説明

血中グルコース濃度測定装置

【課題】表示画面の背景色に基づき、表示されているグルコース濃度が正常値であるか否かが容易に判断される携帯型の血中グルコース濃度測定装置の提供。
【解決手段】測定部21は、血液中のグルコース濃度を示す信号を生成して出力する。制御部27は、グルコース濃度を表示部23に表示させる。同時に、制御部27は、グルコース濃度と対応した色の光をバックライト部24に照射させる。表示部23は、バックライト部24が照射した光により発光する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面の背景色に基づいて、測定された血中グルコース濃度が正常値であるか否かが容易に判断される携帯型の血中グルコース濃度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、糖尿病の患者が各国において増加している。糖尿病の治療の一例として、インスリン療法がある。インスリンは、血糖値をコントロールする薬物として知られており、糖尿病の治療薬として糖尿病患者に投与されている。インスリンを投与する必要性は、糖尿病患者の血糖値に基づいて判断される。このため、血糖値の把握が糖尿病患者にとって重要である。血糖値とは、血液中のグルコース濃度である。糖尿病患者自らが自分の血糖値を簡易に測定できることを目的として、携帯可能な小型の血糖測定装置が開発されている。
【0003】
測定された血糖値は、本体に設けられた液晶ディスプレイ等に表示されうる。これにより、測定された血糖値を確認することができる。このような液晶ディスプレイには、低コスト及び省電力等の理由から、モノクロ液晶ディスプレイが使用されることが多い。
【0004】
ところで、液晶ディスプレイの可読取性は、周囲光の照明強度に大きく左右されることが知られている。そのため、光の弱い環境では、表示される血糖値を認識することは困難になる。また、血糖測定装置の使用者には、一般に高齢者が多く、高齢者には、目の不自由な人が多い。さらに、血糖測定装置は小型に構成されているため、使用者が、表示される血糖値を認識することはさらに困難となる。また、仮に表示された血糖値を認識できても、専門的な知識のない患者は、それが正常値であるか否かを判断できないことが少なくない。
【0005】
液晶ディスプレイの可読取性の向上のため、有機発光ダイオード表示装置を含む表示素子と、輝度、コントラスト、消費電力を最適化するための最適化装置とを備えた携帯用医療システムが知られている(特許文献1)。
【0006】
また、血糖値が正常値であるか否かが容易に判断されるために、表示される血糖値の高さに応じて、画面に5色の色の何れかが表示される血糖測定装置が知られている。例えば、表示中の血糖値の高さに応じて、青・水色・緑・オレンジ・赤の何れかの色のバーが画面下部に表示される(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2009−517153号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】「ワンタッチウルトラビューTM 自己検査用グルコース測定器 取扱説明書」、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 メディカルカンパニー、p27
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
血糖値の自己測定は多くの糖尿病患者にとって重要であるため、機器はできるだけ低価格であることが望ましい。しかし、カラー液晶ディスプレイが使用されることで、機器の製造コストは高くなる。
【0010】
携帯型の血糖測定装置は、患者が携帯するものであるから、長時間の間連続して動作することが求められる。ところで、携帯型の血糖測定装置は、製造コストの削減と小型化のため乾電池やボタン形のリチウム電池が動力源として採用され、充電機能を備えていないものが多い。そのような血糖測定装置に於いては、低消費電力が特に重要である。しかし、カラー液晶ディスプレイはモノクロ液晶ディスプレイよりも消費電力が高い。そのため、カラー液晶ディスプレイを利用した血糖測定装置は、モノクロの液晶ディスプレイを使用したものと比較し、動作時間は短くなる。
【0011】
また、文字の表示に関しては、カラー液晶ディスプレイよりも、モノクロ液晶ディスプレイの方が可読取性が高いと言われている。
【0012】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、表示されるグルコース濃度に応じてモノクロ液晶ディスプレイの背景色が変更され、その背景色に基づいて、グルコース濃度が正常値であるか否かが容易に判断される携帯型の血中グルコース濃度測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(1) 本発明に係る携帯型の血中グルコース濃度測定装置は、血液中のグルコース濃度を示す信号を生成する測定部と、背面に照射される光の少なくとも一部を表示面に透過させることが可能なモノクロ液晶ディスプレイを有しており、グルコース濃度を表示する表示部と、LEDを光源として複数色の光を照射可能であり、上記モノクロ液晶ディスプレイの背面側から上記モノクロ液晶ディスプレイに向けて、上記複数色の光のうちのいずれかを照射可能なバックライト部と、少なくとも上記バックライト部に電力を供給する電源と、上記表示部に表示されるグルコース濃度の値に基づいて、上記バックライト部が照射可能な光の色から1つを決定し、当該決定された色の光を上記バックライト部に照射させると共に、上記表示部にグルコース濃度を表示させる制御部と、を備える。
【0014】
ここで、本発明におけるモノクロ液晶ディスプレイとは、カラーフィルタを備えず、カラー表示に対応しない液晶ディスプレイである。モノクロ液晶ディスプレイは、あらゆる駆動方式、表示方式によって実現されるものを含む。
【0015】
上記測定部は、操作者の操作を元に血液中のグルコース濃度を示す信号を生成して出力する。上記表示部は、出力された信号に基づき、上記グルコース濃度を数値として表示する。上記バックライト部は、上記グルコース濃度に対応した色の光を照射する。上記バックライト部が照射した光は上記表示部の表示面に透過する。その結果、上記表示部は、表示されている上記グルコース濃度に対応した色に発光する。操作者は、上記表示部の発光色に基づいて上記グルコース濃度がどのような状態にあるかを判断することができる。
【0016】
(2) 本発明に係る携帯型の血中グルコース濃度測定装置に於いて、上記制御部は、グルコース濃度に対応する閾値と、上記バックライト部が照射可能な光の色とを対応付けるデータテーブルを記憶し、当該データテーブルに基づいて上記バックライト部に照射させる光の色を決定してもよい。
【0017】
上記閾値により、上記グルコース濃度に対応した複数の数値範囲が規定される。そして、低い数値範囲には青系の色が対応付けられ、高い数値範囲には赤系の色が対応付けられうる。上記制御部は、表示される上記グルコース濃度が属する数値範囲に対応した色の光を上記バックライト部に照射させる。その結果、上記表示部は、上記グルコース濃度が高い場合には赤く発光し、上記血中グルコース濃度が低い場合には青く発光する。操作者は、上記表示部の発光色に基づいて上記グルコース濃度の高さを直感的に判断することができる。
【0018】
(3) 本発明に係る携帯型の血中グルコース濃度測定装置は、操作者による操作を受け付けて、当該操作に対応する操作信号を出力する操作部を更に備えたものであっても良く、上記制御部は、上記閾値の更新を指示する操作信号が上記操作部から出力されたことを条件として、上記データテーブルの閾値を当該操作信号が示す閾値に更新してもよい。
【0019】
上記閾値は、上記操作部から出力された操作信号により更新されうる。そのため、医師は患者の健康状態に応じて、最適な閾値を設定することができる。
【0020】
(4) 本発明に係る携帯型の血中グルコース濃度測定装置に於いて、上記制御部には、上記表示部にグルコース濃度を表示する時間が予め設定されており、上記表示部にグルコース濃度を表示している間だけ、上記バックライト部に光の照射を行わせてもよい。
【0021】
上記グルコース濃度は、一定の時間だけ表示されるため、バッテリーの消費量は低減される。
【0022】
(5) 本発明に係る携帯型の血中グルコース濃度測定装置に於いて、上記バックライト部の光源は、フルカラーLEDであってもよい。
【0023】
ここで、本発明におけるフルカラーLEDとは、赤、青、緑の光を同時に照射可能であり、3色の光の強さが個別に調整されうるLED素子を指す。
【0024】
フルカラーLEDは1つのLED素子により任意の色の光を照射できるため、上記血中グルコース濃度測定装置は容易に小型化される。
【0025】
(6) 本発明に係る携帯型の血中グルコース濃度測定装置に於いて、上記モノクロ液晶ディスプレイは、半透過型のモノクロ液晶ディスプレイであってもよい。
【0026】
ここで、本発明における半透過型のモノクロ液晶ディスプレイとは、入射する光の一部を反射し一部を透過させる半透過反射膜が、表示面に対して反対側の面に積層されたモノクロ液晶ディスプレイを指す。
【0027】
(7) 本発明に係る携帯型の血中グルコース濃度測定装置に於いて、上記電源は、乾電池又はリチウム電池であってもよい。
【0028】
これにより、充電可能なバッテリーが内蔵されたものと比較し、上記血中グルコース濃度測定装置の製造コストは低減される。
【発明の効果】
【0029】
以上のような構成の血中グルコース濃度測定装置によると、目の不自由な患者や専門的な知識の無い患者が、血中グルコース濃度が正常値であるか否かを容易に判断することができる。また、モノクロ液晶ディスプレイが採用されているため、バッテリーの消費量が少なく、文字の可読取性が高い。このような血中グルコース濃度測定装置は低コストで製造される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る血中グルコース濃度測定装置10の外観を示した斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態に係る血中グルコース濃度測定装置10の機能ブロック図である。
【図3】図3は、発光装置30の外観を示した斜視図である。
【図4】図4は、液晶ディスプレイ40と発光装置30の積層構造を示した概略図である。
【図5】図5は、データテーブルを構成するデータを示した概念図である。
【図6】図6は、グルコース濃度が表示される際に、制御部27が行う処理を示したフローチャートである。
【図7】図7は、グルコース濃度が表示される画面の一例を示した図である。
【図8】図8は、設定画面70の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、適宜図面が参照されて、本発明の好ましい実施形態が説明される。なお、以下に説明される各実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態が適宜変更できることは言うまでもない。
【0032】
[血中グルコース濃度測定装置10の概略構成]
【0033】
図1は、本発明の実施形態に係る血中グルコース濃度測定装置10の外観を示した斜視図である。同図に示されるように、血中グルコース濃度測定装置10は、本体11に対してセンサー15が着脱自在に構成されたものである。本体11は、薄平な箱形状である。本体11の表側には、表示画面12及び3つの操作ボタン13A,13B,13Cが設けられている。表示画面12は、半透過型のモノクロ液晶ディスプレイであり、後述される表示部23の一部をなすものである。表示画面12には、血糖値や、機器の操作に必要な情報が表示され得る。操作ボタン13A,13B,13Cは、後述される操作部25の一部をなすものであり、ユーザに押下されることによって、所定の操作信号を発生させる。なお、操作ボタン13A,13B,13Cの数などは適宜設計されるものである。また、血中グルコース濃度測定装置10は、その動力源として、乾電池又はリチウム電池が使用可能であるように構成されている。
【0034】
本体11の側面にはセンサー挿入口14が設けられている。センサー挿入口14は、センサー15が挿入されて保持されるためのものである。同図には現れていないが、センサー挿入口14の奥には電極が設けられており、その電極を通じて本体11の制御部27とセンサー15とが電気信号を伝達可能に連結される。センサー15は、測定試料である血液が導入され、その血液中のグルコースと電気化学的な反応を生じさせるものである。このようなセンサー15は、いわゆるバイオセンサーとして公知である。センサー15において、血中のグルコースと電気化学的な反応が生じ、その反応において生じた電流を制御部27が受信する。このセンサー15やセンサー挿入口14の電極などが測定部21を構成する。
【0035】
[本体11の内部構成]
【0036】
図2は、本発明の実施形態に係る血中グルコース濃度測定装置10の機能ブロック図である。同図に示されるように、本体11には、制御部27が設けられている。制御部27は、各種演算を行うためのCPU、各種プログラムが格納されるROM、各種演算のためのデータを一時保存するRAM、データを電送するバスなどによって構成される演算装置である。この制御部27に対して、測定部21、記憶部22、表示部23、バックライト部24、操作部25及び時計部26が、電気信号を送受信可能に接続されている。
【0037】
制御部27には、機器の動作に必要な様々なプログラムが格納されている。代表的なものを列挙すると、格納されているプログラムとは、センサー15に流れる電流に基づいてグルコース濃度を演算するプログラム、グルコース濃度を記憶部22に記憶させるプログラム、グルコース濃度を表示部23に表示させるプログラム、表示部23の表示に応じて、バックライト部24が光を照射するタイミングや光の色を制御するプログラムなどである。
【0038】
測定部21は、試料としてセンサー15に導入された血中のグルコースと電気化学反応を発生させて、グルコース濃度に応じた電気信号を発生させるものである。センサー15には、作用極と対極とが設けられており、作用極には、グルコースデヒドロゲナーゼ又はグルコースオキシダーゼとメディエータが固定されている。例えば、作用極に固定されたグルコースオキシダーゼによって、血中のグルコースがグルコン酸及び過酸化水素に分解され、その過酸化水素が水及び電子に分解される。このようにして発生した電子が作用極に伝達される。一方、対極からは血液中に電子が供給される。このようにして、グルコースオキシダーゼとグルコースとの反応によって、作用極と対極との間に電流が流れる。そして、流れた電流値に基づいて、血液中のグルコース濃度、つまり血糖値が算出される。このような反応が本明細書において電気化学的反応と称される。なお、測定部21には、センサー15からの電気信号を数値表現されたデジタル信号に変換するための専用回路が備えてられていてもよい。
【0039】
記憶部22は、不揮発性の半導体メモリと制御部27に繋がる周辺回路とを有するものである。また、規格化されたフラッシュメモリの専用スロットが本体11に設けられて、記憶部22が着脱可能な外部メディアとして構成されていてもよい。記憶部22は、制御部27の制御に基づいて内部にグルコース濃度を記憶するものである。従って、記憶されたグルコース濃度を事後的に確認する必要がない場合には、記憶部22は必須の構成要素ではない。血中グルコース濃度測定装置10がグルコース濃度を記憶する機能を備えるか否かは、当業者が適宜判断することができる。また、記憶部22は、制御部27の一部として構成されていてもよい。
【0040】
表示部23は、後述される液晶ディスプレイ40と制御部27に繋がる周辺回路とを有するものである。液晶ディスプレイ40は、半透過型のモノクロ液晶ディスプレイである。液晶ディスプレイ40には、制御部27の制御に基づいて文字や画像が表示され得る。液晶ディスプレイ40の背面には、バックライト部24を構成する発光装置30が設けられている。液晶ディスプレイ40の表示面が、本体11の外部から確認されたものが前述の表示画面12である。
【0041】
バックライト部24は、後述される発光装置30と制御部27に繋がる周辺回路とを有するものである。発光装置30は、LEDを光源とし、複数色の光のうちの何れかを選択的に照射することが可能である。表示画面12の背面に設けられた発光装置30は、制御部の制御により、何れかの色の光を照射する。それにより、バックライト部24は、表示部23のバックライトとして機能する。
【0042】
操作部25は、本体11に設けられた操作ボタン13A,13B,13Cと、各操作ボタン13A,13B,13Cの押下に対応した所定の操作信号を発生させる周辺回路とを含むものである。例えば、操作ボタン13Aがモード選択や決定のための入力を受け付け、操作ボタン13B,13Cが数値を上下させたりメニューを変更するための入力を受け付ける。操作部25が生成する操作信号を受けて、制御部27が各種動作を実行する。なお、操作部26は、必ずしも独立して設けられている必要はなく、例えば、感圧式や静電式のタッチパネルセンサーが表示画面12に重ねて設けられており、そのタッチパネルセンサーが操作部26として機能してもよい。操作部26が、操作者の操作を受け、各種操作信号を出力する。制御部27は、出力された操作信号に応じて、各部の動作を制御する。
【0043】
時計部26は、血糖値測定の際に、制御部27が時刻信号を取得するための本体内蔵の時計である。時計部26は、時刻信号を制御するための水晶振動子を有する。また、時計部26は、地上波時刻情報とリンクし、時刻を自動で調整するための受信器及び専用回路を備えていてもよい。例えば、制御部27は、血中グルコース濃度が測定されるタイミングで時刻信号を取得する。そして、そこから得た測定日時を測定値と共に表示部23に表示させることができる。従って、測定日時がグルコース濃度と共に表示される必要がない場合は、時計部26は必須の構成要素ではない。血中グルコース測定装置10が測定日時を測定値と共に表示する機能を備えるか否かは、当業者が適宜判断することができる。
【0044】
[発光装置30]
【0045】
続けて、上述の発光装置30の詳細な構成が解説される。図3は、発光装置30の外観を示した斜視図である。同図に示されるように、発光装置30は、LED光源31と、導光板32により構成される。LED光源31の内部には、LED素子36が設けられている。LED素子36は、バルブ内部にRGB3色のLEDが封入されている。各色の光の強さは、制御部27によりそれぞれ調整されうる。それにより、LED素子36は、3原色のバランスで表現できる任意の色の光を照射することが可能である。このようなLED素子36は、一般にフルカラーLEDとして知られている。
【0046】
導光板32は、ガラス板やアクリル板で構成される。LED素子36が照射した光は、接合面35から導光板32に入射する。導光板32に入射した光は、拡散面33、反射面34の間を反射しながら図中の右側に伝搬される。反射面34には光を反射する反射シートが貼布されている。拡散面33には、拡散シートが貼布されている。拡散シートは、光を散乱、拡散させる半透明のシートである。伝搬される光は拡散面33で屈折するたびにその一部が、散乱、拡散されながら外部に透過する。その結果、拡散面33は、全体がほぼ均一な光量で発光する。
【0047】
続けて、表示部の構成及び動作が解説される。図4は、液晶ディスプレイ40と発光装置30の積層構造を示した概略図である。上述された通り、液晶ディスプレイ40は表示部23を構成するものであり、発光装置30はバックライト部24を構成するものである。液晶ディスプレイ40の背面に、発光装置30が配置されている。同図における液晶ディスプレイ40の上面が表示面となっている。
【0048】
[液晶ディスプレイ40]
【0049】
液晶45は、配光膜44,46により液晶分子が一定方向に配列された状態で配置されている。図には示されないが、配光膜44,46には液晶45に電圧を印加可能な透明電極が接続され、透明電極は、その電圧を各セルごとに制御可能であるように制御部27と接続されている。配光膜44,46の外側に配置された偏光フィルム(縦)47及び偏光フィルム(横)43は、それぞれ偏光子と呼ばれ、透過する光の一方向の偏光を吸収し、一方向にそろった直線偏光を透過させるものである。偏光フィルム(縦)47と偏光フィルム(横)43とは、その偏光方向が垂直に交わるように配置されている。さらにその外側にはこれらの層を保護し、光を透過可能なガラス層42,48が設けられ、ガラス層42の外側には、半透過反射膜41が設けられている。半透過反射膜41は、表示面側から入射した光のうち、一部を反射させ、残りを透過させる。
【0050】
表示面側から入射した光は、偏光フィルム(縦)47により、直線偏光となる。液晶45に電圧が印加されていない場合、光はそのまま直進する。偏光フィルム(縦)47と偏光フィルム(横)43とは、その偏光方向が垂直に交わるように配置されているため、光は偏光フィルム(横)43を透過することができず、光はそこで遮断される。一方、液晶45に電圧が印加されると、液晶分子の配列が変化する。そのとき、液晶分子の軸の方向に入った偏光は液晶分子の軸の方向に沿って変化し、その偏光方向は90度変化する。従って、偏光フィルム(縦)47により直線偏光となった光は、その偏光方向が変化されることで、偏光フィルム(横)43を透過することができる。このように、光を透過しないセルが黒いドットとして認識され、光を透過するセルが白いドットとして認識されることで、液晶ディスプレイ40は表示面に様々な文字や図形を表示することができる。
【0051】
液晶ディスプレイ40を透過した光が操作者の視覚により認識されることで、操作者は表示された文字や図形を確認することができる。本実施形態に於いて、通常時はその光は外部から取得される。入射光51は、部屋の照明や太陽光等の自然光である。電圧が印可されたセルに於いて、入射光51は、ガラス層42までを透過し、半透過反射膜41に到る。半透過反射膜41は、入射光51の一部を透過させ、一部を反射させる。半透過反射膜41を反射した光は表示面から放射される。半透過反射膜41を反射した光の一部が操作者の視覚により認識され、操作者は、表示された文字や図形を確認することができる。
【0052】
また、上述の光を得るために、発光装置30が使用されることもできる。入射光52は
発光装置30から照射される。上記と同様に、半透過反射膜41は、入射光52の一部を透過させ、一部を反射させる。半透過反射膜41を透過した光は表示面から放射される。半透過反射膜41を透過した光の一部が操作者の視覚により認識され、操作者は、表示された文字や図形を確認することができる。
【0053】
このように、本実施形態で使用される液晶ディスプレイ40は、その光源として、外部の光と発光装置30が照射する光との双方を利用可能である。このような液晶ディスプレイは、一般に半透過型液晶ディスプレイとして知られている。
【0054】
続けて、血中グルコース濃度測定装置10の使用方法、及びその際に制御部27が行う制御の流れが解説される。血中グルコース濃度測定装置10が備える機能は、血中グルコース濃度を測定するための機能と、測定されたグルコース濃度を表示するための機能とに大別される。また、血中グルコース濃度測定装置10は、記憶部22内の不要なデータを削除する機能、時計部26の日時を合わせる機能等も持つが、それらは当業者が最適な形で適宜設計することができる。
【0055】
[血中グルコース濃度を測定するための機能]
【0056】
まずは、血中グルコース濃度を測定するための機能が解説される。被測定者は、本体11の操作ボタン13Aを押下、または、本体11にセンサー15をセットすることにより、血中グルコース濃度測定装置10を血中グルコース濃度を測定するモードにする。血中グルコース濃度の測定に際して、被測定者の血液が採取される。この血液の採取は、例えばランセットを用いて、被測定者自らが行うことができる。採取された血液は試料としてセンサー15に導入される。各図には詳細に示されていないが、センサー15には血液を導入するための開口が形成されており、その開口に血液を付着させると、毛管作用によってセンサー15内に血液が導入される。導入された血液は、作用極と対極との間に保持されて、前述されたような電気化学的反応を起こす。この電気化学的反応によりセンサー15の作用極と対極との間に血中グルコース濃度に対応する電気量の電流が発生する。この電流が、本発明における、血液中のグルコース濃度を示す信号に相当する。
【0057】
電流は、制御部27がセンサー15において流れた電流を増幅や、AD変換等を行うことによって、血中グルコース濃度を示す数値データに変換される。その数値データは、記憶部22に記憶される。AD変換処理は、制御部27の回路や制御部27がROM内にもつプログラムを用いて行われる。あるいは、AD変換処理は、信号が制御部11に渡されるよりも前に、測定部21が持つ専用回路により行われていてもよい。なお、このような血中グルコース濃度の測定は、センサー15に血液が導入されることによって自動的に行われるようにプログラムされていてもよい。
【0058】
測定の際、制御部27は時計部26から日時信号を取得し、その日時信号を、測定されたグルコース濃度と対応付けた状態で記憶部22に記憶させる。この対応付けのためにどのようなデータ構造が採用されるかは、当業者が適宜判断することができる。
【0059】
[グルコース濃度を表示するための機能]
【0060】
続けて、記憶されたグルコース濃度を表示するための機能が解説される。医師又は被測定者(以下、操作者とする。)は、本体11の操作ボタン13Aを押下して、血中グルコース濃度測定装置10をグルコース濃度を表示するモードにする。そうすると、表示画面12には直近に測定されたグルコース濃度とその測定日時が表示される。表示されるグルコース濃度と測定日時とは、操作ボタン13Bが押下されることにより過去のものへと切り換えられる。また、操作ボタン13Cが押下されることにより未来のものへと切り換えられる。
【0061】
上述された機能が実現されるために、制御部27は以下の制御を行う。操作ボタン13Aが押下されることで出力された操作信号をトリガーとして、制御部27は、記憶部22に記憶された測定日時を順に読み込む。そして、制御部27は、適切なソートアルゴリズムにより、記憶部22に記憶された測定日時を降順に並べた線形リストを生成する。制御部27は、線形リストの最後尾の測定日時及び、それと対応するグルコース濃度を表示部23に表示させる。操作ボタン13Bの押下により操作信号が出力されると、制御部27は、線形リストの1つ上流の測定日時を参照し、その測定日時及びそれと対応したグルコース濃度を表示部23に表示させる。また、操作ボタン13Cの押下により操作信号が出力されると、制御部27は、線形リストの1つ下流の測定日時を参照し、その測定日時及びそれと対応したグルコース濃度を表示部23に表示させる。以上の流れにより、表示画面12に表示される測定日時とグルコース濃度とは、時系列に沿って変更される。
【0062】
あるいは、測定されたグルコース濃度は、測定後に自動的に表示される事もできる。測定の際、制御部27は測定部21と時計部26から電気信号を受信し、そこから得られたグルコース濃度と時刻とを表示部23に表示させる。どちらの表示方法が採用されるかは当業者が適宜判断することができる。例えば、血中グルコース濃度測定装置が記憶部22を備えない場合は、後者の表示方法のみが採用されてもよい。
【0063】
制御部27は、表示部23に各測定日時及びグルコース濃度を表示させる際、バックライト部24に光を照射させる。制御部27はデータテーブルを記憶している。データテーブルは、グルコース濃度に対応する閾値とバックライト部24が照射する光の色とを対応付けるデータにより構成される。図5は、データテーブルを構成するデータを示した概念図である。同図が示す通り、データテーブルを構成するデータは、第1閾値,第2閾値,第3閾値及び第1発光色,第2発光色,第3発光色,第4発光色である。第1閾値,第2閾値,第3閾値は、それぞれ「mg/dl」の単位で表現される血中グルコース濃度を示す。第1発光色,第2発光色,第3発光色,第4発光色は、それぞれバックライト部24が照射する光の色を示す。同図に於いて、第1閾値,第2閾値,第3閾値として、それぞれ80,120,160という数値が記憶されている。また、第1発光色,第2発光色,第3発光色,第4発光色として、それぞれ「blue」「green」「yellow」「red」という文字列が記憶されている。
【0064】
図6は、グルコース濃度が表示される際に、制御部27が行う処理を示したフローチャートである。まず、ステップ1(S1)に於いて、制御部27は、表示されるべきグルコース濃度と測定日時とを示すデータを記憶部22から取得する。あるいは、測定直後に表示が行われる場合は、それらのデータは測定部21及び時計部26から直接取得されてもよい。ステップ2(S2)に於いて、制御部27は、データテーブルに記憶されたデータ(第1閾値,第2閾値,第3閾値及び第1発光色,第2発光色,第3発光色,第4発光色)を、制御部27自身が備えるフラッシュメモリより取得する。
【0065】
ステップ3(S3)に於いて、制御部27は、グルコース濃度と第1閾値とを比較する。グルコース濃度が第1閾値未満で処理がステップ4(S4)に分岐された場合、制御部27は、バックライト部24に第1発光色に対応する色の光を照射させる。ステップ5(S5)では、ステップ3(S3)同様の比較と分岐が行われる。グルコース濃度が第2閾値未満で処理がステップ6(S6)に分岐された場合、制御部27は、バックライト部24に第2発光色に対応する色の光を照射させる。ステップ7(S7)に於いても同様である。グルコース濃度が第3閾値以上で処理がステップ8(S8)に分岐された場合、制御部27は、バックライト部24に第3発光色に対応する色の光を照射させる。一方、ステップ9(S9)に分岐された場合、制御部は、バックライト部24に第4発光色に対応する色の光を照射させる。
【0066】
処理の結果、グルコース濃度が、(1)第1閾値未満、(2)第1閾値以上かつ第2閾値未満、(3)第2閾値以上かつ第3閾値未満、(4)第4閾値以上、の各状況に応じて、それぞれ1発光色,第2発光色,第3発光色,第4発光色に対応する色の光がバックライト部24より照射される。
【0067】
ステップ4(S4),ステップ6(S6),ステップ8(S8),ステップ9(S9)のうちのいずれのルートを通っても、処理は最終的にステップ10(S10)に到達する。制御部27は、測定日時とグルコース濃度を表示部23に表示させる。操作者がグルコース濃度を表示する操作を行うのとほぼ同時に、表示部23が発光し、グルコース濃度及び測定日時が表示部23に表示される。
【0068】
図7は、グルコース濃度が表示される画面の一例を示した図である。測定日表示エリア61及び測定時刻表示エリア62には、ステップ1(S1)にて取得された測定日時が表示されている。同様にグルコース濃度表示エリア63には、ステップ1(S1)にて取得されたグルコース濃度が表示されている。高齢者や目の不自由でも確認できるように、グルコース濃度は画面中央に大きく表示される。単位表示エリア64には、グルコース濃度の単位を示す、「mg/dl」が表示されている。表示部23を構成する液晶ディスプレイ40はモノクロ液晶ディスプレイであるため、表示される文字または数値は、全て黒い文字として表示されている。
【0069】
グルコース濃度表示エリア63に表示されている数値に応じて、背景65は赤,黄色,緑,青の何れかの色に発光する。例えば、図中のグルコース濃度表示エリア63に表示されている数値は104である。図5に示されたデータテーブルに於いて、104は、第1閾値以上、かつ第2閾値未満である。従って、バックライト部24は、第2発光色である「green」に対応する緑色の光を照射する。結果、背景65は、照射された光により緑色に発光する。
【0070】
本実施形態に於いて、1発光色,第2発光色,第3発光色,第4発光色は、それぞれ、グルコース濃度が「低め」,「正常」,「やや高め」,「高め」であることを示している。即ち、背景65が緑色に発光していることは、表示中のグルコース濃度が正常であることを意味する。利用者は、背景65の色を確認することで、グルコース濃度が正常値にあるか否かを直観的に判断することができる。第1閾値,値第2閾値,第3閾値として、どのような値が採用されるか、また1発光色,第2発光色,第3発光色,第4発光色として、どのような色が採用されるかは、当業者が適宜判断することができる。
【0071】
制御部27は、表示部23にグルコース濃度を表示させている間、バックライト部24が照射を続けるように制御する。操作者は、操作ボタン13Aを押下することでグルコース濃度の表示を終了させることができる。制御部27は操作ボタン13Aが押下されることで出力された操作信号をトリガーとして、表示部23にグルコース濃度の表示を終了させる。それと同時に、制御部27は、バックライト部24に光の照射を停止させる。即ち、表示画面12はグルコース濃度を表示している間だけ発光することになる。それにより、本体11のバッテリーの消費量は低減される。
【0072】
また、制御部27は、一定時間のみバックライト部24が照射を続けるように制御することもできる。制御部27は、表示部23にグルコース濃度の表示を開始させると同時に、タイマーを用いて、時刻のカウントを開始する。このタイマーとして、時計部26の機能が使用されてもよい。制御部27がグルコース濃度の表示を開始させてから5秒が経過すると、制御部27はバックライト部24に光の照射を停止させる。従って、表示画面12は、グルコース濃度の表示を開始してから一定時間だけ発光することになる。それにより、本体11のバッテリーの消費量はさらに低減される。このとき、バックライト部24が光の照射を停止するのと同時にグルコース濃度の表示が終了されてもよい。表示画面12が発光を継続する時間は、当業者が適宜決定することができる。また、血中グルコース濃度測定装置10は、表示画面12が発光を継続する時間を操作者が変更できるように設計されていてもよい。
【0073】
また、制御部27は、操作ボタン13Cの押下により出力された操作信号をトリガーとして、バックライト部24に光の照射を開始させることができる。このときに照射される光は白色光である。制御部27は、バックライト部24に光の照射を開始させると同時に、タイマーを用いて時刻のカウントを開始する。カウントの開始から20秒の間、操作部25から何の操作信号も出力されていない場合、制御部27はバックライト部24の光の照射を停止させる。つまり、操作者は操作ボタン13Cを押下することで、表示画面12を任意で発光させることができる。それにより、操作者は、夜間や暗い室内といった外部の光が得にくい環境であっても、血中グルコース濃度測定装置10の操作を行うことができる。また、操作者が20秒間操作を行わなかった場合は自動的に消灯されるため、バッテリーの消費量は低減される。表示画面12が発光を継続する時間は、当業者が適宜決定することができる。また、血中グルコース濃度測定装置10は、表示画面12が発光を継続する時間を操作者が変更できるように設計されていてもよい。
【0074】
本実施形態に於いて、データテーブルを構成する第1閾値,第2閾値,第3閾値は、操作者が事後的に変更することが可能である。操作者は、本体11の操作ボタン13Aを押下して、血中グルコース濃度測定装置10を設定モードにする。図8は、その時表示される設定画面70の一例を示した図である。同図に於いて、数値フィールド71,72,73はそれぞれ第1閾値,第2閾値,第3閾値が設定されるために使用されるものである。ここでは、第1閾値,第2閾値,第3閾値としてそれぞれ80,120,160が設定されている。設定画面が表示されたとき、数値フィールド71の外枠は点滅している。これは、第1閾値が変更可能な状態であることを示す。操作者は、操作ボタン13B,13Cを押下することで、数値フィールド71の数値を1ずつ上下させる。その際、第1閾値表示エリア74の数値も数値フィールド71の数値に連動して変化する。目標の値を設定した後、操作者は、操作ボタン13Aを押下することで、第1閾値の設定を終了し、第2閾値を変更可能な状態とすることができる。第2閾値も同様の方法で設定可能であり、数値フィールド72に連動し、第2閾値表示エリア75の数値が変化する。目標の値を設定した後、操作者は、操作ボタン13Aを押下することで、第2閾値の設定を終了し、第3閾値を変更可能な状態とすることができる。第3閾値も同様の方法で設定可能であり、数値フィールド73に連動し、第3閾値表示エリア76の数値が変化する。目標の値を設定した後、操作者は、操作ボタン13Aを押下することで、全ての設定を完了し設定モードを終了することができる。設定モードが終了されたとき、制御部27は、数値フィールド71,72,73にされている値に基づき、第1閾値,第2閾値,第3閾値を更新する
【0075】

操作者は、各閾値を事後的に変更することができるため、医師は、患者の健康状態に応じて、正常なグルコース濃度の範囲を設定することができる。なお、上述の方法により設定可能な閾値の範囲は、当業者が適宜決定することができる。操作を誤った患者が閾値を変更することを防止するため、設定モードへの移行にはパスワードが求められてもよい。
【0076】
[本実施形態の作用効果]
【0077】
表示画面12は、グルコース濃度の高さに応じて、青、緑、黄色、赤のうちの何れかの色に発光する。操作者は、表示画面12の発光色に基づいてグルコース濃度の高さを直感的に判断することができる。
【0078】
閾値は設定画面による操作が行われることで容易に更新されうる。そのため、医師は患者の健康状態に応じて、最適な閾値を設定することができる。また、閾値の変更のためにパスワードが求められることで、操作を誤った患者により閾値が変更されることは回避される。
【0079】
バックライト部24は、表示部23が上記血中グルコース濃度を表示している間だけ照射を行う。これにより、バッテリーの消費量は低減される。また、表示部23による血中グルコース濃度の表示や、バックライト部24による光の照射は一定時間だけ行われることで、バッテリーの消費量はさらに低減される。
【0080】
バックライト部24は、操作ボタン13Cの押下によっても照射を行うことができる。そのため、操作者は、夜間や暗い室内でも、表示画面12を発光させて血中グルコース濃度測定装置10の操作を行うことができる。
【0081】
LED素子36は、フルカラーLEDであるため、血中グルコース濃度測定装置10は容易に小型化される。
【0082】
血中グルコース濃度測定装置10の動力源として乾電池又はリチウム電池が使用されるので、血中グルコース濃度測定装置10の製造コストは低減される。
【0083】
液晶ディスプレイ40は、モノクロ液晶ディスプレイであるため、文字の可読み取り性が高い。
【符号の説明】
【0084】
10・・・血中グルコース濃度測定装置
11・・・本体
12・・・表示画面
13A・・・操作ボタン
13B・・・操作ボタン
13C・・・操作ボタン
14・・・センサー挿入口
15・・・センサー
21・・・測定部
22・・・記憶部
23・・・表示部
24・・・バックライト部
25・・・操作部
26・・・時計部
27・・・制御部
30・・・発光装置
31・・・LED光源
32・・・導光板
33・・・拡散面
34・・・反射面
35・・・接合面
36・・・LED素子
40・・・液晶ディスプレイ
41・・・半透過反射膜
42・・・ガラス層
43・・・偏光フィルム(横)
44・・・配光膜
45・・・液晶
46・・・配光膜
47・・・偏光フィルム(縦)
48・・・ガラス層
51・・・入射光
52・・・入射光
61・・・測定日表示エリア
62・・・測定時刻表示エリア
63・・・グルコース濃度表示エリア
64・・・単位表示エリア
65・・・背景
70・・・設定画面
71・・・数値フィールド
72・・・数値フィールド
73・・・数値フィールド
74・・・第1閾値表示エリア
75・・・第2閾値表示エリア
76・・・第3閾値表示エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液中のグルコース濃度を示す信号を生成する測定部と、
背面に照射される光の少なくとも一部を表示面に透過させることが可能なモノクロ液晶ディスプレイを有しており、グルコース濃度を表示する表示部と、
LEDを光源として複数色の光を照射可能であり、上記モノクロ液晶ディスプレイの背面側から上記モノクロ液晶ディスプレイに向けて、上記複数色の光のうちのいずれかを照射可能なバックライト部と、
少なくとも上記バックライト部に電力を供給する電源と、
上記表示部に表示されるグルコース濃度の値に基づいて、上記バックライト部が照射可能な光の色から1つを決定し、当該決定された色の光を上記バックライト部に照射させると共に、上記表示部にグルコース濃度を表示させる制御部と、を備えた携帯型の血中グルコース濃度測定装置。
【請求項2】
上記制御部は、グルコース濃度に対応する閾値と、上記バックライト部が照射可能な光の色とを対応付けるデータテーブルを記憶し、当該データテーブルに基づいて上記バックライト部に照射させる光の色を決定する請求項1に記載の携帯型の血中グルコース濃度測定装置。
【請求項3】
操作者による操作を受け付けて、当該操作に対応する操作信号を出力する操作部を更に備え、
上記制御部は、上記閾値の更新を指示する操作信号が上記操作部から出力されたことを条件として、上記データテーブルの閾値を当該操作信号が示す閾値に更新する請求項1または2に記載の携帯型の血中グルコース濃度測定装置。
【請求項4】
上記制御部には、上記表示部にグルコース濃度を表示する時間が予め設定されており、上記表示部にグルコース濃度を表示している間だけ、上記バックライト部に光の照射を行わせる請求項1から3のいずれかに記載の携帯型の血中グルコース濃度測定装置。
【請求項5】
上記バックライト部の光源は、フルカラーLEDである請求項1から4の何れかに記載の携帯型の血中グルコース濃度測定装置。
【請求項6】
上記モノクロ液晶ディスプレイは、半透過型のモノクロ液晶ディスプレイである請求項1から5の何れかに記載の携帯型の血中グルコース濃度測定装置。
【請求項7】
上記電源は、乾電池又はリチウム電池である請求項1から6の何れかに記載の携帯型の血中グルコース濃度測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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