説明

花冠矯正具

【課題】少ないコスト及び時間で花冠の形状を矯正することで斬新な外観の切花を得ることができる花冠矯正具を提供する。
【解決手段】展開状態で中心に孔12が形成された略円板型11に対して、中心と外周の一点とを最短距離で結ぶ線13を径方向内方に屈曲させるとともに、中心と外周において一点から最遠方に位置する他点とを最短距離で結ぶ線14を径方向外方に屈曲させることによって、下方から上方に向かって拡開し、上端10aの外形を略ハート型にした立体状態として形状を保持するとともに、径方向内方に屈曲させた部位18と孔12との間の周面に、切花の萼Gの一部を径方向外方に突出させる開口部15を孔12と連通して形成し、孔12に切花の花軸Jを挿通して、切花の花冠Kを内包して花冠Kの形状を略ハート型に矯正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切花の花冠の形状を矯正する花冠矯正具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
贈答用及び家庭での観賞用等として、各種切花が古くから親しまれている。
近年では消費者のニーズが多様化しており、ニーズに対応するために多種多様な花が品種改良等によって開発され、市場に出回っている。
【0003】
例えば、バイオテクノロジーを用いて、従来にはない色の花を品種改良によって作り出す発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、輸送中に花冠の損傷を防ぐ保護材の形状を星型やハート型にして、従来とは違った花冠の形状とする発明が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表平11−505116号公報
【特許文献2】実用新案登録3122314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明のように品種改良する場合には、花の育成を繰り返して所望の花を得るので、消費者が求めるような新しい品種が開発されるまでにコストと期間が多く掛かってしまうという問題がある。
一方、特許文献2に記載の発明のように、保護材の形状により花冠の形状を変化させる場合には、少ないコスト及び時間で斬新な外観の花を得ることができる。しかし、特許文献2には段落番号(0017)に「保護部の形状を例えば星形やハート形などにすることにより、花冠の形状を保護部の形状に合わせて花に変化をつけることもできる」とだけ記載されており、これをもって当業者が実施することができる程度に具体的に発明が開示されているとは言えない。
【0006】
そこで、本発明の目的とするところは、少ないコスト及び時間で花冠の形状を矯正することで斬新な外観の切花を得ることができる花冠矯正具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の花冠矯正具(10)は、展開状態で中心に孔(12)が形成された略円板型(11)に対して、前記中心と外周の一点とを最短距離で結ぶ線(13)を径方向内方に屈曲させるとともに、前記中心と前記外周において前記一点から最遠方に位置する他点とを最短距離で結ぶ線(14)を径方向外方に屈曲させることによって、下方から上方に向かって拡開し、上端(10a)の外形を略ハート型にした立体状態として形状を保持し、前記孔(12)に切花の花軸(J)を挿通するとともに、前記切花の花冠(K)を内包して前記花冠(K)の形状を略ハート型に矯正することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の花冠矯正具(10)は、前記径方向内方に屈曲させた部位(18)と前記孔(12)との間の周面に、前記切花の萼(G)の一部を径方向外方に突出させる開口部(15)を形成したことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の花冠矯正具(10)は、前記開口部(15)を、前記孔(12)と連通して形成したことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載の花冠矯正具(10)は、前記開口部(15)に、前記切花の萼(G)の付け根を係止する爪(T)を設けたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載の花冠矯正具(10)は、前記孔(12)から複数のスリット(17)を放射状に形成したことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に記載の花冠矯正具(20)は、下方から上方に向かって拡開し、上端(20a)が開放された中空の略錐体形状であり、下端に切花の花軸(J)を挿通する挿通孔(12)が形成され、しかも周面に沿って前記挿通孔(12)と前記上端(20a)の一点とを最短距離で結ぶ線(23)を径方向内方に屈曲させた状態の内方屈曲部(28)を有するとともに、前記挿通孔(12)と前記上端(20a)において前記一点から最遠方に位置する他点とを最短距離で結ぶ線(24)を径方向外方に屈曲させた状態の外方屈曲部(29)を有し、前記上端(20a)の外形を略ハート型にするもので、前記切花の花冠(K)を内包して前記花冠(K)の形状を略ハート型に矯正することを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に記載の花冠矯正具(10,20)は、全体を透明又は半透明のプラスチックで形成したことを特徴とする。
【0014】
ここで、上記括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1に記載の花冠矯正具によれば、展開状態で中心に孔が形成された略円板型に対して、中心と外周の一点とを最短距離で結ぶ線を径方向内方に屈曲させるとともに、中心と外周において一点から最遠方に位置する他点とを最短距離で結ぶ線を径方向外方に屈曲させたので、下方から上方に向かって拡開し、上端の外形が略ハート型である立体状態となる。よって、この形状を保持し、孔に切花の花軸を挿通するとともに、切花の花冠を内包すると、花冠の形状が略ハート型に矯正されるので、少ないコスト及び時間で斬新な外観の切花を得ることができる。
【0016】
また、請求項2に記載の花冠矯正具によれば、請求項1に記載の発明の作用効果に加え、径方向内方に屈曲させた部位と孔との間の周面に、開口部を形成したので、切花の萼の一部を径方向外方に突出させることができる。よって、径方向内方に屈曲させた部位が切花の萼と干渉し難いので、容易に花冠の形状を略ハート型に矯正することができる。また、花冠矯正具を一度切花に装着すると、花冠矯正具が切花から外れ難い。
【0017】
また、請求項3に記載の花冠矯正具によれば、請求項2に記載の発明の作用効果に加え、開口部を孔と連通して形成したので、径方向内方に屈曲させた部位が切花の萼と干渉せず、より容易に花冠の形状を略ハート型に矯正することができる。
【0018】
また、請求項4に記載の花冠矯正具によれば、請求項1に記載の発明の作用効果に加え、開口部に、切花の萼の付け根を係止する爪を設けたので、花冠矯正具が切花からより外れ難い。よって、花冠の形状を略ハート型に矯正した状態で保持しておくことが容易である。
【0019】
また、請求項5に記載の花冠矯正具によれば、請求項1乃至4に記載の発明の作用効果に加え、孔から複数のスリットを放射状に形成したので、切花の花軸及び萼の下部を孔に挿通するときに、孔が押し広げられて大きくなる。よって、切花に対して花冠矯正具を円滑に装着することができる。
【0020】
また、請求項6に記載の花冠矯正具によれば、下方から上方に向かって拡開し、上端が開放された中空の略錐体形状であり上端の外形を略ハート型にするものであるので、内包した切花の花冠の形状を略ハート型に矯正する花冠矯正具を、例えば型成形によっても製造することができる。したがって、型から出た花冠矯正具をそのまま切花に装着できるので、他の工程を必要とせず、斬新な外観の切花を得るためのコスト及び時間はわずかしか掛からない。
【0021】
また、請求項7に記載の花冠矯正具によれば、請求項6に記載の発明の作用効果に加え、全体を透明又は半透明のプラスチックで形成したので、外観を損なうことなく花冠の形状を略ハート型に矯正することができる。また、略円板型を立体形状にする場合(請求項1)において、超音波溶着にて立体形状を保持することができるので、形状保持の方法が簡便である。
【0022】
なお、本発明の花冠矯正具のように、展開状態で中心に孔が形成された略円板型に対して、一部を径方向内方に屈曲し、他の一部を径方向外方に屈曲させることによって上端の外形を略ハート型にして、内包する花冠の形状を略ハート型に矯正する点は、上述した特許文献1及び特許文献2には全く記載されていない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図2に示す第一実施形態に係る花冠矯正具を示す展開図である。
【図2】本発明の第一実施形態及び第二実施形態に係る花冠矯正具を示す平面図である。
【図3】図2に示す第一実施形態及び第二実施形態に係る花冠矯正具の使用状態を示す斜視図である。
【図4】図2に示す第一実施形態及び第二実施形態に係る花冠矯正具の使用状態を示す平面図である。
【図5】他の実施形態に係る花冠矯正具を示す展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第一実施形態)
図1乃至図4を参照して、本発明の第一実施形態に係る花冠矯正具10を説明する。
この花冠矯正具10は、展開状態で中心に孔12が形成された略円板型11である透明の熱可塑性プラスチックシートから成形されてなるものである。このプラスチックシート11は容易に折り曲げ可能な厚さで、プラスチックシート11の直径は8cm、孔12の直径は1cmである。
このプラスチックシート11には、略四角形の開口部15が形成されており、四角形の一つの頂点部分において開口部15は孔12と連通している。
また、孔12から外周に向かって複数のスリット17(ここでは10本)が放射状に形成されている。ここでいうスリット17は、プラスチックシート11に対して例えばカッターナイフで直線状に入れられた切れ込みであり、スリット17の幅は特に意識して設けられていない。
【0025】
このようなプラスチックシート11に対して、中心と外周の一点とを最短距離で結ぶ線13を径方向内方に屈曲させるとともに、開口部15の縁部16a,16bを径方向内方に折り込む。つまり、この線13においてプラスチックシート11を山折りにする(図1の紙面手前方向に折る)。この内方に屈曲させた箇所を内方屈曲部18と呼ぶ。なお、この線13に対して開口部15は線対称である。このとき、縁部16aと縁部16cとのなす角、及び縁部16bと縁部16dとのなす角はそれぞれ略90度である。
【0026】
そのようにプラスチックシート11を折るとともに、中心と、外周において一点から最遠方に位置する他点とを最短距離で結ぶ線14を径方向外方に屈曲させる。つまり、山折りにした線13を、プラスチックシート11の中心を通り上下に延びる軸に対して180度回転した位置の線14において、プラスチックシート11を谷折りにする(図1の紙面奥方向に折る)。この外方に屈曲させた箇所を外方屈曲部19と呼ぶ。なお、外方屈曲部19の上端は安全のため、面取りされている。
【0027】
このように、プラスチックシート11に内方屈曲部18と外方屈曲部19とを形成することによって、下方から上方に向かって拡開し、上端10aの外形を略ハート型にした立体状態とする。そして、プラスチックシート11が屈曲して重なった内方屈曲部18をステープラで綴じるように超音波溶着し、同じように外方屈曲部19も超音波溶着することによって、それぞれを屈曲したままの形状に保持、すなわちこの立体形状を保持して花冠矯正具10はなる。
そして、この立体状態の花冠矯正具10に対して、図3に示すように孔12に切花のカーネーションの花軸Jを上方から挿通するとともに、カーネーションの花冠Kを花冠矯正具10で内包する。このとき、萼Gの下部は孔12の下方外側に位置する。
【0028】
ここで、プラスチックシート11を立体形状としたとき、開口部15は径方向内方に屈曲させた部位(内方屈曲部18)と孔12との間の周面に位置するが、花冠Kを内方した状態において、開口部15の高さが萼Gの切れ込みの下端位置と略等しくなるように事前に開口部15を形成しておく。そして、図3に示すように、この開口部15からカーネーションの萼Gの一部を径方向外方に突出させた状態、つまり内方屈曲部18を花びらと萼Gとの間に差し込んだ状態にして、図4に示すようにカーネーションの花冠Kの形状が略ハート型に矯正される。
【0029】
以上のように構成された花冠矯正具10によれば、展開状態で中心に孔12が形成された略円板型11であるプラスチックシートに対して、中心と外周の一点とを最短距離で結ぶ線13を径方向内方に屈曲させるとともに、中心と外周において一点から最遠方に位置する他点とを最短距離で結ぶ線14を径方向外方に屈曲させたので、下方から上方に向かって拡開し、上端10aの外形が略ハート型である立体状態となる。よって、この形状を保持し、孔12に切花の花軸Jを挿通するとともに、切花の花冠Kを内包すると、花冠Kの形状が略ハート型に矯正されるので、少ないコスト及び時間で斬新な外観の切花を得ることができる。
【0030】
また、径方向内方に屈曲させた部位18と孔12との間の周面に、孔12と連通した開口部15を形成したので、切花の萼Gの一部を径方向外方に突出させることができる。よって、径方向内方に屈曲させた部位18が切花の萼Gと干渉しないので、萼Gを切り取る等の加工を切花に施さなくても容易に花冠Kの形状を略ハート型に矯正することができる。また、花冠矯正具10を一度切花に装着すると、内方屈曲部18が花びらと萼Gとの間に差し込まれているので、花冠矯正具10が切花から外れ難い。
また、孔12から複数のスリット17を放射状に形成したので、切花の花軸J及び萼Gの下部を孔12に挿通するときに、孔12が押し広げられて大きくなる。よって、切花に対して花冠矯正具10を円滑に装着することができる。
【0031】
さらに、全体を透明のプラスチックで形成したので、外観を損なうことなくカーネーションの花冠Kの形状を略ハート型に矯正することができる。それに加え、プラスチックシート11を立体形状にし、その形状を保持するときに、超音波溶着を利用できるので、その保持方法が簡便である。
【0032】
(第二実施形態)
次に図2乃至図4を参照して、本発明の第二実施形態に係る花冠矯正具20を説明する。なお、第一実施形態と同一部分には同一符号を付した。
本実施形態の第一実施形態との違いは、花冠矯正具20の製造方法であり、形成された最終形状(立体形状)は第一実施形態と同一である。
【0033】
本実施形態においては、花冠矯正具20は型成形により製造される。
つまり、図2及び図3に示す、下方から上方に向かって拡開し、上端20aが開放された中空の略錐体形状の花冠矯正具20がこの形のまま量産される。
この花冠矯正具20にも、第一実施形態で示したものと同じように、下端に切花の花軸Jを挿通する挿通孔12が形成されている。
【0034】
また、周面に沿って挿通孔12と上端20aの一点とを最短距離で結ぶ線23を径方向内方に屈曲させた状態の内方屈曲部18を有するとともに、挿通孔12と上端20aにおいて一点から最遠方に位置する他点とを最短距離で結ぶ線24を径方向外方に屈曲させた状態の外方屈曲部19を有する。上端20aの外形は略ハート型である。
また、内方屈曲部18と孔12との間の周面には、孔12と連通した開口部15が形成されており、ここから切花の萼Gの一部を径方向外側に突出させる。
【0035】
以上のような花冠矯正具20によっても、内包した切花の花冠Kの形状を略ハート型に矯正することができ、斬新な外観の切花を得ることができる。
しかも、型成形により製造されるので、第一実施形態では不可欠な、花冠矯正具10を略ハート型の形状に保持するための工程(超音波溶着)を省くことができ、斬新な外観の切花を得るためのコスト及び時間はわずかしか掛からない。
【0036】
なお、第一実施形態及び第二実施形態において、開口部15と孔12とを連通して形成したとしたが、これに限られるものではなく、連通していなくても切花の萼Gの一部を突出できるように開口部15が形成されていれば、内方屈曲部18が切花の萼Gと干渉し難いので容易に花冠Kの形状を略ハート型に矯正することができる。この突出させる萼Gの一部とは、萼Gの上部であることが望ましい。
さらには花冠Kと同時に萼Gも内方に押し込むことができる程度に花冠矯正具10,20の素材が硬く、内方屈曲部18の形状保持が強固なものであれば、花冠矯正具10,20に開口部15が形成されていなくても、萼Gも花冠Kと同時に変形させて、花冠Kを略ハート型にすることができる。
【0037】
また、図5に示すように、開口部15に、孔12に向かって凸となる、切花の萼Gの付け根を係止する爪Tを設けてもよい。こうすることで、爪Tが花びらと萼Gの付け根の間により深く差し込まれるので、花冠矯正具10,20が切花からより外れ難く、花冠Kの形状を略ハート型に矯正した状態で保持しておくことが容易である。もちろん、型成形される花冠矯正具20の開口部15に同様の爪Tがあってもよい。
【0038】
また、スリット17は、花冠矯正具10,20の素材の厚さや硬さによって、幅を持ったものとすることもできる。また、スリット17の数はこれに限られるものではなく、孔12の直径や花冠矯正具10,20の素材(例えば軟質なシリコン)等によってはスリット17が形成されなくてもよい。
また、切花としてカーネーションを用いたが、これに限られるものではなく、バラやテマリソウであっても花冠Kを略ハート型とすることができる。これらの花は、生花、プリザーブドフラワーいずれであってもよい。
また、プラスチックシート11は半透明又は不透明であってもよく、さらには厚紙等の他のシート素材で形成してもよい。
【0039】
また、第一実施形態において、略ハート型にした立体形状の保持を超音波溶着により行ったが、これに限られるものではなく、ステープラや接着剤等といった通常の形状保持方法を使用することができる。
また、展開状態において、開口部15は略四角形であるとしたが、これに限られるものではない。
【0040】
また、略円板型のプラスチックシート11を立体形状にした後に花に装着したが、立体形状にする前に孔12に花軸Jを挿通し、その後に立体形状にしてもよい。
【符号の説明】
【0041】
10 花冠矯正具
10a 上端
11 略円板型(プラスチックシート)
12 孔(挿通孔)
13 中心と外周の一点とを最短距離で結ぶ線
14 中心と外周の他点とを最短距離で結ぶ線
15 開口部
16a 縁部
16b 縁部
16c 縁部
16d 縁部
17 スリット
18 内方屈曲部
19 外方屈曲部
20 花冠矯正具
20a 上端
23 挿通孔と上端の一点とを最短距離で結ぶ線
24 挿通孔と上端の他点とを最短距離で結ぶ線
G 萼
J 花軸
K 花冠
T 爪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
展開状態で中心に孔が形成された略円板型に対して、
前記中心と外周の一点とを最短距離で結ぶ線を径方向内方に屈曲させるとともに、前記中心と前記外周において前記一点から最遠方に位置する他点とを最短距離で結ぶ線を径方向外方に屈曲させることによって、下方から上方に向かって拡開し、上端の外形を略ハート型にした立体状態として形状を保持し、
前記孔に切花の花軸を挿通するとともに、前記切花の花冠を内包して前記花冠の形状を略ハート型に矯正することを特徴とする花冠矯正具。
【請求項2】
前記径方向内方に屈曲させた部位と前記孔との間の周面に、前記切花の萼の一部を径方向外方に突出させる開口部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の花冠矯正具。
【請求項3】
前記開口部を、前記孔と連通して形成したことを特徴とする請求項2に記載の花冠矯正具。
【請求項4】
前記開口部に、前記切花の萼の付け根を係止する爪を設けたことを特徴とする請求項2に記載の花冠矯正具。
【請求項5】
前記孔から複数のスリットを放射状に形成したことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の花冠矯正具。
【請求項6】
下方から上方に向かって拡開し、上端が開放された中空の略錐体形状であり、
下端に切花の花軸を挿通する挿通孔が形成され、
しかも周面に沿って前記挿通孔と前記上端の一点とを最短距離で結ぶ線を径方向内方に屈曲させた状態の内方屈曲部を有するとともに、前記挿通孔と前記上端において前記一点から最遠方に位置する他点とを最短距離で結ぶ線を径方向外方に屈曲させた状態の外方屈曲部を有し、前記上端の外形を略ハート型にするもので、
前記切花の花冠を内包して前記花冠の形状を略ハート型に矯正することを特徴とする花冠矯正具。
【請求項7】
全体を透明又は半透明のプラスチックで形成したことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一つに記載の花冠矯正具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−55962(P2011−55962A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−207459(P2009−207459)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【特許番号】特許第4440995号(P4440995)
【特許公報発行日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(507312758)株式会社フローリッシュ (1)
【Fターム(参考)】