蛇口取付アダプタセット
【課題】 利便性を有し、さらに好ましくは安全性、保管性に優れた蛇口取付アダプタセットを提供すること。
【解決手段】 蛇口の先端に回動固定リングを介して蛇口取付器具を取付けるために蛇口と回動固定リングとの間に介装される蛇口取付アダプタ２〜６を複数種類備えてなる蛇口取付アダプタセット１であって、これら複数種の蛇口取付アダプタ２〜６が、プラスチック製の外枠７にランナ８で連結されて一体成形されるとともに、外枠７またはランナ８に、長さが測定可能な測定部１２，１３が設けられていることを特徴とする。
【解決手段】 蛇口の先端に回動固定リングを介して蛇口取付器具を取付けるために蛇口と回動固定リングとの間に介装される蛇口取付アダプタ２〜６を複数種類備えてなる蛇口取付アダプタセット１であって、これら複数種の蛇口取付アダプタ２〜６が、プラスチック製の外枠７にランナ８で連結されて一体成形されるとともに、外枠７またはランナ８に、長さが測定可能な測定部１２，１３が設けられていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、一般家庭の蛇口の先端に回動固定リングを介して浄水器等の蛇口取付器具を取付けるために蛇口と回動固定リングとの間に介装される蛇口取付アダプタを複数種類有する蛇口取付アダプタセットに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より水資源の汚染が指摘されており、また、おいしい水への要求も高まっていることから、一般家庭などにおいて水道水を浄化する浄水器が用いられている。浄水器としては、蛇口の先端に取付けて、活性炭等の吸着剤により、水道水のカルキ臭、カビ臭、トリハロメタン等を除去するものや、多孔質中空糸膜により細菌類、濁質成分等を除去するものなどが知られている。
【０００３】
このような蛇口の先端に取付けて使用する浄水器には、蛇口の吐水口形状、構造が複数種類あり、浄水器のほか水流切換具等の蛇口取付器具をそれらのいずれにも取付け得るようにするため、蛇口の吐水口形状、構造に応じた複数種類の取付部材、アダプタが必要である。それら複数種類の取付部材、アダプタをセットにして提供する種々の蛇口取付アダプタセットが考案され用いられている（例えば、特許文献１参照）。
【特許文献１】実用新案第２１２７９９７号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところが、従来の蛇口取付アダプタセットにおいては、蛇口取付器具を取付ける際、その蛇口取付器具が安全に固定可能な蛇口であるかどうかの判別や、蛇口に個別に対応する蛇口取付アダプタやパッキンの選択のため、吐水口やそれに関係する部品の形状、構造を詳細に把握する必要があり、すなわち、吐水口の突出部の長さ、内径、外径、ネジピッチ、ネジ高さや、パッキンの内径、外形、厚み等の寸法を測り把握することが望まれるが、それら寸法を測る適当なものさし等の道具をアダプタセットとは別に準備するのは利便性を欠くという問題があった。
【０００５】
また、従来の蛇口取付アダプタセットにおいては、いずれかの箇所に物体が衝突したとき、あるいは蛇口取付アダプタセット自体が落下したとき、蛇口取付アダプタセットに設けられた蛇口取付アダプタが衝撃を受けて蛇口取付アダプタの固定部から外れてしまうという問題があった。また、これら蛇口取付アダプタセットを取扱う際に、各部材との接触によって破損するのを防止する必要がある。
また、蛇口取付アダプタを蛇口の先端に例えばネジ嵌合させるために用いられる取付工具を別に設けた場合に、清掃の補修作業等に使用した後、しばらく使用しないと紛失してしまうおそれがあった。
【０００６】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、利便性を有し、さらに好ましくは安全性、保管性に優れた蛇口取付アダプタセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。すなわち本発明の蛇口取付アダプタセットは、蛇口の先端に回動固定リングを介して蛇口取付器具を取付けるために前記蛇口と前記回動固定リングとの間に介装される蛇口取付アダプタを複数種類備えてなる蛇口取付アダプタセットであって、これら複数種の蛇口取付アダプタが、プラスチック製の外枠にランナで連結されて一体成形されるとともに、前記外枠または前記ランナに、長さが測定可能な測定部が設けられていることを特徴とする。
蛇口取付アダプタがプラスチック製の外枠に連結され一体成形されることで、それぞれを個別に成形する手間を省略できるとともに、個別に梱包しセットする手間を省略できる。
また、蛇口取付アダプタが外枠に連結されることで、例えば外枠に物体が衝突したとき、あるいは蛇口取付アダプタセット自体が落下したとき、その衝撃が外枠で吸収されるため、蛇口取付アダプタがその衝撃を回避できる。
また、外枠またはランナに測定部、例えば目盛またはメジャーが設けられることで、吐水口やそれに関係する部品の形状、構造を詳細に把握するための寸法を蛇口取付アダプタセットで測ることが可能となるため、ものさし等の道具を別途準備して使用する必要がない。
【０００８】
また、蛇口の先端に回動固定リングを介して蛇口取付器具を取付けるために前記蛇口と前記回動固定リングとの間に介装される蛇口取付アダプタを複数種類備えてなる蛇口取付アダプタセットであって、これら複数種の蛇口取付アダプタと前記蛇口の先端にこれら蛇口取付アダプタを取付けるために用いられる取付工具とが前記外枠にランナで連結されて一体成形され、前記取付工具は、前記蛇口取付器具に着脱自在に固定可能とされる機能を備えていることを特徴とする。
蛇口取付アダプタと取付工具とが外枠に一体成形されることで、それぞれを個別に成形する手間を省略できるとともに、個別に梱包しセットする手間を省略できる。
また、取付工具が蛇口取付器具に着脱自在に固定可能とされる機能を備えていることで、必要に応じてすぐに利用できるとともに、放置して紛失しにくくすることができる。
【０００９】
また、前記取付工具は、前記蛇口取付器具に設けられた電池蓋を開閉操作可能な機能を備えていることを特徴とする。
【００１０】
また、前記取付工具は、前記蛇口取付器具に設けられた機能操作ボタンを操作可能な機能を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１１】
本発明の蛇口取付アダプタセットは、それぞれの蛇口取付アダプタを個別に成形する手間を省略できるとともに、部材を取りまとめて梱包しセットする手間を省略できるので、低コストで製造することができる。
また、蛇口取付アダプタが外枠に連結されることで、蛇口取付アダプタがその衝撃を回避できるので、衝撃に対する安全性を確保することができる。
また、外枠またはランナに測定部が設けられることで、ものさし等の道具を別途準備して使用する必要がないので、利便性を確保することができる。
【００１２】
また、本発明の蛇口取付アダプタセットは、蛇口取付アダプタと取付工具とが外枠に一体成形されることで、蛇口取付アダプタと取付工具とを個別に成形する手間を省略できるとともに、個別に梱包しセットする手間を省略できるので、低コストで製造することができる。
また、必要に応じてすぐに利用できるとともに、放置して紛失しにくくすることができるので、保管性を確保することができる。
【００１３】
また、本発明の蛇口取付アダプタセットは、蛇口取付器具に設けられた電池蓋を開閉操作可能な機能または蛇口取付器具に設けられた機能操作ボタンを操作可能な機能を備えていることで、この電池蓋または機能操作ボタンを取付工具で操作可能となるので、利便性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図１は本発明の一実施形態例である蛇口取付アダプタセット１の上面図である。
図１に示すように、本発明の蛇口取付アダプタセット１においては、１６ｍｍ外径の丸型蛇口用アダプタ２、１９ｍｍ外径の丸型蛇口用アダプタ３、泡沫蛇口内ネジＷ２３用アダプタ６、の計３種類の略円形状の蛇口取付アダプタがプラスチック製の外枠７内に、各々２本のランナ８を側面に介して一体成形されている。また、泡沫蛇口外ネジＭ２２用アダプタ４、泡沫蛇口外ネジＷ２２用アダプタ５、の計２種類の略円形状の蛇口取付アダプタがプラスチック製の外枠７内に、各々２本のランナ８を側面に介して一体成形されている。本成形方法としては、低コストにて短時間で大量生産が可能な、金型を用いた射出成形が好ましい。
【００１５】
蛇口取付アダプタセット１に備えられる各種アダプタ２〜６の形状については従来と同じ形状でよく、材質については成形精度と耐強度を重視すればＡＢＳ樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂等を用いることが好ましく、低コストを重視すればＰＰ樹脂、ＰＥ樹脂、ＰＥＴ樹脂等を用いるのが好ましい。
【００１６】
外枠７を構成する柱の断面積は、あまり少ないと軽微な衝撃で折れてしまい、多いと材料費がかさむのと同時に厚肉となって成形時にひけて外観が悪くなるため、４〜２５ｍｍ２が好ましい。外枠７の形状は、中に複数の部材を整然かつコンパクトに配置するため、本実施例のように略四角形とし、中でも略長方形とするのが好ましい。
【００１７】
各種アダプタ２〜６は、１本のランナで支持すると衝撃等でランナが折れて外れやすく、また金型成形に時間を要するため、少なくとも２本以上のランナ８で支持されていることが好ましい。取外し性を重視する場合、容易に部材を回転させて折り取りできるように部材の中心を通って対象位置の二つの側面に各々のランナ８をつなげることが好ましい。ランナ８の断面積はあまり少ないと軽微な衝撃で折れてしまい、多いと材料費がかさむのと同時に折って部材を取外しにくくなるため、１〜４ｍｍ２が好ましい。取外し性について、あまり手間がかからないよう部材が２回転以内で外れるように設定するのが好ましい。
各種アダプタ２〜６における、ランナ８が支持する面は、部材を回転させて折り取った後に残る凸跡が残りにくく、また仮にその凸跡が残ったとしてもカッタややすり等で容易かつきれいに削り落しやすくするため、曲面ではなく平面とするのが好ましい。平面の長さとしては、あまり少ないと容易かつきれいに削り落とすのに難が生じてくるので２ｍｍ以上が好ましい。
【００１８】
図１に示すように、使用者がアダプタ２〜６の種類を判別し易いように、アダプタ２〜６とそれを支持するランナ８またはその近傍には、各々にアダプタ２〜６の品番９や名称１０を金型の彫り込みにより成形刻印して記すのが好ましい。また、アダプタ２〜６とそれが用いられる機器（蛇口取付器具、例えば図２に示す蛇口直結型浄水器１６）・機種についても、その名称１０を、外枠７等へ前記と同様に成形刻印して記す（本実施例ではアダプタセット１の名称：蛇口取付アダプタセット、機器・機種の名称：ＣＳＰ１・ＣＳＰ２・ＣＳＰ３）のが好ましい。刻印する文字や記号の大きさと形状は、あまり小さいと目視確認しずらくなるため、２ｍｍ角以上が好ましく、目立つように、高さ０．２ｍｍ以上の凸とするのがよい。
【００１９】
機器の蛇口１７（図２参照）への取付時、機器が安全に固定可能な蛇口１７であるかどうかの判別や、蛇口１７に個別に対応するアダプタ２〜６やパッキンを正しく選択するため、吐水口１８（図２参照）やそれに関係する部品の形状、構造を詳細に把握する必要がある。すなわち、吐水口１８の突出部の長さ、内径、外径、ネジピッチ、ネジ高さや、パッキンの内径、外径、厚み等の寸法を正確に把握することが望まれる。そのため、本発明では、図１に例を示すように、それらの寸法を直接測ることが可能な目盛（測定部）１２を、外枠７またはランナ８に金型の彫り込みによる成形刻印によって記すことにより設けた。目盛１２の単位としては大きいと正確さを欠くので２ｍｍ以下が好ましく、長さについては蛇口の口径等が充分余裕を持って測れるように２０ｍｍ以上設けるのが好ましい。目盛１２を構成する線の形状について、目立つように、幅０．２ｍｍ以上で、高さ０．２ｍｍ以上の凸とするのがよい。また、使用者がより目視測定しやすくするために、目盛１２をシルク印刷、パット印刷、レーザーマーカー刻印等により、黒や赤等の色付きの目盛とするのも効果的である。また、長さが分かりやすいように、目盛１２の脇に単位（本実施例ではｍｍ）を配しておくのが好ましい。
【００２０】
前記目盛１２とは別に、個々の蛇口１７の吐水口１８に対応するアダプタ２〜６を迅速かつ容易に選択するため、図１に示すように、吐水口１８の径寸法を直接測ることが可能な、一部切り欠きを備えたリング状あるいはＵ字状のメジャー（測定部）１３を、外枠７またはランナ８に一体成形により設けることが好ましい。メジャー１３の内寸は吐水口１８との円滑な嵌め合いを考えてやや大きめが好ましく、対応する吐水口１８の外径より０．２〜１．５ｍｍ程度大きめに設定するのが好ましい。また、肉厚は間違って大きな吐水口１８をあてた時に破壊されないよう適当な強度が必要であり、１ｍｍ以上に設定するのが好ましい。また、蛇口１７の種類を即座に判別できるように、メジャー１３あるいはその近傍に、吐水口１８の口径を金型の彫り込みによる成形刻印によって記すのが好ましい。刻印する文字等の大きさと形状は、あまり小さいと目視確認しずらくなるため、２ｍｍ角以上が好ましく、目立つように、高さ０．２ｍｍ以上の凸とするのがよい。
【００２１】
本発明の蛇口取付アダプタセット１においては、図１に示すように、吐水口１８の先端にアダプタをネジ嵌合させるために用いる取付工具１５を、外枠７に一体成形することが好ましい。また、取付工具１５の基本的な形状については従来の取付工具と同様の形状でよく、質については成形精度と耐強度を重視すればＡＢＳ樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂等を用いることが好ましく、低コストを重視すればＰＰ樹脂、ＰＥ樹脂、ＰＥＴ樹脂等を用いるのが好ましい。
【００２２】
取付工具１５は、１本のランナで支持すると衝撃等でランナが折れて外れやすく、また金型成形に時間を要するため、少なくとも２本以上のランナ８で支持されていることが好ましい。取外し性を重視する場合、容易に部材を回転させて折り取りできるように部材の中心を通って対象位置の二つの側面に各々のランナ８をつなげることが好ましい。ランナ８の断面積はあまり少ないと軽微な衝撃で折れてしまい、多いと材料費がかさむのと同時に折って部材を取外しにくくなるため、１〜４ｍｍ２が好ましい。
取付工具１５における、ランナ８が支持する面は、部材を回転させて折り取った後に残る凸跡が残りにくく、また仮にその凸跡が残ったとしてもカッタややすり等で容易かつきれいに削り落しやすくするため、曲面ではなく平面とするのが好ましい。平面の長さとしては、あまり少ないと容易かつきれいに削り落とすのに難が生じてくるので２ｍｍ以上が好ましい。
【００２３】
図１に示すように、使用者が取付工具１５を判別し易いように、取付工具１５とそれを支持するランナ８またはその近傍には、各々に品番９や名称１０を金型の彫り込みによる成形刻印によって記すのが好ましい。刻印する文字や記号の大きさと形状は、あまり小さいと目視確認しずらくなるため、２ｍｍ角以上が好ましく、目立つように、高さ０．２ｍｍ以上の凸とするのがよい。
【００２４】
図２に、蛇口取付アダプタとして泡沫蛇口内ネジＷ２３用アダプタ６（以下、単にアダプタ６とする。）を用いた蛇口直結型浄水器１６の具体的な取付構造の一例を示し、図３に、アダプタ６を取付ける際の取付工具１５の使用例を示す。
蛇口１７に蛇口直結型浄水器１６（以下、単に浄水器１６とする。）を取付ける場合には、まず図１に示す蛇口取付アダプタセット１に設けられた目盛１２を利用して蛇口１７の吐水口１８の構造を把握し、取付可能であることを確認した後、それに対応した形状のアダプタ６と取付工具１５を蛇口取付アダプタセット１からランナ８を折って取外す。そして、図２に示すように、このアダプタ６を浄水器１６に備えられた回動固定リング１９の下から蛇口１７の吐水口１８にしっかりとネジ嵌合固定する。この際、図３に示すように、取付工具１５が、吐水口１８へのアダプタ６のネジ嵌合時に用いられる。すなわち、取付工具１５の突起部２１をアダプタ６の下面の溝２２に係合させ、その状態で取付工具１５の持ち部２３を指先で持って回し、アダプタ６を吐水口１８にネジ嵌合固定する。次に、図２に示すように、回動固定リング１９を浄水器１６のネジ部２０にしっかりねじ込んでアダプタ６を介して浄水器１６を吐水口１８に連結固定する。
【００２５】
図３に示すように、取付工具１５に備えられる持ち部２３は指先で持って回動操作し易いように、指先の形状に合わせ、０．５ｍｍ以上へこませた凹部２９を部材の両側に設けるのが好ましい。また、滑り止めのため、高さ０．５ｍｍ以上の凸部３０を複数個部材の両側に設けるのが好ましい。
【００２６】
取付工具１５は、アダプタセット１から取外して使用した後、覚えやすく、目につきやすく、近場で定まった場所に保管しておかないと誤って紛失してしまうおそれがある。それを回避する最良の方策として、図４に設置保管の例（本実施例では取付工具１５を浄水器１６の左側面に設置）を示すように、浄水器１６や水流切換具等に直に着脱自在に固定可能とする機能を備えていることが好ましい。具体的には、浄水器１６や水流切換具等の外壁部にフック２４（図２中に示す）やフック穴２５（図３中に示す）等を設け、取付工具１５の端部に、相手方に対応して係合するフック穴２５やフック２４等を適宜設け、それらを係合させることにより位置固定するのが好ましい。また、取付工具１５に圧入突起を設け、浄水器１６や水流切換具等の外壁部にそれと係合する圧入溝を設けて、それらを嵌合させて位置固定することも可能である。また、浄水器１６と取付工具１５に磁石を配し、位置固定することも可能であり、固定方法については特に限定はされない。
【００２７】
取付工具１５は、図４に取り扱いの例を示すように、近年、浄水器１６や水流切換具等に備えられている、ボタン型電池を動力源とした流量計、キッチンタイマ、時計等の付加機能部に有する電池蓋２６を開閉操作可能な形状機能を備えていることが好ましい。具体的には、取付工具１５の端部に、電池蓋２６の表面に設けられた溝２７や切り欠き等に対応して係合する突起２８を適宜設け、それらを係合させ、取付工具１５を回動させて電池蓋２６の着脱操作をするのが好ましい。それら係合形状について特に限定はされない。突起２８に結合して設けられる持ち部２３は指先で持って回動操作し易いように、指先の形状に合わせ、０．５ｍｍ以上へこませた凹部２９を部材の両側に一箇所設けるのが好ましい。また、滑り止めのため、高さ０．５ｍｍ以上の凸部３０を複数例えば３個部材の両側に設けるのが好ましい。
【００２８】
前記取付工具１５は、図４に取り扱いの例を示すように、浄水器１６や水流切換具等に設けられた流量計、キッチンタイマ、時計等の付加機能部の機能操作ボタン３１を操作可能な、例えば押圧可能な形状機能を備えていることが好ましい。具体的には、取付工具１５の持ち部２３の端部に、形状を機能操作ボタン３１の大きさからやや小さいものとした面積１〜１６ｍｍ２で高さ１ｍｍ以上の突起３２を設け、取付工具１５を手で持って突起３２を押し当てることにより機能操作ボタン３１を押すのが好ましい。
持ち部２３は指先で持って押し操作し易くかつ滑りにくくなるように、指先の形状に合わせ、０．５ｍｍ以上へこませた凹部２９を部材の両側に一箇所設けるのが好ましい。また、滑り止めのため、高さ０．５ｍｍ以上の凸部３０を複数例えば３個部材の両側に設けるのが好ましい。
【００２９】
本実施例では図示を省略するが、本発明の蛇口取付アダプタセット１には、整理が容易で、かつ離散して紛失しないよう、蛇口１７の吐水口１８とアダプタ６の間に介装され接続部を水封する輪状や平板状のパッキンを着脱自在に固定できるようにしておくことが好ましい。具体的には、一例として、外枠７やランナ８に複数の突起を一体成形しておき、それら突起の間に、パッキンの弾力を利用して若干押し込みながらパッキン自体を挟み込んで固定しておくのがよい。
【００３０】
上記蛇口取付アダプタセット１において、蛇口取付アダプタとしての各種アダプタ２〜６および取付工具１５がプラスチック製の外枠７に連結され一体成形されることで、それぞれを個別に成形する手間を省略できるとともに、部材を取りまとめて梱包しセットする手間を省略できる。
また、各種アダプタ２〜６が外枠７に連結されることで、外枠７に物体が衝突したとき、あるいは蛇口取付アダプタセット１自体が落下したとき、その衝撃が外枠７で吸収されるため、各種アダプタ２〜６がその衝撃を回避できる。
また、外枠７またはランナ８に測定部として目盛１２またはメジャー１３が設けられることで、吐水口１８やそれに関係する部品の形状、構造を詳細に把握するための寸法を蛇口取付アダプタセット１で測ることが可能となるため、ものさし等の道具を別途準備して使用する必要がない。
また、取付工具１５が浄水器１６に着脱自在に固定可能とされる機能を備えていることで、必要に応じてすぐに利用できるとともに、放置して紛失しにくくすることができる。
【００３１】
上記蛇口取付アダプタセット１によれば、各種アダプタ２〜６および取付工具１５を個別に成形する手間を省略できるとともに、個別に梱包しセットする手間を省略できるので、著しい低コスト化を達成することができる。
また、各種アダプタ２〜６が外枠７に連結されることで、それらアダプタ２〜６がその衝撃を回避できるので、衝撃に対する安全性を確保することができる。
また、外枠７またはランナ８に目盛１２またはメジャー１３が設けられることで、ものさし等の道具を別途準備して使用する必要がないので、利便性を確保することができる。
また、取付工具１５を必要に応じてすぐに利用できるとともに、放置して紛失しにくくすることができるので、保管性を確保することができる。
【００３２】
また、上記蛇口取付アダプタセット１によれば、浄水器１６に設けられた電池蓋２６を開閉操作可能な機能を有する突起２８、および浄水器１６に設けられた機能操作ボタン３１を押圧可能な機能を有する突起３２を備えていることで、この電池蓋２６および機能操作ボタン３１を取付工具１５で操作可能となるので、利便性を確保することができる。
【００３３】
なお、本実施の形態において、蛇口１７に接続固定される機器、すなわち蛇口取付器具として、蛇口直結型浄水器１６を例にとったが、その他、水まきホース具、簡易シャワー切換具、据置型浄水器、アルカリイオン整水器、硬水・軟水器、ミネラル水生成器等ももちろん有効である。
【図面の簡単な説明】
【００３４】
【図１】本発明の蛇口取付アダプタセットの一実施例の上面図である。
【図２】図１の蛇口取付アダプタセットの備えるアダプタを用いた蛇口直結型浄水器の取付正面図である。
【図３】図１の蛇口取付アダプタセットの備える取付工具を用いたアダプタの取付斜視図である。
【図４】図１の蛇口取付アダプタセットの備える取付工具の取り扱い例斜視図である。
【符号の説明】
【００３５】
１・・・蛇口取付アダプタセット、２・・・１６ｍｍ外径の丸型蛇口用アダプタ（蛇口取付アダプタ）、３・・・１９ｍｍ外径の丸型蛇口用アダプタ（蛇口取付アダプタ）、４・・・泡沫蛇口外ネジＭ２２用アダプタ（蛇口取付アダプタ）、５・・・泡沫蛇口外ネジＷ２２用アダプタ（蛇口取付アダプタ）、６・・・泡沫蛇口内ネジＷ２３用アダプタ（蛇口取付アダプタ）、７・・・外枠、８・・・ランナ、９・・・品番、１０・・・名称、１２・・・目盛（測定部）、１３・・・メジャー（測定部）、１４・・・角部、１５・・・取付工具、１６・・・蛇口直結型浄水器（蛇口取付器具）、１７・・・蛇口、１８・・・吐水口、１９・・・回動固定リング、２０・・・ネジ部、２１・・・突起部、２２・・・溝、２３・・・持ち部、２４・・・フック、２５・・・フック穴、２６・・・電池蓋、２７・・・溝、２８・・・突起、２９・・・凹部、３０・・・凸部、３１・・・機能操作ボタン、３２・・・突起
【技術分野】
【０００１】
本発明は、一般家庭の蛇口の先端に回動固定リングを介して浄水器等の蛇口取付器具を取付けるために蛇口と回動固定リングとの間に介装される蛇口取付アダプタを複数種類有する蛇口取付アダプタセットに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より水資源の汚染が指摘されており、また、おいしい水への要求も高まっていることから、一般家庭などにおいて水道水を浄化する浄水器が用いられている。浄水器としては、蛇口の先端に取付けて、活性炭等の吸着剤により、水道水のカルキ臭、カビ臭、トリハロメタン等を除去するものや、多孔質中空糸膜により細菌類、濁質成分等を除去するものなどが知られている。
【０００３】
このような蛇口の先端に取付けて使用する浄水器には、蛇口の吐水口形状、構造が複数種類あり、浄水器のほか水流切換具等の蛇口取付器具をそれらのいずれにも取付け得るようにするため、蛇口の吐水口形状、構造に応じた複数種類の取付部材、アダプタが必要である。それら複数種類の取付部材、アダプタをセットにして提供する種々の蛇口取付アダプタセットが考案され用いられている（例えば、特許文献１参照）。
【特許文献１】実用新案第２１２７９９７号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところが、従来の蛇口取付アダプタセットにおいては、蛇口取付器具を取付ける際、その蛇口取付器具が安全に固定可能な蛇口であるかどうかの判別や、蛇口に個別に対応する蛇口取付アダプタやパッキンの選択のため、吐水口やそれに関係する部品の形状、構造を詳細に把握する必要があり、すなわち、吐水口の突出部の長さ、内径、外径、ネジピッチ、ネジ高さや、パッキンの内径、外形、厚み等の寸法を測り把握することが望まれるが、それら寸法を測る適当なものさし等の道具をアダプタセットとは別に準備するのは利便性を欠くという問題があった。
【０００５】
また、従来の蛇口取付アダプタセットにおいては、いずれかの箇所に物体が衝突したとき、あるいは蛇口取付アダプタセット自体が落下したとき、蛇口取付アダプタセットに設けられた蛇口取付アダプタが衝撃を受けて蛇口取付アダプタの固定部から外れてしまうという問題があった。また、これら蛇口取付アダプタセットを取扱う際に、各部材との接触によって破損するのを防止する必要がある。
また、蛇口取付アダプタを蛇口の先端に例えばネジ嵌合させるために用いられる取付工具を別に設けた場合に、清掃の補修作業等に使用した後、しばらく使用しないと紛失してしまうおそれがあった。
【０００６】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、利便性を有し、さらに好ましくは安全性、保管性に優れた蛇口取付アダプタセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。すなわち本発明の蛇口取付アダプタセットは、蛇口の先端に回動固定リングを介して蛇口取付器具を取付けるために前記蛇口と前記回動固定リングとの間に介装される蛇口取付アダプタを複数種類備えてなる蛇口取付アダプタセットであって、これら複数種の蛇口取付アダプタが、プラスチック製の外枠にランナで連結されて一体成形されるとともに、前記外枠または前記ランナに、長さが測定可能な測定部が設けられていることを特徴とする。
蛇口取付アダプタがプラスチック製の外枠に連結され一体成形されることで、それぞれを個別に成形する手間を省略できるとともに、個別に梱包しセットする手間を省略できる。
また、蛇口取付アダプタが外枠に連結されることで、例えば外枠に物体が衝突したとき、あるいは蛇口取付アダプタセット自体が落下したとき、その衝撃が外枠で吸収されるため、蛇口取付アダプタがその衝撃を回避できる。
また、外枠またはランナに測定部、例えば目盛またはメジャーが設けられることで、吐水口やそれに関係する部品の形状、構造を詳細に把握するための寸法を蛇口取付アダプタセットで測ることが可能となるため、ものさし等の道具を別途準備して使用する必要がない。
【０００８】
また、蛇口の先端に回動固定リングを介して蛇口取付器具を取付けるために前記蛇口と前記回動固定リングとの間に介装される蛇口取付アダプタを複数種類備えてなる蛇口取付アダプタセットであって、これら複数種の蛇口取付アダプタと前記蛇口の先端にこれら蛇口取付アダプタを取付けるために用いられる取付工具とが前記外枠にランナで連結されて一体成形され、前記取付工具は、前記蛇口取付器具に着脱自在に固定可能とされる機能を備えていることを特徴とする。
蛇口取付アダプタと取付工具とが外枠に一体成形されることで、それぞれを個別に成形する手間を省略できるとともに、個別に梱包しセットする手間を省略できる。
また、取付工具が蛇口取付器具に着脱自在に固定可能とされる機能を備えていることで、必要に応じてすぐに利用できるとともに、放置して紛失しにくくすることができる。
【０００９】
また、前記取付工具は、前記蛇口取付器具に設けられた電池蓋を開閉操作可能な機能を備えていることを特徴とする。
【００１０】
また、前記取付工具は、前記蛇口取付器具に設けられた機能操作ボタンを操作可能な機能を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１１】
本発明の蛇口取付アダプタセットは、それぞれの蛇口取付アダプタを個別に成形する手間を省略できるとともに、部材を取りまとめて梱包しセットする手間を省略できるので、低コストで製造することができる。
また、蛇口取付アダプタが外枠に連結されることで、蛇口取付アダプタがその衝撃を回避できるので、衝撃に対する安全性を確保することができる。
また、外枠またはランナに測定部が設けられることで、ものさし等の道具を別途準備して使用する必要がないので、利便性を確保することができる。
【００１２】
また、本発明の蛇口取付アダプタセットは、蛇口取付アダプタと取付工具とが外枠に一体成形されることで、蛇口取付アダプタと取付工具とを個別に成形する手間を省略できるとともに、個別に梱包しセットする手間を省略できるので、低コストで製造することができる。
また、必要に応じてすぐに利用できるとともに、放置して紛失しにくくすることができるので、保管性を確保することができる。
【００１３】
また、本発明の蛇口取付アダプタセットは、蛇口取付器具に設けられた電池蓋を開閉操作可能な機能または蛇口取付器具に設けられた機能操作ボタンを操作可能な機能を備えていることで、この電池蓋または機能操作ボタンを取付工具で操作可能となるので、利便性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図１は本発明の一実施形態例である蛇口取付アダプタセット１の上面図である。
図１に示すように、本発明の蛇口取付アダプタセット１においては、１６ｍｍ外径の丸型蛇口用アダプタ２、１９ｍｍ外径の丸型蛇口用アダプタ３、泡沫蛇口内ネジＷ２３用アダプタ６、の計３種類の略円形状の蛇口取付アダプタがプラスチック製の外枠７内に、各々２本のランナ８を側面に介して一体成形されている。また、泡沫蛇口外ネジＭ２２用アダプタ４、泡沫蛇口外ネジＷ２２用アダプタ５、の計２種類の略円形状の蛇口取付アダプタがプラスチック製の外枠７内に、各々２本のランナ８を側面に介して一体成形されている。本成形方法としては、低コストにて短時間で大量生産が可能な、金型を用いた射出成形が好ましい。
【００１５】
蛇口取付アダプタセット１に備えられる各種アダプタ２〜６の形状については従来と同じ形状でよく、材質については成形精度と耐強度を重視すればＡＢＳ樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂等を用いることが好ましく、低コストを重視すればＰＰ樹脂、ＰＥ樹脂、ＰＥＴ樹脂等を用いるのが好ましい。
【００１６】
外枠７を構成する柱の断面積は、あまり少ないと軽微な衝撃で折れてしまい、多いと材料費がかさむのと同時に厚肉となって成形時にひけて外観が悪くなるため、４〜２５ｍｍ２が好ましい。外枠７の形状は、中に複数の部材を整然かつコンパクトに配置するため、本実施例のように略四角形とし、中でも略長方形とするのが好ましい。
【００１７】
各種アダプタ２〜６は、１本のランナで支持すると衝撃等でランナが折れて外れやすく、また金型成形に時間を要するため、少なくとも２本以上のランナ８で支持されていることが好ましい。取外し性を重視する場合、容易に部材を回転させて折り取りできるように部材の中心を通って対象位置の二つの側面に各々のランナ８をつなげることが好ましい。ランナ８の断面積はあまり少ないと軽微な衝撃で折れてしまい、多いと材料費がかさむのと同時に折って部材を取外しにくくなるため、１〜４ｍｍ２が好ましい。取外し性について、あまり手間がかからないよう部材が２回転以内で外れるように設定するのが好ましい。
各種アダプタ２〜６における、ランナ８が支持する面は、部材を回転させて折り取った後に残る凸跡が残りにくく、また仮にその凸跡が残ったとしてもカッタややすり等で容易かつきれいに削り落しやすくするため、曲面ではなく平面とするのが好ましい。平面の長さとしては、あまり少ないと容易かつきれいに削り落とすのに難が生じてくるので２ｍｍ以上が好ましい。
【００１８】
図１に示すように、使用者がアダプタ２〜６の種類を判別し易いように、アダプタ２〜６とそれを支持するランナ８またはその近傍には、各々にアダプタ２〜６の品番９や名称１０を金型の彫り込みにより成形刻印して記すのが好ましい。また、アダプタ２〜６とそれが用いられる機器（蛇口取付器具、例えば図２に示す蛇口直結型浄水器１６）・機種についても、その名称１０を、外枠７等へ前記と同様に成形刻印して記す（本実施例ではアダプタセット１の名称：蛇口取付アダプタセット、機器・機種の名称：ＣＳＰ１・ＣＳＰ２・ＣＳＰ３）のが好ましい。刻印する文字や記号の大きさと形状は、あまり小さいと目視確認しずらくなるため、２ｍｍ角以上が好ましく、目立つように、高さ０．２ｍｍ以上の凸とするのがよい。
【００１９】
機器の蛇口１７（図２参照）への取付時、機器が安全に固定可能な蛇口１７であるかどうかの判別や、蛇口１７に個別に対応するアダプタ２〜６やパッキンを正しく選択するため、吐水口１８（図２参照）やそれに関係する部品の形状、構造を詳細に把握する必要がある。すなわち、吐水口１８の突出部の長さ、内径、外径、ネジピッチ、ネジ高さや、パッキンの内径、外径、厚み等の寸法を正確に把握することが望まれる。そのため、本発明では、図１に例を示すように、それらの寸法を直接測ることが可能な目盛（測定部）１２を、外枠７またはランナ８に金型の彫り込みによる成形刻印によって記すことにより設けた。目盛１２の単位としては大きいと正確さを欠くので２ｍｍ以下が好ましく、長さについては蛇口の口径等が充分余裕を持って測れるように２０ｍｍ以上設けるのが好ましい。目盛１２を構成する線の形状について、目立つように、幅０．２ｍｍ以上で、高さ０．２ｍｍ以上の凸とするのがよい。また、使用者がより目視測定しやすくするために、目盛１２をシルク印刷、パット印刷、レーザーマーカー刻印等により、黒や赤等の色付きの目盛とするのも効果的である。また、長さが分かりやすいように、目盛１２の脇に単位（本実施例ではｍｍ）を配しておくのが好ましい。
【００２０】
前記目盛１２とは別に、個々の蛇口１７の吐水口１８に対応するアダプタ２〜６を迅速かつ容易に選択するため、図１に示すように、吐水口１８の径寸法を直接測ることが可能な、一部切り欠きを備えたリング状あるいはＵ字状のメジャー（測定部）１３を、外枠７またはランナ８に一体成形により設けることが好ましい。メジャー１３の内寸は吐水口１８との円滑な嵌め合いを考えてやや大きめが好ましく、対応する吐水口１８の外径より０．２〜１．５ｍｍ程度大きめに設定するのが好ましい。また、肉厚は間違って大きな吐水口１８をあてた時に破壊されないよう適当な強度が必要であり、１ｍｍ以上に設定するのが好ましい。また、蛇口１７の種類を即座に判別できるように、メジャー１３あるいはその近傍に、吐水口１８の口径を金型の彫り込みによる成形刻印によって記すのが好ましい。刻印する文字等の大きさと形状は、あまり小さいと目視確認しずらくなるため、２ｍｍ角以上が好ましく、目立つように、高さ０．２ｍｍ以上の凸とするのがよい。
【００２１】
本発明の蛇口取付アダプタセット１においては、図１に示すように、吐水口１８の先端にアダプタをネジ嵌合させるために用いる取付工具１５を、外枠７に一体成形することが好ましい。また、取付工具１５の基本的な形状については従来の取付工具と同様の形状でよく、質については成形精度と耐強度を重視すればＡＢＳ樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂等を用いることが好ましく、低コストを重視すればＰＰ樹脂、ＰＥ樹脂、ＰＥＴ樹脂等を用いるのが好ましい。
【００２２】
取付工具１５は、１本のランナで支持すると衝撃等でランナが折れて外れやすく、また金型成形に時間を要するため、少なくとも２本以上のランナ８で支持されていることが好ましい。取外し性を重視する場合、容易に部材を回転させて折り取りできるように部材の中心を通って対象位置の二つの側面に各々のランナ８をつなげることが好ましい。ランナ８の断面積はあまり少ないと軽微な衝撃で折れてしまい、多いと材料費がかさむのと同時に折って部材を取外しにくくなるため、１〜４ｍｍ２が好ましい。
取付工具１５における、ランナ８が支持する面は、部材を回転させて折り取った後に残る凸跡が残りにくく、また仮にその凸跡が残ったとしてもカッタややすり等で容易かつきれいに削り落しやすくするため、曲面ではなく平面とするのが好ましい。平面の長さとしては、あまり少ないと容易かつきれいに削り落とすのに難が生じてくるので２ｍｍ以上が好ましい。
【００２３】
図１に示すように、使用者が取付工具１５を判別し易いように、取付工具１５とそれを支持するランナ８またはその近傍には、各々に品番９や名称１０を金型の彫り込みによる成形刻印によって記すのが好ましい。刻印する文字や記号の大きさと形状は、あまり小さいと目視確認しずらくなるため、２ｍｍ角以上が好ましく、目立つように、高さ０．２ｍｍ以上の凸とするのがよい。
【００２４】
図２に、蛇口取付アダプタとして泡沫蛇口内ネジＷ２３用アダプタ６（以下、単にアダプタ６とする。）を用いた蛇口直結型浄水器１６の具体的な取付構造の一例を示し、図３に、アダプタ６を取付ける際の取付工具１５の使用例を示す。
蛇口１７に蛇口直結型浄水器１６（以下、単に浄水器１６とする。）を取付ける場合には、まず図１に示す蛇口取付アダプタセット１に設けられた目盛１２を利用して蛇口１７の吐水口１８の構造を把握し、取付可能であることを確認した後、それに対応した形状のアダプタ６と取付工具１５を蛇口取付アダプタセット１からランナ８を折って取外す。そして、図２に示すように、このアダプタ６を浄水器１６に備えられた回動固定リング１９の下から蛇口１７の吐水口１８にしっかりとネジ嵌合固定する。この際、図３に示すように、取付工具１５が、吐水口１８へのアダプタ６のネジ嵌合時に用いられる。すなわち、取付工具１５の突起部２１をアダプタ６の下面の溝２２に係合させ、その状態で取付工具１５の持ち部２３を指先で持って回し、アダプタ６を吐水口１８にネジ嵌合固定する。次に、図２に示すように、回動固定リング１９を浄水器１６のネジ部２０にしっかりねじ込んでアダプタ６を介して浄水器１６を吐水口１８に連結固定する。
【００２５】
図３に示すように、取付工具１５に備えられる持ち部２３は指先で持って回動操作し易いように、指先の形状に合わせ、０．５ｍｍ以上へこませた凹部２９を部材の両側に設けるのが好ましい。また、滑り止めのため、高さ０．５ｍｍ以上の凸部３０を複数個部材の両側に設けるのが好ましい。
【００２６】
取付工具１５は、アダプタセット１から取外して使用した後、覚えやすく、目につきやすく、近場で定まった場所に保管しておかないと誤って紛失してしまうおそれがある。それを回避する最良の方策として、図４に設置保管の例（本実施例では取付工具１５を浄水器１６の左側面に設置）を示すように、浄水器１６や水流切換具等に直に着脱自在に固定可能とする機能を備えていることが好ましい。具体的には、浄水器１６や水流切換具等の外壁部にフック２４（図２中に示す）やフック穴２５（図３中に示す）等を設け、取付工具１５の端部に、相手方に対応して係合するフック穴２５やフック２４等を適宜設け、それらを係合させることにより位置固定するのが好ましい。また、取付工具１５に圧入突起を設け、浄水器１６や水流切換具等の外壁部にそれと係合する圧入溝を設けて、それらを嵌合させて位置固定することも可能である。また、浄水器１６と取付工具１５に磁石を配し、位置固定することも可能であり、固定方法については特に限定はされない。
【００２７】
取付工具１５は、図４に取り扱いの例を示すように、近年、浄水器１６や水流切換具等に備えられている、ボタン型電池を動力源とした流量計、キッチンタイマ、時計等の付加機能部に有する電池蓋２６を開閉操作可能な形状機能を備えていることが好ましい。具体的には、取付工具１５の端部に、電池蓋２６の表面に設けられた溝２７や切り欠き等に対応して係合する突起２８を適宜設け、それらを係合させ、取付工具１５を回動させて電池蓋２６の着脱操作をするのが好ましい。それら係合形状について特に限定はされない。突起２８に結合して設けられる持ち部２３は指先で持って回動操作し易いように、指先の形状に合わせ、０．５ｍｍ以上へこませた凹部２９を部材の両側に一箇所設けるのが好ましい。また、滑り止めのため、高さ０．５ｍｍ以上の凸部３０を複数例えば３個部材の両側に設けるのが好ましい。
【００２８】
前記取付工具１５は、図４に取り扱いの例を示すように、浄水器１６や水流切換具等に設けられた流量計、キッチンタイマ、時計等の付加機能部の機能操作ボタン３１を操作可能な、例えば押圧可能な形状機能を備えていることが好ましい。具体的には、取付工具１５の持ち部２３の端部に、形状を機能操作ボタン３１の大きさからやや小さいものとした面積１〜１６ｍｍ２で高さ１ｍｍ以上の突起３２を設け、取付工具１５を手で持って突起３２を押し当てることにより機能操作ボタン３１を押すのが好ましい。
持ち部２３は指先で持って押し操作し易くかつ滑りにくくなるように、指先の形状に合わせ、０．５ｍｍ以上へこませた凹部２９を部材の両側に一箇所設けるのが好ましい。また、滑り止めのため、高さ０．５ｍｍ以上の凸部３０を複数例えば３個部材の両側に設けるのが好ましい。
【００２９】
本実施例では図示を省略するが、本発明の蛇口取付アダプタセット１には、整理が容易で、かつ離散して紛失しないよう、蛇口１７の吐水口１８とアダプタ６の間に介装され接続部を水封する輪状や平板状のパッキンを着脱自在に固定できるようにしておくことが好ましい。具体的には、一例として、外枠７やランナ８に複数の突起を一体成形しておき、それら突起の間に、パッキンの弾力を利用して若干押し込みながらパッキン自体を挟み込んで固定しておくのがよい。
【００３０】
上記蛇口取付アダプタセット１において、蛇口取付アダプタとしての各種アダプタ２〜６および取付工具１５がプラスチック製の外枠７に連結され一体成形されることで、それぞれを個別に成形する手間を省略できるとともに、部材を取りまとめて梱包しセットする手間を省略できる。
また、各種アダプタ２〜６が外枠７に連結されることで、外枠７に物体が衝突したとき、あるいは蛇口取付アダプタセット１自体が落下したとき、その衝撃が外枠７で吸収されるため、各種アダプタ２〜６がその衝撃を回避できる。
また、外枠７またはランナ８に測定部として目盛１２またはメジャー１３が設けられることで、吐水口１８やそれに関係する部品の形状、構造を詳細に把握するための寸法を蛇口取付アダプタセット１で測ることが可能となるため、ものさし等の道具を別途準備して使用する必要がない。
また、取付工具１５が浄水器１６に着脱自在に固定可能とされる機能を備えていることで、必要に応じてすぐに利用できるとともに、放置して紛失しにくくすることができる。
【００３１】
上記蛇口取付アダプタセット１によれば、各種アダプタ２〜６および取付工具１５を個別に成形する手間を省略できるとともに、個別に梱包しセットする手間を省略できるので、著しい低コスト化を達成することができる。
また、各種アダプタ２〜６が外枠７に連結されることで、それらアダプタ２〜６がその衝撃を回避できるので、衝撃に対する安全性を確保することができる。
また、外枠７またはランナ８に目盛１２またはメジャー１３が設けられることで、ものさし等の道具を別途準備して使用する必要がないので、利便性を確保することができる。
また、取付工具１５を必要に応じてすぐに利用できるとともに、放置して紛失しにくくすることができるので、保管性を確保することができる。
【００３２】
また、上記蛇口取付アダプタセット１によれば、浄水器１６に設けられた電池蓋２６を開閉操作可能な機能を有する突起２８、および浄水器１６に設けられた機能操作ボタン３１を押圧可能な機能を有する突起３２を備えていることで、この電池蓋２６および機能操作ボタン３１を取付工具１５で操作可能となるので、利便性を確保することができる。
【００３３】
なお、本実施の形態において、蛇口１７に接続固定される機器、すなわち蛇口取付器具として、蛇口直結型浄水器１６を例にとったが、その他、水まきホース具、簡易シャワー切換具、据置型浄水器、アルカリイオン整水器、硬水・軟水器、ミネラル水生成器等ももちろん有効である。
【図面の簡単な説明】
【００３４】
【図１】本発明の蛇口取付アダプタセットの一実施例の上面図である。
【図２】図１の蛇口取付アダプタセットの備えるアダプタを用いた蛇口直結型浄水器の取付正面図である。
【図３】図１の蛇口取付アダプタセットの備える取付工具を用いたアダプタの取付斜視図である。
【図４】図１の蛇口取付アダプタセットの備える取付工具の取り扱い例斜視図である。
【符号の説明】
【００３５】
１・・・蛇口取付アダプタセット、２・・・１６ｍｍ外径の丸型蛇口用アダプタ（蛇口取付アダプタ）、３・・・１９ｍｍ外径の丸型蛇口用アダプタ（蛇口取付アダプタ）、４・・・泡沫蛇口外ネジＭ２２用アダプタ（蛇口取付アダプタ）、５・・・泡沫蛇口外ネジＷ２２用アダプタ（蛇口取付アダプタ）、６・・・泡沫蛇口内ネジＷ２３用アダプタ（蛇口取付アダプタ）、７・・・外枠、８・・・ランナ、９・・・品番、１０・・・名称、１２・・・目盛（測定部）、１３・・・メジャー（測定部）、１４・・・角部、１５・・・取付工具、１６・・・蛇口直結型浄水器（蛇口取付器具）、１７・・・蛇口、１８・・・吐水口、１９・・・回動固定リング、２０・・・ネジ部、２１・・・突起部、２２・・・溝、２３・・・持ち部、２４・・・フック、２５・・・フック穴、２６・・・電池蓋、２７・・・溝、２８・・・突起、２９・・・凹部、３０・・・凸部、３１・・・機能操作ボタン、３２・・・突起
【特許請求の範囲】
【請求項１】
蛇口の先端に回動固定リングを介して蛇口取付器具を取付けるために前記蛇口と前記回動固定リングとの間に介装される蛇口取付アダプタを複数種類備えてなる蛇口取付アダプタセットであって、
これら複数種の蛇口取付アダプタが、プラスチック製の外枠にランナで連結されて一体成形されるとともに、前記外枠または前記ランナに、長さが測定可能な測定部が設けられていることを特徴とする蛇口取付アダプタセット。
【請求項２】
蛇口の先端に回動固定リングを介して蛇口取付器具を取付けるために前記蛇口と前記回動固定リングとの間に介装される蛇口取付アダプタを複数種類備えてなる蛇口取付アダプタセットであって、
これら複数種の蛇口取付アダプタと前記蛇口の先端にこれら蛇口取付アダプタを取付けるために用いられる取付工具とが前記外枠にランナで連結されて一体成形され、
前記取付工具は、前記蛇口取付器具に着脱自在に固定可能とされる機能を備えていることを特徴とする蛇口取付アダプタセット。
【請求項３】
前記取付工具は、前記蛇口取付器具に設けられた電池蓋を開閉操作可能な機能を備えていることを特徴とする請求項２記載の蛇口取付アダプタセット。
【請求項４】
前記取付工具は、前記蛇口取付器具に設けられた機能操作ボタンを操作可能な機能を備えていることを特徴とする請求項２または３記載の蛇口取付アダプタセット。
【請求項１】
蛇口の先端に回動固定リングを介して蛇口取付器具を取付けるために前記蛇口と前記回動固定リングとの間に介装される蛇口取付アダプタを複数種類備えてなる蛇口取付アダプタセットであって、
これら複数種の蛇口取付アダプタが、プラスチック製の外枠にランナで連結されて一体成形されるとともに、前記外枠または前記ランナに、長さが測定可能な測定部が設けられていることを特徴とする蛇口取付アダプタセット。
【請求項２】
蛇口の先端に回動固定リングを介して蛇口取付器具を取付けるために前記蛇口と前記回動固定リングとの間に介装される蛇口取付アダプタを複数種類備えてなる蛇口取付アダプタセットであって、
これら複数種の蛇口取付アダプタと前記蛇口の先端にこれら蛇口取付アダプタを取付けるために用いられる取付工具とが前記外枠にランナで連結されて一体成形され、
前記取付工具は、前記蛇口取付器具に着脱自在に固定可能とされる機能を備えていることを特徴とする蛇口取付アダプタセット。
【請求項３】
前記取付工具は、前記蛇口取付器具に設けられた電池蓋を開閉操作可能な機能を備えていることを特徴とする請求項２記載の蛇口取付アダプタセット。
【請求項４】
前記取付工具は、前記蛇口取付器具に設けられた機能操作ボタンを操作可能な機能を備えていることを特徴とする請求項２または３記載の蛇口取付アダプタセット。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２００６−８３５２７（Ｐ２００６−８３５２７Ａ）
【公開日】平成１８年３月３０日（２００６．３．３０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００４−２６６６５０（Ｐ２００４−２６６６５０）
【出願日】平成１６年９月１４日（２００４．９．１４）
【出願人】（５０４３４６２０４）エムアールシー・ホームプロダクツ株式会社 (57)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年３月３０日（２００６．３．３０）
【国際特許分類】
【出願日】平成１６年９月１４日（２００４．９．１４）
【出願人】（５０４３４６２０４）エムアールシー・ホームプロダクツ株式会社 (57)
【Ｆターム（参考）】
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