棄しなければならない仕組みのものもある。このため、他のトナーの残量が十分にあっても使えなくなるという問題点があった。
【0004】
これに対し近年では、残量の少ないトナーもしくはインクを使用する配色が指定された場合、ユーザに残量が少ないことを指摘し、残量の多いトナーもしくはインクの配色を薦めることで、効率的な消費を支援するシステムが考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−292871
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1では印刷を実施する段階にならないとトナーもしくはインクの残量を知ることができず、アプリケーションによる印刷データ作成時に指定した配色と異なる配色を印刷時に指定される可能性が増える。
【0007】
本発明は、上記問題点を鑑みて、これらを解決すべくなされたものであり、ユーザの手間を減らしつつ、トナーもしくはインクの消費量が均等になるように印刷できることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数色の記録材の残量を確認可能な印刷装置と通信可能な情報処理装置におけるアプリケーションの色パレットの表示順を制御する色パレット表示制御方法において、前記情報処理装置の記録材残量取得手段が、前記印刷装置の複数色の記録材の残量を取得する記録材残量取得工程と、前記情報処理装置の残量少記録材特定手段が、前記記録材残量取得工程により取得した複数色の記録材の残量の内、残量が一定値より少ない記録材を使用する色を特定する残量少記録材特定工程と、前記情報処理装置の色パレット表示制御手段が、前記残量少記録材特定工程により特定された記録材を使用する色パレットの色について、前記アプリケーションの色パレット上での表示順の優先順位を下げて表示する色パレット表示制御工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、アプリケーションによる印刷データ作成時にトナーおよびインクの配色を指定したとおりに印刷でき、かつ残量の少ないトナー色をなるべく使用せずに印刷データを作成可能という効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態を示す印刷システムのソフトウェアブロック図である。
【図2】本発明の情報処理装置のハードウェアブロック図を示す図である。
【図3】本発明の印刷装置のハードウェアブロック図を示す図である。
【図4】本発明の実施形態のシステムにおけるアプリケーション起動時の処理の一例を示すシーケンスチャートである。
【図5】本発明の実施形態の情報処理装置100におけるアプリケーション起動時の処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態における、絵描きソフトウェアの色パレットの表示例を示した模式図である。
【図7】本発明の実施形態における色パレットとそのトナー塗出量との関係を示した模式図である。
【図8】本発明の実施形態におけるシアンを使用したくないときの色パレットとそのトナー塗出量との関係を示した模式図である。
【図9】本発明の実施形態におけるマゼンタを使用したくないときの色パレットとそのトナー塗出量との関係を示した模式図である。
【図10】本発明の実施形態におけるイエローを使用したくないときの色パレットとそのトナー塗出量との関係を示した模式図である。
【図11】本発明の実施形態における、絵描きソフトウェアの色パレットの表示例を示した模式図である。
【図12】本発明の実施形態の情報処理装置100におけるアプリケーションにおいて、印刷色確認の処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態における、印刷データの印刷色変更を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔第1の実施形態〕
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0012】
図1乃至図3において、100は情報処理装置、300は印刷装置、600はネットワークである。
【0013】
図1は、本発明の情報処理装置100および印刷装置300を適用可能な印刷システムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態の印刷システムは、ネットワーク600を介して情報処理装置100および印刷装置300が接続され、情報の送受信を行う構成となっている。なお、情報処理装置100と印刷装置300を統合して印刷制御装置とすることもできる。以後は、情報処理装置と印刷装置を分けた場合で説明する。
【0015】
101は記録材残量取得部であり、印刷装置のトナーもしくはインクの残量を印刷装置300から取得する。
【0016】
102は残量少記録材特定部であり、記録材残量取得部101で取得したトナーもしくはインクの残量が一定値より少ないトナーもしくはインクを特定する。
【0017】
103は色パレット表示制御部であり、残量少記録材特定部102で特定されたトナーもしくはインクを使った色の色パレットの表示優先度を下げて表示させるように、アプリケーション109に色パレット表示順を渡す。
【0018】
情報処理装置100は任意のアプリケーション109を実行可能であり、当該アプリケーション109は印刷装置に印刷するために印刷データ生成部107を有している。
【0019】
また、情報処理装置100にはプリンタドライバ108がインストールされ、生成した印刷データを内部のメモリに蓄積し、当該プリンタドライバ108を介して印刷装置へ印刷データを送信する。
【0020】
104は印刷オブジェクト属性取得部であり、印刷データ生成部107で生成された印刷データの印刷オブジェクトの属性情報を取得する。
【0021】
105は印刷色特定部であり、印刷オブジェクト属性取得部で取得した印刷オブジェクトの属性情報から色情報を取得し、印刷装置で使用する色を特定する。
【0022】
106は印刷色変更部であり、印刷色特定部により特定された色が残量少記録材特定部の場合に色パレット表示制御部を用いて、ユーザに印刷色の変更を促す。
【0023】
110は塗布面積算出部であり、印刷オブジェクトで指定された塗布面積を算出する。
【0024】
111は色パレット別記録材塗布量記憶部であり、色パレット毎のトナーもしくはインクの使用量を記憶した記憶部であり、図7にある表データのような値を持つ。
【0025】
なお、上記の記憶部以外の構成部は全て図2のCPU201によって実施される。
【0026】
以下、図2を用いて、図1に示した情報処理装置100に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
【0027】
図2は、図1に示した情報処理装置100に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0028】
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0029】
203はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ211からRAM203にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0030】
また、205は入力コントローラで、キーボード(KB)209や不図示のマウス等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。206はビデオコントローラで、ディスプレイ210等の表示器への表示を制御する。
【0031】
207はメモリコントローラで、ブートプログラム,各種のアプリケーション,フォントデータ,ユーザファイル,編集ファイル,各種データ等を記憶するハードディスク(HD)や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0032】
208は通信I/Fコントローラで、ネットワーク600を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0033】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ210上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0034】
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203ロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。
【0035】
次に、図3を用いて、図1に示した印刷装置300のハードウェア構成について説明する。
【0036】
図3は、図1に示した印刷装置300のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0037】
図3において、316は印刷制御部で、画像入力デバイスとして機能するスキャナ314や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ部312と接続する一方、ネットワーク600(例えば、ローカルエリアネットワーク:LAN)や公衆回線(ワイドエリアネットワーク:WAN)(例えば、PSTNまたはISDN等)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行う。
【0038】
印刷制御部316において、301はCPUで、システム全体を制御するプロセッサである。302はRAMで、CPU301が動作するためのシステムワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記録するための画像メモリでもある。
【0039】
303はROMで、システムのブートプログラムや各種制御プログラムが格納されている。304はハードディスクドライブ(HDD)で、システムを制御するための各種プログラム,画像データ等を格納する。
【0040】
307は操作部インタフェース(操作部I/F)で、操作部(キーボード)308とのインタフェース部である。また、操作部I/F307は、操作部308から入力したキー情報(例えば、スタートボタンの押下)をCPU301に伝える役割をする。
【0041】
305はネットワークインタフェース(Network
I/F)で、ネットワーク(LAN)600に接続し、データの入出力を行う。306はモデム(MODEM)で、公衆回線に接続し、FAXの送受信等のデータの入出力を行う。
【0042】
318は外部インタフェース(外部I/F)で、USB、IEEE1394,印刷装置ポート,RS−232C等の外部入力を受け付けるI/F部であり、本実施形態においては認証で必要となる携帯端末のICカード(記憶媒体)の読み取り用のカードリーダ319が外部I/F部318に接続されている。そして、CPU301は、この外部I/F318を介してカードリーダ319による携帯端末のICカードからの情報読み取りを制御し、該携帯端末のICカードから読み取られた情報を取得可能である。以上のデバイスがシステムバス309上に配置される。
【0043】
320はイメージバスインタフェース(IMAGE
BUS I/F)であり、システムバス309と画像データを高速で転送する画像バス315とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。
【0044】
画像バス315は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス315上には以下のデバイスが配置される。
【0045】
310はラスタイメージプロセッサ(RIP)で、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。311は印刷装置インタフェース(印刷装置I/F)で、プリンタ部312と印刷制御部316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。また、313はスキャナインタフェース(スキャナI/F)で、スキャナ314と印刷制御部316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0046】
317は画像処理部で、入力画像データに対し補正、加工、編集を行ったり、印刷出力画像データに対して、印刷装置の補正、解像度変換等を行う。また、これに加えて、画像処理部317は、画像データの回転や、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。
【0047】
321は記録材量取得部で、プリンタ部312のトナーもしくはインク残量を取得する。取得した記録材の残量は、システムバス309を通してRAM302等に保存され、情報処理装置100の記録材残量取得部101からの記録材の残量の送信要求に対して、記録材の残量値を情報処理装置100に送信する。なお、ここでは、記録材の残量を残量値として記録材残量取得部101に送信するとしたが、具体的な残量値でなくとも、記録材の残量が一定値より多いか少ないかのような情報のみを送信するようにしても良い。
【0048】
スキャナ部314は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサで走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙は原稿フィーダのトレイにセットし、装置使用者が操作部308から読み取り起動指示することにより、CPU301がスキャナ314に指示を与え、フィーダは原稿用紙を1枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。
【0049】
プリンタ部312は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換する部分であり、その方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。印刷動作の起動は、CPU301からの指示によって開始する。なお、プリンタ部312には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットがある。
【0050】
操作部308は、LCD表示部を有し、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報を操作部I/F307を介してCPU301に伝える。また、操作部308は、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等を備える。
【0051】
尚、表示部は印刷装置によって表示性能が異なり、タッチパネルを介して操作をできる印刷装置、単に液晶画面を備え文字列を表示(印刷状態や印刷しているファイル名の表示)させるだけの印刷装置によって本発明は構成されている。
【0052】
ここで、操作部308のスタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色LEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。また、操作部308のストップキーは、稼働中の動作を止める働きをする。また、操作部308のIDキーは、使用者のユーザIDを入力する時に用いる。リセットキーは、操作部からの設定を初期化する時に用いる。
【0053】
カードリーダ319は、CPU301からの制御により、携帯端末内に備えられたICカードに記憶されている情報を読み取り、該読み取った情報を外部I/F318を介してCPU301へ通知する。
【0054】
以上のような構成によって、印刷装置300は、スキャナ314から読み込んだ画像データをネットワーク600上に送信したり、ネットワーク600から受信した印刷データをプリンタ部312により印刷出力することができる。
【0055】
また、スキャナ314から読み込んだ画像データをモデム306により、公衆回線上にFAX送信したり、公衆回線からFAX受信した画像データをプリンタ部312により出力することできる。
【0056】
次に、図4のシーケンスチャートを参照して、本実施形態の情報処理装置100から印刷装置300へのアプリケーション起動時処理の一例を説明する。
【0057】
図4は、本発明の実施形態のシステムにおけるアプリケーション起動時の処理の一例を示すシーケンスチャートである。
【0058】
図4のシーケンスチャートの処理は、情報処理装置100、印刷装置300それぞれのCPUが外部メモリやROMに格納されるプログラムをRAM上で実行することにより実現される。
【0059】
ユーザが情報処理装置100のアプリケーションを実行すると、本シーケンスチャートの処理が開始される。なお、以下の例では、記録材としてトナーの一例として記載しているが、他にもインクやその他の記録材でも良いことは言うまでもない。
【0060】
ステップS301において、情報処理装置100でアプリケーション109が起動されると、ステップS302では、情報処理装置100は印刷装置300のトナー残量を取得するため、トナー残量取得処理101を実施し、印刷装置300にトナーの残量値を要求する。
【0061】
要求を受けた印刷装置300は、ステップS303において、トナーの残量を情報処理装置100に送信する。
【0062】
トナー残量を受け取った情報処理装置100は、ステップS304で受け取った複数のトナーの残量の内、残量の少ないトナーを特定し(残量少記録材特定部102)、アプリケーションにおける色指定の際に残量の少ないトナーを優先度を下げて表示するようにするための色パレットの表示順を記憶する(ステップS305)
なお、ここで色パレットの概念を図6により説明する。
【0063】
図6は、本発明の実施形態における、絵描きソフトウェアの色パレットの表示例を示した模式図である。
【0064】
図6の601が、絵描きソフトウェアにおける、色塗布のボタン602をマウスなどのポインタで指定した際の表示画面である。
【0065】
601の場合は、デフォルトの配色になっているので、後述する図7の配色順に表示されている。
【0066】
図4における情報処理装置100の詳細な処理をフローチャートにした図が図5である。
【0067】
図5は、本発明の実施形態の情報処理装置100におけるアプリケーション起動時の処理の一例を示すフローチャートである。S401〜S410は各ステップを示す。
【0068】
なお、図5のフローチャートの各ステップの処理も、情報処理装置100、印刷装置300それぞれのCPUが外部メモリやROMに格納されるプログラムをRAM上で実行することにより実現する。
【0069】
まず、ユーザがアプリケーションを起動すると、ステップS401において、情報処理装置100のCPU201は、印刷装置300の複数色のトナーの残量を取得するため、トナー残量の値の取得要求処理を行う。図4のシーケンスチャートのステップS302に該当する。
【0070】
続いて、ステップS402において、印刷装置300のCPU301は、プリンタ部312から複数色のトナーのそれぞれのトナー残量を取得して、得られたトナー残量を情報処理装置100に送信する。図4のシーケンスチャートのステップS303に該当する。
【0071】
次に、ステップS403において、情報処理装置100のCPU201は、印刷装置300から得られた複数それぞれのトナー残量を取得して、ステップS404において、それぞれのトナーの残量に対して残量が一定値より少ないかを判断する。該当のトナーの残量が一定値より多い場合はステップS409に移行し、まだ確認していないトナーがあれば、ステップS404に戻る。ステップS404は図4のS304に該当する。
【0072】
一方、ステップS404において、該当のトナーの残量が一定値より少ない場合は、ステップS405に移行する。
【0073】
ステップS405〜S409では、情報処理装置100のCPU201は、デフォルトの色パレットの配色を出すために必要なトナーの塗出量のデータを元に、トナー残量が少ないトナーの色を極力使用しないようにするための色パレットを作成する。図7にあるデフォルトの配色インク塗出量データを使って、色パレットの表示させる優先順位を決める。
【0074】
図7は、本発明の実施形態における色パレットとそのトナー塗出量との関係を示した模式図である。
【0075】
図7の左にある「C」「M」「Y」「B」とは、それぞれ、「シアン」「マゼンタ」「イエロー」「ブラック」の各色を示し、表中の網掛けによる違いが、色の違いを示している。また、表中の4行にわたる数値は、それぞれ上から順に、「シアン」「マゼンタ」「イエロー」「ブラック」インクそれぞれの色トナーの塗出量を示す。図5のフローチャートの説明に戻る。
【0076】
図5のステップS405では、情報処理装置100のCPU201は、図7のカラーパレットの内、S404で一定量より少ないと判断されたトナーの値(例えば、シアンの場合は702)の縦列の合計値(シアンの場合は701)を算出し、ステップS406において、縦列の合計値が少ない順に図7の色パレットを並び替える。並び替えた結果、図8の801のような値に配置される。
【0077】
図8は、本発明の実施形態におけるシアンを使用したくないときの色パレットとそのトナー塗出量との関係を示した模式図である。図5のフローチャートの説明に戻る。
【0078】
次に、ステップS407では、情報処理装置100のCPU201は、図8の801のように並べ替えたパレットから、ステップS404で一定量より少ないと判断されたトナーの値(例えば、シアンの場合は703)の横列の合計値(シアンの場合は704)を算出し、ステップS408において、横列の合計値が少ない順に図8の802のように色パレットを並び替える。図8がシアンの合計値を縦列と横列で配置しなおした色パレットの例である。
【0079】
ステップS408の処理が終了すると、ステップS409に移行し、ステップS409では、情報処理装置100のCPU201は、残りの他のトナーの残量も確認したかを判断する。全てのトナーについてトナーの残量を確認していれば、ステップS410に移行し、まだ確認していないトナーがある場合は、ステップS404に戻る。
【0080】
同様にマゼンタ、イエローを使用したくない場合の色パレットを図9、図10に示す。
【0081】
図9は、本発明の実施形態におけるマゼンタを使用したくないときの色パレットとそのトナー塗出量との関係を示した模式図である。
【0082】
図10は、本発明の実施形態におけるイエローを使用したくないときの色パレットとそのトナー塗出量との関係を示した模式図である。図5のフローチャートの説明に戻る。
【0083】
ステップS410では、情報処理装置100のCPU201は、ユーザにより色パレット表示を指示されると、例えば、シアンのトナー残量が少なく、あまり使用したくない場合は図11の1101のようにシアンを使用しない順に色パレットの順番を変えて表示する。
【0084】
図11は、本発明の実施形態における、絵描きソフトウェアの色パレットの表示例を示した模式図である。
【0085】
以上説明したように、本発明はアプリケーションによる印刷データ作成時にトナーおよびインクの配色を指定したとおりに印刷でき、かつ残量の少ないトナー色をなるべく使用せずに印刷データを作成可能という効果を得る。
〔第2の実施形態〕
図12を用いて第2の実施形態について説明する。
なお、第2の実施形態でも図1〜図3で説明した各構成部を利用する。
【0086】
図12は、本発明の実施形態の情報処理装置100におけるアプリケーションにおいて、印刷色確認の処理の一例を示すフローチャートである。S1201〜S1208は各ステップを示す。
【0087】
図12のフローチャートは図13のように既に印刷データが記載されている状態で、1301の印刷前色確認ボタンがマウスなどのポインタで指示されると、開始される(ステップS1201)。
【0088】
図13は、本発明の実施形態における、印刷データの印刷色変更を説明するための模式図である。
【0089】
ステップS1202では、情報処理装置100のCPU201は、印刷するデータ(図13の1303)のオブジェクトの属性を取得して、使用するトナーの色を把握する。
【0090】
次に、ステップS1203では、情報処理装置100のCPU201は、オブジェクト単位で使用している色のトナーの配分を計算する。使用している色のトナーの配分を計算するために、印刷データの塗布面積を算出し(図1の110)、トナーの使用割合(図7の色毎の割合)と塗布面積をかける。
【0091】
次に、ステップS1204では、情報処理装置100のCPU201は、印刷装置300にトナー残量取得するための命令を飛ばす。
【0092】
印刷装置300のCPU201は、ステップS1205において、トナー残量取得命令に対応したトナー残量を送信する。
【0093】
情報処理装置100のCPU201は、ステップS1206では、トナー残量が少ないトナーを多く使用するオブジェクトを確認し、ステップS1207では、トナー残量が少ないトナーを多く使用するオブジェクトの内、使用している色のトナーの配分が多いオブジェクトにフォーカスをあてて、図13の1302のように(図13の例ではマゼンタを多く使用する色が1304部に多く使われている)色を変更する様に勧める画面を表示する。なお、フォーカスをあてるオブジェクトは一つでも良いし、複数にフォーカスをあてても良い。
【0094】
S1206において、トナー残量が少ない色のトナーの指定をユーザに変更させることにより、各色のトナーをバランスよく使い切ることが可能となる。
【0095】
以上説明したように、本発明はアプリケーションにより作成した印刷データの印刷時に、トナーおよびインクの残量が少ない色をなるべく使用しない印刷データを作成可能という効果を有する。
【0096】
以上、二つの実施例について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施形態をとることが可能であり、具体的には、情報処理装置はクライアントと一緒でも構わないし、情報処理装置の機能を印刷装置が有していても構わない。
【0097】
また、特に図示しないが、記録媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0098】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、インストールするプログラムやデータが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0099】
本実施形態における図5、図12に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記録媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記録媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0100】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0101】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0102】
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0103】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0104】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0105】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0106】
さらに、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【符号の説明】
【0107】
100 情報処理装置
101 記録材残量取得部
102 残量少記録材特定部
103 色パレット表示制御部
104 印刷オブジェクト属性取得部
105 印刷色特定部
106 印刷色変更部
107 印刷データ生成部
108 プリンタドライバ
109 アプリケーション
110 塗布面積算出部
111 色パレット別記録材塗布量記憶部
300 印刷装置
316 印刷制御部
600 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数色の記録材の残量を確認可能な印刷装置と通信可能な情報処理装置におけるアプリケーションの色パレットの表示順を制御する色パレット表示制御方法において、
前記情報処理装置の記録材残量取得手段が、前記印刷装置の複数色の記録材の残量を取得する記録材残量取得工程と、
前記情報処理装置の残量少記録材特定手段が、前記記録材残量取得工程により取得した複数色の記録材の残量の内、残量が一定値より少ない記録材を使用する色を特定する残量少記録材特定工程と、
前記情報処理装置の色パレット表示制御手段が、前記残量少記録材特定工程により特定された記録材を使用する色パレットの色について、前記アプリケーションの色パレット上での表示順の優先順位を下げて表示する色パレット表示制御工程と、
を含むことを特徴とする色パレット表示制御方法。
【請求項2】
前記情報処理装置の印刷オブジェクト属性取得手段が、前記印刷装置に送信する印刷データの印刷オブジェクトの属性情報を取得する印刷オブジェクト属性取得工程と、
前記情報処理装置の印刷色特定手段が、前記印刷オブジェクト属性取得工程で取得した属性情報から、当該印刷データで使用する色を特定する印刷色特定工程と、
前記情報処理装置の印刷色変更手段が、前記印刷色特定工程で特定された色が、前記残量少記録材特定工程で特定された記録材を使用する色の場合は、前記印刷色特定工程で特定された色の変更を促す印刷色変更工程と、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の色パレット表示制御方法。
【請求項3】
前記情報処理装置の塗布面積算出手段が、前記印刷オブジェクト毎の塗布面積を算出する塗布面積算出工程と
前記情報処理装置の色パレット別記録材塗布量管理手段が、色パレット毎に記録材の塗布量を記憶している前記情報処理装置が有する色パレット別記録材塗布量記憶手段から、当該色パレット毎の記録材塗布量を読み出す色パレット別記録材塗布量管理工程とを更に含みし、
前記記録材の塗布量が一定値より多く、かつ残量少記録材特定工程で特定された記録材を使用する色の記録材の場合は、前記印刷色変更工程により色の変更を促すことを特徴とする請求項2に記載の色パレット表示制御方法。
【請求項4】
複数色の記録材の残量を確認可能な印刷装置と通信可能であり、アプリケーションの色パレットの表示順を制御する情報処理装置であって、
前記印刷装置の複数色の記録材の残量を取得する記録材残量取得手段と、
前記記録材残量取得手段により取得した複数色の記録材の残量の内、残量が一定値より少ない記録材を使用する色を特定する残量少記録材特定手段と、
前記残量少記録材特定手段により特定された記録材を使用する色パレットの色について、前記アプリケーションの色パレット上での表示順の優先順位を下げて表示する色パレット表示制御手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
複数色の記録材の残量を確認可能な印刷装置と通信可能であり、アプリケーションの色パレットの表示順を制御する情報処理装置で読み取り実行されるプログラムであって、
前記情報処理装置を、
前記印刷装置の複数色の記録材の残量を取得する記録材残量取得手段と、
前記記録材残量取得手段により取得した複数色の記録材の残量の内、残量が一定値より少ない記録材を使用する色を特定する残量少記録材特定手段と、
前記残量少記録材特定手段により特定された記録材を使用する色パレットの色について、前記アプリケーションの色パレット上での表示順の優先順位を下げて表示する色パレット表示制御手段と、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載されたプログラムをコンピュータが読み取り可能に記憶した記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−138341(P2011−138341A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−298350(P2009−298350)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】