説明

蛍光管発光板ユニット

【課題】 外部電極蛍光放電管(以後EEFLと称す)を直下型に配置し、拡散板で均一光にするバックライトを作る際、EEFLの持つ次の弱点を解決する。電極が露出し、感電、放電の可能性がある。細く、脆弱で取り扱いにくい。大きな面積のバックライトを作るとき電極部分などの非発光部分が輝度むらになる。管長が規格化されており、任意の長さの電飾筐体に適合できない。
【解決手段】1.透明樹脂の筒を複数並行に並べ、平板上に成型した構造体を用意し、その筒の中に必要な間隔でEEFLを収納し、発光板ユニットとする。これにより事故を防ぎ、扱い易くする。
2.大きな面積かつ任意長のバックライトを作るとき、各EEFLの中間部に金属電極を移動して発光長を変えることにより発光板ユニットの発光面積を変え、複数の発光板ユニットの一部を重ね、かつ下のEEFLの発光部分が蹴られないように位置をずらす。
3.外部電極による影対策の他の方法としてITO導電膜を利用した透明電極を使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明はEEFLを光源とするバックライトに関する。
【背景技術】
【0002】
電飾用バックライトとしてEEFLを使用する場合、直下型に配置し、反射板と拡散板で均一輝度に近似させたものが多い。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記EEFLを直下型に配置し、反射板と拡散板で均一光近似する方法は以下の欠点がある。すなわち
1.電極が露出しており、かつ高電圧をかけるため作業を誤る、もしくは外部ケースが破損したとき感電の可能性がある。
2.電極の側にビスなどの金属が存在すると放電し、可燃物が燃えることがある。
3.EEFLは細く、ショックに弱いため取り扱いに特別な注意を払う必要がある。
4.大きな面積のバックライトを作るとき、EEFLを継ぎ足すことになるが、EEFLの非発光部分に起因する輝度むらが生じる。
5.EEFLの長さが規格化されており、バックライト筐体も制限を受ける。
6.EEFLの外部電極の位置を変えると輝度が変化する。
7.外部電極による遮光が問題になることがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はかかる課題に鑑みなされたものであって、以下の構成によって上記課題を解決する。
1.中空の断面形状を持つ透明樹脂の筒を複数平行に並べ、平板状に一体化した構造体を用意し、この構造体を構成する多数の筒に、必要な間隔で電極と共にEEFLを挿入して電極の露出をなくし、感電の危険や放電の可能性をなくす。さらに割れやすいEEFLをプラスチックケースで保護し、取り扱いを容易にする。
2.1に述べた板状発光ユニットを複数用意し、一部を重ね合わせ、かつ下のEEFLの発光部分が蹴られないように位置をずらせて配置する。
3.各EEFLの中間部に金属電極を移動して発光長を変え、発光板ユニットの発光長を変え、かつ発光板ユニットの重ね合わせを調整して、任意長のバックライト筐体に適合させる。
4.EEFLの外壁に接する外部電極の面積を変えることにより発光輝度を変える。
5.EEFLの左右両端にITO透明導電素材を蒸着する方法と透明プラスチック円筒の内側にITO導電素材を形成し、電極とする方法の2通りある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
図1に直下型バックライトの基本構造を示す。本発明はこの直下型バックライト用光源にEEFLを用いた場合の不具合の解消を目的とするものである。
EEFLは蛍光管の一種であるが、管内部に電極を持たない。このため細い管径と長寿命を実現できる。電極は蛍光管の両端に金属管を挿入し、バネで密着固定した構造が一般的である。電極位置は可変である。
EEFLは管径が細いので薄型の直下型バックライトが実現できる。また並行に多数並べることによって、輝度が高くかつ輝度むらのないバックライトにすることができる。
欠点として外部電極の露出があり、作業現場での取り扱いに注意を要する。本発明は安全性と利便性の追及からEEFLを単体で扱う事をやめ、発光板ユニットとして提供するものである。
【0006】
図2に本発明の構造を示す。中空の断面形状を持つ透明樹脂の筒を多数並列に並べ一体化して板状に形成したものを用意する。材質はポリカーボネイト等が適しており、類似品が市販されている。樹脂板の筒方向の長さはEEFLの長さと同一が望ましい。この中空の筒の中に一定間隔でEEFLを収納する。EEFLの両端の電極は左右それぞれ連結用導体で接続され、駆動電源によって並列点灯される。一例として駆動電源は1000V、50KHzである。
EEFLは中空の容器に収納され、かつ図3に示すように防水外枠で密閉されるので温度上昇が心配されるが、高効率、低消費電力の特性により上昇温度は許容範囲にとどまることが実証済みである。
【0007】
図3は図2の構造体に防水外枠を取り付け、かつ駆動用電線を配線して、EEFL発光板ユニットとして完成させたものである。図示はしていないが、駆動用電線の先にコネクタを接続し、ユニット交換時の便を図ることができる。このEEFL発光板は両面同等の発光強度を持ち、外筐と独立して取り付け可能なので、図1の片面型バックライトだけでなく両面タイプのバックライトを作る際にも便利である。
【0008】
図4はEEFLの説明図である。外部電極はスリットの入った銅管などで作られ、EEFLの任意の位置に移動できる。発光は左右の電極に挟まれた部分に限られるから発光長を任意に調整できる。このことは複数の発光板ユニットを使用したバックライトを作るとき、斑のない均一面照明を実現することに寄与する。
【0009】
図5は電極がEEFLの両端に位置する場合の発光板ユニットと電極をずらせて発光面を狭くした発光板ユニットの例である。これを複数作り、図6のように重ね合わせると任意長の電飾筐体に適合させることができる。発光板ユニットを重ね合わせるときは下になったEEFLの発光部分が上のEEFLの電極と非発光部分と重ならないよう配置することが重要である。
【0010】
図7は透明電極の例である。ここでは透明電極として考えられる2つの方式のうち、EEFLの両端にITO透明導電材料を蒸着する方式を説明する。電源との導通は電線を半田付けした金属管を蒸着部分にはめることで達成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明は以下の効果を生み出す。
1.EEFLをプラスチックケースに収納したことにより外部電極に触れる可能性を除去し、保守の際などの感電を解決する。
2.外部電極が絶縁保護されたので放電事故の可能性を除去する。
3.EEFLは細く壊れやすいので注意が必要だが、プラスチックケースがその保護に役立つ。
4.EEFLは寿命が長いので、保守の際は発光板ユニット毎交換すれば良く、作業能率が向上する。
5.EEFLの発光長を任意に設定できるので発光板ユニットの発光面積を変え、これを組み合わせて任意長の電飾筐体に対処できる。
6.EEFLの輝度は電極面積との相関があるので必要に応じて電極面積を変え、輝度調整することができる。
7.電極による遮光が問題になるときはプラスチック管の内側にITOなどの透明導電材料を蒸着した電極を使用して改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的直下型バックライトの説明図
【図2】本発明の構造を示す図
【図3】本発明の完成図
【図4】外部電極と発光部分の関係を示す図
【図5】電極位置による発光面の差を示す図
【図6】発光板ユニットの重ね合わせの説明図
【図7】透明電極の構造図
【符号の説明】
1 直下型バックライト
2 ディフューザ
3 蛍光管
4 反射板
5 外筐
6 透明プラスチック
7 EEFL
8 外部電極
9 連結用導体
10 EEFL収納用筒
11 EEFL発光板ユニット
12 防水外枠
13 駆動用電線
14 発光部分
15 非発光部分
A 変更前
B 変更後
16 導通用リング
17 ITO蒸着部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空の断面形状を持つ透明樹脂の筒を複数平行に並べ、平板状に一体化した構造体を用意し、この構造体を構成する多数の筒に、必要な間隔で電極と共に外部電極蛍光放電管(External Electrode Fluorescent Lamp、以後EEFLと表記する。)を挿入し、バックライト用に構成した発光板ユニット。
【請求項2】
請求項1に述べた発光板ユニットを複数配置して大きな面積の光源を作り、これを拡散板で均一輝度にして使用する際、EEFLの非発光部分に起因する輝度むらをなくすため、本発光板ユニットを一部重ね合わせ、かつ下のEEFLの発光部分が蹴られないように位置をずらせた配置方法。
【請求項3】
各EEFLの中間部に金属電極を移動して発光長を変えることにより、発光板ユニットの発光面積を調節し、かつ発光板ユニットの重ね合わせを調整して、任意長のバックライト筐体に適合させる発光板ユニットの設置方法。
【請求項4】
EEFLの外壁に接する外部電極の面積を変えることにより発光輝度を変える方法。
【請求項5】
EEFLの電極材料としてITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電材料を使用した発光板ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−49256(P2006−49256A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−253568(P2004−253568)
【出願日】平成16年8月4日(2004.8.4)
【出願人】(504330535)有限会社ファーツ (2)
【出願人】(504330568)有限会社アイドウ (9)
【出願人】(504330649)株式会社ウェスト工房 (1)
【Fターム(参考)】