説明

血液体外循環回路用トランスデューサ

【課題】透析装置側の接続部との気密性に優れ、体外循環回路を構成するチューブ3との溶剤接着性が良好であり、さらに体外循環回路側ハウジング2と透析装置側のハウジング12の端部同士の溶着性が良好である、血液体外循環回路用トランスデューサを提供すること。
【解決手段】体外循環回路側ハウジング2の内筒2Bと、透析装置側ハウジング12は、それぞれの底壁2B2、12.2の略中央位置に、それぞれ体外循環回路側と透析装置側方向に、管状の接続部材2a、12aを延設し、体外循環回路側ハウジング2の内筒2Bは、体外循環回路側ハウジング2の外筒2A及び、透析装置側ハウジング12と異なる材料であって、かつ別部品として、体外循環回路側のハウジング2の外筒2Aに装着され、体外循環回路を構成するチューブ3と接着可能な材料より形成されている血液体外循環回路用トランスデューサ1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液透析、血漿交換、腹水処理等の際に使用される血液体外循環回路と透析装置等の圧力計(圧力調整器)との間に配置される血液体外循環回路用トランスデューサの改良に関する。以下、血液透析用トランスデューサの例について説明する。
【背景技術】
【0002】
血液透析用トランスデューサは、例えば特許文献1・2に記載されているように、体外循環回路側からが流入してくる流体[空気、液体(血液)]の圧力を緩衝し、また透析装置側に液体(血液)が侵入するのを阻止するための(疎水性)フィルタをハウジング内部に装着したもので、体外循環回路の(構成部品である)チューブと、透析装置の間に配置されるものである。
特許文献1(特開2006−149635号)には、体外循環回路側のハウジング2と、透析装置側のハウジング12に、それぞれ(管状の)接続部3、23(特許文献1の図1の符号)を一体成形した血液透析用トランスデューサの発明が開示されている。
特許文献1には、これらのハウジング(2、12)は、「高圧蒸気滅菌に耐えうる材質で形成することが好ましく、例えばハウジング2、12にはポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)等を採用することができ、フィルター10はポリテトラフロロエチレン等の疎水性フィルターを採用することができる。」と記載されている。
【0003】
体外循環回路側のハウジング2と、透析装置側のハウジング12とは、気密性を維持するため、相互に、端部を気密に溶着(超音波)している。このため、体外循環回路側のハウジング2と、透析装置側のハウジング12は、同じ材料で形成されている。
しかし、ハウジング(2、12)の材料に、ハウジング(2、12)同士の溶着(超音波)性に優れ、さらにポリ塩化ビニル(PVC)製チューブと溶剤接着可能なポリカーボネート(PC)を使用すると、透析装置側に装着されている接続部(通常、金属製オスルアーコネクター)と、透析装置側ハウジング12の接続部(通常、メオスルアーコネクターと同じ役割を果たす管状部材が装着される)を接続する際、双方とも硬い材料であるため嵌合性が悪い(ぴったりと嵌合しない)ので、気密性が悪く、気体(空気)のリークを招来する懸念がある。
このため透析装置側ハウジング12の接続部(金属製オスルアーコネクター)と、透析装置側も接続部との間に、別途、わざわざ別部品としてコネクター(例えば、透析装置側の接続部との気密性に優れ、透析装置側ハウジング12に接続できるもの)を配置する必要がある。
【0004】
他方、ハウジング(2、12)の材料に、透析装置側に装着されている接続部(金属製オスルアーコネクター)と気密性のよいポリプロピレン(PP)を使用すると、気密性がよく気体(空気)のリークは招来しないが、体外循環回路側のハウジング2(ポリプロピレン製)は、体外循環回路を構成しているポリ塩化ビニル(PVC)製チューブと溶剤接着できない。
体外循環回路の市販品の大部分は、材料がポリ塩化ビニル(PVC)製であるので、ポリ塩化ビニル(PVC)製チューブ端部と接続できるようにするには、体外循環回路側のハウジング2と、ポリ塩化ビニル(PVC)製チューブとの間に、別途、わざわざ両方に接続可能で気密性を維持できるコネクターを配置する必要がある。
例えば特文献2に記載のように、(接続管としての機能を果たす)内筒の外周に(内面に凸部6aを形成した)外筒を形成し、当該外筒と内筒の間に、体外循環回路を構成するポリ塩化ビニル製チューブの一端部に装着したコネクター(外周に凸部6aと螺合できる凸部を形成したもの)を接続しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−149635号公報(要約、段落[0017]、図1、図2)
【特許文献2】特開2001−129079号公報(要約、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする問題点は、以下のとおりである。
〈1〉ハウジング(2、12)の材料に、各ハウジング(2、12)同士の溶着(超音波)性の優れ、またポリ塩化ビニル(PVC)製チューブと溶剤接着可能なポリカーボネート(PC)を使用する場合、硬い材料であるため透析装置の接続部と嵌合が悪い(ぴったりと嵌合しないので、)。このため気密性が低下し、気体(空気)のリークを招来する懸念がある点である。
〈2〉体外循環回路側のハウジング2と、透析装置側のハウジング12の材料に透析装置の接続部と接続性(気密性)のよいポリプロピレン(PP)を使用すると、体外循環回路を構成するポリ塩化ビニル(PVC)製チューブと溶剤接着できない点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]本発明は、体外循環回路側ハウジング(2)と、透析装置側ハウジング(12)とを有し、
当該体外循環回路側ハウジング(2)は、さらに外筒(2A)と内筒(2B)を有し、
前記体外循環回路側ハウジング(2)の外筒(2A)及び内筒(2B)と、前記透析装置側ハウジング(12)は、それぞれ略円筒状に形成され、
前記体外循環回路側ハウジング(2)の内筒(2B)と、前記透析装置側ハウジング(12)は、それぞれの底壁(2B2、12.2)の略中央位置に、それぞれ前記体外循環回路側と前記透析装置側方向に、管状の接続部材(2a、12a)を延設し、
前記体外循環回路側ハウジング(2)の内筒(2B)は、当該体外循環回路側ハウジング(2)の外筒(2A)及び、前記透析装置側ハウジング(12)と異なる材料であって、かつ別部品として、当該体外循環回路側のハウジング(2)の外筒(2A)に装着され、前記体外循環回路を構成するチューブ(3)と接着可能な材料より形成されている、血液体外循環回路用トランスデューサ(1)を提供する。
[2]本発明は、前記体外循環回路側ハウジング(2)の外筒(2A)は、底壁(2A2)の略中央位置に、前記接続部材(2a)の挿通孔(2A5)を形成し、
前記内筒(2B)は、底壁(2B2)と前記接続部材(2a)の当該底壁(2B2)側の端部との間に、前記外筒(2A)の装着部(2B5)を形成し、
前記内筒(2B)の接続部材(2a)を、前記外筒(2A)の挿通孔(2A5)に挿入し、前記装着部(2B5)が前記外筒(2A)の挿通孔(2A1)の周壁に装着し、かつ前記内筒(2B)の底壁(2B2)と外壁(2B1)とからなる略円筒状部を前記外筒(2A)内に収納することができるように形成した[1]に記載の血液体外循環回路用トランスデューサ(1)を提供する。
[3]本発明は、前記透析装置側ハウジング(12)は、天面に、中央から外周に向けて、順次、フィルター(10)の挟持部(12.1)、前記内筒(2B)の縁部(2B3)の挟持部(12.3)、前記外筒(2A)の縁部(2A3)との溶着部(12.4)を形成し、
前記内筒(2B)と、前記透析装置側ハウジング(12)の対向する端部の間に、フィルター(10)を配置し、
前記フィルター(10)の挟持部(12.1)と前記内筒(2B)の底壁(2B2)との間に、前記フィルター(10)を挟持して溶着し、
前記内筒(2B)の挟持部(12.3)と前記外筒(2A)の底壁(2A2)により、前記内筒(2B)の縁部(2B3)と底壁(2B2)との一部を挟持し、
前記透析装置側ハウジング(12)の溶着部(12.4)と、前記外筒(2A)の縁部(2A3)を溶着した[1]または[2]に記載の血液体外循環回路用トランスデューサ(1)を提供する。
[4]本発明は、前記体外循環回路側ハウジング(2)の外筒(2A)と、前記透析装置側ハウジング(12)とは、相互に溶着性のよい材料より形成され、
前記透析装置側ハウジング(12)は、透析装置側の接続部と嵌合性のよい材料より形成され、
前記体外循環回路側ハウジング(2)の内筒(2B)と、前記チューブ(3)とは、相互に溶剤接着できる材料で形成されている、[1]から[3]のいずれか一項に記載の血液体外循環回路用トランスデューサ(1)を提供する。
[5]本発明は、前記体外循環回路側ハウジング(2)の外筒(2A)及び、前記体外循環回路側ハウジング(2)の構成材料は、ポリプロピレン、
前記体外循環回路側ハウジング(2)の内筒(2B)の構成材料は、ポリカーボネート、硬質塩化ビニル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体のいずれかである、[1]から[4]のいずれか一項に記載の血液体外循環回路用トランスデューサ(1)を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の血液体外循環回路用トランスデューサ(血液透析用トランスデューサ)では、
〈1〉〈A〉透析装置側の接続部(透析装置の圧力モニターに装着された金属製コネクター)との気密性に優れ、〈B〉体外循環回路を構成するチューブ3との溶剤接着性が良好であり、さらに〈C〉体外循環回路側ハウジング2と透析装置側のハウジング12の端部同士の溶着性(超音波溶着)が良好である。
という三条件〈A〉、〈B〉、〈C〉を全て充足する。
〈2〉〈1〉により、従来の(特許文献1・2に記載の)発明のように、体外循環回路側のハウジングと体外循環回路のチューブ、並びに透析装置側のハウジングと透析装置の間に、それぞれ気密性がよいコネクター等の間接的な接続部材を別途設けることなく、体外循環回路側ハウジング2と透析装置側のハウジング12のそれぞれの接続部(2a、12a)を、体外循環回路のチューブと透析装置側のハウジングとのそれぞれに、直接、接続できるので、操作性がよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例を示す概略図
【図2】比較例を示す概略図
【図3】比較例を示す概略図
【図4】比較例を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に例示する本発明の血液体外循環回路用トランスデューサ1(血液透析用トランスデューサ1)は、体外循環回路側ハウジング2と、透析装置側ハウジング12とを有する。
体外循環回路側ハウジング2は、さらに外筒2Aと内筒2Bを有する。
体外循環回路側ハウジング2の外筒2A及び内筒2Bと、透析装置側ハウジング12は、それぞれ略円筒状に形成されている。
体外循環回路側ハウジング2の内筒2Bと、透析装置側ハウジング12は、それぞれの底壁(2B2、12.2)の略中央位置に、それぞれ体外循環回路側と透析装置側方向に、管状の接続部材(2a、12a)を延設している。
体外循環回路側ハウジング2の内筒2Bは、体外循環回路側ハウジング2の外筒2A及び、透析装置側ハウジング12と異なる材料であって、かつ別部品として、体外循環回路側のハウジング2の外筒2Aに装着され、体外循環回路を構成するチューブ3と溶剤接着可能な材料より形成されている。
【0011】
体外循環回路側ハウジング2の内筒2Bは、体外循環回路側ハウジング2の外筒2A及び、透析装置側ハウジング12と異なる材料であって、かつ別部品として、体外循環回路側のハウジング2の外筒2Aに装着され、体外循環回路を構成するチューブ3と溶剤接着可能な材料であれば何でもよい。
チューブ3の材料が、ポリ塩化ビニルの場合、内筒2B接続部材2aの材料は、ポリカーボネート、硬質ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)等が好適に使用される。
体外循環回路側ハウジング2の外筒2Aと、透析装置側ハウジング12の材料は、相互に対向する端部が超音波、熱等により溶着できるものであれば何でもよい。溶着手段は好ましくは気密性を確実に維持できる超音波溶着がよい。
また体外循環回路側ハウジング2(外筒2Aと内筒2B)と透析装置側ハウジング12の材料は、高圧蒸気滅菌処理を施しても容易に変形しないものが好ましい。
体外循環回路側ハウジング2の内筒2Bの材料が、ポリカーボネート(PC)、硬質ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)の場合は、体外循環回路側ハウジング2の外筒2Aと、透析装置側ハウジング12の材料は、ポリプロピレン(PP)等が好適に使用される。
【0012】
次に、血液透析用トランスデューサ1の形態の実施例について、詳述する。
体外循環回路側ハウジング2(外筒2Aと内筒2B)において、底壁(2A2、2B2)は体外循環回路方向に位置し、天面は透析装置方向に位置する。
透析装置側ハウジング12において、壁部12.2は透析装置方向に位置し、天面は体外循環回路方向に位置する。
体外循環回路側ハウジング2の外筒2Aと内筒2Bのそれぞれの形態と、これらの組み立てについて説明する。
外筒2Aは、外壁2A1と底壁2A2を有する略円筒状に形成され、底壁2A2の略中央位置に、(内筒2の接続部材2aの)挿通孔2A5を形成している。
内筒2Bは、外壁2B1と底壁2B2を有する略円筒状に形成され、底壁2B2の略中央位置に、体外循環回路方向に、管状の接続部材2aを延設している。
内筒2Bは、底壁2B2と接続部材2aの内筒2B側の端部との間に、外筒2Aの装着部2B5を形成している。装着部2B5は、例えば環状で、接続部材2aよりも大径の凸部である。
体外循環回路側ハウジング2の組み立ては、図1(A)、(B)に例示するように、内筒2Bの接続部材2aを、外筒2Aの挿通孔2A5に挿入し、装着部2B5が挿通孔2A5の周壁に装着(嵌合もしくは係合)し、かつ内筒2B(略円筒状部)を外筒2A内に収納する。
内筒2B(略円筒状部)は、外筒2A(略円筒状部)内に完全に収納されるように深さ(長さ)・幅(径)の双方のサイズを、外筒2A(略円筒状部)より小さく形成している。
【0013】
透析装置側ハウジング12は、図1に例示するように、底壁12.2の略中央位置に、透析装置側方向に、内面にルアーテーパーを有する管状の接続部材12a[透析装置側の接続部(金属製オスルアーコネクター)に対向して、いわゆる「メスルアーコネクター」と同等の役割を果たす管状部材である]を延設している。
透析装置側ハウジング12は、天面に図1に例示するように、中心から外周(外側)に向けて、順次、(フィルター10の)挟持部12.1、(内筒2Bの縁部2B3の)挟持部12.3、(外筒2A縁部2A3に対向する)溶着部9が形成されている。
これらの底壁12.2の底面から天面方向の高さは、(フィルター10の)挟持部12.1、(内筒2B縁部2B3の)挟持部12.3、(外筒2A縁部2A3に対向する)溶着部9の順に大きく(高く)形成されている。
体外循環回路側ハウジング2の内筒2Bと、透析装置側ハウジング12の対向する端部の間に、フィルター10が配置され、これらハウジング(2、12)の間に挟み込むことにより、固定される。また必要に応じて、超音波、熱等の溶着手段により固定するようにしてもよい。
フィルター10は、平膜状で、疎水性のフィルターが好適に使用される。
【0014】
(フィルター10の)挟持部12.1は、図1に例示するように(体外循環回路側ハウジング2の)内筒2Bの底壁2B2とともに、フィルター10を挟持する(挟み込んで固定する)部位であり、また必要に応じて、超音波、熱等の手段により溶着する部位である。
(内筒2B縁部2B3の)挟持部12.3は、図1に例示するように、内筒2Bの縁部2B3と底壁2B2部(の一部)を、外筒2Aの底壁2A2とともに挟持する部位である。
溶着部12.4は、外筒2Aの縁部2A3と対向して形成され、外筒2Aの縁部2A3とともに超音波、熱等の手段により溶着する部位である。
【実施例】
【0015】
図1から図4に示すように、本発明の実施例である図1の血液透析用トランスデューサ1と、比較例である図2から図4の血液透析用トランスデューサ101、201、301(外筒2Aと内筒2Bの別部品とせず一体成形したもの。)について、体外循環回路側ハウジング2(外筒2A、内筒2B)、102、202、302、透析装置側のハウジング12、112、212、312、体外循環回路を構成するチューブ3、103、203、303に、それぞれ、表1に示す材料を使用して、
〈A〉透析装置側の接続部との気密性。
〈B〉体外循環回路を構成するチューブ3との溶剤接着性。
〈C〉体外循環回路側ハウジング2と透析装置側のハウジング12の端部同士の溶着性(超音波溶着性)。
について、比較検討した。
【0016】
【表1】

【0017】
表1において、PPは、ポリプロピレン、PCは、ポリカーボネート、PVCはポリ塩化ビニルである。
評価項目〈A〉において、◎は気密性良好、×は気密性不良を示している。
評価項目〈B〉において、◎は接続可、×は接続不可を示している。
評価項目〈C〉において、◎は溶着可、×は溶着不可を示している。
【0018】
表1の結果により、本発明の実施例1は、評価項目〈A〉、〈B〉、〈C〉の全てにおいて良好であった。
これに対して、
比較例1は、評価項目〈A〉において、透析装置側ハウジング112の接続部112aと透析装置側の接続部材(金属製オスルアーコネクター)との気密性が悪かった。
比較例2は、評価項目〈B〉において、体外循環回路側ハウジング202の接続部202aとチューブ203との接続(溶剤接着)ができなかった。
比較例3は、評価項目〈C〉において、体外循環回路側ハウジング302の縁部302.3と、透析装置側のハウジング312の溶着部312.4同士の溶着ができなかった。
【0019】
表2にハウジング(2、12)とチューブ3(体外循環回路)の材料のコンビネーションの実施例1から実施例3を例示したが、本発明の血液体外循環回路用トランスデューサ1を構成する各部材の材料は、
(1)体外循環回路側ハウジング2の外筒2Aと、透析装置側ハウジング12とは、相互に溶着(超音波)性のよい材料であること。
(2)透析装置側ハウジング12は、透析装置側の接続部(金属製オスルアーコネクター)と、嵌合性(びったりと嵌合し、気密性)がよいこと。
(3)体外循環回路側ハウジング2の内筒2Bと、チューブ3(体外循環回路)とは、相互に溶剤接着できる材料であること。
以上の条件(1)から(3)を充足すれば、なんでもよい。
【0020】
【表2】

【符号の説明】
【0021】
1 血液体外循環回路用トランスデューサ(血液透析用トランスデューサ)
2 ハウジング(体外循環回路側)
2A 外筒(体外循環回路側ハウジング)
2A1 外壁(外筒)
2A2 底壁(外筒)
2A3 縁部(外筒)
2A5 挿通孔(外筒)
2B 内筒(体外循環回路側ハウジング)
2B1 外壁(内筒)
2B2 底壁(内筒)
2B3 縁部(内筒)
2B5 装着部(内筒)
2a 接続部(内筒)
3 チューブ(体外循環回路側)
10 フィルター(疎水性)
12 ハウジング(透析装置側)
12.1 (フィルターの)挟持部
12.2 底壁(透析装置側ハウジング)
12.3 (内筒の縁部2.3の)挟持部(透析装置側ハウジング)
12.4 (内筒の縁部2.3と対向する)溶着部(透析装置側ハウジング)
12a 接続部(透析装置側ハウジング)
W (溶着部12.4と外筒2A縁部2A3との)溶着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体外循環回路側ハウジング(2)と、透析装置側ハウジング(12)とを有し、
当該体外循環回路側ハウジング(2)は、さらに外筒(2A)と内筒(2B)を有し、
前記体外循環回路側ハウジング(2)の外筒(2A)及び内筒(2B)と、前記透析装置側ハウジング(12)は、それぞれ略円筒状に形成され、
前記体外循環回路側ハウジング(2)の内筒(2B)と、前記透析装置側ハウジング(12)は、それぞれの底壁(2B2、12.2)の略中央位置に、それぞれ前記体外循環回路側と前記透析装置側方向に、管状の接続部材(2a、12a)を延設し、
前記体外循環回路側ハウジング(2)の内筒(2B)は、当該体外循環回路側ハウジング(2)の外筒(2A)及び、前記透析装置側ハウジング(12)と異なる材料であって、かつ別部品として、当該体外循環回路側のハウジング(2)の外筒(2A)に装着され、前記体外循環回路を構成するチューブ(3)と接着可能な材料より形成されている、ことを特徴とする血液体外循環回路用トランスデューサ(1)。
【請求項2】
前記体外循環回路側ハウジング(2)の外筒(2A)は、底壁(2A2)の略中央位置に、前記接続部材(2a)の挿通孔(2A5)を形成し、
前記内筒(2B)は、底壁(2B2)と前記接続部材(2a)の当該底壁(2B2)側の端部との間に、前記外筒(2A)の装着部(2B5)を形成し、
前記内筒(2B)の接続部材(2a)を、前記外筒(2A)の挿通孔(2A5)に挿入し、前記装着部(2B5)が前記外筒(2A)の挿通孔(2A1)の周壁に装着し、かつ前記内筒(2B)の底壁(2B2)と外壁(2B1)とからなる略円筒状部を前記外筒(2A)内に収納することができるように形成したことを特徴とする請求項1に記載の血液体外循環回路用トランスデューサ(1)。
【請求項3】
前記透析装置側ハウジング(12)は、天面に、中央から外周に向けて、順次、フィルター(10)の挟持部(12.1)、前記内筒(2B)の縁部(2B3)の挟持部(12.3)、前記外筒(2A)の縁部(2A3)との溶着部(12.4)を形成し、
前記内筒(2B)と、前記透析装置側ハウジング(12)の対向する端部の間に、フィルター(10)を配置し、
前記フィルター(10)の挟持部(12.1)と前記内筒(2B)の底壁(2B2)との間に、前記フィルター(10)を挟持して溶着し、
前記内筒(2B)の挟持部(12.3)と前記外筒(2A)の底壁(2A2)により、前記内筒(2B)の縁部(2B3)と底壁(2B2)との一部を挟持し、
前記透析装置側ハウジング(12)の溶着部(12.4)と、前記外筒(2A)の縁部(2A3)を溶着したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の血液体外循環回路用トランスデューサ(1)。
【請求項4】
前記体外循環回路側ハウジング(2)の外筒(2A)と、前記透析装置側ハウジング(12)とは、相互に溶着性のよい材料より形成され、
前記透析装置側ハウジング(12)は、透析装置側の接続部と嵌合性のよい材料より形成され、
前記体外循環回路側ハウジング(2)の内筒(2B)と、前記チューブ(3)とは、相互に溶剤接着できる材料で形成されている、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の血液体外循環回路用トランスデューサ(1)。
【請求項5】
前記体外循環回路側ハウジング(2)の外筒(2A)及び、前記体外循環回路側ハウジング(2)の構成材料は、ポリプロピレン、
前記体外循環回路側ハウジング(2)の内筒(2B)の構成材料は、ポリカーボネート、硬質塩化ビニル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体のいずれかである、ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の血液体外循環回路用トランスデューサ(1)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−41679(P2011−41679A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191691(P2009−191691)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【出願人】(000200035)川澄化学工業株式会社 (103)
【Fターム(参考)】