説明

薬剤揮散器

【課題】 交換作業が容易な薬剤揮散器を提供する。
【解決手段】 薬剤収容容器12の揮散面114を揮散器本体11の起立部21に対向して配置し、その下端部を揮散器本体11の載置部22の挿入部57へ挿入する。次に、薬剤収容容器12の折返し部76を揮散器本体11の起立部21に設けられたフランジ23内に内嵌する。このとき、上端部の折返し部76の延出部75を弾性変形して、起立部21のフランジ23に突設された係止条32を乗り越えさせて係止条32に係止する。これにより、薬剤収容容器12の下端部を挿入部57に挿入された状態で支持する一方、上端部を係止条32に係合した状態で、薬剤収容容器12を揮散器本体11にセットする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香剤等の薬剤を揮散する薬剤揮散器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、薬剤としての芳香剤を揮散する薬剤揮散器が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)。
【0003】
これらの薬剤揮散器にあっては、薬剤を収容した容器体が着脱できるように構成されており、容器体を交換して使用できるように構成されている。
【特許文献1】実開昭54−080846号公報
【特許文献2】実開昭54−119846号公報
【特許文献3】実開昭64−017612号公報
【特許文献4】実開平07−043336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の薬剤揮散器にあっては、容器体の取付構造としてねじ止め方式が採用されているため、交換時にねじ込み作業を要する。
【0005】
これにより、交換作業が面倒であった。
【0006】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、交換作業が容易な薬剤揮散器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために本発明の請求項1の薬剤揮散器にあっては、薬剤が収容された薬剤収容容器と、該薬剤収容容器が着脱自在に取り付けられる揮散器本体とによって構成された薬剤揮散器において、前記薬剤収容容器の一面に薬剤を揮散する為の揮散面を設定する一方、前記揮散器本体に、使用状態において載置面に載置される載置部と、該載置部より起立した起立部とを設け、前記薬剤収容容器の前記揮散面を前記起立部に対向して起立させた起立状態で当該薬剤収容容器の下端部が挿入される挿入部を前記載置部に設定するとともに、前記薬剤収容容器の前記下端部を前記挿入部に挿入した状態で前記薬剤収容容器の上端部と係脱自在に係合する係合部を前記起立部に設定した。
【0008】
すなわち、揮散器本体に薬剤収容容器をセットする際には、前記薬剤収容容器の一面に設定された揮散面を前記揮散器本体の起立部に対向して配置するとともに、この起立状態にある前記薬剤収容容器の下端部を、前記揮散器本体の載置部に設定された挿入部へ挿入する。この状態において、前記薬剤収容容器の上端部を、前記揮散器本体の起立部に設定された係合部に係合する。
【0009】
すると、前記薬剤収容容器は、前記起立状態において、その下端部が前記挿入に挿入された状態で支持される一方、上端部が前記係合部に係合された状態で前記揮散器本体にセットされる。
【0010】
一方、前記揮散器本体から前記薬剤収容容器を取り外す際には、起立状態にある薬剤収容容器の上端部と前記揮散器本体の起立部に設定された係合部との係合を解除する。そして、前記薬剤収容容器の下端部を前記揮散器本体の挿入部から抜き取ることで、当該薬剤収容容器は、前記揮散器本体から取り外される。
【0011】
また、請求項2の薬剤揮散器においては、前記揮散面に対向した前記薬剤収容容器の底面に内側へ後退した後退部を当該底面の周縁に沿って形成して、当該底面に段差部を形成する一方、前記起立状態にある前記薬剤収容容器の下端部を、前記載置部に設けられた前記挿入部に挿入した状態で、当該載置部の上縁が前記段差部に当接するように、前記周縁から前記段差部までの長さ寸法を設定した。
【0012】
すなわち、起立状態にある薬剤収容容器の下端部を、載置部に設けられた挿入部に挿入した状態において、当該載置部の上縁を、前記薬剤収容容器の底面に設けられた段差部に当接することができる。これにより、前記薬剤収容容器の下端部は、前記挿入部への挿入量が規制される。
【0013】
さらに、請求項3の薬剤揮散器では、前記載置部は、底面に起立した前面と側面と背面とを備えてなり、前記前面と前記側面と前記背面とによって前記挿入部を形成した。
【0014】
すなわち、前記載置部は、底面に起立した前面と側面と背面とによって、上面が開口した箱形に形成されており、前記前面と側面と背面との各面が互いに補強し合うことによって、剛性が高められる。
【0015】
また、万が一薬剤収容容器から薬剤が漏れ出した場合には、この薬剤を、箱形の載置部で受けることができる。このため、載置面を犯すことが無いという副次的な効果も得ることができる。
【0016】
そして、前記載置部上縁を薬剤収容容器の段差部に当接させる場合には、前記前面と前記側面と前記背面とで閉断面形状を形成することにより、当該載置部上縁を前記薬剤収容容器の段差部に確実に当接させることができるとともに、不用意な外れを防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明の請求項1の薬剤揮散器にあっては、起立状態にある薬剤収容容器の下端部を、揮散器本体の載置部に設定された挿入部へ抜き差しするとともに、前記薬剤収容容器の上端部を、前記揮散器本体の起立部に設定された係合部に係脱するだけで、前記薬剤収容容器を前記揮散器本体に脱着することができる。
【0018】
このため、本体への容器体の着脱構造がねじによって構成された従来と比較して、前記薬剤収容容器の前記揮散器本体への着脱が容易となり、薬剤収容容器の交換作業を容易とすることができる。
【0019】
また、請求項2の薬剤揮散器においては、起立状態にある薬剤収容容器の下端部を、載置部に設けられた挿入部に挿入した状態において、当該載置部の上縁を、前記薬剤収容容器の底面に設けられた段差部に当接することができる。
【0020】
これにより、前記薬剤収容容器の下端部の前記挿入部への挿入量を規定することができる。このため、セット時において前記薬剤収容容器に設定された揮散面と前記揮散器本体の起立部との位置ズレを防止することができる。
【0021】
さらに、請求項3の薬剤揮散器では、載置部を底面に起立した前面と側面と背面とによって上面が開口した箱形に形成することで、前記前面と側面と背面との各面が互いに補強し合い、当該載置部の剛性を高めることができる。
【0022】
また、万が一薬剤収容容器から薬剤が漏れ出した際には、この薬剤を、箱形の載置部で受けることができるため、載置面を犯すことが無いという副次的な効果も得ることができる。
【0023】
そして、前記載置部上縁を薬剤収容容器の段差部に当接させる場合には、前記前面と前記側面と前記背面とで閉断面形状を形成することにより、当該載置部上縁を前記薬剤収容容器の段差部に確実に当接させることができるとともに、不用意な外れを確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の一の実施の形態を図に従って説明する。図1は、本実施の形態にかかる薬剤揮散器1を示す図であり、この薬剤揮散器1は、消臭剤、芳香剤、防虫剤、殺虫剤等の薬剤を揮散する装置である。
【0025】
この薬剤揮散器1は、揮散器本体11と該揮散器本体11に交換可能に取り付けられる前記薬剤収容容器12とによって構成されている。
【0026】
前記揮散器本体11は、使用時に起立される起立部21と、該起立部21の下端部に取り付けられ載置面に載置される載置部22とによって構成されており、前記起立部21は、前記載置部22に対して起立して設けられている。この起立部21は、図2に示すように、縦長の長方形板状に形成されており、下端の中央部を除く周縁には、図3にも示すように、裏面側に延出するフランジ23が形成されている。
【0027】
前記起立部21の外側面である前面25には、図2及び図3に示したように、短辺方向に延在する複数の凹溝26,・・・が上下に並設されており、中間領域Mに位置する各凹溝26,・・・内には、裏面側に貫通する開口部としての外スリット27,・・・が凹溝26,・・・に沿って開設されている。また、前記中間領域Mには、前記各外スリット27,・・・より大径楕円形状の大径開口部28が開設されており、該大径開口部28の外周縁部には、円形の取付穴29,・・・が四カ所に形成されている。
【0028】
この起立部21の背面には、図3及び図4に示すように、上縁部及び側縁部に支持突起31が設けられており、上縁に設けられたフランジ23の内側面及び側縁に設けられたフランジ23の内側面には、内方に突出する係合部としての係止条32,・・・が形成されている。前記下縁に形成された前記フランジ23の端部には、上方に起立した起立壁33,33が一体形成されており、両起立壁33,33の中心側の側面には、前記起立壁33,33に沿って延在するL字リブ34,34が一体形成されている。
【0029】
前記起立部21に形成された前記取付穴29,・・・には、図1に示したように、前記大径開口部28を覆うカバー41が取り付けられるように構成されている(図1中下部側の支持状態は省略)。
【0030】
このカバー41は、図5に示すように、前記大径開口部28より大径の楕円形状に形成されており、中央部が外側に膨出したドーム型に形成されている。前記カバー41の裏面には、当該カバー41を支持する脚部45,・・・が周縁部の四カ所に立設されており、各脚部45,・・・の先端部には、小径部46が形成されている。各小径部46,・・・は、前記起立部21の対応した取付穴29,・・・に挿入された状態で固定されるように構成されている。
【0031】
前記各脚部45,・・・は、図1に示したように、前記取付穴29に挿入して固定した状態で、前記カバー41を前記起立部21の前記前面25より離間して配置できる長さ寸法に設定されており、前記カバー41と前記前面25との間に間隙51を形成できるように構成されている。このカバー41は、前記大径開口部28が設けられた前記前面25より突出した突出部を構成するように構成されている。
【0032】
この起立部21の下端部に取り付けられる前記載置部22は、図6にも示すように、長方形状の底面22aと、該底面22aの前縁に起立した前面22bと、前記底面22aの左右側縁に起立した相対向する側面22c,22cと、前記底面22aの後縁に起立した背面79とを備えており、上面が開口した箱形状の矩形容器状に形成されている。これにより、前記前面22bと前記側面22c,22cと前記背面79とは連設され閉断面形状である断面ロ字状に形成されており、前記各面22b,22c,22c,79が互いに補強し合うことによって剛性が高められている。
【0033】
この載置部22の前記両側面22c,22cの前側には、内側に後退した後退面55,55が形成されている。これにより、当該載置部22の前部には、幅寸法の狭い幅狭部56が形成されている。該幅狭部56での幅寸法は、前記起立部21のフランジ23間の寸法より小さく設定されており、当該幅狭部56に前記起立部21の下端部を外嵌できるように構成されている。
【0034】
そして、この載置部22は上面が開口しており、図1に示したように、前記各面22b,22c,22c,79に包囲された挿入部57が当該載置部22に形成されている。これにより、前記薬剤収容容器12を起立して配置した状態で、その下端部を前記挿入部57へ挿入できるように構成されている。
【0035】
前記後退面55には、矩形状の切欠部61が形成されており、前記載置部22の底面62には、矩形状の挿通穴63,63が前方の両角部に開設されている。これにより、前記起立部21に当該載置部22を取り付けた状態において、前記起立部21に設けられた前記起立壁33及び前記L字リブ34を前記各挿通穴63,63に挿通できるように構成されている。
【0036】
前記薬剤収容容器12は、図7に示すように、薬剤70を収容する容器本体71を備えており、該容器本体71は、図8及び図9に示すように、長方形状の底面72と、該底面72の周縁に起立した周壁73とによって形成されている。該周壁73の上縁には、側方に延出した側方フランジ部74と、該側方フランジ部74より下方に延出した延出部75とが一体形成されており、折り返し形状の折返し部76が形成されている。
【0037】
この折返し部76は、図1に示したように、起立状態にある前記薬剤収容容器12の下端部を前記載置部22の前記挿入部57に挿入した状態で、前記起立部21のフランジ23内に内嵌されるように構成されている。また、この内嵌状態において、その前端が前記起立部21に突設された支持突起31に当接することによって挿入量が制限されるとともに、当該折返し部76の延出部75が前記起立部21の前記フランジ23に設けられた前記係止条32,・・・と着脱自在に係合して抜け止めされるように構成されている。
【0038】
前記底面72の裏面には、図8に示しように、内側へ後退した後退部77,77が前記底面72の周縁である各短辺に沿って形成されており、当該底面72の裏面には、前記短辺に沿った段差部78,78が形成されている。
【0039】
これにより、図1に示したように、起立状態にある前記薬剤収容容器12の下端部を、前記載置部22に設けられた前記挿入部57に挿入した状態で、当該載置部22の背面79の上縁79aが前記段差部78に当接するように、前記底面72の周縁である各短辺から前記段差部78,78までの長さ寸法Lが設定されている(図1中に下方のみ図示)。
【0040】
また、前記底面72には、図7に示したように、各短辺寄りの二カ所に各短辺に沿って延在する第1仕切部としての平板状の第1仕切壁81及び第2仕切部である平板状の第2仕切壁82が平行し離間して立設されており、短辺側の周壁73と前記第1仕切壁81との間には、第1収容空間83が形成されている。また、前記第1仕切壁81と前記第2仕切壁82との間には、第2収容空間84が形成されており、前記第2仕切壁82と前記短辺側の周壁73との間には、第3収容空間85が形成されている。
【0041】
前記各収容空間83〜85には、前記薬剤70が収容されており(一部のみ図示)、この薬剤70は、芳香剤を含有した粒状部材86,・・・と、消臭液を吸収した粒形状のゲル状部材87,・・・とによって構成されている。
【0042】
前記第1仕切壁81は、図7において右寄りに配置されており、当該第1仕切壁81の左端部には、当該第1仕切壁81が欠損されてなる第1幅広欠損部91が設定されている。これにより、前記第1仕切壁81の左端と前記周壁73との間には、前記薬剤70を通過させる為の第1連通路92が形成されている。
【0043】
前記第1仕切壁81の右端部には、当該第1仕切壁81が欠損されてなる幅狭の第1幅狭欠損部93が設定されている。これにより、前記第1仕切壁81の左端と前記周壁73との間には、空気を通流する為の第1幅狭連通路94が形成されている。
【0044】
前記第2仕切壁82は、図7において左寄りに配置されており、当該第2仕切壁82の右端部には、当該第2仕切壁82が欠損されてなる第2幅広欠損部95が設定されている。これにより、前記第2仕切壁82の右端と前記周壁73との間には、前記薬剤70を通過させる為の第2連通路96が形成されている。
【0045】
前記第2仕切壁82の左端部には、当該第2仕切壁82が欠損されてなる幅狭の第2幅狭欠損部97が設定されている。これにより、前記第2仕切壁82の左端と前記周壁73との間には、空気を通流する為の第2幅狭連通路98が形成されている。
【0046】
ここで、前記第1幅狭連通路94の幅寸法と前記第2幅狭連通路98の幅寸法は、前記薬剤70を構成する前記粒状部材86及び消臭液を吸収した粒形状のゲル状部材87の粒径より狭く設定されているものとする。
【0047】
この容器本体71の中央部に位置する前記両仕切壁81,82の部位には、図8及び図9に示すように、円柱状の支柱部101,101が一体形成されており、各支柱部101,101の先端には、小径の小径部102,102が形成されている。
【0048】
前記周壁73を形成する各辺には、図7から図8に示すように、内側に突出する支持リブ105,・・・が底面72から開口部側へ向けて延設されており、前記周壁73を形成する各辺の上縁部には、上縁に沿って延在する凸条106,・・・が形成されている。各凸条106,・・・は、前記各支持リブ105上端より高位置に設定されており、前記各支持リブ105,・・・から前記凸条106,・・・までの範囲内に、前記支柱部101の前記小径部102が配置されるように構成されている。
【0049】
また、前記薬剤収容容器12は、図10に示すように、前記容器本体71の開口部を閉鎖する蓋部111を備えている。該蓋部111は、前記容器本体71の開口部に内嵌する大きさの長方形板状に形成されており、その周縁には、上面側に突出する周縁フランジ112が全周に渡って形成されている。
【0050】
また、この蓋部111には、短辺方向に延在する内スリット113,・・・が複数並設されており、前記容器本体71内に収容された粒状の薬剤70の飛び出しを防止しつつ、薬剤70から揮発した蒸気を前記内スリット113,・・・及び前記起立部21に設けられた外スリット27,・・・及び大径開口部28を介して外部へ放出できるように構成されている。これにより、前記薬剤収容容器12の一面には、前記容器本体71の開口部を閉鎖する前記蓋部111によって薬剤を揮散する為の揮散面114が設定されている。
【0051】
この蓋部111の裏面には、円筒部121,121が二カ所に突設されており、当該蓋部111を前記容器本体71に取り付けた状態で、各円筒部121,121に前記容器本体71に立設された前記支柱部101,101の前記小径部102,102を挿入した状態で固定できるように構成されている。
【0052】
以上の構成にかかる本実施の形態において、前記揮散器本体11に薬剤収容容器12をセットする際には、図1に示したように、前記薬剤収容容器12の一面に設定された揮散面114を前記揮散器本体11の起立部21に対向して配置するとともに、この起立状態にある前記薬剤収容容器12の下端部を、前記揮散器本体11の載置部22に設けられた挿入部57へ挿入する。
【0053】
このとき、前記薬剤収容容器12における容器本体71の底面72には、図1に示したように、前記短辺に沿った段差部78が形成されており、この段差部78が前記載置部22の背面79の上縁79aに当接する。これにより、前記薬剤収容容器12下端部の前記挿入部57への挿入量を規制することができる。また、前記薬剤収容容器12の折返し部76が、図11に示したように、前記載置部22の後退面55に形成された切欠部61に縁に当接した状態で支持される。
【0054】
これにより、このセット時において前記薬剤収容容器12に設定された揮散面114と前記揮散器本体11の前記起立部21との上下方向への位置ズレを防止することができ、前記揮散面114と前記起立部21とに位置ズレが生じ、揮散量が減少するといった不具合を確実に回避することができる。
【0055】
次に、この下端部嵌合状態において、前記薬剤収容容器12の折返し部76を、前記揮散器本体11の前記起立部21に設けられたフランジ23内に内嵌する。すると、図12に示すように、前記薬剤収容容器12の上端部を構成する折返し部76の延出部75が、前記起立部21のフランジ23に突設された係合部としての係止条32を乗り越えて該係止条32に係止される。
【0056】
これにより、前記薬剤収容容器12は、前記起立状態において、その下端部が前記挿入57に挿入された状態で支持される一方、上端部が前記係止条32に係合された状態で前記揮散器本体11にセットされる。
【0057】
一方、この揮散器本体11から前記薬剤収容容器12を取り外す際には、前記薬剤収容容器12の折返し部76および/又は前記起立部21のフランジ23を弾性変形して前記係止条32を乗り越えさせることによって、起立状態にある薬剤収容容器12の上端部と前記揮散器本体11の前記起立部21に設けられた係止条32との係合を解除する。そして、前記薬剤収容容器12の下端部を前記揮散器本体11の前記挿入部57から抜き取ることで、当該薬剤収容容器12を、前記揮散器本体11から取り外す。
【0058】
このように、起立状態にある薬剤収容容器12の下端部を、前記揮散器本体11の載置部22に設定された挿入部57へ抜き差しするとともに、前記薬剤収容容器12の上端部を、前記揮散器本体11の起立部21に設けられた係止条32に係脱するだけで、前記薬剤収容容器12を前記揮散器本体11に脱着することができる。
【0059】
このため、本体への容器体の着脱構造がねじによって構成された従来と比較して、前記薬剤収容容器12の前記揮散器本体11への着脱が容易となり、薬剤収容容器12の交換作業を容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施の形態を示す断面図である。
【図2】同実施の形態の起立部を示す正面図である。
【図3】図2のA−A線に沿った断面図である。
【図4】同実施の形態の起立部を示す背面図である。
【図5】同実施の形態のカバーを示す図で、(a)はカバーの背面図であり、(b)は同図(a)のB−B線に沿った断面図である。
【図6】同実施の形態の載置部を示す図で、(a)は載置部の平面図であり、(b)は載置部の側面図である。
【図7】同実施の形態の容器本体を示す平面図である。
【図8】同実施の形態の容器本体の側面を示す一部断面図である。
【図9】同実施の形態の容器本体の正面を示す一部断面図である。
【図10】同実施の形態の蓋部を示す図で、(a)は蓋部の平面図であり、(b)は蓋部の側面を示す一部断面図である。
【図11】図1の下端部を示す要部拡大図である。
【図12】図1の上端部を示す要部拡大図である。
【符号の説明】
【0061】
1 薬剤揮散器
11 揮散器本体
12 薬剤収容容器
21 起立部
22 載置部
22a 底面
22b 前面
22c 側面
79 背面
32 係止条
70 薬剤
72 底面
77 後退部
78 段差部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤が収容された薬剤収容容器と、該薬剤収容容器が着脱自在に取り付けられる揮散器本体とによって構成された薬剤揮散器において、
前記薬剤収容容器の一面に薬剤を揮散する為の揮散面を設定する一方、
前記揮散器本体に、使用状態において載置面に載置される載置部と、該載置部より起立した起立部とを設け、前記薬剤収容容器の前記揮散面を前記起立部に対向して起立させた起立状態で当該薬剤収容容器の下端部が挿入される挿入部を前記載置部に設定するとともに、前記薬剤収容容器の前記下端部を前記挿入部に挿入した状態で前記薬剤収容容器の上端部と係脱自在に係合する係合部を前記起立部に設定したことを特徴とする薬剤揮散器。
【請求項2】
前記揮散面に対向した前記薬剤収容容器の底面に内側へ後退した後退部を当該底面の周縁に沿って形成して、当該底面に段差部を形成する一方、
前記起立状態にある前記薬剤収容容器の下端部を、前記載置部に設けられた前記挿入部に挿入した状態で、当該載置部の上縁が前記段差部に当接するように、前記周縁から前記段差部までの長さ寸法を設定したことを特徴とする請求項1記載の薬剤揮散器。
【請求項3】
前記載置部は、底面に起立した前面と側面と背面とを備えてなり、前記前面と前記側面と前記背面とによって前記挿入部を形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の薬剤揮散器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−7125(P2007−7125A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−191072(P2005−191072)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(000102544)エステー化学株式会社 (127)
【Fターム(参考)】