薬剤を投与しモニタするためのシステムおよび方法
薬剤投与システムを利用して患者に薬剤を投与する方法が提供される。患者に投与される第1の薬剤が供給される。患者の識別が確認される。患者に投与される第1の薬剤がユーザインタフェース上で選択される。患者が受け入れる薬剤の容積が入力される。第1の薬剤が流れセンサ組立体を通して患者の中に注入される。注入が行われている間、患者に投与される第1の薬剤の流速および容積が流れセンサ組立体によりモニタされる。可視表示が注入に関係のある情報を提供する。第1の薬剤の注入に関する情報を捕捉するために、方法は患者の電子的医療管理記録を更新する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に流れセンサ組立体を含むシステムを利用して薬剤を投与しモニタするためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療ポンプを含む現在の医療機器は、流体、溶液、薬剤、および薬物を患者に投与するためにマイクロプロセッサベースのシステムによりますます制御されてきている。医療ポンプに対する典型的な制御は、投与される流体の投与量、流体投与の速度、期間、および患者の中に注入される流体の容積を医療実行者が入力することができるようにするユーザインタフェースを含む。典型的には、薬物投与は、連続注入としてまたは単回ボーラス投与として行われるようにプログラムされる。
【0003】
複数の薬剤が、多チャネル注入ポンプを使用することにより、または異なる流体が各チャネルから投与される複数の単一チャネル注入ポンプを使用して、患者に注入されるのが一般的である。複数の薬剤を患者に投与する別の方法が、注入ポンプを使用して第1の薬剤を投与し、単回ボーラス投与により追加の薬剤を投与することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
単回ボーラス投与により薬剤を投与するとき、正しい薬剤が患者に投与されていることを確認することだけでなく、正しい量の薬剤が患者に投与されていることも確認することが重要である。典型的には、介護者がボーラス投与を介して投与される薬剤の量を患者の紙のカルテの上に単に手で書き留めるだけであり、その情報は患者の記録に後で電子的に入力されることができる。したがって、介護者は適切な投与量が投与されたと確信している一方で、人的過誤が薬剤の偶然の過量投与または過少量投与につながり得る。薬剤投薬での誤りに加えて、人的過誤が単回ボーラス投与中に投与される薬剤記録の失敗が生じることもある。したがって、患者の医療記録が、患者が与えられたあらゆる薬剤を反映していない可能性がある。広範な流体および流速を測定することができる静脈ライン(IV line)内部のセンサが、患者がそのラインを通して与えられるあらゆる薬剤の流速および容積を詳細に記録するのに役立つ。さらに、低コストであり、特に使い捨て可能な薬剤投与管セットに低い追加コストを導入する強固な流速センシング手順を提供することが望ましい。さらに、正確には知られていない流体粘度を含むある範囲の物理特性を有する流体の流速を正確に感知することができる流速センシング方法を提供することが望ましい。さらに、患者に投与された薬剤だけでなく、薬剤の投与量、および薬剤が患者に投与された時間を自動的に記録することが望ましい。したがって、薬剤投与をモニタするための流体の流れセンサシステムを利用する方法に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一様態によれば、薬剤投与システムを利用して患者に薬剤を投与する方法が提供される。患者に投与される第1の薬剤が供給される。患者の識別が確認される。患者に投与される第1の薬剤がユーザインタフェース上で選択される。患者が受け入れる第1の薬剤の容積が入力される。第1の薬剤が流れセンサ組立体を通して患者の中に注入される。注入が行われている間、患者に投与される第1の薬剤の流速および容積が流れセンサ組立体によりモニタされる。可視表示が、注入に関係のある情報を提供する。方法は、第1の薬剤の注入に関する情報を捕捉するために、患者の電子的医療管理記録(electronic medical administration record)を更新する。
【0006】
本発明の別の様態によれば、薬剤投与システムを利用して患者に薬剤を投与する方法が提供される。患者に投与される第1の薬剤が供給される。患者の識別が確認される。第1の薬剤上のバーコードがスキャンされる。第1の薬剤の識別がバーコードのスキャンに基づき表示される。方法は、患者が第1の薬剤を処方されたことを確認する。患者が受け入れる薬剤の容積が入力される。第1の薬剤が流れセンサ組立体を通して患者の中に注入される。注入が行われている間、患者に投与される第1の薬剤の流速および容積が流れセンサ組立体によりモニタされる。可視表示が注入に関係のある情報を提供する。方法は、第1の薬剤の注入に関する情報を捕捉するために患者の電子的医療管理記録を更新する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】一実施形態による差圧に基づく流れセンサ組立体を有する静脈ラインに接続される患者を図示する絵画図である。
【図2】図1の実施形態の差圧に基づく流れセンサ組立体のより接近したより詳細な絵画図を示す図である。
【図3】図1の実施形態の差圧に基づく流れセンサ組立体の等角図である。
【図4】図3の線4−4に沿って得られる横断面図である。
【図5a】様々な実施形態による差圧に基づく流れセンサ組立体内部の流れ制限要素の横断面を示す図である。
【図5b】様々な実施形態による差圧に基づく流れセンサ組立体内部の流れ制限要素の横断面を示す図である。
【図5c】様々な実施形態による差圧に基づく流れセンサ組立体内部の流れ制限要素の横断面を示す図である。
【図5d】様々な実施形態による差圧に基づく流れセンサ組立体内部の流れ制限要素の横断面を示す図である。
【図5e】様々な実施形態による差圧に基づく流れセンサ組立体内部の流れ制限要素の横断面を示す図である。
【図6】図1の差圧に基づく流れセンサ組立体を有する静脈ラインを通した静注(IV push)またはボーラスを介した患者への薬剤の投与を図示する絵画図である。
【図7】1つの基本手順に従う、差圧に基づく流れセンサ組立体を有するシステムを使用して薬剤を投与する方法を概略的に示す図である。
【図7a】図7より手の込んだ手順に従う、差圧に基づく流れセンサ組立体を有するシステムを使用して薬剤を投与する方法を概略的に示す図である。
【図8a】別の手順に従う、差圧に基づく流れセンサ組立体を有するシステムを使用して薬剤を投与する方法を概略的に示す図である。
【図8b】別の手順に従う、差圧に基づく流れセンサ組立体を有するシステムを使用して薬剤を投与する方法を概略的に示す図である。
【図9】流れセンサ組立体を有するシステムを使用して介護者が患者に薬剤を投与する方法を絵画的に描く。
【図10】流れセンサ組立体を有するシステムを使用して介護者が患者に薬剤を投与する方法を絵画的に描く。
【図11】流れセンサ組立体を有するシステムを使用して介護者が患者に薬剤を投与する方法を絵画的に描く。
【図12】流れセンサ組立体を有するシステムを使用して介護者が患者に薬剤を投与する方法を絵画的に描く。
【図13】流れセンサ組立体を有するシステムを使用して介護者が患者に薬剤を投与する方法を絵画的に描く。
【図14】流れセンサ組立体を有するシステムを使用して介護者が患者に薬剤を投与する方法を絵画的に描く。
【図15】患者に薬剤を投与するためのシステムに情報を提供する代替方法を図示する絵画図である。
【図16】薬剤が患者に投与されようとしている、または投与されている間に、注入ポンプ上に表示されることができるスクリーンを図で描く。
【図17】薬剤が患者に投与されようとしている、または投与されている間に、注入ポンプ上に表示されることができるスクリーンを図で描く。
【図18】薬剤が患者に投与されようとしている、または投与されている間に、注入ポンプ上に表示されることができるスクリーンを図で描く。
【図19】薬剤が患者に投与されようとしている、または投与されている間に、注入ポンプ上に表示されることができるスクリーンを図で描く。
【図20】薬剤が患者に投与されようとしている、または投与されている間に、注入ポンプ上に表示されることができるスクリーンを図で描く。
【図21】薬剤が患者に投与されようとしている、または投与されている間に、注入ポンプ上に表示されることができるスクリーンを図で描く。
【図22】薬剤が患者に投与されようとしている、または投与されている間に、注入ポンプ上に表示されることができるスクリーンを図で描く。
【図23】薬剤が患者に投与されようとしている、または投与されている間に、注入ポンプ上に表示されることができるスクリーンを図で描く。
【図24】薬剤が患者に投与されようとしている、または投与されている間に、注入ポンプ上に表示されることができるスクリーンを図で描く。
【図25】薬剤が患者に投与されようとしている、または投与されている間に、注入ポンプ上に表示されることができるスクリーンを図で描く。
【図26】薬剤が患者に投与されようとしている、または投与されている間に、注入ポンプ上に表示されることができるスクリーンを図で描く。
【図27】薬剤が患者に投与されようとしている、または投与されている間に、注入ポンプ上に表示されることができるスクリーンを図で描く。
【図28】薬剤が患者に投与されようとしている、または投与されている間に、注入ポンプ上に表示されることができるスクリーンを図で描く。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、多くの異なる形態の実施形態を受け入れることができるが、本発明の一例が図で示され、本明細書で説明される。本開示は本発明の原理の一例と考えられるべきである。本発明の広い様態を、示される例に限定することが意図されるものではない。
【0009】
図1は薬剤投与システム1に接続され、薬剤貯蔵器14から注入ポンプ12を介して第1の薬剤を受け入れる患者10の絵画的提示である。第1の流体ラインセグメント16が貯蔵器14から注入ポンプ12に第1の薬剤を投与する。第2の流体ラインセグメント18が注入ポンプ12から差圧に基づく流れセンサ組立体100に薬剤を投与する。第3の流体ラインセグメント22が、差圧に基づく流れセンサ100から患者10に薬剤を投与する。3つの流体ラインセグメントが図1に関連して説明されたが、本発明に関連して使用される流体ラインまたはラインセグメントの数は変化することがあり、3つの流体ラインより多くても、少なくてもよいことが考えられる。第3の流体ラインセグメント22は、典型的には連結弁23および患者アクセス機器たとえばカテーテル25を通して患者10に接続される。
【0010】
第2の流体ラインセグメント18は、第2の供給源から第2の薬剤を受け取るように適合される接続20を有する。図1に図示される接続は、典型的にはYサイト(Y−Site)と呼ばれるが、別の接続タイプおよび構成が本発明に関連して使用されることができることが考えられる。
【0011】
図2にさらに詳細に示される接続20は、介護者26(図6を参照のこと)による手動の静注またはボーラスの形でシリンジ24から第2の薬剤を受け取ることができる。第2の薬剤は別のやり方で、たとえば第2の薬剤貯蔵器または別の知られている薬剤投与供給源から供給されることができるとさらに考えられる。薬剤投与システム1は流れセンサ組立体100をさらに有する。図示される実施形態では、流れセンサ組立体100は、コネクタ20の下流に配置される差圧に基づく流れセンサ組立体であり、患者10の上に固定される。したがって、流れセンサ組立体は、センサ組立体100を通過する薬剤の1つまたは複数を、たとえば第1および第2の薬剤を有するように適合される。しかし、センサ組立体100はまた、第1と第2の薬剤の間の流体接合点の上流を含むがそれに限定されない任意の数の位置に配置される、第2の供給源とコネクタ20の間に接続される、またはコネクタ20の分岐の1つの上にまたはその内部に一体化して形成されることができる。流れセンサ組立体100は直接患者10に固定される必要がない。
【0012】
次に、図3および図4に移ると、差圧に基づく流れセンサ組立体100がさらに詳細に示されている。差圧に基づく流れセンサ組立体100は、使い捨てできる部分102および再利用できる部分104を有する。本明細書で使用されるように、再利用できるとは、安全に再利用することができる構成要素として規定される。たとえば、同じ再利用できる部分104が、使い捨てできる部分102が少なくとも72時間位ごとに交換されながら、同じ患者に複数回使用されることができる。同じ再利用できる部分104は、新しい使い捨てできる部分102を取り付けることにより、製造業者または健康管理機関により推奨される洗浄ポリシに従って異なる患者に対して何百回も、または何千回さえも使用されることができる。これは、再利用できる部分104が流体侵入を防止するように設計されているために可能となる。図4で最もよく理解されることができるように、使い捨てできる部分102は、流体入口106、上流流体チャンバ108、上流流体圧力膜110、流れ制限要素112、下流流体チャンバ114、下流流体圧力膜116、および流体出口118を有する。膜110および116は流体不浸透性である。膜全体が示されているが、1つまたは複数のガスケットおよびOリングを含むがそれに限定されない別のタイプのシールが、再利用できる部分のハウジングの内に流体を侵入させないのに十分であることが考えられる。任意の露出される領域が、必要であれば洗浄溶液で拭き取られることができる。
【0013】
図4に示されるように、薬剤は流体入口106を通って使い捨てできる部分102に入る。薬剤は流体入口106から上流流体チャンバ108の中に流れる。次に、薬剤は流れ制限要素112を通って下流流体チャンバ114の中に流れる。流体が上流流体チャンバ108から流れ制限要素112と通って下流流体チャンバ114まで流れるとき、流れ制限要素112を通る薬剤の流れが、流体圧力の低下をもたらす。したがって、正常条件下での前方への流体の流れの間に、上流流体チャンバ108内部の流体圧力が下流流体チャンバ114内部の流体圧力より一般に大きい。上流流体チャンバ108内部の流体圧力が上流流体圧力膜110を押す。同様に、下流流体チャンバ114内部の流体圧力が下流流体圧力膜116を押す。
【0014】
使い捨てできる部分102の製造のために様々な材料が利用されることができることが考えられる。使い捨てできる部分102は熱可塑性物質を含むことができる。流れ制限要素112は、使い捨てできる部分102の残りと同じ熱可塑性物質から作られることができる、または使い捨てできる部分102と異なる材料とすることができることが考えられる。流れ制限要素112を形成するために利用されることができる材料を限定しない例が、ケイ素、ガラス、および医療グレードの熱可塑性物質およびエラストマを含む。流体圧力膜110、116は様々な高分子材料またはエラストマ材料、たとえばTPEまたはシリコーンを含むことができる。
【0015】
流れ制限要素112は、使い捨てできる部分10の残りと一体化して形成されることができる、または流れ制限要素112は、使い捨てできる部分102内部に配置される別個の構成要素とすることができることがさらに考えられる。
【0016】
図4でさらに理解されることができるように、差圧に基づく流速センサ組立体100の再利用できる部分104は、上流圧力センサ120、下流圧力センサ122、回路基板124、および電気接続126を有し、すべてハウジング128内部に含まれる。上流圧力センサ120は、上流流体圧力膜110と相互作用して、上流流体チャンバ108内部の流体圧力の読取値を生成するように適合される。同様に、下流圧力センサ122は、下流流体圧力膜116と相互作用して、下流流体チャンバ114内部の流体圧力の読取値を生成するように適合される。回路基板124は上流圧力センサ120と下流圧力センサ122の両方から出力を受け取る。回路基板124上のプロセッサ(示されていない)が上流流体チャンバ108と下流流体チャンバ114の間の差圧を計算することができる、または回路基板126が、上流チャンバ108と下流チャンバ114の間の差圧を計算するプロセッサを有する別の遠隔機器、たとえば注入ポンプ12に送信される出力信号を生成することができる。回路基板124の出力は、電気接続126を通り注入ポンプ12(図1)まで通る。
【0017】
有線電気接続126が図4に示されているが、システムは任意選択で無線電気接続、および注入ポンプ12または別のシステム構成要素との通信を含むことができる。一部の代替実施形態によれば、再利用できる部分104は追加の電子回路、たとえば電池、1つまたは複数のメモリ、増幅器、信号調節構成要素、AD変換器、電力変換装置、LED表示器、表示装置、音源構成要素、無線通信エンジン、注入ポンプ12または別の供給源から電力を受け取るための誘導コイル、およびアクティブまたはパッシブの無線周波数識別装置(radio frequency identification device、RFID)をさらに含むことができることがさらに考えられる。本明細書で説明される計算および処理は、回路基板124上で、注入ポンプ12内で、遠隔プロセッサ(示されていない)で行われることができる、あるいは必要に応じてまたは望みに応じて、システム構成要素の1つだけの中に集中させられる、またはシステム構成要素の1つまたは複数の中に分散させられることができることが認識されよう。
【0018】
再利用できる部分104の構成要素はハウジング128内部に含まれる。ハウジング128は高分子材料、たとえばポリカーボネート、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、アクリル、または別の知られている材料から製造されることができる。上流の再利用できる部分の膜130は、上流流体圧力膜110を上流流体圧力センサ120から分離することができることがさらに考えられる。同様に、下流の再利用できる部分の膜132は、下流流体圧力膜116を下流流体圧力センサ122から分離することができる。
【0019】
次に、図5aを参照すると、使い捨てできる部分202の横断面が、流れ制限要素212aの1つのプロファイルを示すために、流れ制限要素212aと共に概略的に図示されている。流れ制限要素212aは、流れ制限要素112と同一でもよいが、さらに変わってもよい。流れ制限要素212aはオリフィス(orifice)の形をしている。オリフィスの性能が別の流れ制限要素、たとえば毛細管チャネルと比べて異なる粘度の流体間でより変動が少ないので、オリフィスが有益な流れ制限要素となり得る。すなわち、所与の流速に対してオリフィス両端で測定される差圧は、活動性流体の粘度とかなり無関係であり、代替の制限たとえば毛細管両端で測定される差圧は流体粘度への強い依存性を実証する。流れ制限要素212aは、流れ制限要素212aの上流側に配置される前面214a、および流れ制限要素212aの下流側に配置される後面216aを有する。流れ制限要素212aを通って流体が流れることができるようにするために、流れ制限要素212aを通る開口部218aが形成される。
【0020】
開口部218aは様々な横断面形状を有することができるが、一般に円形開口部が使用される。流体粘度が、流れ制限要素212aの開口部218aを通る流体の流れに及ぼす影響を低減するのを手助けするために、開口部218aは、流体が開口部218aを通過する長さに対する開口部218aの周囲の長さの比約100:1から約2000:1を有することができる。すなわち、開口部の周囲の長さは、開口部218aを通る流体の流れの長さより十分大きく、その結果、開口部218aを通る圧力低下は流体への依存性がより少なく、開口部218aの幾何形状への依存性がより大きい。周囲の長さ対流れの長さの比約1000:1を有する開口部218aが効果的であることが理解された。たとえば、流れの寸法の長さ12ミクロンを有する430ミクロンの直径の円形オリフィスが、何百から何千までのml/時の流速を適応させる。より小さな流速および応用に対して、より小さい直径のオリフィスが必要とされる。
【0021】
流れ制限要素の開口部218aの厚さは、約5ミクロンから約25ミクロンまで変わることができる。厚さ約12ミクロンを有する開口部218aが効果的であることが理解された。所望の流れ特性を実証するために、個体の幾何形状で流れオリフィスまたは開口部を提供することが重要である。入口の高さ対オリフィスの実効水力直径の比はむしろ大きい、たとえば少なくとも10:4または約5:1とすべきである。しかし、膜の全領域が広い場合、所望のオリフィスの長さに等しい厚さの定厚膜が機械的に弱くなり得る。オリフィス開口部が確立されると、オリフィスが存在する膜の材料は、オリフィスの周囲から離れて移動するにつれ、より厚くすることができる。その結果、オリフィス自体は所望の制限的流体経路長を提供することができるが、オリフィスが存在する膜は、オリフィスから離れた位置でオリフィスの長さよりも厚い。したがって、流れ制限要素を形成するために様々な別の幾何形状も使用されることができると考えられる。
【0022】
図5aに示されるように、流れ制限要素212aは、より厚い横断面形状から開口部218a近くのより薄い横断面形状に移行する。流れ制限要素212aのためにそのような幾何形状を作り出すことは、流れ制限要素212aに対する様々な低コスト製造手法を考慮する。そのような幾何形状は、異なる粘度を有するが同じ流体流速を有する流体に対して大きな差圧を導入しないので、そのような幾何形状を作り出すことは流れ制限要素212aの性能に及ぼす影響が限定される。したがって、開口部218a近くの流れ制限要素212aの厚さは、開口部218aを通した圧力低下に及ぼす流体粘度の影響を限定するが、開口部218aから離れたより厚い材料が、流れ制限要素212aの全体の強度を増大させる。
【0023】
図5bから図5eは、流れ制限要素212aと同様に機能する代替の流れ制限要素212bから212eを図示する。流れ制限要素212bは一定の厚さを維持するが、流れ制限要素212cから212eは開口部218cから218e近くでより薄い。後面216aから216eの幾何形状は、開口部218aから218eを通る流れ特性に及ぼす影響を最小にするように設計される。これは、後面216aから216eの幾何形状がオリフィスから離れて適切に傾斜させられる限り、開口部218aから218eを通る流れが典型的にはオリフィス裏側に対して最小の流体/壁の動的相互作用を有する明確に定義された流体速度プロファイルを特徴とし、したがって、粘度に誘発される圧力損失を最小にするためである。これらのオリフィス幾何形状の一部が製造する強みに役立つ。たとえば、オリフィス218aは、ケイ素処理技術を介して、たとえばエッチング、リソグラフィ、マスキング、および別のMEMS工程を介して効果的に形成されることができる。オリフィス218bは薄く平坦な貯蔵材料をレーザ加工することにより効果的に形成されることができる。オリフィス218cおよび218dは、光イメージングガラス処理技術を使って容易に形成されることができる。オリフィス218c、218d、および218eは、成型または型押しの技術を使用して形成されることができる。さらに別の技術の組合せが本発明の範囲内で利用されることができる。
【0024】
多くの実施形態が共通組立体内部の上流圧力センサ、流れ制限要素、および下流圧力センサに関連して説明されたが、別の代替実施形態によれば、これらの構成要素が流体流れシステム内部の別個の独立型構成要素とすることができるとさらに考えられる。流体の流速および流体の流れの容積を測定する方法および処理は、一般にこの代替実施形態に従って前に説明された方法および処理と同一である。したがって、独立型流れ制限要素を通って流れる流体により生成される、独立型上流圧力センサと独立型下流圧力センサの間の圧力の差をモニタすることにより、流体の流速が計算されることができる。
【0025】
次に、図6に移ると、静注またはボーラスが患者10に投与されているのが示されている。介護者26は接続20を介して第2の流体ライン18にシリンジ24を接続する。次に、介護者26は接続20を通して患者にシリンジ24内部の薬剤を投与する。薬剤は差圧に基づく流れセンサ100および第3の流体ライン22を通り患者10まで進む。差圧に基づく流れセンサ組立体100はセンサ組立体100を通る薬剤の流速をモニタする。センサ組立体100を通る流速をモニタすることにより、患者10に投与される薬剤の容積が計算されることができる。
【0026】
圧力センサ組立体100を通る流体の流速は次式
【数1】
により計算されることができる。ここで、Qは容積測定の流速であり、ΔPは上流圧力センサと下流圧力センサの間の差圧であり、ρは流体質量密度であり、CDは開口部流出係数であり、Aは開口部の面積である。開口部にオリフィスを使用することは、流体粘度に対する誘発される差圧の依存性を最小にすることが経験的に示されており、流出係数は本質的に一定のままであり、したがって、流速を圧力、密度、および面積の関数にする。
【0027】
流速Qが計算されると、流れの容積が、次式
【数2】
を使用してある期間にわたる流速を積分することにより決定されることができる。この式を使用して、センサ組立体100を通る前方流も後方流も計算されることができる。負の流速が、下流センサ122での圧力が上流センサ120での圧力よりも高く、したがって、流体が患者10から離れてセンサ組立体100を通り後方に流れていることを示す。
【0028】
より正確なΔPを提供するために、圧力風袋錘(tare)、すなわちセンサの較正が、好ましくはゼロの流れの条件で行われることができる。圧力風袋錘が、流体投与中の個々の上流および下流の圧力センサ120、122の読取値から上流圧力センサ120と下流圧力センサ122の両方の平均圧力を減算する。そのような圧力風袋錘を利用することが、ボーラス投与を投与し記録する前の任意の装薬工程による圧力供給ドリフト、増幅、温度変動、または残留圧力からの信号ドリフトの発生を低減する。
【0029】
センサを通る流体の逆流も、負のΔPで測定されることができる。この場合、ΔPの絶対値をとり、負号を平方根から外に移動させることにより、流れは
【数3】
と計算される。負の流速は、シリンジから投与される総正味容積の精度に影響を及ぼし得るので、シリンジからの真の正味前方容積投与の計算で統合することが重要である。さらに、閉塞条件(すなわちカテーテル25または患者の静脈が閉じられるまたはふさがれる)が、典型的臨床慣行である前方流体投与前のシリンジのバックドローを使用して検出されることができる。正常条件下では、流体の逆流は直接測定され、正味前方容積投与の中に統合されることができる。しかし、閉塞のシナリオの下では、閉塞された逆流は、負の減圧を引き出す下流および上流のセンサの負の限閾値を使用してセンサにより迅速に検出されることができる。
【0030】
上流圧力センサ120および下流圧力センサ122の出力は、動きアーチファクトの検出のために、そのようなアーチファクトを真の流れのパターンから区別するためにさらにモニタされることができる。動きアーチファクトを検出するために、上流圧力センサ120の出力対下流圧力センサ122出力の比がモニタされる。たとえば、比が所定の閾値、たとえば3:1より小さい場合、上流圧力センサ120および下流圧力センサ122により示される圧力の任意の変化は、前方の流体の流れではなくセンサ組立体100内部の動きアーチファクトの結果である可能性が高い。したがって、上流圧力センサ120および下流圧力センサ122により示される圧力の比が閾値量より大きいときだけ流れは示される。これは、流れが開始されると、流れ制限要素112が上流圧力センサ120での圧力を下流圧力センサ122での圧力よりも大幅に高くするためである。あるいは、下流圧力センサ対上流圧力センサの比が限界閾値、たとえば3:1より大きい場合、逆の流体の流れが動きアーチファクトから同様に区別され、そうでない場合、信号は動きアーチファクトと考えられる。動きアーチファクトにより得られる圧力値は、流速および総計容積計算から除外されることができる。動きアーチファクト事象はまた、シリンジ24を介したボーラス投与の開始をゲートで制御するまたは決定するために使用される真の流れの開始を示す事象から区別される。
【0031】
アルゴリズムも、単回ボーラス投与の開始および終了を検出すると考えられる。そのようなアルゴリズムは流速の一次導関数および短期間平均値に頼ることができる。流速の平均値が一定の閾値、たとえば300ml/時などより大きく、かつ流速の導関数の平均値が別の閾値、たとえば50(ml/時)/秒より大きい場合、この流速および流速導関数はボーラス投与の開始を示す。閾値は、典型的なボーラス投与の投与は約50ml/時から約6000ml/時までの間の流速を有するが、ボーラス投与を注入する人間は、典型的には毎秒あたり約50ml/時未満の速度で注入を投与することができないという所見に基づき選択される。
【0032】
差圧センサ組立体100の出力はまた、単回ボーラス投与と注入ポンプの両方を介した薬剤の投与をモニタするために使用されることができる。そのようなアルゴリズムは閾値レベル未満、たとえば50m/時など未満の流速がボーラス投与によるものではないことを示す。同様に、注入ポンプサイクルがポンピングサイクルごとに不変の正弦波パターンの投与を提供する。周波数領域で、たとえばフーリエ変換によりセンサ組立体100の出力を分析する手法を利用すると、ポンプ注入サイクルは単回ボーラス投与により導入される流速よりはるかに高い周波数で出現する。単回ボーラス投与を介した手動投与に対して注入ポンプ動作による周波数帯を分離する遮断周波数を有する低域フィルタが、各供給源による流速信号を分離することができる。あるいは、ポンプ動作により影響を及ぼされる周波数より低い帯域内の周波数の逆フーリエ変換が、差圧に基づく流れセンサ組立体100からの時間領域流速信号を回復して、単回ボーラス投与による流れの量を定量化することができる。手動注入による流れからポンプ供給源による流れを分離するそのようなアルゴリズムはまた、注入ポンプ流速を確認するために利用されることができる。同様に、手動注入は通常、動脈拍動より周波数が低いので、センサが動脈血管と流体で直接つながっているときの動脈拍動の結果として発生する圧力脈動が検出され、遮断周波数より下の周波数領域低域フィルタを使用して数学的に補償されることができる。あるいは、センサで測定される圧力値の線形加重平均が、脈動の影響を低減するために信号に対して適用されることができるフィルタリングまたは平滑化の形になる。典型的な注入ポンプは流れの容積を測定しないが、むしろポンプ流体偏位に基づき流れの容積を見積もる。したがって、差圧に基づく流れセンサ組立体100は、注入ポンプ機能を確認する、またはポンプ流速を制御するために閉フィードバックループで使用されることができる。
【0033】
考えられるさらに別のアルゴリズムが、差圧に基づくセンサ組立体100がセンサ組立体100を通って流れる流体内部のエアポケットを検出するために使用されることができるようにする。エアポケットは、典型的にはセンサ組立体100を通過する流体よりはるかに密度が低い。したがって、流体媒体内部のエアポケットまたは気泡が、圧力値の突然の変化を生み出して、続けて、期待されたレベルに戻る。圧力値の突然の変化の開始および終了は、上流圧力センサ120および下流圧力センサ122の出力の一次導関数および二次導関数をモニタすることにより検出される。圧力の突然の変化は、まず上流圧力センサ120で気づかれ、続けて下流圧力センサ122での圧力の突然の変化が起こる。エアポケットが通過されると、これらの圧力変化に続いて、エアポケット受け入れ前の圧力レベルに戻る突然の回復が起こる。典型的な圧力から逸脱する期間は、エアポケットのサイズを示す。
【0034】
図7は、差圧に基づくセンサ組立体100を利用して、ボーラスまたは別の投与により投与される流体の流れの瞬時流速および/または容積を決定する基本手順を示す。手順は、ステップ602で、差圧に基づくセンサ組立体100を提供する。ステップ604で、流体がセンサ組立体を通って流れる。ステップ606Aで、上流圧力センサ120の出力が測定され、ステップ606Bで、下流出力センサ122の出力が測定される。ステップ608で、センサ120、122からの信号がフィルタにかけられる、増幅される、または(たとえば上記で説明されるような)別の方法で処理されることができる。ステップ610で、タイムスタンプが測定値に関連付けられる。ステップ612で、差圧が、観測された測定値に基づき計算される。ステップ614で、瞬間的な流体の流速が計算される。ステップ616で、対象の期間の容積投与を導くために時間に対して流速が積分される。ステップ618で、センサ信号または測定値、タイムスタンプ情報、差圧、流速、および/あるいは投与される容積が、センサ組立体100内、注入ポンプ12内、または別のコンピュータ内に配置されることができるメモリに伝達される。
【0035】
ここで、図7aに移ると、投与システム内部で起こり得る閉塞に対するモニタリングを含む、差圧に基づくセンサ組立体を利用して流体を投与する手順が描かれている。ステップ702で、手順は差圧に基づく流れセンサを提供する。ステップ704で、流体がセンサを通って流れ、ステップ706で、上流流体圧力センサと下流流体圧力センサの両方の出力がモニタされる。ステップ708で、手順は、上流流体圧力センサと下流流体圧力センサの両方の出力が、期待される範囲内であるかどうかを決定する。範囲内である場合、ステップ710で、手順は前に説明されたアルゴリズムを利用して流体流速を計算する。流速が決定されると、ステップ712で、手順は、所与の期間にわたりセンサ組立体100を通過した容積を得る。図7に関して上記で説明されたように、センサ信号または測定値、タイムスタンプ情報、差圧、流速および/あるいは投与される容積が、センサ組立体100内、注入ポンプ12内、または別のコンピュータ内に配置されることができるメモリに伝達される。
【0036】
上流および下流の流体圧力センサの出力が、期待される範囲内に入らない場合、ステップ714で、手順は、上流流体圧力センサの出力が最小レベルより大きいかどうかを決定する。圧力が、あらかじめ設定された最小レベルより大きくない場合、ステップ716で、起こり得る閉塞が差圧に基づく流れセンサ組立体100の上流に存在することを示すエラー信号が生成される。しかし、上流流体圧力センサの出力が最小レベルより大きい場合、ステップ718で、手順は、下流流体圧力センサの出力レベルが、あらかじめ設定された最小レベルより大きいかどうかを決定する。下流流体圧力センサの出力が、あらかじめ設定された最小レベルより大きくない場合、ステップ720で、流れ制限要素112またはその上流で閉塞が存在し得ることを示すエラー信号が生成される。しかし、下流流体圧力センサが、あらかじめ設定された最小レベルより大きい圧力を検出する場合、ステップ722で、差圧に基づく流れセンサ組立体100の下流に閉塞が存在し得ることを示すエラー信号が生成される。
【0037】
したがって、図7aに図示される手順を利用して、流体の流速だけでなく差圧に基づく流れセンサ組立体を通って投与される流体の容積も計算されることができ、閉塞が発生したとき、エラーメッセージが提供されることができる。
【0038】
図8aから図8bに示されるように、注入ポンプを有する薬剤投与システムを利用して患者に薬剤を投与する方法がブロック図の形で描かれている。ステップ802で、処理は、差圧に基づく流れセンサ組立体、たとえば本明細書で前に説明されたセンサ組立体100を提供する。ステップ804で、第1の薬剤が流れセンサ組立体を通して患者10に与えられる。ステップ806で、センサ組立体を通る流れが感知される。ステップ808で、手順はプロセッサを介して第1の薬剤を投与する注入ポンプを制御する。ステップ810で、患者に投与された第1の薬剤の量または容積が、プロセッサ、および差圧に基づく流れセンサ組立体100から得られる信号を使用して計算される。ステップ812で、患者に投与される第2の薬剤に関する情報がプロセッサに提供される。ステップ814で、第2の薬剤に関して提供される情報が患者の治療計画の範囲内の情報と比較される。患者の治療計画に関する情報は、ポンプ12のメモリ、再利用できる部分104のメモリ、あるいは別のメモリ、またはポンプ12および/または流れセンサ組立体100とつながっているコンピュータ内に記憶されることができる。ステップ816で、手順は、たとえば患者が第2の薬剤に対する医療上の指示または処方箋を有しているかどうかを確認することにより、第2の薬剤が患者の特定の治療計画に基づいているかどうかを決定する。第2の薬剤が患者の治療計画で見つけられない場合、ステップ818で、第2の薬剤が患者の治療計画で見つけられず、かつ介護者が、医師または別の介護者と共に確認して患者に第2の薬剤を提供することが適切かどうかを決定するべきであることを示すエラーメッセージが提供される。第2の薬剤が患者の治療計画で見つけられた場合、ステップ820で、第2の薬剤を投与するためのガイドラインが生成されるまたは表示される。ガイドラインは、上限および/または下限を伴う目標投与速度、ボーラス中に投与される総容積または量、ならびに静注またはボーラスを投与する期間を含むことができるがそれに限定されない。
【0039】
ここで、図8bに移ると、ステップ822で、第2の薬剤が患者に投与される。ステップ824で、手順は、差圧に基づく流速センサ組立体100を使用して第2の薬剤の投与速度を計算する。上記の図7に関連して説明されたように、投与流速計算結果はメモリ内に記憶されることができる。ステップ826で、第2の薬剤の投与速度が投与ガイドラインに適合するかどうかを決定するために比較が行われる。投与速度が投与ガイドラインに適合しない場合、ステップ828で、投与速度警告が介護者に提供される。投与速度警告が提供される場合、ステップ830で、第2の薬剤が投与ガイドラインまたはプロトコルと一致しない速度で投与されたことを示すために、患者の電子的薬剤投与記録(electronic medication administration record、eMAR)が更新される。ステップ832で、患者に投与された第2の薬剤の量も計算されることができる。ステップ834で、手順は、投与された第2の薬剤の量を、患者が受け入れるように予定されていた第2の薬剤の量と比較する。患者が受け入れた第2の薬剤の量が、患者の治療計画に適合しない場合、ステップ836で、投与量警告が介護者に提供される。この警告は、患者が過少量投与の第2の薬剤を与えられたこと、または患者が過量投与の第2の薬剤を与えられたことを示すことができる。ステップ838で、患者の電子的薬剤投与記録(eMAR)が、患者に与えられた第2の薬剤の量だけでなく、第2の薬剤の投与量が患者の治療計画に適合しなかったことを示す情報も含むために更新される。患者に投与された第2の薬剤の量が患者の特定のガイドラインに適合する場合、ステップ840で、第2の薬剤の適切な投与量が患者に投与されたことを示すために、患者の電子的薬剤投与記録(eMAR)が更新される。患者の電子的薬剤投与記録(eMAR)に対するあらゆる更新が、薬剤が患者に投与された時間だけでなく、患者に薬剤を投与する責任がある介護者も書き留めることが考えられる。
【0040】
別の実施形態によれば、差圧に基づく流れセンサ組立体の使い捨てできる部分を有する使い捨てできる注入管セットが提供される。管セットは第1の薬剤貯蔵器に接続するように適合される少なくとも第1の管、および第2の薬剤が差圧に基づく流れセンサ組立体の使い捨てできる部分の上流の管セットの第1の管の中に導入されることができるようにする接続部位を含む。使い捨てできる注入管セットは、患者接続機器に接続するように適合される第2の管をさらに有する。第2の管は、差圧に基づく流れセンサ組立体の使い捨てできる部分の下流に配置されるように適合される。上記で議論されたように、差圧に基づく流れセンサ組立体の使い捨てできる部分は、ライン圧力条件、投与流速、または対象のある流体容積投与量に応じて、使い捨てできる注入管セット内部の別の位置に配置されることができる。
【0041】
さらに別の実施形態によれば、差圧に基づく流速センサ組立体は、圧力に基づく事象検出センサの役割を果たす、またはそれにより置換されることができる。圧力に基づく事象検出センサは、事象、たとえばボーラスが、圧力のスパイクを指摘して検出されることができるようにする。そのような事象検出センサは、投与される薬剤の容積の計算を可能にするのではなく、特定の時間に何らかの薬剤が投与されたというメモを患者の記録に載せる。したがって、患者が薬剤を与えられたということを確認する記録が存在する。
【0042】
さらに別の実施形態によれば、差圧に基づく流れセンサ組立体が誘導電源により電力を供給されることができる。そのような実施形態は、本明細書で説明される差圧に基づく流れセンサ組立体100と同じ特徴の多くを含む。同様に、差圧に基づく無線の流れセンサ組立体が、上流圧力センサでの圧力に関する情報および下流圧力センサに関する情報をシステム内部の別の構成要素に送信することができることが考えられる。最後に、差圧に基づく流れセンサ組立体100の部分104が、MEMS、集積回路、または別の技術を使用して、小型化された低コストのやり方で製造されることができ、その結果、部分104は同様に使い捨てできると考えられることができる。
【0043】
ここで、図9から図14に移ると、患者に薬剤を投与する方法が、薬剤投与システム1を使用して絵画的に描かれている。図9に示されるように、介護者26は、薬剤30、および患者10に対する医療管理記録32(「MAR」)を伴って患者10に近づく。次に、介護者26は、患者10の識別、およびMAR32上の名前が一致することを確認する。介護者26は、患者10と話をすること、あるいは患者10に関して見いだされる別の識別する情報、たとえば病院の識別ブレスレットまたは別の類似する識別するしるしを見るまたはスキャンすることに加えて、注入ポンプ12上のインタフェース34を見て、患者10の識別を確認するのに役立てる。
【0044】
次に、図10および図11に移ると、患者10の識別が確認されると、介護者26は、ポンプ12上の、好ましくはタッチスクリーン表示装置であるインタフェース34を利用して、介護者26が患者10に近づいて投与する薬剤30を選択する。インタフェース34は、ユーザにより活動化されたとき、静注治療オプションまたはモード、およびパラメータ入力/表示領域37を提供する「静注」ボタン35を有する。インタフェース34は患者10に対して処方された複数の薬剤および濃度を表示することができ、したがって、介護者はインタフェース34上に提示される選択肢から薬剤30を適切に選択する。さらに、薬剤30が選択されると、システム1は、薬剤30が、患者10が受け入れている別の薬剤と有害反応を引き起こすことがあるかどうか、または患者10が薬剤30にアレルギ反応を被ることがあるかどうかを示すメッセージを表示するように適合されることができる。
【0045】
図12に描かれるように、インタフェース34上で薬剤30が選択されると、ポンプ12はインタフェース34上に確認スクリーンを表示する。確認スクリーンは、介護者26が、患者に投与される薬剤30の量を入力することができるようにし、システム1は、介護者26が薬剤30を投与する推奨される期間を計算し、インタフェース34上で介護者26に情報を表示する。ある種の薬剤は、時間に敏感なやり方で患者10への投与を必要とするが、別の薬剤は投与速度に依存しない。
【0046】
次に、介護者は、図13に描かれるように、患者10の中に注入するためにシリンジ24の中に薬剤30を配置する。介護者26は接続20を介して第2の流体ライン18にシリンジ24を接続する。次に、介護者26は接続20を通して患者10にシリンジ24内部の薬剤を投与する。薬剤は差圧に基づく流体流れセンサ組立体100および第3の流体ライン22を通り患者10まで進む。差圧に基づく流体センサ組立体100は、センサ組立体100を通る薬剤の流速をモニタする。センサ組立体100を通る流速をモニタすることにより患者10に投与される薬剤の容積が計算されることができる。流速をモニタすることは、薬剤が投与されている速度を増大させる、または薬剤が投与されている速度を遅くするようにインタフェース34が介護者に指示することができるようにする。
【0047】
薬剤30が患者の中に注入されると、介護者26はポンプ12のインタフェース34と再度対話することができる。図14に移ると、インタフェース34は、流れセンサ100から得られるデータに基づき、介護者26が患者に投与した薬剤の量を表示する。病院は、どの薬物が静注により投与されることができるか、静注により投与されることができるようにされる各薬物に対する最良実施の静注速度、所望のカスタマイズされる丸めおよび/または切り捨ての規則だけでなく、表示するまたは伝達する数字の単位および桁数を規定するカスタマイズでき電子的にダウンロードできる薬物ライブラリを介してポンプ12を構成することができる。次に、システム1は患者10のeMARを更新して、薬剤30の投与を反映させることができる。
【0048】
図15に示されるように、代替実施形態によれば、システム1’は、バーコードリーダ50を特徴とするポンプ12’を利用することができることが考えられる。薬剤30は、シリンジ24’の外側のバーコード52を特徴とするシリンジ24’内に与えられることができる。シリンジ24’は、バーコード52がバーコードリーダ50により読み取られることができるように配置される。インタフェース34’上に示されるように、バーコード52が検出されると、シリンジ26’内部の薬剤の識別、および任意選択で患者の識別子がユーザ26に表示されることができる。インタフェース34’’上に示されるように、シリンジ24’内部の薬剤が患者に対して処方されていなかったことを示す警告メッセージが介護者26に提供される。システム1’は患者のeMARを再調査して、薬剤が患者に対して処方されたかどうかを決定する。
【0049】
ここで、図16から図28に移ると、インタフェース34上に示されることができる情報の具体的表示が描かれている。図16は、患者に対して処方された2つの薬物を表示するインタフェーススクリーン34aを示す。介護者は、患者に投与される薬剤として指示の1つおよび関係のある薬剤を選択することができる。
【0050】
図17は、インタフェーススクリーン34a上で薬剤が選択された後のインタフェーススクリーン34bを示す。インタフェーススクリーン34bは、薬剤が投与される時間の長さを介護者が選択することができるようにし、処方された投与量を与えるために必要とされる薬剤の容積を介護者に示す。あるいは、投与パラメータ(速度、時間、容積、または投与量など)が薬剤30のラベルから読み取られるまたはスキャンされ、リーダ50からポンプ12、または看護システムのバーコードポイント、または薬局情報システムを含むがそれに限定されない病院内部の情報システムに伝達されることができる。自動化されたプログラミングに対して手動または反手動の場合、介護者が、薬剤を投与する時間の量を選択し、任意の欠けているパラメータを入力した後、図18に示されるように、介護者が前に提供された情報を確認し、開始を押すことにより注入を開始させることができるようにするインタフェーススクリーン34cが出現する。当然、パラメータが自動的に提供される場合、ユーザは確認スクリーンを即刻提示されることができる。
【0051】
1つの方法によれば、介護者が開始を押すと、投薬投与システム1は、薬剤投与量が正しいことを確認し、薬剤が特定の患者に対して処方されたことを再度確認する。図19は、選択された薬剤の濃度がシステム内に見つけられない、または投与される薬剤の投与量がシステムの範囲内ではないことを示す警報メッセージまたは警告メッセージを含むインタフェーススクリーン34dを示す。たとえば、薬剤が10mg/mlの濃度で利用できないが、その濃度が選択された場合、そのようなエラーが表示される。同様に、投与量150mgが特定の患者に対して適切な投与量ではない場合、インタフェーススクリーン34d上に示されるそのような警告が出現することができる。同様に、図20のインタフェーススクリーン34e上で示されるように、介護者により選択された薬剤が患者に対して処方されていなかった場合、患者がその特定の薬剤を受け入れる指示がeMARの中に入力されなかったことを示す警報メッセージまたは警告メッセージが介護者に示される。したがって、これらの警告は、介護者が患者に薬剤を投与する前に、患者が特定の薬剤を受け入れていると考えられること、および薬剤の濃度および投与量が適切であることを確認するための追加確認を介護者に提供する。
【0052】
介護者が患者に薬剤を投与し始めると、図21に示されるようなインタフェーススクリーン34fが表示される。インタフェーススクリーン34fは、投与されている薬剤、薬剤の濃度、および患者が受け入れるべき薬剤の総容積(VTBI−注入されるべき容積(volume to be infused))を表示する。さらに、インタフェーススクリーン34fは、投与ガイドラインに基づき、投与量、および注入が始まって以来投与された薬剤の容積、ならびに介護者が薬剤の注入を完了するのに残っている合計時間を表示する。インタフェーススクリーン34fはまた、表示器39により証明されるように流れセンサがシステムにより検出されたという事実、および表示器41により証明されるように流れセンサが現在流体の流れを観測しているという事実を介護者に気づかせることができる。
【0053】
介護者が薬剤を患者に投与している間、図22に描かれるインタフェーススクリーン34gが、薬剤があまりにも速く投与されているところであるという警告を看護者に提供するために生成されることができる。流れセンサからのデータは、システムが流速をリアルタイムまたはほぼリアルタイムでモニタすることができるようにし、その結果、指定された投与速度での薬剤に対して、観測された速度が速すぎることを介護者が通知されることができる。同様に、薬剤投与速度が十分ではないことをユーザに気づかせるためにインタフェーススクリーンが提供されることができ、介護者に薬剤投与速度を増大させるように促す、またはそうさせることが考えられる。薬剤流速が保たれるべき、図による流速限界を介護者に提供する、棒グラフまたは回転速度計スタイルの表示を含むがそれに限定されない図形表示が提供されることができることがさらになお考えられる。色、たとえば受け入れることができる注入または流速に対する緑色、警告またはほぼ受け入れることができる注入または流速に対する黄色、および警報または受け入れることができない注入または流速に対する赤色が利用されることができる。介護者に視覚的にガイドラインを提供することは、適切な薬剤投与速度を保証するのに役立つことがある。類似するツールが、投与される容積に対して利用されることができる。
【0054】
ここで、図23に移ると、過量投与の薬剤が患者に与えられたことを示す警報または警告を有するインタフェーススクリーン34hが描かれている。システムは、患者に与えられた投与量が、処方された投与量以上の一定パーセントである場合、過量投与警報を提供するよう病院または別の機関により設定されることができる。病院は薬物ライブラリを介してポンプをカスタマイズするまたは構成することができる。警報は、患者に投与された薬剤に基づき変わるように構成されることができる。過量投与警告を提供するインタフェーススクリーン34hに必要とされるパーセント過量投与は、一定の投与量が重視される薬剤に対して20%未満とし、別の投与量の重要度のより低い薬剤に対して20%より大きくすることができる。
【0055】
同様に、図24は、過少量投与の薬剤が患者に与えられたことを示す警報または警告を有するインタフェーススクリーン34iを表示する。過量投与警報と同様に、過少量投与警報は病院により構成されることができ、薬剤に基づき変わることができる。
【0056】
薬剤投与が完了すると、患者に投与された薬剤の容積を介護者が確認することができるようにするインタフェーススクリーン34j(図25)が提供される。介護者が、システムにより検出された薬剤の容積を確認すると、情報を手動で編集することができる。図26のインタフェーススクリーン34kで示されるように、介護者は容積情報を編集するまたは上書きして、処方された投与量を反映させることができる、あるいは投与された容積を単に整数にすることができる。システム内部の設定は、上書きスクリーンを使用することができる介護者の数を制限することができ、その結果、医師または看護監督者だけが情報を編集することができる。さらに、情報が上書きインタフェーススクリーン34k上で編集された場合でさえ、患者のeMARが、システムの流れセンサにより提供された情報、または流れセンサから計算された情報で更新される。このやり方では、薬剤投与の正確な詳細がeMARの中に常に記憶される。
【0057】
次に、図27に移ると、介護者が患者に与えられた薬剤の容積をインタフェーススクリーン34h上で確認すると、患者に投与された薬剤の容積および投与量を示す別のインタフェーススクリーン34lが描かれている。この情報は患者のeMARに入力され、インタフェーススクリーン34l上で記録を見るオプションを選択することにより介護者により見られることができる。
【0058】
最後に、介護者がインタフェーススクリーン34lから記録を見るオプションを選択する場合、図28に示されるように薬剤投与記録インタフェーススクリーン34mが表示される。薬剤投与記録インタフェーススクリーン34mは、投与の時間、投与された薬剤、薬剤の濃度、投与された薬剤の容積、投与された薬剤の投与量、センサにより生成された情報の上書きが入力されたかどうか、薬剤投与の期間を含む、患者への薬剤の投与に関する関係のある情報を提供する。この情報は患者のeMARに送信されることができ、その結果、患者が受け入れるあらゆる薬剤の完全な記録が適切に維持される。
【0059】
上記は最良の形態と考えられることおよび/または別の例を説明したが、様々な修正が行われることができること、および本明細書で開示される発明の内容は様々な形態および例で実現されることができること、および様々な形態および例が、一部だけが本明細書で説明された数多くの別の応用、組合せ、および環境に適用されることができることが理解される。開示される様態は、本発明の真の範囲を逸脱することなく改変されるまたは修正されることができることを当業者は認められよう。したがって、発明の内容はこの説明での具体的詳細、証拠物、および例示される例に限定されない。本明細書で開示される有利な概念の真の範囲に入るありとあらゆる修正形態および変形形態を保護することが意図される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に流れセンサ組立体を含むシステムを利用して薬剤を投与しモニタするためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療ポンプを含む現在の医療機器は、流体、溶液、薬剤、および薬物を患者に投与するためにマイクロプロセッサベースのシステムによりますます制御されてきている。医療ポンプに対する典型的な制御は、投与される流体の投与量、流体投与の速度、期間、および患者の中に注入される流体の容積を医療実行者が入力することができるようにするユーザインタフェースを含む。典型的には、薬物投与は、連続注入としてまたは単回ボーラス投与として行われるようにプログラムされる。
【0003】
複数の薬剤が、多チャネル注入ポンプを使用することにより、または異なる流体が各チャネルから投与される複数の単一チャネル注入ポンプを使用して、患者に注入されるのが一般的である。複数の薬剤を患者に投与する別の方法が、注入ポンプを使用して第1の薬剤を投与し、単回ボーラス投与により追加の薬剤を投与することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
単回ボーラス投与により薬剤を投与するとき、正しい薬剤が患者に投与されていることを確認することだけでなく、正しい量の薬剤が患者に投与されていることも確認することが重要である。典型的には、介護者がボーラス投与を介して投与される薬剤の量を患者の紙のカルテの上に単に手で書き留めるだけであり、その情報は患者の記録に後で電子的に入力されることができる。したがって、介護者は適切な投与量が投与されたと確信している一方で、人的過誤が薬剤の偶然の過量投与または過少量投与につながり得る。薬剤投薬での誤りに加えて、人的過誤が単回ボーラス投与中に投与される薬剤記録の失敗が生じることもある。したがって、患者の医療記録が、患者が与えられたあらゆる薬剤を反映していない可能性がある。広範な流体および流速を測定することができる静脈ライン(IV line)内部のセンサが、患者がそのラインを通して与えられるあらゆる薬剤の流速および容積を詳細に記録するのに役立つ。さらに、低コストであり、特に使い捨て可能な薬剤投与管セットに低い追加コストを導入する強固な流速センシング手順を提供することが望ましい。さらに、正確には知られていない流体粘度を含むある範囲の物理特性を有する流体の流速を正確に感知することができる流速センシング方法を提供することが望ましい。さらに、患者に投与された薬剤だけでなく、薬剤の投与量、および薬剤が患者に投与された時間を自動的に記録することが望ましい。したがって、薬剤投与をモニタするための流体の流れセンサシステムを利用する方法に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一様態によれば、薬剤投与システムを利用して患者に薬剤を投与する方法が提供される。患者に投与される第1の薬剤が供給される。患者の識別が確認される。患者に投与される第1の薬剤がユーザインタフェース上で選択される。患者が受け入れる第1の薬剤の容積が入力される。第1の薬剤が流れセンサ組立体を通して患者の中に注入される。注入が行われている間、患者に投与される第1の薬剤の流速および容積が流れセンサ組立体によりモニタされる。可視表示が、注入に関係のある情報を提供する。方法は、第1の薬剤の注入に関する情報を捕捉するために、患者の電子的医療管理記録(electronic medical administration record)を更新する。
【0006】
本発明の別の様態によれば、薬剤投与システムを利用して患者に薬剤を投与する方法が提供される。患者に投与される第1の薬剤が供給される。患者の識別が確認される。第1の薬剤上のバーコードがスキャンされる。第1の薬剤の識別がバーコードのスキャンに基づき表示される。方法は、患者が第1の薬剤を処方されたことを確認する。患者が受け入れる薬剤の容積が入力される。第1の薬剤が流れセンサ組立体を通して患者の中に注入される。注入が行われている間、患者に投与される第1の薬剤の流速および容積が流れセンサ組立体によりモニタされる。可視表示が注入に関係のある情報を提供する。方法は、第1の薬剤の注入に関する情報を捕捉するために患者の電子的医療管理記録を更新する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】一実施形態による差圧に基づく流れセンサ組立体を有する静脈ラインに接続される患者を図示する絵画図である。
【図2】図1の実施形態の差圧に基づく流れセンサ組立体のより接近したより詳細な絵画図を示す図である。
【図3】図1の実施形態の差圧に基づく流れセンサ組立体の等角図である。
【図4】図3の線4−4に沿って得られる横断面図である。
【図5a】様々な実施形態による差圧に基づく流れセンサ組立体内部の流れ制限要素の横断面を示す図である。
【図5b】様々な実施形態による差圧に基づく流れセンサ組立体内部の流れ制限要素の横断面を示す図である。
【図5c】様々な実施形態による差圧に基づく流れセンサ組立体内部の流れ制限要素の横断面を示す図である。
【図5d】様々な実施形態による差圧に基づく流れセンサ組立体内部の流れ制限要素の横断面を示す図である。
【図5e】様々な実施形態による差圧に基づく流れセンサ組立体内部の流れ制限要素の横断面を示す図である。
【図6】図1の差圧に基づく流れセンサ組立体を有する静脈ラインを通した静注(IV push)またはボーラスを介した患者への薬剤の投与を図示する絵画図である。
【図7】1つの基本手順に従う、差圧に基づく流れセンサ組立体を有するシステムを使用して薬剤を投与する方法を概略的に示す図である。
【図7a】図7より手の込んだ手順に従う、差圧に基づく流れセンサ組立体を有するシステムを使用して薬剤を投与する方法を概略的に示す図である。
【図8a】別の手順に従う、差圧に基づく流れセンサ組立体を有するシステムを使用して薬剤を投与する方法を概略的に示す図である。
【図8b】別の手順に従う、差圧に基づく流れセンサ組立体を有するシステムを使用して薬剤を投与する方法を概略的に示す図である。
【図9】流れセンサ組立体を有するシステムを使用して介護者が患者に薬剤を投与する方法を絵画的に描く。
【図10】流れセンサ組立体を有するシステムを使用して介護者が患者に薬剤を投与する方法を絵画的に描く。
【図11】流れセンサ組立体を有するシステムを使用して介護者が患者に薬剤を投与する方法を絵画的に描く。
【図12】流れセンサ組立体を有するシステムを使用して介護者が患者に薬剤を投与する方法を絵画的に描く。
【図13】流れセンサ組立体を有するシステムを使用して介護者が患者に薬剤を投与する方法を絵画的に描く。
【図14】流れセンサ組立体を有するシステムを使用して介護者が患者に薬剤を投与する方法を絵画的に描く。
【図15】患者に薬剤を投与するためのシステムに情報を提供する代替方法を図示する絵画図である。
【図16】薬剤が患者に投与されようとしている、または投与されている間に、注入ポンプ上に表示されることができるスクリーンを図で描く。
【図17】薬剤が患者に投与されようとしている、または投与されている間に、注入ポンプ上に表示されることができるスクリーンを図で描く。
【図18】薬剤が患者に投与されようとしている、または投与されている間に、注入ポンプ上に表示されることができるスクリーンを図で描く。
【図19】薬剤が患者に投与されようとしている、または投与されている間に、注入ポンプ上に表示されることができるスクリーンを図で描く。
【図20】薬剤が患者に投与されようとしている、または投与されている間に、注入ポンプ上に表示されることができるスクリーンを図で描く。
【図21】薬剤が患者に投与されようとしている、または投与されている間に、注入ポンプ上に表示されることができるスクリーンを図で描く。
【図22】薬剤が患者に投与されようとしている、または投与されている間に、注入ポンプ上に表示されることができるスクリーンを図で描く。
【図23】薬剤が患者に投与されようとしている、または投与されている間に、注入ポンプ上に表示されることができるスクリーンを図で描く。
【図24】薬剤が患者に投与されようとしている、または投与されている間に、注入ポンプ上に表示されることができるスクリーンを図で描く。
【図25】薬剤が患者に投与されようとしている、または投与されている間に、注入ポンプ上に表示されることができるスクリーンを図で描く。
【図26】薬剤が患者に投与されようとしている、または投与されている間に、注入ポンプ上に表示されることができるスクリーンを図で描く。
【図27】薬剤が患者に投与されようとしている、または投与されている間に、注入ポンプ上に表示されることができるスクリーンを図で描く。
【図28】薬剤が患者に投与されようとしている、または投与されている間に、注入ポンプ上に表示されることができるスクリーンを図で描く。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、多くの異なる形態の実施形態を受け入れることができるが、本発明の一例が図で示され、本明細書で説明される。本開示は本発明の原理の一例と考えられるべきである。本発明の広い様態を、示される例に限定することが意図されるものではない。
【0009】
図1は薬剤投与システム1に接続され、薬剤貯蔵器14から注入ポンプ12を介して第1の薬剤を受け入れる患者10の絵画的提示である。第1の流体ラインセグメント16が貯蔵器14から注入ポンプ12に第1の薬剤を投与する。第2の流体ラインセグメント18が注入ポンプ12から差圧に基づく流れセンサ組立体100に薬剤を投与する。第3の流体ラインセグメント22が、差圧に基づく流れセンサ100から患者10に薬剤を投与する。3つの流体ラインセグメントが図1に関連して説明されたが、本発明に関連して使用される流体ラインまたはラインセグメントの数は変化することがあり、3つの流体ラインより多くても、少なくてもよいことが考えられる。第3の流体ラインセグメント22は、典型的には連結弁23および患者アクセス機器たとえばカテーテル25を通して患者10に接続される。
【0010】
第2の流体ラインセグメント18は、第2の供給源から第2の薬剤を受け取るように適合される接続20を有する。図1に図示される接続は、典型的にはYサイト(Y−Site)と呼ばれるが、別の接続タイプおよび構成が本発明に関連して使用されることができることが考えられる。
【0011】
図2にさらに詳細に示される接続20は、介護者26(図6を参照のこと)による手動の静注またはボーラスの形でシリンジ24から第2の薬剤を受け取ることができる。第2の薬剤は別のやり方で、たとえば第2の薬剤貯蔵器または別の知られている薬剤投与供給源から供給されることができるとさらに考えられる。薬剤投与システム1は流れセンサ組立体100をさらに有する。図示される実施形態では、流れセンサ組立体100は、コネクタ20の下流に配置される差圧に基づく流れセンサ組立体であり、患者10の上に固定される。したがって、流れセンサ組立体は、センサ組立体100を通過する薬剤の1つまたは複数を、たとえば第1および第2の薬剤を有するように適合される。しかし、センサ組立体100はまた、第1と第2の薬剤の間の流体接合点の上流を含むがそれに限定されない任意の数の位置に配置される、第2の供給源とコネクタ20の間に接続される、またはコネクタ20の分岐の1つの上にまたはその内部に一体化して形成されることができる。流れセンサ組立体100は直接患者10に固定される必要がない。
【0012】
次に、図3および図4に移ると、差圧に基づく流れセンサ組立体100がさらに詳細に示されている。差圧に基づく流れセンサ組立体100は、使い捨てできる部分102および再利用できる部分104を有する。本明細書で使用されるように、再利用できるとは、安全に再利用することができる構成要素として規定される。たとえば、同じ再利用できる部分104が、使い捨てできる部分102が少なくとも72時間位ごとに交換されながら、同じ患者に複数回使用されることができる。同じ再利用できる部分104は、新しい使い捨てできる部分102を取り付けることにより、製造業者または健康管理機関により推奨される洗浄ポリシに従って異なる患者に対して何百回も、または何千回さえも使用されることができる。これは、再利用できる部分104が流体侵入を防止するように設計されているために可能となる。図4で最もよく理解されることができるように、使い捨てできる部分102は、流体入口106、上流流体チャンバ108、上流流体圧力膜110、流れ制限要素112、下流流体チャンバ114、下流流体圧力膜116、および流体出口118を有する。膜110および116は流体不浸透性である。膜全体が示されているが、1つまたは複数のガスケットおよびOリングを含むがそれに限定されない別のタイプのシールが、再利用できる部分のハウジングの内に流体を侵入させないのに十分であることが考えられる。任意の露出される領域が、必要であれば洗浄溶液で拭き取られることができる。
【0013】
図4に示されるように、薬剤は流体入口106を通って使い捨てできる部分102に入る。薬剤は流体入口106から上流流体チャンバ108の中に流れる。次に、薬剤は流れ制限要素112を通って下流流体チャンバ114の中に流れる。流体が上流流体チャンバ108から流れ制限要素112と通って下流流体チャンバ114まで流れるとき、流れ制限要素112を通る薬剤の流れが、流体圧力の低下をもたらす。したがって、正常条件下での前方への流体の流れの間に、上流流体チャンバ108内部の流体圧力が下流流体チャンバ114内部の流体圧力より一般に大きい。上流流体チャンバ108内部の流体圧力が上流流体圧力膜110を押す。同様に、下流流体チャンバ114内部の流体圧力が下流流体圧力膜116を押す。
【0014】
使い捨てできる部分102の製造のために様々な材料が利用されることができることが考えられる。使い捨てできる部分102は熱可塑性物質を含むことができる。流れ制限要素112は、使い捨てできる部分102の残りと同じ熱可塑性物質から作られることができる、または使い捨てできる部分102と異なる材料とすることができることが考えられる。流れ制限要素112を形成するために利用されることができる材料を限定しない例が、ケイ素、ガラス、および医療グレードの熱可塑性物質およびエラストマを含む。流体圧力膜110、116は様々な高分子材料またはエラストマ材料、たとえばTPEまたはシリコーンを含むことができる。
【0015】
流れ制限要素112は、使い捨てできる部分10の残りと一体化して形成されることができる、または流れ制限要素112は、使い捨てできる部分102内部に配置される別個の構成要素とすることができることがさらに考えられる。
【0016】
図4でさらに理解されることができるように、差圧に基づく流速センサ組立体100の再利用できる部分104は、上流圧力センサ120、下流圧力センサ122、回路基板124、および電気接続126を有し、すべてハウジング128内部に含まれる。上流圧力センサ120は、上流流体圧力膜110と相互作用して、上流流体チャンバ108内部の流体圧力の読取値を生成するように適合される。同様に、下流圧力センサ122は、下流流体圧力膜116と相互作用して、下流流体チャンバ114内部の流体圧力の読取値を生成するように適合される。回路基板124は上流圧力センサ120と下流圧力センサ122の両方から出力を受け取る。回路基板124上のプロセッサ(示されていない)が上流流体チャンバ108と下流流体チャンバ114の間の差圧を計算することができる、または回路基板126が、上流チャンバ108と下流チャンバ114の間の差圧を計算するプロセッサを有する別の遠隔機器、たとえば注入ポンプ12に送信される出力信号を生成することができる。回路基板124の出力は、電気接続126を通り注入ポンプ12(図1)まで通る。
【0017】
有線電気接続126が図4に示されているが、システムは任意選択で無線電気接続、および注入ポンプ12または別のシステム構成要素との通信を含むことができる。一部の代替実施形態によれば、再利用できる部分104は追加の電子回路、たとえば電池、1つまたは複数のメモリ、増幅器、信号調節構成要素、AD変換器、電力変換装置、LED表示器、表示装置、音源構成要素、無線通信エンジン、注入ポンプ12または別の供給源から電力を受け取るための誘導コイル、およびアクティブまたはパッシブの無線周波数識別装置(radio frequency identification device、RFID)をさらに含むことができることがさらに考えられる。本明細書で説明される計算および処理は、回路基板124上で、注入ポンプ12内で、遠隔プロセッサ(示されていない)で行われることができる、あるいは必要に応じてまたは望みに応じて、システム構成要素の1つだけの中に集中させられる、またはシステム構成要素の1つまたは複数の中に分散させられることができることが認識されよう。
【0018】
再利用できる部分104の構成要素はハウジング128内部に含まれる。ハウジング128は高分子材料、たとえばポリカーボネート、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、アクリル、または別の知られている材料から製造されることができる。上流の再利用できる部分の膜130は、上流流体圧力膜110を上流流体圧力センサ120から分離することができることがさらに考えられる。同様に、下流の再利用できる部分の膜132は、下流流体圧力膜116を下流流体圧力センサ122から分離することができる。
【0019】
次に、図5aを参照すると、使い捨てできる部分202の横断面が、流れ制限要素212aの1つのプロファイルを示すために、流れ制限要素212aと共に概略的に図示されている。流れ制限要素212aは、流れ制限要素112と同一でもよいが、さらに変わってもよい。流れ制限要素212aはオリフィス(orifice)の形をしている。オリフィスの性能が別の流れ制限要素、たとえば毛細管チャネルと比べて異なる粘度の流体間でより変動が少ないので、オリフィスが有益な流れ制限要素となり得る。すなわち、所与の流速に対してオリフィス両端で測定される差圧は、活動性流体の粘度とかなり無関係であり、代替の制限たとえば毛細管両端で測定される差圧は流体粘度への強い依存性を実証する。流れ制限要素212aは、流れ制限要素212aの上流側に配置される前面214a、および流れ制限要素212aの下流側に配置される後面216aを有する。流れ制限要素212aを通って流体が流れることができるようにするために、流れ制限要素212aを通る開口部218aが形成される。
【0020】
開口部218aは様々な横断面形状を有することができるが、一般に円形開口部が使用される。流体粘度が、流れ制限要素212aの開口部218aを通る流体の流れに及ぼす影響を低減するのを手助けするために、開口部218aは、流体が開口部218aを通過する長さに対する開口部218aの周囲の長さの比約100:1から約2000:1を有することができる。すなわち、開口部の周囲の長さは、開口部218aを通る流体の流れの長さより十分大きく、その結果、開口部218aを通る圧力低下は流体への依存性がより少なく、開口部218aの幾何形状への依存性がより大きい。周囲の長さ対流れの長さの比約1000:1を有する開口部218aが効果的であることが理解された。たとえば、流れの寸法の長さ12ミクロンを有する430ミクロンの直径の円形オリフィスが、何百から何千までのml/時の流速を適応させる。より小さな流速および応用に対して、より小さい直径のオリフィスが必要とされる。
【0021】
流れ制限要素の開口部218aの厚さは、約5ミクロンから約25ミクロンまで変わることができる。厚さ約12ミクロンを有する開口部218aが効果的であることが理解された。所望の流れ特性を実証するために、個体の幾何形状で流れオリフィスまたは開口部を提供することが重要である。入口の高さ対オリフィスの実効水力直径の比はむしろ大きい、たとえば少なくとも10:4または約5:1とすべきである。しかし、膜の全領域が広い場合、所望のオリフィスの長さに等しい厚さの定厚膜が機械的に弱くなり得る。オリフィス開口部が確立されると、オリフィスが存在する膜の材料は、オリフィスの周囲から離れて移動するにつれ、より厚くすることができる。その結果、オリフィス自体は所望の制限的流体経路長を提供することができるが、オリフィスが存在する膜は、オリフィスから離れた位置でオリフィスの長さよりも厚い。したがって、流れ制限要素を形成するために様々な別の幾何形状も使用されることができると考えられる。
【0022】
図5aに示されるように、流れ制限要素212aは、より厚い横断面形状から開口部218a近くのより薄い横断面形状に移行する。流れ制限要素212aのためにそのような幾何形状を作り出すことは、流れ制限要素212aに対する様々な低コスト製造手法を考慮する。そのような幾何形状は、異なる粘度を有するが同じ流体流速を有する流体に対して大きな差圧を導入しないので、そのような幾何形状を作り出すことは流れ制限要素212aの性能に及ぼす影響が限定される。したがって、開口部218a近くの流れ制限要素212aの厚さは、開口部218aを通した圧力低下に及ぼす流体粘度の影響を限定するが、開口部218aから離れたより厚い材料が、流れ制限要素212aの全体の強度を増大させる。
【0023】
図5bから図5eは、流れ制限要素212aと同様に機能する代替の流れ制限要素212bから212eを図示する。流れ制限要素212bは一定の厚さを維持するが、流れ制限要素212cから212eは開口部218cから218e近くでより薄い。後面216aから216eの幾何形状は、開口部218aから218eを通る流れ特性に及ぼす影響を最小にするように設計される。これは、後面216aから216eの幾何形状がオリフィスから離れて適切に傾斜させられる限り、開口部218aから218eを通る流れが典型的にはオリフィス裏側に対して最小の流体/壁の動的相互作用を有する明確に定義された流体速度プロファイルを特徴とし、したがって、粘度に誘発される圧力損失を最小にするためである。これらのオリフィス幾何形状の一部が製造する強みに役立つ。たとえば、オリフィス218aは、ケイ素処理技術を介して、たとえばエッチング、リソグラフィ、マスキング、および別のMEMS工程を介して効果的に形成されることができる。オリフィス218bは薄く平坦な貯蔵材料をレーザ加工することにより効果的に形成されることができる。オリフィス218cおよび218dは、光イメージングガラス処理技術を使って容易に形成されることができる。オリフィス218c、218d、および218eは、成型または型押しの技術を使用して形成されることができる。さらに別の技術の組合せが本発明の範囲内で利用されることができる。
【0024】
多くの実施形態が共通組立体内部の上流圧力センサ、流れ制限要素、および下流圧力センサに関連して説明されたが、別の代替実施形態によれば、これらの構成要素が流体流れシステム内部の別個の独立型構成要素とすることができるとさらに考えられる。流体の流速および流体の流れの容積を測定する方法および処理は、一般にこの代替実施形態に従って前に説明された方法および処理と同一である。したがって、独立型流れ制限要素を通って流れる流体により生成される、独立型上流圧力センサと独立型下流圧力センサの間の圧力の差をモニタすることにより、流体の流速が計算されることができる。
【0025】
次に、図6に移ると、静注またはボーラスが患者10に投与されているのが示されている。介護者26は接続20を介して第2の流体ライン18にシリンジ24を接続する。次に、介護者26は接続20を通して患者にシリンジ24内部の薬剤を投与する。薬剤は差圧に基づく流れセンサ100および第3の流体ライン22を通り患者10まで進む。差圧に基づく流れセンサ組立体100はセンサ組立体100を通る薬剤の流速をモニタする。センサ組立体100を通る流速をモニタすることにより、患者10に投与される薬剤の容積が計算されることができる。
【0026】
圧力センサ組立体100を通る流体の流速は次式
【数1】
により計算されることができる。ここで、Qは容積測定の流速であり、ΔPは上流圧力センサと下流圧力センサの間の差圧であり、ρは流体質量密度であり、CDは開口部流出係数であり、Aは開口部の面積である。開口部にオリフィスを使用することは、流体粘度に対する誘発される差圧の依存性を最小にすることが経験的に示されており、流出係数は本質的に一定のままであり、したがって、流速を圧力、密度、および面積の関数にする。
【0027】
流速Qが計算されると、流れの容積が、次式
【数2】
を使用してある期間にわたる流速を積分することにより決定されることができる。この式を使用して、センサ組立体100を通る前方流も後方流も計算されることができる。負の流速が、下流センサ122での圧力が上流センサ120での圧力よりも高く、したがって、流体が患者10から離れてセンサ組立体100を通り後方に流れていることを示す。
【0028】
より正確なΔPを提供するために、圧力風袋錘(tare)、すなわちセンサの較正が、好ましくはゼロの流れの条件で行われることができる。圧力風袋錘が、流体投与中の個々の上流および下流の圧力センサ120、122の読取値から上流圧力センサ120と下流圧力センサ122の両方の平均圧力を減算する。そのような圧力風袋錘を利用することが、ボーラス投与を投与し記録する前の任意の装薬工程による圧力供給ドリフト、増幅、温度変動、または残留圧力からの信号ドリフトの発生を低減する。
【0029】
センサを通る流体の逆流も、負のΔPで測定されることができる。この場合、ΔPの絶対値をとり、負号を平方根から外に移動させることにより、流れは
【数3】
と計算される。負の流速は、シリンジから投与される総正味容積の精度に影響を及ぼし得るので、シリンジからの真の正味前方容積投与の計算で統合することが重要である。さらに、閉塞条件(すなわちカテーテル25または患者の静脈が閉じられるまたはふさがれる)が、典型的臨床慣行である前方流体投与前のシリンジのバックドローを使用して検出されることができる。正常条件下では、流体の逆流は直接測定され、正味前方容積投与の中に統合されることができる。しかし、閉塞のシナリオの下では、閉塞された逆流は、負の減圧を引き出す下流および上流のセンサの負の限閾値を使用してセンサにより迅速に検出されることができる。
【0030】
上流圧力センサ120および下流圧力センサ122の出力は、動きアーチファクトの検出のために、そのようなアーチファクトを真の流れのパターンから区別するためにさらにモニタされることができる。動きアーチファクトを検出するために、上流圧力センサ120の出力対下流圧力センサ122出力の比がモニタされる。たとえば、比が所定の閾値、たとえば3:1より小さい場合、上流圧力センサ120および下流圧力センサ122により示される圧力の任意の変化は、前方の流体の流れではなくセンサ組立体100内部の動きアーチファクトの結果である可能性が高い。したがって、上流圧力センサ120および下流圧力センサ122により示される圧力の比が閾値量より大きいときだけ流れは示される。これは、流れが開始されると、流れ制限要素112が上流圧力センサ120での圧力を下流圧力センサ122での圧力よりも大幅に高くするためである。あるいは、下流圧力センサ対上流圧力センサの比が限界閾値、たとえば3:1より大きい場合、逆の流体の流れが動きアーチファクトから同様に区別され、そうでない場合、信号は動きアーチファクトと考えられる。動きアーチファクトにより得られる圧力値は、流速および総計容積計算から除外されることができる。動きアーチファクト事象はまた、シリンジ24を介したボーラス投与の開始をゲートで制御するまたは決定するために使用される真の流れの開始を示す事象から区別される。
【0031】
アルゴリズムも、単回ボーラス投与の開始および終了を検出すると考えられる。そのようなアルゴリズムは流速の一次導関数および短期間平均値に頼ることができる。流速の平均値が一定の閾値、たとえば300ml/時などより大きく、かつ流速の導関数の平均値が別の閾値、たとえば50(ml/時)/秒より大きい場合、この流速および流速導関数はボーラス投与の開始を示す。閾値は、典型的なボーラス投与の投与は約50ml/時から約6000ml/時までの間の流速を有するが、ボーラス投与を注入する人間は、典型的には毎秒あたり約50ml/時未満の速度で注入を投与することができないという所見に基づき選択される。
【0032】
差圧センサ組立体100の出力はまた、単回ボーラス投与と注入ポンプの両方を介した薬剤の投与をモニタするために使用されることができる。そのようなアルゴリズムは閾値レベル未満、たとえば50m/時など未満の流速がボーラス投与によるものではないことを示す。同様に、注入ポンプサイクルがポンピングサイクルごとに不変の正弦波パターンの投与を提供する。周波数領域で、たとえばフーリエ変換によりセンサ組立体100の出力を分析する手法を利用すると、ポンプ注入サイクルは単回ボーラス投与により導入される流速よりはるかに高い周波数で出現する。単回ボーラス投与を介した手動投与に対して注入ポンプ動作による周波数帯を分離する遮断周波数を有する低域フィルタが、各供給源による流速信号を分離することができる。あるいは、ポンプ動作により影響を及ぼされる周波数より低い帯域内の周波数の逆フーリエ変換が、差圧に基づく流れセンサ組立体100からの時間領域流速信号を回復して、単回ボーラス投与による流れの量を定量化することができる。手動注入による流れからポンプ供給源による流れを分離するそのようなアルゴリズムはまた、注入ポンプ流速を確認するために利用されることができる。同様に、手動注入は通常、動脈拍動より周波数が低いので、センサが動脈血管と流体で直接つながっているときの動脈拍動の結果として発生する圧力脈動が検出され、遮断周波数より下の周波数領域低域フィルタを使用して数学的に補償されることができる。あるいは、センサで測定される圧力値の線形加重平均が、脈動の影響を低減するために信号に対して適用されることができるフィルタリングまたは平滑化の形になる。典型的な注入ポンプは流れの容積を測定しないが、むしろポンプ流体偏位に基づき流れの容積を見積もる。したがって、差圧に基づく流れセンサ組立体100は、注入ポンプ機能を確認する、またはポンプ流速を制御するために閉フィードバックループで使用されることができる。
【0033】
考えられるさらに別のアルゴリズムが、差圧に基づくセンサ組立体100がセンサ組立体100を通って流れる流体内部のエアポケットを検出するために使用されることができるようにする。エアポケットは、典型的にはセンサ組立体100を通過する流体よりはるかに密度が低い。したがって、流体媒体内部のエアポケットまたは気泡が、圧力値の突然の変化を生み出して、続けて、期待されたレベルに戻る。圧力値の突然の変化の開始および終了は、上流圧力センサ120および下流圧力センサ122の出力の一次導関数および二次導関数をモニタすることにより検出される。圧力の突然の変化は、まず上流圧力センサ120で気づかれ、続けて下流圧力センサ122での圧力の突然の変化が起こる。エアポケットが通過されると、これらの圧力変化に続いて、エアポケット受け入れ前の圧力レベルに戻る突然の回復が起こる。典型的な圧力から逸脱する期間は、エアポケットのサイズを示す。
【0034】
図7は、差圧に基づくセンサ組立体100を利用して、ボーラスまたは別の投与により投与される流体の流れの瞬時流速および/または容積を決定する基本手順を示す。手順は、ステップ602で、差圧に基づくセンサ組立体100を提供する。ステップ604で、流体がセンサ組立体を通って流れる。ステップ606Aで、上流圧力センサ120の出力が測定され、ステップ606Bで、下流出力センサ122の出力が測定される。ステップ608で、センサ120、122からの信号がフィルタにかけられる、増幅される、または(たとえば上記で説明されるような)別の方法で処理されることができる。ステップ610で、タイムスタンプが測定値に関連付けられる。ステップ612で、差圧が、観測された測定値に基づき計算される。ステップ614で、瞬間的な流体の流速が計算される。ステップ616で、対象の期間の容積投与を導くために時間に対して流速が積分される。ステップ618で、センサ信号または測定値、タイムスタンプ情報、差圧、流速、および/あるいは投与される容積が、センサ組立体100内、注入ポンプ12内、または別のコンピュータ内に配置されることができるメモリに伝達される。
【0035】
ここで、図7aに移ると、投与システム内部で起こり得る閉塞に対するモニタリングを含む、差圧に基づくセンサ組立体を利用して流体を投与する手順が描かれている。ステップ702で、手順は差圧に基づく流れセンサを提供する。ステップ704で、流体がセンサを通って流れ、ステップ706で、上流流体圧力センサと下流流体圧力センサの両方の出力がモニタされる。ステップ708で、手順は、上流流体圧力センサと下流流体圧力センサの両方の出力が、期待される範囲内であるかどうかを決定する。範囲内である場合、ステップ710で、手順は前に説明されたアルゴリズムを利用して流体流速を計算する。流速が決定されると、ステップ712で、手順は、所与の期間にわたりセンサ組立体100を通過した容積を得る。図7に関して上記で説明されたように、センサ信号または測定値、タイムスタンプ情報、差圧、流速および/あるいは投与される容積が、センサ組立体100内、注入ポンプ12内、または別のコンピュータ内に配置されることができるメモリに伝達される。
【0036】
上流および下流の流体圧力センサの出力が、期待される範囲内に入らない場合、ステップ714で、手順は、上流流体圧力センサの出力が最小レベルより大きいかどうかを決定する。圧力が、あらかじめ設定された最小レベルより大きくない場合、ステップ716で、起こり得る閉塞が差圧に基づく流れセンサ組立体100の上流に存在することを示すエラー信号が生成される。しかし、上流流体圧力センサの出力が最小レベルより大きい場合、ステップ718で、手順は、下流流体圧力センサの出力レベルが、あらかじめ設定された最小レベルより大きいかどうかを決定する。下流流体圧力センサの出力が、あらかじめ設定された最小レベルより大きくない場合、ステップ720で、流れ制限要素112またはその上流で閉塞が存在し得ることを示すエラー信号が生成される。しかし、下流流体圧力センサが、あらかじめ設定された最小レベルより大きい圧力を検出する場合、ステップ722で、差圧に基づく流れセンサ組立体100の下流に閉塞が存在し得ることを示すエラー信号が生成される。
【0037】
したがって、図7aに図示される手順を利用して、流体の流速だけでなく差圧に基づく流れセンサ組立体を通って投与される流体の容積も計算されることができ、閉塞が発生したとき、エラーメッセージが提供されることができる。
【0038】
図8aから図8bに示されるように、注入ポンプを有する薬剤投与システムを利用して患者に薬剤を投与する方法がブロック図の形で描かれている。ステップ802で、処理は、差圧に基づく流れセンサ組立体、たとえば本明細書で前に説明されたセンサ組立体100を提供する。ステップ804で、第1の薬剤が流れセンサ組立体を通して患者10に与えられる。ステップ806で、センサ組立体を通る流れが感知される。ステップ808で、手順はプロセッサを介して第1の薬剤を投与する注入ポンプを制御する。ステップ810で、患者に投与された第1の薬剤の量または容積が、プロセッサ、および差圧に基づく流れセンサ組立体100から得られる信号を使用して計算される。ステップ812で、患者に投与される第2の薬剤に関する情報がプロセッサに提供される。ステップ814で、第2の薬剤に関して提供される情報が患者の治療計画の範囲内の情報と比較される。患者の治療計画に関する情報は、ポンプ12のメモリ、再利用できる部分104のメモリ、あるいは別のメモリ、またはポンプ12および/または流れセンサ組立体100とつながっているコンピュータ内に記憶されることができる。ステップ816で、手順は、たとえば患者が第2の薬剤に対する医療上の指示または処方箋を有しているかどうかを確認することにより、第2の薬剤が患者の特定の治療計画に基づいているかどうかを決定する。第2の薬剤が患者の治療計画で見つけられない場合、ステップ818で、第2の薬剤が患者の治療計画で見つけられず、かつ介護者が、医師または別の介護者と共に確認して患者に第2の薬剤を提供することが適切かどうかを決定するべきであることを示すエラーメッセージが提供される。第2の薬剤が患者の治療計画で見つけられた場合、ステップ820で、第2の薬剤を投与するためのガイドラインが生成されるまたは表示される。ガイドラインは、上限および/または下限を伴う目標投与速度、ボーラス中に投与される総容積または量、ならびに静注またはボーラスを投与する期間を含むことができるがそれに限定されない。
【0039】
ここで、図8bに移ると、ステップ822で、第2の薬剤が患者に投与される。ステップ824で、手順は、差圧に基づく流速センサ組立体100を使用して第2の薬剤の投与速度を計算する。上記の図7に関連して説明されたように、投与流速計算結果はメモリ内に記憶されることができる。ステップ826で、第2の薬剤の投与速度が投与ガイドラインに適合するかどうかを決定するために比較が行われる。投与速度が投与ガイドラインに適合しない場合、ステップ828で、投与速度警告が介護者に提供される。投与速度警告が提供される場合、ステップ830で、第2の薬剤が投与ガイドラインまたはプロトコルと一致しない速度で投与されたことを示すために、患者の電子的薬剤投与記録(electronic medication administration record、eMAR)が更新される。ステップ832で、患者に投与された第2の薬剤の量も計算されることができる。ステップ834で、手順は、投与された第2の薬剤の量を、患者が受け入れるように予定されていた第2の薬剤の量と比較する。患者が受け入れた第2の薬剤の量が、患者の治療計画に適合しない場合、ステップ836で、投与量警告が介護者に提供される。この警告は、患者が過少量投与の第2の薬剤を与えられたこと、または患者が過量投与の第2の薬剤を与えられたことを示すことができる。ステップ838で、患者の電子的薬剤投与記録(eMAR)が、患者に与えられた第2の薬剤の量だけでなく、第2の薬剤の投与量が患者の治療計画に適合しなかったことを示す情報も含むために更新される。患者に投与された第2の薬剤の量が患者の特定のガイドラインに適合する場合、ステップ840で、第2の薬剤の適切な投与量が患者に投与されたことを示すために、患者の電子的薬剤投与記録(eMAR)が更新される。患者の電子的薬剤投与記録(eMAR)に対するあらゆる更新が、薬剤が患者に投与された時間だけでなく、患者に薬剤を投与する責任がある介護者も書き留めることが考えられる。
【0040】
別の実施形態によれば、差圧に基づく流れセンサ組立体の使い捨てできる部分を有する使い捨てできる注入管セットが提供される。管セットは第1の薬剤貯蔵器に接続するように適合される少なくとも第1の管、および第2の薬剤が差圧に基づく流れセンサ組立体の使い捨てできる部分の上流の管セットの第1の管の中に導入されることができるようにする接続部位を含む。使い捨てできる注入管セットは、患者接続機器に接続するように適合される第2の管をさらに有する。第2の管は、差圧に基づく流れセンサ組立体の使い捨てできる部分の下流に配置されるように適合される。上記で議論されたように、差圧に基づく流れセンサ組立体の使い捨てできる部分は、ライン圧力条件、投与流速、または対象のある流体容積投与量に応じて、使い捨てできる注入管セット内部の別の位置に配置されることができる。
【0041】
さらに別の実施形態によれば、差圧に基づく流速センサ組立体は、圧力に基づく事象検出センサの役割を果たす、またはそれにより置換されることができる。圧力に基づく事象検出センサは、事象、たとえばボーラスが、圧力のスパイクを指摘して検出されることができるようにする。そのような事象検出センサは、投与される薬剤の容積の計算を可能にするのではなく、特定の時間に何らかの薬剤が投与されたというメモを患者の記録に載せる。したがって、患者が薬剤を与えられたということを確認する記録が存在する。
【0042】
さらに別の実施形態によれば、差圧に基づく流れセンサ組立体が誘導電源により電力を供給されることができる。そのような実施形態は、本明細書で説明される差圧に基づく流れセンサ組立体100と同じ特徴の多くを含む。同様に、差圧に基づく無線の流れセンサ組立体が、上流圧力センサでの圧力に関する情報および下流圧力センサに関する情報をシステム内部の別の構成要素に送信することができることが考えられる。最後に、差圧に基づく流れセンサ組立体100の部分104が、MEMS、集積回路、または別の技術を使用して、小型化された低コストのやり方で製造されることができ、その結果、部分104は同様に使い捨てできると考えられることができる。
【0043】
ここで、図9から図14に移ると、患者に薬剤を投与する方法が、薬剤投与システム1を使用して絵画的に描かれている。図9に示されるように、介護者26は、薬剤30、および患者10に対する医療管理記録32(「MAR」)を伴って患者10に近づく。次に、介護者26は、患者10の識別、およびMAR32上の名前が一致することを確認する。介護者26は、患者10と話をすること、あるいは患者10に関して見いだされる別の識別する情報、たとえば病院の識別ブレスレットまたは別の類似する識別するしるしを見るまたはスキャンすることに加えて、注入ポンプ12上のインタフェース34を見て、患者10の識別を確認するのに役立てる。
【0044】
次に、図10および図11に移ると、患者10の識別が確認されると、介護者26は、ポンプ12上の、好ましくはタッチスクリーン表示装置であるインタフェース34を利用して、介護者26が患者10に近づいて投与する薬剤30を選択する。インタフェース34は、ユーザにより活動化されたとき、静注治療オプションまたはモード、およびパラメータ入力/表示領域37を提供する「静注」ボタン35を有する。インタフェース34は患者10に対して処方された複数の薬剤および濃度を表示することができ、したがって、介護者はインタフェース34上に提示される選択肢から薬剤30を適切に選択する。さらに、薬剤30が選択されると、システム1は、薬剤30が、患者10が受け入れている別の薬剤と有害反応を引き起こすことがあるかどうか、または患者10が薬剤30にアレルギ反応を被ることがあるかどうかを示すメッセージを表示するように適合されることができる。
【0045】
図12に描かれるように、インタフェース34上で薬剤30が選択されると、ポンプ12はインタフェース34上に確認スクリーンを表示する。確認スクリーンは、介護者26が、患者に投与される薬剤30の量を入力することができるようにし、システム1は、介護者26が薬剤30を投与する推奨される期間を計算し、インタフェース34上で介護者26に情報を表示する。ある種の薬剤は、時間に敏感なやり方で患者10への投与を必要とするが、別の薬剤は投与速度に依存しない。
【0046】
次に、介護者は、図13に描かれるように、患者10の中に注入するためにシリンジ24の中に薬剤30を配置する。介護者26は接続20を介して第2の流体ライン18にシリンジ24を接続する。次に、介護者26は接続20を通して患者10にシリンジ24内部の薬剤を投与する。薬剤は差圧に基づく流体流れセンサ組立体100および第3の流体ライン22を通り患者10まで進む。差圧に基づく流体センサ組立体100は、センサ組立体100を通る薬剤の流速をモニタする。センサ組立体100を通る流速をモニタすることにより患者10に投与される薬剤の容積が計算されることができる。流速をモニタすることは、薬剤が投与されている速度を増大させる、または薬剤が投与されている速度を遅くするようにインタフェース34が介護者に指示することができるようにする。
【0047】
薬剤30が患者の中に注入されると、介護者26はポンプ12のインタフェース34と再度対話することができる。図14に移ると、インタフェース34は、流れセンサ100から得られるデータに基づき、介護者26が患者に投与した薬剤の量を表示する。病院は、どの薬物が静注により投与されることができるか、静注により投与されることができるようにされる各薬物に対する最良実施の静注速度、所望のカスタマイズされる丸めおよび/または切り捨ての規則だけでなく、表示するまたは伝達する数字の単位および桁数を規定するカスタマイズでき電子的にダウンロードできる薬物ライブラリを介してポンプ12を構成することができる。次に、システム1は患者10のeMARを更新して、薬剤30の投与を反映させることができる。
【0048】
図15に示されるように、代替実施形態によれば、システム1’は、バーコードリーダ50を特徴とするポンプ12’を利用することができることが考えられる。薬剤30は、シリンジ24’の外側のバーコード52を特徴とするシリンジ24’内に与えられることができる。シリンジ24’は、バーコード52がバーコードリーダ50により読み取られることができるように配置される。インタフェース34’上に示されるように、バーコード52が検出されると、シリンジ26’内部の薬剤の識別、および任意選択で患者の識別子がユーザ26に表示されることができる。インタフェース34’’上に示されるように、シリンジ24’内部の薬剤が患者に対して処方されていなかったことを示す警告メッセージが介護者26に提供される。システム1’は患者のeMARを再調査して、薬剤が患者に対して処方されたかどうかを決定する。
【0049】
ここで、図16から図28に移ると、インタフェース34上に示されることができる情報の具体的表示が描かれている。図16は、患者に対して処方された2つの薬物を表示するインタフェーススクリーン34aを示す。介護者は、患者に投与される薬剤として指示の1つおよび関係のある薬剤を選択することができる。
【0050】
図17は、インタフェーススクリーン34a上で薬剤が選択された後のインタフェーススクリーン34bを示す。インタフェーススクリーン34bは、薬剤が投与される時間の長さを介護者が選択することができるようにし、処方された投与量を与えるために必要とされる薬剤の容積を介護者に示す。あるいは、投与パラメータ(速度、時間、容積、または投与量など)が薬剤30のラベルから読み取られるまたはスキャンされ、リーダ50からポンプ12、または看護システムのバーコードポイント、または薬局情報システムを含むがそれに限定されない病院内部の情報システムに伝達されることができる。自動化されたプログラミングに対して手動または反手動の場合、介護者が、薬剤を投与する時間の量を選択し、任意の欠けているパラメータを入力した後、図18に示されるように、介護者が前に提供された情報を確認し、開始を押すことにより注入を開始させることができるようにするインタフェーススクリーン34cが出現する。当然、パラメータが自動的に提供される場合、ユーザは確認スクリーンを即刻提示されることができる。
【0051】
1つの方法によれば、介護者が開始を押すと、投薬投与システム1は、薬剤投与量が正しいことを確認し、薬剤が特定の患者に対して処方されたことを再度確認する。図19は、選択された薬剤の濃度がシステム内に見つけられない、または投与される薬剤の投与量がシステムの範囲内ではないことを示す警報メッセージまたは警告メッセージを含むインタフェーススクリーン34dを示す。たとえば、薬剤が10mg/mlの濃度で利用できないが、その濃度が選択された場合、そのようなエラーが表示される。同様に、投与量150mgが特定の患者に対して適切な投与量ではない場合、インタフェーススクリーン34d上に示されるそのような警告が出現することができる。同様に、図20のインタフェーススクリーン34e上で示されるように、介護者により選択された薬剤が患者に対して処方されていなかった場合、患者がその特定の薬剤を受け入れる指示がeMARの中に入力されなかったことを示す警報メッセージまたは警告メッセージが介護者に示される。したがって、これらの警告は、介護者が患者に薬剤を投与する前に、患者が特定の薬剤を受け入れていると考えられること、および薬剤の濃度および投与量が適切であることを確認するための追加確認を介護者に提供する。
【0052】
介護者が患者に薬剤を投与し始めると、図21に示されるようなインタフェーススクリーン34fが表示される。インタフェーススクリーン34fは、投与されている薬剤、薬剤の濃度、および患者が受け入れるべき薬剤の総容積(VTBI−注入されるべき容積(volume to be infused))を表示する。さらに、インタフェーススクリーン34fは、投与ガイドラインに基づき、投与量、および注入が始まって以来投与された薬剤の容積、ならびに介護者が薬剤の注入を完了するのに残っている合計時間を表示する。インタフェーススクリーン34fはまた、表示器39により証明されるように流れセンサがシステムにより検出されたという事実、および表示器41により証明されるように流れセンサが現在流体の流れを観測しているという事実を介護者に気づかせることができる。
【0053】
介護者が薬剤を患者に投与している間、図22に描かれるインタフェーススクリーン34gが、薬剤があまりにも速く投与されているところであるという警告を看護者に提供するために生成されることができる。流れセンサからのデータは、システムが流速をリアルタイムまたはほぼリアルタイムでモニタすることができるようにし、その結果、指定された投与速度での薬剤に対して、観測された速度が速すぎることを介護者が通知されることができる。同様に、薬剤投与速度が十分ではないことをユーザに気づかせるためにインタフェーススクリーンが提供されることができ、介護者に薬剤投与速度を増大させるように促す、またはそうさせることが考えられる。薬剤流速が保たれるべき、図による流速限界を介護者に提供する、棒グラフまたは回転速度計スタイルの表示を含むがそれに限定されない図形表示が提供されることができることがさらになお考えられる。色、たとえば受け入れることができる注入または流速に対する緑色、警告またはほぼ受け入れることができる注入または流速に対する黄色、および警報または受け入れることができない注入または流速に対する赤色が利用されることができる。介護者に視覚的にガイドラインを提供することは、適切な薬剤投与速度を保証するのに役立つことがある。類似するツールが、投与される容積に対して利用されることができる。
【0054】
ここで、図23に移ると、過量投与の薬剤が患者に与えられたことを示す警報または警告を有するインタフェーススクリーン34hが描かれている。システムは、患者に与えられた投与量が、処方された投与量以上の一定パーセントである場合、過量投与警報を提供するよう病院または別の機関により設定されることができる。病院は薬物ライブラリを介してポンプをカスタマイズするまたは構成することができる。警報は、患者に投与された薬剤に基づき変わるように構成されることができる。過量投与警告を提供するインタフェーススクリーン34hに必要とされるパーセント過量投与は、一定の投与量が重視される薬剤に対して20%未満とし、別の投与量の重要度のより低い薬剤に対して20%より大きくすることができる。
【0055】
同様に、図24は、過少量投与の薬剤が患者に与えられたことを示す警報または警告を有するインタフェーススクリーン34iを表示する。過量投与警報と同様に、過少量投与警報は病院により構成されることができ、薬剤に基づき変わることができる。
【0056】
薬剤投与が完了すると、患者に投与された薬剤の容積を介護者が確認することができるようにするインタフェーススクリーン34j(図25)が提供される。介護者が、システムにより検出された薬剤の容積を確認すると、情報を手動で編集することができる。図26のインタフェーススクリーン34kで示されるように、介護者は容積情報を編集するまたは上書きして、処方された投与量を反映させることができる、あるいは投与された容積を単に整数にすることができる。システム内部の設定は、上書きスクリーンを使用することができる介護者の数を制限することができ、その結果、医師または看護監督者だけが情報を編集することができる。さらに、情報が上書きインタフェーススクリーン34k上で編集された場合でさえ、患者のeMARが、システムの流れセンサにより提供された情報、または流れセンサから計算された情報で更新される。このやり方では、薬剤投与の正確な詳細がeMARの中に常に記憶される。
【0057】
次に、図27に移ると、介護者が患者に与えられた薬剤の容積をインタフェーススクリーン34h上で確認すると、患者に投与された薬剤の容積および投与量を示す別のインタフェーススクリーン34lが描かれている。この情報は患者のeMARに入力され、インタフェーススクリーン34l上で記録を見るオプションを選択することにより介護者により見られることができる。
【0058】
最後に、介護者がインタフェーススクリーン34lから記録を見るオプションを選択する場合、図28に示されるように薬剤投与記録インタフェーススクリーン34mが表示される。薬剤投与記録インタフェーススクリーン34mは、投与の時間、投与された薬剤、薬剤の濃度、投与された薬剤の容積、投与された薬剤の投与量、センサにより生成された情報の上書きが入力されたかどうか、薬剤投与の期間を含む、患者への薬剤の投与に関する関係のある情報を提供する。この情報は患者のeMARに送信されることができ、その結果、患者が受け入れるあらゆる薬剤の完全な記録が適切に維持される。
【0059】
上記は最良の形態と考えられることおよび/または別の例を説明したが、様々な修正が行われることができること、および本明細書で開示される発明の内容は様々な形態および例で実現されることができること、および様々な形態および例が、一部だけが本明細書で説明された数多くの別の応用、組合せ、および環境に適用されることができることが理解される。開示される様態は、本発明の真の範囲を逸脱することなく改変されるまたは修正されることができることを当業者は認められよう。したがって、発明の内容はこの説明での具体的詳細、証拠物、および例示される例に限定されない。本明細書で開示される有利な概念の真の範囲に入るありとあらゆる修正形態および変形形態を保護することが意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤投与システムを利用して患者に薬剤を投与する方法であって、
患者に投与される少なくとも第1の薬剤を供給するステップと、
患者の識別を確認するステップと、
患者に投与するためにユーザインタフェース上で第1の薬剤を選択するステップと、
ユーザインタフェース上で患者に投与される薬剤の容積を入力するステップと、
流れセンサ組立体を通して患者の中に第1の薬剤を注入するステップと、
流れセンサ組立体を使用して注入中に患者に投与される第1の薬剤の流速および容積をモニタするステップと、
ユーザインタフェース上で注入の動作に関する可視表示を提供するステップと、
第1の薬剤の注入を捕捉するために患者の電子的医療管理記録を更新するステップとを含む方法。
【請求項2】
患者に投与される第1の薬剤の流速および容積をモニタするステップが、差圧に基づく流れセンサ組立体を使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ユーザインタフェース上で選択する行為がタッチスクリーン表示装置を利用する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1の薬剤に対して推奨される投与期間をユーザインタフェース上に表示するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第1の薬剤と、患者が受け入れている任意の別の薬剤の間の任意の起こり得る有害な相互作用についてユーザインタフェース上で警告するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第1の薬剤に対する起こり得る患者のアレルギについてユーザインタフェース上で警告するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
流れセンサ組立体による流速のモニタリングに基づき第1の薬剤の注入が遅らされるように指示するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第1の薬剤の注入の結果を決定するステップと、
患者に投与された第1の薬剤の容積が、患者が受け入れる、入力された薬剤の容積と一致しない場合に警告するステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
薬剤投与システムを利用して患者に薬剤を投与する方法であって、
患者に投与される少なくとも第1の薬剤を供給するステップと、
患者の識別を確認するステップと、
第1の薬剤に関するバーコードをスキャンするステップと、
バーコードのスキャンニングに基づき第1の薬剤の識別を表示するステップと、
第1の薬剤が患者に対して処方されていることを確認するステップと、
患者に投与される薬剤の容積を入力するステップと、
流れセンサ組立体を通して患者の中に第1の薬剤を注入するステップと、
流れセンサ組立体を使用して注入中に患者に投与される第1の薬剤の流速および容積をモニタするステップと、
注入の動作に関する可視表示を提供するステップと、
第1の薬剤の注入を捕捉するために患者の電子的医療管理記録を更新するステップとを含む方法。
【請求項10】
患者に投与される第1の薬剤の流速および容積をモニタするステップが差圧に基づく流れセンサ組立体を使用する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第1の薬剤に対して推奨される投与期間を表示するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
第1の薬剤と、患者が受け入れている任意の別の薬剤の間の任意の起こり得る有害な相互作用について警告するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
第1の薬剤に対する任意の起こり得る患者のアレルギについて警告するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
流れセンサ組立体による流速のモニタリングに基づき第1の薬剤の注入が遅らされるように指示するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
第1の薬剤の注入の結果を決定するステップと、
患者に投与された第1の薬剤の容積が、患者が受け入れる、入力された薬剤の容積と一致しない場合に警告するステップとをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
患者に投与された第1の薬剤の流速および容積のモニタリング中に生成されるデータを上書きして、投与された第1の薬剤の容積および投与量を修正するステップと、
患者の電子的医療管理記録が、第1の薬剤の注入のモニタリング中に生成されるデータと、入力される上書きデータの両方を捕捉するように、上書きを捕捉するために患者の電子的医療管理記録を更新するステップとをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
流速、容積、および流れセンサ組立体からの差圧のうち少なくとも1つを薬剤投与システムのユーザインタフェース上に表示するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
薬剤投与システムを利用して患者に薬剤を投与する方法であって、
第1の薬剤の識別に関する情報を受け取るステップと、
第1の薬剤の識別を表示するステップと、
第1の薬剤が患者に対して処方されたことを確認するステップと、
流れセンサ組立体からの注入中に患者に投与される第1の薬剤の流速および容積をモニタするステップと、
患者に投与される第1の薬剤の流速および容積のモニタリングから得られる情報に関する可視表示を提供するステップと、
第1の薬剤の投与に関する情報を捕捉するために患者の電子的医療管理記録を更新するステップとを含む方法。
【請求項1】
薬剤投与システムを利用して患者に薬剤を投与する方法であって、
患者に投与される少なくとも第1の薬剤を供給するステップと、
患者の識別を確認するステップと、
患者に投与するためにユーザインタフェース上で第1の薬剤を選択するステップと、
ユーザインタフェース上で患者に投与される薬剤の容積を入力するステップと、
流れセンサ組立体を通して患者の中に第1の薬剤を注入するステップと、
流れセンサ組立体を使用して注入中に患者に投与される第1の薬剤の流速および容積をモニタするステップと、
ユーザインタフェース上で注入の動作に関する可視表示を提供するステップと、
第1の薬剤の注入を捕捉するために患者の電子的医療管理記録を更新するステップとを含む方法。
【請求項2】
患者に投与される第1の薬剤の流速および容積をモニタするステップが、差圧に基づく流れセンサ組立体を使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ユーザインタフェース上で選択する行為がタッチスクリーン表示装置を利用する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1の薬剤に対して推奨される投与期間をユーザインタフェース上に表示するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第1の薬剤と、患者が受け入れている任意の別の薬剤の間の任意の起こり得る有害な相互作用についてユーザインタフェース上で警告するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第1の薬剤に対する起こり得る患者のアレルギについてユーザインタフェース上で警告するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
流れセンサ組立体による流速のモニタリングに基づき第1の薬剤の注入が遅らされるように指示するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第1の薬剤の注入の結果を決定するステップと、
患者に投与された第1の薬剤の容積が、患者が受け入れる、入力された薬剤の容積と一致しない場合に警告するステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
薬剤投与システムを利用して患者に薬剤を投与する方法であって、
患者に投与される少なくとも第1の薬剤を供給するステップと、
患者の識別を確認するステップと、
第1の薬剤に関するバーコードをスキャンするステップと、
バーコードのスキャンニングに基づき第1の薬剤の識別を表示するステップと、
第1の薬剤が患者に対して処方されていることを確認するステップと、
患者に投与される薬剤の容積を入力するステップと、
流れセンサ組立体を通して患者の中に第1の薬剤を注入するステップと、
流れセンサ組立体を使用して注入中に患者に投与される第1の薬剤の流速および容積をモニタするステップと、
注入の動作に関する可視表示を提供するステップと、
第1の薬剤の注入を捕捉するために患者の電子的医療管理記録を更新するステップとを含む方法。
【請求項10】
患者に投与される第1の薬剤の流速および容積をモニタするステップが差圧に基づく流れセンサ組立体を使用する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第1の薬剤に対して推奨される投与期間を表示するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
第1の薬剤と、患者が受け入れている任意の別の薬剤の間の任意の起こり得る有害な相互作用について警告するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
第1の薬剤に対する任意の起こり得る患者のアレルギについて警告するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
流れセンサ組立体による流速のモニタリングに基づき第1の薬剤の注入が遅らされるように指示するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
第1の薬剤の注入の結果を決定するステップと、
患者に投与された第1の薬剤の容積が、患者が受け入れる、入力された薬剤の容積と一致しない場合に警告するステップとをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
患者に投与された第1の薬剤の流速および容積のモニタリング中に生成されるデータを上書きして、投与された第1の薬剤の容積および投与量を修正するステップと、
患者の電子的医療管理記録が、第1の薬剤の注入のモニタリング中に生成されるデータと、入力される上書きデータの両方を捕捉するように、上書きを捕捉するために患者の電子的医療管理記録を更新するステップとをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
流速、容積、および流れセンサ組立体からの差圧のうち少なくとも1つを薬剤投与システムのユーザインタフェース上に表示するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
薬剤投与システムを利用して患者に薬剤を投与する方法であって、
第1の薬剤の識別に関する情報を受け取るステップと、
第1の薬剤の識別を表示するステップと、
第1の薬剤が患者に対して処方されたことを確認するステップと、
流れセンサ組立体からの注入中に患者に投与される第1の薬剤の流速および容積をモニタするステップと、
患者に投与される第1の薬剤の流速および容積のモニタリングから得られる情報に関する可視表示を提供するステップと、
第1の薬剤の投与に関する情報を捕捉するために患者の電子的医療管理記録を更新するステップとを含む方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図5e】
【図6】
【図7】
【図7a】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図5e】
【図6】
【図7】
【図7a】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公表番号】特表2012−525207(P2012−525207A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508454(P2012−508454)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/046874
【国際公開番号】WO2010/126535
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(504308442)ホスピラ・インコーポレイテツド (50)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/046874
【国際公開番号】WO2010/126535
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(504308442)ホスピラ・インコーポレイテツド (50)
【Fターム(参考)】
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