説明

蒸着材料供給装置および方法

【課題】真空蒸着に用いられる蒸発源に蒸着材料を自動供給する場合に、蒸着材料を大容量搭載し、定量供給する蒸着材料供給機構を提案する。
【解決手段】真空室内部に配置した蒸着材料を基板面に堆積させる真空蒸着装置用の蒸着材料供給装置であって、定量形成された蒸着材料を複数個積重する収容器、収容器の底面を開放して落下させた少なくとも1つの蒸着材料を受容する受容手段、受容手段の底面を開放して受容されている蒸着材料を投下する投下手段、および収容手段と受容器との相対位置、及び受容手段と投下手段との相対位置を水平面内において変化させる移動手段からなり、収容手段に対する収容器の相対位置が所定の位置にある場合に収容器の底面の開放が行われ、受容手段に対する投下手段の相対位置が所定の位置にある場合に受容手段の底面の開放が行われるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は真空蒸着に用いられる蒸発源に、蒸着材料を自動供給する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
真空蒸着とは、真空室内部をあらかじめ高真空領域まで排気した状態で蒸着材料を蒸発させ基板表面に蒸着材料を堆積させる成膜方法であり、種々の分野に適用されている。
真空蒸着を用いた成膜装置において、インライン式に基板を連続処理する場合や、基板面に厚膜を堆積させる場合等、真空室内を大気圧に開放してから新しい蒸着材料を供給する手段では作業効率及び成膜精度に問題があるため、高真空状態を維持したまま新しい蒸着材料を自動供給する機構が一般的に用いられている。
【0003】
図5は、一例としての蒸着材料供給機構でありバイブレーションフィーダーと呼ばれる。同図の機構は、タンク40内に収容された粒状蒸着材料をストッパーの開放によりパーツフィーダユニット41内に流入し、一定時間の振動を与えることにより粒状蒸着材料をらせん状に上昇させ、ノズル42を介して外部に粒状蒸着材料を流出させるものである。
【0004】
その他、例えば特許文献1に従来の蒸着材料供給機構が開示される。特許文献1は抵抗加熱蒸発源への蒸発物供給装置であって、蒸発物の補給準備通路、吐出通路、および移送通路を内部に持ち、アーム、回転駆動機構、移送棒、およびピストンロッドを用いて、補給準備通路内に配列された複数の蒸発物の1つを蒸発源に吐出することを特徴とする。
【特許文献1】特許第3510336号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
バイブレーションフィーダーは一定時間の振動により粒状蒸着材料を移送させる機構であるため、供給量が一定でないという課題があった。
供給量が一定でないと、成膜条件が安定しないという問題が発生する。蒸発源からの蒸発量は蒸着材料の溶融面積に依存するため、蒸着材料の供給量に依存して成膜レートが変化する。抵抗加熱蒸発源では、ボート上の蒸着材料の量によってボート全体の抵抗値が異なるため、同じ電力を供給しても流れる電流値が変わってしまう。蒸着材料の供給量にばらつきがあると、成膜開始時の電力条件も異なってしまうため、成膜前半の蒸着レートが安定しなくなってしまう。更に、供給量にばらつきがあると蒸着材料の使用量が確認出来ず、材料管理の面でも問題がある。
また、特許文献1に開示の機構では、固形の蒸着材料を供給するため定量供給が可能となるが、蒸着材料を多量に供給できないという課題があった。機構に搭載可能な蒸着材料の量が少ないと生産性および作業効率に問題がある。
本発明は、蒸着材料を大容量搭載し、定量供給する蒸着材料供給機構を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面は、真空室内部に配置した蒸着材料を基板面に堆積させる真空蒸着装置用の蒸着材料供給装置であって、定量形成された蒸着材料を複数個積重する少なくとも1つの収容器、収容器の底面を開放して落下させた少なくとも1つの蒸着材料を受容する受容手段、受容手段の底面を開放して受容されている蒸着材料を投下する投下手段、および収容手段と受容器との相対位置、及び受容手段と投下手段との相対位置を水平面内において変化させる移動手段からなり、収容手段に対する収容器の相対位置が所定の位置にある場合に収容器の底面の開放が行われ、受容手段に対する投下手段の相対位置が所定の位置にある場合に受容手段の底面の開放が行われるように構成した蒸着材料供給装置である。
【0007】
ここで、収容器が開放された底面を有し、収容器の下面に受容手段が配置され、受容手段の下面に投下手段が配置される構成において、受容手段は、蒸着材料を受容及び投下可能な開口を設けた遮蔽面からなるホルダからなり、投下手段は、蒸着材料が貫通可能な開口を設けた遮蔽面からなるベースからなり、収容器の底面とベースの開口とは垂直投影が重ならない位置にあり、移動手段によって決まるホルダの開口、収容器の底面又はベースの開口の移動経路において、ホルダの開口と収容器の底面との垂直投影が重なる位置、およびホルダの開口とベースの開口との垂直投影が重なる位置を有するように構成した。
また、移動手段はホルダに接続された回転駆動源であり、ホルダの回転軸を中心とする略同心円状に収容器の底面、ホルダの開口およびベースの開口を配設した。
さらに、収容器の底面、ホルダの開口およびベースの開口の長手方向がホルダの回転軸を中心として放射状に配置されるようにした。
またさらに、蒸着材料は転動自在な形状とした。
【0008】
本発明の第2の側面は、真空室内部に配置した蒸着材料を基板面に堆積させる真空蒸着装置用の蒸着材料供給装置であって、定量形成された蒸着材料を複数個積重する少なくとも1つのマガジン、マガジンに収容された蒸着材料を受容及び投下する開口の直上に少なくとも1つのマガジンを載置するマガジンラック、マガジンラックの下面に配置され蒸着材料を投下する開口を遮蔽面に設けたホルダ、ホルダの下面に配置され蒸着材料を投下する開口を遮蔽面に設けたベース、およびホルダとマガジンラックとの相対位置、及びホルダとベースとの相対位置を水平面内において変化させる駆動源からなり、マガジンとベースの開口とは垂直投影が重ならない位置にあり、駆動源によって決まるホルダの開口、収容器の底面又はベースの開口の移動経路において、ホルダの開口とマガジンとの垂直投影が重なる位置、およびホルダの開口とベースの開口との垂直投影が重なる位置を有するように構成された蒸着材料供給装置である。
【0009】
ここで、第1及び第2の側面において、ホルダを形成する遮蔽面の開口における深さを定量形成された蒸着材料の高さの整数倍とした。
【0010】
本発明の第3の側面は、真空室内部に配置した蒸着材料を基板面に堆積させる真空蒸着装置における蒸着材料供給方法であって、蒸着材料を複数積重する少なくとも1つの収容手段、収容手段の下面に配置され少なくとも1つの蒸着材料を収容手段から受容する受容手段、受容手段の下面に配置され受容手段から蒸着材料を投下させる投下手段、および収容手段、受容手段又は投下手段を水平方向に移動させる移動手段からなる蒸着材料供給装置において、定量形成された蒸着材料を収容手段に複数積重する工程、収容器と受容手段との位置関係を変化させ、所定の位置関係において収容器の底面を開放して少なくとも1つの蒸着材料を投下する工程、落下した蒸着材料を受容する工程、および受容手段と投下手段との位置関係を変化させ、所定の位置関係において受容手段の底面を開放して蒸着材料を投下する工程からなる蒸着材料供給方法である。さらに、移動手段が受容手段を移動させるようにしてもよい。
【0011】
本発明の第4の側面は、上記第1および第2の側面のいずれか記載の蒸着材料供給装置を、真空室内部に配置した蒸着材料を基板面に堆積させる真空蒸着装置に備えるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の蒸着材料供給機構は多量の蒸着材料を搭載することが可能であるため、厚膜用もしくは連続処理用の蒸着材料の供給を確保することが可能となり、生産性の向上、および作業効率の向上に効果を奏する。また、蒸着材料を定量供給するため、蒸着量による膜厚管理や蒸着材料の管理にも貢献する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1乃至図3を参照に本発明に係る蒸着材料供給手段の実施例を説明する。
図1は蒸着材料供給機構の概略斜視図であり、図2は図1に示す機構の概略分解図であり、図3は同機構の概略断面図である。
同図の機構は、複数の蒸着材料5を積重して収容するマガジン4、複数のマガジン4を載置するマガジンラック1、マガジンラック1の下方に配置されるホルダ2、ホルダ2の下方に配置されるベース3、ホルダ2の駆動源であるモータ11とにより構成される。
【0014】
マガジンラック1、ホルダ2、およびベース3には、直上に配された蒸着材料を投下する開口6,7,9が配設される。マガジンラック1に配設される開口6、およびベース3に配設される開口9は、各々の垂直投影が重ならない位置に配置することを特徴とし、マガジンラック開口6の垂直投影はベース遮蔽面10において遮蔽されているものとする。ホルダ2は、その開口7位置がマガジンラック開口6およびベース開口9のいずれにも一致可能となるように駆動制御されることを特徴とする。
【0015】
同図においてモータ11はホルダ2を回転駆動するものとし、マガジンラック開口6、ホルダ開口7、およびベース開口9は回転の中心軸AA´の円周上に放射状に配設される。同図では、マガジンラック1に複数の開口6を、ホルダ2およびベース3には1つの開口7,9を設けているが、各開口6,7,9の数は適宜選択すればよい。マガジン4の側壁12には係止爪13が設けられ、マガジンラック開口6に係止爪13を係止させることによりマガジンラック1にマガジン4を載置させる。マガジン4には底板がなく、底面が開放されているため、直下にホルダ遮蔽面8が位置する場合にはホルダ2が、直下にホルダ開口7が位置する場合にはベース遮蔽面10が底板となって蒸着材料5を収容する。マガジンラック1にはマガジンラック開口6と同数のマガジン4を搭載可能であるが、説明を簡略化するため同図では2つのマガジン4が搭載されるものとし、一方をマガジンA他方をマガジンBとする。ホルダ開口7は、モータ11による回転駆動により任意のマガジンラック開口6直下に位置することが可能であり、マガジンラック開口6直下にホルダ開口7が配置されると、直上に載置されるマガジン4内の蒸着材料5はマガジンラック1およびホルダ2内を垂直投下しベース遮蔽面10に支持される。
【0016】
ホルダ開口7およびベース遮蔽面10により形成される孔の深さdは、マガジン4内に収容される蒸着材料5の高さの整数倍に近似する値となるように設計する。これにより、ホルダ開口7内部に収容した蒸着材料5の上面がホルダ遮蔽面8に略一致するため、マガジン4に対してホルダ2が一様な遮蔽面となり、ホルダ2を円滑に駆動することが可能となる。実施例では、孔の深さdを蒸着材料5の直径lに略一致させているため、マガジン4の最下段に位置する1個の蒸着材料5を孔内部に収容するが、収容する蒸着材料5の数は複数個でもよい。また、実施例では円柱形状の蒸着材料5を用いているため、ホルダ開口7内部の蒸着材料を円滑に転動可能であるが、蒸着材料5の形状はこれに限られるものではなく、多角柱や球状等であってもよい。ただし、蒸着材料5は転動自在な形状であることが望ましい。マガジン4およびホルダ2を蒸着材料の形状に合わせることで種々の蒸発源への対応が可能である。
【0017】
以下同機構の動作を説明する。
まず、マガジンラック開口6直下にホルダ遮蔽面8を位置させた状態でマガジンラック1にマガジン4をセットし、ホルダ遮蔽面8を底板としてマガジン4内に蒸着材料5を積重しておく(図3中aにて示す)。次に、モータ11によりホルダ2を駆動させマガジンBの直下にホルダ開口7を位置させる。これによりマガジン4内に収容された蒸着材料5のうち最下段に位置する蒸着材料5がホルダ開口7内部に収容される。ホルダ開口7内部に蒸着材料5を収容した状態で更にホルダ2を駆動すると(図3中bにて示す)、マガジンAの直下にホルダ開口7が位置した場合においても(図3中cにて示す)、開口7内部に収容された蒸着材料5がマガジンAの底板として作用するため、マガジンA内の蒸着材料5はマガジンA内に保持される。蒸着材料5を供給する場合は、ホルダ2を更に駆動しベース開口9直上にホルダ開口7を位置させれば、ホルダ開口7内部に収容されていた蒸着材料5がベース開口9から吐出する(図3中dにて示す)。ベース開口9は、所望の蒸着材料吐出位置の直上に配設すればよい。
【0018】
マガジンB内の蒸着材料5が全て供給された場合、マガジンBの直下にホルダ開口7が位置してもホルダ開口7内に蒸着材料5は収容されないが、マガジンAの直下にホルダ開口が7位置するとホルダ開口7内にはマガジンAに収容されていた蒸着材料5が収容されるため、その後はマガジンA内の蒸着材料5が順次供給される。上記動作を繰返し、順次マガジン4内の最下段に位置する蒸着材料5を吐出すればよい。
【0019】
実施例では、マガジン4を円周上に配列しホルダ2を回転駆動させる構成としているが、マガジン4を直線上に配列しホルダ2を直線駆動させる構成としてもよい。また、実施例ではホルダ2に駆動源を接続しているが、マガジンラック1、ホルダ2、およびベース3を相対的に駆動すればよいため、ホルダ2を固定しマガジンラック1とベース3に駆動源を接続させる等の手段を選択してもよい。
【0020】
本発明は、蒸着材料5の自重による落下を利用した構成となっているため、機構の簡略化に貢献し、真空室内における蒸着材料供給機構の占有面積の削減、および低コスト化することが可能となる。
【0021】
図4は、一例として図1乃至図3に示す蒸着材料供給機構30を搭載した真空蒸着装置の概要を示す。
同図に示す装置は、仕込室20、成膜室21、および取出室22を有し、各真空室はゲートバルブ24,25により仕切られ、各々独立の図示しない排気手段を備えている。図示しない基板搬送手段が、仕込室20から成膜室21に未成膜の基板23を搬入し、成膜室21から取出室22に成膜後の基板23を搬出するため、成膜室21においては高真空状態を維持したまま連続成膜を行うことが可能である。成膜室21には蒸発源位置29と成膜位置が対向し、蒸発源位置29に蒸着材料5が、成膜位置に基板23が配置される。蒸発源位置29では、電子ビーム加熱による蒸着材料の加熱蒸発が行われる場合もあるが、同図では抵抗加熱容器内に収容した蒸着材料を加熱し溶融蒸発させるものとする。基板蒸発源間には、蒸着材料2を遮蔽するシャッター26が配置される。蒸発源位置29には抵抗加熱ユニット28が配置され、蒸着材料供給機構30、および蒸着材料供給機構30から供給される蒸着材料を蒸発源位置まで搬送する搬送機構27が設けられる。これにより真空室を開放することなく蒸発源位置29に順次蒸着材料5を供給することが可能となる。同図の搬送機構27は、回転駆動源に接続される回転体であり、ベース開口9直下と蒸発源位置29とを結ぶ円の中心を軸として駆動することにより、ベース開口9から吐出される蒸着材料5を蒸発源位置29まで搬送する。
【0022】
同図に示す装置により蒸着を行う場合は、まず仕込室20と成膜室21の真空度を等しくしてゲートバルブ24を開放し、仕込室20から未成膜の基板23を成膜室21に搬入して成膜位置に配置する。基板23の搬入後ゲートバルブ24は閉塞し、蒸着材料供給機構から供給した蒸着材料5を搬送機構により蒸発源位置29に配置する。抵抗加熱ユニット28に通電し、蒸着材料5を蒸発温度まで昇温させる。シャッター26を開放すると蒸着材料5は真空室内を飛散し、基板23上に堆積することで薄膜を形成する。膜厚が目標値に到達したらシャッター26を閉じ、抵抗加熱ユニット28を停止させる。次に、ゲートバルブ25を開放し、薄膜が形成された成膜基板23を、成膜室21に等しい真空度まで高真空排気した取出室22に搬出しゲートバルブ25を閉塞する。続いて、ゲートバルブ24を開放し、成膜室21に等しい真空度まで高真空排気した仕込室20から未成膜の基板23を搬入し、成膜位置に配置する。また、蒸着材料供給機構30および搬送機構27を用いて、蒸発源位置29に蒸着材料5を供給する。上記同様に成膜を行い、図示しない基板搬送機構は成膜後の基板23を取出室22に搬出し、順次未成膜の基板23を成膜位置に供給し、上記動作を繰返す。
【0023】
真空蒸着装置に本発明の蒸着材料供給機構を搭載することにより、真空室内に供給可能な蒸着材料の量を著しく増加することが可能となるため、連続蒸着もしくは厚膜蒸着の処理数を増加させ生産性を著しく向上させることが可能となる。また、固形の蒸着材料を定量供給することが可能となるため、抵抗加熱蒸発源を用いた装置において、成膜前半の蒸着レートの安定に貢献し成膜精度を向上させることも可能となる。更に、蒸着材料の定量供給を行うことにより、供給回数から材料の使用量を容易に確認することが可能となる。これは、Au等の高価な金属を蒸着材料として用いる場合に特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明蒸着材料供給機構概略斜視図
【図2】本発明蒸着材料供給機構概略分解図
【図3】本発明蒸着材料供給機構概略断面図
【図4】真空蒸着装置概略図
【図5】バイブレーションフィーダー概略図
【符号の説明】
【0025】
1 マガジンラック
2 ホルダ
3 ベース
4 マガジン
5 蒸着材料
6 開口
7 開口
8 遮蔽面
9 開口
10 遮蔽面
11 モーター
12 側壁
13 係止爪
20 仕込室
21 成膜室
22 取出室
23 成膜基板
24 ゲートバルブ
25 ゲートバルブ
26 シャッタ
27 搬送機構
28 抵抗加熱ユニット
29 蒸発源位置
30 蒸着材料供給機構
40 タンク
41 パーツフィーダユニット
42 ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空室内部に配置した蒸着材料を基板面に堆積させる真空蒸着装置用の蒸着材料供給装置であって、
定量形成された該蒸着材料を複数個積重する少なくとも1つの収容器、
該収容器の底面を開放して落下させた少なくとも1つの該蒸着材料を受容する受容手段、
該受容手段の底面を開放して該受容されている蒸着材料を投下する投下手段、および
該収容手段と該受容器との相対位置、及び該受容手段と該投下手段との相対位置を水平面内において変化させる移動手段からなり、
該収容手段に対する該収容器の相対位置が所定の位置にある場合に該収容器の底面の開放が行われ、該受容手段に対する該投下手段の相対位置が所定の位置にある場合に該受容手段の底面の開放が行われるように構成したことを特徴とする蒸着材料供給装置。
【請求項2】
請求項1記載の蒸着材料供給装置であって、
該収容器が開放された底面を有し、該収容器の下面に前記受容手段が配置され、前記受容手段の下面に前記投下手段が配置される構成において、
前記受容手段は、該蒸着材料を受容及び投下可能な開口を設けた遮蔽面からなるホルダからなり、
前記投下手段は、該蒸着材料が貫通可能な開口を設けた遮蔽面からなるベースからなり、
該収容器の底面と該ベースの開口とは垂直投影が重ならない位置にあり、
該移動手段によって決まる該ホルダの開口、該収容器の底面又は該ベースの開口の移動経路において、該ホルダの開口と該収容器の底面との垂直投影が重なる位置、および該ホルダの開口と該ベースの開口との垂直投影が重なる位置を有するように構成されたことを特徴とする蒸着材料供給装置。
【請求項3】
請求項2記載の蒸着材料供給装置であって、
前記移動手段は該ホルダに接続された回転駆動源であり、
該ホルダの回転軸を中心とする略同心円状に該収容器の底面、該ホルダの開口および該ベースの開口を配設したことを特徴とする蒸着材料供給装置。
【請求項4】
請求項3記載の蒸着材料供給装置であって、
該収容器の底面、該ホルダの開口および該ベースの開口の長手方向が該ホルダの回転軸を中心として放射状に配置されたこと特徴とする蒸着材料供給装置。
【請求項5】
請求項1乃至4記載の蒸着材料供給装置であって、
該蒸着材料は転動自在な形状であることを特徴とする蒸着材料供給装置。
【請求項6】
真空室内部に配置した蒸着材料を基板面に堆積させる真空蒸着装置用の蒸着材料供給装置であって、
定量形成された該蒸着材料を複数個積重する少なくとも1つのマガジン、
該マガジンに収容された該蒸着材料を受容及び投下する開口の直上に少なくとも1つの該マガジンを載置するマガジンラック、
該マガジンラックの下面に配置され、該蒸着材料を投下する開口を遮蔽面に設けたホルダ、
該ホルダの下面に配置され、該蒸着材料を投下する開口を遮蔽面に設けたベース、および
該ホルダと該マガジンラックとの相対位置、及び該ホルダと該ベースとの相対位置を水平面内において変化させる駆動源からなり、
該マガジンと該ベースの開口とは垂直投影が重ならない位置にあり、
該駆動源によって決まる該ホルダの開口、該収容器の底面又は該ベースの開口の移動経路において、該ホルダの開口と該マガジンとの垂直投影が重なる位置、および該ホルダの開口と該ベースの開口との垂直投影が重なる位置を有するように構成されたことを特徴とする蒸着材料供給装置。
【請求項7】
請求項2乃至6いずれか一項に記載の蒸着材料供給装置であって、
前記ホルダを形成する遮蔽面の開口における深さが該定量形成された蒸着材料の高さの整数倍であることを特徴とする蒸着材料供給装置。
【請求項8】
真空室内部に配置した蒸着材料を基板面に堆積させる真空蒸着装置における蒸着材料供給方法であって、
該蒸着材料を複数積重する少なくとも1つの収容手段、該収容手段の下面に配置され少なくとも1つの該蒸着材料を該収容手段から受容する受容手段、該受容手段の下面に配置され該受容手段から該蒸着材料を投下させる投下手段、および該収容手段、該受容手段又は該投下手段を水平方向に移動させる移動手段からなる蒸着材料供給装置において、
定量形成された該蒸着材料を収容手段に複数積重する工程、
該収容器と該受容手段との位置関係を変化させ、所定の位置関係において該収容器の底面を開放して少なくとも1つの該蒸着材料を投下する工程、
該落下した該蒸着材料を受容する工程、および
該受容手段と該投下手段との位置関係を変化させ、所定の位置関係において該受容手段の底面を開放して該蒸着材料を投下する工程
からなることを特徴とする蒸着材料供給方法。
【請求項9】
請求項8記載の蒸着材料供給方法であって、
前記移動手段が前記受容手段を移動させることを特徴とする蒸着材料供給方法。
【請求項10】
真空槽内部に配置した蒸着材料を基板面に堆積させる真空蒸着装置であって、
該真空槽内部に請求項1乃至7いずれかに記載の蒸着材料供給装置を備えたことを特徴とする真空蒸着装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−144088(P2006−144088A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−337526(P2004−337526)
【出願日】平成16年11月22日(2004.11.22)
【出願人】(000146009)株式会社昭和真空 (72)
【Fターム(参考)】