苗移植機
【課題】苗トレイの苗ポットから植付部の植付爪までの受継ぎを高速に行える苗爪体を有する苗移植機を提供すること。
【解決手段】
苗ポット中の苗を進退及び挟持作動により順次取り出して、植付爪に受け渡す一対の苗爪体よりなる苗取爪を具備した苗移植機において、苗取爪における一対の苗爪体の苗挟持作用部を、それぞれ複数本に分岐している。このように、苗挟持作用部を複数本に分岐することにより、苗トレイの苗ポット内の苗に対して、挟持して作用する作用点が増えることになり、苗ポットから抜き出した苗を安定した姿勢で保持できる共に、苗を植付爪上まで運んだ後、最適なタイミング及び最適な方向で一対の苗爪体をそれぞれ離間する方向に開くことで、従来に比べて高速で安定した植付精度を実現することができる。
【解決手段】
苗ポット中の苗を進退及び挟持作動により順次取り出して、植付爪に受け渡す一対の苗爪体よりなる苗取爪を具備した苗移植機において、苗取爪における一対の苗爪体の苗挟持作用部を、それぞれ複数本に分岐している。このように、苗挟持作用部を複数本に分岐することにより、苗トレイの苗ポット内の苗に対して、挟持して作用する作用点が増えることになり、苗ポットから抜き出した苗を安定した姿勢で保持できる共に、苗を植付爪上まで運んだ後、最適なタイミング及び最適な方向で一対の苗爪体をそれぞれ離間する方向に開くことで、従来に比べて高速で安定した植付精度を実現することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場内の畝にポット苗を移植する苗移植機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、苗移植機の一形態として、苗トレイに多数の苗ポットを形成し、苗ポット中に育苗したポット苗を、苗取爪の先端部に設けた苗挟持作用部を略平行状態で苗ポット中に挿入し、次いで、苗挟持作用部の間隔を狭めることによりポット苗を挾持して、同挾持状態にて苗取爪を苗ポットから離隔させることによりポット苗を苗ポット中から取出し、受渡し位置まで搬送して植付機構に供給し、同植付機構によりポット苗の移植を行なうようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、苗移植機の苗取爪は一対の苗爪体を有し、その苗爪体の先端部に設けた苗挟持作用部は箸のような長細い針形状を有している。または、ねぎ、玉ねぎ用の苗移植機の苗取爪の苗爪体は、その先端の苗挟持作用部が先細りで、その中途部が平坦な長楕円形状を有している。
【特許文献1】特開2002−000015号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、白菜の若苗などは、移植適期時に根の張りが未発達であるため、苗ポット内に根が張り巡らされていない状態であり、苗爪体で挟持しても、一対の苗爪体から落下してしまう等の不具合がある。また、根の張りが発達した後の苗取作業では、苗爪体による挟持作業を高速化すると、前記針形状の苗爪体では高速作業時の衝動等で保持力の弱いポット苗が不用意に脱落し、植付爪への受継ぎが乱れ、安定した高速植付ができない不都合が生じる。
【0005】
また、上記した玉ねぎ用の苗移植機の苗取爪は、平坦な長楕円形状を有しているので、その先端の鋭利な端縁によりポット苗の葉やポット苗の張根を傷付けるおそれがある。このため、平坦な長楕円形状を有する苗取爪では、ねぎ類、コーン等の細い葉を有するポット苗にしか適用できず、レタス、白菜、キャベツ等の広い葉を有するポット苗には適用できない不都合が生じる。
【0006】
この発明は、上記問題を解決するためになされたもので、苗トレイの苗ポットから植付部の植付爪までの受継ぎを高速に行える苗爪体を有する苗移植機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、苗ポット中のポット苗を進退及び挟持作動により順次取り出して、植付爪に受け渡す一対の苗爪体よりなる苗取爪を具備した苗移植機において、苗取爪における一対の苗爪体の苗挟持作用部を、それぞれ複数本に分岐したことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記一対の苗爪体を二又に分岐したフォーク状としたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記一対の苗爪体の間隔と苗爪体の幅員とが略同一であることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記一対の苗爪体の先端部が苗ポットの略四隅部に挿入されることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記一対の苗爪体の外周をそれぞれ摺動自在に囲繞した環状の苗押出具の中央に二又に分岐した苗爪体の溝部を横断する架線を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記一対の二又状の苗爪体の先端外側部と溝部を先端に向かって挟持状のテーパーとしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
(1)請求項1記載の本発明では、苗ポット中のポット苗を進退及び挟持作動により順次取り出して、植付爪に受け渡す一対の苗爪体よりなる苗取爪を具備した苗移植機において、苗取爪における一対の苗爪体の苗挟持作用部を、それぞれ複数本に分岐している。
【0014】
このように、一対の苗爪体の苗挟持作用部を複数本に分岐することにより、分岐間隔の空隙部分が形成されるため、苗爪体が苗ポット中に挿入された際に、この空隙部分により可及的にポット内の苗張り根又はポット苗の葉との接触による損傷を回避することができ、しかも、ポット苗の挟持は分岐した苗挟持作用部で確実に行える。
【0015】
(2)請求項2記載の本発明では、一対の苗爪体の苗挟持作用部を二又に分岐したフォーク状としたので、ポット苗の中心部より離隔した位置に二又の苗爪体を挿入して挟持することができ、請求項1の効果と同様に、苗張り根又はポット苗の葉の損傷を回避し、かつ挟持を確実に行える。
【0016】
(3)請求項3記載の本発明では、前記一対の苗爪体の間隔と苗爪体の幅員とが略同一であるので、苗ポットが略正方形の開口部を有するため、苗爪体を苗ポットに挿入する際に、一対の苗爪体の間隔と苗爪体の幅員とが略正方形の開口部の縦辺と横辺に対応して、苗爪体先端部が少なくとも略正方形の開口部の四隅近傍に挿入されることになり、苗ポット内の略中央に位置するポット苗の張り根又はポット苗の葉に対して傷を付けることを少なくすると共に、ポット苗を安定した姿勢で保持することができる。
【0017】
(4)請求項4記載の本発明では、前記一対の苗爪体の先端部が苗ポットの略四隅部に挿入されるようにしている。このように、苗ポットの略四隅にはポット苗の張根があまり張り出していないので、根や葉の可及的に少ない四隅部に苗爪体の分岐先端部を挿入することができ、ポット苗の張り根又はポット苗の葉に対して傷を付けることが少なくなると共に、ポット苗を安定した姿勢で保持することができる。
【0018】
(5)請求項5記載の本発明では、前記一対の苗爪体の外周をそれぞれ摺動自在に囲繞した環状の苗押出具の中央に二又に分岐した苗爪体の溝部を横断する架線を設けているので、挟持したポット苗の中央部分及び苗爪体の外側に位置する苗端縁部を架線と環状の線体部分とにより、ポット苗を下方に押出すことになるため、特にポット苗の中央部分の押出機能が高まり、押出作動を確実に迅速に行えると共に、苗爪体の複数本の苗挟持作用部の間に付着する土を架線で掻き落として、複数本に分岐した苗挟持作用部の隙間をクリーニングすることができる。
【0019】
(6)請求項6記載の本発明では、前記一対の二又状の苗爪体の先端外側部と溝部を先端に向かって挟持状のテーパーとしているので、苗挟持作用部を直線的な分岐爪に対して、挟持作用面積をテーパーとすることにより、傾斜状の対角線を中心として、可視方形状の挟持作用面積を大きく得ることができる。また、テーパー挟持時でのポット苗の方向に作用させる力を集中させることができ、安定した姿勢でポット苗を保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係る最良形態としての苗移植機は、白菜、キャベツ、ねぎ等のポット苗を自動的に圃場に植え付ける全自動野菜移植機であり、苗ポット中のポット苗を進退及び挟持作動により順次取り出して、植付爪に受け渡す一対の苗爪体よりなる苗取爪を具備している。
【0021】
そして、特徴的構造として、本発明に係る苗移植機は、苗取爪における一対の苗爪体の苗挟持作用部を、それぞれ複数本に分岐している。また、別の特徴的構造として、苗移植機は、前記一対の苗爪体を二又に分岐したフォーク状としている。さらに、前記一対の苗爪体の間隔と苗爪体の幅員とが略同一としている。さらに、前記一対の苗爪体の先端部が苗ポットの略四隅部に挿入されることとしている。
【実施例1】
【0022】
以下に、本発明の実施例1を、図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1に示すAは、本発明に係る苗移植機であり、同苗移植機Aは、走行部1と、同走行部1の後部に配設した苗供給部2と、同苗供給部2の前方位置に配設した苗移植部3とを具備して、走行部1を圃場Gにて自走させながら、苗供給部2から供給されるポット苗Nを苗移植部3により圃場Gの畝面Uに移植するようにしている。
【0024】
走行部1は、機体フレーム4の前部に左右一対の前車輪支持アーム(図示せず)を介して前車輪6,6を取り付けると共に、後部に左右一対の後車輪支持アームとしての後車輪駆動ケース7,7を介して後車輪8,8を取り付けており、これら前・後車輪6,6,8,8は、昇降機構(図示せず)に連動連結して、同昇降機構9が昇降センサとしても機能する鎮圧輪(図示せず)の畝面Uに沿った昇降動作量に基づいて、前・後車輪6,6,8,8を昇降させることにより、苗移植部3によるポット苗Nの植付深さを一定に保持することができるようにしている。
【0025】
そして、機体フレーム4上の前部にエンジン10を搭載し、同エンジン10の後方位置にミッションケース11を配設すると共に、同ミッションケース11をエンジン10に連動連結し、同ミッションケース11に上記後車輪駆動ケース7,7と前記苗供給部2と苗移植部3とを連動連結している。12はボンネット、13は予備苗載台である。
【0026】
また、機体フレーム4の後端部には、図1及び図2に示すように、支持体14を介して左右一対のハンドル支持フレーム15,15を後上方へ向けて延設し、両ハンドル支持フレーム15,15の後端部に平面視U状に形成したハンドル16を取り付けており、同ハンドル16の下部間に下部レバーガイド支持体17を架設し、同下部レバーガイド支持体17に植深調節レバーガイド体18と株間調節レバーガイド体19と主変速レバーガイド体(図示せず)とを左右方向に隣接させて配置している。
【0027】
そして、ハンドル16の上部間に上部レバーガイド支持体24を架設し、同上部レバーガイド支持体24の左側部に植付クラッチレバーガイド体25を配置する一方、右側部に昇降レバーガイド体26を配置している。
【0028】
左右一対のハンドル支持フレーム15,15の下方に前後方向に伸延する覆土輪支持体34を架設して、同覆土輪支持体34に覆土輪33を取り付けている。
【0029】
苗供給部2は、図1に示すように、左右一対のハンドル支持フレーム15,15の中途部間に配設しており、苗トレイTを縦搬送する縦搬送機構35と、同縦搬送機構35を横搬送する横搬送機構36とを装備している。
【0030】
縦搬送機構35は、図1に示すように、縦方向及び横方向に整然と苗ポットPを形成した苗トレイTを、前下方へ向けて苗ポットPの間隔毎に縦搬送して、後述する苗移植部3により苗ポットP中のポット苗Nを畝面Uに移植し、空になった苗トレイTは後上方へ折り返し状に搬送するようにしている。
【0031】
横搬送機構36は、図1及び図2に示すように、縦搬送機構35の下方に配置しており、左右方向に軸線を向けて縦搬送機構35に連動連結した横送り軸37と、同横送り軸37の中途部に連動連結すると共に、同横送り軸37を軸線方向に横移動させる横移動体38とを具備して、同横送り軸37の外周面には、螺旋状の横送り溝(図示せず)を形成している。
【0032】
また、横搬送機構36は、前記左右一対のハンドル支持フレーム15,15からを各左右に延設させたシャーシフレーム97にブラケット98を介して取り付けられている。そして、横搬送機構36は、図2に示すように、エンジン10からの動力が図示しないドライブシャフトを通して伝達され、さらに図示しないギヤケース内のベベルギヤを介して伝達されることにより横搬送機構36の横送り軸37を横移動させるようにしている。
【0033】
そして、図1に示すように、横搬送機構36と縦搬送機構35との間には縦送り連動機構39を介設しており、同縦送り連動機構39は、横搬送機構36の横送り軸37が一側端部まで横移動した際に、縦搬送機構35を一方向にのみ一定量だけ回転させて、苗トレイTを苗ポットPの一段分だけ縦送りするようにしている。
【0034】
このようにして、苗トレイTに形成した苗ポットPの横一列分だけ横移動させた後に、苗ポットPの一段分だけ縦送りし、再度、横一列分だけ横移動させた後に、苗ポットPの一段分だけ縦送りするという作動を繰り返すようにしている。
【0035】
苗トレイTは、図3で示すように、多数の苗ポットPを左右方向と前後方向とにそれぞれ一定の間隔を設けて形成されており、各苗ポットPは、図3に示すように、上端開口部p1から下端底部p2に向けて漸次細幅に形成されている。すなわち、苗ポットPの上端開口部p1は略正方形とし、苗ポットPの上端開口部p1は、下端底部p2と比して約2倍の辺長を有している。
【0036】
具体的には、苗ポットPの上端開口部p1は、植え付ける野菜の種類により20mm角〜45mm角の大きさを有しており、上端開口部p1から下端底部p2までの高さ(深さ)は40mm〜45mmである。
【0037】
苗移植部3は、図3に示すように、苗供給部2の苗トレイTからポット苗Nを取り出す苗取出機構5と、同苗取出機構5により取り出されたポット苗Nを受けて畝面Uにポット苗Nを植え付ける植付機構72とを具備している。苗取出機構5については後に詳しく述べる。
【0038】
植付機構72は、図3に示すように、駆動ケース45(図1に示す)に植付ロータケース89を連動連結し、同植付ロータケース89に開閉カム82を連動連結し、同開閉カム82に開孔器としての植付爪32を連動連結しており、同植付爪32は、前後一対の植付爪形成片32a,32aを開閉自在に形成して、上記開閉カム82により閉塞した状態にてポット苗Nを受けると共に、畝面Uを開孔し、開閉カム82により開放した状態にて上昇させることにより畝面Uにポット苗Nを残して植付を完了させるようにしている。
【0039】
次に、苗取出機構5について図3〜図5を参照して詳細に説明する。
苗取出機構5は、図4に示すように、苗移植部に固着したブラケット67に支持板68を固設し、この支持板68に太陽歯車(図示せず)を固定し、同太陽歯車の内周には、ミッションケース11からチェン及びチェンスプロケット63を介して動力が伝達される入力軸71を回転自在に嵌合している。また、この入力軸71の他端を、ロータリケース69に固着して、ロータリケース69と共に一体的に回転するように構成している。
【0040】
ロータリケース69内には、前記図示しない太陽歯車に噛み合う中間歯車(図示せず)と、クランク軸74に固着して中間歯車に噛み合う遊星歯車(図示せず)とを有し、クランク軸74に取付けられたクランクアーム76の先端から突出するカム軸77には、一端に左右一対の苗取爪100を装着した苗取出しアーム78を回転自在に設けている。
【0041】
また、図5に示すように、苗取出しアーム78の他端から突出したガイド軸79を、前記支持板68と平行状に固定されたガイド板80における略円弧状のガイド溝81に摺動自在に嵌合している。そして、図3に示すように、前記入力軸71周りのロータリケース69の一回転させることにより、前記苗取爪100の左右一対の苗爪体60,60を、苗トレイTのポット内に進入させてポット苗Nを挟持する姿勢を経て、元に戻る軌跡を辿るように構成している。
【0042】
さらに、図4及び図5に示すように、左右一対の苗爪体60,60の基端取付片83,83に、L状の枢軸84,84を固着し、同各枢軸84を苗取出しアーム78における眼鏡状の取付け部78aに回動可能に装着し、左右両基端取付片83,83を連結するばね85を用いて、左右一対の苗爪体60,60の先端側が常時閉じる方向に付勢するようにしている。
【0043】
前記カム軸77にはカム板86を固着し、同カム板86の広幅表裏面には、円周方向に沿って回動角度の一区間において円弧状の端面カム部87,87を突設し、前記左右一対の苗爪体60,60の基端取付片83,83から相対向するように突出する球状等の当接片88,88が端面カム部87,87箇所に乗り上げて当接すると、両苗爪体60,60の先端を前記ばね85の力に抗して開くように構成している。
【0044】
さらに、前記苗取出しアーム78のピン89箇所周りに回動可能な装着板90には一対の棒状の苗押出具91,91の基端を回動可能に装着しており、同苗各押出具91の先端の環状体96を前記苗爪体60,60に摺動自在に被嵌し、且つ装着板90と苗取出しアーム78とに装架されたばね93にて前記両環状体96を苗爪体60,60先端方向に移動すべく付勢するようにしている。
【0045】
そして、装着板90に取付くコロ92が前記カム板86の周面(周面カム部)に対して常時当接しており、カム板86の所定の回動区間の凹所86aにコロ92が位置するとき(苗爪体60,60挟持されたポット苗Nが植付爪32の上方に位置したとき)、前記両押出具91における先端の環状体96にてポット苗Nを押し出して、苗爪体60,60からポット苗Nを抜き出して、前記植付爪32内へポット苗Nを放出するように構成している。
【0046】
以上の構成により、走行部1を前進させながら、苗移植部3の苗取出機構5及び移植機構13の作動サイクルを一致させ、左右の苗トレイTの苗ポットPからそれぞれの苗取爪100にてポット苗Nを取り出し、これを植付爪32に受け継がせて圃場Gにポット苗Nを移植するようにしている。
【0047】
そのような構成において、本発明の要旨は、苗取爪100における左右一対の苗爪体60,60の苗挟持作用部Bを、それぞれ複数本に分岐したことにある。以下に苗取爪100の構成について図面を参照して詳細に説明する。
【0048】
本発明の苗取爪100は、進退及び挟持作動により苗ポットP中のポット苗Nを順次取り出して、植付爪32に受け渡す一対の苗爪体60,60を有している。すなわち、苗取爪100は、図4及び図5に示すように、細長い平板状の苗爪体60を、所定間隔を有して左右に離隔して配設し、また、各苗爪体60の幅広の側面部を対向面として対向させて配設したものである。そして、苗取爪100は、一対の苗爪体60,60の先端部61cの間隔を狭めることによりポット苗Nを挟持し、先端部61cの間隔を広げることによりポット苗Nを離脱するようにしている。また、苗取爪100は、前記苗取出機構5に左右一対の苗爪体60,60を取付けて、苗取出機構5の回動作用に伴い、苗ポットPに対して近接・離反自在となるように構成している。
【0049】
苗爪体60は、図6及び図7に示すように、その全体を長方形の平坦な金属板状に成型している。苗爪体60は、その基端部61aに前記ボルト94を挿通させて前記苗取出機構5に取り付けるための取付孔99を穿設している。また、苗爪体60は、その中途部61bで所定角度を有して斜めに形成している。さらに、苗爪体60は、その先端部61cにポット苗Nを挟持する苗挟持作用部Bを有している。
【0050】
すなわち、苗爪体60,60は、その先端部61cであって、お互い対向する内側面を、ポット苗Nを挟持して保持する苗挟持作用部Bとしている。そして、苗爪体60の苗挟持作用部Bは、苗ポットPへの進行方向に対して、前爪片60aと後爪片60bとに所定空隙(溝部M)を有して二又に分岐したフォーク状に形成している。
【0051】
このような構成により、実施例1における苗取爪100は、図3に示すように、二又のフォーク状に分岐した苗挟持作用部Bを有する一対の苗爪体60により、苗ポットP内のポット苗Nを挟持して苗ポットP内から取り出すようにしている。
【0052】
苗爪体60を挿入する苗ポットPは、図8に示すように、略正方形の上端開口部p1を有している。その苗ポットPが略正方形の上端開口部p1を有するので、実施例1における苗取爪100は、一対の苗爪体60,60の間隔L1と苗爪体60の幅員L2とを略同一とすることにより、一対の苗爪体60,60の間隔L1と苗爪体60の幅員L2とが略正方形の上端開口部p1の縦辺104と横辺105とに対応し、一対の苗爪対の前爪片60aと後爪片60bとが少なくとも略正方形の上端開口部p1を有する苗ポットPの四隅近傍に挿入されることとなる。
【0053】
そして、苗ポットPの略四隅にはポット苗Nの根があまり張り出しておらず、その張り根の少ない略四隅に、苗爪体60の先端部61cが挿入されることとなる。これにより、苗ポットP内の略中央に位置するポット苗Nの張り根又はポット苗Nの葉を避けて挿入されることとなり、ポット苗Nの張り根又はポット苗Nの葉に対して傷を付けることを少なくすることができる。
【0054】
また、苗ポットPの四隅部に苗爪体60の分岐先端部61cを挿入するため、ポット苗Nの中心部より離隔した位置に二又の苗挟持作用部Bを挿入してポット苗Nを挟持することができ、従来の針形状を有する苗爪体に比して、安定した姿勢でポット苗Nを保持することができる。
【0055】
この後、実施例1における苗移植機Aは、苗爪体60で取り出したポット苗Nを植付爪32の上方位置まで搬送し、苗押出具91を用いてポット苗Nを押し出すことにより植付爪32内に落下させるようにしている。
【0056】
実施例1の苗取爪100では、一対の苗爪体60,60の外周をそれぞれ摺動自在に囲繞した環状の苗押出具91,91の中央に、二又に分岐した苗爪体60の溝部Mを横断する架線95を設けている。すなわち、図9に示すように、苗押出具91,91は、一対の苗爪体60,60の外周をそれぞれ摺動自在に囲繞した環状体96を有し、その環状体96に前爪片60aと後爪片60bとの間を横断するように架線95を有している。
【0057】
そして、前記苗押し出し時には、環状体96と共に、その環状体96に設けた架線95により、植付爪32に対して押し出すようにしてポット苗Nを落下させている。このように、苗爪体60の溝部Mを横断する架線95を設けているので、特に、ポット苗Nの中央部分での押出機能が高まり、押出作動を確実に迅速に行える。また、苗爪体60の複数本の苗挟持作用部Bの間に付着する土を架線で掻き落とすことができ、複数本に分岐した苗挟持作用部Bの隙間をクリーニングすることができる。
【0058】
この後、植付爪32に受け継がせたポット苗Nは、植付爪32を閉塞した状態にて畝面U上まで降下させた後、畝面U上にて植付爪32を開孔させることにより畝面Uに残して植付を完了させるようにしている。
【0059】
この結果、実施例1の苗取爪100は、一対の苗爪体60,60の苗挟持作用部Bを前爪片60aと後爪片60bとに分岐することにより、前爪片60aと後爪片60bと間に空隙部分(溝部M)が形成されるため、苗爪体60が苗ポットP中に挿入された際に、この空隙部分により可及的にポット内の苗張り根又はポット苗Nの葉との接触を回避することができ、しかも、ポット苗Nの挟持は分岐した苗挟持作用部Bで確実に行うことができる。
【0060】
また、実施例1の苗取爪100は、一対の苗爪体60の苗挟持作用部Bを二又に分岐したフォーク状としたので、ポット苗Nの中心部より離隔した位置に二又の苗爪体60を挿入して挟持することができ、前記効果と同様に苗張り根又はポット苗Nの葉の損傷を回避し、かつ挟持を確実に行うことができる。
【0061】
さらに、苗挟持作用部Bを二又に分岐したフォーク状とすることにより、苗トレイの苗ポットPから抜き出したポット苗Nを安定した姿勢で保持すると共に、植付爪32の上方まで運んだ後、安定した姿勢でそれぞれの苗爪体60を離隔するようにしているので、従来に比べて高速で安定した植付精度を実現することができる。
【0062】
なお、上記した苗取爪100は、前記一対の二又状の苗爪体60の先端外側部Qと溝部Mを先端に向かって一定幅に設けているが、先端に向かって挟持状のテーパーとすることもできる。
【0063】
すなわち、図10に示すように、二又状の一対の苗爪体60、60の先端外側部Qと溝部Mとを先端に向かって挟持状のテーパーとしている。そして、図10に示すように、テーパーにした状態でポット苗Nに挿入すると、傾斜状の対角線Sを中心とした可視方形状の作用面積Oが形成されることとなる。
【0064】
このように、一対の二又状の苗爪体60の先端外側部Qと溝部Mとを先端に向かって挟持状のテーパーとしているので、テーパーでない苗爪体60に比して、ポット苗Nを挟持する挟持作用面積を大きくとることができる。これにより、ポット苗Nの挟持持の安定性が増す。また、テーパー挟持時でのポット苗Nの方向に作用させる力を集中させることができ、安定した姿勢でポット苗Nを保持することができる。
【実施例2】
【0065】
次に、本発明の実施例2を、図面を参照しながら説明する。
【0066】
苗取爪100の苗爪体60は、実施例1では平坦な金属を二又に分岐して成型したものを用いたが、実施例2では針金101を折り曲げて成型したものを用いている。
【0067】
すなわち、図11に示すように、針金101の先端の自由端から二又に分岐となるように中央を折り曲げて成型したものを苗爪体60cとしている。そして、折曲箇所103を苗爪体60の基端部61aとして、前記苗取出機構5の前記基端取付片83にボルト94及びナットにより取付けている。
【0068】
また、二又に分岐させた苗爪体60cの先端に苗挟持作用部Bを形成して、ポット苗Nを挟持して保持するようにしている。その他の構成については実施例1と同じである。なお、図11で用いた符号は、図4に示した実施例1の苗取爪100と同じ構成要素については同一のものを用いている。
【0069】
針金を二つ折り成型した苗爪体60cでは、図11に示すように、円柱形状を有する先端の自由端102を切削により、ポット苗Nとの接触面となる苗挟持作用部Bを平面加工している。前記自由端102を平面加工することにより、苗挟持作用部Bを幅広に形成することもできる。このように、苗挟持作用部Bを幅広に形成することにより、ポット苗Nへの作用面の面積を増やすことができ、ポット苗Nの支持を安定化することができる。
【0070】
また、円筒形状を有する苗爪体60cの先端の自由端102を平面加工することにより、苗爪体60の先端が鋭利になり、苗ポットPに挿入したときの抵抗を少なくすることができる。これにより、苗爪体60を苗ポットP内に挿入し易くしている。その他の効果については、実施例1と同じである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】この発明の実施例1における移植機の全体構成を示す側面図である。
【図2】この発明の実施例1における移植機の全体構成を示す平面図である。
【図3】この発明の実施例1における移植機の苗取出機構及び植付機構の構成を示す側面図である。
【図4】この発明の実施例1における移植機の苗取出機構の全体構成を示す側面図である。
【図5】この発明の実施例1における移植機の苗取出機構の全体構成を示す正面図である。
【図6】この発明の実施例1における移植機の苗爪体の全体構成を示す斜視図である。
【図7】この発明の実施例1における移植機の苗爪体の全体構成を示す正面図である。
【図8】図3のX−X線の断面構造を示す断面図である。
【図9】この発明の実施例1における移植機の苗押出具の構成を示す平面図である。
【図10】この発明の実施例1における移植機の先端外側部と溝部とを先端に向かって挟持状のテーパーを有する苗爪体の構成を示す平面図である。
【図11】この発明の実施例2における移植機の針金を二つ折りにした苗爪体の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
【0072】
A 苗移植機
B 苗挟持作用部
P 苗ポット
T 苗トレイ
N ポット苗
60 苗爪体
91 苗押出具
95 架線
100 苗取爪
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場内の畝にポット苗を移植する苗移植機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、苗移植機の一形態として、苗トレイに多数の苗ポットを形成し、苗ポット中に育苗したポット苗を、苗取爪の先端部に設けた苗挟持作用部を略平行状態で苗ポット中に挿入し、次いで、苗挟持作用部の間隔を狭めることによりポット苗を挾持して、同挾持状態にて苗取爪を苗ポットから離隔させることによりポット苗を苗ポット中から取出し、受渡し位置まで搬送して植付機構に供給し、同植付機構によりポット苗の移植を行なうようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、苗移植機の苗取爪は一対の苗爪体を有し、その苗爪体の先端部に設けた苗挟持作用部は箸のような長細い針形状を有している。または、ねぎ、玉ねぎ用の苗移植機の苗取爪の苗爪体は、その先端の苗挟持作用部が先細りで、その中途部が平坦な長楕円形状を有している。
【特許文献1】特開2002−000015号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、白菜の若苗などは、移植適期時に根の張りが未発達であるため、苗ポット内に根が張り巡らされていない状態であり、苗爪体で挟持しても、一対の苗爪体から落下してしまう等の不具合がある。また、根の張りが発達した後の苗取作業では、苗爪体による挟持作業を高速化すると、前記針形状の苗爪体では高速作業時の衝動等で保持力の弱いポット苗が不用意に脱落し、植付爪への受継ぎが乱れ、安定した高速植付ができない不都合が生じる。
【0005】
また、上記した玉ねぎ用の苗移植機の苗取爪は、平坦な長楕円形状を有しているので、その先端の鋭利な端縁によりポット苗の葉やポット苗の張根を傷付けるおそれがある。このため、平坦な長楕円形状を有する苗取爪では、ねぎ類、コーン等の細い葉を有するポット苗にしか適用できず、レタス、白菜、キャベツ等の広い葉を有するポット苗には適用できない不都合が生じる。
【0006】
この発明は、上記問題を解決するためになされたもので、苗トレイの苗ポットから植付部の植付爪までの受継ぎを高速に行える苗爪体を有する苗移植機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、苗ポット中のポット苗を進退及び挟持作動により順次取り出して、植付爪に受け渡す一対の苗爪体よりなる苗取爪を具備した苗移植機において、苗取爪における一対の苗爪体の苗挟持作用部を、それぞれ複数本に分岐したことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記一対の苗爪体を二又に分岐したフォーク状としたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記一対の苗爪体の間隔と苗爪体の幅員とが略同一であることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記一対の苗爪体の先端部が苗ポットの略四隅部に挿入されることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記一対の苗爪体の外周をそれぞれ摺動自在に囲繞した環状の苗押出具の中央に二又に分岐した苗爪体の溝部を横断する架線を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記一対の二又状の苗爪体の先端外側部と溝部を先端に向かって挟持状のテーパーとしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
(1)請求項1記載の本発明では、苗ポット中のポット苗を進退及び挟持作動により順次取り出して、植付爪に受け渡す一対の苗爪体よりなる苗取爪を具備した苗移植機において、苗取爪における一対の苗爪体の苗挟持作用部を、それぞれ複数本に分岐している。
【0014】
このように、一対の苗爪体の苗挟持作用部を複数本に分岐することにより、分岐間隔の空隙部分が形成されるため、苗爪体が苗ポット中に挿入された際に、この空隙部分により可及的にポット内の苗張り根又はポット苗の葉との接触による損傷を回避することができ、しかも、ポット苗の挟持は分岐した苗挟持作用部で確実に行える。
【0015】
(2)請求項2記載の本発明では、一対の苗爪体の苗挟持作用部を二又に分岐したフォーク状としたので、ポット苗の中心部より離隔した位置に二又の苗爪体を挿入して挟持することができ、請求項1の効果と同様に、苗張り根又はポット苗の葉の損傷を回避し、かつ挟持を確実に行える。
【0016】
(3)請求項3記載の本発明では、前記一対の苗爪体の間隔と苗爪体の幅員とが略同一であるので、苗ポットが略正方形の開口部を有するため、苗爪体を苗ポットに挿入する際に、一対の苗爪体の間隔と苗爪体の幅員とが略正方形の開口部の縦辺と横辺に対応して、苗爪体先端部が少なくとも略正方形の開口部の四隅近傍に挿入されることになり、苗ポット内の略中央に位置するポット苗の張り根又はポット苗の葉に対して傷を付けることを少なくすると共に、ポット苗を安定した姿勢で保持することができる。
【0017】
(4)請求項4記載の本発明では、前記一対の苗爪体の先端部が苗ポットの略四隅部に挿入されるようにしている。このように、苗ポットの略四隅にはポット苗の張根があまり張り出していないので、根や葉の可及的に少ない四隅部に苗爪体の分岐先端部を挿入することができ、ポット苗の張り根又はポット苗の葉に対して傷を付けることが少なくなると共に、ポット苗を安定した姿勢で保持することができる。
【0018】
(5)請求項5記載の本発明では、前記一対の苗爪体の外周をそれぞれ摺動自在に囲繞した環状の苗押出具の中央に二又に分岐した苗爪体の溝部を横断する架線を設けているので、挟持したポット苗の中央部分及び苗爪体の外側に位置する苗端縁部を架線と環状の線体部分とにより、ポット苗を下方に押出すことになるため、特にポット苗の中央部分の押出機能が高まり、押出作動を確実に迅速に行えると共に、苗爪体の複数本の苗挟持作用部の間に付着する土を架線で掻き落として、複数本に分岐した苗挟持作用部の隙間をクリーニングすることができる。
【0019】
(6)請求項6記載の本発明では、前記一対の二又状の苗爪体の先端外側部と溝部を先端に向かって挟持状のテーパーとしているので、苗挟持作用部を直線的な分岐爪に対して、挟持作用面積をテーパーとすることにより、傾斜状の対角線を中心として、可視方形状の挟持作用面積を大きく得ることができる。また、テーパー挟持時でのポット苗の方向に作用させる力を集中させることができ、安定した姿勢でポット苗を保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係る最良形態としての苗移植機は、白菜、キャベツ、ねぎ等のポット苗を自動的に圃場に植え付ける全自動野菜移植機であり、苗ポット中のポット苗を進退及び挟持作動により順次取り出して、植付爪に受け渡す一対の苗爪体よりなる苗取爪を具備している。
【0021】
そして、特徴的構造として、本発明に係る苗移植機は、苗取爪における一対の苗爪体の苗挟持作用部を、それぞれ複数本に分岐している。また、別の特徴的構造として、苗移植機は、前記一対の苗爪体を二又に分岐したフォーク状としている。さらに、前記一対の苗爪体の間隔と苗爪体の幅員とが略同一としている。さらに、前記一対の苗爪体の先端部が苗ポットの略四隅部に挿入されることとしている。
【実施例1】
【0022】
以下に、本発明の実施例1を、図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1に示すAは、本発明に係る苗移植機であり、同苗移植機Aは、走行部1と、同走行部1の後部に配設した苗供給部2と、同苗供給部2の前方位置に配設した苗移植部3とを具備して、走行部1を圃場Gにて自走させながら、苗供給部2から供給されるポット苗Nを苗移植部3により圃場Gの畝面Uに移植するようにしている。
【0024】
走行部1は、機体フレーム4の前部に左右一対の前車輪支持アーム(図示せず)を介して前車輪6,6を取り付けると共に、後部に左右一対の後車輪支持アームとしての後車輪駆動ケース7,7を介して後車輪8,8を取り付けており、これら前・後車輪6,6,8,8は、昇降機構(図示せず)に連動連結して、同昇降機構9が昇降センサとしても機能する鎮圧輪(図示せず)の畝面Uに沿った昇降動作量に基づいて、前・後車輪6,6,8,8を昇降させることにより、苗移植部3によるポット苗Nの植付深さを一定に保持することができるようにしている。
【0025】
そして、機体フレーム4上の前部にエンジン10を搭載し、同エンジン10の後方位置にミッションケース11を配設すると共に、同ミッションケース11をエンジン10に連動連結し、同ミッションケース11に上記後車輪駆動ケース7,7と前記苗供給部2と苗移植部3とを連動連結している。12はボンネット、13は予備苗載台である。
【0026】
また、機体フレーム4の後端部には、図1及び図2に示すように、支持体14を介して左右一対のハンドル支持フレーム15,15を後上方へ向けて延設し、両ハンドル支持フレーム15,15の後端部に平面視U状に形成したハンドル16を取り付けており、同ハンドル16の下部間に下部レバーガイド支持体17を架設し、同下部レバーガイド支持体17に植深調節レバーガイド体18と株間調節レバーガイド体19と主変速レバーガイド体(図示せず)とを左右方向に隣接させて配置している。
【0027】
そして、ハンドル16の上部間に上部レバーガイド支持体24を架設し、同上部レバーガイド支持体24の左側部に植付クラッチレバーガイド体25を配置する一方、右側部に昇降レバーガイド体26を配置している。
【0028】
左右一対のハンドル支持フレーム15,15の下方に前後方向に伸延する覆土輪支持体34を架設して、同覆土輪支持体34に覆土輪33を取り付けている。
【0029】
苗供給部2は、図1に示すように、左右一対のハンドル支持フレーム15,15の中途部間に配設しており、苗トレイTを縦搬送する縦搬送機構35と、同縦搬送機構35を横搬送する横搬送機構36とを装備している。
【0030】
縦搬送機構35は、図1に示すように、縦方向及び横方向に整然と苗ポットPを形成した苗トレイTを、前下方へ向けて苗ポットPの間隔毎に縦搬送して、後述する苗移植部3により苗ポットP中のポット苗Nを畝面Uに移植し、空になった苗トレイTは後上方へ折り返し状に搬送するようにしている。
【0031】
横搬送機構36は、図1及び図2に示すように、縦搬送機構35の下方に配置しており、左右方向に軸線を向けて縦搬送機構35に連動連結した横送り軸37と、同横送り軸37の中途部に連動連結すると共に、同横送り軸37を軸線方向に横移動させる横移動体38とを具備して、同横送り軸37の外周面には、螺旋状の横送り溝(図示せず)を形成している。
【0032】
また、横搬送機構36は、前記左右一対のハンドル支持フレーム15,15からを各左右に延設させたシャーシフレーム97にブラケット98を介して取り付けられている。そして、横搬送機構36は、図2に示すように、エンジン10からの動力が図示しないドライブシャフトを通して伝達され、さらに図示しないギヤケース内のベベルギヤを介して伝達されることにより横搬送機構36の横送り軸37を横移動させるようにしている。
【0033】
そして、図1に示すように、横搬送機構36と縦搬送機構35との間には縦送り連動機構39を介設しており、同縦送り連動機構39は、横搬送機構36の横送り軸37が一側端部まで横移動した際に、縦搬送機構35を一方向にのみ一定量だけ回転させて、苗トレイTを苗ポットPの一段分だけ縦送りするようにしている。
【0034】
このようにして、苗トレイTに形成した苗ポットPの横一列分だけ横移動させた後に、苗ポットPの一段分だけ縦送りし、再度、横一列分だけ横移動させた後に、苗ポットPの一段分だけ縦送りするという作動を繰り返すようにしている。
【0035】
苗トレイTは、図3で示すように、多数の苗ポットPを左右方向と前後方向とにそれぞれ一定の間隔を設けて形成されており、各苗ポットPは、図3に示すように、上端開口部p1から下端底部p2に向けて漸次細幅に形成されている。すなわち、苗ポットPの上端開口部p1は略正方形とし、苗ポットPの上端開口部p1は、下端底部p2と比して約2倍の辺長を有している。
【0036】
具体的には、苗ポットPの上端開口部p1は、植え付ける野菜の種類により20mm角〜45mm角の大きさを有しており、上端開口部p1から下端底部p2までの高さ(深さ)は40mm〜45mmである。
【0037】
苗移植部3は、図3に示すように、苗供給部2の苗トレイTからポット苗Nを取り出す苗取出機構5と、同苗取出機構5により取り出されたポット苗Nを受けて畝面Uにポット苗Nを植え付ける植付機構72とを具備している。苗取出機構5については後に詳しく述べる。
【0038】
植付機構72は、図3に示すように、駆動ケース45(図1に示す)に植付ロータケース89を連動連結し、同植付ロータケース89に開閉カム82を連動連結し、同開閉カム82に開孔器としての植付爪32を連動連結しており、同植付爪32は、前後一対の植付爪形成片32a,32aを開閉自在に形成して、上記開閉カム82により閉塞した状態にてポット苗Nを受けると共に、畝面Uを開孔し、開閉カム82により開放した状態にて上昇させることにより畝面Uにポット苗Nを残して植付を完了させるようにしている。
【0039】
次に、苗取出機構5について図3〜図5を参照して詳細に説明する。
苗取出機構5は、図4に示すように、苗移植部に固着したブラケット67に支持板68を固設し、この支持板68に太陽歯車(図示せず)を固定し、同太陽歯車の内周には、ミッションケース11からチェン及びチェンスプロケット63を介して動力が伝達される入力軸71を回転自在に嵌合している。また、この入力軸71の他端を、ロータリケース69に固着して、ロータリケース69と共に一体的に回転するように構成している。
【0040】
ロータリケース69内には、前記図示しない太陽歯車に噛み合う中間歯車(図示せず)と、クランク軸74に固着して中間歯車に噛み合う遊星歯車(図示せず)とを有し、クランク軸74に取付けられたクランクアーム76の先端から突出するカム軸77には、一端に左右一対の苗取爪100を装着した苗取出しアーム78を回転自在に設けている。
【0041】
また、図5に示すように、苗取出しアーム78の他端から突出したガイド軸79を、前記支持板68と平行状に固定されたガイド板80における略円弧状のガイド溝81に摺動自在に嵌合している。そして、図3に示すように、前記入力軸71周りのロータリケース69の一回転させることにより、前記苗取爪100の左右一対の苗爪体60,60を、苗トレイTのポット内に進入させてポット苗Nを挟持する姿勢を経て、元に戻る軌跡を辿るように構成している。
【0042】
さらに、図4及び図5に示すように、左右一対の苗爪体60,60の基端取付片83,83に、L状の枢軸84,84を固着し、同各枢軸84を苗取出しアーム78における眼鏡状の取付け部78aに回動可能に装着し、左右両基端取付片83,83を連結するばね85を用いて、左右一対の苗爪体60,60の先端側が常時閉じる方向に付勢するようにしている。
【0043】
前記カム軸77にはカム板86を固着し、同カム板86の広幅表裏面には、円周方向に沿って回動角度の一区間において円弧状の端面カム部87,87を突設し、前記左右一対の苗爪体60,60の基端取付片83,83から相対向するように突出する球状等の当接片88,88が端面カム部87,87箇所に乗り上げて当接すると、両苗爪体60,60の先端を前記ばね85の力に抗して開くように構成している。
【0044】
さらに、前記苗取出しアーム78のピン89箇所周りに回動可能な装着板90には一対の棒状の苗押出具91,91の基端を回動可能に装着しており、同苗各押出具91の先端の環状体96を前記苗爪体60,60に摺動自在に被嵌し、且つ装着板90と苗取出しアーム78とに装架されたばね93にて前記両環状体96を苗爪体60,60先端方向に移動すべく付勢するようにしている。
【0045】
そして、装着板90に取付くコロ92が前記カム板86の周面(周面カム部)に対して常時当接しており、カム板86の所定の回動区間の凹所86aにコロ92が位置するとき(苗爪体60,60挟持されたポット苗Nが植付爪32の上方に位置したとき)、前記両押出具91における先端の環状体96にてポット苗Nを押し出して、苗爪体60,60からポット苗Nを抜き出して、前記植付爪32内へポット苗Nを放出するように構成している。
【0046】
以上の構成により、走行部1を前進させながら、苗移植部3の苗取出機構5及び移植機構13の作動サイクルを一致させ、左右の苗トレイTの苗ポットPからそれぞれの苗取爪100にてポット苗Nを取り出し、これを植付爪32に受け継がせて圃場Gにポット苗Nを移植するようにしている。
【0047】
そのような構成において、本発明の要旨は、苗取爪100における左右一対の苗爪体60,60の苗挟持作用部Bを、それぞれ複数本に分岐したことにある。以下に苗取爪100の構成について図面を参照して詳細に説明する。
【0048】
本発明の苗取爪100は、進退及び挟持作動により苗ポットP中のポット苗Nを順次取り出して、植付爪32に受け渡す一対の苗爪体60,60を有している。すなわち、苗取爪100は、図4及び図5に示すように、細長い平板状の苗爪体60を、所定間隔を有して左右に離隔して配設し、また、各苗爪体60の幅広の側面部を対向面として対向させて配設したものである。そして、苗取爪100は、一対の苗爪体60,60の先端部61cの間隔を狭めることによりポット苗Nを挟持し、先端部61cの間隔を広げることによりポット苗Nを離脱するようにしている。また、苗取爪100は、前記苗取出機構5に左右一対の苗爪体60,60を取付けて、苗取出機構5の回動作用に伴い、苗ポットPに対して近接・離反自在となるように構成している。
【0049】
苗爪体60は、図6及び図7に示すように、その全体を長方形の平坦な金属板状に成型している。苗爪体60は、その基端部61aに前記ボルト94を挿通させて前記苗取出機構5に取り付けるための取付孔99を穿設している。また、苗爪体60は、その中途部61bで所定角度を有して斜めに形成している。さらに、苗爪体60は、その先端部61cにポット苗Nを挟持する苗挟持作用部Bを有している。
【0050】
すなわち、苗爪体60,60は、その先端部61cであって、お互い対向する内側面を、ポット苗Nを挟持して保持する苗挟持作用部Bとしている。そして、苗爪体60の苗挟持作用部Bは、苗ポットPへの進行方向に対して、前爪片60aと後爪片60bとに所定空隙(溝部M)を有して二又に分岐したフォーク状に形成している。
【0051】
このような構成により、実施例1における苗取爪100は、図3に示すように、二又のフォーク状に分岐した苗挟持作用部Bを有する一対の苗爪体60により、苗ポットP内のポット苗Nを挟持して苗ポットP内から取り出すようにしている。
【0052】
苗爪体60を挿入する苗ポットPは、図8に示すように、略正方形の上端開口部p1を有している。その苗ポットPが略正方形の上端開口部p1を有するので、実施例1における苗取爪100は、一対の苗爪体60,60の間隔L1と苗爪体60の幅員L2とを略同一とすることにより、一対の苗爪体60,60の間隔L1と苗爪体60の幅員L2とが略正方形の上端開口部p1の縦辺104と横辺105とに対応し、一対の苗爪対の前爪片60aと後爪片60bとが少なくとも略正方形の上端開口部p1を有する苗ポットPの四隅近傍に挿入されることとなる。
【0053】
そして、苗ポットPの略四隅にはポット苗Nの根があまり張り出しておらず、その張り根の少ない略四隅に、苗爪体60の先端部61cが挿入されることとなる。これにより、苗ポットP内の略中央に位置するポット苗Nの張り根又はポット苗Nの葉を避けて挿入されることとなり、ポット苗Nの張り根又はポット苗Nの葉に対して傷を付けることを少なくすることができる。
【0054】
また、苗ポットPの四隅部に苗爪体60の分岐先端部61cを挿入するため、ポット苗Nの中心部より離隔した位置に二又の苗挟持作用部Bを挿入してポット苗Nを挟持することができ、従来の針形状を有する苗爪体に比して、安定した姿勢でポット苗Nを保持することができる。
【0055】
この後、実施例1における苗移植機Aは、苗爪体60で取り出したポット苗Nを植付爪32の上方位置まで搬送し、苗押出具91を用いてポット苗Nを押し出すことにより植付爪32内に落下させるようにしている。
【0056】
実施例1の苗取爪100では、一対の苗爪体60,60の外周をそれぞれ摺動自在に囲繞した環状の苗押出具91,91の中央に、二又に分岐した苗爪体60の溝部Mを横断する架線95を設けている。すなわち、図9に示すように、苗押出具91,91は、一対の苗爪体60,60の外周をそれぞれ摺動自在に囲繞した環状体96を有し、その環状体96に前爪片60aと後爪片60bとの間を横断するように架線95を有している。
【0057】
そして、前記苗押し出し時には、環状体96と共に、その環状体96に設けた架線95により、植付爪32に対して押し出すようにしてポット苗Nを落下させている。このように、苗爪体60の溝部Mを横断する架線95を設けているので、特に、ポット苗Nの中央部分での押出機能が高まり、押出作動を確実に迅速に行える。また、苗爪体60の複数本の苗挟持作用部Bの間に付着する土を架線で掻き落とすことができ、複数本に分岐した苗挟持作用部Bの隙間をクリーニングすることができる。
【0058】
この後、植付爪32に受け継がせたポット苗Nは、植付爪32を閉塞した状態にて畝面U上まで降下させた後、畝面U上にて植付爪32を開孔させることにより畝面Uに残して植付を完了させるようにしている。
【0059】
この結果、実施例1の苗取爪100は、一対の苗爪体60,60の苗挟持作用部Bを前爪片60aと後爪片60bとに分岐することにより、前爪片60aと後爪片60bと間に空隙部分(溝部M)が形成されるため、苗爪体60が苗ポットP中に挿入された際に、この空隙部分により可及的にポット内の苗張り根又はポット苗Nの葉との接触を回避することができ、しかも、ポット苗Nの挟持は分岐した苗挟持作用部Bで確実に行うことができる。
【0060】
また、実施例1の苗取爪100は、一対の苗爪体60の苗挟持作用部Bを二又に分岐したフォーク状としたので、ポット苗Nの中心部より離隔した位置に二又の苗爪体60を挿入して挟持することができ、前記効果と同様に苗張り根又はポット苗Nの葉の損傷を回避し、かつ挟持を確実に行うことができる。
【0061】
さらに、苗挟持作用部Bを二又に分岐したフォーク状とすることにより、苗トレイの苗ポットPから抜き出したポット苗Nを安定した姿勢で保持すると共に、植付爪32の上方まで運んだ後、安定した姿勢でそれぞれの苗爪体60を離隔するようにしているので、従来に比べて高速で安定した植付精度を実現することができる。
【0062】
なお、上記した苗取爪100は、前記一対の二又状の苗爪体60の先端外側部Qと溝部Mを先端に向かって一定幅に設けているが、先端に向かって挟持状のテーパーとすることもできる。
【0063】
すなわち、図10に示すように、二又状の一対の苗爪体60、60の先端外側部Qと溝部Mとを先端に向かって挟持状のテーパーとしている。そして、図10に示すように、テーパーにした状態でポット苗Nに挿入すると、傾斜状の対角線Sを中心とした可視方形状の作用面積Oが形成されることとなる。
【0064】
このように、一対の二又状の苗爪体60の先端外側部Qと溝部Mとを先端に向かって挟持状のテーパーとしているので、テーパーでない苗爪体60に比して、ポット苗Nを挟持する挟持作用面積を大きくとることができる。これにより、ポット苗Nの挟持持の安定性が増す。また、テーパー挟持時でのポット苗Nの方向に作用させる力を集中させることができ、安定した姿勢でポット苗Nを保持することができる。
【実施例2】
【0065】
次に、本発明の実施例2を、図面を参照しながら説明する。
【0066】
苗取爪100の苗爪体60は、実施例1では平坦な金属を二又に分岐して成型したものを用いたが、実施例2では針金101を折り曲げて成型したものを用いている。
【0067】
すなわち、図11に示すように、針金101の先端の自由端から二又に分岐となるように中央を折り曲げて成型したものを苗爪体60cとしている。そして、折曲箇所103を苗爪体60の基端部61aとして、前記苗取出機構5の前記基端取付片83にボルト94及びナットにより取付けている。
【0068】
また、二又に分岐させた苗爪体60cの先端に苗挟持作用部Bを形成して、ポット苗Nを挟持して保持するようにしている。その他の構成については実施例1と同じである。なお、図11で用いた符号は、図4に示した実施例1の苗取爪100と同じ構成要素については同一のものを用いている。
【0069】
針金を二つ折り成型した苗爪体60cでは、図11に示すように、円柱形状を有する先端の自由端102を切削により、ポット苗Nとの接触面となる苗挟持作用部Bを平面加工している。前記自由端102を平面加工することにより、苗挟持作用部Bを幅広に形成することもできる。このように、苗挟持作用部Bを幅広に形成することにより、ポット苗Nへの作用面の面積を増やすことができ、ポット苗Nの支持を安定化することができる。
【0070】
また、円筒形状を有する苗爪体60cの先端の自由端102を平面加工することにより、苗爪体60の先端が鋭利になり、苗ポットPに挿入したときの抵抗を少なくすることができる。これにより、苗爪体60を苗ポットP内に挿入し易くしている。その他の効果については、実施例1と同じである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】この発明の実施例1における移植機の全体構成を示す側面図である。
【図2】この発明の実施例1における移植機の全体構成を示す平面図である。
【図3】この発明の実施例1における移植機の苗取出機構及び植付機構の構成を示す側面図である。
【図4】この発明の実施例1における移植機の苗取出機構の全体構成を示す側面図である。
【図5】この発明の実施例1における移植機の苗取出機構の全体構成を示す正面図である。
【図6】この発明の実施例1における移植機の苗爪体の全体構成を示す斜視図である。
【図7】この発明の実施例1における移植機の苗爪体の全体構成を示す正面図である。
【図8】図3のX−X線の断面構造を示す断面図である。
【図9】この発明の実施例1における移植機の苗押出具の構成を示す平面図である。
【図10】この発明の実施例1における移植機の先端外側部と溝部とを先端に向かって挟持状のテーパーを有する苗爪体の構成を示す平面図である。
【図11】この発明の実施例2における移植機の針金を二つ折りにした苗爪体の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
【0072】
A 苗移植機
B 苗挟持作用部
P 苗ポット
T 苗トレイ
N ポット苗
60 苗爪体
91 苗押出具
95 架線
100 苗取爪
【特許請求の範囲】
【請求項1】
苗ポット中のポット苗を進退及び挟持作動により順次取り出して、植付爪に受け渡す一対の苗爪体よりなる苗取爪を具備した苗移植機において、
苗取爪における一対の苗爪体の苗挟持作用部を、それぞれ複数本に分岐したことを特徴とする苗移植機。
【請求項2】
前記一対の苗爪体を二又に分岐したフォーク状としたことを特徴とする請求項1記載の苗移植機。
【請求項3】
前記一対の苗爪体の間隔と苗爪体の幅員とが略同一であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の苗移植機。
【請求項4】
前記一対の苗爪体の先端部が苗ポットの略四隅部に挿入されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の苗移植機。
【請求項5】
前記一対の苗爪体の外周をそれぞれ摺動自在に囲繞した環状の苗押出具の中央に、二又に分岐した苗爪体の溝部を横断する架線を設けたことを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の苗移植機。
【請求項6】
前記一対の苗爪体の二又状の先端外側部と溝部とを先端に向かって挟持状のテーパーとしたことを特徴とする請求項2に記載の苗移植機。
【請求項1】
苗ポット中のポット苗を進退及び挟持作動により順次取り出して、植付爪に受け渡す一対の苗爪体よりなる苗取爪を具備した苗移植機において、
苗取爪における一対の苗爪体の苗挟持作用部を、それぞれ複数本に分岐したことを特徴とする苗移植機。
【請求項2】
前記一対の苗爪体を二又に分岐したフォーク状としたことを特徴とする請求項1記載の苗移植機。
【請求項3】
前記一対の苗爪体の間隔と苗爪体の幅員とが略同一であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の苗移植機。
【請求項4】
前記一対の苗爪体の先端部が苗ポットの略四隅部に挿入されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の苗移植機。
【請求項5】
前記一対の苗爪体の外周をそれぞれ摺動自在に囲繞した環状の苗押出具の中央に、二又に分岐した苗爪体の溝部を横断する架線を設けたことを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の苗移植機。
【請求項6】
前記一対の苗爪体の二又状の先端外側部と溝部とを先端に向かって挟持状のテーパーとしたことを特徴とする請求項2に記載の苗移植機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−154798(P2010−154798A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−334660(P2008−334660)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
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