説明

芳香族コポリアミド繊維の製造装置

【課題】単糸繊度が細く、引っ張り強度及び初期モジュラス等の機械的物性に優れた芳香族コポリアラミド繊維を高速で安定的に製造する装置を提供する。
【解決手段】芳香族コポリアミドを繊維化するための紡糸液を吐出する口金1と、紡出された前記紡糸液を凝固させるための凝固液を前記口金と一定のエアギャップ形成して満たした第1凝固浴21と、前記凝固液中に前記紡糸液が紡出されて繊維化された糸条を引き取る引取ローラ3と、前記引取ローラによって引取られた糸条の凝固を更に促進する凝固液を満たした第2凝固浴51と、前記第2凝固浴中に浸漬され且つ凝固液中を走行する糸条をその上で担持しながら搬送する糸条搬送手段4abと、前記第2凝固浴中で凝固した糸条を一定倍率で延伸する延伸手段と、延伸後の糸条に残存した溶媒を抜き取るための水洗手段7と、を少なくとも備えたことを特徴とする芳香族コポリアミド繊維の製造装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香族コポリアミド繊維を乾湿式紡糸法によって製造する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パラ系のアラミド繊維は、その強度、高弾性率、高耐熱性といった特性を生かして産業用途、衣料用途に広く用いられている。このような代表的なアラミド繊維としては、例えばポリパラフェニレンテレフタルアミド(PPTA)繊維がある。この繊維は多くの利点を有するが、ポリマードープの光学異方性を利用した所謂「液晶紡糸法」により製造される点で、プロセス上問題のあること、繊維性能についてみれば機械的物性のうち強度が必ずしも高くないこと、及び伸度が低く靭性が不十分であること等の欠点が見られる。
【0003】
そこで、この問題を解消するため、公知のアミド溶媒に対して高い溶解度を有し、容易に紡糸することができ、延伸処理後に高い引っ張り強度値と高い初期モジュラス値を有する芳香族コポリアラミド繊維を開発する試みがなされてきた。
【0004】
例えば、特許文献1(特開平7−300534号公報)には、芳香族コポリアミドであって、溶媒に対して等方性溶液を形成する芳香族コポリアミドを使用し、この芳香族コポリアミドからなるドープを紡出して、凝固液にて溶剤を除去して繊維化し、洗浄した後、延伸する繊維の製造方法が提案されている。しかしながら、上記特許文献1に開示されている芳香族コポリアミド繊維では、引っ張り強度、初期モジュラス等の機械的物性は不十分であり、優れた機械的物性を発現させることができる繊維の製造方法については未だ提案されていないのが実状情である。
【0005】
また、近年、生産性向上のために、繊維の紡糸速度は益々上昇している。このように紡糸速度が上昇すると、洗浄液中を走行する繊維の走行抵抗も上昇する。そうすると、液中抵抗によって繊維が引き伸ばされて物性が低下するという問題が生じる。また、ひどい場合には、単糸が切れるという問題がある。
【特許文献1】特開平7−300534号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上に説明した従来技術を背景になされたもので、その目的は、単糸繊度が細く、引っ張り強度及び初期モジュラス等の機械的物性に優れた芳香族コポリアラミド繊維を高速で安定的に製造する装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここに、本発明の芳香族コポリアミド繊維の製造装置として、「芳香族コポリアミドを繊維化するための紡糸液を吐出する口金と、紡出された前記紡糸液を凝固させるための凝固液を前記口金と一定のエアギャップ形成して満たした第1凝固浴と、前記凝固液中に前記紡糸液が紡出されて繊維化された糸条を引き取る引取ローラと、前記引取ローラによって引取られた糸条の凝固を更に促進する凝固液を満たした第2凝固浴と、前記第2凝固浴中に浸漬され且つ凝固液中を走行する糸条をその上で担持しながら搬送する糸条搬送手段と、前記第2凝固浴中で凝固した糸条を一定倍率で延伸する延伸手段と、延伸後の糸条に残存した溶媒を抜き取るための水洗手段と、を少なくとも備えたことを特徴とする芳香族コポリアミド繊維の製造装置」が提供される。
【0008】
さらには、本発明の芳香族コポリアミド繊維の製造装置として、上記構成に加えて、
(1) 内部に流入する凝固液を所定流速に維持しながら流下する凝固液と共に流下する紡糸液を凝固させて繊維化する流管を前記第1凝固浴に設けることが好ましく、
(2) 前記水洗手段が、水洗液を糸条に噴き付ける水洗用ノズルであることが好ましく、
(3) 前記延伸手段の後に前記水洗用ノズルを複数箇所に設け、前記水洗用ノズルから断続的に噴き出される水洗液を走行する糸条に対して複数箇所で噴き付けることが好ましく、そして、
(4) 前記糸条搬送手段が、液中駆動ローラであることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
以上に説明したように、本発明の芳香族コポリアミド繊維の製造装置では、口金から紡出された紡糸液を凝固させて繊維化する最終の凝固工程において、凝固されて繊維化された糸条を走行したままの状態で担持する液中駆動ローラのような糸条搬送手段を設けて、糸条の凝固を行なっている。
【0010】
したがって、含有されていた溶媒が未だ抜け切れていない糸条であっても、凝固液から受ける走行抵抗を減じながら、しかも、走行糸条を担持することによって、走行する糸条の糸道を常に一定にできるため、液中で走行糸条が蛇行したり、振動することがない。このため、糸条が凝固液中でダメージを受けたり、断糸したりすることが著しく少なくなって、紡糸調子の安定化を図ることができる上に、品質に優れた繊維を製造することができる。
【0011】
さらには、糸条の最終の凝固過程を前述の糸条搬送手段に担持させて行なうことができることとなり、未だ十分に可塑性を残した糸条を延伸に供することができることとなった。その結果として、安定した延伸を行なうことが可能となり、糸条の強度や初期モジュラスなどの機械物性を大幅に向上できるという極めて顕著な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明がその対象とするのは、高強度と高モジュラスを兼ね備えた芳香族コポリアミド繊維を製造するために好適な装置である。
以下、前記本発明者等が着想するに至った本発明について、その実施形態を詳細に説明する。
【0013】
本発明でいう芳香族コポリアミドとは、1種又は2種以上の2価の芳香族基が直接アミド結合により連結されているポリマーであって、前記芳香族基は2個の芳香環が酸素、硫黄又はアルキレン基で結合されたものであってもよい。また、これらの2価の芳香族基には、メチル基やエチル基などの低級アルキル基、メトキシ基、あるいはクロル基などのハロゲン基等が含まれていてもよい。
【0014】
また、本発明の芳香族ポリアミド繊維の製造方法は、図1に示すような方法である。図1は、本発明に係る洗浄装置の一つの実施形態を模式的に例示した概略構成図である。
この図1において、1は芳香族コポリアミドからなる紡糸液(以下、ドープという)を吐出する口金であり、また、2は第1凝固装置であって、この第1凝固装置2は、凝固浴21とこの凝固浴21に浸漬された流管20とから構成されている。更に、前記凝固浴21には、吐出されたドープを凝固するための第1凝固液Lが満たされており、この第1凝固液Lは、凝固浴21の下部に設けられた凝固液供給管21aから供給され、凝固浴20の液面レベルをコントロールするオーバーフロー配管21cへ溢れ出た後、凝固液排出管から排出される。
【0015】
以上に説明したように、凝固浴21に充填された第1凝固液Lをオーバーフローさせることによって、第1凝固液Lの液面レベルを常に一定に保つことによって、口金1のドープ吐出面との間に形成されるエアギャップGを常に一定の間隔に保つことができる。ここで、前記第1凝固液Lは、本発明において、アミド系溶媒と水との2成分からなる水溶液で構成されるものを使用する。なお、前記アミド系溶媒としては、取扱い性や安定性の点から、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPという)が好ましい。
【0016】
次に、前記第1凝固液L中のアミド系溶媒の濃度としては、濃度10〜50重量%であることが好ましい。もし、この濃度が50%を越えると、芳香族コポリアミドからなるドープの凝固が進まず、紡出された単糸同士に密着が発生し、連続的に製糸することが困難となる。また、濃度が10%未満であると、可塑化が十分に進まず、続いて行なわれる延伸時の延伸性が低下するため好ましくない。また、強固液Lの温度としては、その成分組成と密接な関係があるので限定することはできないが、あまり高温にすると糸条同士の密着が激しくなる上、作業性も悪くなる。このため、好適な温度は20〜50℃である。
【0017】
本発明においては、前述のように前記口金1のドープ吐出面と前記第1凝固液Lの液面との間にはエアーギャップGを形成しておくことが好ましい。そして、このエアーギャップGに引き続いて、前記第1凝固液Lをその内部を流下する第1凝固液Lの液流と共に紡出された糸条を下方へ引取るための流管20を設けることが好ましい。
【0018】
なお、このとき、流管2内を流れる第1凝固液Lの流速としては、糸条の走行速度に近い速度が良い。何故ならば、速度差が大きいと糸条にダメージが与えられ、糸物性が低下したり、ひどい場合には、断糸を起こすからである。したがって、流管20内を流下する第1凝固液Lの速度を好ましい値とするために、第1凝固液Lに浸漬する流管20の上端面と凝固浴21の液面との距離を調整しておく必要があることは言うまでもない。
【0019】
以上に説明したようにして、口金から紡出されたドープは凝固させられて繊維化されるが、このとき、前述の流管20から出た糸条は、流管20の下部に設けられた一定速度で回転する引取ローラ3により引取られ、そして、この引取ローラ3の引取速度によって、口金1から吐出された糸条の紡糸速度が決定される。
【0020】
なお、上記説明においては、流管20を使用して、流管20中を流下する凝固液流の作用によって、凝固液中で凝固される糸条が受ける液中抵抗を可級的に小さくするようにしている。本発明は、このような流管20を用いることが、より品質に優れた繊維を製造する上で好ましいが、この流管20の使用を必須とするものではない。つまり、通常の乾湿式紡糸法において慣用されているように流管20を用いずに、直接エアギャップGを介して口金1から紡出したドープを凝固浴中へ導き、凝固浴の液中で回転駆動される引取ローラへで引取り、引取った糸条を凝固液から引き上げるような方法を採用しても良い。
【0021】
以上に説明したように、第1凝固液L中で凝固させられて繊維化された糸条は、引取ローラ3から次の第2の凝固工程を行うために第2凝固装置5へ送られる。ここで、この第2凝固装置5は、既に説明した第1凝固装置2と同様に、凝固浴51を備えている。そして、この凝固浴51へは、凝固液供給管51aから第2凝固液Lが供給され、供給された第2凝固液Lがオーバーフロー配管51cから溢れ出させることによって、液面レベルが一定にコントロールされ、オーバーフローした第2凝固液Lは、凝固液排出管51bから排出されるようになっている。
【0022】
また、前記第2凝固装置5には、図1に例示したように、本発明に係る糸条搬送手段としての液中駆動ローラ50が、上方の一部を残して第2凝固液L中に浸漬され、浸漬された状態で図示省略した駆動装置によって液中で回転駆動されている。
【0023】
このようにして、入側ガイドローラ4aへ送られた糸条は、アミド系溶媒と水との2成分からなる第2凝固液Lの中で十分に凝固させられる。この第2凝固液Lによる凝固は、液中で回転駆動されている液中駆動ローラ50へ送られ、この液中駆動ローラ50上に走行糸条が担持された状態で行われる。
【0024】
具体的には、前記第2凝固液L中を一定時間に亘って糸条を液中駆動ローラ50上に担持させながら通過させることによって行なわれる。したがって、前記第2凝固液L中を走行する糸条は、液中駆動ローラ50によって担持された状態であるので、液中を走行する糸条が容易に走行するための補助機能を果たして、糸条の液中での走行抵抗が小さくなる。また、液中駆動ローラ50によって担持されているために、走行する糸条の糸道が安定し、糸条が凝固液Lから受ける抵抗によって蛇行したり、振動したりすることも無くなる。その結果として、走行糸条が凝固液Lから受けるダメージが少なくなり、また、断糸の発生も抑制される。
【0025】
このように、本発明によって、糸条の最終の凝固過程を前述の糸条搬送手段に担持させて行なうことができることとなり、未だ十分に可塑性を残した糸条を延伸に供することができることとなった。そして、その結果として、安定した延伸を行なうことが可能となり、糸条の強度や初期モジュラスなどの機械物性を大幅に向上できるという極めて顕著な効果を奏する。
【0026】
以上の説明においては、本発明に係る糸条搬送手段を液中駆動ローラ50で構成する実施形態としたが、本発明の糸条搬送手段として液中駆動ローラ50に限定する必要はなく、コンベアベルトなどの公知の搬送手段を用いることができる。しかしながら、装置構成が簡単なことから、液中駆動ローラ50を使用する実施形態が好ましい。
【0027】
なお、前述の第2凝固液Lとしては、NMPからなるアミド系溶媒の濃度が30〜80%であることが好ましい。もし、この濃度が80%を越えると、芳香族コポリアミド糸条がNMP溶液中で溶解するため、連続的に製糸することが困難となるからである。また、その濃度が30%未満であると、繊維の可塑化が十分に進まないので、後述する延伸工程において、その延伸倍率を十分に確保することが困難でとなる。更に、この第2凝固液Lの温度は、あまり高温にすると糸条同士の密着が激しくなる上、作業性も悪くなるため、好適な温度は20〜50℃である。
【0028】
以上に説明したように、第2凝固液L2中で凝固された繊維は、液中走行による抵抗を受けながらも、液中駆動ローラ50に担持されながら走行するので、ダメージを受けないように護られながら、未だ十分に可塑化が進む状態を残して凝固することができる。このため、前記液中駆動ローラ5を出た後に、出側ガイドローラ4bと入側水洗ローラ6aとで構成される延伸手段によって、容易に糸条を1.3〜2.5倍に延伸することができる。
【0029】
このようにして可塑性を残すことで糸条の延伸を円滑に行なった後は、繊維中に含まれる溶媒は完全に不要となるばかりか、有害でもあるので、これを繊維中から取り除く必要がある。そのために、引き続いて、繊維中に含まれる溶媒を除去するための水洗工程に入る。
【0030】
本発明においては、繊維中の溶媒を抜き取るための前記水洗は、前記入側水洗ローラ6aの下流側に水洗液を走行糸条に対して噴射する水洗用ノズル7によって行なう。なお、この水洗用ノズル7は、上方から走行糸条に対して水洗液をシャワー状に噴射するものでも、下方から噴射するものでも良い。更に、この水洗用ノズル7の設置箇所は、少なくとも2箇所として、複数箇所で走行糸条に対して水洗液を噴き付けることが、水洗効率を高める上で望ましい。
【0031】
このとき、水洗液中に含まれるアミド系溶媒の濃度は、前記第2凝固液L以下であることが水洗効率を高める上で望ましい。また、水洗用ノズル7からの水洗液の噴射は連続して行なっても良いが、断続的に噴射することがより望ましい。何故ならば、断続的に水洗液を噴射する方式を用いることにより、走行糸条に与えるダメージが少なくなって、断糸の発生頻度も少なくなるからである。
【0032】
なお、本発明に係る水洗手段は、以上に説明したような「水洗液を糸条に噴き付ける水洗用ノズル」であることが水洗工程を従来よりも効率的に行なう上できわめて望ましい。しかしながら、もちろん、通常の湿式紡糸法や乾湿式紡糸法で行なわれているように、水洗浴に充填された水洗液中に上下に併設されたローラ群間に対して、走行する糸条を順次巻回させながら走行方向を変えながら走行させて、水洗液中の糸条滞留時間を稼ぐ方法を採用しても良い。
【0033】
以上に説明したように、水洗工程で繊維中から十分に溶媒を除去した後で、引き続いて水洗した糸条を乾燥工程へ供して充分に乾燥し、300〜550℃の温度範囲で熱処理を行うことが好ましい。なお、この熱処理温度が300℃未満の場合には、繊維が充分に結晶化を起こすことができないために、充分な引っ張り強度、初期モジュラスが得られない。逆に、熱処理温度が550℃を越える場合には、高温度に曝された繊維が熱劣化を引き起こすために、この場合も充分な引っ張り強度と初期モジュラスが得られない。
【0034】
以下、本発明に係る「芳香族コポリアミド繊維の製造装置」の理解を深めるために、本発明の装置を使用して、芳香族コポリアミド繊維を製造した実験例について説明する。
この実験において、先ず、窒素を内部にフローしている攪拌翼を有する攪拌槽に、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)1.940Lを投入した後、十分に乾燥させた塩化カルシウム60.0g投入し溶解させた。次いでパラフェニレンジアミン11.0g(30mol%)と、5(6)−アミノ−2−(4−アミノフェニル)ベンジミダゾール53.0g(70mol%)とを秤量して投入し溶解させた。続いてテレフタル酸クロライド68.6g(100mol%)を投入し、反応せしめてポリマー溶液を得た。この生成物に22.5重量%の水酸化カルシウムを含有するNMP分散液110.0gを添加し中和反応を行った。
得られたポリマー溶液から析出させたポリマーについて測定した粘度(ηinh)は6.0であった。
【0035】
得られたドープを用い、吐出孔径が0.15mm、吐出孔数が100個の吐出孔群が穿設された紡糸口金から毎分140ccの割合で吐出し、エアーギャップを介してNMP濃度30重量%、温度50℃の水溶液中に紡出し凝固糸を得た。流管内の凝固液の到達速度は140m/minで、凝固出側の糸の速度は150m/minで凝固した。次いで、温度30℃、濃度70%のNMP水溶液中で速度150m/minで液中を通過させて、その後、2.0倍の延伸倍率で延伸を行った。延伸後、温度50℃の水を0.5m間隔で10ケ並べたノズルから与え、水洗を実施した後、乾燥し、次いで、温度450℃下で熱処理を行い、300m/分の速度で巻き取って42dtex/25filの糸条を得た。
この繊維の機械的物性は、引っ張り強度24.9cN/dtex、初期モジュラス900cN/dtexであった。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る洗浄装置の一実施形態を模式的に例示した概略構成図である。
【符号の説明】
【0037】
1 口金
2 第1凝固装置
3 引取ローラ
4a 入側ガイドローラ
4b 出側ガイドローラ
5 第2凝固装置
6a 入側水洗ローラ
6b 出側水洗ローラ
7 水洗用ノズル
20 流管
21 第1凝固浴
21a 凝固液供給管
21b 凝固液排出管
21c オーバーフロー配管
50 駆動ローラ
51 第2凝固浴
51a 凝固液供給管
51b 凝固液排出管
51c オーバーフロー配管
G エアーギャップ
第1凝固液
第2凝固液
Y 糸条

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族コポリアミドを繊維化するための紡糸液を吐出する口金と、紡出された前記紡糸液を凝固させるための凝固液を前記口金と一定のエアギャップ形成して満たした第1凝固浴と、前記凝固液中に前記紡糸液が紡出されて繊維化された糸条を引き取る引取ローラと、前記引取ローラによって引取られた糸条の凝固を更に促進する凝固液を満たした第2凝固浴と、前記第2凝固浴中に浸漬され且つ凝固液中を走行する糸条をその上で担持しながら搬送する糸条搬送手段と、前記第2凝固浴中で凝固した糸条を一定倍率で延伸する延伸手段と、延伸後の糸条に残存した溶媒を抜き取るための水洗手段と、を少なくとも備えたことを特徴とする芳香族コポリアミド繊維の製造装置。
【請求項2】
内部に流入する凝固液を所定流速に維持しながら流下する凝固液と共に流下する紡糸液を凝固させて繊維化する流管を前記第1凝固浴に設けたことを特徴とする請求項1に記載の芳香族コポリアミド繊維の製造装置。
【請求項3】
前記水洗手段が、水洗液を糸条に噴き付ける水洗用ノズルであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の芳香族コポリアミド繊維の製造装置。
【請求項4】
前記延伸手段の後に前記水洗用ノズルを複数箇所に設け、前記水洗用ノズルから断続的に噴き出される水洗液を走行する糸条に対して複数箇所で噴き付けることを特徴とする請求項3に記載の芳香族コポリアミド繊維の製造装置。
【請求項5】
前記糸条搬送手段が、液中駆動ローラであることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の芳香族コポリアミド繊維の製造装置。

【図1】
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【公開番号】特開2008−208480(P2008−208480A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−45399(P2007−45399)
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【出願人】(303013268)帝人テクノプロダクツ株式会社 (504)
【Fターム(参考)】