蛍光検出装置
【課題】蛍光検出装置に於けるオンカラム方式の欠点を改良し、光路長を長くとり、励起光を集光する装置を簡略化し、各種の分析に対応することができ、それらに対する装置調整が極めて容易である蛍光検出装置の提供。
【解決手段】励起光発生器により、照射した励起光を光ファイバーを使用して、L字型キャピラリーチューブにレーザー光を照射して、キャピラリーチューブの長軸を光路長として使用し、キャピラリーチューブと平行してロッドレンズを配置し、ロッドレンズにより長軸に沿って発せられる蛍光を効率よく、フィルターを介して光検出部に集光させる。
【解決手段】励起光発生器により、照射した励起光を光ファイバーを使用して、L字型キャピラリーチューブにレーザー光を照射して、キャピラリーチューブの長軸を光路長として使用し、キャピラリーチューブと平行してロッドレンズを配置し、ロッドレンズにより長軸に沿って発せられる蛍光を効率よく、フィルターを介して光検出部に集光させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、微量成分の高感度分析の必要性が求められている。高感度分析の方法として、分析カラムの微細化および流量の低下に伴うダウンサイジングによる手法が進められてきている。更に、ダウンサイジングに対応した高感度な検出器の必要性が求められる中、より高感度検出が可能な検出器として、レーザー励起蛍光検出器が使用されるようになってきた。
【0003】
従来のレーザー励起蛍光検出器は、キャピラリーに蛍光サンプルを流して、励起光を集光レンズにより集光しながらフローセル部の長軸方向に垂直に照射させ、蛍光物質に蛍光を発生させる。その蛍光を集光レンズにて集光し、集光された蛍光をフィルターを透過させ、ノイズを除去し、目的成分の蛍光のみを光検出部により検出する構成で、所謂オンカラム検出方式である。この方式に於いては、光路長がキャピラリーの内径に依存し、検出可能な蛍光量が少なく、またそれを増やすことが難しく検出感度に限界があった。しかも、従来方式では、キャピラリーチューブフローセルの長軸と垂直方向から、キャピラリーの内径に正確に励起光を集光させる必要があるため、高度な光学系の調整技術を必要とする。
又、従来のオンカラム方式では、励起光をフローセルの長軸方向に垂直に照射するため、光路長がフローセルの内径となってしまうため、光路長が短く、発せられる蛍光量も少なくなってしまう。蛍光量の減少は検出感度の低下を示し、微量分析が困難となる。
更に、キャピラリーの内径に励起光を集光するためには、高集光能力のある対物レンズを使用する必要がある。このようなレンズは一般的に高価であり、装置自体の価格も高価になってしまう。
【0004】
これに対し、光路長を長くすることで蛍光量を増やし、検出感度を向上させるために、キャピラリーチューブをU字、Z字に屈曲した構成が提案されている。
さらに、対物レンズの代わりに集光能力の高いボールレンズを使用することで、対物レンズに比べ調整の精度が緩やかで、安価な装置系の構成が提案されている。
【0005】
例えば、特許第3186375号(特許文献2)の発明に於いて、Zセルの入射屈曲部に入力ビームがキャピラリーの通孔に露光光の平行線で満たされるように、入射屈曲部での入射地点に於ける入射ビームの直径や入射ビームの方向、入射ビームの平行度を最適化するセルが提案され、特開2006−267597号公報(特許文献3)の発明に於いては、屈曲部の曲率半径を2mm未満にし、検知感度を向上させようとしている。何れにしても、屈曲部からの透過光を他の屈曲部への流路方向に照射する効率を上げるための構成を提案しているものである。
【0006】
又、前者に於いて、更にZセルの入射屈曲部に正確に入射光を当てるために、球レンズを正確に配列させるキャピラリーレンズホルダーを設けた構成が提案されている。
【0007】
【特許文献1】米国特許第5926271号公報(特表2002−541454)
【特許文献2】特許第3186375号
【特許文献3】特開2006−267597号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらの提案により、光路長を長くする点に於いて進歩をしているが、従来、高度な光学系の調整を維持するために、セル部も装置内に組み込み、固定する必要があった。
しかし、カラム径の微細化によるダウンサイジングに於いて、カラム・フローセル部間の配管の体積がデットボリュームとなり、分析結果に悪影響を及ぼすことが分かっているので、可能な限りデットボリュームを小さくする必要性がある。又、レーザー励起蛍光検出器を質量分析計の前に直結し、モニタリングを行なうシステムがあるが、この検出器間の配管体積がデットボリュームとなる。
この際、従来の装置筐体部にフローセルが組み込まれている装置では、内容量の少ないフローセルを用いていても、装置間を連結する配管を短くすることは物理的に困難である。
【0009】
又、液体クロマトグラフィーに於いては、分析手法に応じて使用するカラム径・流体の流量が異なる。そのため、カラム径・流量に合わせたセル容量を持つフローセルを使用する必要がある。セル容量の変更は、フローセルとして使用するキャピラリーチューブの内径を変更することによって実現できるが、キャピラリーチューブの変更は、キャピラリーチューブの取り替えに伴う光学系の調整を必要とし、極めて高度の調整技術を必要とする。
近年、LC−MSやキャピラリー電気泳動−MS、多次元LCなどの普及により、第1の検出手段の後に、再度分離や検出を行なうという手法が用いられる機会が多くなっている。これを行なう場合、第1の検出手段から次の手法までに移る過程の流路は、分析・検出におけるデットボリュームとなる。装置筐体にフローセル部が組み込まれている状態では、フローセルとして内容量の少ないものを用いていても、装置間を連結する配管を短くすることは物理的に不可能になる。
【0010】
また、液体クロマトグラフィにおいては、分析手法に応じて使用する流体の流速が異なる。流速の異なる分析においては、その流速に合わせたセル容量を持つフローセルを使用することにより、最も高感度な検出が可能となるものである。セル容量の変更は、フローセルとして使用するキャピラリーチューブの内径を変更することによって実現できるが、キャピラリーチューブの変更は、キャピラリーチューブの取替えに伴なう光学系の調整を必要とし、極めて高度の調整技術を必要とする。
【0011】
フローセルを使用した検出手段に於いては、一般的にカラムなどの分離手段によって分離された成分が検出部であるフローセル内を通過する際に、拡散現象が発生する。
この拡散は、分析時の流量に対してセル容量が大きい場合に顕著に発生し、この拡散により分離されたピーク(成分)の分離度が低下してしまう。
上記の理由により、フローセル内の容量は、分析時の流量に適した容量をもつフローセルの使用が必須である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の目的は、上記のような問題を解決すべく、複雑な光学調整系を使用する必要のない光学系、高い透過率を持つ光ファイバーを使用し、且、フローセルにはL字型に屈曲させた内径の小さなキャピラリーチューブを使用し、またL字型の屈曲部からフローセルの長軸方向に沿ってレーザー光を照射することにより、キャピラリーチューブの長軸を光路長として用いる事ができ、長軸に沿って発せられる蛍光を効率良く、センサーに導くために、フローセルと平行して集光用のロットレンズを配置し、またフローセル部と制御・光源部、特にそれぞれの筐体を切り離し、光源からのレーザー光は光ファイバーを用いて、そのフローセル部に導き、検出を担う光電子増倍管もフローセル部に配置する。
【0013】
これにより、高励起エネルギーと光路長の延長により、高感度検出が可能になり、フローセル部の切り離しにより装置配置に関らず、最短の配管接続が可能になり、且、必要な部分の取替えだけで各種容量の異なるフローセルを容易に選択、使用でき、更に複雑な光学系を排除することにより低いコスト化及び装置自体の構成の簡略化が可能なレーザー励起蛍光検出器を提供することを目的とする。
【0014】
本発明は、上記課題を解決し目的を達成するため、第一に、励起光発生器により、照射した励起光を、光ファイバーを介して、フローセルの流れ方向に沿って入射させると共に、フローセルにはその流れ方向に平行に蛍光集光レンズを設置し、フローセルより出る蛍光は、光検出部方向に集められ、蛍光集光レンズ方向の蛍光のみ蛍光集光レンズ及びそれと平行して設置したフィルターを介して、光検出部に集光されることを特徴とする蛍光検出装置を提案する。
【0015】
又、第ニに、蛍光集光レンズは、フローセルの流れ方向に設けた一定の長さの光路から発せられた蛍光を線状の集光パターンで光検出部に集光させるレンズであることを特徴とする蛍光検出装置を提案する。
【0016】
又、第三に、蛍光集光レンズは、柱状のレンズであることを特徴とする蛍光検出装置を提案する。
【0017】
又、第四に、蛍光集光レンズは、円柱状レンズであることを特徴とする蛍光検出装置を提案する。
【0018】
又、第五に、蛍光集光レンズは、半円柱形のレンズであることを特徴とする蛍光検出装置を提案する。
【0019】
又、第六に、フローセル部には、その流れ方向に沿って且、光検出部との間にスリット板を設置したことを特徴とする蛍光検出装置を提案する。
【0020】
又、第七に、フローセル部には、その流れに沿って且、光検出部との間に励起光及びノイズとなる蛍光を除去する光学フィルターを設置したことを特徴とする蛍光検出装置を提案する。
【0021】
又、第八に、フローセル部には、光検出部と相対の位置に反射板を設置したことを特徴とする蛍光検出装置を提案する。
【0022】
又、第九に、レーザー発生器により照射される励起光は、レンズを介して光ファイバーの中心部に集中して照射されることを特徴とする蛍光検出装置を提案する。
【0023】
又、第十に、フローセルは、キャピラリーチューブを屈曲して形成したことを特徴とする蛍光検出装置を提案する。
【0024】
又、第十一に、光ファイバーにより照射される励起光は、レンズを介してキャピラリーチューブ屈曲部のキャピラリーチューブ内孔より偏心した焦点に向けられることを特徴とする蛍光検出装置を提案する。
【0025】
又、第十二に、光ファイバーとキャピラリーチューブ間に、レンズを収納したレンズ入れを設け、光ファイバーより照射される励起光を制御自在としたことを特徴とする蛍光検出装置を提案する。
【0026】
又、第十三に、光ファイバーへの励起光の集光は、集光レンズ及びボールレンズを使用することを特徴とする蛍光検出装置を提案する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、励起光を光ファイバーにてフローセルに入射させ、フローセルにはその流れと平行に蛍光集光レンズを設置し、そこより出る蛍光は、該蛍光集光レンズと平行したフィルターを介して、光検出部に集められる如く、フローセル部がコンパクトに形成され且、近接して設けられ、各部の設置交換は容易であるため、検出手段から次の手法に移る過程の流路が短略化でき、デッドボリュームの解消となり、フローセルやその他の必要部分の容易な選択取替ができ、更に複雑な光学系を排除して低コスト化が出来ることになった。
【0028】
本発明によれば、光路長が所望長さに選択設定できることとなり、検出可能な蛍光量が増え、検出感度の向上に資することが出来る。
【0029】
本発明によれば、柱状レンズを蛍光集光レンズとして用いることにより、キャピラリー管のフローセル部分から長軸に亘って発せられる蛍光をスリット板を介して、直線状の集光パターンで集光することが出来る。
【0030】
本発明によれば、スリット板の通孔を通して、キャピラリー管からの長軸に亘り発せられる蛍光を、直線状に集光してフィルター及びセンサーに導くことが出来る。
【0031】
本発明によれば、フローセルに入射された励起光は、放射部分に位置される反射板より光検出部方向に反射され、光検出部方向に集光せしめられ、集光効果を挙げることが出来る。
【0032】
本発明によれば、励起光発生器より光ファイバーにより、照射される励起光はレンズ14より光ファイバー9の中心部に集光されるので、レーザー光は光ファイバーの端面全体に照射され、集光力を増大させることが出来る。
【0033】
本発明によれば、フローセルは、キャピラリーチューブを使用し、且屈曲部を形成してあるため、カラム径のダウンサイズ化が図られ、デッドボリュームを可能な限り小さく出来る。又、キャピラリーチューブの取替えが自在であり、セル容量の変更が自在に出来、分析手法に応じたフローセルの使用が自在である。
【0034】
本発明によれば、レンズ7を介して光ファイバーによりキャピラリーチューブに照射される励起孔は、チューブ内孔より偏心した焦点に向けられることにより、キャピラリー内孔を通過する光量を増加させ、より多くの励起光をキャピラリー中の物質に集光させることが出来る。
【0035】
本発明によれば、極めて簡単な機構により、光ファイバー、レンズ14間及びレンズ14の調整を可能と出来、励起光を制御することが自在となる。
【0036】
本発明によれば、集光レンズにより集光された励起光は、高効率にキャピラリーの内径を通過せしめられ、多くの励起光がキャピラリー中の物質に集光させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明のキャピラリー蛍光検出装置は、フローセル部Aと制御部、光源部を有する装置本体Bをそれぞれ別箇の筐体1A、1Bに配置して構成する。
【0038】
フローセル部Aと制御・光源部を有する装置本体Bは、それぞれを、励起光を導く光ファイバー9とセンサー6からの信号伝達線61のみで連結されている形をとる。これにより、フローセルたるキャピラリーチューブ1の配置の自由度を向上させることが出来るように構成している。
【0039】
フローセル部Aには、キャピラリーチューブ1を筐体1Aに内蔵配置したフローセルユニット1U及び光ファイバー9先端を内蔵配置したレーザー照射ユニット9U、光電子増倍管、フォトダイオード等のセンサー6を内蔵配置したセンサーユニット6Uが含まれ、これらの各ユニットを連結することにより、一体化したフローセル部Aが構成される。
【0040】
それぞれのユニットは、ねじ止めなどの公知手段により筐体1A等に着脱可能としているのがよく、各ユニット単位での交換、着脱が容易にできる構成としている。
又、フローセルユニット1Uに於いては、励起光やノイズ蛍光をカットするためにフィルターも着脱自在に構成されている。
【0041】
種々の分析に於いて、分析流量の変更や励起光波長の変更が行なわれる場合がある。その際、分析流量の変更に於いてはフローセルのセル容量の変更が必要となり、励起光波長の変更に於いては、フィルターの変更が必要となる。
これらの変更の必要性が発生する部材をフローセルユニットに配置することにより、フローセルユニットの変更のみで多様な分析に対応できるように構成している。
流量の変更を行なう場合は、最適なセル容量をもつフローセルユニットに変更し、励起光の変更では、フローセルユニット内のフィルター部分のみを変更することで対応可能である。
【0042】
セル容量の変更に関しては、フローセルとして使用するキャピラリーチューブのみを変更する方法も考えられるが、キャピラリーチューブは外径が0.4mm程度のものを使用する場合もあり、破損の可能性も含め取り扱いには難点がある。又、キャピラリーチューブを光学的に最適な位置に配置する必要もあり、調整には高度な技術を必要とする。
【0043】
そこで、キャピラリーチューブフローセル自体の交換は行なわず、キャピラリーチューブを内蔵したフローセルユニット1Uごとの交換を行なうこととした。
フローセルユニットは、セル容量に係わらず外形を統一し、フィルター部分も統一した形状とすることにより、他のユニットへの接続はセル容量の違い、フィルターの違いに関らず同様に行なえる。
【0044】
又、それぞれのユニットは、それぞれが光学的に最適な位置関係を保った状態で、ユニット単位の分離が可能なため、ユニット単位の交換時の光学調整の手間を減少させることが出来る。
更に、最も光学調整の難しい励起光照射部分に関しては、微調整可能な構造をとることにより、最適化できる構成とした。
この方式により、簡便に各分析手法に最適なレーザー励起蛍光検出を提供することが可能となる。
【0045】
フローセルユニット1Uは、フローセルとして使用されるキャピラリーチューブ1、スリット2、蛍光集光レンズ(柱状レンズ)4を内部に固定可能な構成としている。
【0046】
フローセルユニット1Uには、キャピラリーチューブ1をL字状に屈曲することにより作製したフローセル及び光ファイバー9から照射される励起光を、キャピラリーチューブ1に集光するための平凸レンズ8およびボールレンズ7、キャピラリーチューブ1から発せられる蛍光を集光するためのロッドレンズ4、検出時のノイズ成分と成る励起光やノイズ蛍光を除去するためのフィルター5及びスリット2を含む。
【0047】
内蔵するキャピラリーチューブ(フローセル)1は、加熱などの方法によりL字型もしくはU字型に形成し、フローセルユニット1U内に固定する(図6)。レーザー照射ユニット9Uに対するレンズ入れ71の調整により、光学的な調整が可能なため、フローセル固定位置を厳密に調整する必要はない。
【0048】
スリット2は、フローセル1から発せられる蛍光のうち、柱状レンズ4以外の方向に発せられるものを遮断する目的で設置され、通孔21を有する板状もしくは筒状のものを使用する。
板状の場合は、フローセル1と柱状レンズ4の間に設置し、筒状の場合は、キャピラリーチューブ1をL字型に形成した段階で、キャピラリーチューブ1を筒状スリット2に通し固定する。
スリット2の通孔21は、フローセルから柱状レンズ4を通してセンサー6に至る方向になるように固定する。
【0049】
キャピラリーチューブ(フローセル)1、スリット2、柱状レンズ4の位置は、スリットの通孔21から出た光をもれなくセンサー6に集光させる位置関係であれば良く、厳密な調整は必要としない。スリットの通孔の幅、ボールレンズの径、センサーまでの距離からそれぞれの固定位置は算出可能である。
又、平凸レンズ8及びボールレンズ7は、フローセルユニット1U内に設けた微動調節可能なホルダー11に設置することにより、励起光照射の微調整が可能となる。
【0050】
又、レーザー照射ユニット9Uは、レーザー光発生器12から発せられたレーザー光をフローセルユニット1Uまで導く光ファイバー9を固定する役割を果たし、レーザー照射ユニット9Uをフローセルユニット1Uに固定的に設置することにより、キャピラリーチューブ1の適切な位置に光ファイバー9からの励起光を照射することが可能となる。センサーユニット6Uは、光電子倍増管、フォトダイオード等のセンサー6が内蔵されたユニットであり、フローセルユニット1Uと対向設置することにより、集光された蛍光をセンサー6で感知・検出することが出来る。
【0051】
フローセルユニット1U内に配置されるキャピラリーチューブ1(フローセル)の内径は、10μmから320μメートルのものが使用に適している。
例えば、内径30μmのものを使用した場合、セル容量は約2nLとなり、内径50μmではセル容量約6nL、内径75μmではセル容量約18nL、内径250μmでは容量約250nLとなる。
【0052】
また、装置本体Bには、レーザー光の光源、装置全体の電源、センサー6からの信号を処理する演算部、装置全体の制御部などの装置を内蔵している。
この装置本体B内のレーザー発生器12で発せられたレーザー光は、光ファイバー9により、フローセル部Aに導かれ、これにより励起された蛍光は、センサー6に集光され、この光をセンサー6が感知し、電気的な信号として、演算部を含む装置本体Bに入力される。この得られた検出信号が演算部で処理され、分析データ処理装置に出力される。
【0053】
キャピラリーチューブ1は、フューズドシリカ製その他のキャピラリーチューブを用い、L字状に屈曲させているが、ロッドレンズ4の対応区域の領域1aの先を更に屈曲させてU字型とすることが出来る。キャピラリー管1は、筐体1Aに設けたセル部本体1Uに固定して設置する。
【0054】
4は、ロッド状レンズで、円柱状又は半円柱状に形成され、キャピラリー管1の領域1aに平行に設置され、キャピラリー管1から長軸に亘って発せられる蛍光を、スリット板2の通孔21を通して直線状の集光パターンで集光することが可能で、この直線上の集光をフィルター5を介してセンサー6に導く。
【0055】
5はフィルターで、ロッドレンズ4により、集光された蛍光をセンサー6へ入射させる際に、検出目的の波長の光のみを透過させ、励起光波長やノイズ蛍光をカットすることを目的とする。蛍光に対して、垂直になるように配置する。センサー6は、フィルター5を介してロッドレンズ4に対向して設置され、ロッドレンズ4により集光された目的成分の蛍光を全て検出することが可能な位置に配される。センサー6は、光電子増倍管(PMT)を使用するのが便である。
このフィルター5は、フィルター入れ51に所望数を収納させ、フィルター入れ51はフローセルユニット1Uにネジにより着脱自在とするのが良い。
【0056】
7はボールレンズ、8は平凸レンズで、光ファイバー9の先端に対応設置し、光ファイバー9から出射される励起光を集光させるために必要なレンズで必要により別途形成されるレンズ入れ71に収納固定させるのが良い。
【0057】
このレンズ入れ71は、X軸、Y軸方向に移動調整自在に構成するのが便で、一例としてレンズ入れ71の固定板72に夫々X軸、Y軸方向に向けられた長孔73,73、74,74を設け、螺子75,75、76,76によりレンズいれ71に位置調整できるようにしてある。この点については、レーザー光の処で説明する。
【0058】
制御光源部本体Bには、電源10、その制御部11、レーザー発生器12、レーザーコントローラー13を備え、レーザー発生器12には平凸レンズ14を介して、光ファイバー9の一端を接続してある。
【0059】
また、センサー6により、検出された蛍光強度を測定、演算し、データ解析装置に出力する行程やレーザーコントローラー13の制御を行ない、装置全体の統合を行なう制御部を含む。
【0060】
更に、該制御光源部本体Bとフローセル部Aとは、レーザー光を伝播する光ファイバー9および光電子増倍管6からの検出信号を受け取る信号伝達線61で連結されている。
【0061】
この光ファイバー9は、レーザー発生器12から発生する励起光(レーザー光)を伝播する。励起光に対して、高い透過率を維持し、レーザー光のエネルギーの減衰なく、キャピラリー1にレーザー光を入射させることが出来る。
【0062】
励起光は、L字型キャピラリーの屈曲部の屈曲終了部分からキャピラリーの長軸に沿って入射(照射)され、キャピラリー内の蛍光物質を励起する。キャピラリーチューブに沿って励起光を照射する事により、キャピラリーの内径全般がフローセルとなりえるため、理論的には励起光の伝播するキャピラリーチューブの領域すべてがフローセルの光路長となり、光路長を長く持つことが出来る。
【0063】
以下、レーザー光について説明する。
レーザー発生器12からのレーザー光は、ほぼ平行光で出射されている。これを平凸レンズ14を用いて、光ファイバー9の端面全体に照射されるように集光する。このためには、平凸レンズ14による焦点16をファイバー9の端面たる入射面91に位置するのではなく、焦点16をファイバー端面の入射面91の内側に位置させるようにレンズ、ファイバー間の距離を調節する(図10)か、もしくは、ファイバー端面たる入射面91以前に焦点16を位置させるように、レンズ、ファイバー間の距離を調節する(図11)事により、ファイバー束を無駄なく使用することが出来る。
【0064】
これらの検証には、光ファイバー9の持つ固有仕様から算出される理論計算上の透過率と実測値を比較しながら、レンズ、ファイバー間の距離を調整するのが良い。このレンズ14、ファイバー9間の調整は、平凸レンズ14を公知の移動機構により行なうことが出来る。この移動機構としては、平凸レンズ14を設置したレンズ入れを、X軸、Y軸方向に設置したネジ軸に係合させる構造を前述してある。
【0065】
光ファイバー9内を伝播したレーザー光15は、光ファイバー9固有の開口数に応じて、一定の拡がり角を持って出射される。この拡がり角のある出射光を平凸レンズ17を使用して平行光に変換する。平行光に変換されたレーザー光は、集光能力の高いボールレンズ18により集光され、L字型キャピラリー1屈曲部の最適位置に入射され、フローセル内の物質の励起を担う(図13)。
【0066】
ボールレンズ18により集光されたレーザー光15は、キャピラリーチューブ1に入射されるが、この最適位置の調整により、高効率にキャピラリーの内径にレーザー光を通すことが可能になる。
【0067】
具体的には、集光の焦点をキャピラリー1の内孔100(筒の中)の中心Xに位置させるのではなく、屈曲終了部101の外側のキャピラリー壁102内に焦点103を位置させることにより、キャピラリー内孔100を通過する光量が増加し、より多くの励起光がキャピラリー1内を移動している物質に集光させることが出来る。
【0068】
【非特許文献1】Analytical Chemistry,1993,Vol.65,34543459 Optical improvements of a Z-shaped cell for high-sensitivity UV absorbance detection in capillary electrophoresis
【0069】
励起された蛍光は、フローセルから無指向性に発せられる。これらの蛍光をキャピラリーのフローセル方向と平行して配置した光電子増倍管やフォトダイオードなどのセンサーにて検出する。発せられる蛍光は、無指向性であるため、検出感度を向上させるためには、発せられる蛍光を光電子増倍管6に集光させることが必要になる。
【0070】
センサー6への集光手段の1つとしては、レンズによる集光がある。本発明では、キャピラリー1の長軸がフローセルとなるため、励起光が到達する領域のキャピラリー全体から蛍光が発せられる。この光をセンサー6に効率良く集光するためには、従来使用されている単焦点の凸レンズではなく、ロッドレンズ4と称される円柱形のレンズが適当である。この円柱形のレンズは、円柱形、半円柱形を含む。このロッドレンズ4により、キャピラリーチューブ1の長軸に沿って発せられた蛍光を、直線状の集光パターンとしてセンサー6に集光させる事が出来る。これにより、長い光路長から発せられる蛍光を無駄なくセンサー6にて検出することが可能となる。又、ロッドレンズ4での集光の過程に、励起光波長をカットする光学的フィルター5やノイズ蛍光をカットするフィルター5を配置することにより、ノイズの原因となる光のセンサー6への迷入を抑制し、ノイズレベルの低い、高感度な検出が可能になる。
【実施例1】
【0071】
本実施例に使用したレーザー励起蛍光検出器の構成は、下記の通りである。
装置本体に配置したレーザー発生器には、波長266nmの紫外光レーザーを発生するものを使用した。制御・光源部からフローセル部までレーザー光を伝播する光ファイバーには、コア径115μm、クラッド径125μmで、266nmの波長の紫外光に対して、高い透過率も持つものを使用した。
フローセルとなるキャピラリーチューブには、内径75μm、外形375μmのフューズドシリカ製のものを使用し、キャピラリーをL字に曲げたときの局率半径はR<1.0mmとし、蛍光を集光できる範囲の内容量には(セル容量)は、約18nL(光路長4mm)とした。キャピラリーとロッドレンズの間のスリットには0.3mm×4mmのスリットを置き、ノイズとなる蛍光を除去した。フローセルからの蛍光を集光するロッドレンズには、3mm×6mm(サファイア製)の円柱状のレンズを使用した。集光した蛍光は、フィルターを通りノイズ成分となる蛍光を除去し、目的成分の蛍光のみを光電子増倍管を用いて検出を行なった。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明一実施例概略説明ブロック図
【図2】同上一要部拡大説明図
【図3】同上一要部拡大説明図
【図4】同上一要部拡大分解説明図
【図5】同上一要部交換説明図
【図6】同上一要部拡大説明図
【図7】同上一要部組立説明図
【図8】同上一要部交換説明図
【図9】同上一要部調整説明図
【図10】同上一要部作動説明図
【図11】同上一要部作動説明図
【図12】同上要部作動説明図
【図13】同上要部作動説明図
【図14】同上要部作動説明図
【符号の説明】
【0073】
1 キャピラリー管
2 スリット
3 セル部本体
4 ロッドレンズ
5 フィルター
6 センサー
7 ボールレンズ
8 平凸レンズ
9 光ファイバー
10 電源
11 制御部
12 レーザー発生器
13 レーザーコントローラー
14 平凸レンズ
15 レーザー光
16 焦点
17 平凸レンズ
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、微量成分の高感度分析の必要性が求められている。高感度分析の方法として、分析カラムの微細化および流量の低下に伴うダウンサイジングによる手法が進められてきている。更に、ダウンサイジングに対応した高感度な検出器の必要性が求められる中、より高感度検出が可能な検出器として、レーザー励起蛍光検出器が使用されるようになってきた。
【0003】
従来のレーザー励起蛍光検出器は、キャピラリーに蛍光サンプルを流して、励起光を集光レンズにより集光しながらフローセル部の長軸方向に垂直に照射させ、蛍光物質に蛍光を発生させる。その蛍光を集光レンズにて集光し、集光された蛍光をフィルターを透過させ、ノイズを除去し、目的成分の蛍光のみを光検出部により検出する構成で、所謂オンカラム検出方式である。この方式に於いては、光路長がキャピラリーの内径に依存し、検出可能な蛍光量が少なく、またそれを増やすことが難しく検出感度に限界があった。しかも、従来方式では、キャピラリーチューブフローセルの長軸と垂直方向から、キャピラリーの内径に正確に励起光を集光させる必要があるため、高度な光学系の調整技術を必要とする。
又、従来のオンカラム方式では、励起光をフローセルの長軸方向に垂直に照射するため、光路長がフローセルの内径となってしまうため、光路長が短く、発せられる蛍光量も少なくなってしまう。蛍光量の減少は検出感度の低下を示し、微量分析が困難となる。
更に、キャピラリーの内径に励起光を集光するためには、高集光能力のある対物レンズを使用する必要がある。このようなレンズは一般的に高価であり、装置自体の価格も高価になってしまう。
【0004】
これに対し、光路長を長くすることで蛍光量を増やし、検出感度を向上させるために、キャピラリーチューブをU字、Z字に屈曲した構成が提案されている。
さらに、対物レンズの代わりに集光能力の高いボールレンズを使用することで、対物レンズに比べ調整の精度が緩やかで、安価な装置系の構成が提案されている。
【0005】
例えば、特許第3186375号(特許文献2)の発明に於いて、Zセルの入射屈曲部に入力ビームがキャピラリーの通孔に露光光の平行線で満たされるように、入射屈曲部での入射地点に於ける入射ビームの直径や入射ビームの方向、入射ビームの平行度を最適化するセルが提案され、特開2006−267597号公報(特許文献3)の発明に於いては、屈曲部の曲率半径を2mm未満にし、検知感度を向上させようとしている。何れにしても、屈曲部からの透過光を他の屈曲部への流路方向に照射する効率を上げるための構成を提案しているものである。
【0006】
又、前者に於いて、更にZセルの入射屈曲部に正確に入射光を当てるために、球レンズを正確に配列させるキャピラリーレンズホルダーを設けた構成が提案されている。
【0007】
【特許文献1】米国特許第5926271号公報(特表2002−541454)
【特許文献2】特許第3186375号
【特許文献3】特開2006−267597号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらの提案により、光路長を長くする点に於いて進歩をしているが、従来、高度な光学系の調整を維持するために、セル部も装置内に組み込み、固定する必要があった。
しかし、カラム径の微細化によるダウンサイジングに於いて、カラム・フローセル部間の配管の体積がデットボリュームとなり、分析結果に悪影響を及ぼすことが分かっているので、可能な限りデットボリュームを小さくする必要性がある。又、レーザー励起蛍光検出器を質量分析計の前に直結し、モニタリングを行なうシステムがあるが、この検出器間の配管体積がデットボリュームとなる。
この際、従来の装置筐体部にフローセルが組み込まれている装置では、内容量の少ないフローセルを用いていても、装置間を連結する配管を短くすることは物理的に困難である。
【0009】
又、液体クロマトグラフィーに於いては、分析手法に応じて使用するカラム径・流体の流量が異なる。そのため、カラム径・流量に合わせたセル容量を持つフローセルを使用する必要がある。セル容量の変更は、フローセルとして使用するキャピラリーチューブの内径を変更することによって実現できるが、キャピラリーチューブの変更は、キャピラリーチューブの取り替えに伴う光学系の調整を必要とし、極めて高度の調整技術を必要とする。
近年、LC−MSやキャピラリー電気泳動−MS、多次元LCなどの普及により、第1の検出手段の後に、再度分離や検出を行なうという手法が用いられる機会が多くなっている。これを行なう場合、第1の検出手段から次の手法までに移る過程の流路は、分析・検出におけるデットボリュームとなる。装置筐体にフローセル部が組み込まれている状態では、フローセルとして内容量の少ないものを用いていても、装置間を連結する配管を短くすることは物理的に不可能になる。
【0010】
また、液体クロマトグラフィにおいては、分析手法に応じて使用する流体の流速が異なる。流速の異なる分析においては、その流速に合わせたセル容量を持つフローセルを使用することにより、最も高感度な検出が可能となるものである。セル容量の変更は、フローセルとして使用するキャピラリーチューブの内径を変更することによって実現できるが、キャピラリーチューブの変更は、キャピラリーチューブの取替えに伴なう光学系の調整を必要とし、極めて高度の調整技術を必要とする。
【0011】
フローセルを使用した検出手段に於いては、一般的にカラムなどの分離手段によって分離された成分が検出部であるフローセル内を通過する際に、拡散現象が発生する。
この拡散は、分析時の流量に対してセル容量が大きい場合に顕著に発生し、この拡散により分離されたピーク(成分)の分離度が低下してしまう。
上記の理由により、フローセル内の容量は、分析時の流量に適した容量をもつフローセルの使用が必須である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の目的は、上記のような問題を解決すべく、複雑な光学調整系を使用する必要のない光学系、高い透過率を持つ光ファイバーを使用し、且、フローセルにはL字型に屈曲させた内径の小さなキャピラリーチューブを使用し、またL字型の屈曲部からフローセルの長軸方向に沿ってレーザー光を照射することにより、キャピラリーチューブの長軸を光路長として用いる事ができ、長軸に沿って発せられる蛍光を効率良く、センサーに導くために、フローセルと平行して集光用のロットレンズを配置し、またフローセル部と制御・光源部、特にそれぞれの筐体を切り離し、光源からのレーザー光は光ファイバーを用いて、そのフローセル部に導き、検出を担う光電子増倍管もフローセル部に配置する。
【0013】
これにより、高励起エネルギーと光路長の延長により、高感度検出が可能になり、フローセル部の切り離しにより装置配置に関らず、最短の配管接続が可能になり、且、必要な部分の取替えだけで各種容量の異なるフローセルを容易に選択、使用でき、更に複雑な光学系を排除することにより低いコスト化及び装置自体の構成の簡略化が可能なレーザー励起蛍光検出器を提供することを目的とする。
【0014】
本発明は、上記課題を解決し目的を達成するため、第一に、励起光発生器により、照射した励起光を、光ファイバーを介して、フローセルの流れ方向に沿って入射させると共に、フローセルにはその流れ方向に平行に蛍光集光レンズを設置し、フローセルより出る蛍光は、光検出部方向に集められ、蛍光集光レンズ方向の蛍光のみ蛍光集光レンズ及びそれと平行して設置したフィルターを介して、光検出部に集光されることを特徴とする蛍光検出装置を提案する。
【0015】
又、第ニに、蛍光集光レンズは、フローセルの流れ方向に設けた一定の長さの光路から発せられた蛍光を線状の集光パターンで光検出部に集光させるレンズであることを特徴とする蛍光検出装置を提案する。
【0016】
又、第三に、蛍光集光レンズは、柱状のレンズであることを特徴とする蛍光検出装置を提案する。
【0017】
又、第四に、蛍光集光レンズは、円柱状レンズであることを特徴とする蛍光検出装置を提案する。
【0018】
又、第五に、蛍光集光レンズは、半円柱形のレンズであることを特徴とする蛍光検出装置を提案する。
【0019】
又、第六に、フローセル部には、その流れ方向に沿って且、光検出部との間にスリット板を設置したことを特徴とする蛍光検出装置を提案する。
【0020】
又、第七に、フローセル部には、その流れに沿って且、光検出部との間に励起光及びノイズとなる蛍光を除去する光学フィルターを設置したことを特徴とする蛍光検出装置を提案する。
【0021】
又、第八に、フローセル部には、光検出部と相対の位置に反射板を設置したことを特徴とする蛍光検出装置を提案する。
【0022】
又、第九に、レーザー発生器により照射される励起光は、レンズを介して光ファイバーの中心部に集中して照射されることを特徴とする蛍光検出装置を提案する。
【0023】
又、第十に、フローセルは、キャピラリーチューブを屈曲して形成したことを特徴とする蛍光検出装置を提案する。
【0024】
又、第十一に、光ファイバーにより照射される励起光は、レンズを介してキャピラリーチューブ屈曲部のキャピラリーチューブ内孔より偏心した焦点に向けられることを特徴とする蛍光検出装置を提案する。
【0025】
又、第十二に、光ファイバーとキャピラリーチューブ間に、レンズを収納したレンズ入れを設け、光ファイバーより照射される励起光を制御自在としたことを特徴とする蛍光検出装置を提案する。
【0026】
又、第十三に、光ファイバーへの励起光の集光は、集光レンズ及びボールレンズを使用することを特徴とする蛍光検出装置を提案する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、励起光を光ファイバーにてフローセルに入射させ、フローセルにはその流れと平行に蛍光集光レンズを設置し、そこより出る蛍光は、該蛍光集光レンズと平行したフィルターを介して、光検出部に集められる如く、フローセル部がコンパクトに形成され且、近接して設けられ、各部の設置交換は容易であるため、検出手段から次の手法に移る過程の流路が短略化でき、デッドボリュームの解消となり、フローセルやその他の必要部分の容易な選択取替ができ、更に複雑な光学系を排除して低コスト化が出来ることになった。
【0028】
本発明によれば、光路長が所望長さに選択設定できることとなり、検出可能な蛍光量が増え、検出感度の向上に資することが出来る。
【0029】
本発明によれば、柱状レンズを蛍光集光レンズとして用いることにより、キャピラリー管のフローセル部分から長軸に亘って発せられる蛍光をスリット板を介して、直線状の集光パターンで集光することが出来る。
【0030】
本発明によれば、スリット板の通孔を通して、キャピラリー管からの長軸に亘り発せられる蛍光を、直線状に集光してフィルター及びセンサーに導くことが出来る。
【0031】
本発明によれば、フローセルに入射された励起光は、放射部分に位置される反射板より光検出部方向に反射され、光検出部方向に集光せしめられ、集光効果を挙げることが出来る。
【0032】
本発明によれば、励起光発生器より光ファイバーにより、照射される励起光はレンズ14より光ファイバー9の中心部に集光されるので、レーザー光は光ファイバーの端面全体に照射され、集光力を増大させることが出来る。
【0033】
本発明によれば、フローセルは、キャピラリーチューブを使用し、且屈曲部を形成してあるため、カラム径のダウンサイズ化が図られ、デッドボリュームを可能な限り小さく出来る。又、キャピラリーチューブの取替えが自在であり、セル容量の変更が自在に出来、分析手法に応じたフローセルの使用が自在である。
【0034】
本発明によれば、レンズ7を介して光ファイバーによりキャピラリーチューブに照射される励起孔は、チューブ内孔より偏心した焦点に向けられることにより、キャピラリー内孔を通過する光量を増加させ、より多くの励起光をキャピラリー中の物質に集光させることが出来る。
【0035】
本発明によれば、極めて簡単な機構により、光ファイバー、レンズ14間及びレンズ14の調整を可能と出来、励起光を制御することが自在となる。
【0036】
本発明によれば、集光レンズにより集光された励起光は、高効率にキャピラリーの内径を通過せしめられ、多くの励起光がキャピラリー中の物質に集光させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明のキャピラリー蛍光検出装置は、フローセル部Aと制御部、光源部を有する装置本体Bをそれぞれ別箇の筐体1A、1Bに配置して構成する。
【0038】
フローセル部Aと制御・光源部を有する装置本体Bは、それぞれを、励起光を導く光ファイバー9とセンサー6からの信号伝達線61のみで連結されている形をとる。これにより、フローセルたるキャピラリーチューブ1の配置の自由度を向上させることが出来るように構成している。
【0039】
フローセル部Aには、キャピラリーチューブ1を筐体1Aに内蔵配置したフローセルユニット1U及び光ファイバー9先端を内蔵配置したレーザー照射ユニット9U、光電子増倍管、フォトダイオード等のセンサー6を内蔵配置したセンサーユニット6Uが含まれ、これらの各ユニットを連結することにより、一体化したフローセル部Aが構成される。
【0040】
それぞれのユニットは、ねじ止めなどの公知手段により筐体1A等に着脱可能としているのがよく、各ユニット単位での交換、着脱が容易にできる構成としている。
又、フローセルユニット1Uに於いては、励起光やノイズ蛍光をカットするためにフィルターも着脱自在に構成されている。
【0041】
種々の分析に於いて、分析流量の変更や励起光波長の変更が行なわれる場合がある。その際、分析流量の変更に於いてはフローセルのセル容量の変更が必要となり、励起光波長の変更に於いては、フィルターの変更が必要となる。
これらの変更の必要性が発生する部材をフローセルユニットに配置することにより、フローセルユニットの変更のみで多様な分析に対応できるように構成している。
流量の変更を行なう場合は、最適なセル容量をもつフローセルユニットに変更し、励起光の変更では、フローセルユニット内のフィルター部分のみを変更することで対応可能である。
【0042】
セル容量の変更に関しては、フローセルとして使用するキャピラリーチューブのみを変更する方法も考えられるが、キャピラリーチューブは外径が0.4mm程度のものを使用する場合もあり、破損の可能性も含め取り扱いには難点がある。又、キャピラリーチューブを光学的に最適な位置に配置する必要もあり、調整には高度な技術を必要とする。
【0043】
そこで、キャピラリーチューブフローセル自体の交換は行なわず、キャピラリーチューブを内蔵したフローセルユニット1Uごとの交換を行なうこととした。
フローセルユニットは、セル容量に係わらず外形を統一し、フィルター部分も統一した形状とすることにより、他のユニットへの接続はセル容量の違い、フィルターの違いに関らず同様に行なえる。
【0044】
又、それぞれのユニットは、それぞれが光学的に最適な位置関係を保った状態で、ユニット単位の分離が可能なため、ユニット単位の交換時の光学調整の手間を減少させることが出来る。
更に、最も光学調整の難しい励起光照射部分に関しては、微調整可能な構造をとることにより、最適化できる構成とした。
この方式により、簡便に各分析手法に最適なレーザー励起蛍光検出を提供することが可能となる。
【0045】
フローセルユニット1Uは、フローセルとして使用されるキャピラリーチューブ1、スリット2、蛍光集光レンズ(柱状レンズ)4を内部に固定可能な構成としている。
【0046】
フローセルユニット1Uには、キャピラリーチューブ1をL字状に屈曲することにより作製したフローセル及び光ファイバー9から照射される励起光を、キャピラリーチューブ1に集光するための平凸レンズ8およびボールレンズ7、キャピラリーチューブ1から発せられる蛍光を集光するためのロッドレンズ4、検出時のノイズ成分と成る励起光やノイズ蛍光を除去するためのフィルター5及びスリット2を含む。
【0047】
内蔵するキャピラリーチューブ(フローセル)1は、加熱などの方法によりL字型もしくはU字型に形成し、フローセルユニット1U内に固定する(図6)。レーザー照射ユニット9Uに対するレンズ入れ71の調整により、光学的な調整が可能なため、フローセル固定位置を厳密に調整する必要はない。
【0048】
スリット2は、フローセル1から発せられる蛍光のうち、柱状レンズ4以外の方向に発せられるものを遮断する目的で設置され、通孔21を有する板状もしくは筒状のものを使用する。
板状の場合は、フローセル1と柱状レンズ4の間に設置し、筒状の場合は、キャピラリーチューブ1をL字型に形成した段階で、キャピラリーチューブ1を筒状スリット2に通し固定する。
スリット2の通孔21は、フローセルから柱状レンズ4を通してセンサー6に至る方向になるように固定する。
【0049】
キャピラリーチューブ(フローセル)1、スリット2、柱状レンズ4の位置は、スリットの通孔21から出た光をもれなくセンサー6に集光させる位置関係であれば良く、厳密な調整は必要としない。スリットの通孔の幅、ボールレンズの径、センサーまでの距離からそれぞれの固定位置は算出可能である。
又、平凸レンズ8及びボールレンズ7は、フローセルユニット1U内に設けた微動調節可能なホルダー11に設置することにより、励起光照射の微調整が可能となる。
【0050】
又、レーザー照射ユニット9Uは、レーザー光発生器12から発せられたレーザー光をフローセルユニット1Uまで導く光ファイバー9を固定する役割を果たし、レーザー照射ユニット9Uをフローセルユニット1Uに固定的に設置することにより、キャピラリーチューブ1の適切な位置に光ファイバー9からの励起光を照射することが可能となる。センサーユニット6Uは、光電子倍増管、フォトダイオード等のセンサー6が内蔵されたユニットであり、フローセルユニット1Uと対向設置することにより、集光された蛍光をセンサー6で感知・検出することが出来る。
【0051】
フローセルユニット1U内に配置されるキャピラリーチューブ1(フローセル)の内径は、10μmから320μメートルのものが使用に適している。
例えば、内径30μmのものを使用した場合、セル容量は約2nLとなり、内径50μmではセル容量約6nL、内径75μmではセル容量約18nL、内径250μmでは容量約250nLとなる。
【0052】
また、装置本体Bには、レーザー光の光源、装置全体の電源、センサー6からの信号を処理する演算部、装置全体の制御部などの装置を内蔵している。
この装置本体B内のレーザー発生器12で発せられたレーザー光は、光ファイバー9により、フローセル部Aに導かれ、これにより励起された蛍光は、センサー6に集光され、この光をセンサー6が感知し、電気的な信号として、演算部を含む装置本体Bに入力される。この得られた検出信号が演算部で処理され、分析データ処理装置に出力される。
【0053】
キャピラリーチューブ1は、フューズドシリカ製その他のキャピラリーチューブを用い、L字状に屈曲させているが、ロッドレンズ4の対応区域の領域1aの先を更に屈曲させてU字型とすることが出来る。キャピラリー管1は、筐体1Aに設けたセル部本体1Uに固定して設置する。
【0054】
4は、ロッド状レンズで、円柱状又は半円柱状に形成され、キャピラリー管1の領域1aに平行に設置され、キャピラリー管1から長軸に亘って発せられる蛍光を、スリット板2の通孔21を通して直線状の集光パターンで集光することが可能で、この直線上の集光をフィルター5を介してセンサー6に導く。
【0055】
5はフィルターで、ロッドレンズ4により、集光された蛍光をセンサー6へ入射させる際に、検出目的の波長の光のみを透過させ、励起光波長やノイズ蛍光をカットすることを目的とする。蛍光に対して、垂直になるように配置する。センサー6は、フィルター5を介してロッドレンズ4に対向して設置され、ロッドレンズ4により集光された目的成分の蛍光を全て検出することが可能な位置に配される。センサー6は、光電子増倍管(PMT)を使用するのが便である。
このフィルター5は、フィルター入れ51に所望数を収納させ、フィルター入れ51はフローセルユニット1Uにネジにより着脱自在とするのが良い。
【0056】
7はボールレンズ、8は平凸レンズで、光ファイバー9の先端に対応設置し、光ファイバー9から出射される励起光を集光させるために必要なレンズで必要により別途形成されるレンズ入れ71に収納固定させるのが良い。
【0057】
このレンズ入れ71は、X軸、Y軸方向に移動調整自在に構成するのが便で、一例としてレンズ入れ71の固定板72に夫々X軸、Y軸方向に向けられた長孔73,73、74,74を設け、螺子75,75、76,76によりレンズいれ71に位置調整できるようにしてある。この点については、レーザー光の処で説明する。
【0058】
制御光源部本体Bには、電源10、その制御部11、レーザー発生器12、レーザーコントローラー13を備え、レーザー発生器12には平凸レンズ14を介して、光ファイバー9の一端を接続してある。
【0059】
また、センサー6により、検出された蛍光強度を測定、演算し、データ解析装置に出力する行程やレーザーコントローラー13の制御を行ない、装置全体の統合を行なう制御部を含む。
【0060】
更に、該制御光源部本体Bとフローセル部Aとは、レーザー光を伝播する光ファイバー9および光電子増倍管6からの検出信号を受け取る信号伝達線61で連結されている。
【0061】
この光ファイバー9は、レーザー発生器12から発生する励起光(レーザー光)を伝播する。励起光に対して、高い透過率を維持し、レーザー光のエネルギーの減衰なく、キャピラリー1にレーザー光を入射させることが出来る。
【0062】
励起光は、L字型キャピラリーの屈曲部の屈曲終了部分からキャピラリーの長軸に沿って入射(照射)され、キャピラリー内の蛍光物質を励起する。キャピラリーチューブに沿って励起光を照射する事により、キャピラリーの内径全般がフローセルとなりえるため、理論的には励起光の伝播するキャピラリーチューブの領域すべてがフローセルの光路長となり、光路長を長く持つことが出来る。
【0063】
以下、レーザー光について説明する。
レーザー発生器12からのレーザー光は、ほぼ平行光で出射されている。これを平凸レンズ14を用いて、光ファイバー9の端面全体に照射されるように集光する。このためには、平凸レンズ14による焦点16をファイバー9の端面たる入射面91に位置するのではなく、焦点16をファイバー端面の入射面91の内側に位置させるようにレンズ、ファイバー間の距離を調節する(図10)か、もしくは、ファイバー端面たる入射面91以前に焦点16を位置させるように、レンズ、ファイバー間の距離を調節する(図11)事により、ファイバー束を無駄なく使用することが出来る。
【0064】
これらの検証には、光ファイバー9の持つ固有仕様から算出される理論計算上の透過率と実測値を比較しながら、レンズ、ファイバー間の距離を調整するのが良い。このレンズ14、ファイバー9間の調整は、平凸レンズ14を公知の移動機構により行なうことが出来る。この移動機構としては、平凸レンズ14を設置したレンズ入れを、X軸、Y軸方向に設置したネジ軸に係合させる構造を前述してある。
【0065】
光ファイバー9内を伝播したレーザー光15は、光ファイバー9固有の開口数に応じて、一定の拡がり角を持って出射される。この拡がり角のある出射光を平凸レンズ17を使用して平行光に変換する。平行光に変換されたレーザー光は、集光能力の高いボールレンズ18により集光され、L字型キャピラリー1屈曲部の最適位置に入射され、フローセル内の物質の励起を担う(図13)。
【0066】
ボールレンズ18により集光されたレーザー光15は、キャピラリーチューブ1に入射されるが、この最適位置の調整により、高効率にキャピラリーの内径にレーザー光を通すことが可能になる。
【0067】
具体的には、集光の焦点をキャピラリー1の内孔100(筒の中)の中心Xに位置させるのではなく、屈曲終了部101の外側のキャピラリー壁102内に焦点103を位置させることにより、キャピラリー内孔100を通過する光量が増加し、より多くの励起光がキャピラリー1内を移動している物質に集光させることが出来る。
【0068】
【非特許文献1】Analytical Chemistry,1993,Vol.65,34543459 Optical improvements of a Z-shaped cell for high-sensitivity UV absorbance detection in capillary electrophoresis
【0069】
励起された蛍光は、フローセルから無指向性に発せられる。これらの蛍光をキャピラリーのフローセル方向と平行して配置した光電子増倍管やフォトダイオードなどのセンサーにて検出する。発せられる蛍光は、無指向性であるため、検出感度を向上させるためには、発せられる蛍光を光電子増倍管6に集光させることが必要になる。
【0070】
センサー6への集光手段の1つとしては、レンズによる集光がある。本発明では、キャピラリー1の長軸がフローセルとなるため、励起光が到達する領域のキャピラリー全体から蛍光が発せられる。この光をセンサー6に効率良く集光するためには、従来使用されている単焦点の凸レンズではなく、ロッドレンズ4と称される円柱形のレンズが適当である。この円柱形のレンズは、円柱形、半円柱形を含む。このロッドレンズ4により、キャピラリーチューブ1の長軸に沿って発せられた蛍光を、直線状の集光パターンとしてセンサー6に集光させる事が出来る。これにより、長い光路長から発せられる蛍光を無駄なくセンサー6にて検出することが可能となる。又、ロッドレンズ4での集光の過程に、励起光波長をカットする光学的フィルター5やノイズ蛍光をカットするフィルター5を配置することにより、ノイズの原因となる光のセンサー6への迷入を抑制し、ノイズレベルの低い、高感度な検出が可能になる。
【実施例1】
【0071】
本実施例に使用したレーザー励起蛍光検出器の構成は、下記の通りである。
装置本体に配置したレーザー発生器には、波長266nmの紫外光レーザーを発生するものを使用した。制御・光源部からフローセル部までレーザー光を伝播する光ファイバーには、コア径115μm、クラッド径125μmで、266nmの波長の紫外光に対して、高い透過率も持つものを使用した。
フローセルとなるキャピラリーチューブには、内径75μm、外形375μmのフューズドシリカ製のものを使用し、キャピラリーをL字に曲げたときの局率半径はR<1.0mmとし、蛍光を集光できる範囲の内容量には(セル容量)は、約18nL(光路長4mm)とした。キャピラリーとロッドレンズの間のスリットには0.3mm×4mmのスリットを置き、ノイズとなる蛍光を除去した。フローセルからの蛍光を集光するロッドレンズには、3mm×6mm(サファイア製)の円柱状のレンズを使用した。集光した蛍光は、フィルターを通りノイズ成分となる蛍光を除去し、目的成分の蛍光のみを光電子増倍管を用いて検出を行なった。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明一実施例概略説明ブロック図
【図2】同上一要部拡大説明図
【図3】同上一要部拡大説明図
【図4】同上一要部拡大分解説明図
【図5】同上一要部交換説明図
【図6】同上一要部拡大説明図
【図7】同上一要部組立説明図
【図8】同上一要部交換説明図
【図9】同上一要部調整説明図
【図10】同上一要部作動説明図
【図11】同上一要部作動説明図
【図12】同上要部作動説明図
【図13】同上要部作動説明図
【図14】同上要部作動説明図
【符号の説明】
【0073】
1 キャピラリー管
2 スリット
3 セル部本体
4 ロッドレンズ
5 フィルター
6 センサー
7 ボールレンズ
8 平凸レンズ
9 光ファイバー
10 電源
11 制御部
12 レーザー発生器
13 レーザーコントローラー
14 平凸レンズ
15 レーザー光
16 焦点
17 平凸レンズ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光発生器により、照射した励起光を、光ファイバーを介して、フローセルの流れ方向に沿って入射させると共に、フローセルにはその流れ方向に平行に蛍光集光レンズを設置し、フローセルより出る蛍光は、光検出部方向に集められ、蛍光集光レンズ方向の蛍光のみを蛍光集光レンズ及びそれと平行して設置したフィルターを介して、光検出部に集光されることを特徴とする蛍光検出装置。
【請求項2】
蛍光集光レンズは、フローセルの流れ方向に設けた一定の長さの光路から発せられた蛍光を線状の集光パターンで光検出部に集光させるレンズであることを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出装置。
【請求項3】
蛍光集光レンズは、柱状のレンズであることを特徴とする請求項1又は2記載の蛍光検出装置。
【請求項4】
蛍光集光レンズは、円柱状レンズであることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の蛍光検出装置。
【請求項5】
蛍光集光レンズは、半円柱形のレンズであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の蛍光検出装置。
【請求項6】
フローセル部には、その流れ方向に沿って且、光検出部との間にスリット板を設置したことを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出装置。
【請求項7】
フローセル部には、その流れに沿って且、光検出部との間に励起光及びノイズとなる蛍光を除去する光学フィルターを設置したことを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出装置。
【請求項8】
フローセル部には、光検出部と相対の位置に反射板を設置したことを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出装置。
【請求項9】
レーザー発生器により照射される励起光は、レンズを介して光ファイバーの中心部に集中して照射されることを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出装置。
【請求項10】
フローセルは、キャピラリーチューブを屈曲して形成したことを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出装置。
【請求項11】
光ファイバーにより照射される励起光は、レンズを介してキャピラリーチューブ屈曲部のキャピラリーチューブ内孔より偏心した焦点に向けられることを特徴とする請求項9に記載の蛍光検出装置。
【請求項12】
光ファイバーとキャピラリーチューブ間に、レンズを収納したレンズ入れを設け、光ファイバーより照射される励起光を制御自在としたことを特徴とする請求項9に記載の蛍光検出装置。
【請求項13】
光ファイバーへの励起光の集光は、集光レンズ及びボールレンズを使用することを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出装置。
【請求項1】
励起光発生器により、照射した励起光を、光ファイバーを介して、フローセルの流れ方向に沿って入射させると共に、フローセルにはその流れ方向に平行に蛍光集光レンズを設置し、フローセルより出る蛍光は、光検出部方向に集められ、蛍光集光レンズ方向の蛍光のみを蛍光集光レンズ及びそれと平行して設置したフィルターを介して、光検出部に集光されることを特徴とする蛍光検出装置。
【請求項2】
蛍光集光レンズは、フローセルの流れ方向に設けた一定の長さの光路から発せられた蛍光を線状の集光パターンで光検出部に集光させるレンズであることを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出装置。
【請求項3】
蛍光集光レンズは、柱状のレンズであることを特徴とする請求項1又は2記載の蛍光検出装置。
【請求項4】
蛍光集光レンズは、円柱状レンズであることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の蛍光検出装置。
【請求項5】
蛍光集光レンズは、半円柱形のレンズであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の蛍光検出装置。
【請求項6】
フローセル部には、その流れ方向に沿って且、光検出部との間にスリット板を設置したことを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出装置。
【請求項7】
フローセル部には、その流れに沿って且、光検出部との間に励起光及びノイズとなる蛍光を除去する光学フィルターを設置したことを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出装置。
【請求項8】
フローセル部には、光検出部と相対の位置に反射板を設置したことを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出装置。
【請求項9】
レーザー発生器により照射される励起光は、レンズを介して光ファイバーの中心部に集中して照射されることを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出装置。
【請求項10】
フローセルは、キャピラリーチューブを屈曲して形成したことを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出装置。
【請求項11】
光ファイバーにより照射される励起光は、レンズを介してキャピラリーチューブ屈曲部のキャピラリーチューブ内孔より偏心した焦点に向けられることを特徴とする請求項9に記載の蛍光検出装置。
【請求項12】
光ファイバーとキャピラリーチューブ間に、レンズを収納したレンズ入れを設け、光ファイバーより照射される励起光を制御自在としたことを特徴とする請求項9に記載の蛍光検出装置。
【請求項13】
光ファイバーへの励起光の集光は、集光レンズ及びボールレンズを使用することを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−249667(P2008−249667A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−94872(P2007−94872)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(390030188)ジーエルサイエンス株式会社 (37)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(390030188)ジーエルサイエンス株式会社 (37)
【Fターム(参考)】
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