説明

薄膜バルクおよび表面ディフューザ

【課題】超低コストで以前のディフューザプレートの光学的平滑化機能を提供するために、光透過性自己支持基板に結合されずに、該基板に隣接して設置され得る、平面コリメートおよび/または指向性拡散を含む多機能性を有するボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルムを提供すること。
【解決手段】ボイド形成半結晶性ポリマー集積光学ディフューザフィルムは、表面ビーズを有する。このフィルムは、LCDなどのディスプレイ装置に組み込まれると有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスプレイに関し、より詳細には、LCDモニタおよびLCDテレビジョンに使用され得る液晶ディスプレイ(LCD)に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(LCD)は、ラップトップコンピュータ、携帯計算機、デジタル腕時計およびテレビジョンなどの装置に使用される光ディスプレイである。一部のLCDは、ディスプレイの側面に配置される光源と、LCDパネル裏面に光源からの光を導くように配置された光ガイドとを含む。他のLCD、たとえば、一部のLCDモニタおよびLCDテレビジョン(LCD−TV)は、LCDパネルの背後に配置された複数の光源を使用して直接照射される。一定レベルのディスプレイ輝度を得るために必要とされる光パワーは、ディスプレイサイズの2乗に比例して増加するが、ディスプレイの側面に沿って光源を配置するための有効空間は、ディスプレイサイズに比例して増加するだけであるため、この配置は、大型ディスプレイで普及している。さらに、LCD−TVなどの一部のLCD用途では、ディスプレイが他の用途よりも遠くから十分に見える明るさであることが求められ、LCD−TVに必要とされる視野角は、LCDモニタおよび携帯装置に必要とされる視野角と一般に異なる。
【0003】
一部のLCDモニタおよび多くのLCD−TVは、一般に、複数の冷陰極蛍光ランプ(CCFL)によって背後から照射される。これらの光源は、ディスプレイの全幅にわたって直線状に伸びており、その結果、ディスプレイ裏面が、暗領域で隔てられた一連の明るい縞模様によって照射される。このような照明プロファイルは望ましいものではなく、したがって、LCD装置裏面における照明プロファイルを滑らかにするためにディフューザプレートが使用される。
【0004】
現在、LCD−TVのディフューザプレートには、ガラス、ポリスチレンビーズおよびCaCO粒子を含む様々な分散相を有するポリメチルメタクリレート(PMMA)のポリマーマトリクスが採用されている。これらのプレートは、ランプによって生じる高湿および高温に曝されて変形したり反ったりすることが多い。さらに、ディフューザプレートは、拡散粒子をポリマーマトリクス全体に均一に分布させるためにカスタマイズされた押出し配合を必要とし、これがコストをさらに上昇させる。
【0005】
以前の開示、米国特許出願公開第2006/0082699号には、独立した層の自己支持基板と光学拡散フィルムとを積層することによって拡散プレートのコストを削減する1つの方法が記載されている。この解決策は、斬新ではあるが、これらの層を互いに積層するために接着剤を使用する必要があるため、光吸収材を加えることによるシステム効率の低下を招く。また、層を互いに積層するための追加の加工費が自滅的である。また、この以前の開示は、結合されていないディフューザフィルムの材料及び構造を教示していない。高レベルの光均一化を維持しつつ、寸法安定性および高い光透過性を有しなければならない、結合されていないディフューザフィルムを有することが望ましい。さらに、このようなディフューザでは、光源からディフューザ上方のLC層までの熱利得を低減するための断熱値を増やすことが望ましい。ボイド形成は、ディフューザの光学的要件と断熱要件の両方を達成する周知の手段である。また、メーカーはLCD画面のプロファイルを薄くする手段を常に探しているので、薄いディフューザが望ましい。薄いボイド形成フィルムは、高温下できわめて収縮しやすいので、上記要件を満たす薄いボイド形成フィルムを製造することは、非常に難題である。
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0082699号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、超低コストで以前のディフューザプレートの光学的平滑化機能を提供するために、光透過性自己支持基板に結合されずに、該基板に隣接して設置され得る、平面コリメートおよび/または指向性拡散を含む多機能性を有するボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルムを提供することが本発明の目的である。この光学ディフューザフィルムは、高レベルの光機能を備え、厚さが薄くても指定の加熱試験下で寸法安定性要件を満たすという点で独特である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、表面ビーズが備わっているボイド形成半結晶性ポリマー集積光学ディフューザフィルムである。このフィルムは、LCディスプレイなどのディスプレイ装置に組み込まれるときに有用である。
【発明の効果】
【0008】
このフィルムは、0〜90℃の温度変化の結果として1%未満の収縮を有することが望ましい。このフィルムは、バックライトLCDディスプレイで今日一般に使用されるディフューザプレートと上部ディフューザの光機能の代替に役立つ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、添付図面に関連した本発明の様々な実施形態の以下の詳細な説明を考慮するとより完全に理解されるであろう。
【0010】
本発明は、様々な変更形態と代替形態が可能であり、これらの詳細は、図面に例として示され、詳しく説明される。ただし、本発明は、記載される特定の実施形態に本発明を限定するものではないことを理解されたい。一方、本発明は、特許請求の範囲で規定される本発明の精神と範囲に含まれるすべての変更形態、均等物および代替物をカバーするものである。
【0011】
本発明は、液晶ディスプレイ(LCDまたはLCディスプレイ)に適用可能であり、特に、たとえば、LCDモニタおよびLCDテレビジョン(LCD−TV)で使用されるような、背後から直接照射されるLCDに適用可能である。
【0012】
本発明の実施形態は、光源と、上部プレート、下部プレートおよび上部プレートと下部プレートとの間に配置される液晶層を含むLCDパネルとを有する液晶ディスプレイ(LCD)ユニットを対象とする。下部プレートは、光源に面し、吸収偏光子を含む。光源が照明管理層の配列を介してLCDパネルを照射するように、照明管理層の配列は、光源とLCDパネルとの間に配置される。照明管理層の配列は、照明管理フィルムの配列および光透過性自己支持基板を含む。照明管理フィルムの配列は、表面拡散および/またはコリメーション特性を有する第1のボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルムを少なくとも備える。照明管理フィルムの配列は、他の光学層を備えてもよい。他の光学層としては、ビーズコーティングされたコリメーションフィルム、光配向フィルムおよび反射偏光子が挙げられる。
【0013】
本発明の他の実施形態は、光源と、上部プレート、下部プレートおよび上部プレートと下部プレートとの間に配置される液晶層を含むLCDパネルとを有する液晶ディスプレイ(LCD)ユニットを対象とする。下部プレートは、光源に面し、吸収偏光子を含む。光源が照明管理層の配列を介してLCDパネルを照射するように、照明管理層の配列は、光源とLCDパネルとの間に配置される。照明管理層の配列は、照明管理フィルムの配列および光透過性自己支持基板を含む。照明管理フィルムの配列は、表面拡散および/またはコリメーション特性を有する第1のボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルムを少なくとも備え、かつフィルムを透過する光線の方向を制御する構造面を備える。照明管理フィルムの配列は、他の光学層を備えてもよい。他の光学層としては、光配向フィルムおよび反射偏光子が挙げられる。
【0014】
LCD−TVで現在使用されているディフューザプレートは、たとえば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)またはシクロ−オレフィンなどのポリマーマトリクスに基づいて、硬質シートとして形成される。このシートは、たとえば、有機粒子、無機粒子またはボイド(気泡)などの拡散粒子を含む。これらのプレートは、ディスプレイの照明に使用される光源の高温に曝されると変形したり反ったりすることが多い。また、これらのプレートは、最終ディスプレイ装置に製造し組み立てるのに高い費用がかかる。
【0015】
本発明は、LCDパネルそのものと光源との間に設置される照明管理層の配列を有する直接照射されるLCD装置を対象とする。照明管理層の配列は、光透過性自己支持有機または無機基板、および基板の一面に直接隣接しているが、前記基板に結合されずに設置され、固有の透過レベルおよびヘイズレベルを持ち、表面拡散および/またはコリメーション特性を有するボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルムを含む。各部品の透過レベルおよびヘイズレベルは、ディスプレイ全面の輝度が比較的均一な直接照明LCディスプレイを提供するように設計される。
【0016】
本発明の光透過性自己支持有機または無機基板は、製造が簡単で、一品目として市販される。本発明の表面拡散および/またはコリメーション特性を有するボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルムは、製造が簡単で、製造で使用される材料およびプロセスに高度の柔軟性を提供する。本発明では、構造要件と光学的要件が分離されており、基板は、構造性能と結合されていない拡散層とを備え、光学性能を備える。これらの機能の分離によって、一般的な透明材料と一般的なディフューザシートを使用することによるコスト優位性が生かされ、総費用が削減される。基板とディフューザフィルムを結合しないことによって、高レベルの光学性能と低コストの製造が実現される。また、これによって、低コストで、たとえば、ガラス板などの反りにくいプレートを導入することが可能になる。さらに、ディフューザが基板でなくフィルムに含まれているときは、拡散特性のより的確な管理が容易である。ボイド形成ディフューザフィルムを使用することによって、高レベルの断熱が任意の厚さのディフューザで提供され得る。しかしながら、結合されないことによって、ディフューザは、配列内の他の光学フィルムの熱収縮要件を満たさなければならない。表面拡散および/またはコリメーション特性を有するボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルムは、ビーズの表面コーティングとポリマー接着剤(マトリクス)を有する、本明細書に記載されるようなボイド形成フィルムを備えてもよい。本発明の一実施形態では、ビーズは、ボイド形成ディフューザフィルムの少なくとも1つの主要面上にある。LCDディスプレイでの使用に望まれるコリメーション効果を提供するために、好ましい実施形態では、光源から最も離れた表面にビーズを備える。このような配置は、フィルムのボイド形成部分から出る拡散光をある程度予めコリメートする。本発明に有用なビーズは、実質的に透明である(70%より大きい光透過率)。ビーズは、ガラス、有機ポリマーまたは無機コーティングを施したポリマービーズであってもよい。本発明に有用な有機ポリマービーズは、ビーズ内またはビーズの表面に無機材料をさらに含んでもよい。ボイド形成表面に存在するビーズは、それらの最も厚い部分が1,000〜50,000nmの範囲の寸法を有していてもよい。一実施形態では、ビーズの粒径範囲は、8,000〜30,000nmであってもよく、さらに他の実施形態では、粒径範囲は、1,500〜30,000nmであってもよい。ビーズが存在するボイド形成フィルムは、一実施形態では、ビーズの寸法および/または形状が実質的に単分散されていてもよく、他の実施形態では、ビーズがフィルム上に不規則に分布する様々な寸法と形状がある。様々な寸法を有する実施形態は、照明管理フィルムスタックにおいて隣のフィルム(観察者に向かって)との接触が最小限の表面を提供する。一部のフィルムスタックでは、ビーズコーティング面と、表面構造を有する光配向フィルムとを有する上部ディフューザがある。最適な光学性能の場合、光配向フィルムは、最適または所望の方向と反対の方向に向かう反射光をフィルムに戻すのに役立つ空隙を入射光側に必要とする。様々な寸法を有する、本発明で説明されるようなボイド形成ディフューザにビーズコーティング面を設けることによって、結果的に得られるフィルムスタックは、LCDディスプレイで必要とされるような優れた光学系を提供することになる。さらに、様々なビーズ寸法を有することによって、ビーズをフィルム表面に保持するために使用されるポリマー接着剤の粘着力が良くなり、表面の摩耗や摩擦によるビーズの損失を防止することができる。ポリマー接着剤へのビーズ埋め込み量を調整することによって、気体(空気)に包囲されるビーズの表面積が最大にされ、フィルムスタックの光学系がさらに最適化される。本発明に有用な他の実施形態は、他のフィルムの表面が、粗い表面、すなわち凹凸のある表面に置かれたとき、空気を含む空間が2つのフィルムの間に形成されるような、起伏のある表面を作り出す表面粗さ、すなわち凹凸を有するボイド形成フィルムを提供するものである。このような粗さ、すなわち凹凸は、表面にエンボス加工されてもよく、または押出しロール成形されてもよい。このようなプロセスは、上記のボイド形成フィルムを延伸する前またはそれが延伸された後に実行されてもよい。
【0017】
直接照明LCディスプレイ装置100の例示的実施形態の概略組立分解図が図1に示される。このようなディスプレイ装置100は、たとえば、LCDモニタまたはLCD−TVに使用され得る。ディスプレイ装置100は、典型的に、パネルプレート134間に配置されるLCの層136を備えるLCパネル140を備えるフロントパネルアセンブリ130の使用に基づいている。プレート134は、ガラスから形成されることが多く、LC層136において液晶の配向を調整するために、それらの内面に電極構造と配列層を含んでもよい。電極構造は、一般に、LCパネル画素、液晶の配向が隣接領域と独立に調整されうるLC層の領域を規定するために配置される。また、表示される画像に色を与えるために1つまたは複数のプレート134を有するカラーフィルタが含まれてもよい。
【0018】
LC層136の上方には上側吸収偏光子138が配置され、LC層136の下方には下側吸収偏光子132が配置される。吸収偏光子138、132とLCパネル140は、組み合わせられて、バックライト110からディスプレイ100を介して観察者までの光の透過を調整する。一部のLCディスプレイでは、吸収偏光子138、132は、これらの透過軸を垂直にして配置され得る。LC層136の画素がアクティブでない場合、画素はLC層を通過する光の偏光が変化しなくてもよい。したがって、吸収偏光子138、132が垂直に配列されているとき、下側吸収偏光子132を通過する光は、上側吸収偏光子138によって吸収される。他方、画素がアクティブになると、画素を通過する偏光は回転されるため、下側吸収偏光子132を透過される光の少なくとも一部は上側吸収偏光子138をやはり透過される。たとえば、コントローラ150によってLC層136の様々な画素を選択的にアクティブにすると、光は特定の所望位置でディスプレイから出て、観察者に見える画像を形成することになる。コントローラは、たとえば、コンピュータ、またはテレビジョン画像を受信して表示するテレビジョンコントローラを含んでもよい。たとえば、ディスプレイ表面を機械的および/または環境的に保護するために、上側吸収偏光子138の上には1つまたは複数のオプション層139が備えられてもよい。例示的な一実施形態では、層139は、吸収偏光子138上にハードコートを含んでもよい。
【0019】
LCディスプレイの一部のタイプは、前述と異なる動作をするものもあることは理解されよう。たとえば、吸収偏光子は平行に配置されてもよく、LCパネルは非アクティブ状態にあるときに光の偏光を回転してもよい。いずれにせよ、このようなディスプレイの基本構造は前述のものと同様である。
【0020】
バックライト110は、LCパネル120を照射する光を発生する複数の光源114を含む。LCD−TVまたはLCDモニタに使用される光源114は、一般に、ディスプレイ装置100全体に広がる直線状の冷陰極蛍光管である。ただし、白熱電球またはアーク灯、発光ダイオード(LED)、平面蛍光パネルまたは外部の蛍光灯など、他のタイプの光源が使用されてもよい。ここに挙げた光源は、限定的でも網羅的でもなく、例示に過ぎない。
【0021】
また、バックライト110は、LCパネル140から離れる方向に、光源114から下方に伝播する光を反射するための反射体112を含んでもよい。また、反射体112は、以下に説明されるように、ディスプレイ装置100の内部での光の再生利用に有用であってもよい。反射体112は、鏡面反射鏡であってもよく、拡散反射鏡であってもよい。反射体112として使用され得る鏡面反射鏡の一例は、ミネソタ州セントポール市の3M社から入手可能なVikuiti(登録商標)Enhanced Specular Reflection(ESR)フィルムである。適切な拡散反射面の例は、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの拡散反射粒子が含有された、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン、ポリスチレンなどのポリマーを含む。
【0022】
照明管理層の配列120は、バックライト110とフロントパネルアセンブリ130との間に配置される。照明管理層は、ディスプレイ装置100の動作が改善するようバックライト110から伝播する光に影響を与える。たとえば、照明管理層の配列120は、ディフューザプレート122を含んでもよい。ディフューザプレート122は、光源から受ける光を拡散するために使用され、これによってLCパネル140に入射する照明光の均一性が増す。その結果、ディフューザプレート122は、より均一な明るさであると観察者が認識する画像をもたらす。
【0023】
また、照明管理層の配列120は、反射偏光子128を含んでもよい。光源114は、通常、非偏光を放出するが、下側吸収偏光子132は、単一の偏光状態を透過するだけであり、したがって光源114が発生する光の約半分はLC層136に達しない。しかしながら、反射偏光子128は、普通なら下側吸収偏光子で吸収されるはずの光を反射するために使用されてもよく、したがってこの光は反射偏光子128と反射体112との間の反射によって再生利用され得る。反射偏光子128によって反射された光の少なくとも一部は偏光解消されてもよく、その後、反射偏光子128と下側吸収偏光子132を介してLC層136に達する偏光状態において反射偏光子128に戻ってもよい。このように、反射偏光子128は、光源144が放射する光のうちのLC層136に達する一部分を増加させてディスプレイ装置100によって生成される画像が明るくなるように使用されてもよい。
【0024】
適切なタイプの反射偏光子として、たとえば、多層光学フィルム(MOF)反射偏光子、連続または分散相偏光子、ワイヤグリッド反射偏光子またはコレステリック反射偏光子などの拡散反射偏光フィルム(DRPF)が使用されてもよい。
【0025】
また、照明管理層の配列120は、光配向フィルム126を含んでもよい。光配向フィルムは、ディスプレイの軸により近い方向に軸外光の方向を変える表面構造を含むものである。光配向フィルムは、LC層136を通って軸上を伝播する光の量を増し、これによって観察者が見える画像の明るさを増す。一例は、プリズム状の光配向フィルムであり、これは屈折と反射によって照明光の方向を変える複数のプリズムリッジを有する。
【0026】
従来のLCD−TVに使用されるディフューザプレートとは異なり、本発明では個別の構造部材と拡散部材を有する照明管理層の配列を使用する。光透過性自己支持基板および結合されていないボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルムがこれらの機能をそれぞれ実行する。本発明の例示的な一実施形態が図式的に図2に示される。照明管理層の配列200は、光透過性自己支持基板212と、該基板に隣接しているが結合されていないボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルム214とを含む。ボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルム214の上方にある照明管理層の配列には、他の光学フィルムが追加されうる。これら他の光学フィルムとしては、ビーズコーティングされた光コリメーションフィルム215、プリズム状の光配向フィルム216および反射偏光子218が挙げられる。
【0027】
基板212は、従来のバックライトにおけるプレートディフューザの基板と同様に、自己支持であり、照明管理配列の上方の層を支持するために使用される板材である。この場合、自己支持は、配列に他の層の重量が加えられても自重でほとんど曲らない(その最大寸法の1/180未満)と定義される。基板212は、たとえば、ディスプレイの寸法に応じて厚さが最大数mmであってもよい。たとえば、例示的な一実施形態では、30インチのLCD−TVは、厚さが2mmのバルクディフューザプレートを有する。例示的な他の実施形態では、40インチのLCD−TVは、厚さが3mmのバルクディフューザプレートを有する。
【0028】
基板212は、可視光に対してほぼ透明な任意の材料、たとえば、ガラスおよびポリマーなどの有機または無機材料で作られてもよい。適切なガラスとして、フロートガラス、すなわち、フロート法を使用して作られるガラス、LCDガラスと呼ばれるLCD用高品質ガラスが挙げられ、厚さと純度などの特性はフロートガラスよりもより良く管理される。LCDガラスを形成する1つの方法はガラスをロール成形することである。
【0029】
バックライトとLCDパネルとの間に配置される照明管理配列には、基板212、ディフューザフィルム214および1つまたは複数の他の照明管理層が含まれてもよい。基板212は、照明管理配列を支持する安定な構造を備える。基板212は、特に支持基板212がガラスなどの反りにくい材料で形成される場合、従来のディフューザプレートシステムよりも反りにくい。
【0030】
基板212の製作に使用される適切なポリマー材料は、非結晶性または半結晶性であってもよく、ホモポリマー、コポリマーまたはこれらの混合物を含んでもよい。ポリマー材料の例として、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。すなわち、ポリ(カーボネート)(PC)などの非結晶性ポリマー、ポリ(スチレン)(PS)、Cyro Industries, Rockaway N.J.からACRYLITE(商標)で提供されるアクリル板などのアクリレート、イソオクチルアクリレート/アクリル酸などのコポリマー、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、PMMAコポリマー、シクロオレフィン、シクロオレフィンコポリマー、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、スチレンアクリロニトリルコポリマー(SAN)、エポキシ、ポリ(ビニルシクロヘキサン)、PMMA/ポリ(フッ化ビニル)混合物、アタクチックポリ(プロピレン)、ポリ(フェニレンオキサイド)アロイ、スチレン系ブロック共重合体、ポリイミド、ポリサルフォン、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)、ポリウレタン、ポリ(カーボネート)/脂肪族化合物PET混合物、およびポリ(エチレン)、ポリ(プロピレン)、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(エチレンナフタレート)(PEN)、ポリアミド、アイオノマー、酢酸ビニル/ポリエチレンコポリマー、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、フッ化ポリマー、ポリ(スチレン)−ポリ(エチレン)コポリマー、ならびにPETおよびPENのコポリマーなどの半結晶性ポリマーである。
【0031】
ボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルム214と、表面拡散および/またはコリメーション特性を有するボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルム314の例示的実施形態は、ボイドおよびボイド開始粒子を含有する半結晶性ポリマーマトリクスを含む。半結晶性ポリマーマトリクスは、可視光に対してほぼ透明である可能性があるので好ましく、延伸ボイドが形成され、最高85℃(これは直接バックライト型LCDのフィルムに一般に要求される条件である)の高温で試験された後の収縮が1.0%未満の寸法安定性を有しうる。これらすべての基準を満たす好ましいポリマーは、ポリエステルとそれらのコポリマーである。最も好ましいのは、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(エチレンナフタレート)(PEN)ポリエステル、およびこれらのコポリマーのいずかである。PETは、PENよりもはるかに低コストであるため最も適している。図5は、いくつかの市販PET樹脂の光透過率を示す。透過率は、方法ASTM D−1003に従って測定される。一部の等級は90.5%以下の透過率を有する。ディフューザフィルムによる光吸収量を制限するために、90.5%以上の光透過率のPET等級が採用されることが好ましい。表面拡散および/またはコリメーション特性を有するボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルムの例示的実施形態は、ポリマー接着剤を使用して表面に接着される無機、有機およびハイブリッド(無機材料と有機材料の両方を含有する)ポリマービーズを含んでもよいが、これらに限定されない。製造のための材料と手段の一部としては、以下の特許文献が参照によって組み込まれる。米国特許第6,906,157号はポリマービーズを製造する重合(標準懸濁)手段のいくつかを網羅している一方、米国特許第5,378,577号はラテックス限定融合(無機微粒子安定剤)を網羅しており、米国特許第5,279,934号はラテックス限定融合(有機微粒子安定剤)を網羅している。
【0032】
本発明に有用であるビーズを提供する複数の手段は、米国特許第6,906,157号、米国特許第5,378,577号が参照によって組み込まれる。米国特許第6,906,157号は疎水的にキャップされたオリゴマーアクリルアミド分散剤または不均一法によって安定化される水和ポリマー粒子を提供し、不均一法は連続水相に分散された少なくとも1つの単量体を備える水不混和性有機相と疎水的にキャップされたオリゴマーアクリルアミドを提供することと、疎水的にキャップされたオリゴマーアクリルアミドで安定化されたポリマー粒子を製造するために有機相を重合することとを備えるポリマー粒子を形成する。ポリマー粒子を形成する不均一法は、連続水相に分散された水不混和性有機相を提供することと、有機相を重合することと、疎水的にキャップされたオリゴマーアクリルアミドによって安定化されたポリマー粒子を製造するために疎水的にキャップされたオリゴマーアクリルアミドを追加することとを備える。このプロセスによって作られる粒子(ビーズ)は、従来の技術に比べていくつかの利点を備える。第一に、疎水的にキャップされたオリゴマーアクリルアミドによって安定化されたポリマー粒子は、他の一般的な界面活性剤によって安定化された同様のポリマー粒子に比べて優れたコロイド安定性を示す。水分散性ポリマービーズは、不均一重合から作られるか、もしくは疎水的にキャップされたオリゴマーアクリルアミド分散剤の存在下で実施される溶剤蒸発プロセスまたは溶剤沈殿プロセスによって作られる。疎水的にキャップされたオリゴマーアクリルアミド分散剤は、望ましい結果をもたらすのであれば本発明において使用されてもよい。本発明の好ましい実施形態において、疎水的にキャップされたオリゴマーアクリルアミド分散剤は、一般式(I)、または一般式(II)、または一般式(III)を有し、RとRのそれぞれは、オクチル、2−エチルヘキシル、デシル、ドデシル、オクタデシル、オクタデセニル、3−フェニルプロピル、3−フェニル−2,2−ジメチルプロピルなどの1個〜約30個の炭素原子を有する直鎖または分枝アリキル、アルケニルまたはアリールアルキル基を独立に表わし、RとRの合計は約8個〜約50個の炭素原子を備え、各Rは水素またはメチル基を独立に表わし、各Xはメチル、エチルまたはイソプロピルなどの最大約4個の炭素原子を含有する水素またはアルキル基を独立に表わし、各Yはメチル、エチルまたはイソプロピルなどの最大約4個の炭素原子を含有する水素またはアルキル基もしくはトリス(ヒドロキシメチル)メチル、ジエタノールアンモニウム−2,2−ジメチルエチルスルホン酸または2,2−ジメチルエチルスルホン酸などの最大約4個の炭素原子を含有する水酸化または硫酸化アルキル基を独立に表わし、硫酸化アルキル基はナトリウム、もしくはアンモミウムまたはアルキル化アンモニウム対イオンなどの関連アルカリ金属を含有してもよい。好ましくは、XおよびYを備える炭素の総数は0個〜3個となり、XまたはYはスルホン酸基を備える。Yは最大約4個の炭素原子を含有するアルキル基、または最大約4個の炭素原子を含有する水酸化またはスルホン酸化アルキル基を表わし、各Zは酸素、NH、NRまたはSを独立に表わし、mは約2〜約80の整数であり、nは0〜約80の整数であり、pは約1〜約6、好ましくは約1〜2の整数である。
【0033】
さらに好ましくは、本発明の分散剤は、2つの構造、構造1と構造2によって表わされてもよく、以下の構造中、z、反復単位数は5〜90であり、R、RおよびRは4個〜30個の炭素原子を含有する飽和または非飽和、分枝または非分枝、炭化水素鎖であり、qは0または1でありうる。Lは−OCCH−または−NHCOCH−でありうる任意の連結基である。疎水的にキャップされたオリゴマーアクリルアミド分散剤によって安定化される水和ポリマー粒子はいくつもの不均一調整技法によっていずれのポリマーからも製造されてよく、メジアン直径が0.01〜100μmの粒子が得られる。本発明に有用である一部の代表的な種類のポリマーは、ポリエステルおよびα、β−エチレン非飽和を含む単量体の付加ポリマーを含むが、これらに必ずしも限定されない。好ましい実施形態では、これらはスチレン系、アクリル系またはポリエステル−付加ポリマーハイブリッドであってもよい。スチレン系とは、ビニル芳香族単量体、およびビニル芳香族単量体とスチレン、t−ブチルスチレン、エチルビニルベンゼン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、スチレンスルホン酸塩化物などとの混合物から合成されることを表わす。アクリル系とは、アクリル単量体、およびアクリル単量体とアクリル酸、またはメタクリル酸などとの混合物、およびメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、メタクリル酸ベンジルなどのアクリル酸エステル、アクリル酸2−ヒドリキシエチル、メタクリル酸2−ヒドリキシエチル、およびメタクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどの同じ酸類のヒドリキシアルキルエステルから合成されることを表わす。ポリエステル−付加ポリマーハイブリッドとは、α、β−エチレン系不飽和を含有する単量体(スチレン、アクリル、ビニルエステルまたはビニルエーテルなど)と側鎖またはその主鎖のいずれかに不飽和単位を含有するポリエステルマクロモノマーとのフリーラジカル付加反応生成物を表わす。
【0034】
米国特許第5,378,577号には、本発明に有用な他のビーズ(粒子)が開示されている。本発明によるマットビーズは、コロイド無機粒子の層によって包囲されたポリマーコア材料を含む。ポリマーコアに微粒子層を形成するために、たとえば、シリカ、アルミナ、アルミナ−シリカ、酸化スズ、二酸化チタン、これらの酸化亜鉛混合物など、適切なコロイド無機粒子が使用されうる。プロセス中にポリマー粒子のコーティングの調製が容易であり、フォトグラフィック要素へのマット粒子の付着が改善されることなどのいくつかの理由で、コロイド状シリカは好ましい。本発明の提示を簡単にするために、本明細書の以後の説明では、コロイド状シリカは、ポリマーコア材料を包囲する「コロイド無機粒子」として使用されることになるが、コロイド無機粒子のいずれが使用されてもよいことを理解されたい。所望の寸法を有する粒子に形成されうる適切なポリマー材料またはポリマー材料の混合物であれば、いずれもが本発明の実施において使用されてもよく、フォトグラフィック要素に使用されるマット粒子の調製には、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリイソペンチレンなどの、オレフィンホモポリマーおよびコポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライドなどのポリフルオロオレフィン、ポリヘキサメチレン、アジポアミド、ポリヘキサメチレンセバクアミド、およびポリカプロラクタムなどのポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリメチルアクリレート、ポリエチルメタクリレート、およびスチレンメチルメタクリレートまたはエチレン−メチルアクリレートコポリマー、エチレン−エチルアクリレートコポリマー、エチレン−エチルメタクリレートコポリマー、下記の非飽和単量体を有するポリスチレンおよびスチレンのコポリマーなどのアクリル樹脂、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネート、およびエチルセルロースなどのポリビニルトルエンセルロース誘導体、ポリビニルクロライド、ビニルクロライドおよびビニルアセテートおよびポリビニルブチラルのコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタル、エチレン−ビニルアセテートコポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマーなどのポリビニル樹脂、ならびにエチレンアリルアルコールコポリマー、エチレンアリルアセトンコポリマー、エチレンアリルベンゼンコポリマー、エチレンアリルエーテルコポリマー、エチレンアクリルコポリマー、およびポリオキシメチレンなどのエチレン−アリルコポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、およびポリカーボネートを含むポリエステルなどの重縮合ポリマーが使用されてもよい。フォトグラフィック要素用の一部の用途において、コーティングされる層の材料の屈折率にほぼ一致する屈折率を有するポリマーまたはコポリマーを選択することが望ましい。コロイドシリカの層によって包囲されるポリマー粒子の適切な調製方法は、本発明によって使用されるマットビーズ粒子の調製に使用されてもよい。たとえば、適切な寸法のポリマー粒子は流動床、すなわち、加熱されて運動または回転するコロイドシリカ粒子の流動床を通過させられ、流動床の温度によってポリマー粒子の表面が柔らかくなるようにしてコロイドシリカ粒子をポリマー粒子表面に付着せしめてもよい。コロイドシリカの層によって包囲されるポリマー粒子の調製に適した別の方法は、適切な溶剤中のポリマー材料の溶液から粒子を噴霧乾燥した後、ポリマー粒子が完全に固化する前にコロイドシリカの区域を通過させてコロイドシリカの層による粒子のコーティングを行うものである。コロイドシリカの層によってポリマー粒子をコーティングする別の方法は、Mechano Fusionによるものである。
【0035】
本発明によるマット粒子を調製するさらの他の方法は、限定融合法によるものである。この方法は、「懸濁重合」法と「ポリマー懸濁」法を含む。「懸濁重合」法においては、重付加重合性単量体または単量体がコロイドシリカの粒子懸濁液を含有する水媒体に加えられて連続(水)相の中に不連続(油滴)相を形成する。この混合物は、攪拌によるせん断力、均質化などを受けて液滴の大きさが縮小する。せん断が停止されると、液滴の表面をコーティングする際にコロイドシリカ安定剤の安定化作用の結果として液滴の大きさが平衡に達し、重合化が終了して、コロイドシリカの均一層を有する水相中にポリマー粒子の水性懸濁液を形成する。このプロセスは、米国特許第2,932,629号および米国特許第4,248,741号に記載されており、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0036】
コーティング分散液の結合剤として使用される適切なポリマー材料は、ホモポリマー、コポリマー、またはこれらの混合物を含んでもよい。ポリマー材料の例として、ポリ(カーボネート)(PC)、ポリ(スチレン)(PS)、アクリレート、イソオクチルアクリレート/アクリル酸などのアクリルコポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、PMMAコポリマー、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、スチレンアクリロニトリルコポリマー(SAN)、エポキシ、ポリ(ビニルシクロヘキサン)、PMMA/ポリ(ビニルフルオライド)混合物、スチレンブロックコポリマー、ポリイミド、ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)、ポリウレタン、ポリアミド、アイオノマー、ビニルアセテート/ポリエチレンコポリマー、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレートが挙げられるが、これらに限定されない。本発明に有用な結合剤は、水または溶剤ベースの媒体からコーティングされてもよい。
【0037】
ビーズとそれらのコーティング結合剤は、当技術分野で周知の様々な手段でボイド形成フィルムの表面に適用されてもよい。これは、スロットホッパー、エアナイフ、ローラー、グラビアコーティング、直接またはオフセットロール転写を用いてビーズの分散液をコーティングすることを含むが、これに限定されない。表面のぬれを改善するとともに乾燥したコーティング分散液の付着を改善するために、ボイド形成フィルムの表面はビーズの適用前に処理されてもよい。このような処理は、CDTまたはコロナなどの大気圧プラズマを含んでもよいが、これに限定されない。コーティング分散液を含有するビーズの結合剤により適した化学結合部位を整えるために、プラズマは、大気中、もしくは窒素、アルゴン、酸素、およびその他のガス、またはガスの混合物などの他のガス中で発生されてもよい。また、コーティング分散液の付着とぬれを改善する他の手段は、プライマーまたは副層の適用を含んでもよい。プライマーは、通常、非常に薄い層であり、その一部はフィルムの延伸中または配向中に生じるボイドの形成前にボイド形成ウェブに適用されてもよい。
【0038】
また、コーティング分散液は、フィルムと液体コーティングとの間のぬれを改善する界面活性剤などの添加物を含有してもよい。このような材料は、コーティングプロセス中に生じる塗液撥水などの動的欠陥の防止にも役立つ。
【0039】
ボイド開始粒子は、マトリクスポリマーと相容れないいかなるタイプの粒子であってもよい。これらの粒子は無機でも有機でもありうる。無機粒子は、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、またはポリマーに配合されて溶けうるその他の無機化合物のいずれも含みうる。代表的なボイド開始有機粒子は、マトリクスポリマーと相容れないポリマーである。これらの非混和性ポリマーの樹脂ペレットがマトリクスポリマーの樹脂ペレットと簡単に乾式配合されともに押し出されてキャスト膜を形成するので、これらのポリマーは好ましいものである。無機粒子は予混合または溶融配合を必要とし、それによって加工費が嵩む。好ましい有機ボイド開始粒子はポリオレフィンである。最も好ましいのはポリプロピレンである。ボイド開始粒子は、LCDディスプレイの光の輝度が著しく低下するほど不透明ではなく、ディフューザとして機能する十分な拡散率を実現するように添加されるべきである。ボイド開始粒子の好ましい充填量は、フィルム全体の3〜25重量%である。最も好ましい充填量は10〜20重量%である。
【0040】
ボイド形成ポリマー光学ディフューザ214は、マトリクスポリマーと非混合ポリマー添加剤を乾式配合するプロセスによって実現されることが好ましい。配合は、微粉化された、たとえば粉末または粒状のマトリクスポリマーおよびポリマー添加物を混合し、回転ドラムに掛けるなどして十分に混ぜ合わせることによって達成されてもよい。次いで、得られた混合物はフィルム形成押出機に供給される。押し出されて、たとえば、粒状に変形された配合済みのマトリクスポリマーおよび非混合ポリマー添加剤は、ボイド形成ポリマー光学ディフューザに適切に再び押し出されうる。したがって、プロセスを通じて、スクラップフィルムを、たとえば、エッジトリミングとして再供給することが可能である。あるいは、混合は、押出直前にマトリクスポリマーの溶融流れと非混合ポリマー添加剤とを組み合わせることによって実行されてもよい。マトリクスポリマーが製造される重合容器にポリマー添加剤が添加される場合は、延伸中のボイド形成、すなわち拡散の進行がないことが判明している。これは、熱処理中に添加剤とマトリクスポリマーとの間で、ある形態の化学結合または物理結合が生じるためであると考えられる。
【0041】
ボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルムの押出し、冷却および延伸は、フラットフィルムプロセス、またはバブルプロセス、またはチューブラプロセスなどによる配向フィルムの製造に関する当技術分野で周知の任意のプロセスで実行されてもよい。フラットフィルムプロセスは、本発明によるボイド形成ポリマー光学ディフューザの製造に好ましく、スリットダイを通して配合物を押出し、そしてフィルムのマトリクスポリマー成分が冷却されて非晶質状態になるように、押し出されたウェブを冷却されたキャスティングドラムの上で急冷する必要がある。次いで、フィルム基材は、マトリクスポリマーのガラス−ゴム遷移温度を超える温度で互いに垂直な方向に延伸して2軸配向される。一般に、フィルムは、まず1つの方向に延伸されてからもう1つの方向に延伸されるが、必要に応じて両方向に同時に延伸されてもよい。通常のプロセスにおいて、フィルムは一組の回転ローラーまたはニップローラーでまず押出し方向に延伸され、さらに幅出し機によってローラーに対して直角方向に延伸される。フィルムは、各延伸方向に原寸の2.5〜5.0倍まで延伸されてもよい。延伸時に、ボイド開始粒子の周囲にボイドが作られる。ボイド開始粒子の濃度が高くなると、生成されるボイド量の割合が高くなる。最終的に延伸されるフィルムの厚さは、1.0〜10.0milの範囲にあることが好ましい。最も好ましい厚さ範囲は2.0〜6.0milである。これは光透過性自己支持基板よりも著しく薄く、同時に全厚さが現在使用されているプレートディフューザの厚さ範囲に維持されうる。
【0042】
フィルムは、延伸されてボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルムが形成された後、ボイド形成ポリマー光学ディフューザの両延伸方向の収縮を抑制しながらマトリクスポリマーを結晶化させるために十分な温度に加熱することによって熱処理される。このプロセスによって、フィルムは、最高温度80℃で試験されたとき、1.0%未満の収縮条件を満たすことができる。ボイド形成は、熱処理温度が高くなると低下する傾向があり、低下の度合いは温度の上昇とともに増す。したがって、反射光の透過は熱処理温度の上昇とともに増す。最高約230℃までの熱処理温度がボイドを破壊することなく使用されうるが、150℃〜200℃の温度では一般にかなりのボイドが形成されてより効率よく拡散性が得られと同時に、加熱試験後の収縮が少なくなる。
【0043】
また、ボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルム214は、増白剤を含んでもよい。通常、増白剤は、ボイド開始剤よりもはるかに低いレベルで添加され、そのため、ボイド形成に影響を与えずに白色度を確実に改善し、フィルムの拡散度をある程度まで改善する。増白剤は、一般に無機化合物であり、TiOが最も好ましい。これらの光学的増白剤は、樹脂配合プロセス中に適切な割合でマスタバッチペレットによってフィルムに添加されうる。適切な割合は、マスタバッチペレットの濃度が残りのマトリクス樹脂とボイド開始樹脂によって好ましい0.25〜5.0重量%の濃度まで下がることになる割合である。
【0044】
また、ボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルム214は、UV光を可視光に変換する光学的増白剤を含んでもよい。このような光学的増白剤は、熱的に安定で、ボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルムの製作に使用される押出し温度に耐えうるものから選定されなければならない。好ましい光学的増白剤は、ベンゾキサゾリル−スチルベン化合物を含む。最も好ましい光学的増白剤は、2,2 −(1,2−エテネジルジ−4,1−フェニレン)ビスベンゾキサゾールを含む。これらの光学的増白剤は、樹脂配合プロセス中に適切な割合でマスタバッチペレットによってフィルムに添加されうる。適切な割合は、マスタバッチペレットの濃度が残りのマトリクス樹脂とボイド開始樹脂によって好ましい0.01〜0.1重量%の濃度まで下がることになる割合である。最も好ましい実施形態では、光学的増白剤は、0.02〜0.05重量%の濃度を達成するために添加されることになる。
【0045】
また、ボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルム214は、吸塵を防止する帯電防止塗料を含んでもよい。周知の帯電防止塗料のいずれも使用されうる。
【0046】
また、ボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルム214は、多層フィルムまたは共押出しフィルムとして製造されてもよい。そうすることによる利点は、非常に薄いフィルムを使用して、なお光学的および熱的な安定性と収縮の要件の両方を満たすことができるようになることである。薄膜は、プレートディフューザの光拡散性能を達成するために多量のボイド開始剤の充填、したがって多量にボイド形成を必要とする。これらの高レベルのボイド形成では、フィルムは高温での寸法安定性がかなり低い。ボイド形成層の一面または両面に隣接して非ボイド形成層を有するフィルムを作ることによって、高温での寸法安定性が改善されうる。このような多層フィルムは、第2の押出機が整列したマトリクスポリマーの溶融とポンプ輸送に使われることを除いて、前述と同様に製造される。この整列したポリマーの押出し流れは、前述されたボイド形成層の押出し流れともに共押出しダイアセンブリに供給される。次いで、ボイド形成層の一面または両面に整列したポリマーの層を有する多層キャストフィルムが製造される。その後、このキャストフィルムは、前述されたように冷却されて延伸される。
【0047】
光透過性自己支持基板212または光学ディフューザフィルム214は、たとえば、紫外線(UV)吸収材、または紫外光の影響に対する耐性を示す材料を層の1つに含めることによってUV光から保護されてもよい。適切な紫外線吸収化合物として、たとえば、Cyasob(登録商標)UV−1164がCytec Technology Corporation of Wilmington,Del.から入手可能で、Tinuvin(登録商標)1577がCiba Specialty Chemicals of Tarrytown,N.Y.から入手可能である。
【0048】
光透過性自己支持基板212または光学ディフューザフィルム214には、UV光の悪影響を軽減するために他の材料が含まれてもよい。このような材料の一例は、ヒンダードアミン系光安定化組成物(HALS)である。一般に、最も有用なHALSは、テトラメチルピペリジンからの誘導されるもので、ポリマー第3アミンと考えられるものである。適切なHALS組成物は、たとえば、Ciba Specialty Chemicals Corporation of Tarrytown,N.Y.から「Tinuvin」の商品名で市販されている。このような有用なHALS組成物の1つはTinuvin 622である。
【0049】
図3には、本発明の他の例示的実施形態が図式的に示される。照明管理層の配列300は、光透過性自己支持基板312と、該基板に隣接しているが結合されていないボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルム314とを含む。ボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルム314の上方にある照明管理層の配列には、他の光学フィルムが加えられてもよい。これらの他の光学フィルムとしては、プリズム光配向フィルム316および反射偏光子318が挙げられる。
【0050】
この配列のボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルム314は、前の配列における図2のボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルム214のディフューザフィルムとしてこれまでに十分に説明されている。しかしながら、ボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルム314は、接着剤層320と、部分的に接着剤層に埋め込まれる透明なマイクロビーズ326をさらに備える。ボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルム314のこの表面に部分的に埋め込まれるマイクロビーズ機能は、フィルムを透過する光線をフィルム表面に対してより垂直な方向に導くことである。このような層は、ボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルムを透過する光の方向をさらに制御することができる。
【0051】
本発明の他の実施形態では、図4は、光透過性自己支持基板412とともにボイド形成ポリマーディフューザ414を備える。透明支持体424の上には薄い接着剤層420とこの接着剤層に一部分のみが埋め込まれたビーズ426があり、透明支持体424には接着剤層422が積層されている。接着剤層にビーズの一部分のみを埋め込むことによって、光は層ビーズを出るとき予めコリメートされる。空気界面に遭遇する光は、散乱され、下の層を通ってボイド形成ディフューザに戻された後、ビーズの方向に再び導かれてビーズによってコリメートされる機会をさらに得ることになる。
【実施例】
【0052】
ボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルムのサンプルは、ポリマー接着剤の分散液とビーズが調製されコーティングされ、それらの性能が光透過性自己支持基板と一緒にボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルムのサンプルと比較された。
【0053】
サンプルEX1(対照)ビーズがないボイド形成ディフューザ
PET(Eastman Chemicals製#7352)が、5重量%のポリプロピレン(「PP」、Huntsman P4G2Z−159)、および0.5重量%で、1対1のPETとTiOの濃縮物(Eastman Chemicals製PET 9663 E0002)と乾式配合された。その後、この配合物は65℃の乾燥機内で12時間乾燥された。
【0054】
PET/PP/TiOの混合物を押し出すために、2−1/2押出機を使用してキャストシートが押し出された。275℃の溶融流れがやはり275℃で加熱された7インチのフィルム押出しダイスに供給された。ダイスから出てきた押出しシートは、55℃に設定された冷却ロールに掛けられた。PETマトリクスのPPは、押出し中に10〜30μmの大きさの小球に分散した。連続キャストシートの最終寸法は、幅が18cmで厚さが1140μmであった。次いで、キャストシートは、110℃でまずX方向に3.2倍に延伸されてからY方向に3.4倍に延伸された。延伸されたシートはその後150℃で熱処理された。
【0055】
延伸中に、キャストシートに分散されたPPの粒子の周辺でボイドが開始された。これらのボイドは延伸中に成長して有意なボイド量となった。得られた厚さは140μmであった。このフィルムは、結合されていないディフューザフィルムとして2mm厚のフロートガラス板とともに光学的に評価された。
【0056】
サンプルEX2(本発明)ビーズがあるボイド形成ディフューザ
実施例1に記載のボイド形成ポリエステルのシートは、ポリマービーズを有する水性分散液がコーティングされ、その光学的性能と機械的性能が対照と比較された。
【0057】
分散液
1kgの分散液が以下のように調製された。すなわち、933.5gの水、40.1gのポリビニルピロリドンと、ポリビニルピロリドンおよびマットビーズ(約10重量%)を含有する26.3の分散液とが、コーティングプロセスに役立つ少量の界面活性剤と一緒に加えられた。分散液は、良質の分散混合物とするために混合された。この実施例のビーズは、コロイド無機粒子の層で包囲されたポリマーコアを備えるポリマーマット粒子である。ポリビニルピロリドンは、10,000MWであり、Sigma−Aldrich社から入手された。この全分散液は、室温で保管され、コーティング前に約1時間攪拌された。
【0058】
ポリビニルピロリドン、水およびマットビーズ分散液は、38.1cm/mの湿潤範囲でマイクロボイド形成支持体にスロットダイによってコーティングされた。
【0059】
輝度の測定は、軸上の輝度測定および軸上の輝度利得の計算からなるものであった。これらの測定値は、光学的均一性、たとえば、EX1〜EX5および対照サンプルC1〜C5とともに、特別に設計されたLCD−TV実験台で実施された。図5に図式的に示された実験台装置500には、サンプルを取り付けて照射するための市販のバックライトユニット510を使用した。ディフューザプレート502、または光透過性自己支持基板およびボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルム502のいずれかがバックライトの中に設置された。その後、サンプルは、2台の測定装置520および530のいずれかを使って光学測定された。バックライトユニットと測定装置を以下に説明する。
【0060】
バックライトユニット:
Aquos 20インチ DBL TV、Sharp Electronics Corporation製(図5の510)
CCFL 10本
厚さ2mmのディフューザプレート(図5の502)
(図5のガラス502の上に置かれた、結合されていないディフューザフィルムを測定するとき、光透過性自己支持基板として2mmの一片のガラスがプレートディフューザの代りに使用された。)
【0061】
測定装置:
1)ELDIM 160R EZコントラストコンスコープ−スポットサイズ2mm、サンプルから1.2mmの距離(図5の520)
2)TopCon BM7カラーメータ−1°の円錐、スポットサイズ5mm、サンプルから0.5mの距離(図5の530)
【0062】
ELDIM 160R EZコントラストコンスコープは、結合されていないディフューザフィルムと組み合わせてディフューザプレートまたは光透過性自己支持基板から放射する軸上輝度の測定に使用された。軸上輝度は、ディフューザプレートまたはディフューザフィルム表面に垂直に放射する光の強度である。データは、平方メートル当りのカンデラ単位(cd/m)の輝度として報告された。全サンプルの軸上輝度の値は、軸上輝度利得の値を測定するために、バックライトの2mm厚の固有のディフューザプレートに対する軸上輝度の値で割られた。
【0063】
TopCon BM7カラーメータは、全サンプルの光学的均一性を測定するために使用された。輝度を測定するために、この計器の5mmのスポットサイズは、バックライトユニットの中にある10本のCCFLの#5(名目上30mm間隔の)に中心が置かれた。これと同じ測定は、CCFL#5の真上位置両側の5mm間隔の4箇所で行なわれ、名目上CCFL#5を中心とする9つの異なる測定値が得られた。図6は、ディフューザプレートまたはディフューザフィルムがない場合のCCFLにおけるこれら測定の結果を示す。CCFL#5真上のピーク輝度は明らかに最大値であるが、輝度の最小値は一方がCCFL#5とCCFL#4の中間に近い位置に、またもう一方がCCFL#6に近い位置に現れている。これらの最小値は、図6の位置3および位置8の近くにある。光学的均一性は、この測定の輝度の最小値とCCFL#5の真上で得られた輝度の最大値の比を計算することによって求められる。
【0064】
収縮試験は、フロートガラス自己支持基板に結合されていないモードで設定された全ディフューザフィルムサンプルに対して行なわれた。熱収縮測定値は、幅約35mmと最小長さ約6インチの寸法のサンプルを使用して実施された。各試験片は、事前に設定された6インチのゲージ長を得るためにパンチに設置される。実際のゲージ長は、6インチサンプルを測定するために事前に設定された6インチのインバール棒で較正された装置を使用して測定される。この長さは、デジタルマイクロメータを使って0.0001インチまで記録される。一旦初期長が測定されたサンプルは、所定温度のオーブンに所要時間入れられる(この場合、試験条件は85℃、24時間)。その後、サンプルは、オーブンから取り出され、23℃、相対湿度50%に設定された制御環境に少なくとも約2時間、ただし、一般には約24時間置かれる。最終サンプルの長さは、初期長の測定に使われたものと同じ設定を使用して再測定される。収縮は、次式を使用してパーセント単位で報告される。
【0065】
パーセント長さ変化=(最終値−初期値)×100/初期値
【0066】
収縮に関連する負(−)符号は、寸法変化の方向を示す。
【0067】
実験サンプルおよび対照サンプルの各々の厚さ、光学特性および収縮の試験結果が下の表1に要約される。表1において、各列は、1個のサンプルに関するデータを示し、サンプルに関して光透過性自己支持基板およびディフューザフィルムの両方が組み合わせて使用される場合のディフューザフィルムのみの厚さが示される。
【0068】
【表1】

【0069】
表1のデータは、本発明EX−2のディフューザフィルム(ビーズを有するマイクロボイド形成ディフューザ)は、対照サンプル(ビーズなしのマイクロボイド形成ディフューザ)よりも良好な輝度特性を有することを示す。データは、本発明によるサンプルが対照サンプルに対して軸上輝度が約7%改善されることを示す。また、データは、ビーズありおよびビーズなしの発泡またはボイド形成フィルムは同じ収縮特性を有することを示す。
【0070】
本発明は、特定の好ましい実施形態に特に関連して説明されてきたが、本発明の精神と範囲内で変形形態と変更形態が実施されうることは理解されよう。本説明において言及された特許およびその他の出版物は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】ディフューザプレートを使用する典型的なバックライト液晶ディスプレイ装置を図式的に示す図である。
【図2】本発明の原理による、光透過性自己支持基板とボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルムとを使用することが可能な照明管理層の配列を図式的に示す図である。
【図3】本発明の原理による、フィルムを透過する光線の方向の表面拡散および/またはコリメーション特性を有する光透過性自己支持基板およびボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルムを使用することが可能な照明管理層の配列を図式的に示す図である。
【図4】接着剤層を採用した本発明の実施形態を図式的に示す図である。
【図5】試験装置を示す図である。
【図6】ディフューザプレートまたはフィルムなしの場合と対比した本発明のディフューザを使用した光学的均一性を示すグラフである。
【符号の説明】
【0072】
100 直接照明LCディスプレイ装置
110 バックライト
112 反射体
114 光源
120 LCパネル
122 ディフューザプレート
126 光配向フィルム
128 反射偏光子
130 フロントパネルアセンブリ
132 下側吸収偏光子
134 パネルプレート
136 LCの層
138 上側吸収偏光子
139 オプション層
140 LCパネル
150 コントローラ
200 照明管理層の配列
212 光透過性自己支持基板
214 ボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルム
215 光コリメーションフィルム
216 プリズム状光配向フィルム
218 反射偏光子
300 照明管理層の配列
312 光透過性自己支持基板
314 ボイド形成ポリマー光学ディフューザフィルム
316 プリズム光配向フィルム
318 反射偏光子
320 接着剤層
326 マイクロビーズ
412 光透過性自己支持基板
414 ボイド形成ポリマーディフューザ
420 接着剤層
422 接着剤層
424 透明支持体
500 実験台装置
502 ディフューザプレート
510 バックライトユニット
520,530 測定装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面ビーズを有するボイド形成半結晶性ポリマー集積光学ディフューザフィルム。
【請求項2】
光学的増白剤を含む、請求項1記載の表面ビーズを有する集積光学ディフューザフィルム。
【請求項3】
前記ボイド形成ポリマーとしてポリエステルを含む、請求項1記載の表面ビーズを有する集積光学ディフューザフィルム。
【請求項4】
前記ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸またはそれらのコポリマーのいずれかを含む、請求項3記載の表面ビーズを有する集積光学ディフューザフィルム。
【請求項5】
前記ポリエステルが、90.5%より大きい光透過率を有するポリエチレンテレフタレートポリマーまたはコポリマーを含む、請求項3記載の表面ビーズを有する集積光学ディフューザフィルム。
【請求項6】
ボイド開始剤としてポリオレフィン粒子を含む、請求項4記載の表面ビーズを有する集積光学ディフューザフィルム。
【請求項7】
前記ポリオレフィンが、ポリプロピレンを含む、請求項6記載の表面ビーズを有する集積光学ディフューザフィルム。
【請求項8】
前記ポリオレフィンが、3重量%から25重量%の量で存在する、請求項6記載の表面ビーズを有する集積光学ディフューザフィルム。
【請求項9】
前記表面ビーズが、70%より大きい光透過率を有する、請求項1記載の表面ビーズを有する集積光学ディフューザフィルム。
【請求項10】
前記表面ビーズが、1,000nmから5,000nmの粒径範囲を有する、請求項1記載の表面ビーズを有する集積光学ディフューザフィルム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−109972(P2009−109972A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−133264(P2008−133264)
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【出願人】(307010188)ローム アンド ハース デンマーク ファイナンス エーエス (51)
【Fターム(参考)】