薬剤を供給するためのディスペンサ
粒子材料(10)を気化する方法であり、その方法は、それぞれが場合によっては個別の粒子材料(10)を収容しそれぞれが少なくとも1つの構成要素を有する1つまたは複数の容器(15)を用意するステップと、容器(15)の少なくとも1つの粒子材料(10)を流体化するステップと、容器(15)の少なくとも1つから熱的に絶縁された気化領域(50)を設けるステップとを含んでいる。その方法は、各容器(15)から受け取った粒子材料を気化領域(50)に送達するステップと、送達された粒子材料(10)を気化領域(50)で気化するように熱を加えるステップとをさらに含んでいる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者管理において使用する投薬装置に関し、具体的には、限定はしないが、計量した用量の薬剤または治療薬を投与することに関する。本発明の一態様は、疼痛緩和薬の舌下送達のための投薬装置に関するが、本発明の他の用途は、吸入送達などの他の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
医師の指示の下で患者が薬を自分で投与できるように、計量した服用量の製剤を投与するために利用される多数の様々なディスペンサがあり、そのようなディスペンサには、主として、計量弁を有する加圧投与容器を利用するエアゾールディスペンサと、計量した薬を投与するように構成されたポンプ室を有するポンプディスペンサとがある。製剤が潜在的に危険なまたは高価な薬剤である場合、過剰投与を避けるために、ディスペンサの使用を調整することが重要である。
【0003】
所定の服用スケジュールに従わない吸入ディスペンサの作動を防止するためのロックアウト機構が、例えばUS4934358に開示されている。同様に、GB2368061Aには、所望の投与計画に従って電子的に解放されるまで、さらなる投与を防止するロック機構が開示されている。
【0004】
また、医師の要求に従って投与管理形態を提供するようにプログラムできる制御回路を投薬装置に設けることも、WO03/097141により知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、市場性のある製剤に実際的な解決策を提供するために、そのような投薬装置における改善をもたらすことを目的とする。本発明は、WO2004/080382に記載されているように、例えばフェンタニルなどの薬剤の配合物を投与するために使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様において、ディスペンサは、弾性自己ロック機構を有するロックを備えており、その弾性自己ロック機構は、各服用量が投与された後にロックをロック状態にするためのものである。ロックがいつこのロック状態となるかを感知するためにセンサーが設けられており、また、制御回路がそのセンサーに応答し、ロックアウト期間の後に動作可能となり、ロックをアンロック状態に戻すようにロック作動器を通電する。
【0007】
別の態様において、ロックは、ロックの作動とは独立して動作可能な第1および第2の保持手段に含められており、したがって、作動器は、ロックをロック状態からアンロック状態に、またはアンロック状態からロック状態に変化させるときにのみ、作動させられることが必要となる。
【0008】
好ましい実施形態において、プッシュプッシュ機構は、弾性自己ロック機構を構成することに加えて、ロックおよびアンロックの双方に対してロックが制御回路に応答できるようにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
ここで、本発明の実施形態について、単に一例としてまた添付の図面を参照して説明することにする。
【0010】
図1の実施形態は、疼痛緩和に用いられる麻酔製剤の舌下送達に好適な投薬(投与)装置1を備えている。ハウジング2は、上端部でボタン3によって閉じられており、そのボタン3は、容器に保持された製剤の1回分の服用量(投与量、ドーズ)を投与したいと望む使用者によって、ハウジングに対して手動で押し下げることができる。ボタン3は、容器の上方に配置されており、内部の停止機能によって、ハウジングから取り外されないように拘束されている。ボタン3はまた、開口部を画定しており、その開口部を通して、投与ノズル5が製剤のエアゾールスプレーを供給する。
【0011】
窓6がハウジング2に形成されており、その窓6を通して、容器内の製剤の有無および/または量を点検することができる。ボタン3は孔7を有しており、内部ロックの現在の状態を確認するためのインジケータは、その孔7を通して視認することができる。使用前のくずの進入からボタンを防護する方式でハウジングに留めるように、取り外し式ダストキャップを設けてもよい。
【0012】
視認窓6の形状および寸法は、例えば容器の長さに応じて異なってもよい。
【0013】
図2は、ガラス壁付き容器21と、作動器22とを有する投薬装置1の内部構造を示し、その作動器22は、作動器が押し下げられたときに投与ノズル5を通してエアゾールスプレーを供給するためのものである。ボタン3は、突起23および24によって作動器22に配置されており、作動器は、突起23と周囲で係合する概ね円筒形の外面と、突起24によって配置される開口部とを有している。ボタン3をハウジング2に対して押し下げると、容器の縦軸に沿って作動器の押し下げが生じて、ディスペンサの投与ストロークがなされる。作動器22の上端部に形成された開口部に突起24を配置していることにより、ボタン3に対する作動器の心狂い(ずれ)が防止され、それによって、投与ノズル5は、アプリケータ4によって画定される開口部と整列した状態に維持され、妨げのない送達が確実となる。
【0014】
ボタン3は、ハウジングから取り外されることを、協働する停止構成体9によって防止している。ハウジング2は、スナップ嵌め連結子によってハウジングの側壁部分に連結されたシャーシ10を有している。
【0015】
また、ディスペンサは、作動器22の作動を選択的に防止するロック25と、ロック25を電気的に解放する制御回路26とを有している。
【0016】
図2はまた、ロックを通電するための一次電池27と、制御回路26の動作用の二次電池28と、コンデンサ29とを示す。
【0017】
ロック25は、ロック位置へまたロック位置から移動可能となるように、作動器の押し下げの方向に対して垂直な方向に滑動可能なロック部材30を備えており、そのロック位置において、ロック部材の端部部分31は、投与ストロークの達成を防止するために作動器22の移動を制限する。
【0018】
図2において、ロック部材30は、ロック25がアンロックされており、端部部分31が作動器22の軸方向移動を妨げることのない位置にある状態で示されている。
【0019】
圧縮コイルばねの形式としたばね32が、ロック部材30を作動器22に向かって付勢している。図2に示すように、ロック25がアンロック状態にあり、ボタン3が休止位置にあるとき、ロック部材30は、ばね32の作用に反してラッチ33によって固定されており、そのラッチ33は、図3により明確に示すように、ロック部材に形成された開口部34内に突出している。ラッチ33は、円筒形ピストン35に装着された半球形(ドーム形)の頭部を備えており、その円筒形ピストン35は、固定シリンダ36内で滑動可能であり、ロック部材30とラッチ係合するように第2のばね37によって上向きに付勢されている。
【0020】
作動器22から離れた端部42において、ロック部材30は、レバー43の一方の端部に旋回式に連結されており、そのレバー43の他方の端部は、プルソレノイド45のプランジャ44に連結されている。レバー43は、2:1のてこ比を働かせるように配置された旋回ピン46の周りで旋回させられ、それによって、ソレノイドプランジャ44がロック部材30に与える運動が増幅される。この増幅運動は、ソレノイド45を通電したときにロック部材30の滑動動作をもたらすために与えられる。ソレノイド45は、プルソレノイドであるため、このソレノイドを通電すると、プランジャ44はソレノイドの中に引き込まれ、また、レバーの作用によってロック部材30は作動器22に対して外側に付勢される。
【0021】
一本の脚部または一対の脚部47が、ボタン3から突出してラッチ33の上面と接触しており、したがって、ボタン3を押し下げると、ラッチ33の半球形頭部を開口部34から後退させてロック部材30を解放する方向に、ラッチ33が第2のばね37の作用に反して押される。以下で説明するように、この解放は、ロックされたときに可能な移動の限界を越えたある点まで作動器22が押し下げられたときに初めて発生し、したがって、解放されたロック部材はまだ、ロック位置まで完全には前進することができない。
【0022】
電気接触ピン(不図示)が、レバー43に隣接した固定位置に配置されており、弾性接触子49と接触可能となっているが、その弾性接触子49はレバーに装着されており、また、以下で説明するようにロック25がロックされた状態にあるときは常にピン同士の間の電気接触をなすように構成されている。
【0023】
図4は、図2と同じ状態にあるディスペンサの一部分を示す。この構成において、ロック25はアンロック状態にあり、ロック部材30は完全に後退した位置にラッチしている。接触子49は接触ピンに触れていない。
【0024】
図5は、ボタン3が部分的に押し下げられているところを示しているが、結果として、作動器22は、作動器22によって画定される肩部60がロック部材30の位置を越えることができる位置へと、容器21に向かって動作しており、一方で、ロック部材30は、ラッチ33の動作によって作動器の移動を制限することなく維持されている。
【0025】
この位置を過ぎると、脚部47は、ロック部材がばね33の作用の下で滑動動作によって作動器に22に向かって自在に前進する位置へ、ラッチ33を押し下げる。この滑動動作によって、結果的に、ロック部材33は、作動器が引き続き移動すると、作動器22の円筒形表面と滑り接触することになる。
【0026】
図5はしたがって、アンロック状態にあるロック25を示すが、このアンロック状態において、ロック部材30はラッチしておらず、そのため、以下でさらに説明するように、ボタン3の復帰ストロークの間に自己ロック動作をもたらすように準備を整えている。接触子49は依然として接触ピンに触れていない。
【0027】
図6は、移動の程度が最大となるボタンの位置を示し、この点において、ディスペンサは、エアゾール形式の1回分の服用量のスプレーを投与ノズル5を通して投与させる。このディスペンサは、例えば6mmのストロークを通じた作動器22の1回の作動変位に対して、1回分の服用量のみを投与しうる種類のものである。移動の初期の部分、例えば押し下げの最初の2mmでは、スプレー出力は生じず、作動器の動作におけるある程度のオーバトラベルをなしている。計量した服用量(薬、ドーズ)を放出した後、さらなる投与は直ちに可能とはならない。作動器22が、図4に示すように、休止位置から移動の初期部分内へ戻されているとき、作動器22を図6に示す位置へと押し下げて、さらなる投与ストロークを行うことができる。
【0028】
図6に示す完全に押し下げられた位置において、ロック部材30は依然として作動器22の円筒形表面と滑り接触している。ロック25はしたがって引き続きアンロック状態にあり、ロック部材は自己ロック動作の準備を整えている。接触子49は依然として接触ピンに触れていない。
【0029】
図7は、ボタン3が部分的に解放されており、かつボタンが作動器22と共に休止位置に復帰する過程にあるさらなる位置を示す。この復帰ストロークは、容器21内に弾性機構が存在することによって達成されるが、それには、一般に、作動器が装着されている弁心棒を、作動器が完全に上昇する拡張位置へと付勢するコイルばねが存在することが必要である。
【0030】
図7において、ロック部材30は、作動器が次第に上向きにかつ容器21から離れて移動するとき、作動器22の円筒形表面との滑り接触を維持している。肩部60の位置は、最後には、ロック部材30の上面から離れる高さに上昇し、そのロック部材30は次いで、図8に示すようにばね32の影響下でロック位置に移動することが可能となる。接触子49は依然として接触ピンに触れていない。
【0031】
図8において、ロック部材30の端部部分31は、肩部60から内側に延びている。このロック状態において、引き続きボタン3を押し下げると、肩部60は、ロック部材30の上面と端部部分31において軸方向に係合し、その結果、ロック部材30は作動器の移動を制限し、さらなる服用量が投与されうる位置に作動器が達するのを防止する。
【0032】
図8に示すロック状態において、レバー43は、電気接触が接触ピンと接触子49との間でなされる位置に傾いており、それによってこの接触ピンと接触子49は共に制御回路26が応答するセンサーをもたらしている。センサーの電気条件においてこのように状態が変化すると、1回分の服用量が投与されたことを示すものとして、制御回路26によって解釈される。実際には、ロック25は作動器22の復帰ストロークを通じて途中までロック状態に移行しないので、センサーが状態を変化させるタイミングは、1回分の服用量が投与された時点のちょっと後である。実際には作動器22は1回分の服用量の投与後に直ちに解放されるので、このタイミングの遅延は許容されるものとなる。
【0033】
投薬装置1のロック状態において、さらなる服用量が投与されることはない。制御回路26は、ロック状態に移行した時点からの経過時間を測定することによって、さらなる服用量を投与すべくロック25を解放することができるさらなる時期を決定するように構成されている。そのようなロックアウト期間が経過した後、制御回路26は、ソレノイド45を通電し、それによって図9に示すようにプランジャ44を引き込むことによって、ロック25をアンロックする。この動作は、レバー43を介してロック部材30に伝えられ、ロック部材は、図9に示す位置へ後退されるが、その位置において、ラッチ33は再びロック部材と係合することができる。ラッチ33と係合した後、図4に示す休止状態が再び達成され、その際ロック25はアンロック状態を維持するが、ロック部材30は、端部部分31がもはや作動器22の移動を制限しない位置へと後退している。したがって、さらなる服用量をいつでも投与することができる。さらなる服用の後、ロック25は再び自己ロックし、それによって、ロックが解放されるまでの、制御回路26によるさらなるロックアウト期間の測定が開始される。制御回路は、服用量が投与された回数を保持して、服用量が投与された頻度を計算するように構成してもよく、また、処方された服用スケジュールに従うために、ロックアウト期間の長さをそれに応じて調節するように構成してもよい。
【0034】
ソレノイド45を通電するために、制御回路26は、充電電圧をコンデンサ29に印加し、適切な充電期間の後、出力電圧をソレノイドに接続して、ソレノイドを作動させるための電流パルスを供給する。ロック部材30は次いでラッチ33の動作によって固定されるので、ロック25がロック状態からアンロック状態へ推移する間のみソレノイドを通電すれば十分である。ロックはその後、エネルギーを消費することなく、無期限にアンロック状態に維持することができる。同様に、センサーは、ロック25がロック状態にあるときにのみ、電流を流す。しかしながら、このことが生じるのは通常、数時間未満、例えば1時間のロックアウト期間内のみであるため、センサーの使用は、制御回路26の電流源における持続的なドレインを表すものではない。これらの特徴は、典型的には3年程度である装置1の保存寿命を延長するのに寄与する。
【0035】
第2の実施形態についてこれから説明することにする。第2の実施形態は、第1の実施形態と共通する多数の特徴、例えば図1に示すものと同じ全体的な外観を有しており、対応するまたは等価な特徴を有する内部構成要素に対しては、同じ参照番号を用いることにする。第2の実施形態における構成要素の詳細な説明は省略することにするが、明らかなこととして、第2の実施形態における構成要素は、第1の実施形態に関連して先に説明した特徴に対応しており、したがって、第1の実施形態の説明の一部が、必要に応じて組み込まれると仮定することができる。
【0036】
第2の実施形態は、主として、ロック25の細部の構成において、また制御回路26の動作のある態様において第1の実施形態と異なっている。図10は概略図である。
【0037】
図11に拡大図で示すように、第2の実施形態のロック25はロック部材30を有しており、そのロック部材30は作動器22の肩部60に隣接する端部部分31を有している。ロック部材30は、他方の端部においてレバー43への旋回連結部を有しており、そのレバー43は、ロック部材とソレノイド45のプランジャ44との間の旋回式リンク機構として働く。
【0038】
ロック部材30は、ばね32によって作動器22の動作線に向かって付勢されており、また、図11に示す、ロック25がアンロックされている休止位置において、ラッチ機構120によってばねの作用に応答して移動するのを防止されている。ラッチ機構120は、ラッチ機構の2つの取り得る安定状態を与えるプッシュプッシュ機構である。第1の安定状態は、図11に示すように、ロック25のアンロック状態に対応する。第2の安定状態は、図13に示すように、ロックのロック状態に対応し、そのロック状態において、ロック部材30は、第1の端部部分31が作動器に接触することによって作動器22の移動を制限する位置に前進される。
【0039】
ラッチ機構120は、カム従動子ピン121とカム軌道122の面との相互作用に基づくものである。カム従動子ピン121は、図11に示すように、床面126と確実に接触するように板ばね127によって弾性的に付勢されている。カム軌道122は、図14から16では概略的に、図17ではより詳細に示されている。カム軌道122は閉じた経路を画定しており、その経路の周りで、カム従動子ピン121の自由端部123は移動することができるが、カム従動子ピンの固定端部124は依然として静止しており、したがって、作動器22に対するロック部材30の位置は、軌道に対する自由端部123の瞬間的な位置によって決まる。
【0040】
カム軌道122は、自由端部123の2つの安定な位置を画定している。アンロック状態に対応する第1の位置を図14に示し、ロック状態に対応する第2の位置を図16に示す。
【0041】
図17に概略的に示すように、カム軌道122は、側壁125および傾斜した床面126によって画定されているが、その床面は、ラチェットの様な方式で傾斜しており、カム従動子ピン121の自由端部123を、閉じた経路の周りで一方向に移動させ、したがって逆戻りが不可能となるようになっている。
【0042】
プッシュプッシュ機構が動作するためには、まずロック部材30の後退運動(すなわち図示のように右向き)が、カム軌道122の中間部分に自由端部123を配置するために、また、それに続くロック部材30の前進運動(すなわち左向き)が必要となるが、その前進運動は、プッシュプッシュ機構の次の利用可能な安定状態に達するまで継続する。図14から16に示すように、後退運動(右向き)は、以下で説明するように、ソレノイド45の通電によって、またはボタン3の押し下げで生じる機械的な起動力によって開始することができる。続く前進運動(左向き)は、ばね32の作用によってなされる。
【0043】
図11を参照すると、第2の実施形態のディスペンサが、休止状態にあるところを示してあり、その休止状態において、ロック25はアンロック状態にあり、ボタン3は完全に上昇している。この位置において、ロック部材30の端部部分31は、規定された半径方向隙間が作動器の肩部60と端部部分との間に存在するため、作動器22の下向き移動に対して制限を行わないように後退している。
【0044】
ボタン3は一対の脚部128を有しており、その脚部それぞれは、下端部において面取りされてカム面129を設けている。休止位置においては、図11に示すように、脚部128は、ロック部材30から依然として離れている。この構成において、ロック部材30は、図14に示すように、カム軌道122と協働するカム従動子ピン121によって、作動器22に向かう前進動作をしないように拘束されている。
【0045】
1回分の服用量を投与することが必要なとき、ボタン3が手動で押し下げられ、それによって、容器21に向かう作動器22の下向き移動が開始される。脚部128は、ロック部材30に向かって移動すると共にロック部材30と接触し、また、カム面129とロック部材30の上縁部との間でカム作用が生じ、結果としてロック部材30は作動器22から離れる方向に移動する。ロック部材30はこのようにカム作用によって後退され、図15に示す位置へと移動するが、ロック部材30の後退(図15の右への移動)は、図15に示すように、カム従動子121の自由端部123がカム軌道122内で中間位置に移動することによって達成される。
【0046】
次いで、図12に示すように服用量が投与され、ボタンは休止位置に向かって上昇するように解放される。この初期移動の間、脚部128は、図14から16に示すように、ロック部材30内の開口部130を通って突出し、また、開口部内に脚部が存在することによって、ロック部材30がさらに移動することが防止される。
【0047】
作動器22の肩部60が端部部分31から離れ、脚部128が上昇して開口部130から離れる程度まで、ボタン位置が上昇すると、ロック部材30はこの拘束から解放される。ばね32の作用により、ロック部材30の位置は、作動器22に向かって前進し、図16のロック位置で停止するようになるが、そのロック位置において、ラッチ機構120は第2の安定状態となっており、カム従動子の自由端部123がロック部材のさらなる前進を阻止している。
【0048】
ここで、ロック25は、図13に示すようにロック状態にあり、そのロック状態において、ロック部材30の端部部分31は、作動器22の移動を制限し、それによっていかなる投与ストロークの実施をも防止するように配置されている。
【0049】
このロック状態において、レバー43の位置は、接触ピンと接触子49との接触がなされるような位置である。これによって、ロックがロック状態となっていることが制御回路26に伝えられる。
【0050】
次いで、制御回路26は、ディスペンサのさらなる作動が許可されないロックアウト期間の測定を開始する。ロックアウト期間の終了時に、制御回路がソレノイド45を通電し、その結果、プランジャ44がソレノイド内に引き込まれるが、この動作はレバー43を介して伝えられ、後退する起動力がロック部材30に加えられる。次いで、ソレノイドが通電を停止され、ロック部材30は、図14の構成に対応する新たな安定状態へと弛緩されるが、その安定状態においてロックはアンロック状態にある。
【0051】
ディスペンサをさらに作動させると、上記の手順が繰り返されることになるが、その手順において、ロック25は、各服用量が投与された後に自動的に自己ロックし、続いて、制御回路26によってソレノイドを始動させることによってのみアンロックされる。
【0052】
制御回路26は、さらにまたは別法として、さらなる服用量がロック25のアンロックから所定の期間内に服用されない場合、さらなるロックアウト期間を開始するために制御回路がソレノイド45を再び通電するという服用スケジュールを提供するように構成されてもよい。ソレノイド45を通電することにより、図15に示すように、起動力が加えられてロック部材30が後退され、その結果、ソレノイドが通電を停止されると、図16に示すように、ロック部材が新たなロック状態へと弛緩する。この状態は、制御回路26が再びソレノイド45を通電して、ロックをアンロック状態にするようにラッチ機構120の状態を変化させるまで継続する。
【0053】
第1の実施形態とは異なり、第2の実施形態において、制御回路26は、単にソレノイド45を通電することによって、ロック25をアンロックすることができるだけでなく、再びロックすることもできる。
【0054】
一例において、初期の投与ストロークの後、制御回路26は、4秒間という第1のロックアウト期間を測定し、その期間に続いて直ちにソレノイドが通電されて、ロックの状態がアンロック状態へと変化する。次いで、この状態の変化から例えば15分間という服用許容期間が規定される。この服用許容期間内にさらなる投与ストロークが起こると、自動ロック作用によって、ロックがロック状態に戻り、次いで制御回路26が、再びソレノイドを通電してロックをアンロック状態に戻すまでの、例えば2時間という第2のロックアウト期間を測定する。
【0055】
しかしながら、投与ストロークが服用許容期間内に発生しない場合、制御回路26は、第2のロックアウト期間の終了時にソレノイドを通電して、例えば1時間45分というさらなるロックアウト期間にわたってロックをロック状態に戻す。次いで、制御回路26がソレノイドを通電してロックをアンロック状態に戻し、さらなる1回分の服用量の投与を許可する。
【0056】
類似したまたはより複雑な他のパターンを考案し、必要な服用スケジュールに従って制御回路26で実施することができる。
【0057】
制御回路26は、ある状態から別の状態への推移の間にのみソレノイド45を通電することが必要となり、それによって、制御回路に利用可能な電流源におけるドレインを最小限とし、電池の寿命を延長する。センサーは同様に、ロック25のロック状態が感知されたときのみ電流を流す。
【0058】
第1および第2の実施形態のそれぞれにおいて、制御回路26は、任意選択によりフェイルセーフ機能を含むことができ、そのフェイルセーフ機能により、ソレノイド45の各通電の後、センサーの状態が測定され、予想されるセンサーの状態と比較される。例えば、第1の実施形態において、ソレノイド45の各通電の後、ロック25はロック状態からアンロック状態へと遷移しなければならない。それにもかかわらずセンサーが、ロックが依然としてロック状態にあることを示す場合、このことは、制御回路26によって故障状態であると解釈することができる。制御回路26によって実施される修復措置は、必要なセンサーの状態が検出されるまでソレノイド45を繰り返し通電することであってもよい。最大の繰り返し試行回数は、制御回路26によって設定することができ、その回数の後に、制御回路はフェイルセーフモードに入ることができるが、そのフェイルセーフモードにおいてはソレノイド45をさらに通電することは許可されない。
【0059】
第2の実施形態において、ソレノイド45の各通電の後、センサーの状態は、ソレノイドを通電する前のロック25の初期状態に応じて、ロックのロック状態またはアンロック状態のいずれかに対応するように変化しなければならない。状態の遷移が生じていない場合、上で示したように、次いで、制御回路26によって、異常な状態が存在すると判断し、適切な修復措置をとることができる。
【0060】
本発明のディスペンサは視覚的インジケータを有することができ、その視覚的インジケータは、図1に示す孔7を通した点検によってロック部材の位置を決定することができる位置で、ロック部材30の横縁部に設けられる。例えば、赤および緑のドットをロック部材に付けて、緑のドットが視認されるときアンロック状態を示し、赤のドットが視認されるときロック状態を示すようにしてもよい。
【0061】
上記の実施形態のそれぞれにおいて、制御回路26は、マイクロプロセッサ、ソレノイド45,接触ピン、および接触子49をコンデンサ29および周辺の構成部品と共に装着したプリント回路基板からなる。マイクロプロセッサは好ましくは、決定的ソフトウェアでプログラムされるが、その決定的ソフトウェアは、ロック25をアンロックするタイミング、また第2の実施形態の場合は任意選択によりソレノイド45を通電することによってロックを再度ロックするタイミングを調整するためのものである。
【0062】
本発明のディスペンサは、新たな服用スケジュールに従ってマイクロプロセッサを再プログラムすることを可能にする手段を有することができる。制御回路は装置の投与履歴を記憶することができ、その投与履歴は解析のために後にダウンロードすることができる。
【0063】
上記の実施形態のそれぞれにおいて、ロック部材の質量は、ソレノイドプランジャの質量とのバランスを動的にとるように選択されており、その結果、装置がショックまたは衝撃を受けたとき、ロック部材とソレノイドの慣性効果により、実質的に大きさが等しくかつ反対向きの回転モーメントが旋回ピン46の周りに作用し、したがって、ロック部材に加えられる正味の回転モーメントは最小となる。ばね32は、ロック部材の正味のいかなる動作をも防止するように、十分な拘束をもたらしている。したがって、装置が不測のまたは計画されたショックおよび衝撃を受けたとき、ロックの状態が誤って変化することが回避される。
【0064】
開示した実施形態に対する多数の変形が考えられる。例えば、作動器22およびボタン3は、一体に形成されてもよい。アプリケータ4は、吸入療法などの他の送達形式に好適となるように修正されてもよい。あるいは、ボタンは、複数の別のアプリケータに接続可能となるように構成されてもよい。
【0065】
ディスペンサは、舌下送達の場合のように、低い速度のエアゾール送達が要求されるときには特に、ポンプディスペンサを含むことができ、また、別法として、吸入療法の場合など、より高い速度のエアゾールが要求されるときには特に、加圧投与(分配)容器を含むことができる。
【0066】
他の形式のセンサーが、ロックのロック状態を感知するために使用されてもよい。例えば、ロック部材自体の位置を、また別法としてソレノイドプランジャの位置を感知することができる。感知は、回路をなすように橋絡される電気接点を使用することによるものであってもよい。別法として、位置または近接度を測定するための異なる形式のセンサーが利用され得る。
【0067】
実施形態の具体的な説明において、必要に応じて付勢と移動とをもたらすばねについて言及している。別のばね構成が用いられてもよい。例えば、引張りばねが圧縮ばねの代わりに用いられてもよく、また、板ばねがコイルばねの代わりに用いられてもよい。磁石の使用を含めた他の弾性手段が、必要に応じて代用されてもよい。
【0068】
図1に示す実施形態において、インジケータ孔7がボタンに設けられている。別法として、インジケータ孔は、ハウジングおよびトップボタンに採用された形状、ならびにロック25の構成要素の相対位置に応じてハウジングに設けられてもよい。
【0069】
上に開示した実施形態において、ロック25は、作動器22の表面と係合する。ボタン3に形成された形体と係合するロックによって作動器の移動が制限される別の実施形態が考えられるが、そのような実施形態は、ボタン3および作動器22がディスペンサのストローク全体を通じて同調して移動するので、同様に効果的である。
【0070】
図2の構成において、容器21は、ハウジング2の端部部分を形成するシャーシ10の上に載せられている。例えば支持体を設けて容器の底端部がハウジングの基部から離れるようにシャーシ10に修正を加えることによって、異なる長さのディスペンサを収容することができる。
【0071】
上述した実施形態は2つの別個の電池を有している。回路を適切に修正することにより、単一の電池を利用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】図1は、ディスペンサの外観斜視図である。
【図2】図2は、第1の実施形態による投薬装置の立断面図であるが、作動器は休止位置にあり、装置は、アンロック状態にあるロックを有している。
【図3】図3は、図2の装置の平面図であり、ロックの構成要素を示す。
【図4】図4は、図2の細部を示すように切った拡大立面図である。
【図5】図5は、図4に対応する図であり、作動器が部分的に押し下げられ、ロックが自己ロック動作の準備をしているところを示す。
【図6】図6は、図5に対応する図であり、作動器が完全に押し下げられて薬が放出されたところを示す。
【図7】図7は、作動器が部分的に解放された後の、図6に対応する図である。
【図8】図8は、作動器が休止位置に完全に戻り、ロックがロック状態に入った後の、図7に対応する図である。
【図9】図9は、先の図の実施形態のさらなる図であり、ロックをアンロック状態に戻すためのロック作動器の作動を示す。
【図10】図10は、プッシュプッシュ機構を有する第2の実施形態による投薬装置の立断面図であり、ロックがアンロック状態にあるところを示す。
【図11】図11は、図10のロックの拡大図である。
【図12】図12は、図11に対応する図であり、作動器が完全に押し下げられ、薬を投与しているところを示す。
【図13】図13は、図12に対応する図であり、作動器が休止位置に戻っているところを示す。
【図14】図14は、ロックのアンロック状態にあるプッシュプッシュ機構の細部を示す平面図である。
【図15】図15は、中間位置にあるプッシュプッシュ機構を示す対応する図である。
【図16】図16は、ロック状態にあるプッシュプッシュ機構を示す対応する図である。
【図17】図17は、プッシュプッシュ機構のカム軌道を示す斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者管理において使用する投薬装置に関し、具体的には、限定はしないが、計量した用量の薬剤または治療薬を投与することに関する。本発明の一態様は、疼痛緩和薬の舌下送達のための投薬装置に関するが、本発明の他の用途は、吸入送達などの他の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
医師の指示の下で患者が薬を自分で投与できるように、計量した服用量の製剤を投与するために利用される多数の様々なディスペンサがあり、そのようなディスペンサには、主として、計量弁を有する加圧投与容器を利用するエアゾールディスペンサと、計量した薬を投与するように構成されたポンプ室を有するポンプディスペンサとがある。製剤が潜在的に危険なまたは高価な薬剤である場合、過剰投与を避けるために、ディスペンサの使用を調整することが重要である。
【0003】
所定の服用スケジュールに従わない吸入ディスペンサの作動を防止するためのロックアウト機構が、例えばUS4934358に開示されている。同様に、GB2368061Aには、所望の投与計画に従って電子的に解放されるまで、さらなる投与を防止するロック機構が開示されている。
【0004】
また、医師の要求に従って投与管理形態を提供するようにプログラムできる制御回路を投薬装置に設けることも、WO03/097141により知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、市場性のある製剤に実際的な解決策を提供するために、そのような投薬装置における改善をもたらすことを目的とする。本発明は、WO2004/080382に記載されているように、例えばフェンタニルなどの薬剤の配合物を投与するために使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様において、ディスペンサは、弾性自己ロック機構を有するロックを備えており、その弾性自己ロック機構は、各服用量が投与された後にロックをロック状態にするためのものである。ロックがいつこのロック状態となるかを感知するためにセンサーが設けられており、また、制御回路がそのセンサーに応答し、ロックアウト期間の後に動作可能となり、ロックをアンロック状態に戻すようにロック作動器を通電する。
【0007】
別の態様において、ロックは、ロックの作動とは独立して動作可能な第1および第2の保持手段に含められており、したがって、作動器は、ロックをロック状態からアンロック状態に、またはアンロック状態からロック状態に変化させるときにのみ、作動させられることが必要となる。
【0008】
好ましい実施形態において、プッシュプッシュ機構は、弾性自己ロック機構を構成することに加えて、ロックおよびアンロックの双方に対してロックが制御回路に応答できるようにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
ここで、本発明の実施形態について、単に一例としてまた添付の図面を参照して説明することにする。
【0010】
図1の実施形態は、疼痛緩和に用いられる麻酔製剤の舌下送達に好適な投薬(投与)装置1を備えている。ハウジング2は、上端部でボタン3によって閉じられており、そのボタン3は、容器に保持された製剤の1回分の服用量(投与量、ドーズ)を投与したいと望む使用者によって、ハウジングに対して手動で押し下げることができる。ボタン3は、容器の上方に配置されており、内部の停止機能によって、ハウジングから取り外されないように拘束されている。ボタン3はまた、開口部を画定しており、その開口部を通して、投与ノズル5が製剤のエアゾールスプレーを供給する。
【0011】
窓6がハウジング2に形成されており、その窓6を通して、容器内の製剤の有無および/または量を点検することができる。ボタン3は孔7を有しており、内部ロックの現在の状態を確認するためのインジケータは、その孔7を通して視認することができる。使用前のくずの進入からボタンを防護する方式でハウジングに留めるように、取り外し式ダストキャップを設けてもよい。
【0012】
視認窓6の形状および寸法は、例えば容器の長さに応じて異なってもよい。
【0013】
図2は、ガラス壁付き容器21と、作動器22とを有する投薬装置1の内部構造を示し、その作動器22は、作動器が押し下げられたときに投与ノズル5を通してエアゾールスプレーを供給するためのものである。ボタン3は、突起23および24によって作動器22に配置されており、作動器は、突起23と周囲で係合する概ね円筒形の外面と、突起24によって配置される開口部とを有している。ボタン3をハウジング2に対して押し下げると、容器の縦軸に沿って作動器の押し下げが生じて、ディスペンサの投与ストロークがなされる。作動器22の上端部に形成された開口部に突起24を配置していることにより、ボタン3に対する作動器の心狂い(ずれ)が防止され、それによって、投与ノズル5は、アプリケータ4によって画定される開口部と整列した状態に維持され、妨げのない送達が確実となる。
【0014】
ボタン3は、ハウジングから取り外されることを、協働する停止構成体9によって防止している。ハウジング2は、スナップ嵌め連結子によってハウジングの側壁部分に連結されたシャーシ10を有している。
【0015】
また、ディスペンサは、作動器22の作動を選択的に防止するロック25と、ロック25を電気的に解放する制御回路26とを有している。
【0016】
図2はまた、ロックを通電するための一次電池27と、制御回路26の動作用の二次電池28と、コンデンサ29とを示す。
【0017】
ロック25は、ロック位置へまたロック位置から移動可能となるように、作動器の押し下げの方向に対して垂直な方向に滑動可能なロック部材30を備えており、そのロック位置において、ロック部材の端部部分31は、投与ストロークの達成を防止するために作動器22の移動を制限する。
【0018】
図2において、ロック部材30は、ロック25がアンロックされており、端部部分31が作動器22の軸方向移動を妨げることのない位置にある状態で示されている。
【0019】
圧縮コイルばねの形式としたばね32が、ロック部材30を作動器22に向かって付勢している。図2に示すように、ロック25がアンロック状態にあり、ボタン3が休止位置にあるとき、ロック部材30は、ばね32の作用に反してラッチ33によって固定されており、そのラッチ33は、図3により明確に示すように、ロック部材に形成された開口部34内に突出している。ラッチ33は、円筒形ピストン35に装着された半球形(ドーム形)の頭部を備えており、その円筒形ピストン35は、固定シリンダ36内で滑動可能であり、ロック部材30とラッチ係合するように第2のばね37によって上向きに付勢されている。
【0020】
作動器22から離れた端部42において、ロック部材30は、レバー43の一方の端部に旋回式に連結されており、そのレバー43の他方の端部は、プルソレノイド45のプランジャ44に連結されている。レバー43は、2:1のてこ比を働かせるように配置された旋回ピン46の周りで旋回させられ、それによって、ソレノイドプランジャ44がロック部材30に与える運動が増幅される。この増幅運動は、ソレノイド45を通電したときにロック部材30の滑動動作をもたらすために与えられる。ソレノイド45は、プルソレノイドであるため、このソレノイドを通電すると、プランジャ44はソレノイドの中に引き込まれ、また、レバーの作用によってロック部材30は作動器22に対して外側に付勢される。
【0021】
一本の脚部または一対の脚部47が、ボタン3から突出してラッチ33の上面と接触しており、したがって、ボタン3を押し下げると、ラッチ33の半球形頭部を開口部34から後退させてロック部材30を解放する方向に、ラッチ33が第2のばね37の作用に反して押される。以下で説明するように、この解放は、ロックされたときに可能な移動の限界を越えたある点まで作動器22が押し下げられたときに初めて発生し、したがって、解放されたロック部材はまだ、ロック位置まで完全には前進することができない。
【0022】
電気接触ピン(不図示)が、レバー43に隣接した固定位置に配置されており、弾性接触子49と接触可能となっているが、その弾性接触子49はレバーに装着されており、また、以下で説明するようにロック25がロックされた状態にあるときは常にピン同士の間の電気接触をなすように構成されている。
【0023】
図4は、図2と同じ状態にあるディスペンサの一部分を示す。この構成において、ロック25はアンロック状態にあり、ロック部材30は完全に後退した位置にラッチしている。接触子49は接触ピンに触れていない。
【0024】
図5は、ボタン3が部分的に押し下げられているところを示しているが、結果として、作動器22は、作動器22によって画定される肩部60がロック部材30の位置を越えることができる位置へと、容器21に向かって動作しており、一方で、ロック部材30は、ラッチ33の動作によって作動器の移動を制限することなく維持されている。
【0025】
この位置を過ぎると、脚部47は、ロック部材がばね33の作用の下で滑動動作によって作動器に22に向かって自在に前進する位置へ、ラッチ33を押し下げる。この滑動動作によって、結果的に、ロック部材33は、作動器が引き続き移動すると、作動器22の円筒形表面と滑り接触することになる。
【0026】
図5はしたがって、アンロック状態にあるロック25を示すが、このアンロック状態において、ロック部材30はラッチしておらず、そのため、以下でさらに説明するように、ボタン3の復帰ストロークの間に自己ロック動作をもたらすように準備を整えている。接触子49は依然として接触ピンに触れていない。
【0027】
図6は、移動の程度が最大となるボタンの位置を示し、この点において、ディスペンサは、エアゾール形式の1回分の服用量のスプレーを投与ノズル5を通して投与させる。このディスペンサは、例えば6mmのストロークを通じた作動器22の1回の作動変位に対して、1回分の服用量のみを投与しうる種類のものである。移動の初期の部分、例えば押し下げの最初の2mmでは、スプレー出力は生じず、作動器の動作におけるある程度のオーバトラベルをなしている。計量した服用量(薬、ドーズ)を放出した後、さらなる投与は直ちに可能とはならない。作動器22が、図4に示すように、休止位置から移動の初期部分内へ戻されているとき、作動器22を図6に示す位置へと押し下げて、さらなる投与ストロークを行うことができる。
【0028】
図6に示す完全に押し下げられた位置において、ロック部材30は依然として作動器22の円筒形表面と滑り接触している。ロック25はしたがって引き続きアンロック状態にあり、ロック部材は自己ロック動作の準備を整えている。接触子49は依然として接触ピンに触れていない。
【0029】
図7は、ボタン3が部分的に解放されており、かつボタンが作動器22と共に休止位置に復帰する過程にあるさらなる位置を示す。この復帰ストロークは、容器21内に弾性機構が存在することによって達成されるが、それには、一般に、作動器が装着されている弁心棒を、作動器が完全に上昇する拡張位置へと付勢するコイルばねが存在することが必要である。
【0030】
図7において、ロック部材30は、作動器が次第に上向きにかつ容器21から離れて移動するとき、作動器22の円筒形表面との滑り接触を維持している。肩部60の位置は、最後には、ロック部材30の上面から離れる高さに上昇し、そのロック部材30は次いで、図8に示すようにばね32の影響下でロック位置に移動することが可能となる。接触子49は依然として接触ピンに触れていない。
【0031】
図8において、ロック部材30の端部部分31は、肩部60から内側に延びている。このロック状態において、引き続きボタン3を押し下げると、肩部60は、ロック部材30の上面と端部部分31において軸方向に係合し、その結果、ロック部材30は作動器の移動を制限し、さらなる服用量が投与されうる位置に作動器が達するのを防止する。
【0032】
図8に示すロック状態において、レバー43は、電気接触が接触ピンと接触子49との間でなされる位置に傾いており、それによってこの接触ピンと接触子49は共に制御回路26が応答するセンサーをもたらしている。センサーの電気条件においてこのように状態が変化すると、1回分の服用量が投与されたことを示すものとして、制御回路26によって解釈される。実際には、ロック25は作動器22の復帰ストロークを通じて途中までロック状態に移行しないので、センサーが状態を変化させるタイミングは、1回分の服用量が投与された時点のちょっと後である。実際には作動器22は1回分の服用量の投与後に直ちに解放されるので、このタイミングの遅延は許容されるものとなる。
【0033】
投薬装置1のロック状態において、さらなる服用量が投与されることはない。制御回路26は、ロック状態に移行した時点からの経過時間を測定することによって、さらなる服用量を投与すべくロック25を解放することができるさらなる時期を決定するように構成されている。そのようなロックアウト期間が経過した後、制御回路26は、ソレノイド45を通電し、それによって図9に示すようにプランジャ44を引き込むことによって、ロック25をアンロックする。この動作は、レバー43を介してロック部材30に伝えられ、ロック部材は、図9に示す位置へ後退されるが、その位置において、ラッチ33は再びロック部材と係合することができる。ラッチ33と係合した後、図4に示す休止状態が再び達成され、その際ロック25はアンロック状態を維持するが、ロック部材30は、端部部分31がもはや作動器22の移動を制限しない位置へと後退している。したがって、さらなる服用量をいつでも投与することができる。さらなる服用の後、ロック25は再び自己ロックし、それによって、ロックが解放されるまでの、制御回路26によるさらなるロックアウト期間の測定が開始される。制御回路は、服用量が投与された回数を保持して、服用量が投与された頻度を計算するように構成してもよく、また、処方された服用スケジュールに従うために、ロックアウト期間の長さをそれに応じて調節するように構成してもよい。
【0034】
ソレノイド45を通電するために、制御回路26は、充電電圧をコンデンサ29に印加し、適切な充電期間の後、出力電圧をソレノイドに接続して、ソレノイドを作動させるための電流パルスを供給する。ロック部材30は次いでラッチ33の動作によって固定されるので、ロック25がロック状態からアンロック状態へ推移する間のみソレノイドを通電すれば十分である。ロックはその後、エネルギーを消費することなく、無期限にアンロック状態に維持することができる。同様に、センサーは、ロック25がロック状態にあるときにのみ、電流を流す。しかしながら、このことが生じるのは通常、数時間未満、例えば1時間のロックアウト期間内のみであるため、センサーの使用は、制御回路26の電流源における持続的なドレインを表すものではない。これらの特徴は、典型的には3年程度である装置1の保存寿命を延長するのに寄与する。
【0035】
第2の実施形態についてこれから説明することにする。第2の実施形態は、第1の実施形態と共通する多数の特徴、例えば図1に示すものと同じ全体的な外観を有しており、対応するまたは等価な特徴を有する内部構成要素に対しては、同じ参照番号を用いることにする。第2の実施形態における構成要素の詳細な説明は省略することにするが、明らかなこととして、第2の実施形態における構成要素は、第1の実施形態に関連して先に説明した特徴に対応しており、したがって、第1の実施形態の説明の一部が、必要に応じて組み込まれると仮定することができる。
【0036】
第2の実施形態は、主として、ロック25の細部の構成において、また制御回路26の動作のある態様において第1の実施形態と異なっている。図10は概略図である。
【0037】
図11に拡大図で示すように、第2の実施形態のロック25はロック部材30を有しており、そのロック部材30は作動器22の肩部60に隣接する端部部分31を有している。ロック部材30は、他方の端部においてレバー43への旋回連結部を有しており、そのレバー43は、ロック部材とソレノイド45のプランジャ44との間の旋回式リンク機構として働く。
【0038】
ロック部材30は、ばね32によって作動器22の動作線に向かって付勢されており、また、図11に示す、ロック25がアンロックされている休止位置において、ラッチ機構120によってばねの作用に応答して移動するのを防止されている。ラッチ機構120は、ラッチ機構の2つの取り得る安定状態を与えるプッシュプッシュ機構である。第1の安定状態は、図11に示すように、ロック25のアンロック状態に対応する。第2の安定状態は、図13に示すように、ロックのロック状態に対応し、そのロック状態において、ロック部材30は、第1の端部部分31が作動器に接触することによって作動器22の移動を制限する位置に前進される。
【0039】
ラッチ機構120は、カム従動子ピン121とカム軌道122の面との相互作用に基づくものである。カム従動子ピン121は、図11に示すように、床面126と確実に接触するように板ばね127によって弾性的に付勢されている。カム軌道122は、図14から16では概略的に、図17ではより詳細に示されている。カム軌道122は閉じた経路を画定しており、その経路の周りで、カム従動子ピン121の自由端部123は移動することができるが、カム従動子ピンの固定端部124は依然として静止しており、したがって、作動器22に対するロック部材30の位置は、軌道に対する自由端部123の瞬間的な位置によって決まる。
【0040】
カム軌道122は、自由端部123の2つの安定な位置を画定している。アンロック状態に対応する第1の位置を図14に示し、ロック状態に対応する第2の位置を図16に示す。
【0041】
図17に概略的に示すように、カム軌道122は、側壁125および傾斜した床面126によって画定されているが、その床面は、ラチェットの様な方式で傾斜しており、カム従動子ピン121の自由端部123を、閉じた経路の周りで一方向に移動させ、したがって逆戻りが不可能となるようになっている。
【0042】
プッシュプッシュ機構が動作するためには、まずロック部材30の後退運動(すなわち図示のように右向き)が、カム軌道122の中間部分に自由端部123を配置するために、また、それに続くロック部材30の前進運動(すなわち左向き)が必要となるが、その前進運動は、プッシュプッシュ機構の次の利用可能な安定状態に達するまで継続する。図14から16に示すように、後退運動(右向き)は、以下で説明するように、ソレノイド45の通電によって、またはボタン3の押し下げで生じる機械的な起動力によって開始することができる。続く前進運動(左向き)は、ばね32の作用によってなされる。
【0043】
図11を参照すると、第2の実施形態のディスペンサが、休止状態にあるところを示してあり、その休止状態において、ロック25はアンロック状態にあり、ボタン3は完全に上昇している。この位置において、ロック部材30の端部部分31は、規定された半径方向隙間が作動器の肩部60と端部部分との間に存在するため、作動器22の下向き移動に対して制限を行わないように後退している。
【0044】
ボタン3は一対の脚部128を有しており、その脚部それぞれは、下端部において面取りされてカム面129を設けている。休止位置においては、図11に示すように、脚部128は、ロック部材30から依然として離れている。この構成において、ロック部材30は、図14に示すように、カム軌道122と協働するカム従動子ピン121によって、作動器22に向かう前進動作をしないように拘束されている。
【0045】
1回分の服用量を投与することが必要なとき、ボタン3が手動で押し下げられ、それによって、容器21に向かう作動器22の下向き移動が開始される。脚部128は、ロック部材30に向かって移動すると共にロック部材30と接触し、また、カム面129とロック部材30の上縁部との間でカム作用が生じ、結果としてロック部材30は作動器22から離れる方向に移動する。ロック部材30はこのようにカム作用によって後退され、図15に示す位置へと移動するが、ロック部材30の後退(図15の右への移動)は、図15に示すように、カム従動子121の自由端部123がカム軌道122内で中間位置に移動することによって達成される。
【0046】
次いで、図12に示すように服用量が投与され、ボタンは休止位置に向かって上昇するように解放される。この初期移動の間、脚部128は、図14から16に示すように、ロック部材30内の開口部130を通って突出し、また、開口部内に脚部が存在することによって、ロック部材30がさらに移動することが防止される。
【0047】
作動器22の肩部60が端部部分31から離れ、脚部128が上昇して開口部130から離れる程度まで、ボタン位置が上昇すると、ロック部材30はこの拘束から解放される。ばね32の作用により、ロック部材30の位置は、作動器22に向かって前進し、図16のロック位置で停止するようになるが、そのロック位置において、ラッチ機構120は第2の安定状態となっており、カム従動子の自由端部123がロック部材のさらなる前進を阻止している。
【0048】
ここで、ロック25は、図13に示すようにロック状態にあり、そのロック状態において、ロック部材30の端部部分31は、作動器22の移動を制限し、それによっていかなる投与ストロークの実施をも防止するように配置されている。
【0049】
このロック状態において、レバー43の位置は、接触ピンと接触子49との接触がなされるような位置である。これによって、ロックがロック状態となっていることが制御回路26に伝えられる。
【0050】
次いで、制御回路26は、ディスペンサのさらなる作動が許可されないロックアウト期間の測定を開始する。ロックアウト期間の終了時に、制御回路がソレノイド45を通電し、その結果、プランジャ44がソレノイド内に引き込まれるが、この動作はレバー43を介して伝えられ、後退する起動力がロック部材30に加えられる。次いで、ソレノイドが通電を停止され、ロック部材30は、図14の構成に対応する新たな安定状態へと弛緩されるが、その安定状態においてロックはアンロック状態にある。
【0051】
ディスペンサをさらに作動させると、上記の手順が繰り返されることになるが、その手順において、ロック25は、各服用量が投与された後に自動的に自己ロックし、続いて、制御回路26によってソレノイドを始動させることによってのみアンロックされる。
【0052】
制御回路26は、さらにまたは別法として、さらなる服用量がロック25のアンロックから所定の期間内に服用されない場合、さらなるロックアウト期間を開始するために制御回路がソレノイド45を再び通電するという服用スケジュールを提供するように構成されてもよい。ソレノイド45を通電することにより、図15に示すように、起動力が加えられてロック部材30が後退され、その結果、ソレノイドが通電を停止されると、図16に示すように、ロック部材が新たなロック状態へと弛緩する。この状態は、制御回路26が再びソレノイド45を通電して、ロックをアンロック状態にするようにラッチ機構120の状態を変化させるまで継続する。
【0053】
第1の実施形態とは異なり、第2の実施形態において、制御回路26は、単にソレノイド45を通電することによって、ロック25をアンロックすることができるだけでなく、再びロックすることもできる。
【0054】
一例において、初期の投与ストロークの後、制御回路26は、4秒間という第1のロックアウト期間を測定し、その期間に続いて直ちにソレノイドが通電されて、ロックの状態がアンロック状態へと変化する。次いで、この状態の変化から例えば15分間という服用許容期間が規定される。この服用許容期間内にさらなる投与ストロークが起こると、自動ロック作用によって、ロックがロック状態に戻り、次いで制御回路26が、再びソレノイドを通電してロックをアンロック状態に戻すまでの、例えば2時間という第2のロックアウト期間を測定する。
【0055】
しかしながら、投与ストロークが服用許容期間内に発生しない場合、制御回路26は、第2のロックアウト期間の終了時にソレノイドを通電して、例えば1時間45分というさらなるロックアウト期間にわたってロックをロック状態に戻す。次いで、制御回路26がソレノイドを通電してロックをアンロック状態に戻し、さらなる1回分の服用量の投与を許可する。
【0056】
類似したまたはより複雑な他のパターンを考案し、必要な服用スケジュールに従って制御回路26で実施することができる。
【0057】
制御回路26は、ある状態から別の状態への推移の間にのみソレノイド45を通電することが必要となり、それによって、制御回路に利用可能な電流源におけるドレインを最小限とし、電池の寿命を延長する。センサーは同様に、ロック25のロック状態が感知されたときのみ電流を流す。
【0058】
第1および第2の実施形態のそれぞれにおいて、制御回路26は、任意選択によりフェイルセーフ機能を含むことができ、そのフェイルセーフ機能により、ソレノイド45の各通電の後、センサーの状態が測定され、予想されるセンサーの状態と比較される。例えば、第1の実施形態において、ソレノイド45の各通電の後、ロック25はロック状態からアンロック状態へと遷移しなければならない。それにもかかわらずセンサーが、ロックが依然としてロック状態にあることを示す場合、このことは、制御回路26によって故障状態であると解釈することができる。制御回路26によって実施される修復措置は、必要なセンサーの状態が検出されるまでソレノイド45を繰り返し通電することであってもよい。最大の繰り返し試行回数は、制御回路26によって設定することができ、その回数の後に、制御回路はフェイルセーフモードに入ることができるが、そのフェイルセーフモードにおいてはソレノイド45をさらに通電することは許可されない。
【0059】
第2の実施形態において、ソレノイド45の各通電の後、センサーの状態は、ソレノイドを通電する前のロック25の初期状態に応じて、ロックのロック状態またはアンロック状態のいずれかに対応するように変化しなければならない。状態の遷移が生じていない場合、上で示したように、次いで、制御回路26によって、異常な状態が存在すると判断し、適切な修復措置をとることができる。
【0060】
本発明のディスペンサは視覚的インジケータを有することができ、その視覚的インジケータは、図1に示す孔7を通した点検によってロック部材の位置を決定することができる位置で、ロック部材30の横縁部に設けられる。例えば、赤および緑のドットをロック部材に付けて、緑のドットが視認されるときアンロック状態を示し、赤のドットが視認されるときロック状態を示すようにしてもよい。
【0061】
上記の実施形態のそれぞれにおいて、制御回路26は、マイクロプロセッサ、ソレノイド45,接触ピン、および接触子49をコンデンサ29および周辺の構成部品と共に装着したプリント回路基板からなる。マイクロプロセッサは好ましくは、決定的ソフトウェアでプログラムされるが、その決定的ソフトウェアは、ロック25をアンロックするタイミング、また第2の実施形態の場合は任意選択によりソレノイド45を通電することによってロックを再度ロックするタイミングを調整するためのものである。
【0062】
本発明のディスペンサは、新たな服用スケジュールに従ってマイクロプロセッサを再プログラムすることを可能にする手段を有することができる。制御回路は装置の投与履歴を記憶することができ、その投与履歴は解析のために後にダウンロードすることができる。
【0063】
上記の実施形態のそれぞれにおいて、ロック部材の質量は、ソレノイドプランジャの質量とのバランスを動的にとるように選択されており、その結果、装置がショックまたは衝撃を受けたとき、ロック部材とソレノイドの慣性効果により、実質的に大きさが等しくかつ反対向きの回転モーメントが旋回ピン46の周りに作用し、したがって、ロック部材に加えられる正味の回転モーメントは最小となる。ばね32は、ロック部材の正味のいかなる動作をも防止するように、十分な拘束をもたらしている。したがって、装置が不測のまたは計画されたショックおよび衝撃を受けたとき、ロックの状態が誤って変化することが回避される。
【0064】
開示した実施形態に対する多数の変形が考えられる。例えば、作動器22およびボタン3は、一体に形成されてもよい。アプリケータ4は、吸入療法などの他の送達形式に好適となるように修正されてもよい。あるいは、ボタンは、複数の別のアプリケータに接続可能となるように構成されてもよい。
【0065】
ディスペンサは、舌下送達の場合のように、低い速度のエアゾール送達が要求されるときには特に、ポンプディスペンサを含むことができ、また、別法として、吸入療法の場合など、より高い速度のエアゾールが要求されるときには特に、加圧投与(分配)容器を含むことができる。
【0066】
他の形式のセンサーが、ロックのロック状態を感知するために使用されてもよい。例えば、ロック部材自体の位置を、また別法としてソレノイドプランジャの位置を感知することができる。感知は、回路をなすように橋絡される電気接点を使用することによるものであってもよい。別法として、位置または近接度を測定するための異なる形式のセンサーが利用され得る。
【0067】
実施形態の具体的な説明において、必要に応じて付勢と移動とをもたらすばねについて言及している。別のばね構成が用いられてもよい。例えば、引張りばねが圧縮ばねの代わりに用いられてもよく、また、板ばねがコイルばねの代わりに用いられてもよい。磁石の使用を含めた他の弾性手段が、必要に応じて代用されてもよい。
【0068】
図1に示す実施形態において、インジケータ孔7がボタンに設けられている。別法として、インジケータ孔は、ハウジングおよびトップボタンに採用された形状、ならびにロック25の構成要素の相対位置に応じてハウジングに設けられてもよい。
【0069】
上に開示した実施形態において、ロック25は、作動器22の表面と係合する。ボタン3に形成された形体と係合するロックによって作動器の移動が制限される別の実施形態が考えられるが、そのような実施形態は、ボタン3および作動器22がディスペンサのストローク全体を通じて同調して移動するので、同様に効果的である。
【0070】
図2の構成において、容器21は、ハウジング2の端部部分を形成するシャーシ10の上に載せられている。例えば支持体を設けて容器の底端部がハウジングの基部から離れるようにシャーシ10に修正を加えることによって、異なる長さのディスペンサを収容することができる。
【0071】
上述した実施形態は2つの別個の電池を有している。回路を適切に修正することにより、単一の電池を利用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】図1は、ディスペンサの外観斜視図である。
【図2】図2は、第1の実施形態による投薬装置の立断面図であるが、作動器は休止位置にあり、装置は、アンロック状態にあるロックを有している。
【図3】図3は、図2の装置の平面図であり、ロックの構成要素を示す。
【図4】図4は、図2の細部を示すように切った拡大立面図である。
【図5】図5は、図4に対応する図であり、作動器が部分的に押し下げられ、ロックが自己ロック動作の準備をしているところを示す。
【図6】図6は、図5に対応する図であり、作動器が完全に押し下げられて薬が放出されたところを示す。
【図7】図7は、作動器が部分的に解放された後の、図6に対応する図である。
【図8】図8は、作動器が休止位置に完全に戻り、ロックがロック状態に入った後の、図7に対応する図である。
【図9】図9は、先の図の実施形態のさらなる図であり、ロックをアンロック状態に戻すためのロック作動器の作動を示す。
【図10】図10は、プッシュプッシュ機構を有する第2の実施形態による投薬装置の立断面図であり、ロックがアンロック状態にあるところを示す。
【図11】図11は、図10のロックの拡大図である。
【図12】図12は、図11に対応する図であり、作動器が完全に押し下げられ、薬を投与しているところを示す。
【図13】図13は、図12に対応する図であり、作動器が休止位置に戻っているところを示す。
【図14】図14は、ロックのアンロック状態にあるプッシュプッシュ機構の細部を示す平面図である。
【図15】図15は、中間位置にあるプッシュプッシュ機構を示す対応する図である。
【図16】図16は、ロック状態にあるプッシュプッシュ機構を示す対応する図である。
【図17】図17は、プッシュプッシュ機構のカム軌道を示す斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生医学用途に好適なディスペンサであって、
作動器であって、前記作動器の投与ストロークを完了することを含む運動によって、1回分の服用量の製剤を投与する作動器と、
1回分の服用量が投与されるのを防止するために、作動器の動作を制限するようにロック状態で動作可能なロックであって、1回分の服用量が投与された後、前記ロックをロック状態にする弾性自己ロック機構と、前記ロックがいつロック状態となったかを感知するように動作可能なセンサーとを有するロックと、
ロック作動器と、
前記センサーに応答する制御回路であって、前記ロック作動器を通電して前記ロックをアンロック状態に戻すために、前記制御回路が測定したロックアウト期間後に動作可能となる制御回路と、
を備えるディスペンサ。
【請求項2】
請求項1に記載のディスペンサ装置であって、前記ロックが、前記アンロック状態における後退位置と、前記ロック部材が前記作動器の移動の制限を規定する、前記ロック状態における前進位置との間で移動可能なロック部材を備え、前記自己ロック機構が、前記ロック部材を前記前進位置へと付勢する弾性手段を備える、ディスペンサ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のディスペンサであって、前記自己ロック機構が、前記アンロック状態において前記ロック部材を前記後退位置に保持するように動作可能なラッチと、前記ロック状態において、前記ロック部材によって規定された作動器の移動の限界を越えた位置に前記作動器が移動するのに応じて、前記ラッチを解放するように動作可能なラッチ解放機構とを備えるディスペンサ。
【請求項4】
請求項3に記載のディスペンサであって、前記作動器が接触面を備え、1回分の服用量を投与した後の復帰ストロークの間に、前記作動器が前記ロック状態での作動器の移動制限範囲内におけるある位置に戻るまで、前記ロック部材を前記後退位置と前記前進位置との中間の位置に維持し、その後に、前記ロック部材が前記前進位置に達するように、前記ロック部材が、前記ラッチによって解放されたときに前記接触面を滑動可能であるディスペンサ。
【請求項5】
請求項2に記載のディスペンサであって、前記ロックが、前記ロック状態に対応する前記ロック部材の第1の安定位置と、前記アンロック状態に対応する前記ロック部材の第2の安定位置とを画定するプッシュプッシュ機構を備え、前記プッシュプッシュ機構が、前記ロック部材が前記安定位置の一方から変位すると前記ロック部材を前記安定位置の他方へと付勢するように動作可能な弾性手段をさらに備えるディスペンサ。
【請求項6】
請求項5に記載のディスペンサであって、前記作動器に連結され、前記作動器の投与ストロークの間に前記ロック部材を前記第2の安定位置から変位させるように動作可能である構成体を備え、それによって、前記ロック部材が、前記作動器の復帰ストロークの間に前記弾性手段の作用によって前記第1の安定位置に戻されるディスペンサ。
【請求項7】
請求項5に記載のディスペンサであって、前記ロック作動器が通電されたときに前記ロック部材を安定位置から変位させるための、前記プッシュプッシュ機構に前記ロック作動器をリンクさせるように動作可能なリンク機構を備え、それによって、前記弾性手段が、後に前記ロック部材を異なる安定位置に戻すように動作可能であるディスペンサ。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のディスペンサであって、ハウジングとボタン構成体とを備え、前記ボタン構成体が、前記作動器の投与および復帰ストロークの間に前記作動器と同調して移動するように前記ハウジングと協働しかつ前記ハウジングに対して変位可能であり、前記ボタン構成体および前記作動器が、協働するアライメント構成体を有するディスペンサ。
【請求項9】
請求項8に記載のディスペンサであって、前記ハウジングが、第1の視認開口部を有し、前記第1の視認開口部を通して、投与すべき製剤の存在および/または量を点検することができるディスペンサ。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載のディスペンサであって、第2の視認開口部を有し、前記ロックが、前記第2の視認開口部を通して視認可能なしるしであって、前記ロックが前記ロック状態にあるかまたは前記アンロック状態にあるかを示すしるしを備えるディスペンサ。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のディスペンサであって、投与すべき薬剤調合物を備えるディスペンサ。
【請求項12】
生医学用途に好適なディスペンサであって、
作動器であって、前記作動器の投与ストロークを完了することを含む運動によって、1回分の服用量の製剤を投与する作動器と、
ロックと、
投与ストロークに先立って前記ロックをアンロック状態に保持するための第1の保持手段と、
投与ストロークが完了した後に前記ロックをロック状態に保持するための第2の保持手段と、
通電されると前記ロックの状態を変化させるように動作可能なロック作動器と、
前記ロック作動器を通電するように動作可能な制御回路と、
を備え、
前記ロック作動器が、前記ロックの状態を変化させるときにのみ通電されることが必要であるように、前記第1および第2の保持手段が、前記ロック作動器と独立して動作可能である、ディスペンサ。
【請求項13】
請求項12に記載のディスペンサ装置であって、前記ロックが、前記アンロック状態における後退位置と、前記ロック部材が前記作動器の移動の制限を規定する、前記ロック状態における前進位置との間で移動可能なロック部材を備え、前記自己ロック機構が、前記ロック部材を前記前進位置へと付勢する弾性手段を備える、ディスペンサ装置。
【請求項14】
請求項13に記載のディスペンサであって、前記自己ロック機構が、前記アンロック状態において前記ロック部材を前記後退位置に保持するように動作可能なラッチと、前記ロック状態において、前記ロック部材によって規定された作動器の移動の限界を越えた位置に前記作動器が移動するのに応じて、前記ラッチを解放するように動作可能なラッチ解放機構とを備えるディスペンサ。
【請求項15】
請求項14に記載のディスペンサであって、前記作動器が接触面を備え、1回分の服用量を投与した後の復帰ストロークの間に、前記作動器が前記ロック状態での作動器の移動制限範囲内におけるある位置に戻るまで、前記ロック部材を前記後退位置と前記前進位置との中間の位置に維持し、その後に、前記ロック部材が前記前進位置に達するように、前記ロック部材が、前記ラッチによって解放されたときに前記接触面を滑動可能であるディスペンサ。
【請求項16】
請求項13に記載のディスペンサであって、前記ロックが、前記ロック状態に対応する前記ロック部材の第1の安定位置と、前記アンロック状態に対応する前記ロック部材の第2の安定位置とを画定するプッシュプッシュ機構を備え、前記プッシュプッシュ機構が、前記ロック部材が前記安定位置の一方から変位すると前記ロック部材を前記安定位置の他方へと付勢するように動作可能な弾性手段をさらに備えるディスペンサ。
【請求項17】
請求項16に記載のディスペンサであって、前記作動器に連結され、前記作動器の投与ストロークの間に前記ロック部材を前記第2の安定位置から変位させるように動作可能である構成体を備え、それによって、前記ロック部材が、前記作動器の復帰ストロークの間に前記弾性手段の作用によって前記第1の安定位置に戻されるディスペンサ。
【請求項18】
請求項16に記載のディスペンサであって、前記ロック作動器が通電されたときに前記ロック部材を安定位置から変位させるための、前記プッシュプッシュ機構に前記ロック作動器をリンクさせるように動作可能なリンク機構を備え、それによって、前記弾性手段が、後に前記ロック部材を異なる安定位置に戻すように動作可能であるディスペンサ。
【請求項19】
請求項12〜18のいずれか1項に記載のディスペンサであって、ハウジングとボタン構成体とを備え、前記ボタン構成体が、前記作動器の投与および復帰ストロークの間に前記作動器と同調して移動するように前記ハウジングと協働しかつ前記ハウジングに対して変位可能であり、前記ボタン構成体および前記作動器が、協働するアライメント構成体を有するディスペンサ。
【請求項20】
請求項19に記載のディスペンサであって、前記ハウジングが、第1の視認開口部を有し、前記第1の視認開口部を通して、投与すべき製剤の存在および/または量を点検することができるディスペンサ。
【請求項21】
請求項19または請求項20に記載のディスペンサであって、第2の視認開口部を有し、前記ロックが、前記第2の視認開口部を通して視認可能なしるしであって、前記ロックが前記ロック状態にあるかまたは前記アンロック状態にあるかを示すしるしを備えるディスペンサ。
【請求項22】
請求項12〜21のいずれか1項に記載のディスペンサであって、投与すべき薬剤調合物を備えるディスペンサ。
【請求項1】
生医学用途に好適なディスペンサであって、
作動器であって、前記作動器の投与ストロークを完了することを含む運動によって、1回分の服用量の製剤を投与する作動器と、
1回分の服用量が投与されるのを防止するために、作動器の動作を制限するようにロック状態で動作可能なロックであって、1回分の服用量が投与された後、前記ロックをロック状態にする弾性自己ロック機構と、前記ロックがいつロック状態となったかを感知するように動作可能なセンサーとを有するロックと、
ロック作動器と、
前記センサーに応答する制御回路であって、前記ロック作動器を通電して前記ロックをアンロック状態に戻すために、前記制御回路が測定したロックアウト期間後に動作可能となる制御回路と、
を備えるディスペンサ。
【請求項2】
請求項1に記載のディスペンサ装置であって、前記ロックが、前記アンロック状態における後退位置と、前記ロック部材が前記作動器の移動の制限を規定する、前記ロック状態における前進位置との間で移動可能なロック部材を備え、前記自己ロック機構が、前記ロック部材を前記前進位置へと付勢する弾性手段を備える、ディスペンサ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のディスペンサであって、前記自己ロック機構が、前記アンロック状態において前記ロック部材を前記後退位置に保持するように動作可能なラッチと、前記ロック状態において、前記ロック部材によって規定された作動器の移動の限界を越えた位置に前記作動器が移動するのに応じて、前記ラッチを解放するように動作可能なラッチ解放機構とを備えるディスペンサ。
【請求項4】
請求項3に記載のディスペンサであって、前記作動器が接触面を備え、1回分の服用量を投与した後の復帰ストロークの間に、前記作動器が前記ロック状態での作動器の移動制限範囲内におけるある位置に戻るまで、前記ロック部材を前記後退位置と前記前進位置との中間の位置に維持し、その後に、前記ロック部材が前記前進位置に達するように、前記ロック部材が、前記ラッチによって解放されたときに前記接触面を滑動可能であるディスペンサ。
【請求項5】
請求項2に記載のディスペンサであって、前記ロックが、前記ロック状態に対応する前記ロック部材の第1の安定位置と、前記アンロック状態に対応する前記ロック部材の第2の安定位置とを画定するプッシュプッシュ機構を備え、前記プッシュプッシュ機構が、前記ロック部材が前記安定位置の一方から変位すると前記ロック部材を前記安定位置の他方へと付勢するように動作可能な弾性手段をさらに備えるディスペンサ。
【請求項6】
請求項5に記載のディスペンサであって、前記作動器に連結され、前記作動器の投与ストロークの間に前記ロック部材を前記第2の安定位置から変位させるように動作可能である構成体を備え、それによって、前記ロック部材が、前記作動器の復帰ストロークの間に前記弾性手段の作用によって前記第1の安定位置に戻されるディスペンサ。
【請求項7】
請求項5に記載のディスペンサであって、前記ロック作動器が通電されたときに前記ロック部材を安定位置から変位させるための、前記プッシュプッシュ機構に前記ロック作動器をリンクさせるように動作可能なリンク機構を備え、それによって、前記弾性手段が、後に前記ロック部材を異なる安定位置に戻すように動作可能であるディスペンサ。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のディスペンサであって、ハウジングとボタン構成体とを備え、前記ボタン構成体が、前記作動器の投与および復帰ストロークの間に前記作動器と同調して移動するように前記ハウジングと協働しかつ前記ハウジングに対して変位可能であり、前記ボタン構成体および前記作動器が、協働するアライメント構成体を有するディスペンサ。
【請求項9】
請求項8に記載のディスペンサであって、前記ハウジングが、第1の視認開口部を有し、前記第1の視認開口部を通して、投与すべき製剤の存在および/または量を点検することができるディスペンサ。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載のディスペンサであって、第2の視認開口部を有し、前記ロックが、前記第2の視認開口部を通して視認可能なしるしであって、前記ロックが前記ロック状態にあるかまたは前記アンロック状態にあるかを示すしるしを備えるディスペンサ。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のディスペンサであって、投与すべき薬剤調合物を備えるディスペンサ。
【請求項12】
生医学用途に好適なディスペンサであって、
作動器であって、前記作動器の投与ストロークを完了することを含む運動によって、1回分の服用量の製剤を投与する作動器と、
ロックと、
投与ストロークに先立って前記ロックをアンロック状態に保持するための第1の保持手段と、
投与ストロークが完了した後に前記ロックをロック状態に保持するための第2の保持手段と、
通電されると前記ロックの状態を変化させるように動作可能なロック作動器と、
前記ロック作動器を通電するように動作可能な制御回路と、
を備え、
前記ロック作動器が、前記ロックの状態を変化させるときにのみ通電されることが必要であるように、前記第1および第2の保持手段が、前記ロック作動器と独立して動作可能である、ディスペンサ。
【請求項13】
請求項12に記載のディスペンサ装置であって、前記ロックが、前記アンロック状態における後退位置と、前記ロック部材が前記作動器の移動の制限を規定する、前記ロック状態における前進位置との間で移動可能なロック部材を備え、前記自己ロック機構が、前記ロック部材を前記前進位置へと付勢する弾性手段を備える、ディスペンサ装置。
【請求項14】
請求項13に記載のディスペンサであって、前記自己ロック機構が、前記アンロック状態において前記ロック部材を前記後退位置に保持するように動作可能なラッチと、前記ロック状態において、前記ロック部材によって規定された作動器の移動の限界を越えた位置に前記作動器が移動するのに応じて、前記ラッチを解放するように動作可能なラッチ解放機構とを備えるディスペンサ。
【請求項15】
請求項14に記載のディスペンサであって、前記作動器が接触面を備え、1回分の服用量を投与した後の復帰ストロークの間に、前記作動器が前記ロック状態での作動器の移動制限範囲内におけるある位置に戻るまで、前記ロック部材を前記後退位置と前記前進位置との中間の位置に維持し、その後に、前記ロック部材が前記前進位置に達するように、前記ロック部材が、前記ラッチによって解放されたときに前記接触面を滑動可能であるディスペンサ。
【請求項16】
請求項13に記載のディスペンサであって、前記ロックが、前記ロック状態に対応する前記ロック部材の第1の安定位置と、前記アンロック状態に対応する前記ロック部材の第2の安定位置とを画定するプッシュプッシュ機構を備え、前記プッシュプッシュ機構が、前記ロック部材が前記安定位置の一方から変位すると前記ロック部材を前記安定位置の他方へと付勢するように動作可能な弾性手段をさらに備えるディスペンサ。
【請求項17】
請求項16に記載のディスペンサであって、前記作動器に連結され、前記作動器の投与ストロークの間に前記ロック部材を前記第2の安定位置から変位させるように動作可能である構成体を備え、それによって、前記ロック部材が、前記作動器の復帰ストロークの間に前記弾性手段の作用によって前記第1の安定位置に戻されるディスペンサ。
【請求項18】
請求項16に記載のディスペンサであって、前記ロック作動器が通電されたときに前記ロック部材を安定位置から変位させるための、前記プッシュプッシュ機構に前記ロック作動器をリンクさせるように動作可能なリンク機構を備え、それによって、前記弾性手段が、後に前記ロック部材を異なる安定位置に戻すように動作可能であるディスペンサ。
【請求項19】
請求項12〜18のいずれか1項に記載のディスペンサであって、ハウジングとボタン構成体とを備え、前記ボタン構成体が、前記作動器の投与および復帰ストロークの間に前記作動器と同調して移動するように前記ハウジングと協働しかつ前記ハウジングに対して変位可能であり、前記ボタン構成体および前記作動器が、協働するアライメント構成体を有するディスペンサ。
【請求項20】
請求項19に記載のディスペンサであって、前記ハウジングが、第1の視認開口部を有し、前記第1の視認開口部を通して、投与すべき製剤の存在および/または量を点検することができるディスペンサ。
【請求項21】
請求項19または請求項20に記載のディスペンサであって、第2の視認開口部を有し、前記ロックが、前記第2の視認開口部を通して視認可能なしるしであって、前記ロックが前記ロック状態にあるかまたは前記アンロック状態にあるかを示すしるしを備えるディスペンサ。
【請求項22】
請求項12〜21のいずれか1項に記載のディスペンサであって、投与すべき薬剤調合物を備えるディスペンサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2008−543353(P2008−543353A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−500275(P2008−500275)
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【国際出願番号】PCT/GB2006/000874
【国際公開番号】WO2006/095194
【国際公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(507303376)ソーセイ アールアンドディ リミテッド (16)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【国際出願番号】PCT/GB2006/000874
【国際公開番号】WO2006/095194
【国際公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(507303376)ソーセイ アールアンドディ リミテッド (16)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]