説明

芳香剤の製造方法

【課題】香り立ちに優れ、芳香持続性に満足でき、しかも離水を引き起こさない、香料を吸水性樹脂に担持させた芳香剤の製造方法を提供する。
【解決手段】全香料中にCLogPowが3.0〜7.0の香料成分を20〜100質量%含有する香料(a1)、特定の含窒素界面活性剤(a2)、HLBが8〜18の非イオン界面活性剤(a3)及び水を特定条件で含有する香料含有溶液(A)と、吸水性樹脂(B)とを接触させて、前記香料含有溶液(A)を前記吸水性樹脂(B)に含浸させて、香料を吸水性樹脂に担持させた芳香剤を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香料成分を吸水性樹脂に含浸した芳香剤の製造方法、及びゲル状消臭芳香剤物品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、香料成分や消臭成分を含有する球状やブロック状の吸水性樹脂を用いたゲル状芳香消臭剤が、審美的観点あるいは空気との接触面積が大きく、芳香成分の揮散が促進され香り立ちに優れるという利点があることから関心が高まっている。しかしながら、逆にこの揮散促進は芳香持続性という観点からは好ましくなく、香り立ちに優れ、且つ芳香持続性に満足できるゲル状芳香剤及び/又は消臭剤が強く求められている。また、親油性が高い香料(例えばCLogPowが3以上の香料)は、賦香の自由度などから有用な香料であるが、吸水性樹脂の内部へ含浸しにくく、一般的には吸水性樹脂を用いたゲル状芳香剤では、疎水性が高い香料は吸水性樹脂表面に吸着していることが多く保持力が弱い為、揮散が速く芳香持続性が弱くなってしまう。一方、親水性香料(例えばCLogPowが3未満の香料)は、水への溶解性が高く、吸水性樹脂内部まで含浸しやすいが、吸水性樹脂に存在する香料含有組成物は、貯蔵中に樹脂に保持されず樹脂の外に染み出すという、所謂離水という現象がしばしば起こり、樹脂中に保持されず香料成分が速やかに揮散してしまう為、芳香持続性の点から強く改善が求められる。
【0003】
特許文献1、2には、イソブチレン−無水マレイン酸共重合物をゲル化剤として用いたゲル状芳香剤の技術が開示されており、香料の可溶化剤として界面活性剤を用いる技術が開示されている。また、特許文献3、4には、アクリルアミド−アクリル酸塩共重合体を含む吸水性樹脂を用いたゲル状芳香剤の技術が開示されており、界面活性剤として非イオン界面活性剤や両性界面活性剤を用いることが記載されている。また、特許文献5には非イオン界面活性剤、両性界面活性剤などを含浸させた含水ゲルの技術が開示されており、消臭剤や芳香剤等として使用できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−212354号公報
【特許文献2】特開2006−167202号公報
【特許文献3】特開2007−291145号公報
【特許文献4】特開2007−291146号公報
【特許文献5】特開2007−270100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これら特許文献の技術は、ゲルの白濁を審美的に好ましくないものとして捉え、その状態を改善することを目的とするものであり、香り立ちに優れ、芳香持続性に満足でき、且つ離水を引き起こさない、賦香された吸水性樹脂を用いた芳香剤を得る点については何ら言及されていない。
【0006】
本発明の課題は、香り立ちに優れ、芳香持続性に満足でき、しかも離水を引き起こさない、香料成分を吸水性樹脂内部に含浸した芳香剤の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、全香料中にCLogPowが3.0〜7.0の香料成分を20〜100質量%含有する香料(a1)、下記一般式(1)で示される含窒素界面活性剤(a2)、HLBが8〜18の非イオン界面活性剤(a3)、及び水を含有し、(a1)成分の含有量が0.05〜20質量%であり、(a1)成分/(a3)成分の質量比が1/5〜100/1であり、且つ(a2)成分/(a3)成分の質量比が1/1〜100/1である香料含有溶液(A)と、吸水性樹脂(B)とを接触させて、前記香料含有溶液(A)を前記吸水性樹脂(B)に含浸させる工程を有する、香料を吸水性樹脂に担持させた芳香剤の製造方法に関する。
【0008】
【化1】

【0009】
〔式中、R1aは炭素数8〜24の炭化水素基であり、R1bはエチレン基又はプロピレン基であり、Xは−COO−及び−CONH−から選ばれる基である。1mは0又は1の数であり、R1c及びR1dはそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である。Yは−O-、−CH2COO-、−C36−SO3-、−CH2CH(OH)CH2−SO3-、炭素数1〜3のアルキル基及び炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基から選ばれ、Z-は陰イオンである。1nはYが分子内に陰イオンを有する場合には0の数であり、Yが炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基から選ばれる基である場合には1の数である。〕
【0010】
また、本発明は、全香料中にCLogPowが3.0〜7.0の香料成分を20〜100質量%含有する香料(a1)〔以下、(a1)成分という〕、下記一般式(1)で示される含窒素界面活性剤(a2)〔以下、(a2)成分という〕、HLBが8〜18の非イオン界面活性剤(a3)〔以下、(a3)成分という〕、及び水を含有し、(a1)成分/(a3)成分の質量比が1/5〜100/1であり、且つ(a2)成分/(a3)成分の質量比が1/1〜100/1である香料含有溶液(A)を、吸水性樹脂(B)に含浸させた水性ゲルを含んで構成される、ゲル状消臭芳香剤物品に関する。
【0011】
【化2】

【0012】
〔式中、R1aは炭素数8〜24の炭化水素基であり、R1bはエチレン基又はプロピレン基であり、Xは−COO−及び−CONH−から選ばれる基である。1mは0又は1の数であり、R1c及びR1dはそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である。Yは−O-、−CH2COO-、−C36−SO3-、−CH2CH(OH)CH2−SO3-、炭素数1〜3のアルキル基及び炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基から選ばれ、Z-は陰イオンである。1nはYが分子内に陰イオンを有する場合には0の数であり、Yが炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基から選ばれる基である場合には1の数である。〕
【0013】
尚、本発明において、担持とは、付着、吸着及び物理的結合による固定には限られず、化学的結合での固定なども含む固定態様を意味する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、香り立ちに優れ、芳香持続性に満足でき、しかも離水を引き起こさない、香料成分を吸水性樹脂内部に含浸した芳香剤の製造方法が提供される。本発明により製造された芳香剤は、ゲル状芳香剤及び/又はゲル状消臭剤としての展開が可能である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<香料含有溶液(A)>
〔香料(a1)〕
本発明の香料含有溶液(A)には、全香料中にCLogPowが3.0〜7.0の香料成分を20〜100質量%含有する香料(a1)〔(a1)成分〕を用いる。ここでCLogPowとは化学物質の1−オクタノール/水分配係数で、f値法(疎水性フラグメント定数法)により計算で求められた値をいう。具体的には、化合物の化学構造を、その構成要素に分解し、各フラグメントの有する疎水性フラグメント定数(f値)を積算して求めることができ、CLOGP3 Reference Manual Daylight Software 4.34, Albert Leo, David Weininger, Version1, March 1994を参考にすることができる。
【0016】
CLogPowが3.0〜7.0の香料成分としては、i)α−ピネン(4.18)、β−ピネン(4.18)、カンフェン(4.18)、リモネン(4.35)、テルピノーレン(4.35)、ミルセン(4.33)、p−サイメン(4.07)、β−カリオフィレン(6.45)から選ばれる炭化水素系香料、ii)サンダルマイソールコア(3.9)、サンタロール(3.9)、l−メントール(3.2)、シトロネロール(3.25)、ジヒドロミルセノール(3.03)、エチルリナルール(3.08)、ムゴール(3.03)、ネロリドール(4.58)から選ばれるアルコール系香料、iii)アルデヒドC−111(4.05)、グリーナール(3.13)、マンダリンアルデヒド(4.99)、シトラール(3.12)、シトロネラール(3.26)、アミルシンナミックアルデヒド(4.32)、ヘキシルシンナミックアルデヒド(4.85)、リリアール(3.86)、シクラメンアルデヒド(3.5)、セトナール(4.86)、ボロナール(4.72)、マセアール(3.6)、ベルンアルデヒド(4.88)、マイラックアルデヒド(3.87)、ジヒドロジャスモン(3.13)、イオノンα(3.71)、メチルイオノンα(4.24)、メチルイオノンG(4.02)、トリメチルウンデセナール(5.16)から選ばれるアルデヒド、ケトン系香料、iv)ヘプチルアセテート(3.36)、シトロネリルアセテート(4.20)、ゲラニルアセテート(3.72)、リナリルアセテート(3.50)、ヘキシルサリシレート(5.09)、エチルシンナメート(3.0)、ベンジルサリシレート(4.2)、エチレンブラシレート(4.62)、イソブチルサリシレート(3.92)、ヘキシルサリシレート(5.09)、から選ばれるエステル系香料、v)チモール(3.40)、バニトロープ(3.11)から選ばれるフェノール系香料、vi)セドロキサイド(4.58)、シトロネリルエチルエーテル(4.36)、エトキシメチルシクロドデシルエーテル(5.48)、アネトール(3.31)、ネロリンヤラヤラ(3.24)、エステラゴール(3.1)、メチルイソオイゲノール(3.0)、アンブロキサン(5.27)から選ばれるエーテル系香料、テンタローム(5.7)、パールライド(5.7)、酢酸ベチベリル(5.87)などを挙げることができる。なお、かっこ内の数字はCLogPow値である(以下、香料成分について同様)。
【0017】
本発明の(a1)成分は、上述のCLogPowが3.0〜7.0の香料成分を全香料中20〜100質量%、香りの持続性の点から好ましくはCLogPowが3.0〜6.5の香料成分を20〜80質量%、より好ましくはCLogPowが3.0〜6.5の香料成分を25〜60質量%含有する香料である。このような香料を用いることで香りの持続性に優れるゲル状芳香剤及び/又は消臭剤を得ることができる。
【0018】
本発明の(a1)成分は、CLogPow3.0未満の香料成分、CLogPowが7.0を超える香料成分を含有することもできる。CLogPowが3.0未満の香料成分としては、フェニルエチルアルコール(1.18)、テルピネオール(2.6)、ゲラニオール(2.77)、リナロール(2.55)、ミルセノール(2.61)、ネロール(2.77)、シス−ジャスモン(2.64)、フェニルエチルアセテート(2.13)、アリルアミルグリコレート(2.51)、リファローム(2.26)、シス−3−ヘキシルアセテート(2.34)、アセトアルデヒドエチルcis−3−ヘキセニルアセタール(2.57)、スチラリルアセテート(2.27)、o−t−ブチルシクロヘキサノン(2.27)、p−t−ブチルシクロヘキサノン(2.27)、サリチル酸メチル(2.45)、アセチルオイゲノール(2.83)、シンナミルアセテート(2.35)、オイゲノール(2.40)、イソオイゲノール(2.58)、モスシンス(2.94)、アニソール(2.06)、メチルオイゲノール(2.78)、を挙げることができ、これらは香り立ちに優れるため(a1)成分中に含有することが好ましく、含有量は(a1)成分中に60質量%以下が好ましく、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは5〜30質量%が好適である。また、CLogPowが7.0を超える香料成分については、フィトール(8.28)、パルミチン酸エチル(8.12)、イソフィトール(8.06)などを挙げることができ、これらの香料成分の(a1)成分中の含有量は、溶解性、吸水性樹脂(B)への浸透性の観点から20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
【0019】
なお、本発明で用いた香料成分の名称は、「香料と調香の基礎知識」中島基貴著、産業図書(株)発行 第2刷(1996年5月30日)の記載に従った。
【0020】
本発明では、(a1)成分は、香料成分の希釈剤、保留剤を含有することが出来る。希釈剤、保留剤の好適な例としては、ジプロピレングリコール、パルミチン酸イソプロピルエステル、ジエチルフタレート、ベンジルベンゾエート、流動パラフィン、イソパラフィン、3−メトキシブタノール、油脂等を挙げることができる。希釈剤及び/または保留剤の添加量は、香料成分に対して、0〜400質量%が好ましい。
【0021】
〔含窒素界面活性剤(a2)〕
本発明の香料含有溶液(A)には、下記一般式(1)で示される含窒素界面活性剤(a2)〔(a2)成分〕を用いる。
【0022】
【化3】

【0023】
〔式中、R1aは炭素数8〜24、好ましくは炭素数8〜18、更に好ましくは炭素数10〜14の炭化水素基、好ましくはアルキル基であり、R1bはエチレン基又はプロピレン基であり、Xは−COO−及び−CONH−から選ばれる基である。1mは0又は1の数であり、R1c及びR1dはそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、好ましくはメチル基である。Yは−O-、−CH2COO-、−C36−SO3-、−CH2CH(OH)CH2−SO3-、炭素数1〜3のアルキル基及び炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基から選ばれ、Z-は陰イオン、好ましくは塩素イオン、臭素イオン、エチル硫酸エステルイオン、メチル硫酸エステルイオンである。1nはYが分子内に陰イオンを有する基の場合には0の数であり、Yが炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基から選ばれる基、好ましくはメチル基である場合には1の数である。〕
【0024】
本発明の(a2)成分としては特にYが−O-であるアミンオキシド、Yが−CH2COO-であるカルボベタイン、Yが−CH2CH(OH)CH2−SO3-であるスルホベタインが(a1)成分を吸水性樹脂(B)内部に浸透させる点から好適であり、Yが−O-であるアミンオキシドが最も好ましい化合物である。
【0025】
〔非イオン界面活性剤(a3)〕
本発明の香料含有溶液(A)には、HLB(親水性−親油性バランス)が8〜18の非イオン界面活性剤(a3)〔(a3)成分〕を用いる。ここで、本発明で用いるHLBは、(a3)成分がポリオキシエチレンアルキルエーテル型界面活性剤である場合には、界面活性剤便覧(産業図書株式会社発行_昭和44年11月30日第8刷_西一郎ら著)307頁に記載のGriffin氏による方法を採用し、Griffin氏の方法で求めることができないものについては、同便覧319頁(界面活性剤のHLB価の求め方)に記載の方法による乳化実験で求めた値を採用する。
【0026】
より具体的には下記一般式(2)の化合物が好適である。
2a−S−〔T〕2m (2)
〔式中、R2aは炭素数が8〜24の炭化水素基であり、好ましくは炭素数が10〜22、より好ましくは炭素数が10〜18の炭化水素基が好適である。Sは−O−、−COO−、−N<、及び−CON<から選ばれる基である。Tは−(R2bO)2n−R2c、及び/又は平均縮合度が1〜2のグルコースの水酸基から水素原子と酸素原子を除いた残基(この場合はSは−O−および/または−COO―に限られる)であり、R2bはエチレン基及び/又はプロピレン基であり、R2cは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基または平均縮合度が1〜2のグルコースの水酸基から水素原子と酸素原子を除いた残基である。2nは平均付加モル数であり3〜30の数であり、2mは、Sが−O−、−COO−の場合には1の数であり、Sが−N<、−CON<の場合には2の数である。また、R2a、S、TはHLBが本発明の範囲に入るように選択される。〕
【0027】
本発明では特にR2aが炭素数10〜14のアルキル基であり、Sが−O−であり、Tが−(C24O)2n−Hであり、2nが8〜22のポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤(但し、R2a、2nはHLBが本発明の範囲に入るように選択される)、及びR2aが8〜14、Sが−O−であり、Tが平均縮合度1〜1.5のグルコースのR2aに結合する水酸基から水素原子及び酸素原子を除いた残基(但し、R2a、2nはHLBが本発明の範囲に入るように選択される)であるアルキルグリコシド型界面活性剤が好適であり、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤が最も好ましい。非イオン界面活性剤(a3)のHLB(親水性−親油性バランス)が8以上であると、非イオン性界面活性剤の疎水性が適切となり香料成分〔(a1)成分〕を水溶液中で可溶化させることが容易になり、またHLBが18以下であると、吸水性樹脂(B)への吸液性が良好であり取り扱い性がよいものとなる。
【0028】
〔香料含有溶液(A)の組成等〕
本発明の香料含有溶液(A)は上述の(a1)成分〜(a3)成分を水と混合させた水溶液の形態が好ましく、使用する水は水中に存在する金属を除去したイオン交換水を用いることが好ましい。また、防腐の観点から塩素を1〜10ppm含有させた塩素滅菌水を用いることが好適である。
【0029】
本発明の香料含有溶液(A)は、(a1)成分を0.05〜20質量%含有し、更に0.1〜20質量%、更に0.5〜18質量%、特に1〜10質量%含有することが好ましく、(a2)成分を0.5〜50質量%、更に1〜30質量%、特に2〜10質量%含有することが好ましく、(a3)成分を0.05〜30質量%、更に0.1〜20質量%、特に1〜10質量%含有することが好ましい。
【0030】
また、(a3)成分は(a1)成分を香料含有溶液(A)中に均一に可溶化させるに必要な最小限の量とすべきであり、(a1)成分/(a3)成分の質量比は1/5〜100/1であり、より好ましくは、1/5〜50/1更に好ましくは、1/5〜30/1、特に好ましくは1/1〜15/1である。また、(a2)成分/(a3)成分の質量比は1/1〜100/1、好ましくは1/1〜50/1、特に好ましくは1/1〜20/1である。また(a1)成分/(a2)成分の質量比が好ましくは1/1〜1/100であり、より好ましくは1/1〜1/50、特に好ましくは1/1〜1/20である。
【0031】
本発明の香料含有溶液(A)の20℃におけるpHは好ましくは3〜8、特に好ましくは4〜7であり、このようなpHで高い消臭効果を得ることができる。
【0032】
<吸水性樹脂(B)>
本発明では、上述の香料含有溶液(A)を、吸水性樹脂(B)に含浸させる。本発明で用いる吸水性樹脂(B)は、下記で定義される吸水量が10〜300、更に10〜250、より更に10〜200であるものが好適である。
1.吸水量
吸水性樹脂を大過剰の生理食塩水(0.9%食塩水)中に分散して、該吸水性樹脂をその吸水量が平衡状態になるまで膨潤させた後、生理食塩水を80メッシュの金網で濾過し、得られた膨潤質量wを測定し、この値を吸水前の質量w0で除して得られる値、即ち、w/w0を吸水量とする。
【0033】
吸水性樹脂(B)としては、例えばカルボン酸(塩)基〔カルボン酸基及び/又はカルボン酸の中和基の意味である。〕を有する構成単位を有する樹脂が好ましく、例えば、デンプン−アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、デンプン−アクリル酸エステル共重合体の(部分)中和物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物及び部分ケン化物、アクリロニトリル共重合体もしくはアクリルアミド共重合体の加水分解物、ポリビニルアルコール変性物、部分中和ポリアクリル酸塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸塩架橋体、アクリル酸−アクリルアミド共重合物架橋体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合物架橋体等が挙げられ、使用に際しては、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0034】
好ましい吸水性樹脂(B)は、ポリアクリル酸塩架橋体、アクリル酸−アクリルアミド共重合物架橋体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合物架橋体であり、特に離水性の点、及び香料持続性の点からアクリル酸−アクリルアミド共重合物架橋体が好適である。
【0035】
ポリアクリル酸塩架橋体としては、例えば特開平8−337726号公報、特開平8−127725号公報などに記載されているものを用いることができる。また、イソブチレン−無水マレイン酸共重合物架橋体は例えば、特開2000−212354号公報、特開2006−167202号公報に記載されている吸水性樹脂を用いることができる。さらに、アクリル酸−アクリルアミド共重合物架橋体としては特開2007−291145号公報、特開2007−291146号公報、特開2007−270100号公報に記載の吸水性樹脂を用いることができる。本発明では特にアクリル酸−アクリルアミド共重合物架橋体が好ましく、アクリル酸/アクリルアミドの構成比率(モル比)は、赤外線全反射法(IR測定)によって組成比を算出し、その組成比が60/40〜99/1、好ましくは70/30〜99/1、より好ましくは80/20〜95/5が好適である。
【0036】
本発明の吸水性樹脂(B)の形態は球状が好ましい。吸水性樹脂(B)が容器につめられた場合、球状であれば、樹脂同士で密着する面積が少なく間隙が多くなるため、空気との接触面積が大きくなり匂い立ちの点から良好となる。また、香料含有溶液(A)を接触させる前の乾燥状態での平均粒子径は500〜4,000μm、更に800〜3,500μmが好適である。平均粒子径は、JIS試験用ふるい規格のふるい〔例えばNo.5〜No.35(公称目開きで4mm〜500μm)〕を用いたふるい分けにより測定することができる。
【0037】
吸水性樹脂(B)の製造方法としては、逆相懸濁重合が好ましく用いられる。逆相懸濁重合について説明すると、該逆相懸濁重合における条件に特に制限はないが、好ましくは分散剤の存在下、重合に不活性な疎水性有機溶媒及び上記水溶性ビニルモノマーの水溶液を用いて行う。かかる有機溶媒及び分散剤について以下に説明する。
【0038】
まず、上記有機溶媒について説明すると、上記有機溶媒は重合に不活性な疎水性有機溶媒であることが好ましい。かかる有機溶媒としては、例えば、n−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、メチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ブチルアルコール、n−アミルアルコールなどの炭素原子数4〜6の脂肪族アルコール;メチルエチルケトンなどの脂肪族ケトン;酢酸エチルなどの脂肪族エステル類を挙げることができる。かかる有機溶媒は、単独で又は二種以上の混合物として用いることができる。かかる有機溶媒は、上記水溶性ビニルモノマーの水溶液に対して、50〜500質量%の量で使用されることが好ましい。
【0039】
また、上記有機溶媒を使用するに際しては、上記有機溶媒の使用量(質量)を超えない範囲において両親媒性の溶剤を加えてもよい。かかる両親媒性の溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール及び2−プロパノールなどのアルコール類;アセトンなどのケトン類;テトラヒドロフラン及びジオキサンなどのエーテル類が挙げられる。
【0040】
次に、上記有機溶媒と共に用いられる上記分散剤について説明すると、上記分散剤としては、例えば、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノラウレート及びポリオキシメチレンソルビタンモノオレート等のソルビタン脂肪酸エステル;トリメチルステアリルアンモニウムクロリド及びカルボキシメチルジメチルセチルアンモニウム等の陽イオン性及び両性の界面活性剤;ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸エステルナトリウム塩及びドデシルエーテル硫酸エステルナトリウム塩等のアニオン性界面活性剤;アルキルグルコシド等のグリコシド化合物;エチルセルロース及びベンジルセルロース等のセルロースエーテル;セルロースアセテート、セルロースブチレート及びセルロースアセテートブチレート等のセルロースエステル;マレイン化ポリブタジエン、マレイン化ポリエチレン、マレイン化α−オレフィン、スチレン−ジメチルアミノエチルメタクリレート4級塩及びイソプロピルメタクリレート−ジメチルアミノエチルメタクリレート4級塩等の高分子分散剤を挙げることができる。これらの分散剤は、単独で又は二種以上の混合物として用いることができる。
【0041】
また、吸水性樹脂(B)を得るための逆相懸濁重合に際しては、使用される重合開始剤としては、ジアルキルパーオキシド、ハイドロパーオキシド類、過硫酸塩、ハロゲン酸塩、アゾ化合物、過酸化水素/第1鉄塩、過硫酸塩/亜硫酸塩、クメンヒドロパーオキシド/第1鉄塩、過酸化水素/L−アスコルビン酸等のレドックス系開始剤を挙げることができる。これらの重合開始剤は1種以上で使用することができる。これらの重合開始剤の中でも、過硫酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリドが好ましく用いられる。
【0042】
上記重合開始剤の添加量は、重合を円滑に行うために、モノマー100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、更に好ましくは0.02〜5質量部である。また、上記重合開始剤の添加方法は、特に制限されないが、上記重合開始剤をモノマー水溶液に予め添加する方法が好ましい。
【0043】
また、吸水性樹脂(B)を得るための製法の実施にあたり、重合前、重合時、重合後又は乾燥時等において、公知の架橋剤を添加することができる。該架橋剤としては、例えば、ポリアリル化合物、ポリビニル化合物、ポリグリシジルエーテル、ハロエポキシ化合物、ポリアルデヒド、ポリオール、ポリアミン、ヒドロキシビニル化合物、またカルシウム、マグネシウム、亜鉛及びアルミニウムなどの多価イオンを生じる無機塩または有機金属塩などを挙げることができる。
【0044】
また、逆相懸濁重合法により上記重合を終了した後、必要に応じ通常の後処理、例えば、共沸脱水、乾燥等を行うことにより、所望の高吸水性樹脂を得ることができる。
【0045】
吸水性樹脂(B)としては市販されているものが使用することができる。具体的には、愛敬精密化学製のHisobead、クラレトレーディング(株)製のKIゲル−201K−G1、日本触媒(株)製のアクアリックCA H2、ライオンケミカル製のAIRBZなどが挙げられる。
【0046】
<芳香剤の製造方法>
本発明では、香料含有溶液(A)と、吸水性樹脂(B)とを接触させて、香料含有溶液(A)を吸水性樹脂(B)に含浸させる。接触、含浸方法としては、水分含有率が10質量%以下、好ましくは5質量%以下の吸水性樹脂(B)を1〜20質量部、好ましくは1〜10質量部、特に好ましくは3〜6質量部に、香料含有溶液(A)を70〜99質量部、好ましくは80〜99質量部、特に好ましくは90〜99質量部を、混合し静置する方法を採用することができる。混合及び静置の温度は、それぞれ0〜40℃の範囲から選定することが好適であり、攪拌を加えても良いが、静置しておくだけでも通常は十分香料含有溶液(A)が吸水性樹脂(B)の内部に浸透、保持される。これにより、香料を吸水性樹脂に担持させた芳香剤、好ましくはゲル状芳香剤が得られる。
【0047】
本発明では香料含有溶液(A)中の(a3)成分は(a1)成分を香料含有溶液(A)中に均一に可溶化させるに必要な最小限の量とすべきである。これは、特に吸水性樹脂(B)としてカルボン酸(塩)基〔カルボン酸基及び/又はカルボン酸塩基の意味である〕を有する構成単位を有する樹脂を用いた場合に浸透性、保持性が向上し、芳香持続性が著しく改善するため好ましい。この理由は推定ではあるが、含浸、浸透した香料含有溶液(A)中の含窒素界面活性剤(a2)が、吸水性樹脂(B)中でカルボン酸(塩)基と相互作用し、その結果として(a1)成分が香料含有溶液(A)中で可溶化しきれず、油滴として析出するためであると考えられる。この時、可溶化に必要な量以上の(a3)成分を含有させると、樹脂浸透後も溶解したままの状態を保つ。吸水性樹脂内で油滴として析出した香料成分は、吸水性樹脂外への揮散速度が低下し徐放していく為、芳香持続性が向上するものと考えられる。従って本発明においては、含浸後の樹脂が白濁した状態であるものが、より優れた芳香持続性を有する。すなわち、香料含有溶液(A)を吸水性樹脂(B)に含浸させた水性ゲルが白濁した外観を有することが好ましい。香料成分が溶解した状態で樹脂中に存在した場合、香料成分はゲル表面への移動も速く、その後の揮散も速い為、芳香維持性が乏しいものと考えられる。又、カルボン酸(塩)基を有する樹脂は吸水能、水保持性が高く良好な離水防止性を有するものと考えられる。
【0048】
本発明において、香料含有溶液(A)含浸後の樹脂が白濁するのは、樹脂内に油滴が析出する為であると考えられる。ここで白濁した状態とは、含浸後の樹脂の外観が均一に乳白色となり、水のみを樹脂に含浸した状態の550nmの光の透過度に対し、70%以下の透過度となるものを白濁あるいは半透明になるものと定義する。
【0049】
本発明により、(a1)成分、(a2)成分、(a3)成分、及び水を含有し、(a1)成分/(a3)成分の質量比が1/5〜100/1であり、且つ(a2)成分/(a3)成分の質量比が1/1〜100/1である香料含有溶液(A)を、吸水性樹脂(B)に含浸させた水性ゲルを含んで構成される、ゲル状消臭芳香剤物品が提供される。従って、本発明では、(a1)成分、(a2)成分、(a3)成分、及び水を含有し、(a1)成分の含有量が0.05〜20質量%であり、(a1)成分/(a3)成分の質量比が1/5〜100/1であり、且つ(a2)成分/(a3)成分の質量比が1/1〜100/1である香料含有溶液(A)と、吸水性樹脂(B)とを接触させて、前記香料含有溶液(A)を前記吸水性樹脂(B)に含浸させる工程を有する、ゲル状消臭芳香剤物品の製造方法が提供される。本発明により得られる香料含有溶液(A)を前記吸水性樹脂(B)に含浸させた水性ゲルを用いて、例えば、該水性ゲルを含んで構成される据え置き型芳香剤を得ることができる。
【実施例】
【0050】
<ゲル状芳香剤の調製>
表1の香料を用いて調製した表2〜5の香料含有溶液(A)2.9gと吸水性樹脂(B)0.1gとを、広口規格ビン(PS−No.6)に入れフタを閉め、香料含有溶液(A)を吸水性樹脂(B)に含浸し、24時間静置したものをゲル状芳香剤とし評価に用いた。
【0051】
<白濁性の評価>
ゲル状芳香剤の白濁性をゲル外観の乳白色度合いを目視で判定し、以下の基準により評価した。
* 白濁性判定基準
5:濃い乳白色で、ゲルが不透明
4:やや濃い乳白色でゲルが半透明
3:乳白色で、ゲルが半透明
2:薄い乳白色で、ゲルがほぼ透明
1:乳白色が無く、ゲルが完全に透明
【0052】
<離水性の評価>
ゲル状芳香剤の離水性(吸液性)について、規格ビンの内側とゲルの接触部の外観の離水とビン底部の液ダレから離水を総合的に判断し、以下の基準により評価した。
* 離水性判定基準
5:ビン底に液が見えず、ゲル接触部にも全く液が見えない
4:ビン底に液が見えず、ゲル接触部にはやや液が見える
3:ビン底に液が見えず、ゲル接触部には少し液が見える
2:ビン底に液が見えないが、ゲル接触部は液が見える
1:ビン底に液がたまり、ゲル接触部は完全に離水している。
【0053】
<香り立ちと香り持続性の評価>
調製直後のゲル状芳香剤が入った広口規格ビンのフタを開け、ビン口の香り立ちを評価する。次にフタを空けた状態のまま20℃、湿度65%の恒温室で静置し、静置3日後と10日後にビン口の香り立ちを評価し香りの持続性を評価した。
【0054】
香り立ちの評価(初期の香り立ちの評価)は、下記の香り強度の評価基準に示すように実施例、比較例に用いた香料含有溶液を水で段階的に希釈した指標水溶液を基準とし、ゲル状芳香剤の香り立ちのレベルを相対比較した。何れも判定者6人の結果の平均値で評価した。
* 香り強度の評価基準
5:50%濃度の指標水溶液と同等の強さ
4:25%濃度の指標水溶液と同等の強さ
3:5%濃度の指標水溶液と同等の強さ
2:1%濃度の指標水溶液と同等の強さ
1:0.25%濃度の指標と同等水溶液の強さ
0:0.25%濃度の指標水溶液より弱い
【0055】
香りの持続性の評価基準は以下の通りであり、何れも判定者6人の結果の平均値で評価した。
* 香りの持続性の評価基準
5:初期(製造直後)と同等の強さ
4:初期(製造直後)よりやや弱い
3:初期(製造直後)より弱い
2:初期(製造直後)よりかなり弱い
1:ほとんど香りがない
【0056】
表1に香料を示す。a−1−3は、便宜上(a1)成分として(a1)/(a2)質量比、(a1)/(a3)質量比を算出した。また、結果を表2〜5に示す。
【0057】
【表1】

【0058】
【表2】

【0059】
【表3】

【0060】
【表4】

【0061】
【表5】

【0062】
(注)表2〜5中の成分は以下のものである。
*含窒素界面活性剤(a2)
・a−2−1:ラウロイルアミノプロピルジメチルアミンオキシド
*非イオン界面活性剤(a3)
・a−3−1:ポリオキシエチレンラウリルエーテル、エチレンオキサイド平均付加モル数5.6(HLB 12.1)
・a−3−2:ポリオキシエチレンラウリルエーテル、エチレンオキサイド平均付加モル数9(HLB 13.6)
*吸水性樹脂(B)
・b−1:ポリアクリル酸/アクリルアミド共重合体ポリマー(Hisobead 愛敬精密化学製)
・b−2:ポリアクリル酸架橋体(アクアリックCA H2、日本触媒(株)製)
・b−3:イソブチレン−無水マレイン酸共重合体の架橋体(KIゲル−201K−G1、クラレトレーディング(株)製)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全香料中にCLogPowが3.0〜7.0の香料成分を20〜100質量%含有する香料(a1)〔以下、(a1)成分という〕、下記一般式(1)で示される含窒素界面活性剤(a2)〔以下、(a2)成分という〕、HLBが8〜18の非イオン界面活性剤(a3)〔以下、(a3)成分という〕、及び水を含有し、(a1)成分の含有量が0.05〜20質量%であり、(a1)成分/(a3)成分の質量比が1/5〜100/1であり、且つ(a2)成分/(a3)成分の質量比が1/1〜100/1である香料含有溶液(A)と、吸水性樹脂(B)とを接触させて、前記香料含有溶液(A)を前記吸水性樹脂(B)に含浸させる工程を有する、香料を吸水性樹脂に担持させた芳香剤の製造方法。
【化1】


〔式中、R1aは炭素数8〜24の炭化水素基であり、R1bはエチレン基又はプロピレン基であり、Xは−COO−及び−CONH−から選ばれる基である。1mは0又は1の数であり、R1c及びR1dはそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である。Yは−O-、−CH2COO-、−C36−SO3-、−CH2CH(OH)CH2−SO3-、炭素数1〜3のアルキル基及び炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基から選ばれ、Z-は陰イオンである。1nはYが分子内に陰イオンを有する場合には0の数であり、Yが炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基から選ばれる基である場合には1の数である。〕
【請求項2】
吸水性樹脂がカルボン酸(塩)基を有する構成単位を有する樹脂である請求項1記載の芳香剤の製造方法。
【請求項3】
全香料中にCLogPowが3.0〜7.0の香料成分を20〜100質量%含有する香料(a1)〔以下、(a1)成分という〕、下記一般式(1)で示される含窒素界面活性剤(a2)〔以下、(a2)成分という〕、HLBが8〜18の非イオン界面活性剤(a3)〔以下、(a3)成分という〕、及び水を含有し、(a1)成分/(a3)成分の質量比が1/5〜100/1であり、且つ(a2)成分/(a3)成分の質量比が1/1〜100/1である香料含有溶液(A)を、吸水性樹脂(B)に含浸させた水性ゲルを含んで構成される、ゲル状消臭芳香剤物品。
【化2】


〔式中、R1aは炭素数8〜24の炭化水素基であり、R1bはエチレン基又はプロピレン基であり、Xは−COO−及び−CONH−から選ばれる基である。1mは0又は1の数であり、R1c及びR1dはそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である。Yは−O-、−CH2COO-、−C36−SO3-、−CH2CH(OH)CH2−SO3-、炭素数1〜3のアルキル基及び炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基から選ばれ、Z-は陰イオンである。1nはYが分子内に陰イオンを有する場合には0の数であり、Yが炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基から選ばれる基である場合には1の数である。〕
【請求項4】
前記水性ゲルが白濁した外観を有する請求項3記載のゲル状消臭芳香剤物品。

【公開番号】特開2010−264098(P2010−264098A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−118556(P2009−118556)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】