説明

薬物注入装置のための一体型ばね作動式衝撃挿入

【課題】薬剤を皮内空間に送達して、ユーザに対してある程度の快適性を維持しながら、より良好な薬物吸収を容易にすることができる改良された注入セットを提供する。
【解決手段】注入セットは、針を、制御された高い速度で、内容物を皮膚表面の上側3mmに送達する深さまで挿入することができる一体型衝撃インサータと、インサータが、皮膚表面のテンティングのリスクを有さずに針を挿入することができるように、皮膚表面を挿入部位において固定するための皮膚固定接着層とを有する。衝撃インサータの駆動ばねは、衝撃インサータ内に捕捉され、ユーザの作動によって解放可能であり、その結果、針をそのような制御された速度で挿入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、注入セット用の一体型インサータを含む、接着剤を用いて注入セットを定位置に保持することによって挿入の適正な位置決めを確実にする注入セット、および最初に針を制御された高い速度で所望の皮内深さまで挿入し、次いで、その針を挿入された位置に保持するための衝撃インサータに関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2010年11月30日に出願された、表題「Integrated Spring−Activated Ballistic Insertion For Drug Infusion Device」の、Chris Kadamusらの米国特許仮出願第61/344,967号明細書の米国特許法119(e)条下の利益を主張するものとし、前記出願の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
糖尿病などの病気を患う人を含む多くの人々は、毎日のインスリン注入などのなんらかの形態の注入治療を使用して自らの血糖値の厳密な制御を維持する。毎日のインスリン治療には2つの主要な形態が存在する。第1の形態は、注射器およびインスリンペンを含む。これらの装置は、使用が簡単で、比較的低コストであるが、1日あたり通常は3回から4回の各々の注射において針の突き刺しを必要する。第2の形態は、注入ポンプ治療であり、これは、約3年間持続するインスリンポンプの購入を伴う。ポンプの初期コストは、かなりのものになり得るが、ユーザの観点から、ポンプを使用した圧倒的多数の患者は、残りの生涯においてポンプを使用し続けることを好む。この理由は、注入ポンプは、注射器およびペンよりも複雑であるが、インスリンの連続注入、正確な投与およびプログラム可能な送達スケジュールという利点を提供するためである。この結果、血糖制御がより厳密になり、健康であるという感覚が向上する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
注入ポンプの使用は、インスリンをポンプ内のリザーバからユーザの皮膚に運ぶ、通常は注入セットまたはポンプセットと称される使い捨て構成要素の使用を必要とする。注入セットは、通常、ポンプ連結器、長いチュービング、および注入針またはカニューレがそこから延びるハブまたは基部からなる。ハブまたは基部は、使用中、基部を皮膚表面上に保持する接着剤を使用し、この接着剤は、手動で、または手動式または自動式の挿入装置の助けを借りて皮膚に塗布され得る。しばしば、ユーザは、別個のインサータを持ち運び、備えることがさらに必要とされる。したがって、この方法の処置は、多数の必要とされる構成要素を取り扱うとき、扱いにくく不経済なものになり得る。
【0005】
現在、ほとんどのインスリン注入セットは、固定された金属針または可撓性のプラスチックカニューレを使用して皮膚の皮下層にインスリンを送達する。そのような注入セットは、通常、インスリンを皮膚表面の4〜10mm下方に送達する。しかし、皮膚表面の上側3mm、すなわち皮内空間が、より良好な薬物吸収を容易にする。残念なことに、皮内層は相対的に薄いため、そのような深さに針を挿入し、注入部位を長時間にわたってこの狭い帯域内に維持することは、困難である。
【0006】
さらに、ほとんどのインスリン注入セットは、通常、挿入された針を衝撃力または他の外力から遮断するためのフィーチャを実現していない。これらの注入セットは、通常、インスリンを皮膚表面の4〜10mm下方に送達するため、このセットに対する衝撃力または他の外力が、より深く挿入された針に及ぼす影響は小さい。しかし、皮膚表面の上側3mmを狙う試みがなされる場合、セットのどのような衝撃または移動でも、針の挿入および注入性能に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0007】
さらに、上記で指摘したように、ほとんどのインスリンセットは、ユーザが処置のための追加の構成要素を持ち運ぶことを必要とする別個のインサータ、または設置された注入セットからの取り外しを必要とする取り外し式インサータを必要とする。しかし、そのような取り外し中、セットの望ましくない移動により、針の挿入および注入性能に悪影響を及ぼす恐れがある。そのような装置のユーザが遭遇するさらなる問題は、針挿入中の皮膚表面の「テンティング」(tenting)であり、この場合皮膚表面は、針挿入前またはその間に幾分偏向され、それによって皮膚表面の上側3mmを正確に狙うことが困難になる。
【0008】
したがって、内容物を皮膚表面の上側3mm、すなわち皮内空間に送達して、ユーザに対してある程度の快適性を維持しながら、より良好な薬物吸収を容易にすることができる改良された注入セットの必要性が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、インスリンまたは他の薬剤を皮膚表面の上側3mm、すなわち皮内空間に送達して、ユーザに対してある程度の快適性を維持しながら、より良好な薬物吸収を容易にすることができる改良された注入セットを提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、針を、インスリンまたは他の薬剤を皮膚表面の上側3mmに送達する深さに挿入することができる一体型衝撃インサータを有する注入セットを提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、針を制御された高い速度で挿入して皮膚表面のテンティングを大幅に低減し、針を、インスリンまたは他の薬剤を皮膚表面の上側3mmに送達する深さに挿入することができる一体型衝撃インサータを有する注入セットを提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、注入セットの全体的サイズが低減された、一体型衝撃インサータを有する注入セットを提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、注入セットとは別個のセットのさらなるインサータ構成要素を持ち運ぶ必要性を解消するために一体型衝撃インサータを有する注入セットを提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、設置された注入セットからインサータ構成要素を取り外す必要性を解消し、針の挿入および注入性能に悪影響を及ぼす恐れがあるセットの望ましくない移動を回避する、一体型衝撃インサータを有する注入セットを提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は、インサータが、皮膚表面のテンティングのリスクを低減した状態で針を挿入することができるように皮膚表面を挿入部位において固定するための皮膚固定接着層を有する、注入セットを提供することである。
【0016】
本発明の別の目的は、針が、正常な使用中、インスリンまたは他の薬剤を皮膚表面の上側3mmに送達する深さに維持され得るように、挿入された針を外力から遮断することができる注入セットを提供することである。
【0017】
これらおよび他の目的は、針を制御された高い速度で、内容物を皮膚表面の上側3mmに送達する深さに挿入することができる一体型衝撃インサータと、インサータが、皮膚表面のテンティングのリスクを低減した状態で針を挿入することができるように皮膚表面を挿入部位において固定するための皮膚固定接着層とを有する注入セットを提供することによって大幅に達成される。衝撃インサータの駆動ばねは、針を3.3ft/秒(1.0m/秒)から10ft/秒(3.0m/秒)を含むそれ以下の制御された高い速度で挿入するように形作られる。カニューレの鋭敏性によっては、そのような終端速度は、短い(すなわち1.5mmの)針またはカニューレの皮内挿入に対してより信頼高い結果を生み出す。衝撃インサータは、注入セットと一体化されて、設置された注入セットからインサータ構成要素を取り外す必要性を解消し、セットの望ましくない移動を回避する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の例示的な実施形態のさまざまな目的、利点、および新規の特徴は、添付の図を併用して読み取るとき、以下の詳細な説明からより容易に理解されるであろう。
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態による一体型衝撃インサータの断面斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施形態による組み立てられた注入セットおよび一体型衝撃インサータの斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施形態による図2の組み立てられた注入セットおよび一体型衝撃インサータの透明斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施形態による図2の注入セットおよび一体型衝撃インサータの分解図である。
【図5】本発明の第2の実施形態による図2の組み立てられた注入セットおよび一体型衝撃インサータの断面斜視図である。
【図6】本発明の第3の実施形態による注入セットおよび一体型衝撃インサータの分解図である。
【図7】本発明の第3の実施形態による図6の組み立てられた注入セットおよび一体型衝撃インサータの透明斜視図である。
【図8】本発明の第3の実施形態による図6の組み立てられた注入セットおよび一体型衝撃インサータの断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図を通して、同じ参照番号は、同じ部分、構成要素、および構造を示すことが理解されるであろう。
【0021】
以下で説明する本発明の例示的な実施形態は、標準的なインスリンポンプを介して皮膚の皮内層にインスリンを送達する新規の手段を提供する。たとえば、本発明の例示的な実施形態は、針またはカニューレを、薬剤を皮膚表面の上側3mm、すなわち皮内空間に送達するように配置して、ユーザに対してある程度の快適性を維持しながら、より良好な薬物吸収を容易にするための注入セットおよび一体型衝撃インサータを提供する。
【0022】
本発明の例示的な実施形態は、標準的なインスリンポンプまたは他の類似の装置を介して皮膚の皮内層にインスリンを送達する。一体型衝撃インサータおよび皮膚固定接着剤を利用することにより、設置された注入セットからインサータ構成要素を取り外し、セットの望ましくない移動を回避する必要性を解消しながら、適正な挿入および挿入された針の皮内空間内での維持が確実にされる。
【0023】
そのようにするために、例示的な実施形態は、注入セットの針を制御された高い速度で挿入して皮膚表面のテンティングを大幅に低減し、また、針を、内容物を皮膚表面の上側3mmに送達する深さに挿入することができる一体型衝撃インサータを備える。衝撃インサータの駆動ばねは、例示的な針を3.3ft/秒(1.0m/秒)から10ft/秒(3.0m/秒)を含むそれ以下の制御された高い速度で挿入するように形作られる。カニューレの鋭敏性によっては、そのような終端速度は、短い(すなわち1.5mmの)針またはカニューレの皮内挿入に対してより信頼高い結果を生み出す。このばねは、さらに、挿入された針との接触を維持し、挿入された針の後退を防止するために使用される。インサータ構成要素は、設置された注入セットに留まり、取り外しを必要としないにもかかわらず、低い外形のセットを実現している。
【0024】
注入セットにはまた、注入セットを注入部位で皮膚表面に固定するために少なくとも1つの皮膚固定接着層が設けられ、それにより、衝撃インサータは、ユーザによって作動された際に皮膚表面に対して正しい位置にあるようになり、皮膚は、挿入中固定されて、皮膚表面のテンティングのリスクが低減された状態での針挿入をさらに助けるようになる。
【0025】
以下で説明する本発明の各々の例示的な実施形態では、連結器、注入カニューレまたは針、接着剤、およびハブなどの標準的な注入セット要素が、提供され得る。さらに、カニューレまたは針の展開機構が、ハブ自体内に設けられて、別個のまたは取り外し式インサータの必要性を解消する。各々の例示的な実施形態では、駆動ばねを使用して針の衝撃挿入をもたらし、次いで駆動ばね内の残存する格納されたエネルギーを用いてその針を皮内または他の対象となる皮膚層内に保持する。そのような駆動ばねを用いることにより、高速の挿入が達成され、この挿入は、短い(すなわち1.5mmの)針またはカニューレの挿入に対してより信頼高いものと考えられる。例示的な実施形態では、装置は、事前に搭載されて提供可能であり、あるいはユーザによって搭載または装備されることが可能であり、ユーザは次いで、解放ボタン、回転式タブ、プルタブ、または他の類似の機構によって装置を作動させる。
【0026】
さらに、設置し作動させた後、例示的な実施形態は、注入セットのチュービング連結器の回転を可能にするための手段を提供して、ポンプに対するチュービング位置の患者によるより良好な管理を可能にし、皮膚表面内のカニューレの位置決めに影響をおよぼし得るけん引、衝撃、または他の動きからの張力を緩和する。
【0027】
以下に説明する各々の例示的な実施形態では、駆動ばねは、最大限のポテンシャルエネルギーを得るまで圧縮され得る。このエネルギーは、ばねが圧縮されるときにその中に蓄えられるねじり応力を算出することによって決定される。ポテンシャルエネルギーおよび針挿入地点の運動エネルギーを算出することにより、挿入速度を算出することができる。本発明の例示的な実施形態では、ばねは、例示的な針を3.3ft/秒(1.0m/秒)から10ft/秒(3.0m/秒)を含むそれ以下の制御された高い速度で挿入するように形作られる。カニューレの鋭敏性によっては、そのような終端速度は、短い(すなわち1.5mmの)針またはカニューレの皮内挿入に対してより信頼高い結果を生み出す。ばねの直径、ピッチ、および材料のすべてが、ばね定数の一因となる。この定数および解放された後のばねの全運動距離を操作して、所望の速度Tを生み出すことができる。
【0028】
図1は、本発明の第1の実施形態による一体型衝撃インサータの断面斜視図である。図1に示すように、例示的な一体型衝撃インサータ10は、上部12と、本体14と、それらの間に捕捉された可動式針ハブ16とを備える。以下で説明する本発明の例示的な実施形態では、ハウジング、ハブおよび他の要素は、成形プラスチック材料、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PETおよびPETG)などの熱可塑性ポリマー、または類似の材料から構築可能である。図1に示すように、針ハブ16は、針またはカニューレ20およびハブ22を備える。針20は、好ましくは、25ゲージから36ゲージの間の、単一のベベル、3つのベベル、または5つのベベルが設けられた、1.0mmから10mm長さのステンレス鋼またはプラスチックの針/カニューレを備えるが、実施形態はこれに限定されない。針20は、Loctite/UV硬化型接着剤などの接着剤でハブ22または他の針ハブに接合可能であり、または隔壁もしくはハブでオーバーモールド成形可能であり、またはそれにねじ込み可能である。
【0029】
針ハブ16は、インサータ10の本体14内で針ハブ16の走行を誘導するように形作られたショルダ24をさらに備える。さらに、駆動ばね18が、インサータ10の上部12と、針ハブ16のショルダ24との間に捕捉され、解放されたとき、針ハブ16を皮膚表面に向かって押す。さらに、ばね18は、挿入後、針ハブ16との接触を維持し、針ハブ16の後退または他の移動を防止するように形作られる。また、開口部またはチャネル26が、上部12および針ハブ16を貫通するように設けられて、針20および/またはハブ22への流体連通をもたらす。隔壁(図示せず)が、チューブ連結器を受け入れるために開口部またはチャネル26内に設けられ得る。
【0030】
図1の例示的な実施形態は、側部入口/連結部に、図2〜5の実施形態に示すように解放タブ、または図6〜8に示すように回転ボタンを設ける。開口部28内のプッシュボタンもしくは回転ボタンの干渉または解放タブの干渉の1つまたは複数を使用して、針ハブ16およびばね18を、解放されるまで上方(引き上げられたまたは後退した)位置内に保持することができる。さらに、上部12、針ハブ16およびばね18は、本体14の基部まわりで360度枢動することができ、ユーザに対してさらなるチュービング管理の選択肢を与える。
【0031】
以下で説明する図1および残りの実施形態は、一体型衝撃インサータを提示して、所望の挿入速度を達成し、その後針ハブに反する力を維持するように独自に設計され得る駆動ばねの設計および使用を例示している。ばねなどのインサータ構成要素は、設置された注入セットに留まり、取り外しを必要としないにもかかわらず、低い外形のセットを実現している。解放フィーチャを例示する本発明のさらなる実施形態を、以下で説明する。
【0032】
図2〜5は、本発明の第2の実施形態による一体型衝撃インサータおよび注入セット100の図である。図4の分解図で示すように、本発明の第2の例示的な実施形態は、上部102と、基部リング104と、底部106とを備える。上部102と底部106の間に捕捉されて、本体108、ならびに針138および針ハブ110が設けられる。針ハブ110には、1つまたは複数のO−リング112および114が設けられ、これらのO−リングは、針ハブ110の外側円周まわりの溝内に捕捉されて、針ハブ110が自由に回転し、チュービング取付体の360度の回転をもたらすことを可能にする。基部リング104には接着層134が、底部106には接着層136が、各々を注入部位の皮膚表面に固定するために設けられ得る。接着層134および136は、別個のものであり、単一のカバリングが設けられ得る。針138は、好ましくは、25ゲージから36ゲージの間の、単一のベベル、3つのベベル、または5つのベベルが設けられた、1.0mmから10mm長さのステンレス鋼またはプラスチックの針またはカニューレを備えるが、実施形態はこれに限定されない。針138は、Loctite/UV硬化型接着剤などの接着剤で針ハブ110に接合可能であり、またはハブでオーバーモールド成形可能であり、またはそれにねじ込み可能である。
【0033】
図4および5に示すように、O−リング112および114、ならびに針ハブ110は、本体108の中央開口部内に摺動式に捕捉される。連結器シール116およびチュービング118がさらに設けられ、これらにより、チュービング118に連結された針ハブ110の回転が可能になる。連結器シール116は、任意の適切な隔壁カニューレ連結部を備えることができるが、実施形態はこれに限定されない。
【0034】
これも図4および5に示すように、駆動ばね120が、セット100の上部102と本体108の間に捕捉され、解放されたとき、本体108および針ハブ110を皮膚表面に向かって押す。例示的な実施形態では、装置100は、解放タブ122をさらに備えることができ、この解放タブ122は、U字開口123を本体108内に延ばし、ユーザアクセス可能なタブによって装置から引き出されるまで針ハブ110の皮膚表面に向かう移動を防止するように配設される。矢印132などのインジケータが、タブ122上に設けられることが可能であり、タブ122を解放タブとして特定し、装置を作動させるためにタブ122を引っ張る方向を示す。セット100が、リング104および底部106の接着層134および136を介して皮膚表面に接着され、解放タブ122が、引き出されて装置から自由になると、針ハブ110は解放され、駆動ばね120は本体108および針ハブ110を皮膚表面に向かって押し、針ハブ110の針138を皮膚表面(図示せず)内に着座させる。さらに駆動ばね120は、挿入後、針ハブ110との接触を維持し、針ハブ110の後退または後方移動を防止するように形作られる。ばね120などの一体型インサータの構成要素は、設置された注入セットに留まり、取り外しを必要としないにもかかわらず、低い外形のセットを実現している。
【0035】
図6〜8は、本発明の第3の実施形態による一体型衝撃インサータおよび注入セット200の図である。図6の分解図に示すように、本発明の第3の例示的な実施形態は、上部202および底部204を備える。上部202と底部204の間に捕捉されて、本体206、ならびに針230および針ハブ208が設けられる。底部204には、底部を注入部位の皮膚表面に固定するための接着層232およびカバリングが設けられ得る。針230は、好ましくは、25ゲージから36ゲージの間の、単一のベベル、3つのベベル、または5つのベベルが設けられた、1.0mmから10mm長さのステンレス鋼またはプラスチックの針またはカニューレを備えるが、実施形態はこれに限定されない。針230は、Loctite/UV硬化型接着剤などの接着剤で針ハブ208に接合可能であり、またはハブでオーバーモールド成形可能であり、またはそれにねじ込み可能である。
【0036】
これも図6および8に示すように、駆動ばね210が、セット200の上部202と、針ハブ208の1つまたは複数のタブ212との間に捕捉され、解放されたとき、針ハブ208を皮膚表面に向かって押す。例示的な実施形態では、装置200は、本体206上に配設され、ユーザアクセス用に上部202内の開口部220を通って外向きに延びた1つまたは複数の回転式解放タブ214をさらに備えることができ、ユーザによって回転されるまで、針ハブ208の皮膚表面に向かう移動を防止する。
【0037】
作動前、針ハブ208は、ハブ208のタブ212および本体206の上面に接触することによって上方位置に保持される。すなわち、タブ212は、本体206の回転式タブ214を回すことによって回転式に移動されて位置合わせされるまで、ハブ208が本体206に入ることを防止する。この位置では、ばね210は、セット200の上部202と、針ハブ208のタブ212の間で圧縮される。回転式解放タブ214を本体206上で回転させることは、タブ212の1つまたは複数または針ハブ208の他の突起部を本体206内の開口部215と位置合わせさせるように働き、これにより、針ハブ208が本体206内で下向きに通過することが可能になる。回転式解放タブ214が回転され、針ハブ208が解放されると、駆動ばね210は、針ハブ208のタブ212を皮膚表面に向かって押し、針(図示せず)を皮膚表面(図示せず)内に着座させる。さらに、駆動ばね120は、針ハブ208との接触を維持し、挿入後の針ハブ208の後退または後方移動を防止するように形作られる。
【0038】
図6に示すように、セット200の上部202および底部204は、上部202の脚部216および底部204のショルダ218を用いて互いに回転式に係止するように形作られる。開口部220が、上部202内に設けられて、タブ214が、位置合わせおよび作動のためにハブ208に対して本体206を回転させるために装置内から延びることを可能にする。
【0039】
次いで、回転式のチューブセット連結器222を上部202と結合させてセットを完成させることができる。連結器222は、上部202内の開口部を通して針ハブ208内の類似の形状の開口部と係合するための円筒状の部材224を備えることができる。円筒状の部材224は、O−リングまたは他のシール(図示せず)を中に設けることができるくぼみ226を含むことができる。流体経路225が、回転可能なチューブセットの連結器222をセットに組み付けることによって注入ポンプチューブ(図示せず)と針(図示せず)の間に確立される。
【0040】
上記で指摘したように、各々の駆動ばね18、120および210は、例示的な針を、3.3ft/秒(1.0m/秒)から10ft/秒(3.0m/秒)を含むそれ以下の制御された高い速度で挿入するように形作られる。カニューレの鋭敏性によっては、そのような終端速度は、短い(すなわち1.5mmの)針またはカニューレの皮内挿入に対してより信頼高い結果を生み出す。ばねの直径、ピッチ、および材料のすべてが、ばね定数の一因となる。この定数および解放された後のばねの全運動距離を操作して、所望の速度Tを生み出すことができる。
【0041】
例示的な実施形態では、駆動ばねの自由長は38mmでよく、定数は0.05N/mmでよいが、実施形態はこれに限定されない。上方位置(すなわち圧縮状態)では、駆動ばねの長さは6.5mmであるが、実施形態はこれに限定されない。したがって、力F Upは:
F Up=k.x=0.05N/mmx(38−6.5)mm=0.05N/mmx31.5mm
F Up=1.58N
となる。
【0042】
針が皮膚に接触したところの皮膚位置では、ばねの長さは、6.5+1.5mm=8mmである。したがって、力F Skinは、:
F Skin=k.x=0.05N/mmx(38−8)mm=0.05N/mmx30mm
F Skin=1.50N
となる。
【0043】
下方位置では、ばねの長さは、10.5mmである。したがって、力F Downは:
F Down=k.x=0.05N/mmx(38−10.5)mm=0.05N/mmx27.5mm
F Down=1.38N
となる。
【0044】
これらの実験的長さの各々は、CADプログラムなどの現在入手可能な工学シミュレーションソフトウエアを用いて算出された。
【0045】
上方位置では、針は、皮膚表面から1.5mm奥まっているが、実施形態はこれに限定されない。したがって、針は、針の先端が皮膚に接触するまで1.5mmの距離の間ばねによって加速される。例示的な実施形態では、駆動された構成要素の重量は、4.1gである。針、針ホルダ、および針組立体の重量は、無視可能であると考えられ得る。したがって、駆動された構成要素の速度Vは、針が皮膚に接触する地点において算出され得る:
行われた仕事=運動エネルギーの変化
Fxd=1/2mx(V2−U2)
式中u=0m/秒であり、
1/2(1.58N+1.50N)x1.5mm−3mm=1/2x4.1g−3gxV2
V=1.06m/秒
【0046】
例示的な算出では、システム内の摩擦の影響は無視され、等加速度が想定される。駆動された構成要素が降下したとき、ばねは緩み、力は低減するため、実際の加速度は低下する。しかし、本明細書で説明する例示的な実施形態のために、定加速度が想定される。
【0047】
上記で説明した各々の例示的な実施形態では、一体型衝撃インサータは、より少ない作動ステップしか必要とせず、従来入手可能なインサータおよびセット組合せより少ない部分しか必要としない。顕著なことに、別個のインサータは、これらの装置では必要なく、したがって装置を持ち運ぶユーザの負担および発生する廃棄物の量が低減される。さらに、取り外し式インサータにはこれらの装置は設けられず、したがってインサータを取り外す際の注入セットに対する移動というリスクが低減される。別個の、再使用可能なまたは使い捨てのインサータの問題は、カニューレ展開機構を患者に取り付けられたままである装置のハブ内に一体化することによって取り除かれる。
【0048】
上記で説明した実施形態は、好ましくは皮内注射に使用されるが、その各々は、皮下注射にも同等に良好に使用可能である。
【0049】
さらに、本発明の例示的な実施形態の1つまたは複数には、皮膚接触接着層および裏あてが設けられ得る。最初に注入セットを注入部位に接着剤を介して固定することによって、正確な挿入が達成され、これにより、ユーザが適正な位置合わせにおいて一体型衝撃インサータを作動させ、針を挿入することが可能になる。そのようにする際、針は、制御された高い速度で皮膚表面内に押し入れられて、針挿入におけるテンティングのリスクを最小限に抑える。さらに、挿入部位におけるまたは非常に近くの接着剤は、皮膚表面を固定し、挿入中、皮膚表面のテンティングをさらに最小限に抑える。
【0050】
本発明の実施形態の例示的な使用では、注入セットの送達部位への適正な挿入は、簡単なステップからなる。たとえば、裏あて(図示せず)が、注入セットの皮膚接着層から剥がされ、注入セットは、所望の注入部位の領域内の皮膚表面に接着される。ユーザは次いで、タブを引く、またはアームを回転させることによって駆動ばねを解放し、これによって針を注入部位の皮膚表面内に挿入する。ユーザは、次いで、チューブセット連結部をセットに取り付け、次いで注入セットの事前準備をし、取り付けられた注入ポンプ(図示せず)を介してインスリンまたは他の薬剤を注入部位に送達する。
【0051】
さらに、一体型衝撃インサータおよびセットは、適正な位置合わせおよび配置を確実にする。市場のほとんどのインサータは、皮膚表面に対して垂直な挿入力を確実にするために過大サイズにされる、または誤った位置合わせの挿入を導き得る、薄い可搬式のものである。本発明の例示的な実施形態では、最初に注入セットの外側皮膚接着剤を皮膚表面に接着または「係止」することにより、一体型衝撃インサータは、針挿入に合わせて適正に位置合わせされる。したがって、本発明の例示的な実施形態は、使用時に注入部位と適正に位置合わせされる比較的小型のインサータを含むことができる。
【0052】
そのようなシステムおよび方法は、皮膚表面に垂直に置くことができる小さい皮内針または微小の針を使用することをさらに可能にし、また、この針は、外部の力から遮断され、それによって位置を維持し、使用中、ユーザに対してあまり疼痛を生じさせない。さらに、皮膚の皮内層内に注入することにより、本発明の例示的な実施形態は、皮下送達システムと比較した場合、より良好にインスリンを吸収するという可能性を提供する。そのようにする際、一般的なユーザが、インスリンの消費をより少なくし、薬剤投与計画(medicament regime)をより良好に維持することが可能になり得る。望まれる場合、単一の針または微小針の代わりに、複数の針または微小針が使用可能であることが理解されよう。
【0053】
上記で指摘したように、他の皮内注入セットの概念は、皮膚が、挿入時または挿入中に偏向されてテントに関連付けられる形状を創出する望ましくない影響である、テンティングを起こすというリスクがある。そのようにする際、皮膚表面は、皮膚内への針の貫通中ではなく針挿入中にテント形になる(tent)。しかし、本発明は、3.3ft/秒(1.0m/秒)から10ft/秒(3.0m/秒)を含むそれ以下の制御された高い速度で挿入される針を提供し、かつこの場合、皮膚表面は、挿入部位において固定されているので、本発明の例示的な実施形態は、このリスクを低減し、より正確な針挿入深さを確実にする。
【0054】
皮下層に送達する現在の鋼製カニューレの注入セットでは、針は、針まで伝えられたときに疼痛を生じさせ得る、あらゆる望ましくない外部の力から遮断されておらず、針は皮膚内で移動する。また、他の皮内装置は、針が外部の力から遮断されていない場合に装置に衝撃がかけられたとき、針が、早期にまたは別の望ましくない形で取り外されるという問題に直面する。
【0055】
本発明の例示的な実施形態では、皮内針は、いくつかの特徴によって外部の力から遮断される。上部が、敏感な針ハブを外力との直接接触から遮蔽するために設けられる。別個の接着層が、セットの別個の要素を皮膚の表面に固定するために使用可能である。さらに、チューブ連結は、セットの皮膚表面への接着に影響を与えることなく回転可能になり得る。針ハブは、作動ばねが引き続いて存在することによって下方(引き下げられたまたは延長された)位置に保持される。適正なインサータの位置合わせは、ユーザが衝撃インサータの駆動ばねを解放するための堅固な、固定された基礎部分を設けることによって達成される。そのような堅固な、固定された基礎部分は、皮膚接着剤によって実現される。皮膚接着剤は、セットを所望の向きに固定し、それにより、衝撃インサータもまた使用の所望の向きにある。したがって、正確で反復可能な挿入は、接着剤によって達成される。
【0056】
さらに、多くの市販のセットは、別個のまたは取り外し式のインサータの使用を必要とする。本明細書で説明した本発明の例示的な実施形態では、ユーザは、別個のインサータを持ち運ぶ、または注入セットをインサータに搭載する必要はない。ユーザにはまた、インサータまたはインサータの部品を配置された注入セットから取り外すことは求められない。一体型システムは、ユーザが別個のインサータを持ち運ぶまたは搭載することからさらに自由になることを可能にし、その結果利便性が向上され、作動がより簡単になる。
【0057】
本発明のごくわずかな例示的な実施形態を上記で詳細に説明してきたが、当業者は、本発明の新規の教示および利点から著しく逸脱することなく、多くの改変形態が、例示的な実施形態において可能であることを容易に理解するであろう。したがって、すべてのそのような改変形態は、添付された特許請求の範囲およびその等価物に定義された本発明の範囲内に含まれることが意図されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体型インサータであって、
針ハブおよび針を備える本体と、
前記本体内に配設され、解放時に前記針ハブおよび針を下方位置に押すように形作られたばねであって、前記針を制御された速度で皮膚内に挿入するように形作られた前記ばねと、
前記ばねおよび前記針ハブの少なくとも1つを上方位置に解放可能に固定するように形作られた解放機構と
を備えることを特徴とする一体型インサータ。
【請求項2】
前記解放機構は、
前記本体から延び、前記ばねおよび前記針ハブの少なくとも1つを上方位置に解放可能に固定するための戻り止めを備える第1の端部と、ユーザが把持可能な表面を含む第2の端部とを有するプルタブを備えることを特徴とする請求項1に記載の一体型インサータ。
【請求項3】
前記解放機構は、
前記本体から延びる少なくとも1本のアームを有する回転可能な本体を備え、前記回転可能な本体は、前記針ハブと干渉し、前記ばねおよび前記針ハブの少なくとも1つを上方位置に解放可能に固定するように形作られた少なくとも1つの位置合わせ溝を含むことを特徴とする請求項1に記載の一体型インサータ。
【請求項4】
チューブセット連結器をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の一体型インサータ。
【請求項5】
前記ばねは、約38mmの長さおよび約0.05N/mmの定数を含むことを特徴とする請求項1に記載の一体型インサータ。
【請求項6】
前記上方位置では、前記ばねの長さは、約6.5mmであり、力F Upは、以下の公式:
F Up=k.x=0.05N/mmx(38−6.5)mm=0.05N/mmx31.5mm
F Up=1.58N
によって表されることを特徴とする請求項1に記載の一体型インサータ。
【請求項7】
皮膚接触位置では、前記ばねの長さは、約8mmであり、力F Skinは、以下の公式:
F Skin=k.x=0.05N/mmx(38−8)mm=0.05N/mmx30mm
F Skin=1.50N
によって表されることを特徴とする請求項1に記載の一体型インサータ。
【請求項8】
前記下方位置では、前記ばねの長さは、約10.5mmであり、力F Downは、以下の公式:
F Down=k.x=0.05N/mmx(38−10.5)mm=0.05N/mmx27.5mm
F Down=1.38N
によって表されることを特徴とする請求項1に記載の一体型インサータ。
【請求項9】
前記上方位置では、前記針は、皮膚表面から約1.5mm奥まったところにあり、それにより、前記針は、前記皮膚表面に接触する前に1.5mmの距離の間前記ばねによって加速され、前記針が前記皮膚表面に接触する前記地点における前記針および針ハブの速度Vは、以下の公式:
行われた仕事=運動エネルギーの変化
Fxd=1/2mx(V2−U2)
式中u=0m/秒であり、
1/2(1.58N+1.50N)x1.5mm−3mm=1/2x4.1g−3gxV2
V=1.06m/秒
によって表されることを特徴とする請求項1に記載の一体型インサータ。
【請求項10】
前記本体の表面に配設された少なくとも1つの接着層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の一体型インサータ。
【請求項11】
一体型インサータであって、
針ハブおよび針を備える本体と、
前記本体内に配設され、前記針ハブおよび針を、上方位置から皮膚接触位置、さらには下方位置に押すように形作られたばねであって、前記針を制御された速度で挿入するように形作られたばねと
を備えることを特徴とする一体型インサータ。
【請求項12】
前記ばねおよび前記針ハブの少なくとも1つを前記上方位置に解放可能に固定するように形作られた解放機構をさらに備え、前記解放機構は、前記本体から延び、前記ばねおよび前記針ハブの少なくとも1つを上方位置に解放可能に固定するための戻り止めを備える第1の端部と、ユーザが把持可能な表面を含む第2の端部とを有するプルタブを備えることを特徴とする請求項11に記載の一体型インサータ。
【請求項13】
前記ばねおよび前記針ハブの少なくとも1つを前記上方位置に解放可能に固定するように形作られた解放機構をさらに備え、前記解放機構は、前記本体から延びる少なくとも1本のアームを有する回転可能な本体を備え、前記回転可能な本体は、前記針ハブと干渉し、前記ばねおよび前記針ハブの少なくとも1つを上方位置に解放可能に固定するように形作られた少なくとも1つの位置合わせ溝を含むことを特徴とする請求項11に記載の一体型インサータ。
【請求項14】
チューブセット連結器をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の一体型インサータ。
【請求項15】
前記ばねは、約38mmの長さおよび約0.05N/mmの定数を含むことを特徴とする請求項11に記載の一体型インサータ。
【請求項16】
前記上方位置では、前記ばねの長さは、約6.5mmであり、力F Upは、以下の公式:
F Up=k.x=0.05N/mmx(38−6.5)mm=0.05N/mmx31.5mm
F Up=1.58N
によって表されることを特徴とする請求項11に記載の一体型インサータ。
【請求項17】
皮膚接触位置では、前記ばねの長さは、約8mmであり、力F Skinは、以下の公式:
F Skin=k.x=0.05N/mmx(38−8)mm=0.05N/mmx30mm
F Skin=1.50N
によって表されることを特徴とする請求項11に記載の一体型インサータ。
【請求項18】
前記下方位置では、前記ばねの長さは、約10.5mmであり、力F Downは、以下の公式:
F Down=k.x=0.05N/mmx(38−10.5)mm=0.05N/mmx27.5mm
F Down=1.38N
によって表されることを特徴とする請求項11に記載の一体型インサータ。
【請求項19】
前記上方位置では、前記針は、皮膚表面から約1.5mm奥まったところにあり、それにより、前記針は、前記皮膚表面に接触する前に1.5mmの距離の間前記ばねによって加速され、前記針が前記皮膚表面に接触する前記地点における前記針および前記針ハブの速度Vは、以下の公式:
行われた仕事=運動エネルギーの変化
Fxd=1/2mx(V2−U2)
式中u=0m/秒であり、
1/2(1.58N+1.50N)x1.5mm−3mm=1/2x4.1g−3gxV2
V=1.06m/秒
によって表されることを特徴とする請求項11に記載の一体型インサータ。
【請求項20】
一体型インサータであって、
針ハブおよび針を備える本体と、
前記本体内に配設され、前記針ハブおよび針を、上方位置から皮膚接触位置、さらには下方位置に押すように形作られたばねであって、前記針を制御された速度で挿入するように形作られたばねと
チューブ連結器と
を備えることを特徴とする一体型インサータ。
【請求項21】
内容物を上側皮膚表面に送達するための所望の深さを狙う方法であって、
注入装置を注入部位上に設置し、格納されたエネルギー装置を解放して前記注入装置の針を前記注入部位内に移動させるステップであって、前記針が、制御された速度で前記注入部位内に移動される、ステップと、
前記格納されたエネルギー装置を用いて前記注入装置の前記針を前記注入部位内に保持するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
前記格納されたエネルギー装置は、ばねを備え、上方位置では、前記ばねの長さは、約6.5mmであり、力F Upは、以下の公式:
F Up=k.x=0.05N/mmx(38−6.5)mm=0.05N/mmx31.5mm
F Up=1.58N
によって表されることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
皮膚接触位置では、前記ばねの長さは、約8mmであり、力F Skinは、以下の公式:
F Skin=k.x=0.05N/mmx(38−8)mm=0.05N/mmx30mm
F Skin=1.50N
によって表されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
下方位置では、前記ばねの長さは、約10.5mmであり、力F Downは、以下の公式:
F Down=k.x=0.05N/mmx(38−10.5)mm=0.05N/mmx27.5mm
F Down=1.38N
によって表されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記上方位置では、前記針は、皮膚表面から約1.5mm奥まったところにあり、それにより、前記針は、前記皮膚表面に接触する前に1.5mmの距離の間前記ばねによって加速され、前記針が前記皮膚表面に接触する前記地点における前記針および前記針ハブの速度Vは、以下の公式:
行われた仕事=運動エネルギーの変化
Fxd=1/2mx(V2−U2)
式中u=0m/秒であり、
1/2(1.58N+1.50N)x1.5mm−3mm=1/2x4.1g−3gxV2
V=1.06m/秒
によって表されることを特徴とする請求項22に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−115672(P2012−115672A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−262078(P2011−262078)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】