説明

蔓植物栽培装置及びこれを用いた蔓植物栽培方法

【課題】線状材を繰り出すとともに自動的に水平方向にずらすことができる簡易な構造の蔓植物栽培装置及びこれを用いた効率的で省力化の計れる蔓植物栽培方法を得ること。
【解決手段】線状材が巻回されたボビンと、上方に架設された軌道を移動可能にかつ前記ボビンと一体的に回転する車輪と、前記ボビンと前記車輪を支持する支持体と、前記車輪を適位置に停止させる車輪停止具と、前記支持体の下方に配設され前記線状材の繰り出しを緩衝させる緩衝構成体とを具備し、前記線状材が前記緩衝構成体を介して下降し蔓植物の蔓が固定されるようにした蔓植物栽培装置及びこれを用いた蔓植物栽培方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蔓を有する植物例えばトマト等の栽培装置及びこれを用いた蔓植物栽培方法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
トマト等の蔓を有する植物の栽培は、紐又はロープに蔓を絡ませ蔓を立てて成長させるのが最も高品質のものが収穫できる。蔓は一本で一年中成長が続いて収穫可能なので、伸びる分だけ下に降ろす必要がある。それをそのままにしておくと、収穫物が作業者の目の高さを超えてしまうので、手作業では腕を伸ばしたり、背伸びをしたり、踏み台を使用したり等によらなければならない。
これに対応するため、例えば下記特許文献に記載のものがある。特許文献1には、スプール8に巻付けた作物支持コード9を、スプール8を回転させて繰り出す作物の取り木装置が提案されている。
又特許文献2にはリール11に巻回されたつる巻付け紐5をワンタッチで所定長さ下降させ伸ばすためのつる巻付け紐支持具が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開昭55−138335号公報
【特許文献2】特開2000−324955号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献に記載のものはいずれにおいても、紐に相当する作物支持コード又は巻付け紐を繰り出すことには有効であるが、紐を繰り出しただけでは下にとぐろを巻いて溜まってしまうので、手で装置と蔓植物全体を持上げて水平方向にずらす作業が必要である。
蔓植物全体の重さは通常5〜6Kgにも達し、数及び収穫頻度が多く、両手を使うので重労働である。そして、そのときのずらし移動量は目測や勘で行うので、引っ張り過ぎて根を引っ張ってしまうとか、引っ張り不足で下に紐の溜まりが残ることがあり、紐を急に降ろすと蔓が折れる等のトラブル発生が多い。
これに対し、本発明は紐等の線状材を繰り出すとともに装置と蔓植物全体を持上げることなく自動的に水平方向にずらすことができ、ずらしの移動量を所定量として、引っ張り過不足が生ぜず、線状材の下降が緩やかで蔓が折れるおそれがない、簡易な構造の蔓植物栽培装置及びこれを用いた効率的で省力化の計れる蔓植物栽培方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために、
請求項1に記載の発明にあっては、線状材が巻回されたボビンと、上方に架設された軌道を移動可能にかつ前記ボビンと一体的に回転する車輪と、前記ボビンと前記車輪を支持する支持体と、前記車輪を適位置に停止させる車輪停止具とを具備した蔓植物栽培装置により解決した。
請求項2に記載の発明にあっては、支持体の下方に線状材の繰り出しを緩衝させる緩衝構成体を配設し、線状材が該緩衝構成体を介して下降し蔓植物の蔓が固定されるようにしたことを特徴とする請求項1記載の蔓植物栽培装置とすることができる。
請求項3に記載の発明にあっては、ワイヤ又はレール上を回転して移動する車輪と、線状材が巻回されたボビンとを着脱可能に一体的に支持体に支持すると共に、前記支持体の下方に前記線状材が螺旋状に巻回された胴体を配設し、前記線状材が前記胴体下部に形成されたガイドスリットを通じて蔓植物の蔓に固定するようにした請求項1又は2に記載の蔓植物栽培装置とすることができる。
請求項4に記載の発明にあっては、緩衝構成体が下部にガイドスリットを形成し、線状材が螺旋状に巻回される胴体であり、ボビンは一端に円筒状摺動部、短冊状羽が突設された小ドラム及び軸部が配設されて支持体の間に車輪を介在させて該車輪と一体的に回転するように構成された請求項2に記載の蔓植物栽培装置とすることができる。
請求項5に記載の発明にあっては、線状材はループ状に形成され、車輪が軌道上を移動すると同時に繰出しと回収を行うようにボビンに保持され、前記線状材の下降側に蔓植物の蔓を固定し、ループ状下端近傍で前記蔓の固定を解除して前記線状材を反復使用するようにした請求項1又は2に記載の蔓植物栽培装置とすることができる。
【0006】
請求項6に記載の発明にあっては、軌道に沿って移動可能な車輪と一体的に回転する線状材が巻回されたボビンから緩衝構成体を介して下降する前記線状材に蔓植物の蔓を固定し、前記蔓の成長に従って前記車輪を移動して前記蔓植物の高さを調整するようにした蔓植物栽培方法により解決した。
請求項7に記載の発明にあっては、線状材はボビンから解舒される下降部分と、畝面近傍で前記下降部分とループ状に形成されて上昇し上端末が前記下降部分の上端末と連結し前記ホビンに巻回される上昇部分とよりなり、前記線状材の下降部分には蔓植物の蔓を固定し且つ前記上昇部分には前記蔓の固定を解除して前記線状材を循環して反復使用する請求項6に記載の蔓植物栽培方法とすることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の蔓植物栽培装置及び蔓植物栽培方法によれば、簡易な装置で紐等の線状材を繰り出すとともに、装置と蔓植物全体を持上げることなく自動的に水平方向にずらすことができ、ずらしの移動量を所定量とし、引っ張り過不足が生ぜず、線状材の下降が緩やかで蔓が折れるおそれがなく、効率的で省力化が計れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の蔓植物栽培装置第一例の使用状態を示す概略説明図である。
図2は、図1の蔓植物栽培装置の各構成要素の分解斜視図である。
図3は、図1の蔓植物栽培装置の組立斜視図である。
図4は、図1の蔓植物栽培装置の組立図で、側面一部断面図、裏面図、及び底面図である。
図5は、本発明の蔓植物栽培装置第二例の使用状態の一部を示す概略説明図である。
図6は、図5の蔓植物栽培装置の構成要素の一部の分解斜視図である。
図7は、図5の蔓植物栽培装置の組立図で、側面図及び裏面図である。
図8は、本発明の蔓植物栽培装置第一例の他の使用状態を示す概略説明図である。
図9は、本発明の蔓植物栽培装置第一例の胴体回り変形3例を示す概略説明図で、変形第一例乃至変形第三例である。
以下においては、本発明の蔓植物栽培装置は収穫物の成長とともに略水平に車輪によって移動されるが、その車輪が転動するワイヤ又はレール等の軌道に対し、ボビンが突出する側を前側とし車輪側を後側とし、蔓植物栽培装置の移動前側を上流側とし移動後側を下流側とし、蔓植物が植えられている畝面側を下方とし軌道側を上方として、それぞれ説明する。
【0009】
先ず図1、2を参照して、本発明の第一例の蔓植物栽培装置1の構成を説明する。
蔓植物栽培装置1は、支柱2、ボビン3、保持具4、車輪5、固着具6、車輪停止具7、及び線状材Sを有している。
支柱2は、下方に緩衝構成体を形成する長手の中空円筒状の胴体21と、胴体21の上端に固着された側面視略逆U字形の支持体22とからなっている。胴体21は上端部の前側には切欠面21bが設けられここに支持体22の前側片22aが固着され、上端部の後側には傾斜面21aが設けられ、傾斜面21aの下端部に落下防止レバー73の挿入孔21cが穿設されている。又胴体21の下端部には端末から周面に沿って上方に傾斜するガイドスリット21dが穿設され軸芯の中空部に繋がって線状材Sを案内している。胴体21は必ずしも全体を中空とせず一部中実としてもよいが、少なくとも下部はガイドスリット21dと連通する中空に形成されるのが安定的な線状材Sの案内が出来て好ましい。
支持体22は、対向する板状の前側片22a及び後側片22bとが上端片22cによって略逆U字形に形成され、前側片22aの中央部に保持具4の摺動部47との摺動孔22eが穿設され、後側片22bの中央部には保持具4の軸部46との摺動孔22dが前記摺動孔22eと水平同軸で穿設され、前側片22aの下端中央部に車輪停止具7が貫通可能な縦長スリット22fが穿設されている。ここで前側片22aに対し、後側片22bは上下長さが僅かに長目にとられている。必須の構成要素ではないが、上端片22cには係止フック22gが突設され、蔓植物が成長して胴体21近傍に届くまで各係止フック22gにワイヤWを通して吊下げておくのに至便である。
【0010】
ボビン3は、直径D の円筒状巻取り部31の前後端末に鍔32、33付きとされ、軸芯に後述の保持具4の薄肉ドラム42が嵌合可能な直径D の通し孔34と、90度づつ位相をずらし軸芯を通る十字の位置に軸芯と平行して刻設されている4個の細溝35とを有し、鍔32、33の前後面の間隔はL にとられている。
車輪5は、ワイヤW上を転動する底部直径D のリム51と、リム51の前後両側に形成されているフランジ52、52と、軸芯に後述する固着具6が嵌合可能な通し孔53と、90度づつ位相をずらし軸芯を通る十字の位置に軸芯と平行して刻設されている4個の細溝54と、図3(a)、図4(b)に示すとおりの組立て状態で前側フランジ52前面外周近傍位置に回転の妨げとならない高さの突起部55を有している。
尚、突起部55を複数個例えば2〜4個設けて後述する車輪5の停止位置を適宜調整することもできる。
【0011】
保持具4は、後側寄りにボビン3の後側鍔33より僅かに小径の円板状の中間板41がおかれ、中間板41の前側には軸芯を合わせて直径D の薄肉ドラム42が突設され、薄肉ドラム42の中間板41と接する後端末に90度位相をずらし軸芯を通る対称位置に軸芯と平行方向に4個の細幅の小突出片42aが突設されている。薄肉ドラム42の前端に90度づつ位相をずらし軸芯と平行して短冊状に4個の突出片43が突設され、突出片43の自由端上向きに小突起43aが形成されている。ここで、直径D は直径D に対し僅かにマイナス公差にとられ、保持具4に容易にボビン3が挿着可能とされ、中間板41の前面と突出片43の小突起43aの境までの長さはL にとられているので、保持具4前側よりボビン3を挿入したとき、小突起43aが前側鍔32の前面に広がって係止され、各細溝35に各小突出片42aが挿着され、ボビン3は保持具4に対し前後及び軸芯方向に移動不能にセットされる。ここでの各部直径は、D >D >D >D にとられてはいるが、それぞれの差異は僅少である。
他方中間板41の後側には、軸芯に通し孔46aが穿設されている軸部46回りに固着された円筒状の小ドラム44の周囲に90度づつ位相をずらし軸芯と平行して4個の短冊状羽45が突設され、小ドラム44と中間板41の間に各短冊状羽45の先端を僅かに超える直径で挿着孔22eに摺動可能な大きさの円筒状の摺動部47を有し、軸芯46は挿着孔22dが摺動可能な直径で後端末が後側片22bと略面一になる長さにとられている。したがって、保持具4を後側より支持体22に挿入したとき、摺動孔22eに対し小ドラム44及び各短冊状羽45は通過し摺動部47と摺動する位置に達して止まり、そのとき軸部46は摺動孔22dと摺動する位置に止まり、保持具4及びボビン3は一体で軸芯回りに回動可能となる。軸部46の通し孔46aは後述する固着具6の薄肉小ドラム61が嵌合可能な直径にとられている。
尚、ボビン3の鍔33に保持具4の軸部46、通し孔46a、小ドラム44、短冊状羽45、摺動部47及び中間板41を一体に成形すれば、薄肉ドラム42より前側の部材は省略でき、ボビン3が着脱不要の一回限りの使用のときに好適である。
【0012】
固着具6は、軸部46の通し孔46aに嵌合可能な薄肉小ドラム61の後側には丸皿状の頭部62が形成され、前側には180度位相をずらし軸芯と平行して2個の細幅の突出片63が突設され、突出片63の自由端上向きに小突起63aが形成され、通し孔46aに小突起63aから突出片63及び薄肉ドラム小61が貫通可能とされている。
車輪停止具7は、車輪停止レバー71と、スプリング72と、落下防止レバー73とよりなっている。車輪停止レバー71は、棒状本体71aとその中央部の支点71bと、先端部に押圧片71cと、棒状本体71aの支点71bと反対側に僅かに幅広の指当て片71dとを有している。スプリング72は略U字形に折曲げた帯板状の板ばね製である。落下防止レバー73は中間が僅かに折曲げられている帯板状の板ばね製である。
線状材Sは、天然繊維、合成繊維又は鋼の糸等を撚合わせた紐又はロープ状でボビン3の巻付け部31に巻回されているが、耐蝕性、コスト面からは合成繊維のナイロン、ポリエステル、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等のものが最も好適である。後述する蔓植物栽培装置1による蔓植物栽培方法の第一例では、ボビン3の巻付け部31に通常目一杯線状材Sが巻回されているが、蔓植物栽培方法の第二例ではボビン3と畝面Rとの間をループ状に結んで循環使用されるので線状材Sの長さが短いという差異がある。
【0013】
次に、図3、4も参照して蔓植物栽培装置1の組立について説明する。
先ず、支持体22の前側片22a及び後側片22b間の空隙に車輪5をおき通し孔53の軸芯、摺動孔22e及び22dの各軸芯が一線に揃う様に並べて、保持具4の後側より摺動孔22eに挿着すると先ず小ドラム44及び各短冊状羽45が通過し、次いで4個の細溝53に4個の短冊状羽45をそれぞれ嵌合するように調整して通し孔53を通過させると車輪5の後端から軸部46が突出して摺動孔22dと摺動する位置で止まり、保持具4及び車輪5は一体で支持体22に保持される。
次いで、摺動孔22dにおかれた軸部46の通し孔46aに固着具6の小突起63a側から押込むと、2個の突出片63が僅かに軸芯方向に撓んで通し孔46aに貫通され、小突起63aから突出片63及び薄肉小ドラム61が貫通され、小突起63aは軸部46の前端面に広がって係止され、頭部62は軸部46後端面に当接して、保持具4及び車輪5は抜出し不能にセットされる。
次いで、支持体22の外側にある胴体21の切欠面21bに車輪停止レバー71の支点71bをスプリング72を介して軸回りに回動可能に取付け、指当て片71dに対する指による加圧操作によって押圧片71cの先端がスリット22fから出入り可能としている。ここで、スプリング72を加圧しているときは押圧片71cが離れて車輪5の回転は妨げられないが、加圧していないときは押圧片71cが突起部55の端に接した位置で車輪5を回転不能に保持している。落下防止レバー73の下端部を胴体21の挿入孔21cに挿着し、支持体22の後側片22bの下端前面の僅かな切欠面との間に渡らせることにより、通常は隙間がなく予期せずに車輪5がワイヤWから外れても下方に落下するおそれのない安全装置で、他方隙間が必要なときは落下防止レバー73の中間部を前側に押圧して開くことができる。
最後に、ボビン3の保持具4への嵌着は、通し孔34に保持具4を小突起43a側から押込むと、4個の突出片43が僅かに軸芯方向に撓んで通し孔34に貫通され、薄肉ドラム42が前から後に通し孔34に嵌合され、更に中間板41前面に当接して停止する。このとき通し孔34の細溝35のいずれかに小突出片42aが嵌着し、4個の小突起43aはホビン3の前側鍔32の前側に飛出し突出片43が撓んだ状態から元に復元することにより、ボビン3は保持具4に対し軸芯に対し回動及び飛出し不能状態にセットされ、ボビン3、保持具4及び車輪5は軸芯を揃えて一体で支持体22に保持回動可能とされ、蔓植物栽培装置1の組立てが完了する。ボビン3の保持具4からの脱着は、小突起43aを軸芯方向に撓ませることにより容易に可能である。
前記したボビン3、保持具4及び車輪5の各構成は着脱可能であって、シーズンが変わっても再利用できるものであるが、一シーズンのみの使用であれば詳細説明は省略するが、組立て、各構成を簡略化して、前記したボビン3と保持具4を一体化すること、ボルトナット、接着などによって固着又は組立てることも可能であり、これは後述する蔓植物栽培装置10においても同様である。
尚、組立て時において、車輪5の前方に配設されたボビン3回りの重量で前方に倒れるおそれがある場合には、車輪5の後方に突出するように調整重りを配設してバランスをとるようにするのが好ましい。
【0014】
次に、図1、3、4を参照して蔓植物栽培装置1による蔓植物栽培方法の第一例について説明する。
図1を参照して、蔓植物栽培装置1は、下方の畝面Rに略平行して高さ3m前後上方に略水平方向に架設されたワイヤWに案内されて、上流側より下流側例えば本図の例では左より右に移動可能におかれる。ワイヤWに代えてレール例えばC型チャンネル等の軌道となるレールを架設してもよく、このとき隣接して架設されたレールの両端を円弧状に接続して全体をループ状に形成してもよい。
図1では、一本の線状材Sを吊下げた蔓植物の栽培開始時と、その後蔓の伸びる分だけ線状材Sを下に降ろし同時に下流側に蔓植物栽培装置1を移動した態様を図示しているが、栽培開始時では上流側に線状材S と栽培する蔓植物苗木T とだけを図示し、下流側に移動した二回目の栽培時では線状材S 、蔓植物T 及び蔓植物栽培装置1を図示してある。
蔓植物栽培装置1は、先ず栽培開始時においては、係止フック22gによってワイヤWに吊り下げられ、支柱2の胴体21がほぼ鉛直方向に懸垂状態に保持される。そして巻付け部31に巻付けられている線状材S を解舒して、緩衝構成体として胴体21回りに螺旋状に巻き付けた後、下部のガイドスリット21dから胴体21の中空部を通して下降せしめて畝面Rに垂らし、該畝面Rに植えられた蔓植物苗木T の蔓を線状材S に絡ませて成長させる。
適当な成長期間を経過した後に、落下防止レバー73の中間部を前側に押圧して開き、車輪5のリム51をワイヤW上に載せる。その時点までは、前述した車輪停止具7の押圧片71bが突起部55の端に接した位置で車輪5を回転不能に保持しているので、蔓植物栽培装置1はワイヤW上を車輪5が転動し暴走することはない。蔓植物の先端が胴体21近傍に達し始めたとき、車輪停止レバー71の指当て片71dと胴体21を指で掴んでスプリング72に抗して押圧することにより、押圧片71bによる突起部55との接触が解除され車輪5の停止が解除されて、線状材S に加わる蔓植物の茎、蔓及び実の荷重でボビン3が回転開始し、ボビン3に直結している車輪5を転動せしめる。すなわちボビン3の回転による線状材S の解舒と車輪5の回転によるワイヤW上の転動とが連動して起こる。
このとき、茎、蔓及び実の荷重がもろにボビン3に伝わると、線状材S の下降が急過ぎて蔓が折れる恐れがあるが、胴体21回りに螺旋状に巻き付けてあるので線状材S と胴体21との摩擦によって下降速度が緩和調整される。ボビン3の回転開始後、直ぐに指当て片71dと胴体21を掴んでいた指を離し押圧を止めるとスプリング72の反発力で押圧片71cは元の位置に復元するが、押圧片71cは車輪5の突起部55のない部分と接しているので車輪5は回転しワイヤW上を転動し続け、丁度一回転した所で突起部55の端に押圧片71bc接した位置で車輪5の回転を停止し、上流側の栽培開始時の位置から距離Xだけ下流側の二回目の栽培時の線状材S 、蔓植物T 及び蔓植物栽培装置1の位置に移動し、この位置に保持されて二回目の成長を促す。このため二回目の蔓植物の実の収穫は上部から下がった適位置で作業することができる。
ここで、蔓植物栽培装置1を蔓植物栽培開始時の位置から下流側の二回目の栽培時の位置に移動したとき、線状材S と線状材S の間には下流側に向かって中間部分の線状材sが畝面R長手方向に沿って伸び、該中間部分の線状材sにほぼ平行して収穫を終わった蔓植物の茎状部tが畝面Rの根本Uから下流側に向かって伸び図1の下部に示す状態となる。この図1下部に示す根本Uは、蔓植物苗木T の畝面Rとの接点と、下流側に向かって伸び茎状となった蔓植物の起点とが二か所別々に記載されているが、実際は上流側の一か所である。しかし一か所に重ねて記載すると図画が輻輳し理解困難となるおそれがありここでは二か所に分けて記載してある。
蔓植物が成長して再び胴体21近傍に達したとき、前記同様に線状材S 及び蔓植物T を下降し、蔓植物栽培装置1の位置を下流側に移動して成長を促し、以下順次同様作業を繰り返し、蔓の成長に合わせて線状材を下降させると共に逐次蔓植物栽培装置1を下流側に移動させて一年中ほぼ同じ高さで収穫することが可能である。
線状材Sの太さや伸縮、車輪5とワイヤWとのスリップ、車輪5とボビン3の直径差等で僅かな差異はあるが、上流側から下流側への移動距離Xは、車輪5の一回転とほぼ等しく、本例では15cm前後にとり、車輪5とボビン3の直径は5cm前後にとったが、蔓植物の品種、成育条件、施設の構成等によって選択すればよい。又胴体21回りへの螺旋状の巻き付け回数は、例えば胴体21の直径2.5cm、長さ15cmの場合で、1〜3回程度が安定している。
尚、突起部55を間隔をおいて複数個設けた場合は車輪5の停止位置を細かく調整できる。
【0015】
次に、図8をも参照して蔓植物栽培装置1による蔓植物栽培方法の第二例について説明する。前記蔓植物栽培方法の第一例と同様な構成は同一符号を用い詳細説明は省略する。
図8では、栽培開始時として上流側に線状材S 、蔓植物苗木T 及び蔓植物栽培装置1を図示し、矢印P方向下流側に移動した二回目の栽培時は線状材S 、蔓植物T 及び蔓植物栽培装置1を図示してある。ここでも、茎状部tの起点と根本Uは図1と同様に図面明瞭化のため分離記載されている。
先ず栽培開始時においては、蔓植物栽培装置1はワイヤWに吊り下げられ、支柱2の胴体21がほぼ鉛直方向に懸垂状態に保持され、線状材S を解舒して、緩衝構成体として胴体21回りに螺旋状に巻き付けた後、下降せしめて畝面Rに垂らし、蔓植物苗木T の蔓を線状材S に絡ませて成長させる。しかし前記蔓植物栽培方法の第1例と異なり線状材S は下降部分v と上昇部分v からなり、ボビン3から解舒された下降部分v が下降し畝面Rの蔓植物の根本U近傍に達した後、ループ状に湾曲して上昇する上昇部分v が胴体21に沿ってボビン3に戻り巻付け部31に2〜3回巻回して上端末を下降部分v の上端末と連結し循環可能にしてある。そして蔓植物の蔓を線状材S の下降部分v に固定し、上昇部分v には固定を解除して栽培を行う。
次に適当な成長期間を経過し蔓植物の先端が胴体21近傍に達し始めたとき前記同様に、車輪停止レバー71の操作により、押圧片71bと突起部55との接触を解除すると、線状材S の下降部分v を介し蔓植物の茎、蔓及び実の荷重でボビン3が回転開始し、ボビン3に直結している車輪5を転動せしめ、線状材S の解舒と車輪5の回転によるワイヤW上の転動が連動して起こる。そのとき、予め線状材S の上昇部分v に蔓植物の蔓が付着したまま上昇しないよう上昇部分v に移る畝面R近傍で固定を解除しおく。線状材S の下降部分v と胴体21との摩擦によって下降速度が緩和調整され、車輪5が丁度一回転した所で車輪5の回転を停止し、上流側の栽培開始時の位置から距離Xだけ下流側の二回目の栽培時の線状材S 、蔓植物T 及び蔓植物栽培装置1の位置に移動し、この位置に保持されて二回目の成長を促す。
蔓植物が成長して再び胴体21近傍に達したとき、前記同様に線状材S 及び蔓植物T を下降し、蔓植物栽培装置1の位置を下流側に移動して成長を促し、以下順次同様作業を繰り返し、一年中ほぼ同じ高さで収穫することが可能である。
この蔓植物栽培方法第二例によれば、ボビン3と蔓植物の根本Uとの間を往復する程度の比較的短い長さの線状材ですみ、下降部分v に蔓を固定し、上昇部分v では固定を解除して循環することにより、線状材を反復使用可能である。これに対し第1例では、中間部分に比較的長い線状材sが必要であり全体として線状材の長さが長くなり、反復使用には制約がある。
【0016】
次に図5、6を参照し、本発明の第二例の蔓植物栽培装置10の構成を説明する。
蔓植物栽培装置10は、支柱2′、ボビン3、保持具4、車輪5′、固着具6、車輪停止具7′及び線状材Sを有している。ここで、前記蔓植物栽培装置1と同様の構成要素は同一符号を用い詳細説明及び図示の一部を省略する。
支柱2′は、下方に緩衝構成体を形成する長手の中空円筒状の胴体21′と、胴体21′の上端に固着又は一体に成形された側面視略逆U字形の支持体22′とからなっている。胴体21′の上端部前側に切欠面21′bが溝状に設けられ、この切欠面21′bに支持体22′の前側片22aが固着されている。胴体21′の上端部後側には傾斜面21′aが設けられ、傾斜面21′aの下部に略水平方向の挿入孔に回動支点21′cが埋設され、傾斜面21′の中間部に上下に沿って回動支点21′cと繋がって縦長スリット21′dが穿設されている。又胴体21′の下端部に前記胴体21と同様のガイドスリット21′eが穿設され、胴体21′は少なくとも下部は中空部に形成されている。
支持体22′は、前記蔓植物栽培装置1と同様前側片22a及び後側片22bが上端片22cによって略逆U字形に形成され、摺動孔22e及び摺動孔22dが穿設されているが、ここにはスリット22fは穿設されていない。
車輪5′は、リム51、フランジ52、通し孔53、及び細溝54は前記車輪5と同様であるが、図7(b)に示すとおり突起部55′は前記突起部55と異なる位置で、組立て状態での前側フランジの内面外周近傍位置に設けられている。尚突起部55′は、前記突起部55と同様に複数個設けてもよい。
車輪停止具7′は、車輪停止レバー71′と、落下防止レバー72′とよりなっている。車輪停止レバー71′は、棒状本体71′aとその前面に突設される板状レバー71′cと、板状レバー71′cの下部に設けられた回動支点受け71′bと、板状レバー71′cの先端部に押圧片71′dとを有し、車輪停止レバー71′と落下防止レバー72′とは下端末で略V字形に連結して一体で成形され、材料固有の反発力によりバネとして作用する。
ボビン3、保持具4、固着具6及び線状材Sは、前記蔓植物栽培装置1と同様であり説明を省略する。
固着具6は、前部を図7に示すごとく突出片63、小突起63aを用いずに、ねじを切ってボルトで止めることとしてもよい。
【0017】
次に、図5乃至7を参照して蔓植物栽培装置10の組立てについて説明する。
ボビン3、保持具4、及び固着具6回りの組立は、蔓植物栽培装置1と同様であり省略する。
支柱2′の支持体22′への保持具4及びボビン3の組立ては前記支持体22に対するのと同様である。又車輪5′の組立ては、車輪停止具7′との取合いを除き前記車輪5と同様である。したがってボビン3、保持具4及び車輪5は一体で支持体22′に保持されて回動可能となる。
支柱2′、車輪5′及び車輪停止具7′の組立てを説明する。支持体22′の前側片22a下端末を胴体21′の切欠面21′bに固着し、後側片22b下端末の下側には間隙をおいて傾斜面21′aがおかれる。次に傾斜面21′aの下部に車輪停止具7′を組立てるが、図7に示すとおり車輪停止レバー71′の板状レバー71′cを縦長スリット21′dに挿入し回動支点21′cを回動支点受け71′bに嵌着せしめると共に、車輪停止レバー71′と連結する落下防止レバー72′を上向きに立上がらせ後側片22bの下端前面の僅かな切欠面との間に渡らせる。これにより、車輪停止レバー71′は下端末の指による押圧によって回動支点21′c回りに揺動可能となり、落下防止レバー72′は中間部の指による押圧有無によって後側片22bとの間に間隙有無を生じさせることが可能となる。ここで、車輪停止レバー71′を指により押圧すると回動支点21′cを支点として押圧片71′dが後側に移動し車輪5′から離れ回転は妨げられないが、押圧していないときに突起部55′の端に接した位置で車輪5′を回転不能に保持している。
【0018】
次に、図5乃至7を参照して蔓植物栽培装置10による蔓植物栽培方法について説明する。
蔓植物栽培方法は基本的には蔓植物栽培装置1の蔓植物栽培方法の第一例、第二例と同様で、蔓が成長して伸び胴体21′近傍に達したとき、車輪停止レバー71′の下端末を指によって押圧し回動支点21′c回りに回動させると押圧片71′dによる突起部55′との接触が解除されて、線状材S に加わる蔓植物の茎、蔓及び実の荷重でホビン3が回転開始し、ホビン3の回転による線状材S の解舒と車輪5′の回転によるワイヤW上の転動とが連動して起こる。丁度一回転した所で突起部55′の端に押圧片71′dが接した位置で車輪5′の回転を停止し、上流側の栽培開始時の位置から距離Xだけ下流側に移動し、蔓植物の先端が胴体21′近傍に達するまでこの位置に保持される。
蔓植物栽培装置10と前記蔓植物栽培装置1との相違点は、車輪停止具7′、7及びその車輪との関係であって、蔓植物栽培装置1はワイヤ及びレール上を転動、係止でき、蔓植物栽培装置10はワイヤ上を転動、係止できることである。
【0019】
次に、図9を参照して、本発明の蔓植物栽培装置の一部構成の変形3例を説明する。
変形3例は蔓植物栽培装置1、10において、支柱2又は2′の胴体21又は21′回りを変形したもので、その他の構成要素は前記蔓植物栽培装置1又は10と同様ものが用いられ、詳細説明は省略する。
(1)変形第一例
蔓植物栽培装置1の支柱2の胴体21に代えて、支柱8Aに緩衝構成体として中空円筒状の胴体81を用い、胴体81内部長手方向に螺旋状の中空パイプ82が内臓されている。中空パイプ82は弾性を有する金属又はプラスチック製である。支柱8Aのその他の構成要素は、支柱2又は2′と同様である。
ボビン3から解舒された線状材Sを中空パイプ82の上端より針金等を使って案内させて挿入し、螺旋に沿って下降せしめ胴体81の下端末より下降させる。線状材Sの中空パイプ82内面との摩擦と中空パイプ82の弾性変形により、蔓植物の茎、蔓及び実の荷重によって生ずる線状材Sの急激な下降速度を緩和することができる。
ここで、中空パイプ82は胴体81外部表面に装着してもよく、このとき胴体81は必ずしも中空円筒状でなくて、断面円形の中実としてもよい。
(2)変形第二例
支柱2の胴体21に代えて、支柱8Bに緩衝構成体として中空円筒状の胴体83を用い、胴体83内部の上部に略水平軸をもった上部ローラ84と、胴体83下部に上部ローラ84と平行する下部ローラ85が配設され、上部ローラ84は固定され、下部ローラ85は移動可能とされ、上部ローラ84と下部ローラ85間にコイル状のばね86が掛渡されている。支柱8Bのその他の構成要素は支柱2又は2′と同様である。ここで、胴体83は線状材Sの仕掛作業のために、図示省略してあるが長手方向に二つ割りの切れ目を入れ内部を開閉可能としてあり、線状材Sを上部ローラ84と下部ローラ85間に仕掛けることができる。又胴体83は必ずしも円筒状でなくて、例えば多角形や異形の筒状であってもよい。
ボビン3から解舒された線状材Sを胴体83上端より挿入し、上部ローラ84から下部ローラ85に巻付けて胴体83の下端末より下降させる。線状材Sの上部ローラ84及び下部ローラ85との摩擦とばね86の介在により、蔓植物の茎、蔓及び実の荷重によって生ずる線状材Sの急激な下降速度を緩和することができる。
(3)変形第三例
支柱2の胴体21に代えて、支柱8Cに緩衝構成体として中空円筒状の胴体87を用い、胴体87内部の上部に略水平軸をもった上部ローラ88と、胴体87下部に上部ローラ88と平行する下部ローラ89が配設され、上部ローラ88及び下部ローラ89はいずれも固定され、胴体87は前記胴体83と同様内部を開閉可能としてあり、支柱8Cのその他の構成要素は支柱2又は2′と同様である。又胴体87は必ずしも円筒状でなくて、例えば多角形や異形の筒状であってもよい。
ボビン3から解舒された線状材Sを胴体87上端より挿入し、上部ローラ88から下部ローラ89に巻付けて胴体87の下端末より下降させる。線状材Sの上部ローラ88及び下部ローラ89との摩擦により、蔓植物の蔓及び実の荷重によって生ずる線状材Sの急激な下降速度を緩和することができる。
変形第一例乃至第三例の構成を備えた蔓植物栽培装置の蔓植物栽培方法は、前記した蔓植物栽培装置1及び10について詳細説明したのと同様である。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は各種の蔓植物栽培用途に有効に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の蔓植物栽培装置第一例の使用状態を示す概略説明図である。
【図2】図1の蔓植物栽培装置の各構成要素の分解斜視図である。
【図3】図1の蔓植物栽培装置の組立斜視図で、(a)前側視、及び(b)後側視の場合である。
【図4】図1の蔓植物栽培装置の組立図で、(a)側面一部断面図、及び(b)裏面図、(c)底面図である。
【図5】本発明の蔓植物栽培装置第二例の使用状態の一部を示す概略説明図である。
【図6】図5の蔓植物栽培装置の構成要素の一部の分解斜視図である。
【図7】図5の蔓植物栽培装置の組立図で、(a)側面図及び、(b)裏面図である。
【図8】本発明の蔓植物栽培装置第一例の他の使用状態を示す概略説明図である。
【図9】本発明の蔓植物栽培装置第一例の胴体回りの変形3例を示す概略説明図で、(a)変形第一例、(b)変形第二例、(c)変形第三例である。
【符号の説明】
【0022】
1、10 蔓植物栽培装置
2、2′、8A、8B、8C 支柱
21、21′、81、83、87
胴体
22、22′
支持体
22d、22e
摺動孔
22g
係止フック
3 ボビン
31
巻付け部
4 保持具
41
中間板
42
薄肉ドラム
43、63
突出片
44
小ドラム
45
短冊状羽
46
軸部
47
摺動部
5、5′ 車輪

51 リム
52
フランジ
55、55′突起部
6 固着具
61
薄肉小ドラム
7、7′ 車輪停止具
71、71′
車輪停止レバー
71c、71′d
押圧片
72
スプリング
73、72′
落下防止レバー
82
中空パイプ
84、88
上部ローラ
85、89
下部ローラ
86
ばね
S 線状材
W ワイヤ
R 畝面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
線状材が巻回されたボビンと、上方に架設された軌道を移動可能にかつ前記ボビンと一体的に回転する車輪と、前記ボビンと前記車輪を支持する支持体と、前記車輪を適位置に停止させる車輪停止具とを具備したことを特徴とする蔓植物栽培装置。
【請求項2】
支持体の下方に線状材の繰り出しを緩衝させる緩衝構成体を配設し、前記線状材が前記緩衝構成体を介して下降し蔓植物の蔓が固定されるようにしたことを特徴とする請求項1記載の蔓植物栽培装置。
【請求項3】
ワイヤ又はレール上を回転して移動する車輪と、線状材が巻回されたボビンとを着脱可能に一体的に支持体に支持すると共に、前記支持体の下方に前記線状材が螺旋状に巻回された胴体を配設し、前記線状材が前記胴体下部に形成されたガイドスリットを通じて蔓植物の蔓に固定するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の蔓植物栽培装置。
【請求項4】
緩衝構成体が下部にガイドスリットを形成し、線状材が螺旋状に巻回される胴体であり、ボビンは一端に円筒状摺動部、短冊状羽が突設された小ドラム及び軸部が配設されて支持体の間に車輪を介在させて該車輪と一体的に回転するように構成されたことを特徴とする請求項2に記載の蔓植物栽培装置。
【請求項5】
線状材はループ状に形成され、車輪が軌道上を移動すると同時に繰出しと回収を行うようにボビンに保持され、前記線状材の下降側に蔓植物の蔓を固定し、ループ状下端近傍で前記蔓の固定を解除して前記線状材を反復使用するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の蔓植物栽培装置。
【請求項6】
軌道に沿って移動可能な車輪と一体的に回転する線状材が巻回されたボビンから緩衝構成体を介して下降する前記線状材に蔓植物の蔓を固定し、前記蔓の成長に従って前記車輪を移動して前記蔓植物の高さを調整するようにしたことを特徴とする蔓植物栽培方法。
【請求項7】
線状材はボビンから解舒される下降部分と、畝面近傍で前記下降部分とループ状に形成されて上昇し上端末が前記下降部分の上端末と連結し前記ホビンに巻回される上昇部分とよりなり、前記線状材の下降部分には蔓植物の蔓を固定し且つ前記上昇部分には前記蔓の固定を解除して前記線状材を循環して反復使用することを特徴とする請求項6に記載の蔓植物栽培方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−282558(P2007−282558A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−112855(P2006−112855)
【出願日】平成18年4月17日(2006.4.17)
【出願人】(506130148)
【出願人】(506130399)
【出願人】(506130159)
【Fターム(参考)】