説明

血液浄化用回路

【課題】血液浄化用回路で、投与された腎機能障害の原因となり得る造影剤を体内から取り除く目的で容易に血液浄化を実施できるようにする。
【解決手段】清潔野にて操作される部分の外表面が内滅菌包装によって覆われており、内滅菌包装に覆われていない不潔野にて操作される部分とが一続きの回路として外滅菌包装に覆われて滅菌されている。また、外滅菌包装から取り出した後の不潔野での操作中に、清潔野にて操作される部分の外表面が内滅菌包装に覆われていて、且つ、不潔野にて操作される部分との境界が明確になっており、不潔野での操作によって内滅菌包装が外れることなく、且つ、該境界がずれることなく、清潔野にて操作される部分の外表面が清潔な状態に維持される包装形態である。加えて、清潔野にて操作される部分の外表面に触れることなく内滅菌包装を取り外し、清潔野にて操作される部分を取り出すことが可能な包装形態である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はPCIや術前検査を実施する処置室内の清潔野および不潔野との両方にまたがって使用される血液浄化用回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
PCI(経皮的冠動脈インターベンション:Percutaneous Coronary Intervention)は、血管などの脈管において狭窄あるいは閉塞が生じた場合、及び血栓により血管が閉塞してしまった場合に、血管の狭窄部位あるいは閉塞部位を拡張して血管末梢側の血流を改善するための安全且つ有効な治療法として、広く行われている。
【0003】
またPCIは、一般的な外科的手術のように開腹や開胸を必要としないため、患者への負担が小さく、低侵襲治療法として知られている。
【0004】
一般的な外科手術においては、手術創からの感染防止のために、術者の手や手術器具など患者の手術創に触れる、あるいは触れる可能性のある部分は無菌操作が施され高度の清潔度が保たれている。このように清潔が保たれている領域は清潔野と呼ばれる。
【0005】
一方、PCIは切開部位が小さくて済むことから、手術室のように高度に衛生管理を徹底する必要がないことから、通常、特段の衛生管理を行っていない、処置室等で行われるのが一般的である。このような処置室において、PCIは患者のベッド(術台)のみ清潔野として施術されている。
【0006】
PCIや術前検査において造影剤が必要不可欠な薬剤として広範に使用されているが、近年、腎機能が低下している患者に対しては造影剤の副作用が問題となることが知られている。そのため造影剤の使用量をできる限り最小限に抑える努力がなされているが、左冠動脈主幹部(LMT)病変や慢性完全閉塞(CTO)病変のような困難病変に対する造影や、詳細確認を要する金属ステントあるいは薬剤放出ステント(DES)の留置確認には大量の造影剤を必要とする。
【0007】
造影剤の副作用には腎機能障害、皮膚障害、心血管障害、呼吸器障害、泌尿器障害などがあるが、近年、PCIを行う患者に糖尿病を合併する患者が非常に増加していることから、副作用のなかでも特に腎機能障害(造影剤性腎症)が特に問題となっている。腎不全などの腎機能が低下した患者に造影剤を使用すると、速やかに体外に排泄されないため、特に深刻である。このような問題を解決するために、PCIおよび術前検査実施中に、投与された造影剤を体内から取り除く目的で血液浄化を実施する場合、処置室において、血液浄化用回路を使用する必要がある。
【0008】
一般的に処置室は特段の衛生管理は行われておらず、限られた清潔野以外のスペースは、特段の衛生管理は行われていない不潔野であるのが実状である。PCIにおけるカテーテル操作そのものは、循環器内科医等の術者によって清潔野にて実施されるが、造影剤を用いる放射線モニター装置の操作は、専門の技師によって不潔野にて行われるのが一般的である。
【0009】
また、造影剤の除去を目的とする血液浄化装置においては、血液浄化用回路は、患者からの脱血および患者への返血のために患者に接続され、患者のベッド(術台)即ち、清潔野に乗せる必要がある。回路の他方は血液浄化装置に接続されるが、血液浄化装置周りを清潔に維持することは不可能であることから不潔野と考えられる。また、血液浄化装置の操作は、循環器内科医等の術者以外の操作者が操作を行う。血液浄化用回路は、外滅菌包装を取り外した後の清潔野における使用前に洗浄およびプライミングを実施する必要があり、これらの操作も清潔操作を行う清潔な術者以外の操作者が、不潔野にて実施することとなる。しかしながら、通常の血液浄化装置に対応した専用回路では、専用回路を血液浄化装置に設置し、洗浄およびプライミングを実施するために、滅菌袋から取り出すことにより、患者へ接続される部分(脱血用回路および返血用回路)、即ち、清潔野にて操作される部分を不潔野にさらすことになる。また、清潔操作を行う清潔な術者もしくは別の清潔な操作者が、清潔野にいる患者に接続する部分のみから成る回路を洗浄およびプライミングを実施し、血液浄化装置に対応した専用回路に後から接続するという方法も考えられるが、時間や手間から現実的ではない。これまで、処置室内の清潔野および不潔野の両方にまたがる使用が可能な血液浄化用回路はなく、PCIおよび術前検査実施中に、投与された造影剤を体内から取り除く目的で血液浄化を実施することが困難であった。PCIは格段の衛生管理は必要ないものの、清潔野と不潔野の境界は明確にしておく必要があるが、処置室内の清潔野および不潔野の療法にまたがって使用が可能な血液浄化用回路は存在せず、清潔野と不潔野の境界があいまいになる危険があることから、装置全体を手術室のように高度に管理された処置室に設置するか、あるいは、不潔野にさらされた部分を消毒布で拭くなどして滅菌するかしか方法がなかった。
【0010】
別のアプローチとしては、清潔野のパーツと不潔野のパーツをPCIの術前にドッキングさせることが考えられる。しかしながら、清潔野の循環器内科医が操作をする場合には、循環器内科医そのものの滅菌レベルが低下することが懸念される一方、血液中に含まれる感染性病原菌を不潔野に飛散させてしまう危険性もあり現実的ではない。加えて、パーツの一体化に時間を要したり、パーツ間の気密性に懸念があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、かかる問題に鑑み、処置室内の清潔野および不潔野の両方にまたがる使用が可能な血液用回路、さらに詳しくは血液浄化用回路を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題の解決のために本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、本発明の血液浄化用回路を発明するに至った。
【0013】
すなわち本発明は、PCIや術前検査を実施する処置室内の清潔野と不潔野とにまたがって使用される血液浄化用回路であって、前記回路のうち清潔野にて操作される部分の外表面は、不潔野での操作においても清潔な状態で維持可能な血液浄化用回路に関する。
【0014】
また本発明は、清潔野にて操作される部分と不潔野にて操作される部分からなる血液浄化用回路であって、清潔野にて操作される部分の外表面が内滅菌包装によって覆われており、不潔野にて操作される部分と清潔野にて操作される部分とが一続きの回路として外滅菌包装に覆われて滅菌されていることを特徴とする血液浄化用回路に関する。
【0015】
また本発明は、PCIや術前検査を実施する処置室内の清潔野と不潔野とにまたがって使用される血液浄化用回路であって、清潔野にて操作される部分と不潔野にて操作される部分が、境界目印部材によって接続され、境界目印部材と清潔野にて操作される部分が内滅菌包装によって覆われ、さらに清潔野にて操作される部分と不潔野にて操作される部分が外滅菌包装によって覆われていることを特徴とする、血液浄化用回路に関する。
【0016】
また本発明は、清潔野にて操作される部分の外表面に触れることなく内滅菌包装を取り外すことが可能な包装形態であることを特徴とする血液浄化用回路に関する。
【発明の効果】
【0017】
前記課題を解決するための手段により、本発明の血液浄化用回路は、PCIや術前検査を実施する処置室内の清潔野と不潔野とにまたがって使用され、回路のうち清潔野にて操作される部分の外表面が不潔になることなく、清潔操作を行う清潔な術者以外の血液浄化装置の操作者が、外滅菌包装を取り外した後の清潔野における使用前の不潔野での操作、即ち、洗浄およびプライミングを実施できる。
【0018】
また、清潔操作を行う清潔な術者以外の操作者が、回路のうち清潔野にて操作される部分の外表面に触れることなく内滅菌包装を取り外し、清潔野にいる清潔な術者へ清潔野にて操作される部分を手渡すことが可能となり、清潔野にいる患者への接続操作において清潔な状態を維持できる。
【0019】
そして、処置室内の清潔野および不潔野の両方にまたがる使用が可能な血液浄化用回路であって、処置室において、PCIおよび術前検査実施中に、投与された腎機能障害の原因となり得る造影剤を体内から取り除く目的で容易に血液浄化を実施することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明における血液浄化用回路の一実施形態の概略図を図1に示す。図1に示す血液浄化用回路01は、不潔野にて操作される血液浄化装置に対応した専用回路に接続可能な形状の部材02と脱血または返血用回路部分03、清潔野にて操作される患者の脱血用部材または返血用部材に接続可能な形状の部材04と脱血または返血用回路部分05、同じく清潔野にて操作される脱血または返血用回路部分にそれぞれ接続可能な形状の部材を両端に有している通液可能な連結部材06から構成される。内滅菌包装09は、清潔野にて操作される部分04乃至06と不潔野にて操作される部分02乃至03との境界の目印となる境界目印部材07、清潔野にて操作される部分04乃至06および境界目印部材07を覆っていて不潔野にて操作される部分02乃至03を包装の外に出すための最小限の大きさの隙間08が空いている。さらにこれら02〜09の全体を覆っている外滅菌包装10から構成されるものである。
【0021】
不潔野にて操作される脱血または返血用回路部分03は、血液浄化装置に対応した専用回路に接続可能な形状の部材02を有しており、少なくとも通血の際には、種々の血液浄化装置に設置できるように対応して作製された専用回路のうち脱血用回路および返血用回路にそれぞれ接続された状態で使用されるものである。
【0022】
清潔野にて操作される脱血または返血用回路部分05は、患者の脱血用部材または返血用部材に接続可能な形状の部材04を有しており、少なくとも通血の際には、患者の脱血用部材または返血用部材、例えば、留置針、採血用カテーテル、コネクタなどにそれぞれ接続された状態で使用されるものである。
【0023】
通液可能な連結部材06は、清潔野にて操作される脱血または返血用回路部分05に含まれる部材04にそれぞれ接続可能な形状の部材を両端に有しており、少なくとも内滅菌包包装が取り外されるまでの間、例えば、滅菌された液体を使用した回路内部の洗浄およびプライミングを行っている際には、清潔野にて操作される脱血または返血用回路部分05に含まれる部材04にそれぞれ両端が接続された状態で使用されるものである。
【0024】
境界目印部材07は、清潔野にて操作される部分04乃至06と不潔野にて操作される部分02乃至03との境界に位置し、境界であることの目印となる形状で、内滅菌包装09を取り外した際には、どこまでが清潔野にて操作される部分、即ち回路の外表面が清潔に保たれていた部分であるか一目でわかるようになっていることが望ましい。さらには、図2に示す内滅菌包装09にあけられた隙間08付近の拡大図(A)のように、境界目印部材07を2個まとめた状態が隙間08より嵩高いことが望ましい。この形状により、清潔野にて操作される部分04乃至06が不隙間08からずり出てきたり、引っ張り出されたりしにくくなることから、外滅菌包装10を取り外した後の清潔野における使用前の不潔野での操作、例えば、装置への設置、滅菌された液体を使用した回路内部の洗浄およびプライミングにおいて、清潔野にて操作される部分の外表面が清潔な状態であることを維持できる。あるいは、別の形態として、図2の(B)にあるように、境界目印部材07が1個であり、脱血および返血用回路が1つにまとめられていてもよく、隙間08から境界目印部材07がずり出てくるのを防ぐ形状であればよい。
【0025】
内滅菌包装09は、清潔野にて操作される部分04乃至06および境界目印部材07を覆っていて、且つ、不潔野にて操作される部分02乃至03を包装の外に出すための最小限の大きさの隙間08が空いている包装形態であり、この内滅菌包装09は少なくとも清潔野にいる患者に接続される際には取り外されるものである。
【0026】
好ましくは、外滅菌包装10を取り外した後の清潔野における使用前の不潔野での操作、例えば、装置への設置、滅菌された液体を使用した回路内部の洗浄およびプライミングにおいて、清潔野にて操作される部分の外表面が清潔な状態であることを維持できるような形状であることが望ましい。
【0027】
また、好ましくは、外滅菌包装10を取り外した後の清潔野における使用前の不潔野での操作、例えば、装置への設置、滅菌された液体を使用した回路内部の洗浄およびプライミングにおいて、内滅菌包装に開けられた不潔野にて操作される部分02乃至03を包装の外に出すための最小限の大きさの隙間08からずり出てきたり、引っ張り出されたりしにくいような形状、即ち、通液可能な部材07を2個まとめた状態より隙間08の大きさが小さい方がよい。
【0028】
さらに好ましくは、外滅菌包装10を取り外した後の清潔野における使用前の不潔野での操作、例えば、装置への設置、滅菌された液体を使用した回路内部の洗浄およびプライミングにおいて、隙間08からずり出てきたり、引っ張り出されたりしにくいよう、また、不潔な液体などが入りにくいよう、不潔野にて操作される部分02乃至03の境界部材07付近の位置に粘着テープなどで貼り付けて止められているなどして、隙間08が最小限になっていることが好ましい。
【0029】
また、好ましくは、清潔操作を行う清潔な術者以外の血液浄化装置の操作者が、回路のうち清潔野にて操作される部分04乃至06を、その外表面に触れることなく内滅菌包装09を取り外し、清潔野にいる清潔な術者へ手渡すことが可能となり、清潔野にいる患者への接続操作において清潔な状態を維持できるよう、内滅菌包装09は取り外しやすい形状や材質であることが好ましい。例えば、材質としては包装の一部または全部が紙もしくは不織布、薄いビニール状であること、破り取りやすいように包装の縁に切込みがある、剥がしやすい接着部分があることなどが望ましいが、それらに限られるものではない。
【0030】
外滅菌包装10は、02乃至09の全体を覆っていて、血液浄化用回路01が包装された状態で滅菌された後、梱包され出荷および保管される。その後、使用する直前まで取り外されることはないものである。
【実施例】
【0031】
以下に、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0032】
(実施例1)
図1に示す血液浄化用回路を作製した。回路長はそれぞれ、不潔野にて操作される脱血または返血用回路部分03を30cm、清潔野にて操作される脱血または返血用回路部分05を220cmとし、連結部材06を10cmとした。全ての回路は、内径4mm、外径6mmのポリ塩化ビニル製チューブを使用した。接続用部材02および04は、市販の血液浄化用回路や留置針などのデバイスと接続可能なようにルアーロック式のコネクターを使用した。また、境界目印部材07は、内滅菌包装の隙間08より大きくなるよう径の大きなポリ塩化ビニル製チューブを被せた。血液浄化用回路02乃至06を内滅菌包装09に入れ、内滅菌包装09に開けた隙間08から不潔野にて操作される部分02乃至03を出した状態で封をし、さらにそれら全てを外滅菌包装に入れて封をした。内滅菌包装09および外滅菌包装10には40cm×20cmの市販の滅菌袋を使用した。作製した血液浄化用回路01をエチレンオキサイドガス滅菌した。
【0033】
作製した血液浄化用回路01を使用して、外滅菌包装を取り外した後の清潔野における使用前の不潔野での操作のうち、滅菌された液体を使用した回路内部の洗浄およびプライミングを行っている模式図を図3に示す。まず、清潔操作を行う清潔な術者以外の操作者が、図3の血液浄化用回路01の外滅菌包装を取り外し、中身を取り出した。内滅菌包装09はつけたまま、不潔野にて操作される脱血または返血用回路部分03の2本のうち一方の血液浄化装置対応専用回路に接続可能な形状の部材02を血液浄化装置11に設置された血液浄化装置対応専用回路のうち脱血用回路および返血用回路12の2本のうち一方に接続した。また、血液浄化用回路01の不潔野にて操作される脱血または返血用回路部分03の2本のうち残りの一方は廃液容器14に入れ、血液浄化装置11に設置された血液浄化装置対応専用回路のうち脱血用回路および返血用回路12の2本のうち残りの一方は滅菌された液体が入った滅菌液バッグ13に接続した。
【0034】
血液浄化装置11の血液ポンプを作動し、滅菌液バッグ13から滅菌された生理食塩液1000mLを流し、血液浄化装置対応専用回路12および血液浄化用回路01を洗浄した。次に、滅菌液バッグ13からヘパリンを添加した滅菌された生理食塩液500mLを流し、血液浄化装置対応専用回路12および血液浄化用回路01をプライミングした。廃液容器に廃液を回収した。
【0035】
以上の操作は、不潔野において清潔な術者以外の操作者が行うが、清潔野にて操作される部分の外表面が清潔な状態であることを維持できた。
【0036】
(実施例2)
実施例1において作製した血液浄化用回路01を使用して、内滅菌包装09を取り外した後の清潔野にいる患者への接続操作を行っている模式図を図4に示す。まず、処置室内を想定した室内の不潔野15において清潔な術者以外の操作者が図4の血液浄化用回路01の内滅菌包装09を破り、清潔野16にいる清潔操作を行う清潔な術者が中身の清潔野にて操作される部分04乃至06を取り出した。不潔野にて操作される部分03と清潔野にて操作される部分05との境界の目印となる境界目印部材07は、清潔野と不潔野の境界17に設置した。内滅菌包装09を破り取った後は清潔野に位置する部分04乃至06には清潔な状態でしか触れないようにした。次に、清潔操作を行う清潔な術者が、通液可能な連結部材06を患者の脱血用部材または返血用部材に接続可能な形状の部材04から取り外し、清潔野にて操作される脱血または返血用回路部分05を清潔野にいる患者の脱血用部材(採血用カテーテルに接続したYコネクタ)および返血用部材(16G留置針)にそれぞれ接続した。その後、清潔操作を行う清潔な術者以外の操作者が血液浄化装置11の血液ポンプを作動し、血液浄化を実施した。以上の操作中、清潔野にて操作される部分の外表面が清潔な状態であることを維持できた。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明における血液浄化用回路の一実施形態の概略図である。
【図2】図1における内滅菌包装09にあけられた隙間08付近の拡大図である。
【図3】本発明における血液浄化用回路の一実施形態を使用した回路内部の洗浄およびプライミングの模式図である。
【図4】本発明における血液浄化用回路の一実施形態を使用した患者への接続操作の模式図である。
【符号の説明】
【0038】
01 血液浄化用回路
02 血液浄化装置対応専用回路に接続可能な形状の部材
03 不潔野にて操作される脱血または返血用回路部分
04 患者の脱血用部材または返血用部材に接続可能な形状の部材
05 清潔野にて操作される脱血または返血用回路部分
06 連結部材
07 境界目印部材
08 隙間
09 内滅菌包装
10 外滅菌包装
11 血液浄化装置
12 血液浄化装置対応専用回路
13 滅菌液バッグ
14 廃液容器
15 不潔野
16 清潔野
17 清潔野と不潔野の境界

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PCIや術前検査を実施する処置室内の清潔野と不潔野とにまたがって使用される血液浄化用回路であって、前記回路のうち清潔野にて操作される部分の外表面は、不潔野での操作においても清潔な状態で維持可能な血液浄化用回路。
【請求項2】
清潔野にて操作される部分と不潔野にて操作される部分からなる血液浄化用回路であって、清潔野にて操作される部分の外表面が内滅菌包装によって覆われており、不潔野にて操作される部分と清潔野にて操作される部分とが一続きの回路として外滅菌包装に覆われて滅菌されていることを特徴とする請求項1記載の血液浄化用回路。
【請求項3】
PCIや術前検査を実施する処置室内の清潔野と不潔野とにまたがって使用される血液浄化用回路であって、清潔野にて操作される部分と不潔野にて操作される部分が、境界目印部材によって接続され、境界目印部材と清潔野にて操作される部分が内滅菌包装によって覆われ、さらに清潔野にて操作される部分と不潔野にて操作される部分が外滅菌包装によって覆われていることを特徴とする、血液浄化用回路。
【請求項4】
清潔野にて操作される部分の外表面に触れることなく内滅菌包装を取り外すことが可能な包装形態であることを特徴とする請求項1〜3記載の血液浄化用回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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