説明

芳香発生装置

【課題】長時間利用後も柔らかな芳香を途絶えることなく発生させる芳香発生装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
本芳香発生装置は、多孔質材料にて形成され、芳香性の燃焼性液体を浸透吸引する本体部11及びこの本体部11の外周端部に加熱触媒の触媒金属12aを含む加熱部12からなる芳香発生部1と、この本体部11の上面部11aを蓋状に覆う多孔質性の蓋体で、この芳香発生部1の対向に形成される芳香拡散部21及び外周端部に加熱触媒の触媒金属22aを含んで形成されてこの加熱部12に接触して固定される補助加熱部22からなる分離燃焼体2とを備える構成であり、長時間利用後も柔らかな芳香を途絶えることなく発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質材料からなり触媒燃焼により芳香を発生させる芳香発生装置に関し、特に長時間利用後も適度な強さの芳香を継続して発生させる芳香発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術となる芳香発生装置は、特開2002−517699号公報(第1の背景技術)、特開2005−16925号公報(第2の背景技術)に開示されるものがある。この各背景技術を図7及び図8に従来の芳香発生装置の概略構成断面図として示す。
【0003】
図7における、この第1の背景技術に係る芳香発生装置としての、触媒燃焼バーナ及びそれを備えたフラスコは、多孔性材料により形成される触媒燃焼バーナ103であって、可燃液体をこの触媒燃焼バーナ103へ運ぶように設計された芯を受容する実質的に軸状のキャビティ106を下部103aに備え、触媒を収納するとともに触媒の無い中央ゾーン140を包囲し、気化ゾーンを形成する環状の外周ゾーン107を上部103bに備え、キャビティ106の上部124を外気に連通させる開口108を上部103bに備える構成である。
【0004】
また、図8における、この第2の背景技術に係る芳香発生装置としての、多孔性物質からなる触媒燃焼バーナー(catalyticcombustionburner)および該触媒燃焼バーナーが取り付けられた触媒燃焼フラスコ(catalyticcombustionflask)は、多孔性物質からなり上方に開くテーパーが付いている触媒燃焼バーナー213であって、前記多孔性物質の細孔に浸入する燃焼性組成物をこの触媒燃焼バーナー213に搬送する燃焼器具用芯205と連携し、触媒207を担持し、この触媒燃焼バーナー213の上部213bにおいて気化領域を形成する触媒を含まない中央領域218を周縁領域216により取り囲まれて構成される。
【特許文献1】特開2002−517699号公報
【特許文献2】特開2005−16925号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記第1の背景技術に係る芳香発生装置は、以上のように構成されていたことから、芳香を愉しむ目的で内部の可燃液体102に芳香性が含まれていることから、利用時間が長くなるにつれて触媒燃焼バーナ103の上部103bに芳香成分の蓄積が進み、芳香成分による目詰まりを起こして可燃液体102の浸透が途絶え、外周ゾーン107に収納された触媒の保温能力の消失により消火状態となり、この可燃液体102の芳香成分が加熱により気化されなくなり、キャビティ106からの自然気化による芳香のみを発生させるに止まり、この可燃液体102の芳香成分の加熱による十分な芳香が得られないという課題を有する。
【0006】
また、前記第2の背景技術に係る芳香発生装置は、以上のように構成されていたことから、芳香を愉しむ目的で燃焼性組成物に芳香性が含まれていることから、利用時間が長くなるにつれて中央領域218に芳香成分の蓄積が進み、芳香成分による目詰まりにより燃焼性組成物の浸透が途絶え、触媒207の保温能力の消失により消火状態となり、燃焼性組成物の芳香成分が気化されなくなり、芳香を愉しむことができなくなるという課題を有する。
【0007】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、長時間利用後も芳香を途絶えることなく発生し続け、さらに柔らかな芳香を発生させる芳香発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る芳香発生装置は、多孔質材料にて形成され、芳香性を有する燃焼性液体を浸透吸引する本体部と、当該本体部の外周端部に金属を加熱触媒として含ませて形成される加熱部を備え、前記本体部で吸引された燃焼性液体を前記加熱部の加熱により気化させる芳香発生装置において、前記本体部の上面を閉蓋する多孔質材料からなる蓋体で構成され、当該蓋体の外周端部に金属を加熱触媒として含ませて補助加熱部が形成され、当該補助加熱部を前記加熱部に接触させて配設される分離燃焼体を備えるものである。
【0009】
このように本発明によれば、多孔質材料にて形成され、芳香性の燃焼性液体を浸透吸引する本体部の外周端部に金属を加熱触媒として含ませて形成される加熱部の加熱により、前記本体部で吸引された燃焼性液体を気化させる芳香発生装置において、前記本体部の上面を閉蓋する多孔質材料からなる蓋体の外周端部に金属を加熱触媒として含ませて補助加熱部が形成され、当該補助加熱部を前記加熱部に接触させて配設される分離燃焼体を備えることから、前記本体部に芳香成分の蓄積により目詰まりを生じた場合でも、少なくとも前記補助加熱部の保温能力を維持することとなり、前記補助加熱部の加熱により芳香を継続して発生させることができる。また、前記補助加熱部及び前記加熱部の接触状態によっては、前記補助加熱部の保温能力が十分な場合には前記補助加熱部から前記加熱部に保温能力を伝播することができ、前記補助加熱部及び前記加熱部の加熱により一層多くの芳香を発生させることができる。さらに、気化した燃焼性液体を前記分離燃焼体の閉蓋により形成される空間内部で緩やかに加熱することとなり、柔らかな芳香を発生させることができる。
【0010】
また、本発明に係る芳香発生装置は必要に応じて、前記加熱部及び/又は前記補助加熱部が、各接触面の一方又は双方を凹凸形状に形成して構成するものである。このように本発明によれば、前記加熱部及び/又は前記補助加熱部が、各接触面の一方又は双方を凹凸形状に形成して構成することから、前記加熱部及び前記補助加熱部の接触面を極力小さく抑えられるために芳香成分の前記加熱部から前記補助加熱部への直接移動を抑止することとなり、前記本体部に芳香成分の蓄積により目詰まりを生じた場合でも、より確実に前記補助加熱部の保温能力を維持して熾火状態を継続することができる。また、前記加熱部及び前記補助加熱部の接触面で形成される外部と連通する連通孔の外部と接する面積を全方向に渡り確保することとなり、芳香をより安定的に発生させることができる。
【0011】
また、本発明に係る芳香発生装置は必要に応じて、前記本体部が、燃焼性液体側から上面まで連通する連通孔を有するものである。このように本発明によれば、前記本体部が、燃焼性液体側から上面まで連通する連通孔を有するために、芳香成分を有する状態で気化した燃焼性液体を前記本体部の上面に供給することとなり、前記加熱部及び前記補助加熱部の加熱により安定的に芳香を発生させることができる。また、前記本体部に芳香成分の蓄積により目詰まりを生じた場合でも、この連通孔を通過する気化した燃焼性液体により、前記補助加熱部がこの燃焼性液体に常に接触することとなり、前記補助加熱部が消火状態とならずに熾火状態を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る芳香発生装置を、図1から図4に基づいて説明する。この図1は本発明の第1の実施形態に係る芳香発生装置の概略構成図、図2は図1記載の芳香発生装置を装着したアロマディフューザーの全体断面図、図3は図1記載の芳香発生装置の長時間利用による目詰まり状態を示す説明図、図4は図1記載の芳香発生装置の固定例を示す概略図を示す。
【0013】
図1において、本発明の第1の実施形態に係る芳香発生装置は、多孔質材料から形成され、芳香性を有する燃焼性液体を浸透吸引し、加熱触媒の加熱により芳香を発生させる芳香発生部1と、多孔質材料から形成され、この芳香発生部1の上面に対して蓋状に覆い被せる形状で、加熱触媒を含む外周端部をこの芳香発生部1の加熱触媒に接触して設置される分離燃焼体2を備える構成である。
【0014】
また、前記芳香発生部1は、多孔質材料にて形成され、芳香性を有する燃焼性液体を浸透吸引する本体部11と、この本体部11の外周端部に触媒金属12aを加熱触媒として含ませて形成される加熱部12から構成される。
【0015】
また、前記分離燃焼体2は、前記本体部11の上面部11aを閉蓋する多孔質材料からなる蓋体で構成され、この蓋体の中央部に芳香発生部1に対向してこの上面部11aを閉塞する芳香拡散部21が形成され、この蓋体の外周端部に触媒金属22aを加熱触媒として含ませて補助加熱部22が形成され、この補助加熱部22を前記加熱部12に接触して設置される構成である。
【0016】
また、前記芳香発生部1及び前記分離燃焼体2は、素材となる多孔質材料としてセラミック製の成形体を使用することができる。また、前記触媒金属12a及び前記触媒22aは、例えば元素周期律表VIII族の金属をベースに作製することができ、例えば白金(
Pt)を使用することができる。
【0017】
また、本芳香発生装置は、図2に示すように、芳香性のある燃焼性液体43が収納される容器41の開口部42に装着される。また、前記本体部11は、この容器41の底面側へ垂下する芯体31の一部を包囲して収容するための空間として空洞13を備える。また、前記燃焼性液体43は、イソプロピルアルコール等のアルコール類に精油(エッセンシャルオイル)を含ませて作成することができる。また、本芳香発生装置は、前記芳香発生部1及び前記分離燃焼体2を備えて燃焼させることから、従来の芳香発生装置では立ち消えして使用できなかったエタノールの燃焼を可能とし、エタノールを前記アルコール類として前記燃焼性液体43に使用することもできる。
【0018】
以下、前記構成に基づく本実施形態の具体的な芳香発生装置の使用方法について説明する。本芳香発生装置の利用者は、図1に示すように、まず、前記補助加熱部22を前記加熱部12に接触させて組み付けて前記芳香発生部1と前記分離燃焼体2を固定する。
【0019】
この固定により前記芳香発生部1と前記分離燃焼体2との間に閉鎖空間Aが生成される。この閉鎖空間Aは、前記補助加熱部22の外周端部22bと前記加熱部12の上面部12bとの接触のみにより生成されるため、完全な密閉状態ではなく、前記補助加熱部22と前記加熱部12との間にこの閉鎖空間Aと外部とを連通する連通孔Bを形成する。
【0020】
前記本体部11は、図2に示すように、前記芯体31を装着して固定する。前記芯体31は、例えば綿製で紐状に作製することができる。また、前記本体部11は、初回使用時には前記燃焼性液体43に前記芯体31を少なくとも約20分間浸すことにより、前記燃焼性液体43を十分に浸潤することが望ましい。また、前記燃焼性液体43にエタノールを使用する場合には、エタノールが化学的により安全性の高いアルコール類であることから、より安全に芳香を愉しむことができる。
【0021】
利用者は、前記本体部11に前記燃焼性液体43を十分に浸潤させた後、前記加熱部12をマッチ及びライター等で着火して2分程度経過した後に火を吹き消す。加熱触媒としての触媒金属12aは、この着火及び消火により触媒燃焼を開始する。
【0022】
前記本体部11に浸潤した前記燃焼性液体43は、図1に示すように、この触媒燃焼により前記本体部11から気化し、芳香成分を含んだ気体として矢印C1の方向で前記閉鎖空間Aに放出される。また、この前記閉鎖空間Aに放出された芳香成分をもつ気体は、前記閉鎖空間Aにて前記加熱部12及び前記補助加熱部22により再度緩やかに加熱され、前記連通孔Bを通過する矢印Dの方向及び前記芳香拡散部21を通過する矢印Eの方向で外部に放出される。この放出される気体は、前記閉鎖空間Aにおけるこの緩やかな加熱により、柔らかな芳香を醸成されることとなり、一層快適な芳香を発することができる。また、本芳香発生装置は、前記芳香発生部1及び前記分離燃焼体2を備えて燃焼させることから、装置の内部及び外部ともに加熱される表面積が拡大し、さらに加熱温度も高まることとなり、芳香を多量に発生することができ、またこの芳香による消臭効果も向上させることができる。
【0023】
また、前記補助加熱部22は、図3に示すように、触媒燃焼の開始からの利用時間が長くなるにつれて前記本体部11に芳香成分43aの蓄積による目詰まりを生じて矢印Fの方向に気化した燃焼性液体43の流れが遮断される場合にも、矢印Gの方向に気化した燃焼性液体43が供給され、この供給された燃焼性液体43を触媒金属22aにより加熱することができる。前記補助加熱部22は、この加熱により保温能力を維持して熾火状態を継続することができ、芳香を継続して発生させることができる。このように、本芳香発生装置は、前記目詰まりを防止することから、芳香の発生時間を従来に比べて向上させることとなり、半年から1年につき1回の装置交換を必要とする従来装置と比較してより数倍の使用期間を確保することができ、手間をかけずに長期間に渡り芳香を愉しむことができる。
【0024】
また、前記補助加熱部22は、保温能力が十分な場合には接触する前記加熱部12に保温能力を伝播することができ、前記補助加熱部22及び前記加熱部21の加熱により一層多くの芳香を発生させることができる。前記加熱部12は、この接触構造により、従来のように長時間利用による芳香成分43aが前記加熱部12近傍の前記本体部11における多孔質体に目詰まりを生じたとしても、保温能力を消失して前記触媒金属12aが消火状態となることを前記補助加熱部22の保温能力により防止することとなり、長時間の利用においても継続して芳香を発生させることができる。
【0025】
また、前記芳香拡散部21は、多孔質性のため矢印Eの方向で芳香成分をもつ気体を通過させるが、この気体中の芳香成分が前記本体部11で目詰まりを生じる液体分子より粒子径の小さい気体分子として存在することとなり、芳香成分の多孔質体への蓄積による目詰まりを防止することができる。
【0026】
また、本芳香発生装置は、図4(a)に示すように、前記芳香発生部1に前記分離燃焼体2を重ね合わせるように係合させ、この係合状態で前記芳香発生部1及び前記芯体31を連接して固定する金属製の固定金具5及び金属を針状に成型された針状金具6により固定することもできる。この針状金具6は、例えば金属針金により作成することもできる。
【0027】
前記芳香発生部1及び前記分離燃焼体2は、同図(b)に示すように、この針状金具6を前記芳香発生部1、前記分離燃焼体2及びこの固定金具5の外周側面に連続する凹状の固定溝1a、固定溝2a及び固定溝5aに嵌め込んで固定することもできる。前記芳香発生部1及び前記分離燃焼体2は、この針状金具6を用いた固定により、接触による固定を補強することとなり、より安定的に固定することができる。
【0028】
利用者は、本芳香発生装置の利用を終える場合には、消火用キャップとして例えば密閉された外蓋を本芳香発生装置に覆い被せることで、触媒燃焼の停止とともに芳香の発生を停止することもできる。また、本芳香発生装置は、前記触媒金属12a及び前記触媒金属22aによる触媒燃焼中には300度以上の高温となるために、安全性の観点から触媒燃焼中には例えば透かし編み形状の外蓋を覆い被せて使用されることが望ましい。
【0029】
(本発明の第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る芳香発生装置を、図5に基づいて説明する。
この図5は本発明の第2の実施形態に係る芳香発生装置の概略構成図を示す。
図5において、本発明の第2の実施形態に係る芳香発生装置は、前記第1の実施形態と同様に前記本体部11及び前記加熱部12から構成される前記芳香発生部1と、前記芳香拡散部21及び前記補助加熱部22から構成される前記分離燃焼体2を備え、さらに前記芳香発生部1に前記燃焼性液体43側から前記上面部11aまで連通する連通孔11bを追加で備える構成である。
【0030】
以下、前記構成に基づく本実施形態の具体的な芳香発生装置の使用方法について説明する。本芳香発生装置は、前記第1の実施形態で記載した図2と同様に、芳香性のある燃焼性液体43が収納される容器41の開口部42に装着され、加熱触媒としての触媒金属12aへの着火及び消火により触媒燃焼が開始され芳香が外気に放出される。
【0031】
前記本体部11に浸潤した前記燃焼性液体43は、図5に示すように、この触媒燃焼により前記本体部11から気化し、芳香成分を含んだ気体として前記第1の実施形態と同様に矢印C1の方向で前記閉鎖空間Aに放出される。さらに本実施形態では、気化した前記燃焼性液体43は、前記連通孔11bを経由した印C2の方向でも前記閉鎖空間Aに放出される。
【0032】
前記燃焼性液体43は、この矢印C2の方向の気化により、芳香成分を含んだ気体を前記閉鎖空間Aに安定的に供給することとなり、前記補助加熱部22により確実に芳香成分を加熱されることができる。また、前記補助加熱部22は、この加熱により、接触接続された前記加熱部12の保温能力も維持することができる。
【0033】
また、利用者は、長時間利用の場合には、従来の前記芳香発生部1のみでは前記本体部11の多孔質体への芳香成分の蓄積による目詰まりを生じて前記加熱部12が消火状態となり、前記連通孔11bからの自然気化した芳香しか得られないが、本実施形態では前記分離燃焼体2により形成される前記閉鎖空間Aでの加熱により醸成された柔らかな芳香を得ることができる。
【0034】
(本発明のその他の実施形態)
以下、本発明のその他の実施形態に係る芳香発生装置を、図6に基づいて説明する。この図6は本発明のその他の実施形態に係る芳香発生装置の補助加熱部と加熱部の接触固定の概略図を示す。
【0035】
本発明のその他の実施形態に係る芳香発生装置は、前記第1又は第2の実施形態と同様に構成され、前記加熱部12及び/又は前記補助加熱部22が、各接触面である前記上面部12b及び前記外周端部22bの一方又は双方を凹凸形状に形成して構成することもできる。
【0036】
本実施形態において、前記上面部12bは、図6(a)に示すように、前記上面部12bに凹凸形状を有することができる。前記上面部12bは、この凸部を前記外周端部22bと接触させて固定することができる。この接触固定により形成される前記連通孔Bは、全方向に渡り安定的に形成されることとなり、外部へ安定的に芳香を発生させることができる。
【0037】
また、前記補助加熱部22は、同図(b)に示すように、前記外周端部22bに凹凸形状を有し、この凸部を前記上面部12bに接触させて固定することもできる。前記連通孔Bは、この場合も同図(a)と同様に、この接触固定により全方向に渡り安定的に形成されることとなり、外部へ安定的に芳香を発生させることができる。
【0038】
また、前記上面部12b及び前記外周端部22bも共に、同図(c)に示すように、凹凸形状を有し、この凸部を前記上面部12bに接触させて固定することもできる。この接触固定により、前記連通孔Bは、外部の気体と接する面積を拡大することとなり、一層多くの芳香を外部へ発生させることができる。
【0039】
また、本芳香発生装置は、ラベンダー、ティートリー、ローズマリー、イランイラン、ジャスミン、サンダルウッド、ローズウッド等の精油(エッセンシャルオイル)の種類を利用者に選択されることにより、芳香を愉しむことのみならず、部屋の消臭やアロマテラピーを実践することもできる。また、本芳香発生装置は、前記燃焼性液体43にヒナギクやシトロネル等の殺虫用オイルを使用することもでき、虫除けの目的でも使用することができる。さらに、このヒナギク、シトロネル等の粒径が大きい精油を使用しても目詰まりがなく、確実な燃焼によるアロマ効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る芳香発生装置の概略構成図
【図2】本発明の芳香発生装置を装着したアロマディフューザーの全体断面図
【図3】本発明の芳香発生装置の長時間利用による目詰まり状態を示す説明図
【図4】本発明の芳香発生装置の固定例を示す概略図
【図5】本発明の第2の実施形態に係る芳香発生装置の概略構成図
【図6】本発明の第2の実施形態に係る芳香発生装置の補助加熱部と加熱部の接触固定の概略図
【図7】従来の芳香発生装置の概略構成図
【図8】従来の芳香発生装置の概略構成図
【符号の説明】
【0041】
1 芳香発生部
1a 固定溝
11 本体部
11a 上面部
12 加熱部
12a 触媒金属
12b 上面部
13 空洞
2 分離燃焼体
2a 固定溝
21 芳香拡散部
22 補助加熱部
22a 触媒金属
22b 外周端部
31 芯体
41 容器
42 開口部
43 燃焼性液体
43a 芳香成分
5 固定金具
5a 固定溝
6 針状金具
A 閉鎖空間
B 連通孔
C1、C2、D〜G 気流方向
103 触媒燃焼バーナ
103a 下部
103b 上部
106 キャビティ
107 外周ゾーン
108 開口
124 上部
140 中央ゾーン
205 燃焼器具用芯
207 触媒
213 触媒燃焼バーナー
213b 上部
216 周縁領域
218 中央領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質材料にて形成され、芳香性を有する燃焼性液体を浸透吸引する本体部と、当該本体部の外周端部に金属を加熱触媒として含ませて形成される加熱部を備え、前記本体部で吸引された燃焼性液体を前記加熱部の加熱により気化させる芳香発生装置において、
前記本体部の上面を閉蓋する多孔質材料からなる蓋体で構成され、当該蓋体の外周端部に金属を加熱触媒として含ませて補助加熱部が形成され、当該補助加熱部を前記加熱部に接触させて配設される分離燃焼体を備えることを
特徴とする芳香発生装置。

【請求項2】
請求項1に記載の芳香発生装置において、
前記加熱部及び/又は前記補助加熱部が、各接触面の一方又は双方を凹凸形状に形成して構成することを
特徴とする芳香発生装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の芳香発生装置において、
前記本体部が、燃焼性液体側から上面まで連通する連通孔を有することを
特徴とする芳香発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−38371(P2010−38371A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−197975(P2008−197975)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(507328793)株式会社イマリ (3)
【Fターム(参考)】