苗植機の苗植昇降制御装置
【課題】 苗植装置の走行車体が前上りの傾斜姿勢で減速、乃至走行停止すると、フロートの浮力が低下して苗植装置が土壌面下に沈み易くなり、このフロートに設けられる施肥筒の沈下によって、この施肥筒内に泥土が詰り易くなり、正確な溝切りや、施肥作用が行われなくなる。
【解決手段】 車体1の後部に装着の苗植装置2を支持して走行土壌面を滑走しながら苗植付位置の土壌面を均平するフロート3に、この苗植付位置の土壌面に施肥案内する施肥筒4を設けた苗植機において、前記車体1の前上り傾斜が大きくなり、かつ走行速が停止状態となることによって、この苗植装置2を車体1に対して自動上昇制御して、フロート3の接地面を浮上させて、施肥筒4の土壌面下への沈下量を少くすることができ、この施肥筒4内の泥土詰り状態を防止する。
【解決手段】 車体1の後部に装着の苗植装置2を支持して走行土壌面を滑走しながら苗植付位置の土壌面を均平するフロート3に、この苗植付位置の土壌面に施肥案内する施肥筒4を設けた苗植機において、前記車体1の前上り傾斜が大きくなり、かつ走行速が停止状態となることによって、この苗植装置2を車体1に対して自動上昇制御して、フロート3の接地面を浮上させて、施肥筒4の土壌面下への沈下量を少くすることができ、この施肥筒4内の泥土詰り状態を防止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、土壌均平部に施肥筒を有して施肥しながら苗植付作業を可能とする苗植機の苗植昇降制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
施肥装置を有した苗植機において、苗植装置のフロートの上下動によって、車体及び苗植装置の土壌面に対する浮上、沈下の状態を検出して、車体に対して苗植装置を昇降制御して、土壌面の深浅変化に拘らず苗植付深さを一定に維持する技術、及び、この制御感度の切換、調節ダイヤルを設けて、走行速の加速、減速により感度を敏感、鈍感に切換え補正する技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【特許文献1】特開平9ー98614号公報(第2頁、図2)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
苗植装置のフロートに、施肥装置の施肥筒を設けて、このフロートによる均平土壌面に、苗植付作用と同時に、施肥筒によって施肥溝を形成しながら施肥作用を行わせる形態の苗植機にあっては、例えば、苗補給や、肥料補給等のために、走行車体が前上りの傾斜姿勢で減速、乃至走行停止すると、フロートの浮力が低下して苗植装置が土壌面下に沈み易くなり、このフロートに設けられる施肥筒の沈下によって、この施肥筒内に泥土が詰り易くなり、正確な溝切りや、施肥作用が行われなくなりる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明は、車体(1)の後部に装着の苗植装置(2)を支持して走行土壌面を滑走しながらこの苗植付位置の土壌面を均平するフロート(3)に、この苗植付位置の土壌面に施肥案内する施肥筒(4)を設けた苗植機において、前記車体(1)の前上り傾斜が大きくなり、かつ走行速が停止状態となることによって、この苗植装置(2)を車体(1)に対して自動上昇制御することを特徴とする苗植機の苗植昇降制御装置とする。苗植機の走行速度を減速したり、走行停止することによって、フロート(3)による浮力が低下して土壌面から沈下し易くなる。このため、車体(1)が前上り傾斜の状態に傾斜角が大きくなると、苗植装置(2)がこの車体(1)対して自動的に上昇されて、フロート(3)の接地面を浮上させて、施肥筒(4)の土壌面下への沈下量を少なくすることができ、この施肥筒(4)内の泥土詰り状態を防止する。
【0005】
請求項2に記載の発明は、前記車体(1)の前上り傾斜が大きくなり、かつ走行速が停止状態となることによって、この苗植装置(2)を車体(1)に対して所定量のみ自動上昇制御し、車体(1)の走行が後進状態となることによって、この苗植装置(2)を車体(1)に対して所定の高さに自動上昇制御することを特徴とする請求項1に記載の苗植機の苗植昇降制御装置とする。前記のように車体(1)の走行速の減速、乃至走行停止状態によって、車体(1)が前上り傾斜状態になると、この苗植装置(2)が車体(1)に対して所定量のみの自動的に上昇されて、このフロート(3)に取付けられている施肥筒(4)の土壌面下方への沈降を防止して、施肥筒(4)内への泥土詰りを防止する。又、この車体(1)の走行が停止状態から後進状態になると、この苗植装置(2)を更に上昇させて所定の高さ位置まで自動的に上昇させて、この車体(1)の後進時におけるフロート(1)や、施肥筒(4)等による土壌面接触、乃至泥掻き乱し等を防止し、施肥筒(4)の泥詰りを防止する。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に記載の発明は、走行車体1が前上り傾斜状態に減速走行、乃至走行停止することによって、この苗植装置2が車体1に対して上昇されるため、このフロート3部に設けられた施肥筒4の苗植土壌面下への沈下を少くすることができ、施肥筒4への泥詰りを防止して、施肥作用を正確に、円滑に行わせることができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、走行車体1が前上り傾斜状態で減速、乃至走行停止したとき、苗植装置4を所定量のみ上昇させて、この走行停止中にフロート3が土壌面下への沈下が少ないときは苗植装置2を上昇させないで、その後に後進状態に切換えられることによって更に上昇されて所定の高さ位置にまで自動上昇制御され、苗植装置2の円滑な後進状態を維持することができ、苗植機の走行停止や、後進状態等に応じた必要限度を苗植装置2の上昇を行わせて、無駄な上昇制御を少なくして、前記施肥筒4における泥詰りを防止すると共に、効率的な昇降制御を行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図面に基づいて、苗植機は、ステアリングハンドル5によって操向可能の前輪6と、運転席7下に搭載のエンジン8によって駆動される後輪9を配置して、四輪駆動走行形態の車体1を構成し、この車体1の後部に肥料ホッパー10に収容する肥料を繰出装置11によって繰出しながら、送風機12からの送風によって、施肥パイプ13、及び施肥筒4等を経て後側の苗植土壌面へ施肥案内する施肥装置14を搭載すると共に、この後方に昇降リンク15を介して、苗タンク16、苗植付装置17、及びフロート3等から構成される苗植装置2を装着する。
【0009】
前記車体1上には、前部のダッシュボード18から後部の運転席7にわたる左右両側部に幅広くフロア19を構成し、このダッシュボード18の外側部に補助苗受枠20を設け、このダッシュボード18上のステアリングハンドル5の周部に、モニター21や、走行速を無段変速する変速レバー22等を設けている。又、車体1上には、エンジン8によって連動される油圧無段変速装置23や、ミッションケース24等を設けて、前記前輪6や、後輪9を連動すると共に、PTO軸25を連動構成する。このPTO軸25によって前記施肥装置14の繰出装置11や送風機12等を伝動し、苗植装置2の苗タンク16や、苗植装置17等を伝動する構成としている。この車体1の中央部上に前後傾斜センサ26を設けて、車体1の前上り傾斜角や、前下り傾斜角等を検出して、コントローラ27へ入力する形態としている。又、車体1の後部の昇降リンク15は、この車体1との間のリフトシリンダ28の伸縮によって昇降され、この昇降リンク15の昇降位置を昇降リンクセンサ29によって検出する構成としている。
【0010】
前記苗植装置2は、方形状のマット苗形態に育苗された苗を受けて、左右方向へ往復移動しながら、底部の繰出ベルト30の間歇的繰出駆動によって後下部のガイド枠31の苗取出口へ向けて繰出する苗タンク16と、この苗取出口から苗植付け爪部によって分離保持した苗を、略楕円形状の植付軌跡線Dを描いて昇降して下方の土壌面へ植付ける苗植付装置17と、これら苗タンク16や苗植付装置17等を支持するフロート3と等から構成される。この苗植装置2は、苗タンク16の幅や、苗植付装置17の植付条を多条植形態に配置設定している。この苗植装置2を支持する苗植フレーム32の前端中央部にローリング軸33を有して、前記昇降リンク15後端のヒッチリンク34に対してローリング自在に装着している。この苗植フレーム32の下側中央部とこの左右両側部とにフロート3を配置している。
【0011】
前記各フロート3は、苗植フレーム32の支持軸35周りに、レバー36によって上下回動可能のフロートアーム37を設け、このフロートアーム37の後端のフロート軸38の周りに上下回動自在に支持し、このフロート3のフロート軸38周りの上下回動によって、リンク機構39を介してフロートセンサ40を連動する。そして、フロート3が土壌面を滑走しながら上下回動することによって、このフロート軸38周りに向い角αが大きくなると、フロートセンサ40の検出によって、コントローラ27を経て前記リフトシリンダ28の油圧回路の昇降電磁バルブ41を切替えて、このリフトシリンダ28を伸長して苗植装置2を上昇し、又、逆に、この向い角αが小さくなると、このリフトシリンダ28を短縮して苗植装置2を下降して、土壌面の深さ変化に応じて苗植付装置17を昇降制御して、土壌面の深さの変化に拘らず苗植付深さを一定に維持するように苗植装置2の昇降制御を行う形態としている。このフロートセンサ40は、ワイヤー42を介して前記ダッシュボード18部に設けられるフィンガレバー43に連動して昇降操作可能に構成している。又、このフィンガレバー43は、この昇降電磁バルブ41を操作して苗植装置2の昇降と、この苗植装置2の植付クラッチ44の伝動を入り、切りするもので、このフィンガレバー43には、副変速を低速、高速位置に切替える副変速スイッチ45を有する。
【0012】
前記各フロート3の左右両側部には土壌面を滑走して均平する均平部46を張出形成し、この均平部46の後側部に施肥筒4を適宜深さにのぞませて取付ける。この施肥筒4は、後側を開放し平U字状形成に形成して均平部46による均平土壌面に施肥溝を形成することができる。この施肥筒4はフロート3のブラケット47に取付け、上側に施肥パイプ13の後端部をのぞませる。更に、この施肥筒4の後側部に前記苗植付装置17の先端の植付爪部を植付作動させるように構成している。
【0013】
ここにおいて、車体1の後部に装着の苗植装置2を支持して走行土壌面を滑走しながら苗植付位置の土壌面を均平するフロート3に、この苗植付位置の土壌面に施肥案内する施肥筒4を設けた苗植機において、前記車体1の前上り傾斜が大きくなり、かつ走行速が停止状態となることによって、この苗植装置2を車体1に対して自動上昇制御する構成とする。苗植機の走行速度を減速したり、走行停止することによって、フロート3による浮力が低下して土壌面に沈下し易くなる。このため、車体1が前上り傾斜角が大きくなると、苗植装置2がこの車体1対して自動的上昇されて、フロート3の接地面を浮上させて、施肥筒4の土壌面への沈下量を少くすることができて、この結果、この施肥筒4内の泥土詰り状態を防止する。
【0014】
又、前記苗植機において、前記車体1の前上り傾斜が大きくなり、かつ走行速が停止状態となることによって、この苗植装置2を車体1に対して所定量のみ自動上昇制御し、しかも、車体1の走行が後進状態となることによって、この苗植装置2を車体1に対して所定の高さに大きく自動上昇制御することを特徴とするものである。前記のように車体1の走行速の減速、乃至走行停止状態によって、車体1が前上り傾斜状態になると、この苗植装置2が車体1に対して所定量のみの自動的に上昇されて、このフロート3に取付けられている施肥筒4の土壌面下沈降を防止して、施肥筒4内への泥土詰りを防止する。又、この車体1の走行が停止状態から後状態になると、この苗植装置2を更に上昇させて所定の高さ位置まで自動的に上昇させて、この車体1の後進時にフロート1や、施肥筒4等の土壌面接触を防止する。
【0015】
前記昇降電磁バルブ41出力によるリフトシリンダ28を伸縮して苗植装置2を昇降制御したり、自動上昇制御するコントローラ27の入力側には、前記前後傾斜センサ26や、フロートセンサ40、前後傾斜センサ26、及び車体1の走行速度、乃至走行停止状態、又は後進状態等を検出する走行センサ48等を設ける。
【0016】
例えば、苗を補助苗受枠20に搭載したり、苗タンク16に補給する場合や、肥料を肥料ホッパー10に補給する場合等において、圃場での走行車体1が前上り傾斜の姿勢で走行停止状態になると、苗植装置2のフロート3の浮力が低下して土壌面下に沈下し易くなり、このフロート3の施肥筒4も均平土壌面に沈下して、この施肥筒4内部への泥土の流入や、泥土詰り等が行われ易くなる。このような場合は、前記車体1の前上り傾斜を前後傾斜センサ26により検出し、かつ、走行速を走行センサ48により検出することによって、昇降電磁バルブ41を出力して、リフトシリンダ28により苗植装置2を自動的に上昇制御する。そして、これらフロート3、及び施肥筒4を土壌面から浮上気味にして、この施肥筒4内への泥土の詰りを少くするものである。このため、苗植、施肥作業を再開するときは、施肥装置14の施肥パイプ13を経て吐出される肥料の施肥筒4での施肥溝内への案内を的確に、円滑に行わせることができる。
【0017】
このようなフロート3の上下動によるフロートセンサ40の検出によって苗植装置2を昇降する昇降制御、又は、前後傾斜センサ26の検出によって自動的に上昇する自動上昇制御において、この前上り傾斜角が大きく、かつ走行センサ48が走行停止状態から後進状態を検出することによって、昇降電磁バルブ41を出力して、リフトシリンダ28により苗植装置2を所定高さにまで大きく上昇させて、このフロート3及び施肥筒4を土壌面上方に高く位置させて、これら施肥筒4やフロート3による土壌面摺接、乃至掻き乱しをなくして、この施肥筒4内への泥詰りを少くする。
【0018】
又、苗植走行中に操向するときは、苗植条の左、右曲りによって、左、右フロート3が浮き、沈みして、泥押作用が著しくなり、前記施肥等4に対する泥詰りを起し易くなるが、前記左、右の後輪9の回転数を検出する後輪回転センサ49を設け、これら左、右の後輪回転センサ49の回転差を検出することによって、昇降電磁バルブ41を出力して、苗植装置2を若干浮かせるように構成し、このフロート3による泥押を少くし、操向を円滑に行わせることができる。
【0019】
又、前記苗植装置2は、昇降リンク15後端のヒッチリンク34に対してローリング軸33周りにローリング自在に設けられて、ローリングモータ50の駆動によってローリング駆動することができるが、前記のように左、右の後輪回転センサ49が回転差を検出することにより、この回転数の多い側を上方へ引き上げる方向へローリング駆動して、機体の旋回操向時に、旋回外周側部が押し下げられる作用力に抗する方向へローリングして、前記施肥筒4の沈下を軽減するように構成することができる。51は苗植フレーム32上に構成する支持フレームで、前記苗タンク16の背面を支持案内し、中央部のヒッチリンク34上部との間には中立復起スプリング52を設けている。又、この支持フレーム51の前側には、各フロート3の前側の土壌面を代掻する代掻ロータ53を有した代掻フレーム54を、レバー55、及びモータ56によって昇降可能に構成している。この各代掻ロータ53は、前記PTO軸25から連動軸57を介して伝動駆動することができる。
【0020】
前記苗植装置2は、多条植形態として、各フロート3毎の2条植付装置17を単位として、畦クラッチレバー58によって伝動を入り、切りする畦クラッチを有する。畦クラッチレバー58は前記運転席7後側のフェンダ59部に設けられ、畦際植付時の苗植装置2の左側、又は右側の適数植付条分の苗植伝動畦クラッチを切りに操作して、この余りの苗植伝動クラッチ入りによる苗植装置2により苗植作業を行うことができる。この畦クラッチレバー58の入り、切り位置を検出する畦クラッチレバーセンサ60を設け、前記各畦クラッチは畦クラッチモータ61によって入り、切り作動される。
【0021】
前記施肥装置14は、各苗植装置2の苗植条毎に対応して左右横方向に沿って配置されて、この一側端部に送風機12を設け、送風パイプ62を介して各施肥パイプ13に送風することができる。この各施肥パイプ13は後下方に対向する施肥筒4上にのぞませて、各繰出装置11から繰出される肥料を受けて風送することができる。63は残留肥料を回収するとき搬送案内する回収パイプである。
【0022】
次に、主として、図6、図7に基づいて、苗植機の一部の操作をリモコン66によって行うものである。前記苗植機には、モニター21に左、右一対のウインカパイロットランプ67、ウインカレバー68、苗植装置2昇降制御の感度調節ダイヤル69、及び代掻ロータ53の昇降位置を決めるロータ昇降ダイヤル70等を配置する。又、リモコン66には、これら各部を操作するためのスイッチを配置して、リモコン操作可能の構成としている。苗植機の運転席7に搭乗して作業する運転者とは別に、補助者が畦上に居てこの作業機の作業状態を監視しながら、その操作状態を運転者に知らせるために、リモコン66操作によりモニター21の各表示部に送信して操作状態を各パイロットランプ点灯表示させる。運転者は、運転操作しながらこのモニター21上の表示を見て、必要な運転操作、乃至修正操作を行うことができる。例えば、苗植条が曲進している場合は、リモコン66の左、右ウインカスイッチ71を操作することによって、左、右いずれか一方のウインカパイロットランプ67が点滅されて、曲進方向を運転者に知らせることができる。又、畦際苗植行程において、リモコン66の左、中、右の畦クラッチスイッチ72を選択操作することにより、運転者の操作には関係なく前記畦クラッチモータ61を駆動して畦クラッチを選択することができる。又、フロート3による泥押状態を見ながら昇降制御の油圧感度を調節する感度ダイヤル69を感度スイッチダイヤル73に代る感度調節を操作する。又、代掻ロータ53の作用状態を見ながら、リモコン66のロータ昇降スイッチダイヤル74を操作して、ロータ昇降モータ56を駆動して、代掻ロータ53の高さを調節することができる。更には、リモコン66のローリングスイッチ75を操作することによって、ローリングモータ50を駆動して、オートローリング制御の左右傾斜の調整を行うことができる。
【0023】
次に、主として図10に基づいて、前記ステアリングハンドル5のステアリング軸77を、ヒンジ78周りに後側へ折曲回動可能のチルトハンドル形態に構成して、このステアリング軸77の折曲回動によってON操作されるスイッチ79を設け、このスイッチ79をエンジンスタータ80の回路81に設ける。82はバッテリーである。苗植機を長期使用しないときは、このステアリングハンドル5を後側へ倒しておくことによって、スイッチ79をOFFにして、バッテリー82の放電を少くすることができる。
【0024】
次に、主として図11に基づいて、前記苗植機車体1の前輪6の外側に設けるホイルカバーディスク85を、スプリング86で押圧させて、これら前輪6とホイルカバーディスク85との間に石礫等が噛み込まれても、このスプリング86の弾性によって圧力吸収して、石礫87等の離脱が行われ易い形態としたものである。このスプリング86、及びホイルカバーディスク85は、車軸88先端部に外側から嵌合させて、この外側からホイルキャップ89を嵌合させて、ボルト90をこの車軸88端に締め付けて取付固定している。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】苗植機の側面図。
【図2】その平面図。
【図3】その一部の苗植装置部の側面図。
【図4】その正面図。
【図5】そのフロート部の側面図。
【図6】リモコンの平面図と、モニター部の平面図。
【図7】苗植昇降制御装置部のブロック図。
【図8】施肥装置部の背面図。
【図9】その側面図。
【図10】ステアリングハンドル部の側面図と、そのスイッチ回路図。
【図11】前輪の側面と平断面図。
【符号の説明】
【0026】
1 車体
2 苗植装置
3 フロート
4 施肥筒
【技術分野】
【0001】
この発明は、土壌均平部に施肥筒を有して施肥しながら苗植付作業を可能とする苗植機の苗植昇降制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
施肥装置を有した苗植機において、苗植装置のフロートの上下動によって、車体及び苗植装置の土壌面に対する浮上、沈下の状態を検出して、車体に対して苗植装置を昇降制御して、土壌面の深浅変化に拘らず苗植付深さを一定に維持する技術、及び、この制御感度の切換、調節ダイヤルを設けて、走行速の加速、減速により感度を敏感、鈍感に切換え補正する技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【特許文献1】特開平9ー98614号公報(第2頁、図2)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
苗植装置のフロートに、施肥装置の施肥筒を設けて、このフロートによる均平土壌面に、苗植付作用と同時に、施肥筒によって施肥溝を形成しながら施肥作用を行わせる形態の苗植機にあっては、例えば、苗補給や、肥料補給等のために、走行車体が前上りの傾斜姿勢で減速、乃至走行停止すると、フロートの浮力が低下して苗植装置が土壌面下に沈み易くなり、このフロートに設けられる施肥筒の沈下によって、この施肥筒内に泥土が詰り易くなり、正確な溝切りや、施肥作用が行われなくなりる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明は、車体(1)の後部に装着の苗植装置(2)を支持して走行土壌面を滑走しながらこの苗植付位置の土壌面を均平するフロート(3)に、この苗植付位置の土壌面に施肥案内する施肥筒(4)を設けた苗植機において、前記車体(1)の前上り傾斜が大きくなり、かつ走行速が停止状態となることによって、この苗植装置(2)を車体(1)に対して自動上昇制御することを特徴とする苗植機の苗植昇降制御装置とする。苗植機の走行速度を減速したり、走行停止することによって、フロート(3)による浮力が低下して土壌面から沈下し易くなる。このため、車体(1)が前上り傾斜の状態に傾斜角が大きくなると、苗植装置(2)がこの車体(1)対して自動的に上昇されて、フロート(3)の接地面を浮上させて、施肥筒(4)の土壌面下への沈下量を少なくすることができ、この施肥筒(4)内の泥土詰り状態を防止する。
【0005】
請求項2に記載の発明は、前記車体(1)の前上り傾斜が大きくなり、かつ走行速が停止状態となることによって、この苗植装置(2)を車体(1)に対して所定量のみ自動上昇制御し、車体(1)の走行が後進状態となることによって、この苗植装置(2)を車体(1)に対して所定の高さに自動上昇制御することを特徴とする請求項1に記載の苗植機の苗植昇降制御装置とする。前記のように車体(1)の走行速の減速、乃至走行停止状態によって、車体(1)が前上り傾斜状態になると、この苗植装置(2)が車体(1)に対して所定量のみの自動的に上昇されて、このフロート(3)に取付けられている施肥筒(4)の土壌面下方への沈降を防止して、施肥筒(4)内への泥土詰りを防止する。又、この車体(1)の走行が停止状態から後進状態になると、この苗植装置(2)を更に上昇させて所定の高さ位置まで自動的に上昇させて、この車体(1)の後進時におけるフロート(1)や、施肥筒(4)等による土壌面接触、乃至泥掻き乱し等を防止し、施肥筒(4)の泥詰りを防止する。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に記載の発明は、走行車体1が前上り傾斜状態に減速走行、乃至走行停止することによって、この苗植装置2が車体1に対して上昇されるため、このフロート3部に設けられた施肥筒4の苗植土壌面下への沈下を少くすることができ、施肥筒4への泥詰りを防止して、施肥作用を正確に、円滑に行わせることができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、走行車体1が前上り傾斜状態で減速、乃至走行停止したとき、苗植装置4を所定量のみ上昇させて、この走行停止中にフロート3が土壌面下への沈下が少ないときは苗植装置2を上昇させないで、その後に後進状態に切換えられることによって更に上昇されて所定の高さ位置にまで自動上昇制御され、苗植装置2の円滑な後進状態を維持することができ、苗植機の走行停止や、後進状態等に応じた必要限度を苗植装置2の上昇を行わせて、無駄な上昇制御を少なくして、前記施肥筒4における泥詰りを防止すると共に、効率的な昇降制御を行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図面に基づいて、苗植機は、ステアリングハンドル5によって操向可能の前輪6と、運転席7下に搭載のエンジン8によって駆動される後輪9を配置して、四輪駆動走行形態の車体1を構成し、この車体1の後部に肥料ホッパー10に収容する肥料を繰出装置11によって繰出しながら、送風機12からの送風によって、施肥パイプ13、及び施肥筒4等を経て後側の苗植土壌面へ施肥案内する施肥装置14を搭載すると共に、この後方に昇降リンク15を介して、苗タンク16、苗植付装置17、及びフロート3等から構成される苗植装置2を装着する。
【0009】
前記車体1上には、前部のダッシュボード18から後部の運転席7にわたる左右両側部に幅広くフロア19を構成し、このダッシュボード18の外側部に補助苗受枠20を設け、このダッシュボード18上のステアリングハンドル5の周部に、モニター21や、走行速を無段変速する変速レバー22等を設けている。又、車体1上には、エンジン8によって連動される油圧無段変速装置23や、ミッションケース24等を設けて、前記前輪6や、後輪9を連動すると共に、PTO軸25を連動構成する。このPTO軸25によって前記施肥装置14の繰出装置11や送風機12等を伝動し、苗植装置2の苗タンク16や、苗植装置17等を伝動する構成としている。この車体1の中央部上に前後傾斜センサ26を設けて、車体1の前上り傾斜角や、前下り傾斜角等を検出して、コントローラ27へ入力する形態としている。又、車体1の後部の昇降リンク15は、この車体1との間のリフトシリンダ28の伸縮によって昇降され、この昇降リンク15の昇降位置を昇降リンクセンサ29によって検出する構成としている。
【0010】
前記苗植装置2は、方形状のマット苗形態に育苗された苗を受けて、左右方向へ往復移動しながら、底部の繰出ベルト30の間歇的繰出駆動によって後下部のガイド枠31の苗取出口へ向けて繰出する苗タンク16と、この苗取出口から苗植付け爪部によって分離保持した苗を、略楕円形状の植付軌跡線Dを描いて昇降して下方の土壌面へ植付ける苗植付装置17と、これら苗タンク16や苗植付装置17等を支持するフロート3と等から構成される。この苗植装置2は、苗タンク16の幅や、苗植付装置17の植付条を多条植形態に配置設定している。この苗植装置2を支持する苗植フレーム32の前端中央部にローリング軸33を有して、前記昇降リンク15後端のヒッチリンク34に対してローリング自在に装着している。この苗植フレーム32の下側中央部とこの左右両側部とにフロート3を配置している。
【0011】
前記各フロート3は、苗植フレーム32の支持軸35周りに、レバー36によって上下回動可能のフロートアーム37を設け、このフロートアーム37の後端のフロート軸38の周りに上下回動自在に支持し、このフロート3のフロート軸38周りの上下回動によって、リンク機構39を介してフロートセンサ40を連動する。そして、フロート3が土壌面を滑走しながら上下回動することによって、このフロート軸38周りに向い角αが大きくなると、フロートセンサ40の検出によって、コントローラ27を経て前記リフトシリンダ28の油圧回路の昇降電磁バルブ41を切替えて、このリフトシリンダ28を伸長して苗植装置2を上昇し、又、逆に、この向い角αが小さくなると、このリフトシリンダ28を短縮して苗植装置2を下降して、土壌面の深さ変化に応じて苗植付装置17を昇降制御して、土壌面の深さの変化に拘らず苗植付深さを一定に維持するように苗植装置2の昇降制御を行う形態としている。このフロートセンサ40は、ワイヤー42を介して前記ダッシュボード18部に設けられるフィンガレバー43に連動して昇降操作可能に構成している。又、このフィンガレバー43は、この昇降電磁バルブ41を操作して苗植装置2の昇降と、この苗植装置2の植付クラッチ44の伝動を入り、切りするもので、このフィンガレバー43には、副変速を低速、高速位置に切替える副変速スイッチ45を有する。
【0012】
前記各フロート3の左右両側部には土壌面を滑走して均平する均平部46を張出形成し、この均平部46の後側部に施肥筒4を適宜深さにのぞませて取付ける。この施肥筒4は、後側を開放し平U字状形成に形成して均平部46による均平土壌面に施肥溝を形成することができる。この施肥筒4はフロート3のブラケット47に取付け、上側に施肥パイプ13の後端部をのぞませる。更に、この施肥筒4の後側部に前記苗植付装置17の先端の植付爪部を植付作動させるように構成している。
【0013】
ここにおいて、車体1の後部に装着の苗植装置2を支持して走行土壌面を滑走しながら苗植付位置の土壌面を均平するフロート3に、この苗植付位置の土壌面に施肥案内する施肥筒4を設けた苗植機において、前記車体1の前上り傾斜が大きくなり、かつ走行速が停止状態となることによって、この苗植装置2を車体1に対して自動上昇制御する構成とする。苗植機の走行速度を減速したり、走行停止することによって、フロート3による浮力が低下して土壌面に沈下し易くなる。このため、車体1が前上り傾斜角が大きくなると、苗植装置2がこの車体1対して自動的上昇されて、フロート3の接地面を浮上させて、施肥筒4の土壌面への沈下量を少くすることができて、この結果、この施肥筒4内の泥土詰り状態を防止する。
【0014】
又、前記苗植機において、前記車体1の前上り傾斜が大きくなり、かつ走行速が停止状態となることによって、この苗植装置2を車体1に対して所定量のみ自動上昇制御し、しかも、車体1の走行が後進状態となることによって、この苗植装置2を車体1に対して所定の高さに大きく自動上昇制御することを特徴とするものである。前記のように車体1の走行速の減速、乃至走行停止状態によって、車体1が前上り傾斜状態になると、この苗植装置2が車体1に対して所定量のみの自動的に上昇されて、このフロート3に取付けられている施肥筒4の土壌面下沈降を防止して、施肥筒4内への泥土詰りを防止する。又、この車体1の走行が停止状態から後状態になると、この苗植装置2を更に上昇させて所定の高さ位置まで自動的に上昇させて、この車体1の後進時にフロート1や、施肥筒4等の土壌面接触を防止する。
【0015】
前記昇降電磁バルブ41出力によるリフトシリンダ28を伸縮して苗植装置2を昇降制御したり、自動上昇制御するコントローラ27の入力側には、前記前後傾斜センサ26や、フロートセンサ40、前後傾斜センサ26、及び車体1の走行速度、乃至走行停止状態、又は後進状態等を検出する走行センサ48等を設ける。
【0016】
例えば、苗を補助苗受枠20に搭載したり、苗タンク16に補給する場合や、肥料を肥料ホッパー10に補給する場合等において、圃場での走行車体1が前上り傾斜の姿勢で走行停止状態になると、苗植装置2のフロート3の浮力が低下して土壌面下に沈下し易くなり、このフロート3の施肥筒4も均平土壌面に沈下して、この施肥筒4内部への泥土の流入や、泥土詰り等が行われ易くなる。このような場合は、前記車体1の前上り傾斜を前後傾斜センサ26により検出し、かつ、走行速を走行センサ48により検出することによって、昇降電磁バルブ41を出力して、リフトシリンダ28により苗植装置2を自動的に上昇制御する。そして、これらフロート3、及び施肥筒4を土壌面から浮上気味にして、この施肥筒4内への泥土の詰りを少くするものである。このため、苗植、施肥作業を再開するときは、施肥装置14の施肥パイプ13を経て吐出される肥料の施肥筒4での施肥溝内への案内を的確に、円滑に行わせることができる。
【0017】
このようなフロート3の上下動によるフロートセンサ40の検出によって苗植装置2を昇降する昇降制御、又は、前後傾斜センサ26の検出によって自動的に上昇する自動上昇制御において、この前上り傾斜角が大きく、かつ走行センサ48が走行停止状態から後進状態を検出することによって、昇降電磁バルブ41を出力して、リフトシリンダ28により苗植装置2を所定高さにまで大きく上昇させて、このフロート3及び施肥筒4を土壌面上方に高く位置させて、これら施肥筒4やフロート3による土壌面摺接、乃至掻き乱しをなくして、この施肥筒4内への泥詰りを少くする。
【0018】
又、苗植走行中に操向するときは、苗植条の左、右曲りによって、左、右フロート3が浮き、沈みして、泥押作用が著しくなり、前記施肥等4に対する泥詰りを起し易くなるが、前記左、右の後輪9の回転数を検出する後輪回転センサ49を設け、これら左、右の後輪回転センサ49の回転差を検出することによって、昇降電磁バルブ41を出力して、苗植装置2を若干浮かせるように構成し、このフロート3による泥押を少くし、操向を円滑に行わせることができる。
【0019】
又、前記苗植装置2は、昇降リンク15後端のヒッチリンク34に対してローリング軸33周りにローリング自在に設けられて、ローリングモータ50の駆動によってローリング駆動することができるが、前記のように左、右の後輪回転センサ49が回転差を検出することにより、この回転数の多い側を上方へ引き上げる方向へローリング駆動して、機体の旋回操向時に、旋回外周側部が押し下げられる作用力に抗する方向へローリングして、前記施肥筒4の沈下を軽減するように構成することができる。51は苗植フレーム32上に構成する支持フレームで、前記苗タンク16の背面を支持案内し、中央部のヒッチリンク34上部との間には中立復起スプリング52を設けている。又、この支持フレーム51の前側には、各フロート3の前側の土壌面を代掻する代掻ロータ53を有した代掻フレーム54を、レバー55、及びモータ56によって昇降可能に構成している。この各代掻ロータ53は、前記PTO軸25から連動軸57を介して伝動駆動することができる。
【0020】
前記苗植装置2は、多条植形態として、各フロート3毎の2条植付装置17を単位として、畦クラッチレバー58によって伝動を入り、切りする畦クラッチを有する。畦クラッチレバー58は前記運転席7後側のフェンダ59部に設けられ、畦際植付時の苗植装置2の左側、又は右側の適数植付条分の苗植伝動畦クラッチを切りに操作して、この余りの苗植伝動クラッチ入りによる苗植装置2により苗植作業を行うことができる。この畦クラッチレバー58の入り、切り位置を検出する畦クラッチレバーセンサ60を設け、前記各畦クラッチは畦クラッチモータ61によって入り、切り作動される。
【0021】
前記施肥装置14は、各苗植装置2の苗植条毎に対応して左右横方向に沿って配置されて、この一側端部に送風機12を設け、送風パイプ62を介して各施肥パイプ13に送風することができる。この各施肥パイプ13は後下方に対向する施肥筒4上にのぞませて、各繰出装置11から繰出される肥料を受けて風送することができる。63は残留肥料を回収するとき搬送案内する回収パイプである。
【0022】
次に、主として、図6、図7に基づいて、苗植機の一部の操作をリモコン66によって行うものである。前記苗植機には、モニター21に左、右一対のウインカパイロットランプ67、ウインカレバー68、苗植装置2昇降制御の感度調節ダイヤル69、及び代掻ロータ53の昇降位置を決めるロータ昇降ダイヤル70等を配置する。又、リモコン66には、これら各部を操作するためのスイッチを配置して、リモコン操作可能の構成としている。苗植機の運転席7に搭乗して作業する運転者とは別に、補助者が畦上に居てこの作業機の作業状態を監視しながら、その操作状態を運転者に知らせるために、リモコン66操作によりモニター21の各表示部に送信して操作状態を各パイロットランプ点灯表示させる。運転者は、運転操作しながらこのモニター21上の表示を見て、必要な運転操作、乃至修正操作を行うことができる。例えば、苗植条が曲進している場合は、リモコン66の左、右ウインカスイッチ71を操作することによって、左、右いずれか一方のウインカパイロットランプ67が点滅されて、曲進方向を運転者に知らせることができる。又、畦際苗植行程において、リモコン66の左、中、右の畦クラッチスイッチ72を選択操作することにより、運転者の操作には関係なく前記畦クラッチモータ61を駆動して畦クラッチを選択することができる。又、フロート3による泥押状態を見ながら昇降制御の油圧感度を調節する感度ダイヤル69を感度スイッチダイヤル73に代る感度調節を操作する。又、代掻ロータ53の作用状態を見ながら、リモコン66のロータ昇降スイッチダイヤル74を操作して、ロータ昇降モータ56を駆動して、代掻ロータ53の高さを調節することができる。更には、リモコン66のローリングスイッチ75を操作することによって、ローリングモータ50を駆動して、オートローリング制御の左右傾斜の調整を行うことができる。
【0023】
次に、主として図10に基づいて、前記ステアリングハンドル5のステアリング軸77を、ヒンジ78周りに後側へ折曲回動可能のチルトハンドル形態に構成して、このステアリング軸77の折曲回動によってON操作されるスイッチ79を設け、このスイッチ79をエンジンスタータ80の回路81に設ける。82はバッテリーである。苗植機を長期使用しないときは、このステアリングハンドル5を後側へ倒しておくことによって、スイッチ79をOFFにして、バッテリー82の放電を少くすることができる。
【0024】
次に、主として図11に基づいて、前記苗植機車体1の前輪6の外側に設けるホイルカバーディスク85を、スプリング86で押圧させて、これら前輪6とホイルカバーディスク85との間に石礫等が噛み込まれても、このスプリング86の弾性によって圧力吸収して、石礫87等の離脱が行われ易い形態としたものである。このスプリング86、及びホイルカバーディスク85は、車軸88先端部に外側から嵌合させて、この外側からホイルキャップ89を嵌合させて、ボルト90をこの車軸88端に締め付けて取付固定している。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】苗植機の側面図。
【図2】その平面図。
【図3】その一部の苗植装置部の側面図。
【図4】その正面図。
【図5】そのフロート部の側面図。
【図6】リモコンの平面図と、モニター部の平面図。
【図7】苗植昇降制御装置部のブロック図。
【図8】施肥装置部の背面図。
【図9】その側面図。
【図10】ステアリングハンドル部の側面図と、そのスイッチ回路図。
【図11】前輪の側面と平断面図。
【符号の説明】
【0026】
1 車体
2 苗植装置
3 フロート
4 施肥筒
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体(1)の後部に装着の苗植装置(2)を支持して走行土壌面を滑走しながらこの苗植付位置の土壌面を均平するフロート(3)に、この苗植付位置の土壌面に施肥案内する施肥筒(4)を設けた苗植機において、前記車体(1)の前上り傾斜が大きくなり、かつ走行速が停止状態となることによって、この苗植装置(2)を車体(1)に対して自動上昇制御することを特徴とする苗植機の苗植昇降制御装置。
【請求項2】
前記車体(1)の前上り傾斜が大きくなり、かつ走行速が停止状態となることによって、この苗植装置(2)を車体(1)に対して所定量のみ自動上昇制御し、車体(1)の走行が後進状態となることによって、この苗植装置(2)を車体(1)に対して所定の高さに自動上昇制御することを特徴とする請求項1に記載の苗植機の苗植昇降制御装置。
【請求項1】
車体(1)の後部に装着の苗植装置(2)を支持して走行土壌面を滑走しながらこの苗植付位置の土壌面を均平するフロート(3)に、この苗植付位置の土壌面に施肥案内する施肥筒(4)を設けた苗植機において、前記車体(1)の前上り傾斜が大きくなり、かつ走行速が停止状態となることによって、この苗植装置(2)を車体(1)に対して自動上昇制御することを特徴とする苗植機の苗植昇降制御装置。
【請求項2】
前記車体(1)の前上り傾斜が大きくなり、かつ走行速が停止状態となることによって、この苗植装置(2)を車体(1)に対して所定量のみ自動上昇制御し、車体(1)の走行が後進状態となることによって、この苗植装置(2)を車体(1)に対して所定の高さに自動上昇制御することを特徴とする請求項1に記載の苗植機の苗植昇降制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−104256(P2010−104256A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−277060(P2008−277060)
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]