説明

蒸気タービンの蒸気入口弁

【課題】蒸気タービンの蒸気入口弁のために、長寿の増加を企図すること。
【解決手段】弁座2と弁体3とを備える蒸気タービンの蒸気入口弁1に関し、その弁体は弁の閉鎖の際に密接に接触領域5を介して弁座の接触領域5’に当接する。接触領域5,5’の少なくとも一方が他方の接触領域に向いた少なくとも一つの密封領域と、密封領域から反対を向いた基礎領域と、密封領域と基礎領域の間に位置した遷移領域とを有し、密封領域が密封材料から形成され、基礎領域が基礎材料から形成され、その基礎材料から同様に弁座或いは弁体もおよそ成立つ。接触領域とそれによる蒸気入口弁の摩耗抵抗を向上させるために、基礎材料の濃度が基礎領域から密封領域への方向に減少し、密封材料の濃度が密封領域から基礎領域への方向に減少するので、遷移領域では両材料が見出されべきである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、弁座と弁体とを備える蒸気タービンの蒸気入口弁に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気タービンの蒸気入口弁は通常には高い応力を受けていて、それにより増加した摩耗を受ける。特に蒸気タービンの運転中に生じる数百℃の高温は、蒸気入口弁に作用する機械的負荷と一緒に、長期間に考慮されて蒸気入口弁の機能を損傷させるクリープを生じる。さらに、高い機械的負荷が蒸気入口弁の時折起る一時的閉鎖の際に異なる酸化処理と固形粒子により開始された腐食を生じ、その腐食はすべて蒸気入口弁の機能の制限を奏し得る。この様な摩耗に対抗して作用できるために、弁座及び弁の閉鎖の際に緊密に接触領域を介してこの接触領域に当接する弁体の領域には所謂ステライトから成る被覆材が知られていて、その被覆材は典型的にはクロム、コバルト、タングステンと炭素を含有し、僅かなクリープ傾向並びに高摩擦抵抗を有する。この種の被覆材は通常には被覆されるべき構成部材に溶解される。
【0003】
けれども、特に最近の構成の蒸気タービンは常に上昇する温度により作動されるから、この種の被覆材もその負荷限度に直面する。特に被覆と弁座或いは弁体の間の遷移領域には、マイクロ構造において非安定性の増加が生じて、その長い期間に引裂き或いは剥がれ落ちをまねき得る。このために、一方では、最初に言及される如く、常に上昇する蒸気温度とその温度から生じる温度負荷並びに蒸気タービンの加速或いは減速を生じる繰り返し温度変換負荷に応答できる。
【特許文献1】特開2003−207059号公報
【特許文献2】米国特許第6302136号明細書
【特許文献3】特開昭61−201965号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明はここから開始する。この発明は、請求項を特徴としている如く、導入部に述べられたタイプの蒸気タービンの蒸気入口弁のために、長寿の増加を特徴とする改良された実施態様を開示する問題を扱っている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この問題は、この発明によると、独立請求項1の対象、即ち、弁体が弁の閉鎖の際に密接に接触領域を介して弁座の接触領域に当接し且つ逆に当接し、
接触領域の少なくとも一方が他方の接触領域に向いた少なくとも一つの密封領域と、密封領域から反対を向いた基礎領域と、密封領域と基礎領域の間に位置した遷移領域とを有し、
密封領域が密封材料から形成され、基礎領域が基礎材料から形成され、その材料から近似的にも弁座或いは弁体が成立ち、
基礎材料の濃度が基礎領域から密封領域への方向に減少し、密封材料の濃度が密封領域から基礎領域への方向に減少するので、遷移領域では両材料が見出されべきであることによって解決される。
好ましい実施態様は従属請求項の対象である。
【0006】
この発明は弁座と弁体を備える蒸気タービンの蒸気入口弁の一般思想に基づいていて、蒸気入口弁の密封機能に応答する領域に耐磨耗性被覆材を備えて、その被覆材が粉末冶金学的に関連された弁座又は関連された弁体と連結されていて、それによって特に弁座又は弁体が成り立つ基礎材料と密封材料との間の均一遷移部を形成し、被覆材の基礎材料と密封材料との間の急な遷移が行われ、それは特に材料境界面に弱化を誘導させ得る。この発明による蒸気入口弁の場合には、弁体は弁の閉鎖の際に緊密に接触領域を介して弁座の対応する接触領域に当接する。この場合には、接触領域の少なくとも一つがそれぞれに他の接触領域に向いた少なくとも一つの密封領域、この密封領域と反対を向いた基礎領域と、それぞれの密封領域と関連された基礎領域との間に位置した遷移領域を有する。上述のように、この場合には、密封領域が密封材料から形成され且つ基礎領域が基礎材料から形成され、基礎材料はそれぞれに弁座又は弁体が形成されている材料を意味する。密封領域と基礎領域の間の鋭い材料境界面並びにこの領域におけるその材料境界面と結び付いた弱化を回避できるために、基礎材料の部分が基礎領域から出発して遷移領域の方向に減少し、その間に密封材料の部分が反対方向に、つまり、密封領域から出発して遷移領域まで減少する。これは、密封領域では特に専ら密封材料が、基礎領域では特に専ら基礎材料が、密封領域と基礎領域の間の遷移領域では両材料が見出されべきであり、遷移領域における密封材料或いは基礎材料のそれぞれの部分は関連された基礎領域或いは密封領域に存在するそれぞれに最高材料量の下に位置することを導く。密封領域と基礎領域の間に配置された遷移領域を介して密封領域と基礎領域の間のこの発明による粉末冶金学的結合によって基礎領域と密封領域の間のほぼ連続的遷移が達成され、それによって生じる温度変換負荷に対する特に高い抵抗力と基礎領域と密封領域の間の特に良好な結合とが達成され得る。
【0007】
目的に適って密封材料が別構成部材として製造され、遷移領域を介して弁体或いは弁座の基礎領域と連結されている。これは、密封領域、例えば密封リングの別の製造を可能とし、この密封リングは引き続いて粉末冶金学的方法を介して関連された弁座或いは関連された弁体の基礎領域と連結されて、それによって同様に密封領域と基礎領域の間の前記節に挙げられたスムーズな遷移が形成され得る。それによって特に鋭敏な材料遷移が回避され、それにより物理的及び化学的特性又はそれらのいずれか一方が急に変更される。
【0008】
この発明による解決策の好ましい実施態様によると、密封領域はステライト合金を有する、或いはそのようなステライト合金によって形成されている。ステライトはコバルトークロム基礎上の非鉄合金であり、使用目的に応じて、カーバイトを形成することにより合金の特性に大きな影響を有するタングステン、ニッケル、炭素の部分を包含する。その主な特性は、高い温度でも維持される摩耗と腐食に対する高抵抗である。これら特性によってこの特性は高い摩擦負荷にも対抗し、それで蒸気タービン構成の使用に適している。
【0009】
この発明による解決策の他の好ましい実施態様では、遷移領域には基礎材料と密封材料と異なる少なくとも一つの移行材料が設けられ、遷移領域から出発して密封領域まで及び基礎領域まで又はそれらのいずれか一方まで減少し、その間に密封材料が密封領域から出発して遷移領域まで、基礎材料が基礎領域から出発して移行領域まで減少する。この種の遷移材料は、基礎材料と密封材料が粉末冶金学的方法によって単に不利に互いに連結されている限り、特に大きな利点をもつ。このために、例は鉄を有する基礎材料と高いクロム含有量を有する密封材料(例えばステライト)である。鉄と高いクロム含有量を有する工作材料が不利に耐久的に互いに連結され得るので、ここで例えば遷移材料としてニッケル含有材料が選定され得て、その材料は鉄並びに高クロム含有量を有する工作材料により長期間に耐久的に連結され得る。これは、既に基礎材料と密封材料の間の直接的結合が行われるばかりではなく、むしろ間接的結合がそれらの間に配置された少なくとも一つの遷移材料によって行われ、遷移材料は長期間且つ耐久的結合を保証することを示す。
【0010】
この発明による蒸気入口弁の別の重要な特徴と利点は、従属請求項、図面と図面に基づく図の関連された説明から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この発明の好ましい実施例は、図面に図示され、次の詳細な説明において詳細に説明され、同じ参照符号が同じ或いは同様な成分に又は機能同じ成分に使用される。
【実施例】
【0012】
図1に一致して、その他のでは図示されていない蒸気タービンのこの発明による蒸気入口弁1は弁座2と関連された弁体3を有する。この場合には、蒸気入口弁1は分割線4の上部を開放された状態に且つ分割線4の下部を閉鎖された状態に示されている。蒸気入口弁1の閉鎖の際には、弁体3は緊密に接触領域5を介して弁座2の接触領域5’に当接する。この場合には、両接触領域5或いは5’の少なくとも一方が多層に構成され、例えば図2或いは3に示されるような構成を有する。
【0013】
図2には、接触領域5或いは5’に生じる材料濃度AとBの図示的表示が示されている。この場合には、原理的には図2による接触領域5、5’は他方の接触領域5、5’に向いた少なくとも一つの密封領域6、この密封領域6と反対を向いた基礎領域7と、密封領域6と基礎領域7の間に位置された遷移領域8を有する。基礎領域7は直接に弁座2或いは弁体3に遷移するか、或いは弁座2或いは弁体3に固定されている。図2の表示が採用するように、この場合には、密封領域6は主として密封材料Bから、基礎領域7は主として基礎材料Aから形成されている。基礎材料Aから弁座2或いは弁体3も成り立つ。特にこの場合には、基礎材料Aの濃度は基礎領域7内で約100%の値であるのに対して、密封材料Bの濃度は密封領域6内で同様に約100%の値である。
【0014】
基礎領域7から出発して、密封領域6の方向に基礎材料Aの濃度が特にいつも減少するのに対して、密封材料Bの濃度が移行領域から出発して密封領域6にまで減少し、それから、密封領域6には、少なくとも主として密封材料Bが、基礎領域7には少なくとも主として基礎材料Aと遷移領域8には両材料AとBから成る場所依存混合関係が存在し得ることが生じる。この場合には、基礎材料Aの濃度は遷移領域8では基礎領域7でより少ない。遷移領域8での濃度が密封領域6でより少ない密封材料Bでは全く正反対である。図2の表示は、例えば、遷移領域8が粉末冶金学的に製造され、それにより同時に基礎領域7と密封領域6の間の結合が行われるので、別に製造された密封領域6が別に製造された基礎領域7と結合されている状況を記載する。
【0015】
遷移領域8は粉末冶金学的に別部材として製造され得て、密封領域6と基礎領域7と溶接されている。同様に、グループの少なくとも二つの構成部材が密封領域6、遷移領域8と基礎領域7を共通に粉末冶金学的に製造され得る。
【0016】
この場合には、図2乃至5により示された直線が純粋に例示的として理解すべきであるので、基礎材料Aと密封材料Bの濃度の非直線的経過と両濃度経過の他の上昇はこの発明により包含されている。特に例えば基礎材料Aの濃度が密封材料Bの濃度と同様に、既に遷移領域8では零に降下しなく、むしろ例えば基礎材料Aの僅かな部分が密封領域6にも見出されべきであことが考慮できる。
【0017】
図3による表示では、図2と相違して、追加的に遷移領域Cが設けられ、この遷移領域Cは遷移領域8にて最高濃度を有し、この遷移領域8から出発して密封領域6と基礎領域7にまで減少する。この種の追加的遷移材料C、例えばニッケルは特に、両方の他の材料AとBが直接に互いに連結され得るのが困難であるか或いは全くないが、しかし、確かに間接的に遷移材料Cを介して連結され得る場合に設けられる。これは、例えば鉄含有基礎材料Aとより高いクロム含有量を備える密封材料Bの場合であり、その場合には、直接に互いに連結するのが困難であるが、しかしそれぞれに遷移材料C、例えばニッケルと連結できる。これは、遷移材料Cが特に基礎材料Aと密封材料Bとは異なる材料であることを既に明らかにする。
【0018】
同様に図3では、遷移材料Cの最高濃度の箇所では、ここでは遷移領域8の中心では基礎材料Aと密封材料Bとが最小濃度を有することを示す。勿論、図3にも、異なる材料A、B、Cの濃度の例示的に図示された直線的経過は純粋に例示として理解すべきであるので、これと相違する材料経過、特に非直線的経過がこの発明により包含されるべきであることが適用される。勿論、遷移領域8の遷移材料Cの濃度も、基礎材料Aと密封材料Bの濃度が遷移領域8内で完全に零に降下するにちがいない同じ少ない箇所では100%の値に達するにちがいない。
【0019】
密封材料B並びに基礎材料Aが少なくとも減少した濃度にある遷移領域8によって、密封領域6と基礎領域7の間に遷移が発生され、この遷移は明確な、特に飛躍的な材料交換無しに発生する。特にこの種の飛躍的な材料交換は温度変換を構成した接触領域5、5’の温度変換によるマイクロ構造の変更並びに亀裂の発生に対して抵抗力不足の増加をまねいているので、この種の個々の材料間の柔らかく均一な遷移によって応力が軽減され得て、さらに、個々の材料AとB及び代わりにCの材料の間の良好な結合が達成され得る。上述のように、遷移領域8によって接触領域5、5’の抵抗力が上昇され得て、それにより蒸気入口弁1の寿命期間が全体に延長され得る。
【0020】
この場合には、密封領域6が別構成部材として製造され、遷移領域8を介して同様に別に製造された基礎領域7と、特に遷移領域8が製造される粉末冶金学的方法によって、連結されている(図2と3を参照)ことが考慮できる。この場合には、粉末冶金学的方法として、特に焼結或いは熱間等静圧圧縮成形(HIP)が考慮されている。
【0021】
図4では、同様に別に製造された密封領域6を備える接触領域5、5’が図示されていて、密封領域は遷移領域8が基礎領域7と共に製造される粉末冶金学的方法によって基礎領域7に移行する。図4が採用するように、遷移領域8では、基礎領域7から出発して基礎材料Aは、その基礎材料が密封領域6に対する境界面ではおよそ0%に降下されるまで、減少する。そのために、反対に、密封材料Bの濃度は遷移領域8内では基礎領域7から出発して、その密封材料が密封領域6に対する境界面ではおよそ100%の値になるまで、増加する。
【0022】
図5では、基礎領域7が密封領域6と遷移領域8と一緒に製造される接触領域5、5’が図示されている。この場合には、密封材料Bの濃度は密封領域6の薄い縁領域においてのみおよそ100%の値である。この薄い縁領域では、基礎材料Aの濃度はおよそ0%の値である。遷移領域8には、両材料AとBの連続的濃度遷移が図示されている。
【0023】
一般に、密封領域6及び基礎領域7又はそれらのいずれか一方は、前記節に記載されるように、遷移領域8と一緒に粉末冶金学的方法によって製造されることが考慮できる。この場合には、基礎材料A、密封材料Bの濃度と任意に遷移材料Cの濃度はそれぞれの領域6、7に依存する。引き続く結合による密封領域6と基礎領域7の別の製造と相違して、この実施態様では、密封領域6、遷移領域8と基礎領域7は同時に製造される。
【0024】
個々の領域6、7、8の純粋な粉末冶金学的結合の外に、密封領域6及び基礎領域7又はそれらのいずれか一方が遷移領域8と別の方法で連結され、特に溶接される。個々の領域6、7、8の粉末冶金学的結合は例えば焼結或いは熱間等静圧圧縮成形(HIP)によって達成され得ることが考慮できる。この場合には、原理的には次の可能性が考慮できる。 ・遷移領域8と基礎領域7が焼結されるか、或いは熱間等静圧圧縮成形(HIP)される、又は
・遷移領域8と密封領域6が焼結されるか、或いは熱間等静圧圧縮成形(HIP)される、又は
・遷移領域8、基礎領域7と密封領域6が焼結されるか、或いは熱間等静圧圧縮成形(HIP)される、又は
・基礎領域7と密封領域6が焼結されるか、或いは熱間等静圧圧縮成形(HIP)される。
【0025】
基礎材料Aとして、特に鋳鋼、潤滑鋼或いはニッケル合金が考慮できるのに対して、密封材料Bとして、特にステライト合金が使用され得て、そのステライト合金は次の要素の少なくとも一つを有する:クロム、タングステン、ニッケル、炭素、コバルト、モルブデン。
【0026】
蒸気入口弁1の密封機能にとって決定的である密封材料Bと弁体3或いは弁座2の基礎材料Aとの粉末冶金学的結合によって或いは領域6、7、8の粉末冶金学的製造によって明らかに増加した摩耗抵抗を備える接触領域5、5’が生じ、さらに、流動遷移に基づいて温度応力をより良く受けられ得る。特に、激しい温度応力から生じる亀裂は失った激しい材料遷移に基づいて広範囲に回避され得て、それにより蒸気入口弁1の長寿が増加され得る。
【0027】
それぞれの接触領域5、5’は別に製造されるか、或いは予め仕上げられ、引き続いて弁座2或いは弁体3に例えば溶接結合によって取り付けられ得る。同様に、それぞれの接触領域5、5’をその粉末冶金学的製造の場合に直接に弁体3或いは弁座2に形成することが原理的に可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】弁座と弁体を備えるこの発明による蒸気入口弁を通る縦断面を概略的に示す。
【図2】基礎領域、遷移領域と密封領域における密封材料と基礎材料の濃度を明らかにする線図を示す。
【図3】図2と同じだが、追加的遷移材料を備える線図の表示を示す。
【図4】別に製造された密封領域を備える異なる領域における密封材料と基礎材料の濃度を明らかにする線図を示す。
【図5】異なる領域における密封材料と基礎材料の濃度を明らかにする線図を示し、異なる領域は一緒に製造されている。
【符号の説明】
【0029】
1....蒸気入口弁
2....弁座
3....弁体
4....分割線
5....接触領域
6....密封領域
7....基礎領域
8....遷移領域
A....基礎材料
B....密封材料
C....遷移材料


【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁座(2)と弁体(3)とを備える蒸気タービンの蒸気入口弁(1)において、
・弁体(3)が弁(1)の閉鎖の際に密接に接触領域(5)を介して弁座(2)の接触領域(5’)に当接し且つ逆に当接し、
・接触領域(5,5’)の少なくとも一方が他方の接触領域(5,5’)に向いた少なくとも一つの密封領域(6)と、密封領域(6)から反対を向いた基礎領域(7)と、密封領域(6)と基礎領域(7)の間に位置した遷移領域(8)とを有し、
・密封領域(6)が密封材料(B)から形成され、基礎領域(7)が基礎材料(A)から形成され、その基礎材料から同様に弁座(2)或いは弁体(3)も成立ち、
・基礎材料(A)の濃度が基礎領域(7)から密封領域(6)への方向に減少し、密封材料(B)の濃度が密封領域(6)から基礎領域(7)への方向に減少するので、遷移領域(8)では両材料(A,B)が見出されべきであることを特徴とする蒸気入口弁。
【請求項2】
密封領域(6)が別構成部材として製造され、遷移領域(8)を介して基礎領域(7)と連結されていることを特徴とする請求項1に記載の蒸気入口弁。
【請求項3】
密封領域(6)及び基礎領域(7)又はそれらのいずれか一方が遷移領域(8)と一緒に製造されていることを特徴とする請求項1に記載の蒸気入口弁。
【請求項4】
密封領域(6)及び基礎領域(7)又はそれらのいずれか一方が遷移領域(8)と溶接されていることを特徴とする請求項1或いは2に記載の蒸気入口弁。
【請求項5】
・遷移領域(8)と基礎領域(7)が焼結されるか、或いは熱間等静圧圧縮成形(HIP)されるか、又は
・遷移領域(8)と密封領域(6)が焼結されるか、或いは熱間等静圧圧縮成形(HIP)されるか、又は
・遷移領域(8)、基礎領域(7)と密封領域(6)が焼結されるか、或いは熱間等静圧圧縮成形(HIP)されるか、又は
・基礎領域(7)と密封領域(6)が焼結されるか、或いは熱間等静圧圧縮成形(HIP)されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の蒸気入口弁。
【請求項6】
密封材料(B)は次の要素、クロム、タングステン、ニッケル、炭素、コバルト、モリブデンの少なくとも一つを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の蒸気入口弁。
【請求項7】
密封領域(6)がステライト合金を有するか、或いはそのようなステライト合金によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の蒸気入口弁。
【請求項8】
基礎材料(A)が鋳鋼、潤滑鋼或いはニッケル合金を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の蒸気入口弁。
【請求項9】
・遷移領域(8)では基礎材料(A)と密封材料(B)と異なる少なくとも一つの遷移材料(C)が設けられており、
・遷移材料(C)の濃度が移行領域(8)から出発して密封領域(6)まで及び基礎領域(7)まで又はそれらのいずれか一方まで減少し、
・密封材料(B)の濃度が密封領域(6)から出発して遷移領域(8)まで減少し、
・基礎材料(A)の濃度が基礎領域(7)から出発して遷移領域(8)まで減少することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の蒸気入口弁。
【請求項10】
遷移材料(C)の最高濃度の箇所には基礎材料(A)及び密封材料(B)又はそれらのいずれかの一方がそれぞれ最小濃度を有することを特徴とする請求項9に記載の蒸気入口弁。
【請求項11】
基礎材料(A)及び密封材料(B)及び遷移材料(C)又はそれらのいずれかの少なくとも一つが少なくとも部分的に金属粉末から製造されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の蒸気入口弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−25571(P2008−25571A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−183781(P2007−183781)
【出願日】平成19年7月13日(2007.7.13)
【出願人】(503416353)アルストム テクノロジー リミテッド (394)
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 7, CH−5401 Baden, Switzerland
【Fターム(参考)】