説明

菌が定着した活性炭の製造方法及び菌体定着装置

【課題】本発明は、大気汚染といった環境への悪影響を引き起こさず、植物の生長及び耐病性を向上させ、さらに効率よく、かつ、永続的に安定した農作物生産を行うことができる植物の生育促進又は病害抑制資材を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、通気性のある容器に活性炭と好気性菌を投入し、前記容器を回転させながら好気性菌の培養を行うことを含む好気性菌が定着した活性炭の製造方法を提供する。また、本発明は、菌体定着装置であって、通気性を有し、回転自在に支持された、活性炭を収容するための活性炭保持容器と、培養液を収容するための培養液容器と、前記活性炭保持容器を前記培養液容器に収容された培養液に浸漬させた状態と、浸漬させない状態との間で切換えるための切換え手段と、前記活性炭保持容器を回転させるための回転手段とを有する、菌体定着装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物の生育促進又は病害抑制資材として有用な好気性菌が定着した活性炭の製造方法及び菌体定着装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
効率的な農業生産において、植物の生育を促進させたり、各種病害に対して耐病性を高めたりするために各種肥料、農薬等が用いられている。現在、農薬の多用、化学肥料の乱用による、抵抗性病害の発生、農地の地力低下、連作障害、農作物の品質や生産力の低下が問題となっており、さらには環境破壊も問題となっている。このため、いかにして環境負荷を低減させ、植物の生長を促進させ、耐病性を向上させ、効率よく、永続的に農業生産を行うかが、農業分野での課題となっている。
特に、生産現場で問題となっている土壌病害は、その回避のためには病害菌を殺菌する必要がある。従来、臭化メチル、クロルピクリンなどの薬剤による土壌くん蒸処理や蒸気消毒、熱水消毒、太陽熱消毒などの熱による土壌消毒処理が行われている。しかしながら、このくん蒸処理や消毒処理は、土壌中の微生物を有害無害に関わらず、すべて殺菌してしまい微生物生態系を破壊してしまう。
さらに、薬剤には人畜に毒性があり、環境保全型農業推進などの観点から、農薬を使用しない防除技術へ注目が高まっている。
木炭、活性炭、泥炭、石炭などの炭化物による土壌改良効果は、有用微生物の「すみか」として好適な環境付与などの点から古くより注目されているが、これは炭化物への土壌菌の自然担持効果を期待したものであり、有用な土壌菌の積極的な菌相形成を目的としたものではない。特に、上記のような殺菌剤によるくん蒸処理や消毒処理を行っている農地では、炭化物の鋤込みだけでは土壌改良効果は期待できない。
また、炭化物に土壌菌を担持させた土壌改良剤(特許文献1及び特許文献2)も提案されているが、より生育促進や耐病性向上効果の高いものが望まれている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−360244号公報
【特許文献2】特開2004−292320号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、大気汚染といった環境への悪影響を引き起こさず、植物の生長及び耐病性を向上させ、さらに効率よく、かつ、永続的に安定した農作物生産を行うことができる植物の生育促進又は病害抑制資材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題に対して鋭意研究した結果、活性炭と好気性菌を収容した通気性のある容器を回転させながら好気性菌の培養を行うことにより、好気性菌が定着した活性炭である植物の生育促進又は病害抑制資材を効率良く製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、通気性のある容器に活性炭と好気性菌を投入し、前記容器を回転させながら好気性菌の培養を行うことを含む好気性菌が定着した活性炭の製造方法を提供する。
また、本発明は、菌体定着装置であって、通気性を有し、回転自在に支持された、活性炭を収容するための活性炭保持容器と、培養液を収容するための培養液容器と、前記活性炭保持容器を前記培養液容器に収容された培養液に浸漬させた状態と、浸漬させない状態との間で切換えるための切換え手段と、前記活性炭保持容器を回転させるための回転手段とを有する、菌体定着装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の好気性菌が定着した活性炭の製造方法及び菌体定着装置を利用することで、大気汚染といった環境への悪影響を引き起こさず、植物の生長を促進させ、好気性の菌類が生育しやすい環境を作り出すことにより、耐病性を向上させ、効率よく、永続的に安定した農作物生産を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の好気性菌が定着した活性炭の製造方法は通気性のある容器に活性炭と好気性菌を投入することを含む。
本発明で用いる活性炭としては、コークス、石炭ピッチ、石油ピッチ、コールタール、亜炭、褐炭、瀝青炭、無煙炭、泥炭、草炭、ピート炭、石油蒸留残渣などの鉱物系原料、アクリル樹脂、フェノール樹脂などの有機材料系原料、木質材料、果実殻・果実種子、パルプ廃棄物、製糖廃棄物、再生繊維などの植物系原料などを活性化させたものが挙げられる。活性炭の粒径、比表面積、硬度、密度などの性状は特に制限されない。活性炭の粒径は、好ましくは0.1〜20mmであり、より好ましくは0.5〜5mmである。活性炭の比表面積は、好ましくは10〜2000m2/gであり、より好ましくは10〜100m2/gである。活性炭の硬度は、好ましくは1〜20であり、より好ましくは10〜20である。活性炭の密度は、好ましくは1〜3g/m3であり、より好ましくは1.5〜2g/m3である。上記活性炭を得る方法としては従来からよく知られているいずれの方法を用いてもよい。本発明においては、活性炭としてビール粕の炭化物を用いるのが好ましい。
【0008】
ビール粕の炭化処理方法としては、特開2000−44950号公報、特開2000−33496号公報等に記載された方法をはじめとして多数の方法が知られている。特に、本願出願人の出願に係る特開2000−33496号公報には、ビール粕を原料とする炭化処理工程の工夫により均質化された炭化物が得られることが記載されている。また、ビール粕を棒状等の適当な形状に成形した後、高温(例えば、750〜850℃)で焼成すれば、硬度及び精錬度が備長炭並みで、粉の発生が少ない白炭を得ることが記載されている。更に、通常の炭に比べて灰分量(特に、P及びMg)や窒素量の多い炭化物が得られることも記載されている。
本発明においては、上記従来技術を利用してビール粕を粒状、棒状などの適当な形状に成形した後、炭化処理をして得た炭化物を用いてもよい。得られた炭化物から適当な大きさのものを選択することにより、又は炭化物を破砕若しくは粉砕し、篩い分けすることにより、植物の種類、植物の生育段階及び植物栽培容器の種類に適合した大きさの植物の生育促進又は病害抑制資材を得ることができる。例えば、5〜30mm程度に砕いて用いてもよい。
【0009】
更に、粉状若しくは細粉状で得られた炭化物を、又は成形物を粉砕した炭化物を公知の造粒手段を用いて成形することにより、粒の大きさがそろった植物の生育促進又は病害抑制資材が得られる。このような植物の生育促進又は病害抑制資材は、植物の種類、植物の生育段階及び植物栽培容器の種類に限定されずに用いることができる。更に、上記ビール粕成形白炭を用いる植物の生育促進又は病害抑制資材は、ミネラル供給源としての肥料効果も期待できる。
尚、本発明で用いるビール粕の炭化物は通常次のような物性値を有するものである。
比表面積:1〜20m2/g
硬度 :10〜20(木炭硬度計による測定値、20が上限)
密度 :1.8〜2.0g/m3
ここで、比表面積はN2ガス吸着−BET法、NOVA1000(Quantchrome)で測定した値である。硬度は三浦式木炭硬度計で測定した値である。密度はHeガス比較式法1000型(東京サイエンス社製)で測定した値である。
【0010】
本発明で用いる好気性菌としては、糸状菌、細菌、酵母又は放線菌のいずれであってもよく、従来からよく知られている各種の菌株を用いることができる。例えば、フザリウム(Fusarium)属糸状菌、トリコデルマ(Trichoderma)属糸状菌、アスペルギルス(Aspergillus)属糸状菌、ペニシリウム(Penicillium)属糸状菌、カエトミウム(Chaetomium)属糸状菌、リゾクトニア(Rhizoctonia)属糸状菌、ボーベリア(Beauveria)属糸状菌、メタリジウム(Metarhizium)属糸状菌、バーチシリウム(Verticillium)属糸状菌、アルタナリア(Alternaria)属糸状菌、ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)属糸状菌、フォーマ(Phoma)属糸状菌、バシルス(Bacillus)属細菌、サッカロミセス(Saccharomyces)属酵母、ストレプトミセス(Streptomyces)属放線菌などが挙げられる。好ましくは、フォーマ(Phoma)属糸状菌である。
【0011】
フォーマ(Phoma)属糸状菌は、一般に、全体的に灰白色又は淡黄褐色の羊毛状の菌糸が広がったコロニーを形成し、寒天培養下では、培地の表面に近い所々に点状に暗褐色〜黒色の分生子殻を形成するものである。分生子殻は球形又はフラスコ形である。内部には、無色、卵形〜楕円形、1細胞の小型の分生子が無数に生じている。成熟すると、分生子殻の先端に小さい乳頭状の孔口を通って分生子が粘塊となって外部に放出される。本発明で用いるフォーマ(Phoma)属糸状菌には、フォーマ(Phoma)属に属する糸状性真菌に加えて、Phoma属に属する糸状性真菌より誘導された変異株、細胞融合株及び遺伝子組換え株も含まれる。なお、フォーマ(Phoma)属糸状菌のうち、特に高い植物生長促進効果を有する菌株としては、例えばPhoma sp.GS−8−2、Phoma sp.GS−10−2及びPhoma sp.GS−12−2と命名された菌株を挙げることができる。
【0012】
好気性菌を容器に投入する前に、予め活性炭を培養液に浸漬してもよい。培養液としては、ビール粕脱水ろ液などが挙げられる。浸漬は、例えば20〜100℃で、好ましくは40〜80℃で、10〜60分間、好ましくは10〜30分間行ってもよい。また、浸漬は減圧雰囲気下で10〜60分間、好ましくは10〜30分間行ってもよい。活性炭を培養液に浸漬した後、培養液を除去して好気性菌を容器に投入する。
投入する好気性菌の形態は特に限定されないが、例えばビール粕脱水ろ液やポテトデキストロース寒天培地にて前培養した形態で投入してもよい。
【0013】
本発明の好気性菌が定着した活性炭の製造方法は通気性のある容器を回転させながら好気性菌の培養を行うことを含む。培養は、例えば10〜35℃で、好ましくは25〜30℃で、3〜14日間、好ましくは5〜10日間行ってもよい。
【0014】
本発明の好気性菌が定着した活性炭の製造方法を実施する菌体定着装置を、図1及び2を参照しながら説明する。本発明の菌体定着装置(1)は、活性炭と好気性菌を収容するための活性炭保持容器(2)を有する。活性炭保持容器(2)は、通気性を有し、回転自在に支持されている。すなわち、この実施態様では、活性炭保持容器(2)は、全体的にメッシュに形成された円筒形の容器からなり、この活性炭保持容器(2)からは回転シャフト(3)が水平に延び、回転シャフト(3)の遠位端部は菌体定着装置(1)のフレームに回転自在に取り付けられている。活性炭保持容器(2)は、金属やガラス、樹脂などで形成されるが、通気性を有し、活性炭を保持できるものであれば、これら以外の材料で形成さてもよい。
【0015】
本発明の菌体定着装置(1)は、さらに培養液を収容するための培養液容器(4)を有する。培養液容器(4)は、培養液容器(4)に収容された培養液に活性炭保持容器(2)を浸漬させることができる形状であればどのような形状であってもよい。活性炭保持容器(2)を培養液容器(4)に収容された培養液に浸漬することによって、活性炭保持容器(2)に収容された活性炭を培養液に浸漬することができる。すなわち、この実施態様では、培養液容器(4)は、活性炭保持容器(2)と同心である円筒形の容器を高さ方向中心面に沿って2分した形状の容器からなり、この培養液容器(4)からは回転シャフト(5)が水平に延び、回転シャフト(5)の遠位端部は菌体定着装置(1)のフレームに回転自在に取り付けられている。培養液容器(4)は、金属やガラス、樹脂などで形成されるが、培養液を保持できるものであれば、これら以外の材料で形成さてもよい。
【0016】
本発明の菌体定着装置(1)は、さらに活性炭保持容器(2)を培養液容器(4)に収容された培養液に浸漬させた状態と、浸漬させない状態との間で切換えるための切換え手段(6)を有する。これにより、活性炭を培養液に浸漬した後、余剰の培養液を活性炭から除去するのが容易になる。すなわち、この実施態様では、切換え手段(6)は、培養液を培養液容器(4)から自然落下により流出させるように回転シャフト(5)を駆動するモータ(6a)を有する。これにより、活性炭保持容器(2)を固定化したままで、活性炭から余剰の培養液を排出することが容易になる。なお、菌体定着装置(1)は、培養液を菌体定着装置(1)から排出させるための、活性炭保持容器(2)及び培養液容器(4)の下方に設けられた排出口(7)を有する。
【0017】
本発明の菌体定着装置(1)は、さらに活性炭保持容器(2)を回転させるための回転手段(8)を有する。通気性の活性炭保持容器(2)を回転させながら好気性菌の培養を行うことで、効率良く培養を行うことができる。この実施態様では、回転手段(8)は、回転シャフト(3)に連結されたモータ(8a)によって構成されている。
【0018】
また、活性炭保持容器(2)は、好気性菌が定着した活性炭の回収を容易にするために、開閉自在の活性炭排出口(9)を備えている。この実施態様では、活性炭排出口(9)は、円筒形の活性炭保持容器(2)の周面に、長手方向に延びるように形成され、この活性炭排出口(9)には摺動自在に開閉扉が取り付けられている。回転手段(8)は活性炭保持容器(2)の活性炭排出口(9)が下方を向くように活性炭保持容器(2)を回転させるようになっている。
【0019】
さらに、活性炭保持容器(2)から好気性菌が定着した活性炭の回収を容易にするために、切換え手段(6)はまた培養液容器(4)を活性炭保持容器(2)と排出口(7)との間から移動させるようになっている。
【0020】
かくして、培養液容器(4)から培養液を流出させ、好気性菌を培養した後、活性炭排出口(9)が下を向くように活性炭保持容器(2)を移動させ、これと前後して培養液容器(4)を活性炭保持容器(2)と排出口(7)との間から退避させ、これに続いて活性炭保持容器(2)の開閉扉を開けることにより、活性炭保持容器(2)の好気性菌が定着した活性炭を排出口(7)を介して回収することができる。よって、連続して繰り返し好気性菌が定着した活性炭を製造することが容易になる。
【0021】
好気性菌が定着した活性炭は、前記菌体定着装置を用いて、例えば以下のようにして製造される。
活性炭排出口(9)から活性炭保持容器(2)に活性炭を投入する(図2(a))。培養液容器(4)に培養液を投入して活性炭保持容器(2)内の活性炭を培養液に浸漬した状態で、活性炭保持容器(2)を回転させる(図2(b))。培養液容器(4)を回転させて培養液容器(4)から自然落下により培養液を流出させる(図2(c))。活性炭排出口(9)から活性炭保持容器(2)に好気性菌を投入し、活性炭保持容器(2)を回転させて好気性菌を培養する(図2(d))。活性炭排出口(9)が下を向くように活性炭保持容器(2)を回転させ、これと前後して培養液容器(4)を活性炭保持容器(2)と排出口(7)との間から退避させ、これに続いて活性炭保持容器(2)の開閉扉を開けて活性炭保持容器(2)内の好気性菌が定着した活性炭を排出口(7)を介して回収する(図2(e))。
【0022】
本発明の製造方法により得られた好気性菌が定着した活性炭は植物の生育促進又は病害抑制資材として使用することができ、園芸植物の植え込み材や花卉類、野菜や果物等の青果類の養液栽培、水耕栽培、土壌栽培に適する。栽培される植物は、らん、ベゴニア、チューリップ、バラ等の花卉類、トマト、きゅうり、ナス、大根、にんじん、ほうれん草、パセリ等の野菜類、メロン、イチゴ、ウリ、ウメ等の果物類等、その種類は制限されない。好ましくは、トマト、きゅうり、ナス、大根、にんじん、ほうれん草、パセリ等の野菜類、メロン、イチゴ、ウリ、ウメ等の果物類であり、特に好ましくはトマトである。
【実施例】
【0023】
(実施例1:回転培養)
回転ボールミル(直径11cm×15cmの通気性のある円筒状容器)にビール粕の炭化物(商品名「モルトセラミックス」、粒径:3mm、比表面積:20m2/g、硬度:20、密度2.0g/m3)200gと、PGPF菌(GS8−2)を前培養したビール粕脱水ろ液150mLとを投入し、PGPF菌(GS8−2)の培養を7日間行った(25℃)。
前培養は保存用寒天斜面培地からポテトデキストロース寒天平板培地に植菌して25℃、5日間培養した寒天片(直径5mm)20片をビール粕脱水ろ液150mLに加え25℃、7日間の条件で行った。
培養は、6時間に1回、1分間(回転の速さは12回/1分間)前記容器を回転させて行った。
【0024】
(比較例1:静置培養)
1L容三角フラスコにビール粕の炭化物(商品名「モルトセラミックス」、粒径:3mm、比表面積:20m2/g、硬度:20、密度2.0g/m3)200gと、PGPF菌(GS8−2)を前培養したビール粕脱水ろ液150mLとを投入し、PGPF菌(GS8−2)の培養を7日間行った(25℃)。
前培養は保存用寒天斜面培地からポテトデキストロース寒天平板培地に植菌して25℃、5日間培養した寒天片(直径5mm)20片をビール粕脱水ろ液150mLに加え25℃、7日間の条件で行った。
【0025】
(含菌モルトセラミックスに定着した生菌数の定量)
実施例1又は比較例1で培養した含菌モルトセラミックス10gに滅菌水90mLを加え、1時間往復振とうした(振とうは135回/1分間)。
振とう後の菌体懸濁液を用いて細胞内ATP量を定量し、含菌モルトセラミックスに定着した生菌数を評価した。
細胞内ATP量の定量はルミノメーター(ルミテスターC−100;キッコーマン(株)製)を用いて行った。結果を下記表1に示す。
【0026】

【0027】
(生育促進効果の評価)
実施例1又は比較例1で培養した含菌モルトセラミックスを土壌に混合し(5%(w/v))、150mL容ポットに充填して、キュウリ(品種;トキワ地這)を播種した。播種後28日目の地上部乾物重を測定して、生育促進効果を評価した。結果を下記表に示す。
【0028】

【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の菌体定着装置の実施態様の側面図及び正面図である。
【図2】本発明の実施態様の概略的な工程図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通気性のある容器に活性炭と好気性菌を投入し、前記容器を回転させながら好気性菌の培養を行うことを含む好気性菌が定着した活性炭の製造方法。
【請求項2】
菌体定着装置であって、
通気性を有し、回転自在に支持された、活性炭を収容するための活性炭保持容器と、
培養液を収容するための培養液容器と、
前記活性炭保持容器を前記培養液容器に収容された培養液に浸漬させた状態と、浸漬させない状態との間で切換えるための切換え手段と、
前記活性炭保持容器を回転させるための回転手段とを有する、
菌体定着装置。
【請求項3】
前記活性炭保持容器及び前記培養液容器の下方に設けられた排出口を有し、
前記切換え手段が、前記培養液を前記培養液容器から流出させるように前記培養液容器を駆動するようになった、
請求項2記載の菌体定着装置。
【請求項4】
前記活性炭保持容器及び前記培養液容器の下方に設けられた排出口を有し、
前記活性炭保持容器が開閉自在の活性炭排出口を備え、
前記切換え手段が、前記培養液容器を前記活性炭保持容器と前記排出口との間から移動させるようになっており、
前記回転手段は、前記活性炭保持容器の活性炭排出口が下方を向くように前記活性炭保持容器を回転させるようになった、
請求項2記載の菌体定着装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−187941(P2008−187941A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−24442(P2007−24442)
【出願日】平成19年2月2日(2007.2.2)
【出願人】(000000055)アサヒビール株式会社 (535)
【Fターム(参考)】