説明

茶葉摘採機

【課題】刈り取られた茶葉が移送ダクト内をスムースに流れる茶葉摘採機を提供する。
【解決手段】茶葉摘採機は、茶畝を跨いで該茶畝に沿って走行可能な走行装置が設けられた門型枠を有する機体と、機体の門型枠の下部に配置されて刃先が機体進行方向前側を向くバリカン式の刈刃25と、刈刃25の上方に開口部を有して上方へ延び、刈刃25によって刈り取られて開口部内側に移動した茶葉を上向きの圧力風により移送する移送ダクト30とを備える。移送ダクト30の流路の中間部には、二股に分岐し上方へ延びるにしたがって流路の幅が狭くなる分岐管31が設けられる。刈刃25の上方の移送ダクト30の下部30bの後板部30aの内面に上向きの圧力風を分岐管31側に案内する整流板75が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、茶畝に沿って走行しながら茶葉を摘採し、摘採した茶葉を移送して収容可能な茶葉摘採機に関する。
【背景技術】
【0002】
このような茶葉摘採機には、刈刃によって摘採された茶葉を圧力風により移送してコンテナに収容するものが知られている。この茶葉摘採機は、例えば、特許文献1に記載されているように、茶畝を跨いで茶畝に沿って走行可能な走行装置が設けられた門型枠を有する機体と、機体の門型枠の下部に配置されて刃先が機体進行方向前側を向くバリカン式の刈刃と、刈刃の上方に下部開口部を有して上方へ延び、刈刃によって刈り取られた茶葉を上向きの圧力風により移送する移送ダクトと、移送ダクトの機体進行方向後側に配設され、内部に取り込まれた下向きの圧力風を移送ダクトの下部開口部の下側から上向きの圧力風として移送ダクト内に送り込む背面ダクトと、機体の後部に配設され、移送ダクトにより移送された茶葉を収容するコンテナとを有して構成されている。
【0003】
この茶葉摘採機の移送ダクトは、刈刃の直上部から上方へ延びてコンテナの上方に臨むように形成され、移送ダクトの上下方向の中間部には二股状に分岐して上方へ延びる一対の分岐管が設けられている。これらの分岐管には上方へ延びる管部が接続され、管部の上部には後方側に湾曲してコンテナの上部に開口する排出管部が接続されている。
【0004】
移送ダクト内に流入した茶葉は、上方へ流れる圧力風によって移送ダクト内を流れ、分岐管によって機体幅方向に分けて移送され、管部及び排出管部を流れてコンテナに収容される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−11785号公報(図4参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
分岐管は、その機体幅方向両側に設けられた一対の側板部を有して形成され、この一対の側板部は上方へ延びるに従って互いに接近するように延びて、分岐管内の流路は上方へ移動するに従って狭くなるように構成されている。この分岐管内には、正面視において弧状に形成された刈刃に対して放射状に吐出する圧力風が流入する。
【0007】
このため、分岐管内に圧力風が流れると、各分岐管の機体幅方向内側に配設された側板の下流側に繋がる管部内の風速が遅くなる一方、分岐管の機体幅方向外側に配設された側板に繋がる下流側の管部内の風速が速くなる。従って、管部内を流れる圧力風の速度が不均一になるため、移送ダクト内の圧力風が乱れて、刈り取られた茶葉が円滑に移送されずに、移送ダクト内で溜まったり、詰まったりする虞がある。
【0008】
また、分岐管を備えずに流路が単一の移送ダクトの場合でも、刈刃に対して放射状に吐出する圧力風が、この移送ダクト内に流入すると、移送ダクトの幅方向両側の内壁の近くを流れる圧力風の風速が速くなる一方、移送ダクトの幅方向内側を流れる圧力風の風速が遅くなる。従って、分岐管を備える移送ダクトと同様に、移送ダクト内を流れる圧力風の速度が不均一となるため、移送ダクト内の圧力風が乱れて、刈り取られた茶葉が移送ダクト内で溜まったり、詰まったりする虞が生じる。
【0009】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、刈り取られた茶葉が移送ダクト内でスムースに流れることができる茶葉摘採機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような課題を解決するため、本発明の茶葉摘採機は、茶畝を跨いで該茶畝に沿って走行可能な走行装置が設けられた門型枠を有する機体と、該機体の門型枠の下部に配置されて刃先が機体進行方向前側を向くバリカン式の刈刃と、該刈刃の上方に開口部を有して上方へ延び、刈刃によって刈り取られて開口部に移動した茶葉を上向きの圧力風により移送する移送ダクトとを備えた茶葉摘採機であって、刈刃の上方の移送ダクトの下部の後側の内面には、上向きの圧力風を該移送ダクトの流路に沿った方向に案内する整流板が設けられていることを特徴とする(請求項1)。
【0011】
また本発明の整流板は、移送ダクトの下部から上方に延びて、移送ダクトの幅方向に所定間隔を有して複数設けられていることを特徴とする(請求項2)。
【0012】
また本発明の移送ダクトの流路の中間部には、二股に分岐し上方へ延びるにしたがって流路の幅が狭くなる分岐管が設けられ、整流板は、移送ダクトの下部から分岐管側へ延びて、移送ダクト及び分岐管の少なくとも移送ダクトの下部に設けられていることを特徴とする(請求項3)。
【0013】
また本発明は、分岐管の上部には上向きの圧力風を流す管部が接続され、整流板は、管部内の流路の延びる方向を向いて移送ダクトの下部に設けられていることを特徴とする(請求項4)。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、上記特徴を有することで、刈り取られた茶葉が移送ダクト内をスムースに流れて、移送ダクト内で茶葉が溜まったり詰まったりする虞のない茶葉摘採機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる茶葉摘採機の移送ダクトの内部構造斜視図を示す。
【図2】本発明の一実施の形態に係わる茶葉摘採機の側面図を示す。
【図3】本発明の一実施の形態に係わる茶葉摘採機の正面図を示す。
【図4】刈刃の上方に配設された移送ダクトの斜視図を示す。
【図5】移送ダクトを示し、同図(a)は移送ダクトの平面図であり、同図(b)は移送ダクトの正面図であり、同図(c)は移送ダクトの側面図である。
【図6】移送ダクトの内部構造図を示し、同図(a)は移送ダクトの平面視における内部構造図であり、同図(b)は移送ダクトの正面視における内部構造図である。
【図7】移送ダクトに設けられた整流板を説明するための移送ダクトの要部説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態を、図1〜図7を用いて説明する。なお、本実施の形態では、茶葉摘採機として乗用型の摘採機を例にして説明する。
【0017】
先ず、茶葉摘採機の全体構造について、図2(側面図)及び図3(正面図)を参照しながら説明する。茶葉摘採機1は、図2及び図3に示すように、茶畝を跨いで茶畝に沿って走行可能な走行装置3が設けられた門型枠11を有する機体10と、門型枠11の下部に配置されて刃先が機体進行方向前側を向くバリカン式の刈刃25(図4参照)と、刈刃25によって刈り取られた茶葉を上向きの圧力風により移送する移送ダクト30と、移送ダクト30の機体進行方向後側に配設され、内部に取り込まれた下向きの圧力風を上向きの圧力風として移送ダクト30内に送り込む背面ダクト40(図5(a)、図5(c)参照)と、移送ダクト30によって移送された茶葉を収容するコンテナ50を有して構成される。
【0018】
機体10は、茶畝を跨ぎながら走行可能となるように正面視門型に形成された門型枠11を構成する前側フレーム12及び後側フレーム13と、これら前側フレーム12及び後側フレーム13の上部間を連結する左右一対の上部連結フレーム14と、前側フレーム12及び後側フレーム13の下端部間を連結する左右一対の下部連結フレーム15とを備えて構成される。
【0019】
前側フレーム12及び後側フレーム13は、その幅方向に延びる横フレーム部12a,13aが2重管構造によって伸縮自在であると共に、横フレーム部12aの幅方向中央部には、ラックアンドピニオン式の軌間伸縮機構が内蔵されて、茶葉摘採機1の軌間伸縮を可能としている。
【0020】
下部連結フレーム15には、油圧式の駆動輪4、従動輪5、ゴム製或いは鉄製のクローラ6を備えた走行装置3が一体的に組み付けられている。走行装置3は、クローラを用いたものに限定されるものではなく、例えば、車輪、レール式等であってもよい。
【0021】
前側フレーム12の横フレーム部12aの上面には、オペレータや重量物を搭載可能な上部デッキ16が設けられている。この上部デッキ16の機体幅方向一方側には、操縦部17、操作ハンドル(図示せず)及び操縦席18が配設され、上部デッキ16の機体幅方向他方側には、油圧ポンプ一体型のエンジン(図示せず)が配設され、上部デッキ16の幅方向中央部には、送風機(図示せず)が配設されている。
【0022】
操縦部17は、機体操作及び茶園管理作業(摘採作業)を行うための制御ユニットが組み込まれた入力操作表示部、イグニションスイッチ、作業形態に応じて入力操作表示部の表示高さと作動切換スイッチ等(いずれも図示せず)を備えている。操縦部17の後方に、操作ハンドル(図示せず)、オペレータが着座する前述した操縦席18が配設されている。
【0023】
エンジンは、複数の通気孔が穿設された箱型のエンジンカバー19内に配設されている。このエンジンに一体化された油圧ポンプによって、走行装置3及び摘採作業用の各油圧アクチュエータに作動油が供給されるようになっている。
【0024】
送風機は、操縦部17に隣接して配置されたファンカバー20内に配設されている。この送風機は、ベルト駆動式であり、茶樹から刈り取った茶枝葉をコンテナ50側に向かって移送する圧力風を発生すると共に、操縦席18の横に設けられ切り替えレバー(図示せず)によって駆動、停止の切り替えが行われる。この送風機が発生した圧力風は、フレキシブル管(図示せず)を介して背面ダクト40(図5(a)、図5(c)参照)に送られるようになっている。
【0025】
コンテナ50は、図2に示すように、周囲に通気孔付きパネル材を張り巡らせたアルミ枠で構成され、このコンテナ50を機体後方側に向かって回動可能に支持する枠体状のコンテナ支持フレーム51を介して機体10に支持されている。機体10とコンテナ50との間には、左右一対の転位用油圧シリンダ52及びリンク機構(図示せず)が配設されて、コンテナ50は機体後方側に向かって回動可能である
【0026】
前述した上部デッキ16と後側フレーム13との間には、刈刃25、移送ダクト30及び背面ダクト40が配設されている。
【0027】
次に、刈刃25について図4、図7を参照しながら説明する。刈刃25は、図4、図7に示すように、刃先が前側に向くように配置された上下2枚のバリカン刃を備えている。この刈刃25は、下方から上方に向かって圧力風が流れる移送ダクト30の下端部に配設され、かつ背面ダクト40の下端部40bに着脱可能に張り出された刈刃支持フレーム43に支持されている。刈刃25の2枚のバリカン刃は、移送ダクト30の下部30bの一方側の側板部30cに設けられた油圧モータ27によって機体幅方向に往復動される。刈刃25は機体10の前方から見ると上方に突出する弧状に形成されている。
【0028】
刈刃25を支持する刈刃支持フレーム43は、前後にずれた状態で固定された上下2枚の平板部材43a,43bを有して構成される。下側の平板部材43bの上面側に背面ダクト40の下端部40bが着脱可能となるようにボルト固定されている。また、上側の平板部材43aの上面には、背面ダクト40内に取り込まれた下向きの圧力風を上向きの圧力風として移送ダクト30内に送り込むためのアングル等を用いた変向部材44が一体的に結合固定されている。刈刃25と移送ダクト30は、刈り取り高さ位置の調整に伴い、一体的に上下移動可能になっている。
【0029】
なお、刈刃25の上方には、回転ブラシ60が配設されている。回転ブラシ60は、機体幅方向に延びる枠体61に回転自在に支持されている。枠体61の幅方向一方側端部には油圧モータ70が設けられ、この油圧モータ70の駆動力を受けて回転ブラシ60は回転駆動する。
【0030】
次に、背面ダクト40について図5(a)、図5(b)、図5(c)、図7を参照しながら説明する。背面ダクト40は、図5(a)、図5(b)、図5(c)、図7に示すように、移送ダクト30の下部30bの後部側に設けられた後板部30aに沿って併設されている。この背面ダクト40の上板部40aは、山型に形成され、その頂部にはフレキシブル管が接続される接続口41が設けられている。フレキシブル管に取り込まれた下向きの圧力風は、背面ダクト40の前端下部に開口する吹出口48(図7参照)によって上向きの圧力風となって移送ダクト30内に送り込まれる。
【0031】
次に、移送ダクト30について図1、図2、図4、図6、図7を参照しながら説明する。移送ダクト30は、図2に示すように、刈刃25(図1参照)の直上部からやや斜め後方に傾いて上方へ延びてコンテナ50の上方に臨むように設けられている。この移送ダクト30は、図1(内部構造斜視図)、図4、図7に示すように、内部が中空な角筒状に形成され、移送ダクト30の下部30bは機体進行方向前側と下端部が開口し、移送ダクト30の上下方向の中間部には二股状に分岐して上下方向に延びる一対の分岐管31、31'が設けられている。移送ダクト30の下部30bは機体幅方向の延びる後板部30aと、後板部30aの両側から機体進行方向前側へ延びる一対の側板部30cとを有して構成されている。
【0032】
分岐管31、31'は、図6(b)に示すように、機体幅方向両側に配設された一対の側板部31aが上方へ延びるに従って互いに接近するように延びて、内部の流路が上方へ移動するに従って狭くなるように形成されている。これらの分岐管31、31'によって、刈刃25で刈り取られた茶葉が機体幅方向に分けて移送される。これらの分岐管31、31'の各上部には、上下方向に延びる管部32、32'が接続され、管部32、32'の上部には後方側へ屈曲して先端部にコンテナ50の上部に開口する排出管部33(図2参照)が接続されている。
【0033】
移送ダクト30の下部30bの後板部30aには、図6(a)、図6(b)、図7に示すように、移送ダクト30の下端部から分岐管31、31'側へ延びる整流板75が移送ダクト30の幅方向に所定距離を有して複数設けられている。図面では、機体幅方向両側に3個ずつ合計6個の整流板75が設けられている。この整流板75は後板部30aの下端側から分岐管31側に直線状に延びるとともに、分岐管31、31'に接続された管部32、32'内の流路の延びる方向と略同一方向を向いて移送ダクト30の後板部30aに設けられている。
【0034】
このため、吹出口48から吐出する上向きの圧力風は、図6(b)に示すように、刈刃25の弧状に対して放射状に吐出して、整流板75によって圧力風の流れの方向が分岐管31、31'に接続された管部32、32'内の流路の延びる方向に変えられる。従って、一対の分岐管31、31'のうちの幅方向右側に配設された分岐管31に繋がる移送ダクト30の下部30bの中央部側を流れる圧力風W1、W2は、整流板75によって移送ダクト30の幅方向外側に流れることなく中央部側に寄せられて管部32の流路の延びる方向と略同一方向になって分岐管31内を流れる。
【0035】
また移送ダクト30の下部30bの幅方向外側を流れる圧力風W3は、刈刃25に対して放射状に吐出した後に分岐管31の側板部31aに沿って上方へ流れて隣接して流れる圧力風W1に沿って管部32内を流れる。また、移送ダクト30の幅方向内側であって管部32の流路の延びる方向と略同一方向に流れる圧力風W4aは、上方に吐出した後に分岐管31の内側に配設された側板部31aに沿って上方へ流れる圧力風W4bと合流して風量が増加した圧力風W4となり、この圧力風W4が管部32内を流れる。ここで、圧力風W1,W2,W3,W4は、略同じ風量である。
【0036】
このため、移送ダクト30の幅方向右側に配設された管部32内を流れる圧力風W1,W2,W3,W4の流れの方向は、管部32内の流路の方向に沿った方向になり、また管部32内を流れる圧力風W1,W2,W3,W4の流量も略同じであるので、管路32内で乱流は発生しない。従って、刈刃25によって刈り取られた茶葉が分岐管31から管部32内を流れる際に、茶葉が滞留したり詰まったりする虞はなく、茶葉の移送をスムースにすることができる。
【0037】
一方、一対の分岐管31、31'のうちの幅方向左側に配設された分岐管31'に繋がる移送ダクト30の下部30bの中央部側を流れる圧力風W5、W6は、整流板75によって移送ダクト30の幅方向外側に流れることなく中央部側に寄せられて管部32'の流路の延びる方向と略同一方向になって分岐管31'内を流れる。
【0038】
また移送ダクト30の下部30bの幅方向内側を流れる圧力風W7は、刈刃25に対して放射状に吐出した後に分岐管31'の側板部31aに沿って上方へ流れて隣接して流れる圧力風W5に沿って管部32'内を流れる。また、移送ダクト30の幅方向外側であって管部32'の流路の延びる方向と略同一方向に流れる圧力風W8aは、上方に吐出した後に分岐管31'の内側に配設された側板部31aに沿って上方へ流れる圧力風W8bと合流して風量が増加した圧力風W8となり、この圧力風W8が管部32'内を流れる。ここで、圧力風W5,W6,W7,W8は、略同じ風量である。
【0039】
このため、移送ダクト30の幅方向左側に配設された管部32'内を流れる圧力風W5,W6,W7,W8の流れの方向は、管部32'内の流路の方向に沿った方向になり、また管部32'内を流れる圧力風W5,W6,W7,W8の流量も略同じであるので、管路32'内で乱流は発生しない。従って、刈刃25によって刈り取られた茶葉が分岐管31'から管部32'内を流れる際に、茶葉が滞留したり詰まったりする虞はなく、茶葉の移送をスムースにすることができる。なお、前述したように、ダクト30内の圧力風Wの流れを図6(b)に示したが、これは一例に過ぎない。移動ダクト30の下部形状の変更や、分岐管31、31'の形状変更によって、移動ダクト30内の圧力風の流れは変わる。この場合、この圧力風の流れの変化に応じて、管部32,32'を流れる圧力風の流れの方向が管部32,32'の流路に沿った方向になるように、整流板75が移動ダクト30内に設置される。
【0040】
また、前述した実施例では、移送ダクト30の下部30bに整流板75を移送ダクト30の幅方向両側に3個ずつ設けた場合を示したが、幅方向両側に2個、又は4個以上を設けてもよい。また整流板75はその上端部が分岐管31内に延びるように設けられてもよい。また整流板75は鉛直方向に直線状に延びるものに限られるものではなく、上方に進むに従って移送ダクト30の幅方向一方側に直線状に傾斜し又は曲線状に湾曲するものや、折れ曲がるものや、これらを組み合わせたもののいずれでもよい。
【0041】
また、前述した実施例では、移送ダクト30は、その中間部に分岐管31が備えられたものを示したが、分岐管を備えずに流路が単一の移送ダクトでもよい。この場合には、前述した整流板75は、分岐しない移送ダクトの下部の後側の内面に、移送ダクトの流路に沿った方向に延びるように設けられる。従って、前述した中間部に分岐管31が設けられた移送ダクト30と同様の効果、即ち、刈り取られた茶葉の移送を移送ダクト内でスムースすることができる効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0042】
1 茶葉摘採機
3 走行装置
10 機体
11 門型枠
25 刈刃
30 移送ダクト
31 分岐管
32 管部
75 整流板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
茶畝を跨いで該茶畝に沿って走行可能な走行装置が設けられた門型枠を有する機体と、該機体の前記門型枠の下部に配置されて刃先が機体進行方向前側を向くバリカン式の刈刃と、該刈刃の上方に開口部を有して上方へ延び、前記刈刃によって刈り取られて前記開口部に移動した茶葉を上向きの圧力風により移送する移送ダクトとを備えた茶葉摘採機であって、
前記刈刃の上方の前記移送ダクトの下部の後側の内面には、上向きの圧力風を該移送ダクトの流路に沿った方向に案内する整流板が設けられている
ことを特徴とする茶葉摘採機。
【請求項2】
前記整流板は、前記移送ダクトの下部から上方に延びて、前記移送ダクトの幅方向に所定間隔を有して複数設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の茶葉摘採機。
【請求項3】
前記移送ダクトの流路の中間部には、二股に分岐し上方へ延びるにしたがって流路の幅が狭くなる分岐管が設けられ、
前記整流板は、前記移送ダクトの下部から前記分岐管側へ延びて、前記移送ダクト及び前記分岐管の少なくとも前記移送ダクトの下部に設けられている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の茶葉摘採機。
【請求項4】
前記分岐管の上部には上向きの圧力風を流す管部が接続され、
前記整流板は、前記管部内の流路の延びる方向を向いて前記移送ダクトの下部に設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載の茶葉摘採機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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