説明

蒸気発生ボイラ

本発明は、蒸気発生ボイラ10に関し、その蒸気発生ボイラ10は、底部12及び天井部16、並びに底部と天井部の間で垂直に延在する壁14を備え、それによって蒸気発生ボイラの反応チャンバ20を形成し、反応チャンバの壁14は、蒸気発生器パイプ30を含む構造を具体化し、蒸気発生ボイラ10の下部部分中には、底部12に向かって先細りになる、少なくとも1つの壁部分14.31を備える。前記先細り壁部分14.31中の第1の群の蒸気パイプ30.1は、壁平面Y−Zから反応チャンバ20中を通り、反応チャンバ20側で壁平面Y−Zから蒸気発生ボイラの底部12まで延びて、前記反応チャンバ20中で壁11を形成するように配置される。第2の群の蒸気パイプ30.2は、底部まで壁平面Y−Zに沿って通るように配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に記載の蒸気発生ボイラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
循環式流動床貫流型の蒸気発生ボイラの反応チャンバは、通常、水平方向の横断面が長方形であり、4つの側壁によって画定される内部と、底と、天井とを備え、内部の床材料が固体を含み、たとえば、底から導入される、流動化ガスによって、通常は反応チャンバで行われる発熱反応に必要な酸素を含む一次ガスによって、燃料が流動化される。燃焼過程が循環式流動床貫流型の蒸気発生ボイラ中で行われるとき、内部、すなわち反応チャンバは、一般に加熱炉と呼ばれ、反応炉は、流動床型ボイラと呼ばれる。通常、加熱炉の側壁には、また、少なくとも燃料及び二次空気を供給するためのパイプが設けられる。
【0003】
加熱炉の側壁は、通常、パイプとそれらの間のフィンとを含むパネルを備えるように製造され、それによって、燃料の化学反応で放出されるエネルギーが、パイプ中を流れる水を蒸発させるために利用される。蒸気中のエネルギー含量をさらに増加させるために、過熱表面が循環式流動床貫流型の蒸気発生ボイラ中に配置されることがしばしばである。
【0004】
高出力のボイラ、たとえば、熱容量が数百メガワットのボイラを製造することが、目的であるとき、大きい反応容積、広い蒸発及び過熱表面が必要である。蒸発及び過熱面積を増加するために、ボイラの側壁上に、熱交換面を加熱炉中に延在させて配置することが、先行技術から知られている。たとえば、米国特許第4,442,796号明細書に、加熱炉中に配置される、そのような熱交換表面が開示されている。また、欧州特許第0653588号明細書に、ボイラの側壁と連結して配置され、加熱炉に延在する熱交換壁が開示されている。
【0005】
加熱炉壁から加熱炉中に延在する熱交換パネルが、米国特許出願公開第2009/0084293号明細書から知られ、そのパネルは、一対の壁を備え、2つの壁が、互いに面する蒸発チューブを含む。この文献では、それぞれの壁の一方の側だけが、加熱炉の作用に直接晒されている。
【0006】
ボイラ底の面積は、ボイラ能力に直接比例する流動化ガスの必要な容積及び速度に基づく。通常、反応チャンバの横断面は、長方形である。その下部側の部分は、反応チャンバの一方のセットの側壁が傾斜し、他方のセットの側壁が、直線状であって格子に向かって延在するように、格子に向かって先細りになるように配置される。ここで、直線状に格子に向かって延在する壁は、この文脈では端壁とも呼ばれ、そしてそれらの縁部が傾斜した側壁部分と接するように、格子に向かってくさびのように先細りになる。これは、横断面が長方形である反応チャンバに適用される。横断面の形状が長方形以外である、ボイラ中の反応チャンバが、また、先行技術から知られるが、しかし、その反応チャンバは、そのような平面である壁を有することが多く、その下部側の部分は、格子に向かって先細りになっている。
【0007】
壁平面上で先細りの壁の部分中に蒸気発生器パイプを配置することは、先細りの程度が大きい場合に問題になり得る。循環式流動床貫流型の蒸気発生ボイラが確実で安定して動作するためには、パイプの蒸気発生器表面上で生じる熱交換が、加熱炉壁の様々な部分中で十分に一様であることが、重要である。これは、実際のところ、加熱炉の様々な部分における熱配給表面が、流動床の異なる作用に晒され、熱交換が、それぞれ、たとえば、格子及び加熱炉の下部部分の構造に依存し、プロセス制御に依存する場合、それは、還流型蒸気発生ボイラの動作には不利であることを意味する。通常、先細り部分、又は少なくとも、加熱炉の内部に残るパイプ部分中のパイプの長さを、壁の様々な部分において互いに異なるようにする解決策が知られている。
【0008】
米国特許第7,516,719号明細書では、還流型蒸気発生ボイラ中の端壁の下部部分の構造が、開示されており、その構造の目的は、先細りの下部部分中の蒸気発生器パイプの熱交換の相違量を減少させ、したがって、各平行パイプ中で、できるだけ均一で同程度の熱交換を可能にすることである。この特許文献は、パイプ長さを変化させる代わりとして、先細り部分におけるパイプ直径及びパイプ間のフィンの減少を提案している。ついで、この特許文献によれば、様々なパイプが、十分な程度に同じ長さに製作され、それによって、パイプが晒される熱交換を均一にさせている。
【0009】
壁領域におけるパイプのサイズ及びフィンの幅のこの種の変更には、複数の溶接作業が必要であり、それによって、作業段階数が多くなるとともに、漏れのリスクも大きくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第4,442,796号明細書
【特許文献2】欧州特許第0653588号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2009/0084293号明細書
【特許文献4】米国特許第7,516,719号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の1つの目的は、蒸気発生ボイラを提供することであり、下部部分の構造によって、従来よりも優れた、高出力かつ大型の蒸気発生ボイラを提供することである。
【0012】
本発明の特別の目的は、循環式流動床貫流型の蒸気発生ボイラを提供することであり、下部部分の構造によって、従来よりも優れた、高出力かつ大型の循環式流動床貫流型の蒸気発生ボイラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の目的は、蒸気発生ボイラによって達成され、その蒸気発生ボイラは、底部及び天井部、並びに底部と天井部の間で垂直に延在する壁を備え、それによって蒸気発生ボイラの反応チャンバを形成し、その反応チャンバの壁は、蒸気発生器パイプを含む構造を具体化し、その蒸気発生ボイラは、その下部部分中に、底部に向かって先細りにする少なくとも1つの壁部を備える。本発明は、前記先細りにする壁部中の第1の群の蒸気パイプが、壁平面から反応チャンバ中に通り、反応チャンバ側で壁平面から蒸気発生ボイラの底部まで延びるように配置され、そして第2の群の蒸気パイプが、壁平面に沿って底部まで通るように配置されることを主に特徴とする。
【0014】
この種の解決策によって、蒸気発生ボイラが提供され、その蒸気発生ボイラの端壁の、蒸気パイプを含む構造が、底部に向かって先細りになり、その構造は、蒸気生成の観点から有利である。具体的には、この種の解決策によって、貫通型蒸気発生ボイラが提供され、その貫通型蒸気発生ボイラの端壁の、蒸気パイプを含む構造が、底部に向かって先細りになり、それによって、この構造のそれぞれの蒸気パイプに対して十分に一様な熱交換を可能にし、その構造は、貫通型蒸気発生ボイラの動作の観点から有利である。
【0015】
前記壁部は、本発明の一実施例によれば、底部に向かって、壁部の中央軸に対して対称的に先細りになる壁部を備え、その壁部では、第1の群の蒸気パイプが、中央軸の両側に蒸気パイプを備える。
【0016】
本発明の1つの好ましい実施例によると、前記第1の群の蒸気パイプは、原則的に一方の側で互いに面するように、2つの異なる下位群にて互いから距離を置いて通る。したがって、壁中に含まれる前記第1の群の蒸気パイプの一方の側は、原則的に反応チャンバの熱流が存在せず、それによって、それらの状況が、原則的に第2の群の蒸気パイプの状況に一致する。これは、貫通型蒸気発生ボイラに関して特に有利である。
【0017】
一実施例によれば、前記第1の群の蒸気パイプの異なる下位群は、異なる平面上で壁中を通り、それらは、互いから所定の距離で、蒸気発生ボイラの底部に位置付けされる。それゆえ、第1の下位群と第2の下位群の間の距離が、それらの間に空間が配置されるようになっており、その空間は、また、反応チャンバからガス気密で隔離されることがさらに有利である。
【0018】
一実施例によれば、媒体用の供給部材が、空間を介して媒体を反応チャンバ中に供給するために、前記空間中に配置され、及び/又は前記空間には、1つ又はいくつかの測定用変換器が、反応チャンバ中で支配的な状況を決定するために、設けられる。供給部材は、酸素を含むガスを供給するように配置することが好ましい。
【0019】
好ましいのは、第1の群及び第2の群の蒸気パイプは、それぞれが反応チャンバから原則的に同じ熱流量を受け取るように、配置することである。次いで、蒸気発生ボイラは、貫通型ボイラであることが好ましい。
【0020】
一実施例によれば、第1の群及び第2の群の蒸気パイプは、それぞれ長さが同じであり、それによって、端壁の平面から離れた壁のサイズが、第1の群のパイプ数によって決定されることが好ましい。
【0021】
1つの好ましい実施例によれば、第1の群の蒸気パイプは、反応チャンバ側で端壁の平面から蒸気発生ボイラの底部まで延び、少なくともその途中の一部で平面に対して直角からずれた角度で通り、そして反応チャンバ中で、壁を形成し、それの上部表面が傾斜している。
【0022】
一実施例によれば、第1の群及び第2の群の蒸気パイプは、蒸発させる物質の共通配給器に接続される。
【0023】
本発明による蒸気発生ボイラは、循環式流動床貫流型の蒸気発生ボイラであることが好ましく、それは、その反応チャンバ中に維持される循環式流動床中で発熱反応を行わせるように構成される。循環式流動床貫流型の蒸気発生ボイラの反応炉の壁は、蒸気パイプを備える。
【0024】
次いで、少なくとも反応チャンバの下部部分の壁と、その下部部分が底部に向かって先細りになる、特に前記少なくとも1つの壁部と、その中に形成される壁とが、耐火性材料を用いて、反応チャンバに面する側で被覆されることが好ましい。
【0025】
本発明の他の追加の特有の特徴は、添付の特許請求の範囲中で、及び図に示す実施例の以下での記載中で開示される。
【0026】
以下で、本発明及びその動作を、添付の概略図を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明による循環式流動床貫流型の蒸気発生ボイラの一実施例を概略的に示す図である。
【図2】図1による循環式流動床貫流型の蒸気発生ボイラの端壁の下部部分のパイプ構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、本発明による蒸気発生ボイラ10の一実施例を概略的に示し、そのボイラのタイプは、循環式流動床貫流型の蒸気発生ボイラである。蒸気発生ボイラ10は、底部12、天井部16及びそれらの間に延在する壁14を備える。循環式流動床貫流型の蒸気発生ボイラが、ここに示していないいくつかのかかる部品及び要素を含むことは、明らかである。底部、天井部及び壁部14は、反応チャンバ20を形成し、それは、ボイラの場合、加熱炉である。また、底部12は、格子25を備え、それを通して、たとえば、流動化ガスが反応炉中に導入される。さらに、流動床型反応炉は、固体分離器18を含み、それは、通常、サイクロン分離器である。固体分離器18は、反応チャンバにその上部部分で、天井部の近くで、接続チャネル22によって接続され、それを通って反応ガスと固体の混合体が、固体分離器18中に流入することができる。固体分離器中では、固体が、ガスから分離されて、冷却など、任意に選択される処理の後に、反応チャンバ20、すなわち加熱炉中に戻される。この目的のために、固体分離器は、反応チャンバ20の下部部分に、戻りチャネル24を介して接続される。固体が分離されたガスは、ガス排気口26を通って、さらなる処理のためにシステム中に導入される。
【0029】
反応チャンバ20の2つの対向する側壁14.1、14.2が、底部12により近づくと互いに接近するように、それら側壁は、循環式流動床貫流型の蒸気発生ボイラの下部部分中で傾斜するように配置される。ここで、反応チャンバ20は、それら側壁に加えて端壁によっても画定されることによって、横断面が四角形になっているが、本明細書ではそれら端面の1つ14.3だけを示す。端壁の下部部分14.31は、底部12に接近すると先細りになる。端壁は、蒸気発生器パイプ30を含み、それらのパイプは、それらがすべて晒される反応炉からの熱負荷が、それぞれ、原則的に同じであるように構成されることが好ましい。図2には、蒸気発生器パイプの構造に関して、端壁の下部部分14.31を概略的に示した。図中のパイプは、簡単化のために、線によって示し、現実にパイプを接続しているフィンを線の間の距離によって示していることに留意すべきである。
【0030】
端壁の下部部分14.31は、先細り部分14.33を含み、この先細り部分に側壁の傾斜部分が接続される。先細り壁部分14.31中の第1の群の蒸気パイプ30.1(図2)は、先細り壁部分から反応チャンバ20を通り、反応チャンバ20側で壁平面Y−Z(図2)から蒸気発生ボイラの底部12に延びて、反応チャンバ20中で壁11を形成するように配置される。そして第2の群の蒸気パイプ30.2は、壁平面Y−Z(図2)に沿って底部へと通るように配置される。このようにして、原則的には先細り部分14.33のすべての蒸気発生器パイプが、反応チャンバ20中で行われる反応に晒される。したがって、たとえば、先細り部分の形成には、パイプのサイズの減少も、原則的にはパイプ間の距離の減少も、どちらも必要とされない。
【0031】
端壁14.3は、下部部分の上では、原則的には天井部16までのその途中すべてで、均一の幅である、すなわち、その幅は、原則的には変化せず、それによって、蒸気発生器パイプ30の数及びそれらの互いからの距離は、開口部など、いずれもの特別な点を除いて、事実上一定である。パイプは、壁の長手方向軸Yと原則的に平行して壁中を通る。先細り部分中で壁平面Y−Z上を通るパイプは、少なくとも部分的に長手方向軸Yに対して所定の角度で、端壁の先細り部分14.33中に配置される壁11に向けて通るように、配置される。第1の群の蒸気パイプ30.1は、壁平面Y−Zから反応チャンバに向けて外側に、さらに底部12に向けて曲げられる。端壁の先細り部分中の第2の群の蒸気パイプ30.2は、壁平面上を底部12までのその途中すべてで、長手方向軸Yに対して上記で述べた角度で全距離を、又は、パイプは底部に面する端部で長手方向軸Yに対して平行になるように再び曲げられるようにして、通る。
【0032】
図1で、先細り壁部分14.41は、その中央軸Yに対して対称的に、底部12に向けて先細りになる。次いで、壁11が、原則的に端壁の中央に形成される。
【0033】
第1の群の前記蒸気発生器パイプ30.1のそれぞれは、原則として第2の群の蒸気発生器パイプ30.2と等しい長さの流路を形成することが好ましい。これに関連して、貫通型蒸気発生ボイラに、いくつかの小さな変更がされうることにも留意すべきである。これによって、それぞれの平行なパイプ/同じ垂直平面上に在るそれぞれのパイプの温度が影響を受けて、それによって、パイプ壁中に現れる応力が影響を受ける。実際には、可能である長さの差は、パイプ間での計算された温度差(たとえば、あるパイプの、平均温度からの温度の差)に従って設計段階で決定され、その温度差に、特定最大値が与えられる。最大値は、たとえば、壁構造中で許容される応力に依存する。
【0034】
壁11は、壁の長手方向軸Yの両側で曲げられる蒸気パイプ30.1を含むことが好ましい。さらに、両側で曲げられる蒸気パイプ30.1、すなわち第1の群の蒸気パイプ30.1は、互いから距離X’−X”をおいて、2つの異なる下位群30.1’、30.1”(図2)となって通る。ここで、両方の下位群のパイプ及びそれらによって形成される壁は、一方の側で反応チャンバ20と接続されており、他方側では接続されていない。好ましいのは、第1の群及び第2の群の蒸気パイプは、一方の側で互いに面することである。実際には、第1の群及び第2の群の蒸気パイプは、ガス気密の壁又はパネルを形成する。その結果、壁11を介して通る第1の群の蒸気パイプ30.1は、また、第2の群の蒸気パイプ30.2と同様の熱流に晒され、それは、反応炉の端壁の平面Y−Z上を通る。好ましいのは、本発明による蒸気発生ボイラは、循環式流動床貫流型の蒸気発生ボイラであることであり、それによって、循環式流動床を備える貫流型ボイラの動作は、上記に述べた特徴によって、従来よりも良好である。
【0035】
第1の群のパイプ30.1’と第2の群のパイプ30.1”の間の距離X’−X”は、それらの間に配置された、反応チャンバ20から隔離された空間32が存在するようになっていることが好ましい。その空間によって、壁11と連結して媒体用の供給部材36を配置することが可能になり、それによって、空間を経由した反応チャンバ中への媒体の供給が、結局は反応チャンバ20の中心により接近して実施することができる。距離X’−X”は、一定の制限内で変更することができる。一実施例では、具体的に、距離X’−X”が、2つの蒸気パイプの直径及びそれら間のフィンの幅よりも大きい場合、空間32の天井部は、第1の群中の蒸気パイプの少なくとも1つから形成される。距離が、さらに長くなるように選択されたとき、天井部は、2つ以上の平行な蒸気パイプより形成することができる。
【0036】
さらに、反応チャンバ中で支配的な状況を測定するために、1つ又はいくつかの測定用変換器38を空間32中に配置することができる。このようにして、測定される値は、反応チャンバ20の中心により近くで受け取られ、それは、しばしば、プロセスのより実際の姿を与えることになる。
【0037】
好ましいのは、第1の群の蒸気パイプ30.1は、壁中で、異なる平面Y−X’;Y−X”(図2)上に2つの平行な平面構造を形成することである。壁は、平面Y−Xに沿って垂直であることが好ましく、それによって、循環式流動床を備える反応炉中で固体流の研磨作用を最小限にする。
【0038】
壁中のパイプは、フィン構造によって、互いに結合されることが好ましい。さらに、壁11は、耐火性材料を用いて、それ自体知られた方法で、反応チャンバ20に面する表面上で被覆されることが好ましい。
【0039】
壁11は、端壁14.3の平面Y−Zに対して垂直で、端壁の長手方向軸Yと平行であることが好ましい。
【0040】
図2は、壁の上部表面上のパイプが、傾斜していることをさらに示す。好ましいのは、被覆される壁の実際の上部表面11.1も、傾斜していることである。傾斜した上部表面によって、たとえば、反応チャンバ20中でその動作中に移動する固体によるすり減らし作用が、軽減される(循環式流動床貫流型の蒸気発生ボイラ)。傾斜した上部表面は、また、被覆材料を備える。第1の群の蒸気パイプ30.1は、壁11中で、壁平面Y−Zから反応チャンバ20中に延び、さらに蒸気発生ボイラの下部部分12に伸び、少なくともその途中の一部で、平面Y−Zに対して直角からずれた角度で通り、反応チャンバ20中で壁11を形成し、その上部表面11,1は、傾斜している。
【0041】
たとえば、蒸気パイプの第1の群30.1及び第2の群30.2を、蒸発させる物質用の共通の配給器34に接続するようにして、蒸気接続を実現することができる。
【0042】
本発明のいくつかの最も有利な実施例だけが、上記に述べられていることに留意すべきである。たとえば、ボイラの横断面形状も、四角形より別のものにすることができる。したがって、本発明は、上記に述べられた実施例に限定されず、しかも多くの方法で適用することができることは、明らかである。異なる実施例に関して述べられた特徴は、他の実施例とともに使用することができ、及び/又は述べられた特徴の様々な組み合わせは、所望であれば、及びこれに対する技術的な実現可能性が存在すれば、本発明の基本的な考えの枠組内で実施することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気発生ボイラ(10)であって、前記蒸気発生ボイラ(10)は、底部(12)及び天井部(16)、並びに前記底部と前記天井部の間で垂直に延在する壁(14)を備え、それによって前記蒸気発生ボイラの反応チャンバ(20)を形成し、
前記反応チャンバの前記壁(14)は、蒸気発生器パイプ(30)を含む構造を具体化し、
前記蒸気発生ボイラ(10)は、その下部部分中に、前記底部(12)に向かって先細りになっている、少なくとも1つの先細り壁部分(14.31)を備える、蒸気発生ボイラ(10)であって、
前記先細り壁部分(14.31)中の第1の群の蒸気パイプ(30.1)が、壁平面(Y−Z)から前記反応チャンバ(20)中を通り、そして前記反応チャンバ(20)側で前記壁平面(Y−Z)から前記蒸気発生ボイラの前記底部(12)まで延びるように配置されて、前記反応チャンバ(20)中で壁(11)を形成し、
第2の群の蒸気パイプ(30.2)が、前記壁平面(Y−Z)に沿って前記底部まで通るように配置されることを特徴とする、蒸気発生ボイラ(10)。
【請求項2】
前記先細り壁部分(14.31)は、前記底部に向かって、その中央軸(Y)に対して対称的に先細りにする壁部分を含み、
前記第1の群の蒸気パイプは、前記中央軸の両側に蒸気パイプを含むことを特徴とする、請求項1に記載の蒸気発生ボイラ。
【請求項3】
前記第1の群の蒸気パイプ(30.1)は、原則的に一方の側で互いに面するように、互いから距離を置いて、2つの異なる下位群(30.1’;30.1”)となって通ることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の蒸気発生ボイラ。
【請求項4】
前記第1の群の蒸気パイプ(30.1)は、異なる平面(Y−X’;Y−X”)上を、互いから距離を置いて前記蒸気発生ボイラの底部(12)まで通ることを特徴とする、請求項3に記載の蒸気発生ボイラ。
【請求項5】
前記第1の下位群(30.1’)と前記第2の下位群(30.1”)の間の距離が、それらの間に配置された、前記反応チャンバ(20)から隔離された空間(32)が存在するようになっていることを特徴とする、請求項3に記載の蒸気発生ボイラ。
【請求項6】
前記第1の群の蒸気パイプ(30.1)及び前記第2の群の蒸気パイプ(30.2)は、それぞれ、前記反応チャンバ(20)から原則的に同じ熱流量を受け取るように配置されることを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の蒸気発生ボイラ。
【請求項7】
前記第1の群の蒸気パイプ(30.1)及び前記第2の群の蒸気パイプ(30.2)は、それぞれ原則的に長さが同じであることを特徴とする、請求項6に記載の蒸気発生ボイラ。
【請求項8】
前記反応チャンバ中に前記空間を経由して媒体を供給するために、媒体用の供給部材(36)が前記空間(32)中に配置されることを特徴とする、請求項5に記載の蒸気発生ボイラ。
【請求項9】
1つ又はいくつかの測定用変換器(38)が、前記反応チャンバ中で支配的な状況を測定するために、前記空間(32)中に配置されることを特徴とする、請求項5に記載の蒸気発生ボイラ。
【請求項10】
前記第1の群の蒸気パイプ(30.1)及び前記第2の群の蒸気パイプ(30.2)は、蒸発させる物質用の共通の配給器(34)に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の蒸気発生ボイラ。
【請求項11】
前記第1の群の蒸気パイプ(30.1)は、前記反応チャンバ(20)側で前記壁平面(Y−Z)から前記蒸気発生ボイラの前記底部(12)まで延びて、少なくともその途中の一部分で、前記平面(Y−Z)に対して直角からずれた角度で通って、前記反応チャンバ(20)中で壁(11)を形成し、前記壁の上部表面(11.1)が傾斜していることを特徴とする、請求項1に記載の蒸気発生ボイラ。
【請求項12】
前記蒸気発生ボイラは、循環式流動床貫流型の蒸気発生ボイラであることを特徴とする、請求項1から請求項11までのいずれか一項に記載の蒸気発生ボイラ。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−517444(P2013−517444A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548463(P2012−548463)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【国際出願番号】PCT/FI2011/050012
【国際公開番号】WO2011/086233
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(506425251)フォスター ホイーラー エナージア オサケ ユキチュア (23)