説明

薬保管容器

【課題】確実に単一の曜日だけが開く薬保管容器を提供する。
【解決手段】保管容器の形状を円筒にすることで、容器の側面のカバー1が回転可能となり、カバーの一部に扉を設ける。その容器の内部を複数の隔壁で区切り個室4を設け、各個室のカバーに接する部分に内扉5を設置する。開けたい曜日(個室)に合わせてカバーを回転させ、カバーに設けた扉を移動し、開閉する。カバーに設けた扉を開けると共に個室に設置した内扉も開くことで、カバーの回転にロックがかかり、複数の曜日が同時に開くことはなく、確実に単一の曜日だけが開くという特徴を持つ薬保管容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院や薬局で処方された薬や小売店で購入したサプリメント等の保管容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、1週間分の薬を曜日毎に分けて保管するには、ピルケースや壁掛けのお薬カレンダーなどが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
薬の飲み忘れや重複服用を防ぐため、曜日毎に仕切られた薬保管箱がある。服用する際、薬保管箱の蓋を開けるが、複数の曜日の蓋が同時に開いてしまう可能性があり、その場合、薬が混合してしまい、服用できないケースが起きる。
本発明は以上の問題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、薬保管容器の形状を円筒にし、前記容器の側面のカバーは回転可能で一部に扉を設け、前記容器の内部は複数の隔壁で区切り個室を設置し、前記カバー及び前記個室の前記カバーに接する部分には内扉を設け、前記カバーの扉を開くと共に前記内扉も開き前記カバーの回転をロックする手段を備えたことである。なお、ここに言う前記カバーの回転をロックする手段とは、前記扉と前記内扉に設けたマグネットが互いに磁着することによって、前記扉と前記内扉が一体となり引き合うため、前記カバーの回転を完全に停止するために生ずる作用のことである。
以上の構成によりなる薬保管容器。
【発明の効果】
【0005】
薬保管容器の複数の曜日の扉が同時に開いてしまうことがないため、薬が混合してしまい服用できないケースが全く起こらない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の未使用状態を示す斜視図
【図2】本発明の使用状態を示す斜視図(上蓋を外した状態)
【図3】円盤に設けた溝を示す斜視図
【図4】本発明の実施例の上蓋を外した状態を示す平面図
【図5】本発明の実施例の上蓋を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明すると、薬保管容器は、円筒状で回転可能なカバー(1)と台座となる円盤(2)と上蓋(3)と各個室(4)を隔離する複数の仕切り(隔壁)(7)と扉(8)によって形成されている(図1、図2)。
カバー(1)の側面に、保管した薬等を取り出すための取り出し口(1a)を設ける。さらに、円盤(2)の上面にカバー(1)が脱落しないための溝(2a)を設けると共に、カバー(1)の内部を仕切るための隔壁(7)を複数設けてある。
個室(4)のカバー(1)に接する部分には、内扉(5)を設け、一端に磁石(6)を設ける。
【0008】
取り出し口(1a)を閉じるためにカバー(1)の湾曲に沿った扉(8)を設け、また扉(8)を閉めてカバー(1)に固定するため、お互いに磁着するようにカバー(1)に磁石(10)、扉(8)に磁石(11)を設置する。また、扉(8)の中ほどに内扉(5)に設置した磁石(6)と磁着するための磁石(9)を設ける。
【0009】
図3に示す円盤(2)の少なくとも一方の面には、カバー(1)を安定的に保持し、且つカバー(1)の揺れや脱落を防止するための溝(2a)を設けると良く、この溝(2a)の深さは、カバー(1)を回転させる作業において、カバー(1)が安定的に回転し且つ脱落することのない深さであることが望ましく、また、個室(4)の保管されている薬等がこぼれ出すことのない、形状であることが望ましい。
【0010】
本発明は以上のような構造であるから、これを使用するには、円筒の上蓋(3)を開け、1週間分の薬(あるいは服用時間毎の薬)を充填し、上蓋(3)を閉める。開けたい曜日(あるいは服用時間帯)へカバー(4)を回転させることで扉(8)を移動する。カバー(4)に設けた扉(8)を開けると、内扉(5)に設けた磁石(6)と扉(8)の磁石(9)が引き合い、扉(8)と内扉(5)が重なり合って一体となるため、カバー(4)の回転はロックされ、動かない。薬保管容器ごと傾けて、薬を出し、再び扉(8)を閉めると内扉(5)も閉まり、扉(8)をカバー(4)に沿わせて閉じる。
【実施例】
【0011】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、1日1回服用の薬を1週間単位で保管する場合(図4)、保管容器の内部を仕切り(隔壁)(7)で7つに区切り個室(4)を7つ設け、円盤(2)も7つに区切り円盤(2)に各曜日を記入する。服用する薬(またはサプリメント)を各曜日毎に充填する。保管容器の上蓋(3)の上面には、プリザーブド フラワー(12)を設けても良く(図5)、この他に、カレンダー、又は写真、又は時計、又はアートフラワー、又はフィギュア、又はプラモデル、又はスワロフスキー、又はラインストーン、又はスイーツデコ等、装飾性のある小物類を設けることも可能である。また、保管容器の内部(中央部)には、除湿剤などを内蔵するスペースを設ける場合がある。
他に使用例として、1日の服用時間毎の単位で保管する場合、保管容器の内部及び円盤を4つ(もしくは7つ)に区切り、円盤に朝食後、昼食後、夕食後、就寝前(もしくは、朝食前、昼食前、夕食前も追加)と記入する。服用する薬を時間毎に充填する。
さらに、薬以外の保管容器の使用例として、保管容器の内部を適宜、複数に区切り、チョコレートや飴などのお菓子類や、指輪やピアス、イヤリングなどのジュエリーを保管する容器として使用することも可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0012】
1 カバー
1a 取り出し口
2 円盤
2a 溝
3 上蓋
4 個室
5 内扉
6 磁石
7 仕切り(隔壁)
8 扉
9 磁石
10 磁石
11 磁石
12 プリザーブド フラワー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を円筒にし、前記容器の側面のカバーは回転可能で一部に扉を設置し、前記容器の内部は複数の隔壁で区切り個室を設け、前記カバー及び前記各個室の前記カバーに接する部分に内扉を設置し、前記カバーの扉を開くと共に前記内扉も開き前記カバーの回転をロックする手段を備えたことを特徴とする薬保管容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−130642(P2012−130642A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−294815(P2010−294815)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(511015021)
【Fターム(参考)】