説明

薬物送達デバイスをプライミングするための用量設定機構

用量設定機構に連結したスピンドル(124)及びカートリッジホルダ(6、54、72)を有する用量設定機構(4、52、74)を含んでなる薬物送達デバイスが提供される。カートリッジホルダ(6、54、72)は、カートリッジの一端で可動の栓を有するカートリッジを含んでなる。カートリッジホルダ(6、54、72)は、用量が用量設定機構で設定され得る前に回転する必要がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、概して、薬物送達デバイスを対象にしている。より詳細には、本特許出願は、概して、ペン型薬物送達デバイスのような薬物送達デバイスを対象にしている。そのようなデバイスは、反復投与カートリッジからの医薬品の自己投与のために提供され、そして使用者が送達用量を設定するのを可能にする。本出願は、再設定可能(即ち、再使用可能)及び再設定不能(即ち、再使用不能)のタイプの薬物送達デバイスの両方に応用され得る。しかし、本発明の態様は、他のシナリオにも同様に、等しく応用可能である。
【背景技術】
【0002】
ペン型薬物送達デバイスは、正規の医学的訓練を受けていない人による定期的な注射が発生する応用例を有する。これは、自己投与がそのような患者に、彼らの疾病の効果的な処置を実施することを可能にする糖尿病を病む患者間で増加しつつある。
【0003】
ペン型デバイスのような薬物送達デバイスのある型において、薬物のカートリッジが使用される。これらのカートリッジは、カートリッジホルダ又はカートリッジハウジングに収容される。そのようなカートリッジは、栓又はストッパを一端に有する。カートリッジの他端では、カートリッジは孔を開けることが可能なシールを含む。そのようなカートリッジから薬物の用量を投与するために、薬物送達デバイスは、スピンドルをカートリッジに向かって遠位方向に移動させ、そして、栓に対してスピンドルの遠位端を押すために使用する用量設定機構を有する。これがカートリッジからの薬物のある設定された、又は事前に選択された用量を放出する。用量の精度を確実にするため、スピンドルの遠位端が、薬物の用量の注射前、注射中、注射後にカートリッジの栓上に残留することが重要である。
【0004】
ある公知の薬物送達デバイスの1つの認識された欠点は、薬物送達デバイスを構成する種々の部品の製作中に発生するかもしれない種々の許容差(例えば、部品成形中で発生するかもしれない許容差)、及び組立てデバイスにおいて、栓を軸方向に予負荷したくない要望のため、薬物送達デバイスが組立てられた後、スピンドルの末端とカートリッジ栓の間にギャップが存在し得る。換言すれば、初めに組立てられるとき、カートリッジ(従ってカートリッジ栓)は、スピンドルの遠位端と接触していない可能性がある。従って使用者が、初めに用量をダイアル設定するために薬物送達デバイスを用いる場合、実際に受容される用量は、ダイアル設定された用量と等しいか、又はスピンドルの遠位端とカートリッジ栓間の初期ギャップにより少ない可能性がある。カートリッジ栓とスピンドルの遠位端間のエアギャップは、好ましい用量精度の限界以外の受容用量を発生させる用量と同等であるかもしれない。例えば、このエアギャップは、第一用量における薬剤の0と10ユニット(即ち、0〜0.14ミリリットル)間の損失に相当しているかもしれない。
【0005】
従って、ペン型薬物送達デバイスのような再設定可能な、又は非再設定可能な薬物送達デバイスを設計するとき、これらの認識された事項を考慮する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、薬物送達デバイスをプライミングするために特に好適であり、及び/又は、プライミング工程の前にデバイスの使用を阻止する、改良された用量設定機構を提供することである。
【0007】
この目的は、デバイスをプライミングするため、及び/又は、用量の設定を可能とする条件に持っていくため、カートリッジホルダの回転移動を必要とする請求項1及び10で規定されるデバイスで解決される。好ましくは、用量設定を可能とする条件は、デバイスのプライミングされた条件である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第一実施態様によると、薬物送達デバイスはスピンドルを含む用量設定機構を含む。カートリッジホルダは用量設定機構に連結される。カートリッジホルダはカートリッジの一端に可動の栓を有するカートリッジを含む。カートリッジホルダは、用量が用量設定機構で設定できる前に回転する。好ましくは、カートリッジホルダは、用量が用量設定機構で設定され得る前に、360°より小さい角度で回転しまければならない。
【0009】
より詳細には、カートリッジホルダは、用量が用量設定機構で設定できる前に、用量設定機構に対して回転する必要がある。それ故、カートリッジホルダの回転は薬物送達デバイスをプライミングし得る。
【0010】
この実施態様の好ましい開発によると、カートリッジホルダの回転は、スピンドルをカートリッジの栓との隣接係合に動かす。
【0011】
用量設定機構の使用者に用量を設定することを可能にするカートリッジホルダの回転が、用量設定機構の用量ダイアルスリーブを回転させることを可能にするならば、有利なことであるかもしれない。
【0012】
好ましくは、カートリッジホルダが回転した後、カートリッジホルダは用量設定機構に対して回転を固定する。カートリッジホルダのこの回転の固定は、1つの方法を通して、逆止戻り止め機構であってもよい。
【0013】
デバイスの使用を支援するために、用量が用量設定機構により設定できる前に、カートリッジホルダは、回転する必要がある視覚表示を提供する。
【0014】
本発明によると、薬物送達デバイスは、再設定可能な薬物送達デバイス、又は非再設定可能(使い捨て)薬物送達デバイスであってもよい。
【0015】
本明細書で使用する用語「薬物(drug)」又は「医薬品」」又は「薬物(medicament)」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで一実施態様において、薬学的に活性な化合物は、最大で1500Daまでの分子量を有し、及び/又は、ペプチド、蛋白質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、抗体、酵素、抗体、ホルモン若しくはオリゴヌクレオチド、又は上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈又は肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症、及び/又は、関節リウマチの処置、及び/又は、予防に有用であり、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置、及び/又は、予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリン、又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセジン−3又はエキセジン−4、若しくはエキセジン−3又はエキセジン−4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0016】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリンであり、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B29位において、Lysは、Proで代替されてもよく;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0017】
インスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0018】
エキセンジン−4は、例えば、エキセンジン−4(1−39)、配列H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2のペプチドを意味する。
【0019】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
ここで、基−Lys6−NH2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と結合してもよく;
【0020】
又は以下の配列のエキセンジン−4誘導体;
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desMet(O)14,Asp28,Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25, Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
又は前述のエキセンジン−4誘導体のいずれか1つの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0021】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に表示されているような脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は規制活性ペプチド及びそれらのアンタゴニストである。
【0022】
多糖類としては、例えば、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、又は超低分子量ヘパリン、若しくはそれらの誘導体などのグルコアミノグリカン、又は上述の多糖類のスルホン化された、例えば、ポリスルホン化形態、及び/又は、薬学的に許容可能なそれらの塩がある。ポリスルホン化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウム塩がある。
【0023】
薬学的に許容される塩は、例えば、酸付加塩及び塩基塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基塩は、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、Na+、又は、K+、又は、Ca2+から選択されるカチオン、又は、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素;場合により置換されたC1−C6アルキル基;場合により置換されたC2−C6アルケニル基;場合により置換されたC6−C10アリール基、又は場合により置換されたC6−C10ヘテロアリール基である。薬学的に許容される塩の更なる例は、“Remington's Pharmaceutical Sciences”17編、Alfonso R.Gennaro(編集),Mark
Publishing社,Easton, Pa., U.S.A.,1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0024】
薬学的に許容可能な溶媒和物は、例えば、水和物である。
【0025】
本発明の別の実施態様によると、薬物送達デバイス用のプライミング機構は、用量設定機構を含む。用量設定機構は、スピンドル及び用量ダイアルスリーブを含む。カートリッジホルダは可動の栓及び孔を開けることが可能なシールを含むカートリッジを含む。連結部材はカートリッジホルダを用量ダイアルスリーブに連結する。連結部材に回転可能に連結するスピンドルナットは、カートリッジホルダをスピンドルに連結する。カートリッジホルダが用量設定機構に対して回転するとき、スピンドルナットは回転し、そして連結部材はスピンドルを移動させ、栓と隣接係合する。それ故、デバイスのプライミングは、カートリッジホルダの回転により影響を受ける。
【0026】
プライミング機構において、薄い金属プレス板、及び/又は、剛性の連結部品を含み得る連結部材は、用量ダイアル機構が用量を設定するために回転し得るように用量ダイアルスリーブを解放する。
【0027】
好ましくは、用量設定機構は、少なくとも1つの可撓性ロッキングエレメントを含む。カートリッジホルダが回転するとき、連結部材は、また、それにより、前記可撓性ロッキングエレメントを解放し、そして、用量ダイアルスリーブを回転させることを可能とし、そして、薬物送達デバイスの使用者に用量を設定することを可能とする。
【0028】
スピンドルナットは、更に、複数のラセン傾斜面を含む。スピンドルが栓の第一表面に隣接するようカートリッジホルダが回転するとき、複数のラセン傾斜面は、遠位方向にスピンドルナットを駆動させる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の様々な態様のこれらの、並びに、その他の利点は、添付の図面を適切に参照して、次の詳細な記載を読むことにより、当業者には明白になるであろう。
【0030】
典型的な実施態様は図面を参照して本明細書に記載される:
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一態様に基づく薬物送達デバイスの配置を示す。
【図2】キャップが取り外され、選択された用量を備えた図1の薬物送達デバイスを示す。
【図3】図1で図示する薬物送達デバイスのようなプライミング工程前の薬物送達デバイスの拡大図を示す。
【図4】プライミング工程の完了後、図3で図示する薬物送達デバイスの拡大図を示す。
【図5】図3及び4で図示する薬物送達デバイスのような、非プライミング状態における薬物送達デバイスの用量設定機構とカートリッジハウジング間の連結の拡大図を示す。
【図6】プライミング状態における図5で図示する用量設定機構とカートリッジ間の連結の拡大図を示す。
【図7】連結部材を含む図5及び6で図示するカートリッジハウジングの近位端の拡大図を示す。
【図8】図7で図示する連結部材が、図5及び6で図示する用量設定機構などの用量設定機構の用量ダイアルスリーブをいかにして係合するために使用するかを示す。
【図9】非プライミング状態における図8で図示する連結部材を示す。
【図10】プライミング状態における図9で図示する連結部材を示す。
【図11】図10で図示する用量ダイアルスリーブの遠位端に沿って提供される停止面の拡大図を示す。
【図12】連結部材を用量設定機構及びカートリッジハウジングに連結するために使用できるスピンドルナットを示す。
【図13】連結部材及び用量設定機構の用量ダイアルスリーブに連結するスピンドルナットを図示する。
【0032】
図1を参照して、典型的な配置に基づく薬物送達デバイス1を図示する。薬物送達デバイス1は、第一カートリッジ保持部分2を有するハウジング、及び用量設定機構4を含む。薬物送達デバイスは、再設定可能な薬物送達デバイス(即ち、再使用可能デバイス)、あるいは、非再設定可能の薬物送達デバイス(即ち、非再使用可能デバイス)であってもよい。カートリッジ保持部分2の第一端及び用量設定機構4の第二端は、共に連結機構で固定される。非再設定可能デバイスに対して、これらの連結機構は恒久的であり、非可逆的であり得る。再設定可能デバイスに対して、これらの連結機構は解放可能であり得る。
【0033】
この提示された配置において、カートリッジハウジング2は用量設定機構4の第二端内に固定される。取り外し可能なキャップ3は、カートリッジ保持部分又はカートリッジハウジングの第二端又は遠位端上に解放可能に保持される。用量設定機構4は、用量ダイアルグリップ12、及び窓又はレンズ14を含む。用量スケール配置16が窓又はレンズ14を通して視認できる。薬物送達デバイス1内に含まれる薬物の用量を設定するために、ダイアル設定された用量が用量スケール配置16を用いて、窓又はレンズ14において視認できるように、使用者が用量ダイアルグリップ12を回転する。
【0034】
図2は、カバー3が薬物送達デバイス1の遠位端19から取り外された図1の薬物送達デバイス1を図示する。この除去により、カートリッジハウジング6が曝露される。図示する通り、医薬品の多数の用量が投与され得るカートリッジ25が、カートリッジハウジング6に提供される。好ましくは、カートリッジ25は、1日当たり1回又はそれ以上の比較的頻繁に投与することができるタイプの薬剤を含む。そのような薬剤の一つが、長時間作用型又は短時間作用型インスリン、若しくはインスリン同族体である。カートリッジ25は、カートリッジ25の第二端又は近位端33近傍に保持される栓又はストッパ(図2には示されていないが)を含む。薬物送達デバイスは、また、スピンドル(図2には示されていないが)を有するドライバを含む。上記で議論した通り、デバイスがプライミングされる前に、スピンドルの端部とカートリッジ栓間でギャップがあるかも、又は、ないかもしれない。
【0035】
カートリッジハウジング6は、遠位端23及び近位端27を有する。好ましくは、カートリッジハウジング6のカートリッジ遠位端23は、取り外し可能な針アセンブリを取り付けるためにネジ溝8を含む。しかし、その他の針アセンブリ連結機構も、また、使用できるかもしれない。薬物送達デバイス1が再設定可能デバイスを含む場合、カートリッジの近位端27は、用量設定機構4に取り外し可能に連結される。好ましい一実施態様において、カートリッジハウジングの近位端27は、バイオネット連結を経由して用量設定機構4に取り外し可能に連結される。しかし、当業者が認識できる通り、ネジ山、部分ネジ山、斜面及び戻り止め、スナップロック、スナップフィット、及びルアーロックなどの取り外し可能な連結方法のその他のタイプもまた使用できる。
【0036】
既に述べた通り、図2で図示する薬物送達デバイスの用量設定機構4は、再使用可能な薬物送達デバイス(即ち、再設定できる薬物送達デバイス)として活用し得る。薬物送達デバイス1が再使用可能な薬物送達デバイスを含むところでは、カートリッジ25は、カートリッジハウジング6から取り外し可能である。カートリッジ25は、デバイス1を破壊することなく、単に、使用者がカートリッジハウジング6から用量設定機構4の連結を外すことにより、デバイス1から取り外し得る。
【0037】
使用時に、一旦キャップ3が取り外されると、使用者が好適な針アセンブリをカートリッジハウジング6の遠位端23で提供されるネジ溝8に取り付けることができる。そのような針アセンブリは、例えば、ハウジング6の遠位端23にネジ締めし、あるいは、この遠位端23にスナップ締めしてもよい。使用後、取り外し可能なキャップ3は、カートリッジハウジング6を再び覆うために使用してもよい。好ましくは、取り外し可能なキャップ3の外部寸法は、取り外し可能なキャップ3が、デバイスが使用されないとき、カートリッジハウジング6を覆う位置にあるとき、全体が一体となった印象を与えるために、用量設定機構4の外部寸法と、類似か、又は同等である。
【0038】
例示的な配置によると、使用者がダイアル設定し、そして第一用量を注射する前に、図1及び2の薬物送達デバイスを使用者にプライミングさせることは有益なことであり得る。この強制されたプライミングを実施するために、以下でより詳細に議論するように、薬物送達デバイス1は、好ましくは、使用者に、第一用量を選択することが可能となる前に、デバイスをプライミングさせる。
【0039】
使用者が第一用量を選択し、投与することができる前に、使用者にカートリッジをプライミングさせるプロセスは、プライミング用量を注射する潜在的なリスクを低下させる。強制プライミングの着想は、デバイスが使用される前に、スピンドルの遠位端とカートリッジ栓の間のギャップがしばしば起こる使い捨てデバイスにとって特に有益である。このギャップは、組立部分と関連する許容差、並びに、組立デバイスにおいて栓を軸方向に事前に負荷されたくない要望の結果である。
【0040】
デバイスは、スピンドルの遠位端と栓の間のこのギャップは、使用者が用量をダイアル設定できる前に取り外される場合(即ち、デバイスがプライミングされる場合)、その結果、これは好都合である。一つの好ましい配置において、使用者が、次に、第一用量を設定するために用量ダイアルスリーブを回転することができるように、デバイスをプライミングし、そして、また、ナンバスリーブを解放するために、薬物送達デバイスは、使用者にハウジングに対してカートリッジホルダを回転させることによりこの事例を実施する。好ましくは、デバイスがプライミングされたとき、カートリッジホルダは回転を固定し、従って、用量設定機構に対して回転できなくなる。
【0041】
図3は、図1で図示する薬物送達デバイスのようなプライミング工程前の薬物送達デバイス50の拡大図を図示する。図4はプライミング工程の完了後、図3で図示する薬物送達デバイス50の拡大図を図示する。図示する通り、薬物送達デバイス50は、カートリッジハウジング54に連結した用量設定機構52を含む。薬物送達デバイス50が再設定可能な薬物送達デバイスを含むところでは、この連結機構は、解放可能な連結機構を含む(即ち、ネジ山、バイオネットロック、ルアーロック、スナップフィット又はスナップロックなど)。薬物送達デバイス50が非再設定可能薬物送達デバイス(即ち、使い捨て薬物送達デバイス)を含むところでは、この連結機構は非可逆的連結機構を含む。
【0042】
薬物送達デバイス50のこの好ましい配置において、用量設定機構52は、外部表面53に沿って種々のマーク及び指示を含む。この配置で分かる通り、このマークは、停止位置を示すマーク(即ち、未プライミング状態)58、及び未停止位置(即ち、プライミング状態)62を含む。加えて、種々の中間マーク59が停止位置及び未停止位置58、62の間で提供される。
【0043】
また、カートリッジハウジング54は、その外部表面63に沿ったマークを含み、そして、これらのマークは、用量設定機構52の外部表面53に対するカートリッジハウジング54の相対位置を示すために使用される位置指標(即ち、矢印)56を含む。この好ましい配置において、薬物送達デバイス50をプライミングするために、カートリッジハウジング54は、矢印60の方向に回転する。好ましくは、矢印56が固定マーク58から移動し、その後、図4で図示する通り、解放指示62と整列するように、カートリッジハウジング54は、用量設定機構52に対して矢印60の方向に回転する。この最終位置において、薬物送達デバイス50は、プライミング状態で存在する。即ち、用量設定機構52内に含まれるスピンドルは、カートリッジハウジング54のカートリッジで提供される栓に隣接状態で存在するか、又は隣接する。また、好ましい配置において、薬物送達デバイス50は、また、用量設定機構52が用量を設定するために(図2で図示する通り)使用できるように解放される。最も好ましくは、この最終位置において、カートリッジホルダ54は、また、回転が固定され、従って、用量設定機構52に対して、最早、回転できなくなる。
【0044】
図5は、図3及び4で図示する薬物送達デバイス50のような、薬物送達デバイス70の用量設定機構とカートリッジハウジング間の連結の拡大図を図示する。図5において、薬物送達デバイス70は、プライミングの前状態にある。従って、図5で図示する薬物送達デバイスでもって、デバイスがプライミングされるまで、使用者が、用量を設定できるであろう。図示する通り、用量を設定74は、カートリッジハウジング72に回転しながら係合する。この配置において、カートリッジハウジング72は、用量設定機構74の内部表面上に内側で形成されたキャビティと係合するリブ76を含む。この構成は、用量設定機構74とカートリッジハウジング76間の相対的回転移動のみ可能とし、軸移動は不可能である。この相対的回転移動は、カートリッジハウジング72が、固定位置(即ち、図5)から、解放位置(即ち、図6)へ回転するとき発生する。
【0045】
図7は、図5及び6で図示するカートリッジハウジング72の近位端68の拡大図を図示する。図7は、また、図5及び6で図示する用量設定機構74のような用量設定機構に、カートリッジハウジング72を連結するために使用し得る連結部材80を図示する。この好ましい配置において、このカートリッジハウジング72は、カートリッジハウジング72の第一外部表面75に沿って提供されるL型キャビティ73を含む。図5及び6に関して記載する通り、そして以下により詳細に記載する通り、このキャビティ73は、カートリッジホルダ72と用量設定機構の間の相対的回転を可能とするため連結部材の一部と係合するために使用される。
【0046】
この好ましい配置において、連結部材80は、薄い金属プレス板を含む。しかし、当業者は別の配置連結部材が、また、使用できるかもしれないことを認識するであろう。この好ましいこの配置において、連結部材80は、カートリッジハウジング72の遠位端69に向かう軸方向に突出する軸方向の突出部材82a、82bの第一セットを含む。これらの突出部材82a、82bは、キャビティ73の第一部分75に回転しながら添付し、又は係合する。加えて、連結部材80は、スピンドルナットと、その結果、用量設定機構のスピンドルと回転しながら連結し、そして、また、用量設定機構の用量ダイアルスリーブに作用する。
【0047】
連結部材80は、更に、軸方向の突起部材86a、86bの第二セットを含む。突起部材86a、86bのこの第二セットは、カートリッジハウジング72の近位端68から離れて近位方向に延長する。突起部材86a、86bのこの第二セットは、用量設定機構の一部と、具体的には用量設定機構の内部ハウジングと係合する。以下で記載する通り、連結部材80は、更に、用量設定機構のスピンドルナットと係合する内側に延長するアーム84a、84bを含む。
【0048】
図8は、図7で図示する連結部材80が、図5及び6で図示する用量設定機構のような用量設定機構の内部ハウジング92をいかにして係合するために使用するかを図示する。図示する通り、内部ハウジング92は、内部ハウジング92の遠位端93近傍に位置する第一及び第二可撓性ロッキングエレメント98a、98bを含む。また、この近位端93近傍で円形のハウジング部分94がある。このハウジング部分94は、内部表面を有するキャビティ部分101を画成し、そして、この内部表面に沿って、内側の半径方向に向かう2つの凹部96a及び96bが存在する。
【0049】
組立中、連結部材80の突起部材86a、86bの第二セットが、ハウジング部分94の凹部96a、96bを通じて摺動するように、連結部材80はハウジング部分94のキャビティ101内へ摺動するために位置するであろう。第二部材86a、86bは、その後、内部ハウジングの可撓性エレメント98a、98bの外部表面上に存在するために位置するであろう。この位置において、薬物送達デバイスは、プライミングされず、むしろ、用量設定機構103は固定され、そして回転が阻止される。そのような状況下で、そのような薬物送達デバイスの使用者は用量を選択することを阻止され、即ち、使用者が薬物送達デバイスのプライミング工程を取る前に、用量ダイアルスリーブ103を回転することを阻止される。
【0050】
図9は内部ハウジング92の遠位端93に係合する連結部材80を図示する。図示する通り、連結部材80は、デバイスのプライミングが発生する前の、初期位置又は非プライミング状態にある。この初期位置において、突起エレメント86a、86bのセットは可撓性エレメント98a及び98bの表面上にそれぞれ存在する。従って、カートリッジホルダがハウジングに連結し、そして回転するとき(図4及び5で図示する通り)、連結部材80も回転する。連結部材80が矢印D1の方向に回転するにつれて、突起エレメント86a、86bの第一セットは、可撓性エレメント98a、98b上を回転し、そして、これら可撓性ロッキングエレメント、そしてその結果、用量ダイアルスリーブからの停止面106a、106bを解放することを終える。図10は、可撓性ロッキングエレメントを解放するために連結部材を回転させ、それにより、プライミング工程を完了させた後の連結部材80及び内部ハウジング92を図示する。図示する通り、連結部材80は、最終の、又は停止位置に対して回転し、そして、連結部材80は、今、内部ハウジング可撓性エレメント98a、98bを半径方向に内側に押すために、360°より小さい角度で回転する。これは内部ハウジング停止面106a、106bを用量ダイアルスリーブ103から解放する。図11は、内部ハウジング92の遠位端に沿って提供される停止面106a、106bの拡大図を図示する。用量ダイアルスリーブ103は、また、この用量ダイルスリーブ103の外部表面に沿って提供されるスケール配置104 で示される。用量ダイアルスリーブ103は、内部ハウジング上で停止面106a、106bと係合する嵌合停止面97a、97bを有する。
【0051】
連結部材80が回転するとき、スピンドルナット114がスピンドル124を遠位的に駆動するために回転するように、スピンドルナット114は連結部材80と連結する。図示する通り、このスピンドルナット114は円形の形状であり、そして第一及び第二ラセン傾斜面116a、116bを含む。スピンドルナット114は、更に、オス型ネジ溝118を有する円形キャビティを含む。組立てられたとき、カートリッジホルダが用量設定機構と連結し、そしてカートリッジホルダが回転するとき、スピンドルナット114はカートリッジホルダに沿って回転するように、スピンドルナット114は連結部材80と回転しなから連結する。第一及び第二ラセン傾斜面116a、116bは、カートリッジホルダが回転するとき、スピンドルナット114を遠位方向(即ち、注射場所に向かって)に駆動するよう機能する。スピンドルナット114が、非再設定可能の薬物送達デバイスにおいて使用されるところでは、これらのラセン傾斜面は、プライミング段階の最終時にカートリッジホルダの回転を固定する。しかし、スピンドルナット114が、再設定可能の薬物送達デバイスにおいて使用されるところでは、カートリッジホルダ72を、逆方向に回転させ、そして新しいカートリッジを適合させるために除去することを可能にするため、ラセン傾斜面を戻り止めする。
【0052】
ラセン傾斜面116a、116bの高さは、用量を投与するために、用量設定機構のスピンドルを前進駆動させる駆動機構におけるいかなる弛みも相殺するのに役立つ。この手法において、カートリッジホルダを回転することは、一般的には、駆動機構における弛みを塞ぐために用量設定機構の用量ボタンを押すことと等しい。
【0053】
図13は、用量設定機構の連結部材80及び内部ハウジング92に連結するスピンドルナット114を図示する。この図において、連結部材80はカートリッジホルダ(図示されていないが)により回転される。これは順番にスピンドルナット114を回転させる。図示する通り、このスピンドルは少なくとも2つの重なったネジ溝を有する。好ましくは、これらのネジ溝130の内1つは、薬物送達デバイスの一部と係合し、そして、その長さに沿ってラセン状に又は軸方向に延長できる。
【0054】
一配置においてスピンドルナット114が回転するとき、スピンドル124は、薬物送達デバイスの部分にネジ山で連結されるので、薬物送達デバイスをプライミングするために、それがスピンドル124を遠位方向D2、128で軸方向に前進させる。カートリッジハウジングの回転が、述べた通り、また、使用者が薬物送達デバイスのための薬物の第一用量を、設定することを可能とするために用量ダイアルスリーブ103を解放する。
【0055】
本発明の典型的な実施態様が記載された。しかし、当業者は、変化と修正は請求項で規定される本発明の真の範囲と精神から離れることなくこれらの実施態様に対して実施でき得ることは理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイスであって、該薬物送達デバイスは、
スピンドル(124)を含んでなる用量設定機構(4、52、74);及び
該用量設定機構に連結されるカートリッジホルダ(6、54、72)であって、該カートリッジの一端に可動の栓を有するカートリッジを含んでなる、該カートリッジホルダ(6、54、72);
を含んでなり、
ここで、該カートリッジホルダ(6、54、72)は、用量が上記用量設定機構(4、52、74)で設定され得る前に回転する必要がある、
上記薬物送達デバイス。
【請求項2】
前記カートリッジホルダ(6、54、72)は、前記用量が前記用量設定機構で設定され得る前に、該用量設定機構(4、52、74)に対して回転する必要がある、上記請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項3】
前記カートリッジホルダ(6、54、72)の回転が前記薬物送達デバイスをプライミングする、請求項1又は2に記載の薬物送達デバイス。
【請求項4】
前記カートリッジホルダ(6、54、72)の回転が、前記スピンドル(124)を前記カートリッジの前記栓と隣接係合するように動かす、請求項1〜3のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項5】
前記カートリッジホルダ(6、54、72)の回転が、前記用量設定機構の使用者が前記用量を設定することを可能にする前記用量設定機構(4、52、74)の用量ダイアルスリーブを回転させることができる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項6】
前記カートリッジホルダ(6、54、72)が回転した後、前記カートリッジホルダが、前記用量設定機構(4、52、74)に対して回転が固定される請求項1〜5のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項7】
前記カートリッジホルダ(6、54、72)が回転した後、前記カートリッジホルダが、前記用量設定機構(4、52、74)に対して、一方逆止戻り止め機構により回転が固定される、請求項6に記載の薬物送達デバイス。
【請求項8】
前記カートリッジホルダ(6、54、72)は、前記用量が前記用量設定機構(4、52、74)により設定され得る前に、前記カートリッジホルダが回転する必要があることの視覚表示を提供する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項9】
用量が前記用量設定機構(4、52、74)で設定され得る前に、前記カートリッジホルダ(6、54、72)は、360°より小さい角度で回転する必要がある、請求項1〜8のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項10】
薬物送達デバイス、好ましくは請求項1〜9のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス用のプライミング機構であって、以下:
スピンドル(124);及び
用量ダイアルスリーブ(103);を含んでなる用量設定機構(4、52、74);
カートリッジホルダ(6、54、72)で、そのカートリッジの近位端近傍に可動の栓を含んでなるカートリッジを含んでなる該カートリッジホルダ(6、54、72);
該カートリッジホルダ(6、54、72)を上記用量設定機構の上記ダイアルスリーブ(103)と連結させる連結部材(80);及び
該連結部材(80)に回転で連結されるスピンドルナット(114)で、該カートリッジホルダ(6、54、72)を該用量設定機構の該スピンドル(124)に連結する、該スピンドルナット(114);
を含んでなり、
該カートリッジホルダ(6、54、72)が、該用量設定機構(4、52、74)に対して回転するとき、該スピンドルナットが回転し、そして該スピンドル(124)を該栓との隣接係合に動かす、
上記プライミング機構。
【請求項11】
前記連結部材(80)が、前記用量ダイアルスリーブ(103)とのロックを解除して、該用量ダイアルスリーブ(103)が回転して用量を設定できる、請求項10に記載のプライミング機構。
【請求項12】
前記連結部材(80)が薄い金属プレス板を含んでなる、請求項10又は11に記載のプライミング機構。
【請求項13】
前記連結部材(80)が剛性の連結部材を含んでなる、請求項10〜12のいずれか1項に記載のプライミング機構。
【請求項14】
前記用量設定機構(4、52、74)が少なくとも1つの可撓性ロッキングエレメント(98a、98b)を含んでなり、ここで前記カートリッジホルダ(6、54、72)が回転するとき、前記連結部材(80)も回転して、それにより、該可撓性部材(98a、98b)を解放し、そして前記用量ダイアルスリーブ(103)が回転するのを可能にし、そして前記薬物送達デバイスの使用者が用量を設定するのを可能にする、請求項10〜13のいずれか1項に記載のプライミング機構。
【請求項15】
前記スピンドルナット(114)が、更に、複数のラセン傾斜面(116a、116b)を含んでなり、前記カートリッジホルダ(6、54、72)が、該スピンドルが前記栓の第一の表面に隣接するように回転するとき、該複数のラセン傾斜面が、該スピンドルナット(114)を遠位方向(D2、128)に駆動する、請求項10〜14のいずれか1項に記載のプライミング機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2012−528622(P2012−528622A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513563(P2012−513563)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【国際出願番号】PCT/EP2010/057473
【国際公開番号】WO2010/139634
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】