説明

薬ディスペンサー

薬の供給のためのディスペンサーが、各々が服用薬を含むブリスター(11)の配列を支持する支持材(9、10)であって、前記ブリスター(11)それぞれの下方に貫通孔(19、25)の配列を有する支持材(9、10)と、該支持材(9、10)の上方に配設された作動部材(13)であって、前記支持材(9、10)に対して平行な定められた方向において、少なくとも1ステップ単位で前記支持材(9、10)に対して並進移動可能な作動部材(13)と、対応する前記貫通孔(19、25)を通して、対応する服用薬を放出するために、作動部材(13)の並進動作の各ステップを、対応する貫通孔(19、25)に向かって前記ブリスター(11)のうちの対応するブリスターに及ぼされる圧力に変換するための手段(29、57)とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬を取り出すための装置に関し、特にブリスターから薬を解放するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タブレット、ピル、カプセル、又はこれらの均等物の形態の固形薬はブリスターパック又はブリスターカードに保存されることが多く、ブリスターパック又はブリスターカードは、シート、一般的にはプラスチック材料のシートから成り、チャンバ(ブリスター)を画成し、且つチャンバ(ブリスター)の背面にはアルミニウム又はペーパーホイル(paper foil)のようなシールフィルムが固定される。ブリスターを圧潰してシールフィルムを穿孔すべくブリスターを押圧することによって、ブリスター内に包含された服用薬を解放することができる。
【0003】
ブリスターから薬を解放することは、ブリスターパックを適切に保持しつつブリスターに十分な圧潰力を及ぼすことを必要とするので、手が不自由な人、例えば身体障害者又は関節症を患う人にとって困難な作業である。このため、ブリスターからの薬の解放を促進するための装置が提案されてきた。斯かる装置は、国際公開第2004/035421号明細書、国際公開第2004/034952号明細書、及び国際公開第2004/101392号明細書において記述される。最初の二つの出願に係る装置は、支持材であって、ブリスターパックと、当該支持材に枢動可能に接続された蓋とを支持するための支持材を具備する。蓋は当接部材を担持し、当接部材は、蓋がその開いた位置からその閉じた位置に枢動せしめられるときに支持材に設けられた孔を通してタブレットを押し出すべくブリスターを圧潰する。これら装置は以下のいくつかの欠点を有する。
これら装置は、装置を保持しつつ蓋を回転させるために、十分な器用さを必要とする。
装置の大きさが、蓋が開けられるとき、必然的に大きい。
使用者が、蓋を閉じるとき、蓋と支持材との間で指を締め付けるリスクが高い。
蓋が開けられると、使用者は直接ブリスターにアクセスできる。したがって、使用者は手でブリスターを操って直接ブリスターからタブレットを解放することができ、このことは、薬が高い毒性を有する場合に危険である。更に、ブリスター及びタブレットが子供達によって操られるようになる。
国際公開第2004/101392号明細書に係る装置は、装置内に保持された各ブリスターに対応したボタンを具備する。ボタンを押すことによって、各ブリスターが圧潰されてタブレットが各ブリスターから押し出される。ボタンの数がブリスターの数に対応しなければならないので、ボタンは小さく、このため、操作することが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一つの目的は、ブリスターからの薬の解放をとりわけ容易にする薬ディスペンサーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的のために、各々が服用薬を含むブリスターの配列を支持する支持材であって、前記ブリスターそれぞれの下方に貫通孔の配列を有する支持材と、前記支持材の上方に配設された作動部材であって、前記支持材に対して平行な定められた方向において、少なくとも1ステップ単位で支持材及びブリスターの配列に対して並進移動可能な作動部材と、対応する前記貫通孔を通して、対応する服用薬を放出するために、作動部材の並進動作の各ステップを、対応する貫通孔に向かって前記ブリスターのうちの対応するブリスターに及ぼされる圧力に変換するための手段とを具備する、薬の供給のためのディスペンサーが提供される。
【0006】
本発明の文脈において、「配列」の用語は、1以上のブリスター/貫通孔を含むような広い意味で理解されるべきである。
【0007】
したがって、本発明では、服用薬は、ブリスターを支持する支持材に対して平行な方向における、作動部材の並進動作によって放出される。それ故に、従来技術の枢動可能な蓋及び圧潰用ボタンは必要とされない。
【0008】
更に、本発明に係るディスペンサーはケースを具備することができ、ケース内において、支持材、ブリスター、作動部材、及び変換手段が提供され、これら全ての要素は、使用者が、ディスペンサーの使用のあらゆる配置において、ブリスターに直接アクセスできない、すなわち触れることができないように構成されうる。本発明の具体的な態様では、ブリスターをディスペンサーから取り外すことができない。このことは、薬に接触すべきではない人々、特に若い子供達を保護することに貢献する。更に、ディスペンサーの保管及び操作時にブリスターを汚染するリスクが低下する。
【0009】
好ましくは、支持材の貫通孔は少なくとも一つの空洞と連通し、服用薬はブリスターから放出された後に空洞内に落下し、空洞は、ディスペンサーの端部に設けられた取り外し可能なキャップの内部と連通する。ブリスターから放出された服用薬は取り外し可能なキャップ内に収集される。したがって、使用者は、服用薬を中に備えたキャップを取り外して、服用薬に触れることなく手で服用薬を使用者の口の中に持って行くことができる。この態様では、使用者の指による薬の汚染が回避され、同様に、薬による使用者の皮膚の汚染も回避される。
【0010】
本発明に係るディスペンサーが枢動可能な蓋の使用を必要としないので、ディスペンサーの取扱いにおいて使用者の指を締め付けるリスクが低下する。
【0011】
典型的には、ブリスターの配列は、前記定められた方向に並んで延在するブリスターのいくつかの列を含み、作動部材の並進動作の各ステップの間に放出される服用薬がブリスターの各列の少なくとも一つの服用薬を含む。この態様では、使用者によるディスペンサーへの各行為において、ディスペンサーは薬量学的処方による正確な数の服用薬を供給することができる。この薬量学的処方による服用薬の正確な数は、典型的には、1、2、3、4、又は5である。
【0012】
作動部材の並進動作の各ステップにおいて、ブリスターの種々の列の服用薬を同時に放出することができる。代替的に、変換手段及びブリスターの配列は、ブリスターの列のそれぞれの服用薬が、作動部材の並進動作の各ステップの間、連続的に放出されるように構成されてもよい。
【0013】
一つのブリスターパック又はいくつかの別個のブリスターパックとしてブリスターを構成することができる。
【0014】
好ましくは、変換手段は前記作動部材の少なくとも一つの傾斜した押圧面を具備する。
【0015】
代替的に又は加えて、変換手段は、傾斜した押圧部材の配列を具備することができ、各押圧部材は、一方の端部において支持材に対してヒンジ接続され、且つ、作動部材の並進動作の前記ステップのうちの対応する一つのステップの間、作動部材によって前記貫通孔のうちの対応する貫通孔に向かって枢動するように付勢されるように構成され、前記押圧部材の自由端は、押圧部材の枢動動作の間、対応する服用薬をそこから放出するために、前記ブリスターのうちの対応するブリスターを押圧するように構成される。好ましくは、押圧部材は、前記支持材上に設置される上方プレートであって前記ブリスターを受容する貫通孔の配列を有する上方プレートに、前記一方の端部においてヒンジ接続される。
【0016】
支持材が、硬質のベース支持部材と、硬質のベース支持部材によって支持され且つブリスターを支持する圧縮性プレートとを具備することは有利である。前記支持材の貫通孔はそれぞれ切断部材を具備する。作動部材は少なくとも一つの押圧部材を具備する。ディスペンサーは、支持材に対して固定されたカム面の配列を更に具備する。対応するブリスターのシールフィルムが、対応する切断部材によって予め切断されるように、作動部材の押圧部材は、前記圧力が及ぼされる前に、圧縮性プレートを圧縮することによって、硬質のベース支持部材に対して、対応するブリスターをより近くに移動させるように、作動部材の並進動作の各ステップの間に前記カム面のうちの対応するカム面と協働するように構成される。シールフィルムを予め切断することによって服用薬の放出が容易にされるので、放出時に服用薬に過剰な圧力が適用されて服用薬に損傷がもたらされることが回避される。このことは、特に、裂けた(sectile)ピル又は脆いカプセルの形態の服用薬について有益である。
【0017】
好ましくは、圧縮性プレートが硬質のベース支持部材と上方プレートとの間にあり、上方プレートが、可撓性のあるリンクによって互いに接続されたいくつかの硬質のプレート要素から成り、各硬質のプレート要素が、上方プレートの前記傾斜した押圧部材の少なくとも一つと、前記上方プレートの貫通孔の少なくとも一つとを有する。典型的には、各硬質のプレート要素は作動部材の並進動作の前記ステップの一つに対応する。
【0018】
好ましくは、本発明に係るディスペンサーは、作動部材を駆動するための駆動部材を更に具備する。駆動部材は、使用者によって操作可能であり、且つ、前記定められた方向とは反対の方向において第1位置から第2位置へ支持材に対して並進移動可能であり且つ前記定められた方向において第2位置から第1位置へ支持材に対して並進移動可能である。第1位置から第2位置への駆動部材の動作では、作動部材は、支持材に対して固定された状態に残され、第2位置から第1位置への駆動部材の動作では、作動部材は前記ステップの1ステップ単位で移動せしめられる。
【0019】
駆動部材は、前記定められた方向に対して平行に延在する対向する案内部材であって、各々がその内面上に割出し(indexing)要素を有する、案内部材を具備することができる。作動部材は、案内部材の間に配設され、且つ、並進動作の前記ステップ間に作動部材の静止位置を画成すべく案内部材の割出し要素と協働する側部の割出し要素を有することができる。案内部材の割出し要素はノッチ(notch)から成ることができ、且つ作動部材の割出し要素は弾性変形可能なタブから成ることができる。ディスペンサーは、駆動部材が駆動部材の第1位置から駆動部材の第2位置に移動せしめられているときに作動部材を前記静止位置に保持するために、支持材に対して固定された当接面を更に具備することができる。
【0020】
本発明に係る薬のディスペンサーは、特に、手が器用ではない使用者、例えば関節炎のような病気によって手が器用ではない使用者に適する。この点おいて、本薬ディスペンサーは、典型的には200g未満、好ましくは150g未満、より好ましくは100g未満の適切な重量も有する。本ディスペンサーを金属又は合成材料から作ることができる。金属はアルミニウム又はスチールであってもよい。合成材料は、プラスチック、熱可塑性プラスチック、及び有機ポリマーの中から選択される。斯かる有機ポリマーは、好ましくは、PMMA、PVC、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、又はポリプロピレンである。別の態様では、本ディスペンサーは119〜222mmの間の長さ、52〜98mmの間の幅、及び10〜21mmの間の厚さを有することができる。
【0021】
本発明の別の目的は、子供が操作できない薬ディスペンサーを提供することである。この目的のために、ディスペンサーのケースは側壁と頂壁と底壁とを有し、ディスペンサーは、
ケースに結合された第1ロック手段と、
駆動部材に結合され、且つ、支持材に対して駆動部材を駆動部材の第1位置にロックするために前記第1ロック手段と係合する第2ロック手段と、
側壁にそれぞれ設けられた第1ボタン及び第2ボタンであって、駆動部材が前記定められた方向とは反対の方向において駆動部材の第1位置から駆動部材の第2位置へ支持材に対して移動せしめられることを可能とするために、前記第1ロック手段と前記第2ロック手段との係合を解除するように操作可能である第1ボタン及び第2ボタンと、
第1ロック手段と第2ロック手段との間の係合を維持するための第3ロック手段と、
第1ボタン及び第2ボタンを操作することによって第1ロック手段と第2ロック手段との係合を解除することを可能とすべく第3ロック手段に作用するように操作可能な第3ボタンとを更に具備する。
【0022】
典型的には、第1ボタン及び第2ボタンは、第1ロック手段と第2ロック手段との係合を解除すべく第1ロック手段に作用するように操作可能である。
【0023】
第3ロック手段は、第3ボタンが静止位置にある間に、第1ボタン及び第2ボタンを操作する試みがなされると前記第1ロック手段をブロックするように構成されることができる。
【0024】
特定の実施形態では、第1ボタン及び第2ボタンは押しボタンであり、且つ第3ボタンはスライドボタンである。
【0025】
第3ロック手段は、第3ボタンを担持する摺動可能な部分の側部であってもよく、側部は、第3ボタンが静止位置にある間に第1ボタン及び第2ボタンを操作する試みがなされると第1ロック手段のストッパー突起をブロックするように構成され、且つ、第3ボタンが操作位置にあり且つ第1ボタン及び第2ボタンが押圧されるときにストッパー突起が中に入る穴を具備する。
【0026】
摺動可能な部分の側部がストッパー突起を更に具備し、ストッパー突起が、第3ボタンが第3ボタンの静止位置から第3ボタンの操作位置に移動するのを妨げるために、第1ボタン及び第2ボタンが押圧されるときに第1ロック手段のストッパー突起によってブロックされることは有利である。
【0027】
第3ボタンをケースの頂壁に設けることができる。
【0028】
第1ボタン及び第2ボタンが、同時に操作されるときのみに第1ロック手段と第2ロック手段との係合を解除するように構成されることは有利である。
【0029】
本発明に係るディスペンサーは、特に、癌の治療のための薬剤、すなわち即効性の毒性効果又は免疫系への効果を有する薬剤を含むのに適切である。
【0030】
特定の実施形態によれば、薬はクラドリビン(Cladribine)又はその誘導体を含んで成る。
【0031】
本発明は、上記に定義されたようなディスペンサーと、ディスペンサーの取り扱い方法、薬の管理、及び薬の服用についての情報を含む説明書とを具備するキットを更に提供する。
【0032】
本発明は、上記に定義されたようなディスペンサーを操作する方法を更に提供し、本方法は、
支持材に対して駆動部材を駆動部材の第1位置から駆動部材の第2位置に引き出すステップと、
支持材に対して駆動部材を駆動部材の第2位置から駆動部材の第1位置に押すステップと、
放出された服用薬を重力によってキャップ内に落下させるべくディスペンサーを傾けるステップと、
放出された服用薬を回収するためにキャップを取り外すステップとを含む。
【0033】
本発明は、上記に定義されたようなディスペンサーを操作する方法を更に提供し、本方法は、
第1の手にケースを保持するステップと、
第2の手の指で第3ボタンを操作するステップと、
第3ボタンを第3ボタンの操作位置に維持しつつ、第1の手の二つの指で第1ボタン及び第2ボタンを操作するステップと、
駆動部材をロック解除するために、第1ボタン及び第2ボタンを第1ボタン及び第2ボタンの操作位置に維持しつつ、第2の手で支持材に対して駆動部材を引き出すステップと、
駆動部材が支持材に対して駆動部材の第2位置に到達するまで、駆動部材を引き出し続けるステップと、
支持材に対して駆動部材を駆動部材の第2位置から駆動部材の第1位置に押すステップと、
放出された服用薬を重力によってキャップ内に落下させるべくディスペンサーを傾けるステップと、
放出された服用薬を回収するためにキャップを取り外すステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、本発明に係る薬ディスペンサーの上方からの分解斜視図である。
【図2】図2は、本発明に係る薬ディスペンサーの下方からの分解斜視図である。
【図3】図3は、本発明に係る薬ディスペンサーの上面図である。
【図4】図4は、本発明に係る薬ディスペンサーにおいて使用されるプレートの上面図である。
【図5】図5は、本発明に係る薬ディスペンサーの切断上方斜視図であり、静止位置における駆動部材と、与えられた位置における作動部材とを示す。
【図6】図6は、本発明に係る薬ディスペンサーの切断上方斜視図であり、引き出し位置における駆動部材と、与えられた位置における作動部材とを示す。
【図7】図7は、本発明に係る薬ディスペンサーの切断上方斜視図であり、静止位置における駆動部材と、次の位置における作動部材とを示す。
【図8】図8は、本発明に係る薬ディスペンサーの概略部分断面図であり、どのようにタブレットがブリスターから放出されるかを示す。
【図9】図9は、本発明に係る薬ディスペンサーの概略部分断面図であり、どのようにタブレットがブリスターから放出されるかを示す。
【図10】図10は、本発明に係る薬ディスペンサーの概略部分断面図であり、どのようにタブレットがブリスターから放出されるかを示す。
【図11】図11は、本発明に係る薬ディスペンサーの概略部分断面図であり、どのようにタブレットがブリスターから放出されるかを示す。
【図12】図12は、本発明に係る薬ディスペンサーの概略部分断面図であり、どのようにタブレットがブリスターから放出されるかを示す。
【図13】図13は、代替実施形態に係る作動部材の底面図である。
【図14】図14は、上面図において、駆動部材をロック解除するのに必要な一連の行為を示す。
【図15】図15は、上面図において、駆動部材をロック解除するのに必要な一連の行為を示す。
【図16】図16は、駆動部材をロック/ロック解除するための、本発明に係る薬ディスペンサーの内部機構の概略上面図である。
【図17】図17は、上面図において、前記一連の行為の間の図16の内部機構の連続的な配置を概略的に示す。
【図18】図18は、上面図において、前記一連の行為の間の図16の内部機構の連続的な配置を概略的に示す。
【図19】図19は、上面図において、前記一連の行為の間の図16の内部機構の連続的な配置を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な記述を読むことによって明らかになるであろう。以下において、「上方」、「下方」、「上方へ」、「下方へ」、「水平」、「鉛直」、「前方」、「後方」、「前方へ」、及び「後方へ」といった用語は、図1において示されるようなディスペンサーの位置に関して用いられる。
【0036】
図1〜図3を参照すると、本発明の好ましい実施形態に係る薬ディスペンサーはケース1を具備し、ケース1は、共に組み立てられる底部2及び頂部3から形成される。ケース1は、長手方向Dに延在し、且つ、前方端部4及び後方端部5と称される二つの開放端部と、頂壁6と、底壁7と、二つの長手方向の側壁8とを有する。ケース1の内部には、硬質のシャーシ9と、発泡プレート10と、ブリスター11の配列と、上方プレート12と、移動可能な作動部材13と、作動部材13を駆動するための移動可能な駆動部材14とが提供される。取り外し可能な端キャップ15がケース1の前方端部4を閉じる。駆動部材14の大きな端部分16がケース1の後方端部5を閉じる。
【0037】
シャーシ9はケース1に固定され且つフレーム17を有し、フレーム17内において、貫通孔19の配列を有するベース支持プレート18が固定される。典型的には、貫通孔19の配列は、貫通孔19の並んだ長手方向の列、すなわち長手方向Dに並んで延在する列と、貫通孔19の並んだ横向きの列、すなわち長手方向Dに対して直交する方向に並んで延在する列とを画成する。示された例では、五つの貫通孔19の二つの長手方向の列、言い換えれば二つの貫通孔19の五つの横向きの列が設けられている。ベース支持プレート18は、フレーム17に組み立てられる別部分であっても、又はフレーム17と一体形成されてもよい。シャーシ9の下面は長手方向の別個の凹部20(図1及び図5参照)を画成し、長手方向の別個の凹部20は各列の貫通孔19とそれぞれが連通するために貫通孔19の長手方向の列よりも下方にそれぞれ配設される。各凹部20の後方端部21が閉じられる。各凹部20の前方端部22が端キャップ15の内部と連通するように開いている。凹部20及び底壁7は長手方向の空洞を共に形成し、長手方向の空洞は端キャップ15の内部と連通する。(図8において見られうる)リング23、典型的には金属のリング23が、ベース支持プレート18の各貫通孔19の内面に貫通孔19と同軸に固定される。各リング23は切断縁24を有し、切断縁24は円弧のように延在し且つベース支持プレート18の上面から上方に突出する。示されるように、切断縁24は歯を有することができる。
【0038】
発泡プレート10はベース支持プレート18の上面に載置される。発泡プレート10を、例えば接着によってベース支持プレート18に固定することができる。発泡プレート10は貫通孔25の配列を有し、貫通孔25の配列はベース支持プレート18の貫通孔19とそれぞれ鉛直方向に整列される。発泡プレート10の各貫通孔25は各リング23の突出する切断縁24を受容する。
【0039】
ブリスター11それぞれは、タブレット、ピル、カプセル、又はこれらの均等物の形態の服用薬26を含む。ブリスター11は、発泡プレート10の貫通孔25及びベース支持プレート18の貫通孔19と鉛直方向に整列されるように、発泡プレート10の上面上に配置される。示される例では、ブリスター11は、各々がブリスターの横向きの一つの列を形成するいくつかの別個のブリスターパック27として構成される。示されるように、小さい別個のブリスターパックとしてブリスターを提供することによって、薬の量の管理が容易になり且つ薬の浪費を減らすことが可能となる。しかしながら、変形例において、ブリスターの配列を形成するのに単一の大きなブリスターパックを発泡プレート10上に提供することができる。
【0040】
上方プレート12は、発泡プレート10及びブリスターパック27の平らな部分(27a参照)よりも上に設置され、且つ、例えばフレーム17の内面から突出する弾性変形可能な部材によってシャーシ9のフレーム17内に保持される。上方プレート12は貫通孔28の配列を有し、貫通孔28の配列は支持プレート18の貫通孔19及び発泡プレート10の貫通孔25と鉛直方向に整列され、且つ貫通孔28内にブリスター11が受容される。上方プレート12は押圧部材29を保持し、押圧部材29は、上方プレート12から上方且つ前方に斜めに突出するタブの形態をとり且つ一方の端部において上方プレート12にヒンジ接続される。図4及び図8に示されるように、押圧部材29を上方プレート12及びヒンジ部(30参照)と一体形成することができ、ヒンジ部は、上方プレート12の薄い部分によって形成される弾性ヒンジであってもよい。押圧部材29は貫通孔28及びブリスター11と関連付けられる。各押圧部材29の自由端は、押圧部材29の残りの部分よりも大きい厚みの当接部材31を具備し、当接部材31は、ヒンジ部30によって及ぼされる弾性力により各ブリスター11の頂部に寄り掛かる。
【0041】
図4に示されるように、上方プレート12は、より正確には、可撓性のある取付部材33を介して互いに接続されたいくつかの硬質のプレート要素32から形成される。各プレート要素32は貫通孔28及び各押圧部材29の横向きの一つの列を含む。したがって、プレート要素32は互いに対して移動可能である。特に、他のプレート要素32とは独立に、各プレート要素32を下方に移動させることができ、発泡プレート10が圧縮されるようになる。
【0042】
再び図1及び図2を参照すると、駆動部材14は側部の長手方向の二つの案内部材34を有し、二つの案内部材34は、大きな端部分16から突出し、且つ、駆動部材14が、大きな端部分16がケース1の後方端部5を閉じる(図5において示される)静止位置と、大きな端部分16が後方端部5から後方に離れた(図6において示される)引き出し位置との間でケース1に対して長手方向において前(すなわち方向D)及び後(すわわち方向Dとは反対の方向)に移動することを可能としつつ、ケース1内に駆動部材14を維持する。駆動部材14の静止位置において、大きな端部分16の上面の一部及び大きな端部分16の下面の一部が、後方端部5において形成された凹部35を通して露出されるので、使用者は大きな端部分16を掴むことができる。駆動部材14の静止位置及び引き出し位置の両方において、ブリスター11は使用者がアクセスできない状態のままである。この効果のために、駆動部材14は、大きな端部分16に隣接した上壁36を案内部材34間に有する。この上壁36は駆動部材14の上側からケース1の内部へのアクセスを妨げる。駆動部材14の下側からのアクセスは駆動部材14の同様の下壁及び/又はシャーシ9の後方端壁37によって妨げられる。案内部材34それぞれは、下方に向けられ且つ凹部40によって隔てられた第1延長壁38及び第2延長壁39を具備する。各案内部材34の延長壁38、39は、ケースの底部2の側壁内に又はケースの底部2の側壁に形成された側部の長手方向の各溝41内に案内される。ネジ、ピン、又はこれらの均等物のようなストッパー部材(図示せず)が、延長壁38と延長壁39との間の凹部40内に、ひいては案内部材34の通路内に配設されるように、ケースの底部2の各側壁において側面に固定される。これらストッパー部材は駆動部材14の動作を制限する。第2延長壁39がこれらストッパー部材に当接することによって、駆動部材14が前記引き出し位置を越えて引き出されることが妨げられ、且つ、第1延長壁38がこれらストッパー部材に当接することによって、駆動部材14が静止位置を越えて押されることが妨げられる。駆動部材14の静止位置において、第1延長壁38がストッパー部材に当接する代わりに、駆動部材14の大きな端部分16がケース1の後方端部5又はシャーシ9の端壁37に当接してもよい。
【0043】
作動部材13は上方プレート12上に配置され且つ鉛直方向において案内部材34の上壁42によって保持される。作動部材13はその後方部分において側部のタブ43を具備し、側部のタブ43は、案内部材34の内面に設けられたノッチ44と協働する。各ノッチ44(図2参照)は、共に角度を形成する、横向きの面45及び傾斜面46によって画成され、傾斜面46は、横向きの面45に対して前方に配設される。ノッチ44及びタブ43は、作動部材13についての定められた長手方向の連続的な静止位置を画成する割出し手段を形成する。作動部材13はタブ43の自由端によって前記静止位置のそれぞれにおいて保持され、タブ43の自由端は、実質的に、一つのノッチ44の表面45と表面46との間における交差部分の縁においてそれぞれブロックされる。ノッチ44及びタブ43は戻り止め機構も形成し、戻り止め機構は、駆動部材14がその引き出し位置からその静止位置に押されるとき、1ステップ単位で、すなわち一つの静止位置から次の静止位置へ作動部材13を長手方向前方に移動させ、且つ、作動部材13を移動させることなく駆動部材14がその静止位置からその引き出し位置に引き出されることを可能とする。実際に、各案内部材34の対向する二つのノッチ44の横向きの面45は当接面を形成し、当接面は、駆動部材14がその引き出し位置からその静止位置に押されるとき、作動部材13、より正確にはタブ43の自由端を押す。各案内部材34の対向する二つのノッチ44の傾斜面46は摺動面を形成し、摺動面は、駆動部材14がその静止位置からその引き出し位置に引き出されるとき、タブ43を内側に弾性変形させつつ弾性タブ43の自由端上で摺動する。駆動部材14が引き出されるとき、上方プレート12、シャーシ9、及びケース1に対して所定位置に作動部材13を保持するために、突起47がケースの頂部3の上方の内面に設けられ、突起47は、作動部材13の後方に設けられたタブ48(図6参照)と協働する。突起47は、後方への方向において作動部材13をブロックすべくタブ48と協働するための鉛直当接面49(図8参照)と、傾斜カム面50とを有し、傾斜カム面50は、タブ48の下方への弾性変形をもたらすことによって、作動部材13が前方に移動することを可能とする。静止位置と引き出し位置との間の駆動部材14のストロークは、隣接した二つのノッチ44間の距離と、長手方向Dにおいて隣接した二つの貫通孔28(隣接した二つのブリスター11)間の距離とに等しい。
【0044】
作動部材13は押圧部材51(図5〜図7及び図8〜図12において最もよく見られる)を更に具備し、押圧部材51は、作動部材13の本体から長手方向前方に突出し、且つ、作動部材13の動作中に上方プレート12の押圧部材29及び貫通孔28と干渉しないように、押圧部材29及び貫通孔28に対して横方向にオフセットしている。示される例において、三つの押圧部材51が、上方プレート12の長手方向の一方の側部と貫通孔28の長手方向の一方の列との間、貫通孔28の長手方向の二列の間、及び貫通孔28の長手方向の他方の列と上方プレート12の長手方向の他方の側部との間にそれぞれ設けられる。押圧部材51は作動部材13の本体にヒンジ接続される。図8に示されるように、押圧部材51は作動部材13の本体と一体形成され且つ薄い部分52を介して作動部材13の本体に弾性的にヒンジ接続されることができる。各押圧部材51の自由端は、ヒンジ部52に隣接したベース部分よりも厚く、且つ、自由端の上方部分に位置する傾斜面53と、上方プレート12と接触する下方の丸みを帯びた面54とを有する。
【0045】
駆動部材14が引き出されているときに作動部材13を保持する機能に加えて、後で説明されるように、突起47は、押圧部材51を作動させる機能も有する。突起47は長手方向の列において構成され、長手方向の列は互いに対して横方向に整列され且つ長手方向においてそれぞれ押圧部材51と整列される。示される例において、側部側の長手方向の二つの列の突起47は両方の機能のために使用され、且つ中央の長手方向の一列の突起47は第2機能のみについて使用される。突起47の各横向きの列はブリスター11の一つの横向きの列と関連付けられる。
【0046】
作動部材13は押圧面55を更に具備し、押圧面55は押圧部材29の長手方向の列とそれぞれ整列される。各押圧面55は、後方の水平面部分56と、前方の面部分57とを含み、後方の水平面部分56は上方プレート12に上に載置され且つ上方プレート12上で摺動し、且つ、前方の面部分57は後方の面部分56から前方且つ上方に傾斜している。
【0047】
本発明に係るディスペンサーは以下のように作動する。ブリスター11の横向きの列から服用薬26を解放するために、使用者はケース1に対して駆動部材14をその静止位置からその引き出し位置(図6)に引き出す。駆動部材14のこの後方への動作の間、作動部材13は突起47の当接面49によって保持されるので移動しない。しかしながら、タブ43は、案内部材34の対向する一組のノッチ44の傾斜面46によって内側に変形せしめられ、且つ、対向する次の組のノッチ44がタブに到達すると、変形せしめられていないタブの静止状態に戻り、この静止状態は駆動部材14の引き出し位置に対応する。その後、使用者は駆動部材14をその静止位置(図7)へ押し戻し、このことによって、前記対向する次の組のノッチ44の、横向きの面45は、作動部材13を1ステップ単位で前方に押すために、作動部材13のタブ43と協働するようになる。作動部材13のこの1ステップの前方への動作の間、押圧部材51は突起47の横向きの一つの列と接触し、このことによって、突起47の傾斜カム面50は、ヒンジ部52の弾性変形によって押圧部材51を下方に移動させる(図9、図10)べく押圧部材51の傾斜面53と協働するようになり、このため、対応する上方プレート要素32は、発泡体プレート10を圧縮することによって下方に移動せしめられる。上方プレート要素32の下方への動作によって、対応するブリスター11のシールフィルムは、対応するリング23の切断縁24に接触せしめられる。切断縁24は、対応するブリスター11の区域においてシールフィルムを予め切断する。更に、作動部材13のこの1ステップの前方への動作において、押圧部材51は、傾斜面50と接触した状態が続いた後、弾性ヒンジ52によって押圧部材51の水平な静止位置に戻される(図11)。次に、作動部材13の前方の傾斜面部分57が押圧部材29と接触し、その後、作動部材13の後方の水平面部分56が押圧部材29と接触し、このことによって、押圧部材29はブリスター11を押圧して圧潰すべく下方に付勢される(図12)。服用薬26は、既に穿孔されたシールフィルムを通ってブリスター11から放出され、且つ、凹部20及びケースの底部2によって画成された空洞内に落下する。作動部材13の前方への1ステップの動作は、これら全ての操作の後に、すなわちブリスターフィルムを穿孔すること及びブリスター11の横向きの一つの列の服用薬26を放出することがなされた後に完成される。使用者は、ディスペンサーを傾斜させることによって、前述された空洞と連通するキャップ15内に服用薬26を重力によって落下させる。次に、使用者は、服用薬26を中に備えたキャップ15を取り外して、服用薬26に触れることなく手で服用薬26を使用者の口の中に持って行くことができる。ブリスター11の次の横向きの列等から服用薬26を解放するために、上記と同じ一連の操作が後に行われるであろう。
【0048】
したがって、ブリスター11の横向きの一つの列から服用薬26を放出することは、駆動部材14に対する、第1の直線的な引き出し行為及び第2の直線的な押し行為のみを必要とする。駆動部材14の大きな端部16を、その大きさのおかげで容易に掴むことができる。一方の手でケース1を保持しつつ、他方の手で引き出し行為を容易に行うことができる。押し行為は、同様に行われることができ、或いは、例えばテーブル面又は壁面のような面に対して直角にディスペンサーをセットし且つディスペンサーの(キャップ15によって画成される)前端部がこの面に載っている間に駆動部材14を押圧することによって一方の手のみで行われてもよい。不器用であっても、一連の引き出し行為及び押し行為を十分に行うことができる。更に、この手順はケース1における作動部材13の位置に関係なく同じである。したがって、使用者は、ディスペンサーを操作する前に、いくつのブリスター11が既に圧潰されているかを知る必要がない。
【0049】
本発明の有利な変形例において、作動部材13の押圧面55は、作動部材13の1ステップの動作の間にブリスター11の対応する横向きの列のブリスター11が連続的に圧潰されるように、図13に示されるように長手方向にオフセットしている。この構造によって、使用者が各服用薬26を放出するのに必要な力が減少せしめられる。別の変形例では、押圧面55を横方向に整列させ且つブリスター11の長手方向の列を長手方向にオフセットすることができる。
【0050】
使用者が、ブリスター11が既に圧潰されているかを、すなわちいくつの服用薬がディスペンサー内に残されているかを見ることができるように、ケースの底部2を透明にすることができる。図1及び図3に示されるように、変形例において又は加えて、ケースの頂部3が作動部材13の定められた各静止位置において少なくとも一つの窓58を有し、且つ作動部材13又は作動部材13の一部を、ケースの頂部3の色とは異なる特定の色、例えば赤色にすることができるので、作動部材13の位置は、特定の色が窓58を通して可視化されることによって示されることができる。窓58は、示されるように、頂壁6に設けられた貫通孔の形態であってもよい。
【0051】
上述された利点に加えて、本発明に係るディスペンサーにおいて、ディスペンサーが、限定された大きさを常に保つこと、使用者が操るときに使用者の指が締め付けられるリスクが低いこと、及びブリスターにアクセスできないことは有利であり、ブリスターにアクセスできないことによって、薬が高度の毒性を有し且つ皮膚が薬に接触してはいけない場合に、患者自身のためだけでなく、薬に接触すべきではない人々、特に子供に対する保護が提供される。本発明に係るディスペンサーは、最も好ましくは、抗癌剤、すなわち免疫系に影響する、薬剤の即効性の毒性効果を有する薬剤、例えばプリン類似体(purine analog)、特にクラドリビン又はその誘導体について使用される。クラドリビンは、多発性硬化症(EP 626 853)及び癌の治療に有用であるように提案されてきた塩素化プリン類似体(chlorinated purine analog)である。
【0052】
典型的には、本発明に係るディスペンサーは使い捨て用である。全てのブリスター11が空になった時点で、ディスペンサーは処分される。ディスペンサー、より正確には、ケースの底部2及び頂部3、シャーシ9、上方プレート12、作動部材13、駆動部材14、及び取り外し可能な端キャップ15を、有機ポリマーのような合成材料又は金属から製造することができる。
【0053】
当然のことながら、ディスペンサーにおけるブリスター11の数は様々であってもよい。ブリスター11の配列は、示されるような二列の代わりに、ディスペンサーの使用が考えられる薬量学的処方(posology)に応じて一つの長手方向の列又は二つよりも多い長手方向の列を含むことができる。ディスペンサーはたった一つのブリスターを含むことさえもできる。当然のことながら、貫通孔19、25、28、及び押圧部材29、51の数は、所要のブリスター11の数に適合されるであろう。しかしながら、ディスペンサーについての標準的な大きさ、並びに貫通孔19、25、28及び押圧部材29、51の標準的な数を選択することができ、且つ、ブリスター11の数は、薬量学的処方に応じて、貫通孔19、25、28、及び押圧部材29それぞれの数と等しく、又は貫通孔19、25、29、及び押圧部材29の数よりも少ないであろう。
【0054】
変形例において、上方プレート12を、いくつかのヒンジ接続された硬質要素32から製造する代わりに全体的に硬質にすることができ、且つ発泡プレート10及び切断リング23を取り除くことができる。切断リング23は、必ずしも必要ではないが、ブリスター11から服用薬を放出するのに必要な力を減少させることによって、より小さい大きさの押圧部材29及び作動部材13の使用を可能とする。
【0055】
また、押圧部材29又は前方の傾斜面部分57も取り除くこともできる。
【0056】
横方向に延在する同一の押圧部材29をブリスター11の各横向きの列について使用することができる。
【0057】
更に、駆動部材14に対する一つの引き出し行為及びその後の一つの押し行為によってもたらされる、作動部材13の1ステップの動作によって、ブリスターのいくつかの横向きの列における服用薬が放出されるように、駆動部材14のストロークを増加させることができる。
【0058】
薬に接触すべきではない人々、特に子供達のために更なる保護を与えるために、本発明に係るディスペンサーがロック機構を具備することは有利であり、ロック機構は服用薬26の解放を妨げるべく駆動部材14をその静止位置にロックする。ロック機構はボタンを具備し、ボタンは、駆動部材14をロック解除するために特定の手順に従って操作されなければならない。示される例において(図3参照)、これらボタンは、反対側にある押しボタン60と、スライドボタン61とを含み、反対側にある押しボタン60は、ケース1の側壁8におけるそれぞれの開口に設けられ、且つ、スライドボタン61はケース1の頂壁6における開口に設けられる。「ボタン」の用語は、指が力を伝えるべく載ることができるあらゆる部分を網羅するように、本明細書では広い意味において理解されるべきである。駆動部材14をロック解除するのに行われるべき操作の具体的な手順は以下の通りである。図14において矢印62によって示されるようにスライドボタン61を操作し、次に、スライドボタン61をその操作位置に維持しつつ、図15において矢印63によって示されるように側部の押しボタン60を操作し、その後、側部の押しボタン60をそれらの操作位置に維持しつつ、矢印64によって示されるように駆動部材14を引き出す。一旦、側部の押しボタン60が操作されると、使用者はスライドボタン61を解放することができる。駆動部材14をロック解除するために、側部の押しボタン60をそれらの操作位置に維持することが駆動部材14の引き出し始めにおいてのみ必要とされる。その後、押しボタン60への圧力を維持することなく、駆動部材14をその引き出し位置に向かって自由に移動させることができる。典型的には、ディスペンサーは一方の手に保持され、その手の親指及び別の指が側部の押しボタン60に作用し、且つ他方の手の指が頂部のスライドボタン61に作用し、前記他方の手が、頂部のスライドボタン61を解放した後に駆動部材14を引き出すのに使用される。
【0059】
したがって、駆動部材14をロック解除するために、定められた順序で三つの行為が使用者によって行われなければならないことが理解されるであろう。以下に説明されるように、静止位置におけるスライドボタン61が側部の押しボタン60をブロックして側部の押しボタン60が(駆動部材14がなおもロックされる)中間の押圧位置を越えて移動することを妨げるので、側部の押しボタン60は、スライドボタン61がその操作位置にない間、操作されることができない。また、中間の押圧位置における側部の押しボタン60がスライドボタン61をブロックするので、スライドボタン61は、側部の一つ又は二つの押しボタン60に圧力が適用される間、操作されることができない。単にスライドボタン61を操作することによって、側部の押しボタン60が自由にされるが、駆動部材14は自由にされない。駆動部材14をロック解除するために、操作された側部の押しボタン60を保持する圧力と、駆動部材14に対する引き出し行為とが同時に必要とされる。
【0060】
一般的には、子供は、手が器用ではなく、且つ、駆動部材14をロック解除するのに必要な作業の上述された手順を行うための認知的知識を有しないであろう。更に、側部のボタン60が大きな距離によって隔てられるように、ケース1を十分広く作ることができるので、これによって、子供が、一つの手でディスペンサーを保持して、スライドボタン61をその操作位置に保持しつつ側部のボタン60を押圧し又は側部のボタン60を押圧しつつ駆動部材14を引き出すことが不可能となる。
【0061】
上述された一連の作業を可能とする内部構造が図16〜図19において図式的に示される。スライドボタン61はプレート65から突出し且つプレート65に堅く接続され、プレート65は、ケース1内において、ブリスター11及び作動部材13よりも上方でディスペンサーの長手方向Dに対して平行な方向において摺動可能に案内される。戻りスプリング66が、プレート65の後方端部と、ケース1の頂壁6の内面に堅く接続されたベアリング部67との間に設けられる。示されるように、戻りスプリング66を、プレート65及びボタン61との一体構造で作られるリーフスプリングにすることができる。代替的に、戻りスプリング66を、プレート65の後方端部とベアリング部67との間に配置される従来の金属製リーフスプリング又はヘリカルスプリング(helical spring)にすることができる。ディスペンサーの長手方向Dに沿ったプレート65の二つの側部68が、反対側にあるそれぞれの穴69と、穴69とプレート65の後方端部との間に位置するそれぞれのストッパー突起70とを含む。
【0062】
側部の各押しボタン60は、ケース1の内側において、ロック部72と、U字に曲げられた戻りリーフスプリング73とを具備する部品71の一部であり、U字に曲げられた戻りリーフスプリング73は、プレート65の対応する側部68と、ボタン60との間に延在する。部品71は、ケース1に堅く接続された一部分74によって保持される。ロック部72は、ストッパー突起75及びロック部材76を具備し、ストッパー突起75は横方向において内向きに延在し、且つロック部材76は横方向において外向きに延在する。図16において示されるように、ロック部材76は駆動部材14をロックするために駆動部材14の対応するロック部材77と係合する。ロック部材77は横方向において内向きに延在し且つ駆動部材14のアーム78の端部に配設される。ストッパー突起75は二つの機能を有する。第1機能は、図16に示されるように押しボタン60が押圧され且つスライドボタン61がその静止位置にあるときに、部品71及び押しボタン60が、ロック部材76がなおもロック部材77と係合する前述された中間の押圧位置を越えるのを妨げるために、言い換えればロック部材76、77の係合の解除を妨げるために、プレート65の対応する側部68に当接することである。第2機能は、押しボタン60がその中間の押圧位置に保持される間、スライドボタン61がその操作位置に向かって移動せしめられるときにストッパー突起70をブロックすることであり、これによって、スライドボタン61がその操作位置に到達するのが妨げられる。
【0063】
押しボタン60がそれらの静止位置にあるとき、ストッパー突起75は、ストッパー突起70の通路を遮断せず、このため、スライドボタン61の移動を邪魔しない。したがって、スライドボタン61をその操作位置まで移動させることができる。スライドボタン61がその操作位置(図17)にあるとき、ストッパー突起75は穴69に面する。この配置において、側部の押しボタン60を押圧するならば、ストッパー突起75が穴69に入るであろうから、図18に示されるように、部品71及び押しボタン60は、前述された中間位置を越えてそれらの操作位置に到達することができる。この操作位置において、ロック部材76はロック部材77との係合が外れ、このため、駆動部材14は自由になる。この結果、駆動部材14はその引き出し位置(図19)に到達すべく外側に摺動せしめられることができる。したがって、ストッパー突起75と接触する面及び穴69を備えた、プレート65の側部68はロック手段を構築し、ロック手段は、ロック部材76がロック部材77と係合解除されるのを妨げ又は斯かる係合解除を可能とするように作用する。
【0064】
側部の押しボタン60がそれらの操作位置において保持される限り、スライドボタン61は、ストッパー突起75と穴69との間における協働によって、その操作位置においてブロックされる。ボタン60は、一旦使用者によって解放されると、スプリング73によってボタン60のそれぞれの静止位置に戻される。ブリスター11から服用薬26を放出するために、駆動部材14を単に前方に押すことによってそのロックされた静止位置に戻すことができる。ケース1の側壁8の内面は凹部79を有する。ロック部材76、77は傾斜面80、81(図16参照)を有し、傾斜面80、81は、ボタン60がそれらの静止位置にある間に駆動部材14が前方に押されると、協働し、これによって、ロック部材77が、ロック部材76と係合するロック位置を取り戻すまで、駆動部材14のアーム78は凹部79内へ外側に変形するようになる。
【0065】
本発明の変形例において、側部の押しボタン60を、ケース1と一体構造にすることができ、且つ、ケース1の側壁8内に作られた切欠きによって画成され且つケース1の残り部分に弾性的にヒンジ接続されたタブの形態にすることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が服用薬を含むブリスターの配列を支持する支持材であって、前記ブリスターそれぞれの下方に貫通孔の配列を有する支持材と、
該支持材の上方に配設された作動部材であって、前記支持材に対して平行な定められた方向において、少なくとも1ステップ単位で前記支持材及びブリスターの配列に対して並進移動可能な作動部材と、
対応する前記貫通孔を通して、対応する前記服用薬を放出するために、前記作動部材の並進動作の各ステップを、前記対応する貫通孔に向かって前記ブリスターのうちの対応するブリスターに及ぼされる圧力に変換するための手段と
を具備する、薬の供給のためのディスペンサー。
【請求項2】
前記ブリスターの配列が前記定められた方向に並んで延在するブリスターのいくつかの列を含み、前記作動部材の並進動作の各ステップの間に放出される前記服用薬が前記ブリスターの各列の少なくとも一つの服用薬を含む、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項3】
前記ブリスターの列のそれぞれの服用薬が、前記作動部材の並進動作の各ステップの間、連続的に放出されるように、前記変換手段及び前記ブリスターの配列が構成される、請求項2に記載のディスペンサー。
【請求項4】
前記変換手段が前記作動部材の少なくとも一つの傾斜した押圧面を具備する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項5】
前記変換手段が、傾斜した押圧部材の配列を具備し、各押圧部材が、一方の端部において前記支持材に対してヒンジ接続され、且つ、前記作動部材の並進動作のステップのうちの対応する一つのステップの間、前記作動部材によって前記貫通孔のうちの対応する貫通孔に向かって枢動するように付勢されるように構成され、前記押圧部材の自由端が、前記押圧部材の枢動動作の間、対応する前記服用薬をそこから放出するために、前記ブリスターのうちの対応するブリスターを押圧するように構成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項6】
前記押圧部材が、前記支持材上に設置される上方プレートであって前記ブリスターを受容する貫通孔の配列を有する上方プレートに、前記一方の端部においてヒンジ接続される、請求項5に記載のディスペンサー。
【請求項7】
前記支持材が、硬質のベース支持部材と、該硬質のベース支持部材によって支持され且つ前記ブリスターを支持する圧縮性プレートとを具備し、
前記支持材の貫通孔がそれぞれ切断部材を具備し、
前記作動部材が少なくとも一つの押圧部材を具備し、
当該ディスペンサーが、前記支持材に対して固定されたカム面の配列を更に具備し、
対応する前記ブリスターのシールフィルムが、対応する前記切断部材によって予め切断されるように、前記作動部材の押圧部材が、前記圧力が及ぼされる前に、前記圧縮性プレートを圧縮することによって前記硬質のベース支持部材に対して前記対応するブリスターをより近くに移動させるように、前記作動部材の並進動作の各ステップの間に前記カム面のうちの対応するカム面と協働するように構成される、請求項1〜6のいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項8】
前記圧縮性プレートが前記硬質のベース支持部材と前記上方プレートとの間にあり、該上方プレートが、可撓性のあるリンクによって互いに接続されたいくつかの硬質のプレート要素から成り、各硬質のプレート要素が、前記上方プレートの傾斜した押圧部材の少なくとも一つと、前記上方プレートの貫通孔の少なくとも一つとを有する、請求項6及び7に記載のディスペンサー。
【請求項9】
前記作動部材を駆動するための駆動部材であって、使用者によって操作可能であり、且つ、前記定められた方向とは反対の方向において第1位置から第2位置へ前記支持材に対して並進移動可能であり且つ前記定められた方向において前記第2位置から前記第1位置へ前記支持材に対して並進移動可能であり、前記第1位置から前記第2位置への当該駆動部材の動作では、前記作動部材が前記支持材に対して固定された状態に残され、前記第2位置から前記第1位置への当該駆動部材の動作では、前記作動部材が前記ステップの1ステップ単位で移動せしめられる、駆動部材を更に具備する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項10】
前記駆動部材が、前記定められた方向に対して平行に延在する対向する案内部材であって、各々がその内面上に割出し要素を有する、案内部材を具備し、前記作動部材が、前記案内部材の間に配設され、且つ、前記並進動作のステップ間に前記作動部材の静止位置を画成すべく前記案内部材の割出し要素と協働する側部の割出し要素を有する、請求項9に記載のディスペンサー。
【請求項11】
前記案内部材の割出し要素がノッチから成り、且つ前記作動部材の割出し要素が弾性変形可能なタブから成る、請求項10に記載のディスペンサー。
【請求項12】
前記駆動部材が該駆動部材の第1位置から該駆動部材の第2位置に移動せしめられているときに前記作動部材を前記静止位置に保持するために、前記支持材に対して固定された当接面を更に具備する、請求項10又は11に記載のディスペンサー。
【請求項13】
前記支持材の貫通孔が、少なくとも一つの空洞であって、前記服用薬が前記ブリスターから放出された後に当該少なくとも一つの空洞内に落下する少なくとも一つの空洞と連通し、該空洞が、前記ディスペンサーの端部に設けられた取り外し可能なキャップの内部と連通する、請求項1〜12のいずれかに記載のディスペンサー。
【請求項14】
ケースであって、当該ケース内において、前記支持材、前記ブリスター、前記作動部材、及び前記変換手段が提供されるケースを更に具備する、請求項1〜13のいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項15】
前記ディスペンサーの使用のあらゆる配置において、使用者が前記ブリスターに直接アクセスできない、請求項14に記載のディスペンサー。
【請求項16】
前記ケースが側壁と頂壁と底壁とを有し、
当該ディスペンサーが、
前記ケースに結合された第1ロック手段と、
前記駆動部材に結合され、且つ、前記支持材に対して前記駆動部材を該駆動部材の第1位置にロックするために前記第1ロック手段と係合する第2ロック手段と、
前記側壁にそれぞれ設けられた第1ボタン及び第2ボタンであって、前記駆動部材が、前記定められた方向とは反対の方向において該駆動部材の第1位置から該駆動部材の第2位置へ前記支持材に対して移動せしめられることを可能とするために、前記第1ロック手段と前記第2ロック手段との係合を解除するように操作可能である第1ボタン及び第2ボタンと、
前記第1ロック手段と前記第2ロック手段との間の係合を維持するための第3ロック手段と、
前記第1ボタン及び第2ボタンを操作することによって前記第1ロック手段と前記第2ロック手段との係合を解除することを可能とすべく前記第3ロック手段に作用するように操作可能な第3ボタンと
を更に具備する、請求項9〜12のいずれか1項に従属するときの請求項14又は15に記載のディスペンサー。
【請求項17】
前記第1ボタン及び第2ボタンが前記第1ロック手段と前記第2ロック手段との係合を解除すべく前記第1ロック手段に作用するように操作可能である、請求項16に記載のディスペンサー。
【請求項18】
前記第3ロック手段が、前記第3ボタンが静止位置にある間に前記第1ボタン及び第2ボタンを操作する試みがなされると前記第1ロック手段をブロックするように構成される、請求項17に記載のディスペンサー。
【請求項19】
前記第1ボタン及び第2ボタンが押しボタンであり、且つ前記第3ボタンがスライドボタンである、請求項16〜18のいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項20】
前記第3ロック手段が、前記第3ボタンを保持する摺動可能な部分の側部であり、該側部が、前記第3ボタンが静止位置にある間に、前記第1ボタン及び第2ボタンを操作する試みがなされると前記第1ロック手段のストッパー突起をブロックするように構成され、且つ、前記第3ボタンが操作位置にあり且つ前記第1ボタン及び第2ボタンが押圧されるときに前記ストッパー突起が中に入る穴を具備する、請求項18及び19に記載のディスペンサー。
【請求項21】
前記摺動可能な部分の側部がストッパー突起を更に具備し、該ストッパー突起が、前記第3ボタンが該第3ボタンの静止位置から該第3ボタンの操作位置に移動するのを妨げるために、前記第1ボタン及び第2ボタンが押圧されるときに前記第1ロック手段のストッパー突起によってブロックされる、請求項20に記載のディスペンサー。
【請求項22】
前記第3ボタンが前記ケースの頂壁に設けられる、請求項16〜21のいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項23】
前記第1ボタン及び第2ボタンが、同時に操作されるときのみに前記第1ロック手段と前記第2ロック手段との係合を解除するように構成される、請求項16〜22のいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項24】
前記ブリスターがいくつかの別個のブリスターパックとして構成される、請求項1〜23のいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項25】
前記薬が、癌の治療のための薬剤、すなわち即効性の毒性効果又は免疫系への効果を有する薬剤を含む、請求項1〜24のいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項26】
前記薬がクラドリビン又はその誘導体を含んで成る、請求項25に記載のディスペンサー。
【請求項27】
請求項1〜26のいずれか1項に記載のディスペンサーと、該ディスペンサーの取り扱い方法、前記薬の管理、及び該薬の服用についての情報を含む説明書とを具備する、キット。
【請求項28】
請求項9及び13に係るディスペンサーを操作する方法であって、
前記支持材に対して前記駆動部材を該駆動部材の第1位置から該駆動部材の第2位置に引き出すステップと、
前記支持材に対して前記駆動部材を該駆動部材の第2位置から該駆動部材の第1位置に押すステップと、
前記放出された服用薬を重力によって前記キャップ内に落下させるべく前記ディスペンサーを傾けるステップと、
前記放出された服用薬を回収するために前記キャップを取り外すステップと
を含む、方法。
【請求項29】
請求項13及び16に係るディスペンサーを操作する方法であって、
第1の手に前記ケースを保持するステップと、
第2の手の指で前記第3ボタンを操作するステップと、
該第3ボタンを該第3ボタンの操作位置に維持しつつ、前記第1の手の二つの指で前記第1ボタン及び第2ボタンを操作するステップと、
前記駆動部材をロック解除するために、前記第1ボタン及び第2ボタンを該第1ボタン及び第2ボタンの操作位置に維持しつつ、前記第2の手で前記支持材に対して前記駆動部材を引き出すステップと、
該駆動部材が前記支持材に対して該駆動部材の第2位置に到達するまで、該駆動部材を引き出し続けるステップと、
前記支持材に対して前記駆動部材を該駆動部材の第2位置から該駆動部材の第1位置に押すステップと、
前記放出された服用薬を重力によって前記キャップ内に落下させるべく前記ディスペンサーを傾けるステップと、
前記放出された服用薬を回収するために前記キャップを取り外すステップと
を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2012−508677(P2012−508677A)
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543829(P2011−543829)
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際出願番号】PCT/IB2009/007006
【国際公開番号】WO2010/055377
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(309025524)メルク セローノ ソシエテ アノニム (49)
【Fターム(参考)】