説明

芝生の種まき装置

本発明は、現存の芝生に新しい草の種、肥料又は他の産物をまく装置に関する。装置は、カムで嵌合された水平面の駆動主軸15を備える本体ケース1から成り、カムの回りに、軸受搭載されたピン付き円盤12の組合せを嵌合している。装置は、種まき受け皿3と駆動される投与ロール5から成る種投与装置を備えており、投与は変更できる。投与された種4は、案内板10にその幅一杯で落下し、漏斗板11で幾つかの列に分配され、ピン付き円盤12に導入される。ピン付き円盤は、種を寄せ集め、現存の芝生に植え付ける。硬い土壌での成果を上げる為に、中央の駆動主軸15を駆動し、ピン付き円盤12に垂直面の振動作用を付加する。この振動動作が、種を土壌に押し込み、穴の側に押し付け、硬い土壌へのピンの侵入を改善する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現存の芝生に新しい種、肥料又は他の産物をまく装置に関する。装置は、本体ケースと、本体ケースに取付けて所定方向に装置を地面上で動かす移動装置と、本体ケース内で水平の駆動主軸の回りに嵌合させた軸受搭載のピン付き円盤と、正確に及び調整可能な量でまく種を投与する種投与装置と、底部で、現存の芝生を移動方向に押し付け、上部で投与された種を列に分配し、ピン付き円盤に送る案内板とを備え、ピン付き円盤が、案内板から投与された種を寄せ集め、回転中に、種を芝生下の土壌に植え付ける。
【背景技術】
【0002】
従来技術は、芝生を損傷してきた。現存の芝生が老化し、新しい草(種)、肥料又は他の産物で、古い芝生に埋め合わせが必要となる。
【0003】
新しい草の種の発芽を最大限にするために、草の種を現存の芝生下の土壌(肥料)と接触させる必要がある。
【0004】
この工程を処理する装置は既に存在している。機械で芝地に穴を形成し、芝地の幅一杯に種をまき、ブラシで形成した穴に草の種を掃き入れる。しかし、穴に入って土壌と接触する割合は小さく、多数の種を損失し、所望の結果が得られない。土壌に溝を作る装置が入手できるが、溝の有無に関わらず草の種が充填される。この方法の不利な点は、現存の芝生を損傷し、最終的に、草は線模様で発生する。
【0005】
既存の種まき装置の場合、全ての方向に突き出ている草の茎に対処する必要がある。これら草の茎は、往々にして、落下する草の種が実際に土壌と接触するのを妨げる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、発芽の割合を改善し、現存の芝生への損傷を低減し、草の茎の妨害を低減する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
漏斗板で種を正確な位置に先ず案内し、回転するピン付き円盤で種を持ち上げ、その種を土壌に押し込み、その状態で種を土壌に植え付ける。現存の草の茎を移動方向の前方に押し付け、種まきの工程での干渉を最小限に低減する。種は土壌に正確な深さで植付けされ、更に土壌に対し実際に押し付けられる。この土壌との直接の接触が、種の発芽を向上させる。種を準備した穴又は溝にまいた場合、土壌との接触は小さい。種を土壌に押し付けるのが重要で、土壌からの水分を吸収し、発芽して、根付く。
【0008】
ピン付き円盤の自重で土壌に押し付けるのは必ずしも容易ではなく、装置には多様なピン付き円盤の組合せを取付けている。これらのピン付き円盤は、カムに軸受搭載され、所定の順序で水平面の駆動主軸に取付けている。ピン付き円盤は、カムを有する駆動主軸の駆動で、垂直な面の偏心動作で土壌を転がる。この垂直な面での往復動作が、ピン付き円盤の侵入深さを顕著に改善し、草の種を地面に押し付け、種を土壌と接触させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、種まき装置の斜視図を示す。装置は、限定しない取付けクランプ2を有する本体ケース1を備えている。取付けクランプ2で、運転する輸送手段に、種まき装置を取付ける。異なる型の種まき装置が可能で、異なる運転輸送手段の主体に取付ける。
【0010】
種まき受け皿3は、種4で満たされており、投与ロール5が、その全幅で種を均等に分配する。投与ロール5は、支持ローラ8で駆動される。駆動部7の伝達比の変更で、草の種の投与量が変更できる。幅全体で投与された種9は、案内板10に沿って滑り落ち、漏斗板11で列にして分配される。
【0011】
複数のカム14を駆動主軸15に所定の順序で固定している。軸受部13をカムの回りに取付けている。ピン付き円盤12は、この軸受部13に連結し、地面を自由に転がる。種まき装置が、所定の速度6で地面を前方に動く時、ピン付き円盤12の周速度18は、同様の速度になる。駆動主軸15が駆動17されると、ピン付き円盤12も垂直面内で往復16する偏心動作を行なう。この偏心動作が、ピン付き円盤を振動させて、土壌への良好な侵入となり、種を土壌に押し込む。
【0012】
垂直面で振動し、水平の主軸15で回転するピン付き円盤12は、漏斗板11で列に分配された種9を寄せ集める。ピン付き円盤の回転速度18が、種9の落下速度よりも速い場合、種9は、ピン付き円盤12の一つのピンで持ち上げられる。ピン付き円盤が回転し、ピン及び種が土壌に押し込まれる。ピン付き円盤が進み続けると、ピンが土壌から出て来て、種を土壌19に残し、穴の一方の側に押し付ける。ブラシ20で仕上げをする。支持ローラ23は、後方で装置の地面への調整を行なう。この支持ローラで、用意した穴21を閉じ、芝地22の種の植付けを分かりにくくする。
【0013】
図2は、側面図を示し、自律種まき装置を取付クランプ2で運転輸送手段に取付けている。支持ローラ8は、歯車伝達装置で投与ロール5を駆動する。大歯車25,25a,25b,25c,25d,25eは交換が容易で、速度(1メートルにつき)の変更ができる。図3は、断面図を示す。支持ローラ8,23は、地面に対し装置の調整を行なう。ピン付き円盤12の挿入深さDは、支持ローラ(8及び/又は23)の調整で変更できる。
【0014】
図4は、図3の円で囲んだBの拡大図を示し、ピン付き円盤12の振動動作を示す。駆動されたカム14(図3)は、ピン付き円盤12を、垂直面内での偏心した往復動作で、外側端部12a,12c間で動かす。ピン12dが進むと、偏心動作26は、種に力27,28を加える。力27は、種を土壌に接触させ、力28は、種を土壌に押し付ける。角度Cは、90度より大きくしている。最終的に、種は、深さDで立ち止まることになる。深さDは、土壌状態、支持ローラ8,23、及び、種9の寸法と形状、とに依存する。前方に所定の速度6で運転している時は、ピン付き円盤12の周方向の速度18は同じ速度になる。結果として、軸受部搭載のピン付き円盤12は、地面で駆動される。ピン付き円盤12の周方向速度18を、種の落下速度29より大きくするのが重要である。種の落下速度29の変更は、角度Eの変更で行なう。この設定は重要で、種の寸法、形状及び重さが異なり、これらが最終的に落下速度29を決定する。
【0015】
現存の草の茎30は、最初に、支持ローラ8で前方に押し付けられる。その後、案内板10が、芝生の茎を押し付け、保持する。この結果、種9がピン付き円盤12で土壌に押し付けられる時に、直立した芝生の茎で妨害を受けない。
【0016】
図5は、図3のA−Aの線に沿う断面鳥瞰図で、駆動主軸15上の6つのピン付き円盤の組合せ34a−34fを示す。6つのカム14を固定した順で駆動主軸15に固定しており、異なるピン付き円盤の組合せに一様な走行と規則正しい侵入を保証する。水平面にある駆動主軸15は、本体ケース1に軸受部で取付けられ、発動機32で駆動される。駆動主軸は、電気、水圧又は外部の機械的結合した車軸で駆動できる。装置の全幅で投与された種9は、漏斗板11で、ピン付き円盤12に一致して正確に分配される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の種まき装置の実施形態で、その斜視図(一部、分解側面図)である。
【図2】図2は、側面図である。
【図3】図3は、図1の断面模式図である。
【図4】図4は、図3の円で囲む部分Bの模式詳細を示し、ピン付き円盤が、偏心動作で種を土壌に押し込んでいる。
【図5】図5は、図3のA−Aでの断面の俯瞰図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現存の芝生に新しい種、肥料又は他の産物をまく装置が、
本体ケースと、
該本体ケースに固定して所定の方向に該装置を地面で転がして動かす移動装置と、
該本体ケース内で水平の駆動主軸の回りに軸受搭載されたピン付き円盤と、
正確に及び調整可能な量でまく種を投与する種投与装置と、
底部で現存の芝生を移動方向に押し付け、上部で投与された該種を列に分配し、該ピン付き円盤に送る、案内板とを備え、
該ピン付き円盤が、該案内板から投与された該種を寄せ集め、回転中に、該種を該芝生下の土壌に植え付けることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記ピン付き円盤が、垂直の面内で振動可能である、ことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記ピン付き円盤が、前記水平の駆動主軸に固定され、更にカムの回りで軸受搭載されている、ことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記装置が、前記水平の駆動主軸に、定めた順序で取付けた様々なピン付き円盤の組合せを備えている、ことを特徴とする請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記ピン付き円盤が交換可能である、ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記装置が、操作の全幅で種を投与する開口部を有する投与主軸を備えている、ことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記投与主軸の回転速度が変更可能である、ことを特徴とする請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記投与主軸の回転速度が種の投与量を確定する、ことを特徴とする請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記案内板が、前記芝生の茎を、前方下方向に押し付ける、ことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項10】
前記案内板が、投与された前記種を、頂部で列に分配する、ことを特徴とする請求項1又は8記載の装置。
【請求項11】
前記案内板の角度が、地面に対し調整可能である、ことを特徴とする請求項8又は9記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−509934(P2010−509934A)
【公表日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−538354(P2009−538354)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【国際出願番号】PCT/NL2007/000257
【国際公開番号】WO2008/063050
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(508299603)
【Fターム(参考)】