説明

荷台の取り付け構造および荷台の取り付け方法

【課題】従来のように、荷台側に形成したボルト挿通孔と装置側に形成したボルト挿通孔とを合わせる煩雑で時間のかかる作業が不要で、作業時間を大幅に短縮でき、夜間の取り付け作業も容易に行うことができ、緊急出動対応が可能な荷台の取り付け構造および荷台の取り付け方法を提供する。
【解決手段】荷台側に立設されたガイドピンに対応する位置に貫通するように架台フレームに形成されたガイドピン孔を介して、荷台側に立設されたガイドピンを視認しつつ、架台フレームのガイドピン孔と、荷台側に立設されたガイドピンが一致するように、架台フレームをガイドピン案内部材に案内させて、各種装置の位置決めをして取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、トラック、鉄道、台車などの荷台に、浄水システム装置、発電装置、液体タンク、ガスタンクなどの各種装置を取り付けるための荷台の取り付け構造および荷台の取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、浄水システム装置のような1トン以上もある重量物である各種装置を、災害派遣などのためにトラックの荷台に取り付ける方法としては、図11〜図12に示した方法によるのが一般的であった。
【0003】
すなわち、図11の点線に示したように、トラック100に備えられた図示しないクレーンや、別のクレーンによって、浄水システム装置102の浄水部である浄水システム本体104を吊り上げる。
【0004】
そして、図11の実線に示したように、トラック100の荷台106に形成されたボルト挿通孔108と、浄水システム本体104を固定した架台フレーム110に形成されたボルト挿通孔112とが一致するように、浄水システム本体104を、トラック100の荷台106上に載置する。
【0005】
この状態で、図11に示したように、浄水システム本体104の架台フレーム110に形成されたボルト挿通孔112と、荷台106に形成されたボルト挿通孔108に、締結ボルト114を挿通して、ナット116で締結することによって、浄水システム本体104をトラック100の荷台106に固定していた。
【0006】
なお、図12に示したように、浄水システム装置102は、発電部である発電装置118、浄水システム装置102の取水部である浄水タンク120を備えており、上記の浄水システム本体104、浄水タンク120と同様に、発電装置118、浄水タンク120をトラック100の荷台106に固定していた。
【0007】
一方、特許文献1(特開2006−29527号公報)には、図13に示したように、床面200にガイドピン202が固定されるとともに、重量物204の下面に位置決め凹所206が形成されている取り付け構造が開示されている。
【0008】
すなわち、重量物204を床面200に設置する際に、ガイドピン202と重量物204の位置決め凹所206の中心の位置ずれがある場合に、重量物204を降下させた時に、重量物204の位置決め凹所206の側壁206aが、ガイドピン202のテーパー面202aに接触するようになっている(図13(A))。
【0009】
これにより、重量物204の位置決め凹所206の側壁206aが、ガイドピン202のテーパー面202aに案内されて、重量物204が下降し所定位置に設置されるようになっている(図13(B))。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−29527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このような従来のトラックの荷台に取り付ける方法では、浄水システム装置102とトラック100の荷台106とを、直接、締結ボルト114とナット116で固定するため、荷台106に形成されたボルト挿通孔108と、浄水システム装置102側に開けられたボルト挿通孔112とがぴったりと一致するように合わせる必要がある。
【0012】
しかしながら、浄水システム装置102は、発電装置118、浄水システム本体104、浄水タンク120それぞれが、1トン以上もある重量物であり、クレーンなどの重機で取り付け作業を行うため、トラック100の荷台106に形成されたボルト挿通孔108と、浄水システム装置102側に開けられたボルト挿通孔112とがぴったりと一致するように合わせることは困難であった。
【0013】
このため、従来では、クレーンなどを用いて、いったん浄水システム装置102をトラック100の荷台106上に載置した後、作業員がバールなどを用いて、浄水システム装置102をずらすことによって、トラック100の荷台106に形成されたボルト挿通孔108と、浄水システム装置102側に開けられたボルト挿通孔112とがぴったりと一致するように合わせていた。
【0014】
従って、このような作業が必要なため、浄水システム装置102を地面に置いた状態から、トラック100の荷台106に固定するまでに、浄水システム装置102の発電装置118、浄水システム本体104、浄水タンク120のそれぞれで、1時間程度の作業時間、合計で3時間程度の煩雑な作業が必要であった。
【0015】
また、ボルトナットで浄水システム装置102を固定する際には、トラック100の荷台106の下部に作業員が潜り込んで締結作業をする必要があり、煩雑で手間のかかる作業が必要であり、実際には、緊急出動要請があってからかなりの時間を要していた。
【0016】
また、緊急出動要請が夜間にあった場合、このような作業は困難であり、翌朝にならないと出動できないこともあった。
また、特許文献1の取り付け構造では、重量物204の下面に位置決め凹所206が形成されているだけであるので、重量物204側からガイドピン202の位置を視認することができず、側方から重量物204の位置決め凹所206とガイドピン202の位置を視認する必要があるので、位置決め凹所206とガイドピン202の位置合わせが困難で作業時間がかかっていた。
【0017】
また、特許文献1のガイドピン202には、緩衝空間を有する二重構造になっているが、位置決め凹所206とガイドピン202の位置が相違したまま、重量物204を降下させた時に、ガイドピン202がこの緩衝空間で撓みを吸収しきれず、ガイドピン202が破損損傷するおそれがあった。
【0018】
本発明は、このような現状に鑑み、従来のように、荷台側に形成したボルト挿通孔と装置側に形成したボルト挿通孔とを合わせる煩雑で時間のかかる作業が不要で、作業時間を大幅に短縮でき、夜間の取り付け作業も容易に行うことができ、緊急出動対応が可能な荷台の取り付け構造および荷台の取り付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明の荷台の取り付け構造は、
荷台に各種装置を脱着自在に固定する荷台の取り付け構造であって、
前記荷台側に立設されたガイドピンと、
前記ガイドピンに対応する位置に貫通するように形成されたガイドピン孔と、ガイドピン孔の周囲に形成されたガイドピン案内部材とを有し、前記装置が固定された架台フレームとを備え、
前記ガイドピン孔を介してガイドピンを視認でき、架台フレームのガイドピン孔と、荷台側に立設されたガイドピンが一致するように、架台フレームがガイドピン案内部材に案内されて、前記装置の位置決めをして取り付けることができるように構成されていることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の荷台の取り付け方法は、
荷台に各種装置を脱着自在に固定するための荷台の取り付け方法であって、
前記荷台側に立設されたガイドピンに対応する位置に貫通するように架台フレームに形成されたガイドピン孔を介して、荷台側に立設されたガイドピンを視認しつつ、架台フレームのガイドピン孔と、荷台側に立設されたガイドピンが一致するように、架台フレームをガイドピン案内部材に案内させて、前記装置の位置決めをして取り付けることを特徴とする。
【0021】
このように構成することによって、荷台側に立設されたガイドピンに対応する位置に貫通するように架台フレームに形成されたガイドピン孔を介して、荷台側に立設されたガイドピンを視認できる。
【0022】
この状態で、架台フレームのガイドピン孔と、荷台側に立設されたガイドピンが一致するように、架台フレームをガイドピン案内部材に案内させて、各種の装置の位置決めをして取り付けることができる。
【0023】
従って、従来のように、荷台側に形成したボルト挿通孔と装置側に形成したボルト挿通孔とを合わせる煩雑で時間のかかる作業が不要で、作業時間を大幅に短縮でき、夜間の取り付け作業も容易に行うことができ、緊急出動対応が可能である。
【0024】
また、本発明では、前記ガイドピンが、荷台側に脱着自在に固定されたガイドピンプレートに立設されていることを特徴とする。
このように構成することによって、荷台に各種装置を取り付ける必要がない場合には、ガイドピンが立設されたガイドピンプレートを荷台から取り外すことができるので、荷台に他の荷物を積載する際の邪魔にならず、また、作業員の作業の邪魔になることがない。
【0025】
また、本発明の荷台の取り付け構造は、
前記ガイドピンプレートと架台フレームとが、架台フレーム側に形成されたボルト挿通孔にボルトを挿通して、ガイドピンプレート側に固着された締結用ナットに締結することによって、脱着自在に固定できるように構成されていることを特徴とする。
【0026】
また、本発明の荷台の取り付け方法は、
前記ガイドピンプレートと架台フレームとを、架台フレーム側に形成されたボルト挿通孔にボルトを挿通して、ガイドピンプレート側に固着された締結用ナットに締結することによって、脱着自在に固定することを特徴とする。
【0027】
このように構成することによって、架台フレーム側に形成されたボルト挿通孔にボルトを挿通して、ガイドピンプレート側に固着された締結用ナットに締結するだけで、ガイドピンプレートと架台フレームとを脱着自在に固定することができ、取り付け作業に要する作業時間を短縮することができる。
【0028】
また、本発明の荷台の取り付け構造は、
前記ガイドピンプレートと架台フレームとが、ガイドピンプレート側に立設されたボルトを、架台フレームに形成されたボルト挿通孔に挿通して、締結用ナットによって締結することによって、脱着自在に固定できるように構成されていることを特徴とする。
【0029】
また、本発明の荷台の取り付け方法は、
前記ガイドピンプレートと架台フレームとを、ガイドピンプレート側に立設されたボルトを、架台フレームに形成されたボルト挿通孔に挿通して、締結用ナットによって締結することによって、脱着自在に固定することを特徴とする。
【0030】
このように構成することによって、ガイドピンプレート側に立設されたボルトを、架台フレームに形成されたボルト挿通孔に挿通して、締結用ナットによって締結するだけで、ガイドピンプレートと架台フレームとを脱着自在に固定することができ、取り付け作業に要する作業時間を短縮することができる。
【0031】
また、本発明の荷台の取り付け構造は、
前記ガイドピンプレートが、荷台に形成された締結孔とガイドピンプレートに形成された締結孔に挿通したボルトと、固定用ナットによって、荷台に脱着自在に固定されていることを特徴とする。
【0032】
また、本発明の荷台の取り付け方法は、
前記ガイドピンプレートを、荷台に形成された締結孔とガイドピンプレートに形成された締結孔に挿通したボルトと、固定用ナットによって、荷台に脱着自在に固定することを特徴とする。
【0033】
このように構成することによって、荷台に形成された締結孔とガイドピンプレートに形成された締結孔に挿通したボルトと、固定用ナットによって、ガイドピンプレートを荷台に脱着自在に固定することができ、荷台に各種装置を取り付ける必要がない場合には、ガイドピンが立設されたガイドピンプレートを荷台から取り外すことができるので、荷台に他の荷物を積載する際の邪魔にならず、また、作業員の作業の邪魔になることがない。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、荷台側に立設されたガイドピンに対応する位置に貫通するように架台フレームに形成されたガイドピン孔を介して、荷台側に立設されたガイドピンを視認できる。
【0035】
この状態で、架台フレームのガイドピン孔と、荷台側に立設されたガイドピンが一致するように、架台フレームをガイドピン案内部材に案内させて、各種の装置の位置決めをして取り付けることができる。
【0036】
従って、従来のように、荷台側に形成したボルト挿通孔と装置側に形成したボルト挿通孔とを合わせる煩雑で時間のかかる作業が不要で、作業時間を大幅に短縮でき、夜間の取り付け作業も容易に行うことができ、緊急出動対応が可能である。
【0037】
また、本発明では、荷台に各種装置を取り付ける必要がない場合には、ガイドピンが立設されたガイドピンプレートを荷台から取り外すことができるので、荷台に他の荷物を積載する際の邪魔にならず、また、作業員の作業の邪魔になることがない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、本発明の荷台の取り付け構造を備えたトラックの正面図である。
【図2】図2は、図1の荷台の取り付け構造のガイドピンプレートの正面図である。
【図3】図3は、図2のガイドピンプレートの上面図である。
【図4】図4は、本発明の荷台の取り付け構造の架台フレームの上面図である。
【図5】図5は、本発明の荷台の取り付け構造のガイドピンプレートと架台フレームの接合状態を説明する上面図である。
【図6】図6は、図5のA−A線での断面図である。
【図7】図7は、本発明の荷台の取り付け構造のガイドピンプレートと架台フレームの接合状態を説明する分解図である。
【図8】図8は、本発明の荷台の取り付け方法を説明する概略図である。
【図9】図9は、本発明の荷台の取り付け方法を説明する概略図である。
【図10】図10は、本発明の別の実施例の荷台の取り付け構造のガイドピンプレートと架台フレームの接合状態を説明する分解図である。
【図11】図11は、従来の荷台の取り付け方法を説明する概略図である。
【図12】図12は、従来の荷台の取り付け方法を説明する概略図である。
【図13】図13は、従来の荷台の取り付け方法を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
【実施例1】
【0040】
図1は、本発明の荷台の取り付け構造を備えたトラックの正面図、図2は、図1の荷台の取り付け構造のガイドピンプレートの正面図、図3は、図2のガイドピンプレートの上面図、図4は、本発明の荷台の取り付け構造の架台フレームの上面図、図5は、本発明の荷台の取り付け構造のガイドピンプレートと架台フレームの接合状態を説明する上面図、図6は、図5のA−A線での断面図、図7は、本発明の荷台の取り付け構造のガイドピンプレートと架台フレームの接合状態を説明する分解図である。
【0041】
図1において、符号10は、全体で本発明の荷台の取り付け構造を備えたトラックを示している。
図1に示したように、トラック10は、荷台12を備えており、荷台12の上に、例えば、浄水システム装置14が脱着自在に固定されている。
【0042】
浄水システム装置14は、発電部である発電装置16と、浄水部である浄水システム本体18と、取水部である浄水タンク20とから構成されている。
一方、荷台12には、ガイドピンプレート22が、脱着自在に固定されており、このガイドピンプレート22には、図2〜図3、図7に示したように、ガイドピン24が立設されている。
【0043】
なお、この実施例の場合には、発電装置16と、浄水システム本体18と、浄水タンク20に対してそれぞれ、荷台12の左右両側に2枚ずつのガイドピンプレート22が荷台12に固定されている。従って、この実施例では、左右両側に合計6枚のガイドピンプレート22が荷台12に固定されている。そして、これらのガイドピンプレート22に、それぞれ1個のガイドピン24が立設されている。
【0044】
また、図2〜図3、図7に示したように、ガイドピンプレート22にはそれぞれ、ガイドピンプレート22の長手方向両端部と、ガイドピン24の近傍の合計3か所に、締結孔26が形成されている。これらのガイドピンプレート22の締結孔26に対応して、荷台12にも、締結孔28が形成されている。
【0045】
そして、図1に示したように、荷台12に形成された締結孔28と、ガイドピンプレート22に形成された締結孔26にボルト30を挿通して、固定用ナット32によって、荷台12に、ガイドピンプレート22が脱着自在に固定されている。
【0046】
また、図2〜図3、図7に示したように、ガイドピンプレート22にはそれぞれ、ガイドピンプレート22の長手方向両端部と、ガイドピン24の近傍の合計3か所に、締結用ナット34が固着されている。
【0047】
一方、浄水システム装置14の発電装置16と、浄水システム本体18と、浄水タンク20はそれぞれ、架台フレーム36に固定されている。
また、架台フレーム36の底部の架台フレーム38は、図5〜図7に示したように、断面U字形状であって、その上板部40には、ガイドピンプレート22のガイドピン24に対応する位置に、貫通するようにガイドピン孔42が形成されている。
【0048】
さらに、このガイドピン孔42の周囲には、図6に示したように、円筒形状のガイドピン案内部材44が、下方に突設するように形成されている。
これにより、図6に示したように、ガイドピンプレート22のガイドピン24の先端に形成されたテーパー面24aが、架台フレーム38のガイドピン案内部材44に案内されて、ガイドピン24がガイドピン案内部材44に嵌合して、ガイドピン孔42に挿着されて、位置合わせが行われるようになっている。
【0049】
また、架台フレーム38の上板部40には、図4〜図6に示したように、ガイドピンプレート22に固着された締結用ナット34に対応する位置に、ボルト挿通孔46が形成されている。
【0050】
そして、上記のように、ガイドピン24がガイドピン案内部材44に嵌合して、ガイドピン孔42に挿着されて、位置合わせが行われた後、架台フレーム38の上板部40に形成されたボルト挿通孔46にボルト48を挿通して、ガイドピンプレート22に固着された締結用ナット34に締結することによって、ガイドピンプレート22と架台フレーム38とを、脱着自在に固定するように構成されている。
【0051】
このように構成することによって、架台フレーム38側に形成されたボルト挿通孔46にボルト48を挿通して、ガイドピンプレート22側に固着された締結用ナット34に締結するだけで、ガイドピンプレート22と架台フレーム38とを脱着自在に固定することができ、取り付け作業に要する作業時間を短縮することができる。
【0052】
これにより、架台フレーム38に固定された浄水システム装置14の発電装置16と、浄水システム本体18と、浄水タンク20がそれぞれ、トラック10の荷台12に脱着自在に固定される。
【0053】
このように構成される本発明の荷台の取り付け構造は、下記のようにして荷台の取り付け方法が実施される。
なお、以下では、説明の便宜上、浄水システム装置14の浄水部である浄水システム本体18を、トラック10の荷台12に脱着自在に固定する方法について説明するが、浄水システム装置14の発電装置16と、浄水タンク20についても同様に荷台の取り付け方法が実施される。
【0054】
先ず、図8に示したように、ガイドピンプレート22を、荷台12に形成された締結孔28と、ガイドピンプレート22に形成された締結孔26とが一致するように、荷台12上に配置する。
【0055】
そして、荷台12に形成された締結孔28と、ガイドピンプレート22に形成された締結孔26に上方よりボルト30を挿通して、荷台12の下方から固定用ナット32によって、ガイドピンプレート22を荷台12に脱着自在に固定する。
【0056】
次に、図8の点線に示したように、トラック10に備えられた図示しないクレーンや、別のクレーンによって、浄水システム装置14の浄水部である浄水システム本体18を吊り上げる。
【0057】
そして、浄水システム本体18側の架台フレーム38に形成されたガイドピン孔42を介して、荷台側のガイドピンプレート22のガイドピン24を視認しつつ、架台フレーム38のガイドピン孔42と、荷台側に立設されたガイドピン24が一致するように、浄水システム本体18を降下させる。
【0058】
これにより、図9に示したように、ガイドピンプレート22のガイドピン24の先端に形成されたテーパー面24aが、架台フレーム38のガイドピン案内部材44に案内されて(図9(A))、ガイドピン24がガイドピン案内部材44に嵌合して、ガイドピン孔42に挿着されて、位置合わせが行われる(図9(B))。
【0059】
このようにガイドピン24がガイドピン案内部材44に嵌合して、ガイドピン孔42に挿着されて、位置合わせが行われた後、架台フレーム38の上板部40に形成されたボルト挿通孔46にボルト48を挿通して、ガイドピンプレート22に固着された締結用ナット34に締結することによって、ガイドピンプレート22と架台フレーム38とを、脱着自在に固定する。
【0060】
これにより、浄水システム本体18が、トラック10の荷台12に脱着自在に固定される(図9の実線参照)。
なお、浄水システム装置14の発電装置16と浄水タンク20も、同様にしてトラック10の荷台12に脱着自在に固定される。
【0061】
また、浄水システム装置14をトラック10の荷台12から取り外すには、上記の逆の工程を実施すればよい。
このように構成することによって、荷台12側に立設されたガイドピン24に対応する位置に貫通するように架台フレーム38に形成されたガイドピン孔42を介して、荷台12側に立設されたガイドピン24を視認できる。
【0062】
この状態で、架台フレーム38のガイドピン孔42と、荷台12側に立設されたガイドピン24が一致するように、架台フレーム38をガイドピン案内部材44に案内させて、浄水システム装置14の装置の位置決めをして取り付けることができる。
【0063】
従って、従来のように、荷台側に形成したボルト挿通孔と装置側に形成したボルト挿通孔とを合わせる煩雑で時間のかかる作業が不要で、作業時間を大幅に短縮でき、夜間の取り付け作業も容易に行うことができ、緊急出動対応が可能である。
【0064】
また、本発明では、荷台に浄水システム装置14を取り付ける必要がない場合には、ガイドピン24が立設されたガイドピンプレート22を荷台12から取り外すことができるので、荷台12に他の荷物を積載する際の邪魔にならず、また、作業員の作業の邪魔になることがない。
【0065】
なお、この実施例では、荷台12に形成された締結孔28と、ガイドピンプレート22に形成された締結孔26に上方よりボルト30を挿通して、荷台12の下方から固定用ナット32によって、ガイドピンプレート22を荷台12に脱着自在に固定したが、図示しないが、荷台12に形成された締結孔28と、ガイドピンプレート22に形成された締結孔26に荷台12の下方からボルト30を挿通して、ガイドピンプレート22の上方より固定用ナット32によって、ガイドピンプレート22を荷台12に脱着自在に固定することももちろん可能である。
【実施例2】
【0066】
図10は、本発明の別の実施例の荷台の取り付け構造のガイドピンプレートと架台フレームの接合状態を説明する分解図である。
この実施例の荷台の取り付け構造は、図1〜図9に示した実施例1の荷台の取り付け構造と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0067】
この実施例の荷台の取り付け構造では、実施例1のガイドピンプレート22に固着された締結用ナット34の代わりに、ガイドピンプレート22にボルト50を立設している。
そして、架台フレーム38の上板部40に形成されたボルト挿通孔46にボルト50を挿通して、架台フレーム38の上方より締結用ナット52に締結することによって、ガイドピンプレート22と架台フレーム38とを、脱着自在に固定する。
【0068】
このように構成することによって、ガイドピンプレート22側に立設されたボルト50を、架台フレーム38に形成されたボルト挿通孔46に挿通して、締結用ナット52によって締結するだけで、ガイドピンプレート22と架台フレーム38とを脱着自在に固定することができ、取り付け作業に要する作業時間を短縮することができる。
【0069】
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、上記実施例では、ガイドピンプレート22に、それぞれ1個のガイドピン24を立設したが、図示しないが、ガイドピンプレート22に、それぞれ1個のガイドピン24を立設するようにすることも可能である。
【0070】
また、上記実施例では、発電装置16と、浄水システム本体18と、浄水タンク20に対してそれぞれ、荷台12の左右両側に2枚ずつのガイドピンプレート22が荷台12に固定したが、発電装置16と、浄水システム本体18と、浄水タンク20に共通の1枚のガイドピンプレート22として、荷台12の左右両側に1枚ずつのガイドピンプレート22を荷台12に固定することも可能である。
【0071】
さらに、上記実施例では、浄水システム装置14について説明したが、発電装置、液体タンク、ガスタンクなどの各種装置を取り付けることも可能であり、また、上記実施例では、トラック10の荷台12について説明したが、例えば、鉄道、台車などの各種の荷台に取り付けるようにすることも可能であるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、例えば、トラック、鉄道、台車などの荷台に、浄水システム装置、発電装置、液体タンク、ガスタンクなどの各種装置を取り付けるための荷台の取り付け構造および荷台の取り付け方法に適用することができる。
【符号の説明】
【0073】
10 トラック
12 荷台
14 浄水システム装置
16 発電装置
18 浄水システム本体
20 浄水タンク
22 ガイドピンプレート
24 ガイドピン
24a テーパー面
26 締結孔
28 締結孔
30 ボルト
32 固定用ナット
34 締結用ナット
36 架台フレーム
38 架台フレーム
40 上板部
42 ガイドピン孔
44 ガイドピン案内部材
46 ボルト挿通孔
48 ボルト
50 ボルト
52 締結用ナット
100 トラック
102 浄水システム装置
104 浄水システム本体
106 荷台
108 ボルト挿通孔
110 架台フレーム
112 ボルト挿通孔
114 締結ボルト
116 ナット
118 発電装置
120 浄水タンク
200 床面
202 ガイドピン
202a テーパー面
204 重量物
206 凹所
206a 側壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷台に各種装置を脱着自在に固定する荷台の取り付け構造であって、
前記荷台側に立設されたガイドピンと、
前記ガイドピンに対応する位置に貫通するように形成されたガイドピン孔と、ガイドピン孔の周囲に形成されたガイドピン案内部材とを有し、前記装置が固定された架台フレームとを備え、
前記ガイドピン孔を介してガイドピンを視認でき、架台フレームのガイドピン孔と、荷台側に立設されたガイドピンが一致するように、架台フレームがガイドピン案内部材に案内されて、前記装置の位置決めをして取り付けることができるように構成されていることを特徴とする荷台の取り付け構造。
【請求項2】
前記ガイドピンが、荷台側に脱着自在に固定されたガイドピンプレートに立設されていることを特徴とする請求項1に記載の荷台の取り付け構造。
【請求項3】
前記ガイドピンプレートと架台フレームとが、架台フレーム側に形成されたボルト挿通孔にボルトを挿通して、ガイドピンプレート側に固着された締結用ナットに締結することによって、脱着自在に固定できるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の荷台の取り付け構造。
【請求項4】
前記ガイドピンプレートと架台フレームとが、ガイドピンプレート側に立設されたボルトを、架台フレームに形成されたボルト挿通孔に挿通して、締結用ナットによって締結することによって、脱着自在に固定できるように構成されていることを特徴とする請求項2から3のいずれかに記載の荷台の取り付け構造。
【請求項5】
前記ガイドピンプレートが、荷台に形成された締結孔とガイドピンプレートに形成された締結孔に挿通したボルトと、固定用ナットによって、荷台に脱着自在に固定されていることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の荷台の取り付け構造。
【請求項6】
荷台に各種装置を脱着自在に固定するための荷台の取り付け方法であって、
前記荷台側に立設されたガイドピンに対応する位置に貫通するように架台フレームに形成されたガイドピン孔を介して、荷台側に立設されたガイドピンを視認しつつ、架台フレームのガイドピン孔と、荷台側に立設されたガイドピンが一致するように、架台フレームをガイドピン案内部材に案内させて、前記装置の位置決めをして取り付けることを特徴とする荷台の取り付け方法。
【請求項7】
前記ガイドピンが、荷台側に脱着自在に固定されたガイドピンプレートに立設されていることを特徴とする請求項6に記載の荷台の取り付け方法。
【請求項8】
前記ガイドピンプレートと架台フレームとを、架台フレーム側に形成されたボルト挿通孔にボルトを挿通して、ガイドピンプレート側に固着された締結用ナットに締結することによって、脱着自在に固定することを特徴とする請求項7に記載の荷台の取り付け方法。
【請求項9】
前記ガイドピンプレートと架台フレームとを、ガイドピンプレート側に立設されたボルトを、架台フレームに形成されたボルト挿通孔に挿通して、締結用ナットによって締結することによって、脱着自在に固定することを特徴とする請求項7から8のいずれかに記載の荷台の取り付け方法。
【請求項10】
前記ガイドピンプレートを、荷台に形成された締結孔とガイドピンプレートに形成された締結孔に挿通したボルトと、固定用ナットによって、荷台に脱着自在に固定することを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の荷台の取り付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−75633(P2013−75633A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217564(P2011−217564)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000229564)日本バルカー工業株式会社 (145)
【出願人】(390013262)NECファシリティーズ株式会社 (15)