蛍光ランプ、包装容器および照明器具
【課題】容易に色光の種類を認識することができる蛍光ランプ、この蛍光ランプを収納する包装容器およびこの蛍光ランプを配設する照明器具を提供する。
【解決手段】蛍光ランプ１は、特定の識別色に着色加工された可視光を透過する着色バルブ２と、着色バルブ２の両端部２ａ，２ａに封装された一対の電極３，３と、着色バルブ２の内表面側に形成され、上記特定の識別色に対応する色光で発光する蛍光体層４と、着色バルブ２内に封入された放電媒体とを具備する。
【解決手段】蛍光ランプ１は、特定の識別色に着色加工された可視光を透過する着色バルブ２と、着色バルブ２の両端部２ａ，２ａに封装された一対の電極３，３と、着色バルブ２の内表面側に形成され、上記特定の識別色に対応する色光で発光する蛍光体層４と、着色バルブ２内に封入された放電媒体とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、着色バルブを有する蛍光ランプ、この蛍光ランプを収納している包装容器およびこの蛍光ランプを配設している照明器具に関する。
【背景技術】
【０００２】
蛍光ランプは、バルブ内面に蛍光体層が形成され、この蛍光体層を励起により発光させることにより照明光を得ている。そして、照明光は、蛍光体層の種類により、例えば昼光色、昼白色、白色および電球色などの光色になっている。ここで、蛍光ランプは、消灯時、外表面が白色を呈しているのが一般的であるので、光色を選定するときは、バルブ端部側の外表面に刻印された型名または包装箱の表示などを視認することにより行っている。
【０００３】
一方、点灯時には、消灯時における外表面の色とは異なる色を発光する蛍光ランプが提案されている。例えば、点灯時には白色光を放射し、消灯時にはバルブ外表面がある特定の色に見える蛍光ランプが提案されている（例えば、特許文献１参照。）。この従来技術の蛍光ランプは、バルブ内表面と蛍光体層との間に、所定の色を呈する顔料からなる薄膜を設けている。
【０００４】
また、所定の色を呈する顔料を励起時に所定の色と異なる発光色を呈する蛍光体に混入させ、この蛍光体をバルブ内面に塗布した蛍光ランプが提案されている（例えば、特許文献２参照。）。また、蛍光体とこの蛍光体の発光色と同一色である顔料を混合した混合物をバルブ内面に塗布している蛍光ランプが知られている（例えば、特許文献３参照。）。
【特許文献１】特開２０００−３２３０９７号公報（第３−４頁、第１図）
【特許文献２】特開平４−１３２１５５号公報（第２−３頁、第１表）
【特許文献３】実開平３−４０７５３号明細書（第４頁、第１図）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
特許文献１は、バルブと蛍光体層との間に、所定の色を呈する顔料からなる薄膜を設けるので、バルブから放射される光束に対する発光効率が低下するという欠点を有する。
【０００６】
また、特許文献２は、所定の色を呈する顔料をこの所定の色と異なる発光色を呈する蛍光体に混入させて用いるので、特許文献１と同様、発光効率が低下するという欠点を有する。
【０００７】
また、特許文献３は、顔料によって水銀の発光線を抑えて色純度のよい蛍光ランプとするものであり、消灯時のバルブ外表面が従来どおり白色を呈しているものである。
【０００８】
本発明は、容易に色光の種類を認識することができる蛍光ランプ、この蛍光ランプを収納する包装容器およびこの蛍光ランプを配設する照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
請求項１に記載の蛍光ランプの発明は、特定の識別色に着色加工された可視光を透過する着色バルブと；着色バルブの両端部に封装された一対の電極と；着色バルブの内表面側に形成され、上記特定の識別色に対応する色光で発光する蛍光体層と；着色バルブ内に封入された放電媒体と；を具備することを特徴とする。
【００１０】
本発明および以下の各発明において、特に言及しない限り、各構成は以下による。
【００１１】
着色バルブは、直管形、環形および屈曲形など、その形状は問わない。また、一対の電極は、熱電極または冷陰極を問わない。
【００１２】
蛍光体層は、保護膜を介して着色バルブの内表面に形成されてもよい。
【００１３】
着色加工された着色バルブの特定の識別色は、例えば着色剤の調整によるガラス材料の選択吸収によるイオン色であってもよく、あるいは、バルブ外表面に塗布された着色剤によるものであってもよい。
【００１４】
「特定の識別色に対応する色光」とは、着色バルブの特定の識別色と着色バルブから放射される色光とが同一色でなくてもよいことを意味する。例えば、色光が昼光色、昼白色、白色または電球色のとき、特定の識別色をそれぞれ青色、緑色、黄土色または赤色とすることができる。
【００１５】
本発明によれば、蛍光ランプの消灯時、着色バルブの外表面は、特定の識別色を呈して認識される。そして、蛍光ランプは、点灯時、蛍光体層が着色バルブに着色加工された特定の識別色に対応する色光で発光し、着色バルブから当該色光を放射する。
【００１６】
請求項２に記載の包装容器の発明は、請求項１記載の蛍光ランプと；外表面に着色バルブの特定の識別色による表示がなされ、上記蛍光ランプを収納する包装箱と；を具備することを特徴とする。
【００１７】
表示は、文字、記号、図柄あるいは包装箱の外表面を着色するなど、表示内容が認識されるものであればよい。
【００１８】
本発明によれば、特定の識別色に着色加工された着色バルブを有する蛍光ランプを外表面に前記識別色による表示がなされた包装箱に収納させることにより、蛍光ランプが容易に包装箱に収納される。
【００１９】
請求項３に記載の照明器具の発明は、請求項１記載の蛍光ランプと；蛍光ランプを配設している照明器具本体と；蛍光ランプを付勢する点灯装置と；を具備することを特徴とする。
【００２０】
点灯装置は、照明器具本体に配設されてもよく、照明器具本体と別置されてもよい。
【００２１】
本発明によれば、蛍光ランプの消灯時に、着色バルブの外表面が特定の識別色に呈して認識され、点灯時に、着色バルブの外表面から特定の識別色に対応する色光が放射される照明器具が提供される。
【発明の効果】
【００２２】
請求項１の発明によれば、蛍光ランプは、着色バルブに着色加工された特定の識別色に対応する色光を放射するので、寿命などによる買い替え時、型名等によらず、特定の識別色の着色バルブを有する蛍光ランプを選定することにより、所望の色光の蛍光ランプを容易に入手することができる。
【００２３】
請求項２の発明によれば、特定の識別色に着色加工された着色バルブを有する蛍光ランプを外表面に前記識別色による表示がなされた包装箱に収納させることにより、蛍光ランプを容易にかつ迅速に包装箱に収納することができ、包装容器の製造コストを低減することができる。
【００２４】
請求項３の発明によれば、蛍光ランプの消灯時に、着色バルブが特定の識別色を呈して認識されるので、高級感やインテリア性などを有する照明器具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２５】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、本発明の第１の実施形態について説明する。
【００２６】
図１は、本発明の第１の実施形態を示す蛍光ランプであり、（ａ）は概略正面図、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ方向における概略断面図である。
【００２７】
蛍光ランプ１は、着色バルブ２、一対の電極としての一対のフィラメント電極３，３、蛍光体層４および放電媒体（図示しない。）を有して構成されている。
【００２８】
着色バルブ２は、例えば可視光を透過するソーダ石灰系ガラスからなり、図１（ｂ）に示すように、着色剤５を含んで特定の識別色に着色している。そして、環形に形成されて、図１（ａ）に示すように、両端部２ａ，２ａにそれぞれ一対のフィラメント電極３，３が封装されている。
【００２９】
着色バルブ２は、例えば着色剤５の調整によるガラス材料の選択吸収によるイオン色により、特定の識別色としての例えば青色、緑色、黄土色および赤色に着色している。例えば、青色に対しては酸化コバルト（ＣｏＯ）、緑色に対しては酸化クロム（Ｃｒ２Ｏ３）、黄土色に対しては酸化鉄、赤色に対してはセレン化カドミ（ＣｄＳｅ）および硫化カドミ（ＣｄＳ）を含んで着色している。
【００３０】
蛍光体層４は、着色バルブ２の内表面に塗布して形成されている。蛍光体層４は、例えば、一般的に用いられているＣａ−ハロ蛍光体または３波長蛍光体を用いることができる。Ｃａ−ハロ蛍光体は、例えばＣａ１０（ＰＯ４）６ＦＣｌ：Ｓｂ，Ｍｎからなり、Ｓｂ、Ｍｎ、Ｆ、Ｃｌの比率を異ならせることにより、紫外線により、白色、昼白色または昼光色の光を発光する。また、３波長蛍光体の青色蛍光体は、例えば（Ｓｒ，Ｃａ，Ｂａ）５（ＰＯ４）３Ｃｌ：Ｅｕ、ＢａＭｇ２Ａｌ１６Ｏ２７：ＥｕまたはＢａＭｇ２Ａｌ１６Ｏ２７：Ｅｕ，Ｍｎであり、赤色蛍光体は、例えばＹ２Ｏ３：Ｅｕであり、緑色蛍光体は、例えばＬａＰＯ４：Ｔｂ，ＣｅまたはＣｅＭｇＡｌ１１Ｏ１９：Ｔｂである。３波長蛍光体は、これら青色蛍光体、赤色蛍光体および緑色蛍光体の混合比率を異ならせることにより、紫外線により、昼光色、昼白色、白色または電球色の色光を発光する。
【００３１】
そして、蛍光体層４は、着色バルブ２の特定の識別色に対応する色光を発光するように選定されている。すなわち、青色、緑色、黄土色および赤色に着色加工された着色バルブ２に対して、それぞれ昼光色、昼白色、白色および電球色の色光を発光する蛍光体層４が着色バルブ２の内表面側に形成されている。
【００３２】
そして、着色バルブ２の内部に少なくとも水銀およびアルゴンなどの希ガスを有する放電媒体（図示しない。）が封入されている。また、着色バルブ２の端部２ａ，２ａに跨って４本の接続ピン７を有する口金８が装着されている。一対の接続ピン７，７は、フィラメント電極３の両端に電気的に接続されている。
【００３３】
次に、本発明の第１の実施形態の作用について述べる。
【００３４】
蛍光ランプ１は、消灯時、着色バルブ２の外表面が特定の識別色を呈している。すなわち、包含された着色剤５の調整によるガラス材料の選択吸収によるイオン色により、着色バルブ２は、例えば青色、緑色、黄土色および赤色を呈している。
【００３５】
そして、一対のフィラメント電極３，３間に放電が形成されて、蛍光ランプ１が点灯すると、着色バルブ２の内表面側に形成された蛍光体層４が発光し、色光が放射される。すなわち、着色バルブ２が青色、緑色、黄土色および赤色に着色されているとき、それぞれ着色バルブ２から昼光色、昼白色、白色および電球色の色光が放射されて照明光となる。
【００３６】
蛍光ランプ１は、着色バルブ２が着色剤５を含んで特定の識別色に着色しているので、発光効率の低下が小さいものである。
【００３７】
そして、蛍光ランプ１は、着色バルブ２に着色加工された特定の識別色である青色、緑色、黄土色および赤色にそれぞれ対応する昼光色、昼白色、白色および電球色の色光を放射する。これにより、蛍光ランプ１が寿命となって交換するときに、前記特定の識別色を呈している着色バルブ２の外表面を視認することにより、型名等を確認しなくても、交換用の前記色光を発光する蛍光ランプ１が容易に選定される。したがって、所望の蛍光ランプ１の入手が確実に行える。
【００３８】
なお、蛍光ランプは、環形の蛍光ランプ１に限らず、直管形蛍光ランプ、コンパクト形蛍光ランプ、電球形蛍光ランプであっても、上記と同様な作用、効果が得られる。
【００３９】
次に、本発明の第２の実施形態について説明する。
【００４０】
図２は、本発明の第２の実施形態を示す包装容器の概略斜視図である。なお、図１と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【００４１】
図２に示す包装容器９は、四角形状の包装箱１０に図１に示す蛍光ランプ１が収納されて構成されている。そして、包装箱１０の表面側および背面側のそれぞれの外表面１０ａに蛍光ランプの図柄が白色で描かれている。そして、背景の図柄１２ａ，１２ｂは、蛍光ランプ１の着色バルブ２に着色加工された特定の識別色で描かれている。すなわち、昼光色、昼白色、白色および電球色の色光を放射する蛍光ランプ１に対して、それぞれ青色、緑色、黄土色および赤色で描かれている。
【００４２】
包装箱１０の外表面１０ａに描かれた背景の図柄１２ａ，１２ｂは、着色バルブ２に着色加工された特定の識別色による表示となっており、特定の識別色に着色加工された着色バルブ２を有する蛍光ランプ１を当該特定の識別色で描かれた背景の図柄１２ａ，１２ｂを有する包装箱１０に収納させることにより、蛍光ランプ１が容易にかつ迅速に包装箱１０に収納される。したがって、包装容器９の製造コストが低減される。
【００４３】
また、蛍光ランプ１が寿命となったとき、着色バルブ２の特定の識別色と同等の背景の図柄１２ａ，１２ｂを有する包装容器９を購入することにより、型名等によらずに、所望の蛍光ランプ１が容易に入手される。
【００４４】
次に、本発明の第３の実施形態について説明する。
【００４５】
図３は、本発明の第３の実施形態を示す照明器具の一部切り欠き側面図である。なお、図１と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【００４６】
図３に示す照明器具１３は、天井などの造営物に設置されるペンダント照明器具であり、照明器具本体１４が電源コード１５および引掛シーリング１６を介して造営物に取り付けられている。照明器具本体１４は、一端部にランプソケット１７，１８、他端部にランプホルダー１９，２０が設けられている。このランプソケット１７，１８およびランプホルダー１９，２０にそれぞれ環径が異なる環形の蛍光ランプ１，１ａが取り付けられている。これにより、蛍光ランプ１，１ａは、照明器具本体１４に配設されている。
【００４７】
また、照明器具本体１４は、内部に回路基板に実装された電子部品等により構成された点灯装置２１を配設している。この点灯装置２１は、高周波電圧を出力して、蛍光ランプ１，１ａを個別に付勢するように構成されている。また、照明器具本体１４は、豆球用ソケット（図示しない。）を配設しており、この豆球用ソケットに豆球２２が装着されている。
【００４８】
蛍光ランプ１，１ａは、消灯時に、着色バルブ２が例えば青色、緑色、黄土色および赤色の特定の識別色を呈している。
【００４９】
そして、蛍光ランプ１，１ａが点灯すると、着色バルブ２の外表面から、青色、緑色、黄土色および赤色の特定の識別色にそれぞれ対応する昼光色、昼白色、白色および電球色の色光を放射する色光が放射され、この色光が照明器具１３による照明光となっている。
【図面の簡単な説明】
【００５０】
【図１】本発明の第１の実施形態を示す蛍光ランプであり、（ａ）は概略正面図、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ方向における概略断面図。
【図２】本発明の第２の実施形態を示す放電容器の概略斜視図。
【図３】本発明の第３の実施形態を示す照明器具の一部切り欠き側面図。
【符号の説明】
【００５１】
１…蛍光ランプ
２…着色バルブ
３…電極としてのフィラメント電極
４…蛍光体層
９…包装容器
１０…包装箱
１３…照明器具
１４…照明器具本体
２１…点灯装置
【技術分野】
【０００１】
本発明は、着色バルブを有する蛍光ランプ、この蛍光ランプを収納している包装容器およびこの蛍光ランプを配設している照明器具に関する。
【背景技術】
【０００２】
蛍光ランプは、バルブ内面に蛍光体層が形成され、この蛍光体層を励起により発光させることにより照明光を得ている。そして、照明光は、蛍光体層の種類により、例えば昼光色、昼白色、白色および電球色などの光色になっている。ここで、蛍光ランプは、消灯時、外表面が白色を呈しているのが一般的であるので、光色を選定するときは、バルブ端部側の外表面に刻印された型名または包装箱の表示などを視認することにより行っている。
【０００３】
一方、点灯時には、消灯時における外表面の色とは異なる色を発光する蛍光ランプが提案されている。例えば、点灯時には白色光を放射し、消灯時にはバルブ外表面がある特定の色に見える蛍光ランプが提案されている（例えば、特許文献１参照。）。この従来技術の蛍光ランプは、バルブ内表面と蛍光体層との間に、所定の色を呈する顔料からなる薄膜を設けている。
【０００４】
また、所定の色を呈する顔料を励起時に所定の色と異なる発光色を呈する蛍光体に混入させ、この蛍光体をバルブ内面に塗布した蛍光ランプが提案されている（例えば、特許文献２参照。）。また、蛍光体とこの蛍光体の発光色と同一色である顔料を混合した混合物をバルブ内面に塗布している蛍光ランプが知られている（例えば、特許文献３参照。）。
【特許文献１】特開２０００−３２３０９７号公報（第３−４頁、第１図）
【特許文献２】特開平４−１３２１５５号公報（第２−３頁、第１表）
【特許文献３】実開平３−４０７５３号明細書（第４頁、第１図）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
特許文献１は、バルブと蛍光体層との間に、所定の色を呈する顔料からなる薄膜を設けるので、バルブから放射される光束に対する発光効率が低下するという欠点を有する。
【０００６】
また、特許文献２は、所定の色を呈する顔料をこの所定の色と異なる発光色を呈する蛍光体に混入させて用いるので、特許文献１と同様、発光効率が低下するという欠点を有する。
【０００７】
また、特許文献３は、顔料によって水銀の発光線を抑えて色純度のよい蛍光ランプとするものであり、消灯時のバルブ外表面が従来どおり白色を呈しているものである。
【０００８】
本発明は、容易に色光の種類を認識することができる蛍光ランプ、この蛍光ランプを収納する包装容器およびこの蛍光ランプを配設する照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
請求項１に記載の蛍光ランプの発明は、特定の識別色に着色加工された可視光を透過する着色バルブと；着色バルブの両端部に封装された一対の電極と；着色バルブの内表面側に形成され、上記特定の識別色に対応する色光で発光する蛍光体層と；着色バルブ内に封入された放電媒体と；を具備することを特徴とする。
【００１０】
本発明および以下の各発明において、特に言及しない限り、各構成は以下による。
【００１１】
着色バルブは、直管形、環形および屈曲形など、その形状は問わない。また、一対の電極は、熱電極または冷陰極を問わない。
【００１２】
蛍光体層は、保護膜を介して着色バルブの内表面に形成されてもよい。
【００１３】
着色加工された着色バルブの特定の識別色は、例えば着色剤の調整によるガラス材料の選択吸収によるイオン色であってもよく、あるいは、バルブ外表面に塗布された着色剤によるものであってもよい。
【００１４】
「特定の識別色に対応する色光」とは、着色バルブの特定の識別色と着色バルブから放射される色光とが同一色でなくてもよいことを意味する。例えば、色光が昼光色、昼白色、白色または電球色のとき、特定の識別色をそれぞれ青色、緑色、黄土色または赤色とすることができる。
【００１５】
本発明によれば、蛍光ランプの消灯時、着色バルブの外表面は、特定の識別色を呈して認識される。そして、蛍光ランプは、点灯時、蛍光体層が着色バルブに着色加工された特定の識別色に対応する色光で発光し、着色バルブから当該色光を放射する。
【００１６】
請求項２に記載の包装容器の発明は、請求項１記載の蛍光ランプと；外表面に着色バルブの特定の識別色による表示がなされ、上記蛍光ランプを収納する包装箱と；を具備することを特徴とする。
【００１７】
表示は、文字、記号、図柄あるいは包装箱の外表面を着色するなど、表示内容が認識されるものであればよい。
【００１８】
本発明によれば、特定の識別色に着色加工された着色バルブを有する蛍光ランプを外表面に前記識別色による表示がなされた包装箱に収納させることにより、蛍光ランプが容易に包装箱に収納される。
【００１９】
請求項３に記載の照明器具の発明は、請求項１記載の蛍光ランプと；蛍光ランプを配設している照明器具本体と；蛍光ランプを付勢する点灯装置と；を具備することを特徴とする。
【００２０】
点灯装置は、照明器具本体に配設されてもよく、照明器具本体と別置されてもよい。
【００２１】
本発明によれば、蛍光ランプの消灯時に、着色バルブの外表面が特定の識別色に呈して認識され、点灯時に、着色バルブの外表面から特定の識別色に対応する色光が放射される照明器具が提供される。
【発明の効果】
【００２２】
請求項１の発明によれば、蛍光ランプは、着色バルブに着色加工された特定の識別色に対応する色光を放射するので、寿命などによる買い替え時、型名等によらず、特定の識別色の着色バルブを有する蛍光ランプを選定することにより、所望の色光の蛍光ランプを容易に入手することができる。
【００２３】
請求項２の発明によれば、特定の識別色に着色加工された着色バルブを有する蛍光ランプを外表面に前記識別色による表示がなされた包装箱に収納させることにより、蛍光ランプを容易にかつ迅速に包装箱に収納することができ、包装容器の製造コストを低減することができる。
【００２４】
請求項３の発明によれば、蛍光ランプの消灯時に、着色バルブが特定の識別色を呈して認識されるので、高級感やインテリア性などを有する照明器具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２５】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、本発明の第１の実施形態について説明する。
【００２６】
図１は、本発明の第１の実施形態を示す蛍光ランプであり、（ａ）は概略正面図、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ方向における概略断面図である。
【００２７】
蛍光ランプ１は、着色バルブ２、一対の電極としての一対のフィラメント電極３，３、蛍光体層４および放電媒体（図示しない。）を有して構成されている。
【００２８】
着色バルブ２は、例えば可視光を透過するソーダ石灰系ガラスからなり、図１（ｂ）に示すように、着色剤５を含んで特定の識別色に着色している。そして、環形に形成されて、図１（ａ）に示すように、両端部２ａ，２ａにそれぞれ一対のフィラメント電極３，３が封装されている。
【００２９】
着色バルブ２は、例えば着色剤５の調整によるガラス材料の選択吸収によるイオン色により、特定の識別色としての例えば青色、緑色、黄土色および赤色に着色している。例えば、青色に対しては酸化コバルト（ＣｏＯ）、緑色に対しては酸化クロム（Ｃｒ２Ｏ３）、黄土色に対しては酸化鉄、赤色に対してはセレン化カドミ（ＣｄＳｅ）および硫化カドミ（ＣｄＳ）を含んで着色している。
【００３０】
蛍光体層４は、着色バルブ２の内表面に塗布して形成されている。蛍光体層４は、例えば、一般的に用いられているＣａ−ハロ蛍光体または３波長蛍光体を用いることができる。Ｃａ−ハロ蛍光体は、例えばＣａ１０（ＰＯ４）６ＦＣｌ：Ｓｂ，Ｍｎからなり、Ｓｂ、Ｍｎ、Ｆ、Ｃｌの比率を異ならせることにより、紫外線により、白色、昼白色または昼光色の光を発光する。また、３波長蛍光体の青色蛍光体は、例えば（Ｓｒ，Ｃａ，Ｂａ）５（ＰＯ４）３Ｃｌ：Ｅｕ、ＢａＭｇ２Ａｌ１６Ｏ２７：ＥｕまたはＢａＭｇ２Ａｌ１６Ｏ２７：Ｅｕ，Ｍｎであり、赤色蛍光体は、例えばＹ２Ｏ３：Ｅｕであり、緑色蛍光体は、例えばＬａＰＯ４：Ｔｂ，ＣｅまたはＣｅＭｇＡｌ１１Ｏ１９：Ｔｂである。３波長蛍光体は、これら青色蛍光体、赤色蛍光体および緑色蛍光体の混合比率を異ならせることにより、紫外線により、昼光色、昼白色、白色または電球色の色光を発光する。
【００３１】
そして、蛍光体層４は、着色バルブ２の特定の識別色に対応する色光を発光するように選定されている。すなわち、青色、緑色、黄土色および赤色に着色加工された着色バルブ２に対して、それぞれ昼光色、昼白色、白色および電球色の色光を発光する蛍光体層４が着色バルブ２の内表面側に形成されている。
【００３２】
そして、着色バルブ２の内部に少なくとも水銀およびアルゴンなどの希ガスを有する放電媒体（図示しない。）が封入されている。また、着色バルブ２の端部２ａ，２ａに跨って４本の接続ピン７を有する口金８が装着されている。一対の接続ピン７，７は、フィラメント電極３の両端に電気的に接続されている。
【００３３】
次に、本発明の第１の実施形態の作用について述べる。
【００３４】
蛍光ランプ１は、消灯時、着色バルブ２の外表面が特定の識別色を呈している。すなわち、包含された着色剤５の調整によるガラス材料の選択吸収によるイオン色により、着色バルブ２は、例えば青色、緑色、黄土色および赤色を呈している。
【００３５】
そして、一対のフィラメント電極３，３間に放電が形成されて、蛍光ランプ１が点灯すると、着色バルブ２の内表面側に形成された蛍光体層４が発光し、色光が放射される。すなわち、着色バルブ２が青色、緑色、黄土色および赤色に着色されているとき、それぞれ着色バルブ２から昼光色、昼白色、白色および電球色の色光が放射されて照明光となる。
【００３６】
蛍光ランプ１は、着色バルブ２が着色剤５を含んで特定の識別色に着色しているので、発光効率の低下が小さいものである。
【００３７】
そして、蛍光ランプ１は、着色バルブ２に着色加工された特定の識別色である青色、緑色、黄土色および赤色にそれぞれ対応する昼光色、昼白色、白色および電球色の色光を放射する。これにより、蛍光ランプ１が寿命となって交換するときに、前記特定の識別色を呈している着色バルブ２の外表面を視認することにより、型名等を確認しなくても、交換用の前記色光を発光する蛍光ランプ１が容易に選定される。したがって、所望の蛍光ランプ１の入手が確実に行える。
【００３８】
なお、蛍光ランプは、環形の蛍光ランプ１に限らず、直管形蛍光ランプ、コンパクト形蛍光ランプ、電球形蛍光ランプであっても、上記と同様な作用、効果が得られる。
【００３９】
次に、本発明の第２の実施形態について説明する。
【００４０】
図２は、本発明の第２の実施形態を示す包装容器の概略斜視図である。なお、図１と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【００４１】
図２に示す包装容器９は、四角形状の包装箱１０に図１に示す蛍光ランプ１が収納されて構成されている。そして、包装箱１０の表面側および背面側のそれぞれの外表面１０ａに蛍光ランプの図柄が白色で描かれている。そして、背景の図柄１２ａ，１２ｂは、蛍光ランプ１の着色バルブ２に着色加工された特定の識別色で描かれている。すなわち、昼光色、昼白色、白色および電球色の色光を放射する蛍光ランプ１に対して、それぞれ青色、緑色、黄土色および赤色で描かれている。
【００４２】
包装箱１０の外表面１０ａに描かれた背景の図柄１２ａ，１２ｂは、着色バルブ２に着色加工された特定の識別色による表示となっており、特定の識別色に着色加工された着色バルブ２を有する蛍光ランプ１を当該特定の識別色で描かれた背景の図柄１２ａ，１２ｂを有する包装箱１０に収納させることにより、蛍光ランプ１が容易にかつ迅速に包装箱１０に収納される。したがって、包装容器９の製造コストが低減される。
【００４３】
また、蛍光ランプ１が寿命となったとき、着色バルブ２の特定の識別色と同等の背景の図柄１２ａ，１２ｂを有する包装容器９を購入することにより、型名等によらずに、所望の蛍光ランプ１が容易に入手される。
【００４４】
次に、本発明の第３の実施形態について説明する。
【００４５】
図３は、本発明の第３の実施形態を示す照明器具の一部切り欠き側面図である。なお、図１と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【００４６】
図３に示す照明器具１３は、天井などの造営物に設置されるペンダント照明器具であり、照明器具本体１４が電源コード１５および引掛シーリング１６を介して造営物に取り付けられている。照明器具本体１４は、一端部にランプソケット１７，１８、他端部にランプホルダー１９，２０が設けられている。このランプソケット１７，１８およびランプホルダー１９，２０にそれぞれ環径が異なる環形の蛍光ランプ１，１ａが取り付けられている。これにより、蛍光ランプ１，１ａは、照明器具本体１４に配設されている。
【００４７】
また、照明器具本体１４は、内部に回路基板に実装された電子部品等により構成された点灯装置２１を配設している。この点灯装置２１は、高周波電圧を出力して、蛍光ランプ１，１ａを個別に付勢するように構成されている。また、照明器具本体１４は、豆球用ソケット（図示しない。）を配設しており、この豆球用ソケットに豆球２２が装着されている。
【００４８】
蛍光ランプ１，１ａは、消灯時に、着色バルブ２が例えば青色、緑色、黄土色および赤色の特定の識別色を呈している。
【００４９】
そして、蛍光ランプ１，１ａが点灯すると、着色バルブ２の外表面から、青色、緑色、黄土色および赤色の特定の識別色にそれぞれ対応する昼光色、昼白色、白色および電球色の色光を放射する色光が放射され、この色光が照明器具１３による照明光となっている。
【図面の簡単な説明】
【００５０】
【図１】本発明の第１の実施形態を示す蛍光ランプであり、（ａ）は概略正面図、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ方向における概略断面図。
【図２】本発明の第２の実施形態を示す放電容器の概略斜視図。
【図３】本発明の第３の実施形態を示す照明器具の一部切り欠き側面図。
【符号の説明】
【００５１】
１…蛍光ランプ
２…着色バルブ
３…電極としてのフィラメント電極
４…蛍光体層
９…包装容器
１０…包装箱
１３…照明器具
１４…照明器具本体
２１…点灯装置
【特許請求の範囲】
【請求項１】
特定の識別色に着色加工された可視光を透過する着色バルブと；
着色バルブの両端部に封装された一対の電極と；
着色バルブの内表面側に形成され、上記特定の識別色に対応する色光で発光する蛍光体層と；
着色バルブ内に封入された放電媒体と；
を具備することを特徴とする蛍光ランプ。
【請求項２】
請求項１記載の蛍光ランプと；
外表面に着色バルブの特定の識別色による表示がなされ、上記蛍光ランプを収納する包装箱と；
を具備することを特徴とする包装容器。
【請求項３】
請求項１記載の蛍光ランプと；
蛍光ランプを配設している照明器具本体と；
蛍光ランプを付勢する点灯装置と；
を具備することを特徴とする照明器具。
【請求項１】
特定の識別色に着色加工された可視光を透過する着色バルブと；
着色バルブの両端部に封装された一対の電極と；
着色バルブの内表面側に形成され、上記特定の識別色に対応する色光で発光する蛍光体層と；
着色バルブ内に封入された放電媒体と；
を具備することを特徴とする蛍光ランプ。
【請求項２】
請求項１記載の蛍光ランプと；
外表面に着色バルブの特定の識別色による表示がなされ、上記蛍光ランプを収納する包装箱と；
を具備することを特徴とする包装容器。
【請求項３】
請求項１記載の蛍光ランプと；
蛍光ランプを配設している照明器具本体と；
蛍光ランプを付勢する点灯装置と；
を具備することを特徴とする照明器具。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２００６−５４１０４（Ｐ２００６−５４１０４Ａ）
【公開日】平成１８年２月２３日（２００６．２．２３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００４−２３４６６３（Ｐ２００４−２３４６６３）
【出願日】平成１６年８月１１日（２００４．８．１１）
【出願人】（０００００３７５７）東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年２月２３日（２００６．２．２３）
【国際特許分類】
【出願日】平成１６年８月１１日（２００４．８．１１）
【出願人】（０００００３７５７）東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Ｆターム（参考）】
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