行動促進システム、サーバ、提示方法、および、プログラム
【課題】目標達成のために行うユーザの行動を適切に促進することのできる行動促進システム等を提供する。
【解決手段】行動データ蓄積手段21は、各ユーザの行動に関する全体行動データを蓄積する。グループ行動データ群抽出手段22は、対象ユーザの行動データに基づいて、蓄積された全体行動データから対象ユーザを含むグループ行動データを抽出する。グループ行動データ処理手段23は、全体行動データにおけるグループ行動データの位置情報を表示するための表示データを生成する。対象ユーザ行動データ処理手段24は、抽出されたグループ行動データにおける対象ユーザの行動データの位置情報を表示するための表示データを生成する。そして、行動データ提示手段12は、生成された両表示データを表示することで、同じ行動をしているユーザ全体の状況と、対象となるユーザの近辺の詳細な状況の双方を提示する。
【解決手段】行動データ蓄積手段21は、各ユーザの行動に関する全体行動データを蓄積する。グループ行動データ群抽出手段22は、対象ユーザの行動データに基づいて、蓄積された全体行動データから対象ユーザを含むグループ行動データを抽出する。グループ行動データ処理手段23は、全体行動データにおけるグループ行動データの位置情報を表示するための表示データを生成する。対象ユーザ行動データ処理手段24は、抽出されたグループ行動データにおける対象ユーザの行動データの位置情報を表示するための表示データを生成する。そして、行動データ提示手段12は、生成された両表示データを表示することで、同じ行動をしているユーザ全体の状況と、対象となるユーザの近辺の詳細な状況の双方を提示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目標達成のために行うユーザの行動を適切に促進することのできる行動促進システム、サーバ、提示方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの行動を促進するシステムは、これまでにも種々の提案がなされている。例えば、単に有用と思われる情報をユーザに提示するシステムだけでなく、ユーザの行動に関し、特に有用なデータを自動または手動にて取得して、行動の促進のために活用するシステム等である。
【0003】
健康・環境・学習等に目標を掲げたユーザの行動を促進するためには、そのユーザの自発的な行動が必要である。そのためには、ユーザ自身の行動状況を提示するだけでなく、目標に向けて行動している他者(競争相手や仲間等)の情報を提示することが効果的とされている。
このような他者の情報を提示することでユーザの行動を促進する発明も開示されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0004】
特許文献1には、ダイエットという目標に向かって行動するユーザに、Webブラウザ経由で必要な情報の取得・提示を行うことで、ユーザの行動を支援する発明(ダイエット支援システムの発明)が開示されている。このシステムでは、最初にダイエットの目標値をユーザに入力させ、また、日々の食事内容と体重を逐次入力させる。そして、食事の摂取カロリーや状況に応じたアドバイスを、日々の変化に合わせて表示する。その上、このシステムでは、類似のダイエット目標を掲げた他者(ライバル)を自動抽出し、その他者の経過を表示することで、競争心を掻き立てる。
【0005】
また、特許文献2には、周りで学習している人を感じさせる「自習室」を、仮想的に作り出すことで学習支援を行う発明(通信教育システムの発明)が開示されている。このシステムでは、教材を学習するユーザの学習履歴を学習開始からの時間経過に対応させて記録する。そして、同じ教材を過去に使用した他のユーザの中から、プロファイルや履歴が似ている他者(学習者)を抽出する。そして、抽出した他者の学習履歴を、現在その教材で学習をしているユーザの時間経過に合わせて提示することで、孤独感を減少させ、他者への対抗意識を掻き立てる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−331585号公報(第3−6頁、第2図)
【特許文献2】特開2003−162209号公報(第3−9頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ユーザの行動を促進するためには、ユーザが他者と一緒に目標に向かって努力しているという実感を与え、仲間意識や競争意識を刺激することが、効果的なアプローチとなる。 このような実感をユーザに与えるためには、全体の中で自分(ユーザ)がどの位置にいるのかという情報と、自分の位置の周辺にいる他者(ライバル)がどのような努力過程や現状なのかという情報とからなる2種類の情報が、それぞれ重要な要素になると考えられる。
具体的にマラソンを一例とした場合には、全体の中で自分が何位にいるのかと、自分の周辺にいるライバル(隣で走っている他者、追い上げてきた他者、及び、追い抜いていった他者等)とが重要な要素であり、これら両方の要素を把握することで、競争心が刺激される。
【0008】
しかしながら、上述した特許文献1,2の発明では、このような重要な要素が欠けており、実際には充分な成果が得られないと考えられる。
すなわち、特許文献1,2の発明では、静的なユーザのプロファイルを元に他者が選択され、その他者の情報が提示されるだけである。そのため、実際にユーザの周辺にいる他者(競うべきライバル)が選択されず、上述した2つ目の重要な要素が提示されない。つまり、特許文献1の発明では、ユーザが行動を始める前に設定した目標から、提示する他者を選択しているだけである。そのため、実際にユーザの周辺にいる他者(例えば、その瞬間に隣に「並んで」いるユーザ)が選ばれない。また、引用文献2の発明でも、同じ教材を過去に使用し、かつ、プロファイルが似た他者を選択しており、そのような他者のデータを、ユーザの時間経過に擬似的に同期させて提示しているだけである。
また、特許文献1,2の発明では、何れも、上述した1つ目の重要な要素が何ら提示されないため、ユーザと全体との関係や全体の状況を把握することができない。
【0009】
このように、特許文献1,2の発明では、ユーザが他者と一緒に目標に向かって努力しているという実感を与えることができず、仲間意識や競争意識を刺激することが難しいため、ユーザの行動を充分に促進することができなかった。
【0010】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、目標達成のために行うユーザの行動を適切に促進することのできる行動促進システム、サーバ、提示方法、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の観点に係る行動促進システムは、
各ユーザの行動に関するそれぞれの行動データによって構成される全体行動データ群を蓄積する行動データ蓄積手段と、
対象ユーザの前記行動データに基づいて、所定の条件により前記全体行動データ群から当該対象ユーザを含むグループ行動データ群を抽出するグループ行動データ群抽出手段と、
抽出された前記グループ行動データ群における前記対象ユーザの行動データの位置情報を表示するための表示データを生成する対象ユーザ行動データ処理手段と、
前記全体行動データ群における前記グループ行動データ群の位置情報を表示するための表示データを生成するグループ行動データ処理手段と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第2の観点に係るサーバは、
各ユーザの端末にてそれぞれ取得された行動データによって構成される全体行動データ群を蓄積する行動データ蓄積手段と、
対象ユーザの前記行動データに基づいて、所定の条件により前記全体行動データ群から当該対象ユーザを含むグループ行動データ群を抽出するグループ行動データ群抽出手段と、
抽出された前記グループ行動データ群における前記対象ユーザの行動データの位置情報をユーザの端末に表示するための表示データを生成する対象ユーザ行動データ処理手段と、
前記全体行動データ群における前記グループ行動データ群の位置情報をユーザの端末に表示するための表示データを生成するグループ行動データ処理手段と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の第3の観点に係る提示方法は、
各ユーザの行動に関するそれぞれの行動データによって構成される全体行動データ群をもとに、対象ユーザの前記行動データに基づいて、所定の条件により前記全体行動データ群から当該対象ユーザを含むグループ行動データ群を抽出するステップと、
前記グループ行動データ群における前記対象ユーザの行動データの位置情報を表示するステップと、
前記全体行動データ群における前記グループ行動データ群の位置情報を表示するステップと、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明の第4の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
各ユーザの行動に関するそれぞれの行動データによって構成される全体行動データ群を蓄積する行動データ蓄積部と、
対象ユーザの前記行動データに基づいて、所定の条件により前記全体行動データ群から当該対象ユーザを含むグループ行動データ群を抽出するグループ行動データ群抽出部、
抽出された前記グループ行動データ群における前記対象ユーザの行動データの位置情報を表示するための表示データを生成する対象ユーザ行動データ処理部、
前記全体行動データ群における前記グループ行動データ群の位置情報を表示するための表示データを生成するグループ行動データ処理部、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、目標達成のために行うユーザの行動を適切に促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る行動促進システムの構成を示すブロック図である。
【図2】グループ行動データ群抽出手段の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】対象ユーザ行動データ処理手段の詳細な構成を示すブロック図である。
【図4】生成される表示データにおける2種類の内容の関係を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る行動促進システムの動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る行動促進システムの構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る行動促進システムの構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る行動促進システムの構成を示すブロック図である。
【図9】行動データ蓄積手段に蓄積されたデータの一例を示す図である。
【図10】ユーザ属性データ蓄積手段に蓄積されたデータの一例を示す図である。
【図11】グループ行動データ群抽出手段による変換結果の一例を示す図である。
【図12】グループ行動データ処理手段による位置算出に用いられるアルゴリズムの一例を示す図である。
【図13】グループ行動データ処理手段による表示例を示す図である。
【図14】対象ユーザ行動データ処理手段による表示例を示す図である。
【図15】順位が上がったユーザのデータを強調した表示例を示す図である。
【図16】分類方法指定手段により指定される分類方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、以下では、端末装置とサーバ装置とからなる簡略化された行動促進システムを、実施形態として説明するが、端末装置とサーバ装置との間には、所定のネットワーク環境が介在しているものとする。つまり、端末装置とサーバ装置は、インターネット、専用回線、若しくは、LAN等のネットワーク環境(有線・無線を問わない)を介して通信可能となっている。
また、端末装置を1つに省略して説明するが、各ユーザに応じて、それぞれ端末装置が使用されるため、複数の端末装置が、それぞれサーバ装置と通信可能となっている。
そして、以下の実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素または全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【実施例1】
【0018】
まず、本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る行動促進システムの構成を示すブロック図である。図示するように、本発明の第1の実施形態に係る行動促進システムは、ユーザが操作または閲覧する端末装置10と、データの蓄積および計算処理を行うサーバ装置20とからなる。
【0019】
端末装置10は、行動データ取得手段11と、行動データ提示手段12とを備えて構成される。
なお、端末装置10は、例えば、演算部(一例として、CPU等)、記憶部(一例として、RAM,ROM,ハードディスク等)、通信部(一例として、NIC等)、及び、表示部(一例として、ディスプレイ等)を有するコンピュータ等からなる。そして、記憶部に記憶されたプログラム等に基づいて動作する演算部や、演算部に制御される通信部・表示部が、これら行動データ取得手段11、及び、行動データ提示手段12として機能する。
【0020】
行動データ取得手段11は、ユーザの行動データを取得する。例えば、行動データ取得手段11は、ユーザの日々の行動に関するデータを、手動または自動で取得する。
【0021】
行動データ提示手段12は、サーバ装置20で処理された結果をユーザに提示する。
【0022】
一方、サーバ装置20は、行動データ蓄積手段21と、グループ行動データ群抽出手段22と、グループ行動データ処理手段23と、対象ユーザ行動データ処理手段24とを備えて構成される。
なお、サーバ装置20は、例えば、演算部、記憶部、及び、通信部を有するコンピュータ等からなる。そして、記憶部に記憶されたプログラム等に基づいて動作する演算部や、演算部に制御される通信部が、これら行動データ蓄積手段21、グループ行動データ群抽出手段22、グループ行動データ処理手段23、及び、対象ユーザ行動データ処理手段24として機能する。
【0023】
行動データ蓄積手段21は、端末装置10にて取得されたユーザの行動データを蓄積する。つまり、行動データ蓄積手段21は、各ユーザの行動データをそれぞれ収集し、全ユーザの行動データを蓄積する。
【0024】
グループ行動データ群抽出手段22は、行動データ蓄積手段21に蓄積された行動データに基づいてユーザをグルーピングし、対象ユーザが属するグループの行動データを抽出する。
このグループ行動データ群抽出手段22について、図2を参照して、より詳細に説明する。図2は、グループ行動データ群抽出手段22の詳細を示すブロック図である。
【0025】
図2に示すように、グループ行動データ群抽出手段22は、ユーザ属性データ蓄積手段221と、ユーザ間距離計算手段222と、ユーザグループ作成手段223とから構成される。
【0026】
ユーザ属性データ蓄積手段221は、ユーザの年齢や家族の人数などの基本データ(属性データ)を記憶(蓄積)する。
ユーザ間距離計算手段222は、ユーザ属性データ記憶手段221に記憶された基本情報を元に、対象ユーザと他のすべてのユーザ間の距離を所定の方法で計算する。
ユーザグループ作成手段223は、ユーザ間距離計算手段222により計算された距離を用いて、対象ユーザとの距離が一定距離以下であるユーザを集めてグループを作成する。
【0027】
図1に戻って、グループ行動データ処理手段23は、グループ行動データ群抽出手段22により抽出されたデータに基づいて、ユーザ全体の中でのグループの位置情報を表示するための表示データを生成する。
【0028】
対象ユーザ行動データ処理手段24は、グループ行動データ群抽出手段22により抽出されたデータに基づいて、グループ内における対象ユーザの位置情報を表示するための表示データを生成する。。
この対象ユーザ行動データ処理手段24について、図3を参照して、より詳細に説明する。図3は、対象ユーザ行動データ処理手段24の詳細を示すブロック図である。
【0029】
図3に示すように、対象ユーザ行動データ処理手段24は、グループ内ユーザ位置計算手段241と、表示方法蓄積手段242と、表示データ選択手段243と、表示データ加工手段244とから構成される。
【0030】
グループ内ユーザ位置計算手段241は、対象ユーザを含むグループにおいて対象ユーザがどこに位置するのかを計算する。
表示方法蓄積手段242は、表示方法の指定する情報を記憶(蓄積)する。
表示データ選択手段243は、表示方法蓄積手段242に記憶された情報に従って、グループのユーザの行動データの中から表示するデータを選択する。
表示データ加工手段244は、表示データ選択手段243により選択されたデータを加工する。
【0031】
図1に戻って、サーバ装置20は、これらグループ行動データ処理手段23、及び、対象ユーザ行動データ処理手段24が生成した表示データを端末装置10に供給し、行動データ提示手段12にてユーザに提示する。
例えば、図4に示すような表示データが生成され、ユーザに提示される。
【0032】
図4の表示データには、グループ行動データ処理手段23が生成する内容Aと、対象ユーザ行動データ処理手段24が生成する内容Bとが含まれている。
内容Aには、全体の中での対象ユーザの位置や、グループの位置が表示される。
また、内容Bには、内容Aのグループの内部を拡大した情報にあたる、時系列変化や対象ユーザの周辺のユーザの情報などが表示される。
【0033】
次に、このような構成の行動促進システムの動作について、図5を参照して説明する。この図5は、本発明の第1の実施形態に係る行動促進システムの動作を示すフローチャートである。
なお、ここでは、行動データを1回取得し、その内容が反映された結果を表示するまでのプロセスを一例として説明する。
【0034】
まず、端末装置10において、行動データ取得手段11は、ユーザの行動データを取得する(ステップS101)。つまり、行動データ取得手段11は、ユーザの日々の行動に関するデータを、手動または自動で取得する。
【0035】
サーバ装置20の行動データ蓄積手段21は、行動データ取得手段11が取得した行動データを蓄積する(ステップS101)。例えば、行動データ取得手段11が行動データを取得すると、端末装置10からサーバ装置20へその行動データが直ちに送信され、行動データ蓄積手段21に蓄積される。
【0036】
サーバ装置20のグループ行動データ群抽出手段22は、ユーザ間の距離を計算する(ステップS103)。より詳細には、ユーザ間距離計算手段222が、ユーザ属性データ蓄積手段221に記憶された基本情報を元に、対象ユーザと他のすべてのユーザ間の距離を所定の方法で計算する。
【0037】
グループ行動データ群抽出手段22は、グループを作成する(ステップS104)。より詳細には、ユーザグループ作成手段223が、ユーザ間距離計算手段222により計算された距離を用いて、対象ユーザとの距離が一定距離以下であるユーザを集めてグループを作成する。
そして、グループ行動データ群抽出手段22は、対象ユーザが属するグループの行動データを抽出する。
【0038】
サーバ装置20のグループ行動データ処理手段23は、グループ行動データ群抽出手段22により抽出されたデータに基づいて、ユーザ全体の中でのグループの位置を計算する(ステップS105)。
【0039】
また、サーバ装置20の対象ユーザ行動データ処理手段24は、グループ内におけるユーザの位置を計算する(ステップS106)。より詳細には、グループ内ユーザ位置計算手段241が、対象ユーザを含むグループにおいて対象ユーザがどこに位置するのかを計算する。
【0040】
対象ユーザ行動データ処理手段24は、表示データの選択と加工を行う(ステップS107)。より詳細には、表示データ選択手段243が、表示方法蓄積手段242に記憶された情報に従って、グループのユーザの行動データの中から表示するデータを選択し、また、表示データ加工手段244が、表示データ選択手段243により選択されたデータを加工する。
【0041】
すなわち、グループ行動データ処理手段23、及び、対象ユーザ行動データ処理手段24は、上述した図4に示すような表示データを生成する。つまり、全体の中での対象ユーザの位置やグループの位置を表示する内容Aと、及び、グループの内部を拡大した情報(時系列変化や対象ユーザの周辺のユーザの情報)を表示する内容Bを含む表示データを生成する。
そして、生成された表示用データは、サーバ装置20から端末装置10に送信される。
【0042】
端末装置10の行動データ提示手段12は、生成された表示データを、端末装置10の表示領域等に合わせて整形する(ステップS108)。
そして、行動データ提示手段12は、整形した表示データをユーザに提示する(ステップS109)。
【0043】
このように、本発明の第1の実施形態に係る行動促進システムは、ユーザが目標達成のために行う行動に伴う行動データを利用し、同じ目標に向けて行動する他のユーザの行動データを用いて対象ユーザの周辺のユーザのグループを作成する。そして、全体の中でのグループの位置と、グループの中での対象ユーザの位置という2段階の提示を行うことにより、ユーザの行動を促進する。
【0044】
つまり、ユーザがある行動を行う際に、行動の目標に関する達成度に応じてユーザをグループ化し、全体の中でのグループの位置付けとグループ内でのユーザの位置付けの両方を提示することにより、ユーザの行動をより促進することができる。
これは、全体はおおまかに、周辺は詳細にというように、2段階で提示することにより、ユーザは同じ行動をしているユーザ群全体の状態をおおまかに把握できるようになり、それに加えて、自分と同じように努力している他者との位置関係や、協調や競争の実感を持つことができるためである。
【0045】
すなわち、本発明では、全体の中での対象ユーザの順位を表示するのではなく、全体の中での対象ユーザが含まれるグループの順位を表示する点が最初の特徴となる。
また、本発明では、単に全体の中での順位とグループの中での順位を並べて表示するのではなく、全体の中での情報をおおまかに、グループの中での情報を詳細に、という2種類の粒度により情報を表示する点が次の特徴となる。
つまり、全体の中でのユーザの順位や、他者の順位、人数の分布などは、まとめておおまかに表示し、グループの中では前後のユーザの具体的な行動データや所定の計算手法による行動データの評価値も合わせて表示する。また、対象ユーザの特性など行動データ以外のデータを合わせて提示することで、目の前にリアルなライバルを感じさせ、ユーザの行動を促進できる効果が得られる。
【0046】
例えば、行動データを所定の計算手法により評価し、目的の行動の達成度という値に変換してユーザを並べ替えた場合について説明する。
まず、全体の中で対象ユーザが含まれるグループ以外の部分については、例えば、『達成度が90〜100のユーザは10人です』、『達成度が80〜90のユーザは25人です』、『あなたのグループの前には100人のユーザがいます』等のように、すべての順位情報を逐一表示するのではなく、まとめた値を表示する。
次に、グループ内については、例えば、『達成度があなたの次に高いユーザはAさんで、今日はB行動をC時間行い、D%達成しました。』等のように、順位や評価値、行動データを詳細に表示する。また、ユーザの属性データのように、行動データ以外のデータを合わせて表示することも可能である。
【0047】
この結果、目標達成のために行うユーザの行動を適切に促進することができる。
【実施例2】
【0048】
次に、本発明の第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る行動促進システムの構成を示すブロック図である。図示するように、本発明の第2の実施形態に係る行動促進システムは、ユーザが操作または閲覧する端末装置10と、データの蓄積および計算処理を行うサーバ装置30とからなる。
【0049】
端末装置10は、上述した第1の実施形態と同様に、行動データ取得手段11と、行動データ提示手段12とを備えて構成される。つまり、端末装置10の構成は、第1の実施形態と同じである。そのため、端末装置10の詳細な説明は省略する。
【0050】
一方、サーバ装置30は、行動データ蓄積手段21と、グループ行動データ群抽出手段22と、グループ行動データ処理手段23と、対象ユーザ行動データ処理手段24と、表示方法変更手段35とを備えて構成される。つまり、上述した第1の実施形態のサーバ装置20の構成に表示方法変更手段35を加えた構成となっている。そのため、行動データ蓄積手段21〜対象ユーザ行動データ処理手段24についての詳細な説明は省略する。
【0051】
表示方法変更手段35は、行動データ蓄積手段21に蓄積されたユーザの行動データを参照して、最適な表示方法を計算する。そして、計算結果を対象ユーザ行動データ処理手段24における表示方法蓄積手段242(上述した図3参照)に与える。
【0052】
この表示方法変更手段35により、本発明の第2の実施形態に係る行動促進システムでは、ユーザに対して最も効果のある表示方法をシステムが学習することができ、より効果的に行動促進を図ることができる。
【実施例3】
【0053】
次に、本発明の第3の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図7は、本発明の第3の実施形態に係る行動促進システムの構成を示すブロック図である。図示するように、本発明の第3の実施形態に係る行動促進システムは、ユーザが操作または閲覧する端末装置10と、データの蓄積および計算処理を行うサーバ装置40とからなる。
【0054】
端末装置10は、上述した第1の実施形態と同様に、行動データ取得手段11と、行動データ提示手段12とを備えて構成される。そのため、端末装置10についての詳細な説明は省略する。
【0055】
一方、サーバ装置40は、行動データ蓄積手段21と、グループ行動データ群抽出手段22と、グループ行動データ処理手段23と、対象ユーザ行動データ処理手段24と、分類方法指定手段46とを備えて構成される。つまり、上述した第1の実施形態のサーバ装置20の構成に分類方法指定手段46を加えた構成となっている。そのため、行動データ蓄積手段21〜対象ユーザ行動データ処理手段24についての詳細な説明は省略する。
【0056】
分類方法指定手段46は、ユーザをグルーピングする際のグループの作成方法を受け取り、グループ行動データ群抽出手段22におけるユーザグループ作成手段223(上述した図2を参照)に反映する。
【0057】
この分類方法指定手段46により、本発明の第3の実施形態に係る行動促進システムでは、ユーザを行動データに基づいて分類するだけでなく、地域に基づいたグループを作成したり、構成人数が同じでメンバーがランダムなグループを作成したりと、様々な分類方法が実現できる。つまり、任意の分類方法が指定できることにより、任意のグループの中で仲間意識や競争心を高めることができ、目的や行動の種類に応じて柔軟なグループを編成することができる。
【実施例4】
【0058】
次に、本発明の第4の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図8は、本発明の第4の実施形態に係る行動促進システムの構成を示すブロック図である。図示するように、本発明の第4の実施形態に係る行動促進システムは、ユーザが操作または閲覧する端末装置10と、データの蓄積および計算処理を行うサーバ装置50とからなる。
【0059】
端末装置10は、上述した第1の実施形態と同様に、行動データ取得手段11と、行動データ提示手段12とを備えて構成される。そのため、端末装置10についての詳細な説明は省略する。
【0060】
一方、サーバ装置50は、行動データ蓄積手段21と、グループ行動データ群抽出手段22と、グループ行動データ処理手段23と、対象ユーザ行動データ処理手段24と、表示方法変更手段35と、分類方法指定手段46とを備えて構成される。つまり、上述した第2の実施形態のサーバ装置30における表示方法変更手段35と、上述したサーバ装置40における分類方法指定手段46との両方を備えている。
なお、これら行動データ蓄積手段21〜対象ユーザ行動データ処理手段24、表示方法変更手段35、及び、分類方法指定手段46は、上述した実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0061】
これら表示方法変更手段35と、分類方法指定手段46との両方を備える本発明の第4の実施形態に係る行動促進システムでは、上述した第2の実施形態の効果と第3の実施形態の効果とを併せ持ち、最も柔軟かつ効果的に行動を促進することができる。
【実施例5】
【0062】
次に、より具体的な実施例を用いて、本発明を説明する。
本実施例として、ある地域の住民全員が、電気・ガス・水道の使用量の節約という環境に関連する行動に取り組んでいる場合を挙げて説明する。この場合の行動データは、電気の使用量や水道の使用量であり、1日単位で取得した数値を用いることとする。また、本実施例では1ユーザを1家庭とする。
【0063】
なお、本実施例を説明するにあたり、一例として、上述した図1に示す行動促進システムの構成を用いて説明する。
【0064】
まず、行動促進システムは、行動データ取得手段11によってユーザの日々の使用量を取得する。
具体的に、この行動データ取得手段11は、例えば、各家庭に備え付けられたパソコン等である端末装置10の構成であり、ユーザがメータから読み取った数値を手動等にて入力するための、キーボードやマウス等である。
なお、これ以外にも、行動データ取得手段11は、電気や水道のメータに備え付けられ、数値を自動取得し、ネットワークを介して自動的にシステムに送信するデバイスであってもよい。
【0065】
行動データ取得手段11により取得されたデータは、行動データ蓄積手段21に蓄積される。
具体的に、行動データ蓄積手段21には、一例として、図9に示すようなデータが蓄積される。サーバ装置20は、このような蓄積されたデータを元に計算を行い、最終的な結果(表示データ)を生成して、端末装置10の行動データ提示手段12に提示させる。
具体的に、行動データ提示手段12は、例えば、各家庭のパソコン等である端末装置10の構成であり、ホームページ等を表示するディスプレイ等である。
【0066】
サーバ装置20のグループ行動データ群抽出手段22は、上述した図9のようなデータをもとに、対象ユーザを含むグループを作成する。
グループを作成する際に、グループ行動データ群抽出手段22は、電気使用量・ガス使用量・水道使用量のそれぞれについてグループを作成してもよいし、3つの値をまとめた総合的なグループを作成してもよい。
【0067】
一例として、後者の総合的なグループを作成する場合について説明すると、グループ行動データ群抽出手段22は、まず、ユーザ属性データ蓄積手段21に蓄積されたユーザの属性データを元に、行動データ蓄積手段21に蓄積された行動データ(生の数値データ)を、グループ化における計算ができるように変換する。
なお、各家庭、つまり家単位でデータの計測を行った場合に、家族の人数や仕事の形態(例えば、昼間家にいるかいないか等)によりデータの値が異なっている。そのため、行動を促進するためには、取得したデータそのものを比較するより、各自が普段の生活の中でどの程度努力したか、目標に近づいたかといった値に変換して比較したほうが効果がある。
そこで、グループ行動データ群抽出手段22は、行動データ(生の数値データ)を、グループ化における計算ができるように変換する。
【0068】
より詳細に、グループ行動データ群抽出手段22におけるユーザ属性データ蓄積手段221(図2を参照)に、図10に示すような属性データが蓄積されていた場合、行動データ蓄積手段21は、この属性データに従って、図9の行動データを変換する。
グループ行動データ群抽出手段22による変換結果の一例を図11に示す。この図11では、図9における各使用量の値を、図10の世帯の人数(家族人数)で割り、全国平均との差を取って、家庭の1人あたりの節約度合い(節約という行動の努力度合い)として求められている。
なお、グループ行動データ群抽出手段22は、図10に示した家族構成員の詳細な情報を使用して、各自の活動時間に応じた変換をさらに行ってもよい。
【0069】
この図11に示すような3種類のデータを総合してグループを作成する際には、まず、グループ行動データ群抽出手段22におけるユーザ間距離計算手段222(図2を参照)が、対象ユーザのデータと他のすべてのユーザのデータとの距離を計算する。
この計算のアルゴリズムの一例を、図12に示す。
図12のアルゴリズムでは、3種類のデータに重み付けをして総合的な節約度を求め、その後で引き算により対象ユーザと別のユーザとの距離を求めている。
重みの値を変更することにより、図11に示す電気・ガス・水道使用量節約のそれぞれの努力度合いのすべてを均等に反映したグループを作成することもできれば、電気使用量の節約のみに着目したグループを作成することもできる。
【0070】
グループ行動データ処理手段23は、グループ行動データ群抽出手段22により作成されたグループの、全ユーザ群の中における位置を計算して表示する(表示データを生成する)。例えば、上述した図12のアルゴリズムに従って計算された対象ユーザとの距離に従って全ユーザを一直線上に並べ、直線の先に目標を設け、距離を計算した結果がプラスになれば対象ユーザより前に配置し、逆にマイナスであれば後ろに配置することで、対象ユーザの属するグループについて全体の中での位置を示すことができる。
また、全ユーザの数や、上述した図11のように求められた節約度合いの全体平均といった、行動しているユーザ群全体の状況を表す情報を合わせて表示してもよい。
具体的な表示例を、図13に示す。
【0071】
対象ユーザ行動データ処理手段24は、グループ行動データ群抽出手段22により作成・抽出されたグループのデータを用いて、対象ユーザの所属するグループにおける位置や対象ユーザの周囲の行動データを詳細に表示する(表示データを生成する)。
具体的な表示例を図14に示す。この図では、グループ内での対象ユーザの順位と、対象ユーザの1つ前または後ろにいるユーザの情報と、急速に順位を上げたユーザの情報が、努力度合いの推移を示すグラフの形で表示されている。
なお、行動データ蓄積手段21に蓄積された過去のデータを参考にすることにより、このような時系列変化を考慮したデータの表示も可能となる。
【0072】
以上のように表示するデータが計算されると、対象ユーザ行動データ処理手段24における表示データ選択手段243(図3を参照)と表示データ加工手段244(図3を参照)により、表示方法蓄積手段242(図3を参照)に蓄積されている表示方法に従ってデータが選択または加工される。
例えば、より実感が持てる表示のために、電気使用量を二酸化炭素の量に換算するなど、他の数値への変換計算を行ってもよい。
また、上述した第2の実施形態や第4の実施形態のように、表示方法変更手段35が付属している場合には、数値の変換や埋め込みに加えて、提示する数値の取捨選択や強調処理などを行う。例えば、表示方法変更手段35は、急速に順位が上がったユーザのデータを強調して表示するよう指定し、次の行動データが入力された際に、過去の行動データと努力度合いを比較し、効果が見られるようであれば、次からも同じデータを強調するよう指定し続ける。
順位が上がったユーザのデータを強調した表示例を、図15に示す。
【0073】
以上の具体的な実施例では、電気・ガス・水道の3つのデータを統合してユーザをグループに分類する場合を示したが、電気・ガス・水道のそれぞれについて別々にグループ化し、それぞれについて上述した図14のような表示を行ってもよい。
また、上述した第3の実施形態や第4の実施形態のように、グループの作成の仕方を示す分類方法指定手段46が付属している場合には、地域・自治体の班に基づいた分類も可能であるし、学校主体の取り組みであれば、各家庭の子供が属するクラスを基準に分類することも可能である。
分類方法指定手段46により指定される分類方法の一例を、図16に示す。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明によれば、電気代の節約やゴミの分別など、環境に良い行動を促進する用途に適用できる。また、提示方法を変更することで、学習塾などで他者のテストの点数や目標の達成度を効果的に提示し、学習意欲を向上させるといった用途にも適用可能である。その他にも、ボランティア活動の促進、運動等で目標を達成するためのトレーニングなど、行動が数値で表せて、他者の状況を参照することで意欲が向上するような行動の促進という用途に幅広く適用可能である。
つまり、目標達成のために行うユーザの行動を適切に促進することのできる行動促進システム、サーバ、提示方法、および、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0075】
10 端末装置
11 行動データ取得手段
12 行動データ提示手段
20、30,40,50 サーバ装置
21 行動データ蓄積手段
22 グループ行動データ群抽出手段
23 グループ行動データ処理手段
24 対象ユーザ行動データ処理手段
35 表示方法変更手段
46 分類方法指定手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、目標達成のために行うユーザの行動を適切に促進することのできる行動促進システム、サーバ、提示方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの行動を促進するシステムは、これまでにも種々の提案がなされている。例えば、単に有用と思われる情報をユーザに提示するシステムだけでなく、ユーザの行動に関し、特に有用なデータを自動または手動にて取得して、行動の促進のために活用するシステム等である。
【0003】
健康・環境・学習等に目標を掲げたユーザの行動を促進するためには、そのユーザの自発的な行動が必要である。そのためには、ユーザ自身の行動状況を提示するだけでなく、目標に向けて行動している他者(競争相手や仲間等)の情報を提示することが効果的とされている。
このような他者の情報を提示することでユーザの行動を促進する発明も開示されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0004】
特許文献1には、ダイエットという目標に向かって行動するユーザに、Webブラウザ経由で必要な情報の取得・提示を行うことで、ユーザの行動を支援する発明(ダイエット支援システムの発明)が開示されている。このシステムでは、最初にダイエットの目標値をユーザに入力させ、また、日々の食事内容と体重を逐次入力させる。そして、食事の摂取カロリーや状況に応じたアドバイスを、日々の変化に合わせて表示する。その上、このシステムでは、類似のダイエット目標を掲げた他者(ライバル)を自動抽出し、その他者の経過を表示することで、競争心を掻き立てる。
【0005】
また、特許文献2には、周りで学習している人を感じさせる「自習室」を、仮想的に作り出すことで学習支援を行う発明(通信教育システムの発明)が開示されている。このシステムでは、教材を学習するユーザの学習履歴を学習開始からの時間経過に対応させて記録する。そして、同じ教材を過去に使用した他のユーザの中から、プロファイルや履歴が似ている他者(学習者)を抽出する。そして、抽出した他者の学習履歴を、現在その教材で学習をしているユーザの時間経過に合わせて提示することで、孤独感を減少させ、他者への対抗意識を掻き立てる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−331585号公報(第3−6頁、第2図)
【特許文献2】特開2003−162209号公報(第3−9頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ユーザの行動を促進するためには、ユーザが他者と一緒に目標に向かって努力しているという実感を与え、仲間意識や競争意識を刺激することが、効果的なアプローチとなる。 このような実感をユーザに与えるためには、全体の中で自分(ユーザ)がどの位置にいるのかという情報と、自分の位置の周辺にいる他者(ライバル)がどのような努力過程や現状なのかという情報とからなる2種類の情報が、それぞれ重要な要素になると考えられる。
具体的にマラソンを一例とした場合には、全体の中で自分が何位にいるのかと、自分の周辺にいるライバル(隣で走っている他者、追い上げてきた他者、及び、追い抜いていった他者等)とが重要な要素であり、これら両方の要素を把握することで、競争心が刺激される。
【0008】
しかしながら、上述した特許文献1,2の発明では、このような重要な要素が欠けており、実際には充分な成果が得られないと考えられる。
すなわち、特許文献1,2の発明では、静的なユーザのプロファイルを元に他者が選択され、その他者の情報が提示されるだけである。そのため、実際にユーザの周辺にいる他者(競うべきライバル)が選択されず、上述した2つ目の重要な要素が提示されない。つまり、特許文献1の発明では、ユーザが行動を始める前に設定した目標から、提示する他者を選択しているだけである。そのため、実際にユーザの周辺にいる他者(例えば、その瞬間に隣に「並んで」いるユーザ)が選ばれない。また、引用文献2の発明でも、同じ教材を過去に使用し、かつ、プロファイルが似た他者を選択しており、そのような他者のデータを、ユーザの時間経過に擬似的に同期させて提示しているだけである。
また、特許文献1,2の発明では、何れも、上述した1つ目の重要な要素が何ら提示されないため、ユーザと全体との関係や全体の状況を把握することができない。
【0009】
このように、特許文献1,2の発明では、ユーザが他者と一緒に目標に向かって努力しているという実感を与えることができず、仲間意識や競争意識を刺激することが難しいため、ユーザの行動を充分に促進することができなかった。
【0010】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、目標達成のために行うユーザの行動を適切に促進することのできる行動促進システム、サーバ、提示方法、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の観点に係る行動促進システムは、
各ユーザの行動に関するそれぞれの行動データによって構成される全体行動データ群を蓄積する行動データ蓄積手段と、
対象ユーザの前記行動データに基づいて、所定の条件により前記全体行動データ群から当該対象ユーザを含むグループ行動データ群を抽出するグループ行動データ群抽出手段と、
抽出された前記グループ行動データ群における前記対象ユーザの行動データの位置情報を表示するための表示データを生成する対象ユーザ行動データ処理手段と、
前記全体行動データ群における前記グループ行動データ群の位置情報を表示するための表示データを生成するグループ行動データ処理手段と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第2の観点に係るサーバは、
各ユーザの端末にてそれぞれ取得された行動データによって構成される全体行動データ群を蓄積する行動データ蓄積手段と、
対象ユーザの前記行動データに基づいて、所定の条件により前記全体行動データ群から当該対象ユーザを含むグループ行動データ群を抽出するグループ行動データ群抽出手段と、
抽出された前記グループ行動データ群における前記対象ユーザの行動データの位置情報をユーザの端末に表示するための表示データを生成する対象ユーザ行動データ処理手段と、
前記全体行動データ群における前記グループ行動データ群の位置情報をユーザの端末に表示するための表示データを生成するグループ行動データ処理手段と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の第3の観点に係る提示方法は、
各ユーザの行動に関するそれぞれの行動データによって構成される全体行動データ群をもとに、対象ユーザの前記行動データに基づいて、所定の条件により前記全体行動データ群から当該対象ユーザを含むグループ行動データ群を抽出するステップと、
前記グループ行動データ群における前記対象ユーザの行動データの位置情報を表示するステップと、
前記全体行動データ群における前記グループ行動データ群の位置情報を表示するステップと、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明の第4の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
各ユーザの行動に関するそれぞれの行動データによって構成される全体行動データ群を蓄積する行動データ蓄積部と、
対象ユーザの前記行動データに基づいて、所定の条件により前記全体行動データ群から当該対象ユーザを含むグループ行動データ群を抽出するグループ行動データ群抽出部、
抽出された前記グループ行動データ群における前記対象ユーザの行動データの位置情報を表示するための表示データを生成する対象ユーザ行動データ処理部、
前記全体行動データ群における前記グループ行動データ群の位置情報を表示するための表示データを生成するグループ行動データ処理部、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、目標達成のために行うユーザの行動を適切に促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る行動促進システムの構成を示すブロック図である。
【図2】グループ行動データ群抽出手段の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】対象ユーザ行動データ処理手段の詳細な構成を示すブロック図である。
【図4】生成される表示データにおける2種類の内容の関係を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る行動促進システムの動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る行動促進システムの構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る行動促進システムの構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る行動促進システムの構成を示すブロック図である。
【図9】行動データ蓄積手段に蓄積されたデータの一例を示す図である。
【図10】ユーザ属性データ蓄積手段に蓄積されたデータの一例を示す図である。
【図11】グループ行動データ群抽出手段による変換結果の一例を示す図である。
【図12】グループ行動データ処理手段による位置算出に用いられるアルゴリズムの一例を示す図である。
【図13】グループ行動データ処理手段による表示例を示す図である。
【図14】対象ユーザ行動データ処理手段による表示例を示す図である。
【図15】順位が上がったユーザのデータを強調した表示例を示す図である。
【図16】分類方法指定手段により指定される分類方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、以下では、端末装置とサーバ装置とからなる簡略化された行動促進システムを、実施形態として説明するが、端末装置とサーバ装置との間には、所定のネットワーク環境が介在しているものとする。つまり、端末装置とサーバ装置は、インターネット、専用回線、若しくは、LAN等のネットワーク環境(有線・無線を問わない)を介して通信可能となっている。
また、端末装置を1つに省略して説明するが、各ユーザに応じて、それぞれ端末装置が使用されるため、複数の端末装置が、それぞれサーバ装置と通信可能となっている。
そして、以下の実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素または全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【実施例1】
【0018】
まず、本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る行動促進システムの構成を示すブロック図である。図示するように、本発明の第1の実施形態に係る行動促進システムは、ユーザが操作または閲覧する端末装置10と、データの蓄積および計算処理を行うサーバ装置20とからなる。
【0019】
端末装置10は、行動データ取得手段11と、行動データ提示手段12とを備えて構成される。
なお、端末装置10は、例えば、演算部(一例として、CPU等)、記憶部(一例として、RAM,ROM,ハードディスク等)、通信部(一例として、NIC等)、及び、表示部(一例として、ディスプレイ等)を有するコンピュータ等からなる。そして、記憶部に記憶されたプログラム等に基づいて動作する演算部や、演算部に制御される通信部・表示部が、これら行動データ取得手段11、及び、行動データ提示手段12として機能する。
【0020】
行動データ取得手段11は、ユーザの行動データを取得する。例えば、行動データ取得手段11は、ユーザの日々の行動に関するデータを、手動または自動で取得する。
【0021】
行動データ提示手段12は、サーバ装置20で処理された結果をユーザに提示する。
【0022】
一方、サーバ装置20は、行動データ蓄積手段21と、グループ行動データ群抽出手段22と、グループ行動データ処理手段23と、対象ユーザ行動データ処理手段24とを備えて構成される。
なお、サーバ装置20は、例えば、演算部、記憶部、及び、通信部を有するコンピュータ等からなる。そして、記憶部に記憶されたプログラム等に基づいて動作する演算部や、演算部に制御される通信部が、これら行動データ蓄積手段21、グループ行動データ群抽出手段22、グループ行動データ処理手段23、及び、対象ユーザ行動データ処理手段24として機能する。
【0023】
行動データ蓄積手段21は、端末装置10にて取得されたユーザの行動データを蓄積する。つまり、行動データ蓄積手段21は、各ユーザの行動データをそれぞれ収集し、全ユーザの行動データを蓄積する。
【0024】
グループ行動データ群抽出手段22は、行動データ蓄積手段21に蓄積された行動データに基づいてユーザをグルーピングし、対象ユーザが属するグループの行動データを抽出する。
このグループ行動データ群抽出手段22について、図2を参照して、より詳細に説明する。図2は、グループ行動データ群抽出手段22の詳細を示すブロック図である。
【0025】
図2に示すように、グループ行動データ群抽出手段22は、ユーザ属性データ蓄積手段221と、ユーザ間距離計算手段222と、ユーザグループ作成手段223とから構成される。
【0026】
ユーザ属性データ蓄積手段221は、ユーザの年齢や家族の人数などの基本データ(属性データ)を記憶(蓄積)する。
ユーザ間距離計算手段222は、ユーザ属性データ記憶手段221に記憶された基本情報を元に、対象ユーザと他のすべてのユーザ間の距離を所定の方法で計算する。
ユーザグループ作成手段223は、ユーザ間距離計算手段222により計算された距離を用いて、対象ユーザとの距離が一定距離以下であるユーザを集めてグループを作成する。
【0027】
図1に戻って、グループ行動データ処理手段23は、グループ行動データ群抽出手段22により抽出されたデータに基づいて、ユーザ全体の中でのグループの位置情報を表示するための表示データを生成する。
【0028】
対象ユーザ行動データ処理手段24は、グループ行動データ群抽出手段22により抽出されたデータに基づいて、グループ内における対象ユーザの位置情報を表示するための表示データを生成する。。
この対象ユーザ行動データ処理手段24について、図3を参照して、より詳細に説明する。図3は、対象ユーザ行動データ処理手段24の詳細を示すブロック図である。
【0029】
図3に示すように、対象ユーザ行動データ処理手段24は、グループ内ユーザ位置計算手段241と、表示方法蓄積手段242と、表示データ選択手段243と、表示データ加工手段244とから構成される。
【0030】
グループ内ユーザ位置計算手段241は、対象ユーザを含むグループにおいて対象ユーザがどこに位置するのかを計算する。
表示方法蓄積手段242は、表示方法の指定する情報を記憶(蓄積)する。
表示データ選択手段243は、表示方法蓄積手段242に記憶された情報に従って、グループのユーザの行動データの中から表示するデータを選択する。
表示データ加工手段244は、表示データ選択手段243により選択されたデータを加工する。
【0031】
図1に戻って、サーバ装置20は、これらグループ行動データ処理手段23、及び、対象ユーザ行動データ処理手段24が生成した表示データを端末装置10に供給し、行動データ提示手段12にてユーザに提示する。
例えば、図4に示すような表示データが生成され、ユーザに提示される。
【0032】
図4の表示データには、グループ行動データ処理手段23が生成する内容Aと、対象ユーザ行動データ処理手段24が生成する内容Bとが含まれている。
内容Aには、全体の中での対象ユーザの位置や、グループの位置が表示される。
また、内容Bには、内容Aのグループの内部を拡大した情報にあたる、時系列変化や対象ユーザの周辺のユーザの情報などが表示される。
【0033】
次に、このような構成の行動促進システムの動作について、図5を参照して説明する。この図5は、本発明の第1の実施形態に係る行動促進システムの動作を示すフローチャートである。
なお、ここでは、行動データを1回取得し、その内容が反映された結果を表示するまでのプロセスを一例として説明する。
【0034】
まず、端末装置10において、行動データ取得手段11は、ユーザの行動データを取得する(ステップS101)。つまり、行動データ取得手段11は、ユーザの日々の行動に関するデータを、手動または自動で取得する。
【0035】
サーバ装置20の行動データ蓄積手段21は、行動データ取得手段11が取得した行動データを蓄積する(ステップS101)。例えば、行動データ取得手段11が行動データを取得すると、端末装置10からサーバ装置20へその行動データが直ちに送信され、行動データ蓄積手段21に蓄積される。
【0036】
サーバ装置20のグループ行動データ群抽出手段22は、ユーザ間の距離を計算する(ステップS103)。より詳細には、ユーザ間距離計算手段222が、ユーザ属性データ蓄積手段221に記憶された基本情報を元に、対象ユーザと他のすべてのユーザ間の距離を所定の方法で計算する。
【0037】
グループ行動データ群抽出手段22は、グループを作成する(ステップS104)。より詳細には、ユーザグループ作成手段223が、ユーザ間距離計算手段222により計算された距離を用いて、対象ユーザとの距離が一定距離以下であるユーザを集めてグループを作成する。
そして、グループ行動データ群抽出手段22は、対象ユーザが属するグループの行動データを抽出する。
【0038】
サーバ装置20のグループ行動データ処理手段23は、グループ行動データ群抽出手段22により抽出されたデータに基づいて、ユーザ全体の中でのグループの位置を計算する(ステップS105)。
【0039】
また、サーバ装置20の対象ユーザ行動データ処理手段24は、グループ内におけるユーザの位置を計算する(ステップS106)。より詳細には、グループ内ユーザ位置計算手段241が、対象ユーザを含むグループにおいて対象ユーザがどこに位置するのかを計算する。
【0040】
対象ユーザ行動データ処理手段24は、表示データの選択と加工を行う(ステップS107)。より詳細には、表示データ選択手段243が、表示方法蓄積手段242に記憶された情報に従って、グループのユーザの行動データの中から表示するデータを選択し、また、表示データ加工手段244が、表示データ選択手段243により選択されたデータを加工する。
【0041】
すなわち、グループ行動データ処理手段23、及び、対象ユーザ行動データ処理手段24は、上述した図4に示すような表示データを生成する。つまり、全体の中での対象ユーザの位置やグループの位置を表示する内容Aと、及び、グループの内部を拡大した情報(時系列変化や対象ユーザの周辺のユーザの情報)を表示する内容Bを含む表示データを生成する。
そして、生成された表示用データは、サーバ装置20から端末装置10に送信される。
【0042】
端末装置10の行動データ提示手段12は、生成された表示データを、端末装置10の表示領域等に合わせて整形する(ステップS108)。
そして、行動データ提示手段12は、整形した表示データをユーザに提示する(ステップS109)。
【0043】
このように、本発明の第1の実施形態に係る行動促進システムは、ユーザが目標達成のために行う行動に伴う行動データを利用し、同じ目標に向けて行動する他のユーザの行動データを用いて対象ユーザの周辺のユーザのグループを作成する。そして、全体の中でのグループの位置と、グループの中での対象ユーザの位置という2段階の提示を行うことにより、ユーザの行動を促進する。
【0044】
つまり、ユーザがある行動を行う際に、行動の目標に関する達成度に応じてユーザをグループ化し、全体の中でのグループの位置付けとグループ内でのユーザの位置付けの両方を提示することにより、ユーザの行動をより促進することができる。
これは、全体はおおまかに、周辺は詳細にというように、2段階で提示することにより、ユーザは同じ行動をしているユーザ群全体の状態をおおまかに把握できるようになり、それに加えて、自分と同じように努力している他者との位置関係や、協調や競争の実感を持つことができるためである。
【0045】
すなわち、本発明では、全体の中での対象ユーザの順位を表示するのではなく、全体の中での対象ユーザが含まれるグループの順位を表示する点が最初の特徴となる。
また、本発明では、単に全体の中での順位とグループの中での順位を並べて表示するのではなく、全体の中での情報をおおまかに、グループの中での情報を詳細に、という2種類の粒度により情報を表示する点が次の特徴となる。
つまり、全体の中でのユーザの順位や、他者の順位、人数の分布などは、まとめておおまかに表示し、グループの中では前後のユーザの具体的な行動データや所定の計算手法による行動データの評価値も合わせて表示する。また、対象ユーザの特性など行動データ以外のデータを合わせて提示することで、目の前にリアルなライバルを感じさせ、ユーザの行動を促進できる効果が得られる。
【0046】
例えば、行動データを所定の計算手法により評価し、目的の行動の達成度という値に変換してユーザを並べ替えた場合について説明する。
まず、全体の中で対象ユーザが含まれるグループ以外の部分については、例えば、『達成度が90〜100のユーザは10人です』、『達成度が80〜90のユーザは25人です』、『あなたのグループの前には100人のユーザがいます』等のように、すべての順位情報を逐一表示するのではなく、まとめた値を表示する。
次に、グループ内については、例えば、『達成度があなたの次に高いユーザはAさんで、今日はB行動をC時間行い、D%達成しました。』等のように、順位や評価値、行動データを詳細に表示する。また、ユーザの属性データのように、行動データ以外のデータを合わせて表示することも可能である。
【0047】
この結果、目標達成のために行うユーザの行動を適切に促進することができる。
【実施例2】
【0048】
次に、本発明の第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る行動促進システムの構成を示すブロック図である。図示するように、本発明の第2の実施形態に係る行動促進システムは、ユーザが操作または閲覧する端末装置10と、データの蓄積および計算処理を行うサーバ装置30とからなる。
【0049】
端末装置10は、上述した第1の実施形態と同様に、行動データ取得手段11と、行動データ提示手段12とを備えて構成される。つまり、端末装置10の構成は、第1の実施形態と同じである。そのため、端末装置10の詳細な説明は省略する。
【0050】
一方、サーバ装置30は、行動データ蓄積手段21と、グループ行動データ群抽出手段22と、グループ行動データ処理手段23と、対象ユーザ行動データ処理手段24と、表示方法変更手段35とを備えて構成される。つまり、上述した第1の実施形態のサーバ装置20の構成に表示方法変更手段35を加えた構成となっている。そのため、行動データ蓄積手段21〜対象ユーザ行動データ処理手段24についての詳細な説明は省略する。
【0051】
表示方法変更手段35は、行動データ蓄積手段21に蓄積されたユーザの行動データを参照して、最適な表示方法を計算する。そして、計算結果を対象ユーザ行動データ処理手段24における表示方法蓄積手段242(上述した図3参照)に与える。
【0052】
この表示方法変更手段35により、本発明の第2の実施形態に係る行動促進システムでは、ユーザに対して最も効果のある表示方法をシステムが学習することができ、より効果的に行動促進を図ることができる。
【実施例3】
【0053】
次に、本発明の第3の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図7は、本発明の第3の実施形態に係る行動促進システムの構成を示すブロック図である。図示するように、本発明の第3の実施形態に係る行動促進システムは、ユーザが操作または閲覧する端末装置10と、データの蓄積および計算処理を行うサーバ装置40とからなる。
【0054】
端末装置10は、上述した第1の実施形態と同様に、行動データ取得手段11と、行動データ提示手段12とを備えて構成される。そのため、端末装置10についての詳細な説明は省略する。
【0055】
一方、サーバ装置40は、行動データ蓄積手段21と、グループ行動データ群抽出手段22と、グループ行動データ処理手段23と、対象ユーザ行動データ処理手段24と、分類方法指定手段46とを備えて構成される。つまり、上述した第1の実施形態のサーバ装置20の構成に分類方法指定手段46を加えた構成となっている。そのため、行動データ蓄積手段21〜対象ユーザ行動データ処理手段24についての詳細な説明は省略する。
【0056】
分類方法指定手段46は、ユーザをグルーピングする際のグループの作成方法を受け取り、グループ行動データ群抽出手段22におけるユーザグループ作成手段223(上述した図2を参照)に反映する。
【0057】
この分類方法指定手段46により、本発明の第3の実施形態に係る行動促進システムでは、ユーザを行動データに基づいて分類するだけでなく、地域に基づいたグループを作成したり、構成人数が同じでメンバーがランダムなグループを作成したりと、様々な分類方法が実現できる。つまり、任意の分類方法が指定できることにより、任意のグループの中で仲間意識や競争心を高めることができ、目的や行動の種類に応じて柔軟なグループを編成することができる。
【実施例4】
【0058】
次に、本発明の第4の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図8は、本発明の第4の実施形態に係る行動促進システムの構成を示すブロック図である。図示するように、本発明の第4の実施形態に係る行動促進システムは、ユーザが操作または閲覧する端末装置10と、データの蓄積および計算処理を行うサーバ装置50とからなる。
【0059】
端末装置10は、上述した第1の実施形態と同様に、行動データ取得手段11と、行動データ提示手段12とを備えて構成される。そのため、端末装置10についての詳細な説明は省略する。
【0060】
一方、サーバ装置50は、行動データ蓄積手段21と、グループ行動データ群抽出手段22と、グループ行動データ処理手段23と、対象ユーザ行動データ処理手段24と、表示方法変更手段35と、分類方法指定手段46とを備えて構成される。つまり、上述した第2の実施形態のサーバ装置30における表示方法変更手段35と、上述したサーバ装置40における分類方法指定手段46との両方を備えている。
なお、これら行動データ蓄積手段21〜対象ユーザ行動データ処理手段24、表示方法変更手段35、及び、分類方法指定手段46は、上述した実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0061】
これら表示方法変更手段35と、分類方法指定手段46との両方を備える本発明の第4の実施形態に係る行動促進システムでは、上述した第2の実施形態の効果と第3の実施形態の効果とを併せ持ち、最も柔軟かつ効果的に行動を促進することができる。
【実施例5】
【0062】
次に、より具体的な実施例を用いて、本発明を説明する。
本実施例として、ある地域の住民全員が、電気・ガス・水道の使用量の節約という環境に関連する行動に取り組んでいる場合を挙げて説明する。この場合の行動データは、電気の使用量や水道の使用量であり、1日単位で取得した数値を用いることとする。また、本実施例では1ユーザを1家庭とする。
【0063】
なお、本実施例を説明するにあたり、一例として、上述した図1に示す行動促進システムの構成を用いて説明する。
【0064】
まず、行動促進システムは、行動データ取得手段11によってユーザの日々の使用量を取得する。
具体的に、この行動データ取得手段11は、例えば、各家庭に備え付けられたパソコン等である端末装置10の構成であり、ユーザがメータから読み取った数値を手動等にて入力するための、キーボードやマウス等である。
なお、これ以外にも、行動データ取得手段11は、電気や水道のメータに備え付けられ、数値を自動取得し、ネットワークを介して自動的にシステムに送信するデバイスであってもよい。
【0065】
行動データ取得手段11により取得されたデータは、行動データ蓄積手段21に蓄積される。
具体的に、行動データ蓄積手段21には、一例として、図9に示すようなデータが蓄積される。サーバ装置20は、このような蓄積されたデータを元に計算を行い、最終的な結果(表示データ)を生成して、端末装置10の行動データ提示手段12に提示させる。
具体的に、行動データ提示手段12は、例えば、各家庭のパソコン等である端末装置10の構成であり、ホームページ等を表示するディスプレイ等である。
【0066】
サーバ装置20のグループ行動データ群抽出手段22は、上述した図9のようなデータをもとに、対象ユーザを含むグループを作成する。
グループを作成する際に、グループ行動データ群抽出手段22は、電気使用量・ガス使用量・水道使用量のそれぞれについてグループを作成してもよいし、3つの値をまとめた総合的なグループを作成してもよい。
【0067】
一例として、後者の総合的なグループを作成する場合について説明すると、グループ行動データ群抽出手段22は、まず、ユーザ属性データ蓄積手段21に蓄積されたユーザの属性データを元に、行動データ蓄積手段21に蓄積された行動データ(生の数値データ)を、グループ化における計算ができるように変換する。
なお、各家庭、つまり家単位でデータの計測を行った場合に、家族の人数や仕事の形態(例えば、昼間家にいるかいないか等)によりデータの値が異なっている。そのため、行動を促進するためには、取得したデータそのものを比較するより、各自が普段の生活の中でどの程度努力したか、目標に近づいたかといった値に変換して比較したほうが効果がある。
そこで、グループ行動データ群抽出手段22は、行動データ(生の数値データ)を、グループ化における計算ができるように変換する。
【0068】
より詳細に、グループ行動データ群抽出手段22におけるユーザ属性データ蓄積手段221(図2を参照)に、図10に示すような属性データが蓄積されていた場合、行動データ蓄積手段21は、この属性データに従って、図9の行動データを変換する。
グループ行動データ群抽出手段22による変換結果の一例を図11に示す。この図11では、図9における各使用量の値を、図10の世帯の人数(家族人数)で割り、全国平均との差を取って、家庭の1人あたりの節約度合い(節約という行動の努力度合い)として求められている。
なお、グループ行動データ群抽出手段22は、図10に示した家族構成員の詳細な情報を使用して、各自の活動時間に応じた変換をさらに行ってもよい。
【0069】
この図11に示すような3種類のデータを総合してグループを作成する際には、まず、グループ行動データ群抽出手段22におけるユーザ間距離計算手段222(図2を参照)が、対象ユーザのデータと他のすべてのユーザのデータとの距離を計算する。
この計算のアルゴリズムの一例を、図12に示す。
図12のアルゴリズムでは、3種類のデータに重み付けをして総合的な節約度を求め、その後で引き算により対象ユーザと別のユーザとの距離を求めている。
重みの値を変更することにより、図11に示す電気・ガス・水道使用量節約のそれぞれの努力度合いのすべてを均等に反映したグループを作成することもできれば、電気使用量の節約のみに着目したグループを作成することもできる。
【0070】
グループ行動データ処理手段23は、グループ行動データ群抽出手段22により作成されたグループの、全ユーザ群の中における位置を計算して表示する(表示データを生成する)。例えば、上述した図12のアルゴリズムに従って計算された対象ユーザとの距離に従って全ユーザを一直線上に並べ、直線の先に目標を設け、距離を計算した結果がプラスになれば対象ユーザより前に配置し、逆にマイナスであれば後ろに配置することで、対象ユーザの属するグループについて全体の中での位置を示すことができる。
また、全ユーザの数や、上述した図11のように求められた節約度合いの全体平均といった、行動しているユーザ群全体の状況を表す情報を合わせて表示してもよい。
具体的な表示例を、図13に示す。
【0071】
対象ユーザ行動データ処理手段24は、グループ行動データ群抽出手段22により作成・抽出されたグループのデータを用いて、対象ユーザの所属するグループにおける位置や対象ユーザの周囲の行動データを詳細に表示する(表示データを生成する)。
具体的な表示例を図14に示す。この図では、グループ内での対象ユーザの順位と、対象ユーザの1つ前または後ろにいるユーザの情報と、急速に順位を上げたユーザの情報が、努力度合いの推移を示すグラフの形で表示されている。
なお、行動データ蓄積手段21に蓄積された過去のデータを参考にすることにより、このような時系列変化を考慮したデータの表示も可能となる。
【0072】
以上のように表示するデータが計算されると、対象ユーザ行動データ処理手段24における表示データ選択手段243(図3を参照)と表示データ加工手段244(図3を参照)により、表示方法蓄積手段242(図3を参照)に蓄積されている表示方法に従ってデータが選択または加工される。
例えば、より実感が持てる表示のために、電気使用量を二酸化炭素の量に換算するなど、他の数値への変換計算を行ってもよい。
また、上述した第2の実施形態や第4の実施形態のように、表示方法変更手段35が付属している場合には、数値の変換や埋め込みに加えて、提示する数値の取捨選択や強調処理などを行う。例えば、表示方法変更手段35は、急速に順位が上がったユーザのデータを強調して表示するよう指定し、次の行動データが入力された際に、過去の行動データと努力度合いを比較し、効果が見られるようであれば、次からも同じデータを強調するよう指定し続ける。
順位が上がったユーザのデータを強調した表示例を、図15に示す。
【0073】
以上の具体的な実施例では、電気・ガス・水道の3つのデータを統合してユーザをグループに分類する場合を示したが、電気・ガス・水道のそれぞれについて別々にグループ化し、それぞれについて上述した図14のような表示を行ってもよい。
また、上述した第3の実施形態や第4の実施形態のように、グループの作成の仕方を示す分類方法指定手段46が付属している場合には、地域・自治体の班に基づいた分類も可能であるし、学校主体の取り組みであれば、各家庭の子供が属するクラスを基準に分類することも可能である。
分類方法指定手段46により指定される分類方法の一例を、図16に示す。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明によれば、電気代の節約やゴミの分別など、環境に良い行動を促進する用途に適用できる。また、提示方法を変更することで、学習塾などで他者のテストの点数や目標の達成度を効果的に提示し、学習意欲を向上させるといった用途にも適用可能である。その他にも、ボランティア活動の促進、運動等で目標を達成するためのトレーニングなど、行動が数値で表せて、他者の状況を参照することで意欲が向上するような行動の促進という用途に幅広く適用可能である。
つまり、目標達成のために行うユーザの行動を適切に促進することのできる行動促進システム、サーバ、提示方法、および、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0075】
10 端末装置
11 行動データ取得手段
12 行動データ提示手段
20、30,40,50 サーバ装置
21 行動データ蓄積手段
22 グループ行動データ群抽出手段
23 グループ行動データ処理手段
24 対象ユーザ行動データ処理手段
35 表示方法変更手段
46 分類方法指定手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各ユーザの行動に関するそれぞれの行動データによって構成される全体行動データ群を蓄積する行動データ蓄積手段と、
対象ユーザの前記行動データに基づいて、所定の条件により前記全体行動データ群から当該対象ユーザを含むグループ行動データ群を抽出するグループ行動データ群抽出手段と、
抽出された前記グループ行動データ群における前記対象ユーザの行動データの位置情報を表示するための表示データを生成する対象ユーザ行動データ処理手段と、
前記全体行動データ群における前記グループ行動データ群の位置情報を表示するための表示データを生成するグループ行動データ処理手段と、
を備えることを特徴とする行動促進システム。
【請求項2】
前記グループ行動データ群における前記対象ユーザの行動データの位置情報と、前記全体行動データ群における前記グループ行動データ群の位置情報とは、異なる算出方法により計算され、各位置情報をそれぞれ表示するための表示データは同時に表示される、
ことを特徴とする請求項1に記載の行動促進システム。
【請求項3】
前記グループ行動データ群抽出手段は、前記対象ユーザの行動データと、他のユーザの行動データとの予め定めた算出手法により算出した距離に基づいて、該対象ユーザより予め定めた範囲内のグループ行動データ群を抽出する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の行動促進システム。
【請求項4】
ユーザの前記行動データを取得する行動データ取得手段を、
更に備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の行動促進システム。
【請求項5】
前記対象ユーザ行動データ処理手段が生成する表示データと、前記グループ行動データ処理手段が生成する表示データをユーザに提示する行動データ提示手段を、
更に備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の行動促進システム。
【請求項6】
前記グループ行動データ群抽出手段は、
ユーザの属性を示すユーザ属性データを蓄積するユーザ属性データ蓄積手段と、
前記ユーザ属性データを参照し、ユーザの前記行動データに基づいてユーザ間の距離を求めるユーザ間距離計算手段と、
前記ユーザ間距離計算手段が算出した距離に基づいてユーザをグルーピングするユーザグループ作成手段と、を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の行動促進システム。
【請求項7】
前記対象ユーザ行動データ処理手段は、
前記グループ行動データ群抽出手段により抽出されたグループ行動データ群におけるユーザの位置情報を計算するグループ内ユーザ位置計算手段と、
前記グループ内のユーザの位置情報、およびユーザの行動データと属性データのうちのどのユーザのどのデータをどのように提示するかを示す提示方法を蓄積する提示方法蓄積手段と、
前記提示方法蓄積手段に蓄積された提示方法に従って提示する情報を選択する提示データ選択手段と、
前記提示データ選択手段により選択されたデータを前記提示方法に従って加工する提示データ加工手段と、を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の行動促進システム。
【請求項8】
過去の行動データに基づいて、対象ユーザの行動データが最も良い値をとる表示方法を求める表示方法変更手段を、
更に備えたことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の行動促進システム。
【請求項9】
ユーザのグルーピング方法を指定する分類方法指定手段を、
更に備えたことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の行動促進システム。
【請求項10】
前記表示方法変更手段と、前記分類方法指定手段との両方を、
更に備えることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の行動促進システム。
【請求項11】
前記グループ行動データ処理手段は、前記グループ行動データ群抽出手段により抽出されたグループについて全体の中での位置情報を算出し、抽出されたグループに含まれないユーザ群については、位置情報の分布の分析を行い、まとめた情報を算出する、
ことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の行動促進システム。
【請求項12】
前記対象ユーザ行動データ処理手段は、位置情報として、前記ユーザ行動データと、前記ユーザ属性データを参照し、予め定めた方法によりユーザ行動データの評価を行い、当該評価の値によってユーザを昇順に並べ替えたときの先頭からの順位を算出する、
ことを特徴とする請求項6乃至11の何れか1項に記載の行動促進システム。
【請求項13】
各ユーザの端末にてそれぞれ取得された行動データによって構成される全体行動データ群を蓄積する行動データ蓄積手段と、
対象ユーザの前記行動データに基づいて、所定の条件により前記全体行動データ群から当該対象ユーザを含むグループ行動データ群を抽出するグループ行動データ群抽出手段と、
抽出された前記グループ行動データ群における前記対象ユーザの行動データの位置情報をユーザの端末に表示するための表示データを生成する対象ユーザ行動データ処理手段と、
前記全体行動データ群における前記グループ行動データ群の位置情報をユーザの端末に表示するための表示データを生成するグループ行動データ処理手段と、
を備えたことを特徴とするサーバ。
【請求項14】
各ユーザの行動に関するそれぞれの行動データによって構成される全体行動データ群をもとに、対象ユーザの前記行動データに基づいて、所定の条件により前記全体行動データ群から当該対象ユーザを含むグループ行動データ群を抽出するステップと、
前記グループ行動データ群における前記対象ユーザの行動データの位置情報を表示するステップと、
前記全体行動データ群における前記グループ行動データ群の位置情報を表示するステップと、
を備えたことを特徴とする提示方法。
【請求項15】
コンピュータを、
各ユーザの行動に関するそれぞれの行動データによって構成される全体行動データ群を蓄積する行動データ蓄積部と、
対象ユーザの前記行動データに基づいて、所定の条件により前記全体行動データ群から当該対象ユーザを含むグループ行動データ群を抽出するグループ行動データ群抽出部、
抽出された前記グループ行動データ群における前記対象ユーザの行動データの位置情報を表示するための表示データを生成する対象ユーザ行動データ処理部、
前記全体行動データ群における前記グループ行動データ群の位置情報を表示するための表示データを生成するグループ行動データ処理部、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
各ユーザの行動に関するそれぞれの行動データによって構成される全体行動データ群を蓄積する行動データ蓄積手段と、
対象ユーザの前記行動データに基づいて、所定の条件により前記全体行動データ群から当該対象ユーザを含むグループ行動データ群を抽出するグループ行動データ群抽出手段と、
抽出された前記グループ行動データ群における前記対象ユーザの行動データの位置情報を表示するための表示データを生成する対象ユーザ行動データ処理手段と、
前記全体行動データ群における前記グループ行動データ群の位置情報を表示するための表示データを生成するグループ行動データ処理手段と、
を備えることを特徴とする行動促進システム。
【請求項2】
前記グループ行動データ群における前記対象ユーザの行動データの位置情報と、前記全体行動データ群における前記グループ行動データ群の位置情報とは、異なる算出方法により計算され、各位置情報をそれぞれ表示するための表示データは同時に表示される、
ことを特徴とする請求項1に記載の行動促進システム。
【請求項3】
前記グループ行動データ群抽出手段は、前記対象ユーザの行動データと、他のユーザの行動データとの予め定めた算出手法により算出した距離に基づいて、該対象ユーザより予め定めた範囲内のグループ行動データ群を抽出する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の行動促進システム。
【請求項4】
ユーザの前記行動データを取得する行動データ取得手段を、
更に備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の行動促進システム。
【請求項5】
前記対象ユーザ行動データ処理手段が生成する表示データと、前記グループ行動データ処理手段が生成する表示データをユーザに提示する行動データ提示手段を、
更に備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の行動促進システム。
【請求項6】
前記グループ行動データ群抽出手段は、
ユーザの属性を示すユーザ属性データを蓄積するユーザ属性データ蓄積手段と、
前記ユーザ属性データを参照し、ユーザの前記行動データに基づいてユーザ間の距離を求めるユーザ間距離計算手段と、
前記ユーザ間距離計算手段が算出した距離に基づいてユーザをグルーピングするユーザグループ作成手段と、を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の行動促進システム。
【請求項7】
前記対象ユーザ行動データ処理手段は、
前記グループ行動データ群抽出手段により抽出されたグループ行動データ群におけるユーザの位置情報を計算するグループ内ユーザ位置計算手段と、
前記グループ内のユーザの位置情報、およびユーザの行動データと属性データのうちのどのユーザのどのデータをどのように提示するかを示す提示方法を蓄積する提示方法蓄積手段と、
前記提示方法蓄積手段に蓄積された提示方法に従って提示する情報を選択する提示データ選択手段と、
前記提示データ選択手段により選択されたデータを前記提示方法に従って加工する提示データ加工手段と、を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の行動促進システム。
【請求項8】
過去の行動データに基づいて、対象ユーザの行動データが最も良い値をとる表示方法を求める表示方法変更手段を、
更に備えたことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の行動促進システム。
【請求項9】
ユーザのグルーピング方法を指定する分類方法指定手段を、
更に備えたことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の行動促進システム。
【請求項10】
前記表示方法変更手段と、前記分類方法指定手段との両方を、
更に備えることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の行動促進システム。
【請求項11】
前記グループ行動データ処理手段は、前記グループ行動データ群抽出手段により抽出されたグループについて全体の中での位置情報を算出し、抽出されたグループに含まれないユーザ群については、位置情報の分布の分析を行い、まとめた情報を算出する、
ことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の行動促進システム。
【請求項12】
前記対象ユーザ行動データ処理手段は、位置情報として、前記ユーザ行動データと、前記ユーザ属性データを参照し、予め定めた方法によりユーザ行動データの評価を行い、当該評価の値によってユーザを昇順に並べ替えたときの先頭からの順位を算出する、
ことを特徴とする請求項6乃至11の何れか1項に記載の行動促進システム。
【請求項13】
各ユーザの端末にてそれぞれ取得された行動データによって構成される全体行動データ群を蓄積する行動データ蓄積手段と、
対象ユーザの前記行動データに基づいて、所定の条件により前記全体行動データ群から当該対象ユーザを含むグループ行動データ群を抽出するグループ行動データ群抽出手段と、
抽出された前記グループ行動データ群における前記対象ユーザの行動データの位置情報をユーザの端末に表示するための表示データを生成する対象ユーザ行動データ処理手段と、
前記全体行動データ群における前記グループ行動データ群の位置情報をユーザの端末に表示するための表示データを生成するグループ行動データ処理手段と、
を備えたことを特徴とするサーバ。
【請求項14】
各ユーザの行動に関するそれぞれの行動データによって構成される全体行動データ群をもとに、対象ユーザの前記行動データに基づいて、所定の条件により前記全体行動データ群から当該対象ユーザを含むグループ行動データ群を抽出するステップと、
前記グループ行動データ群における前記対象ユーザの行動データの位置情報を表示するステップと、
前記全体行動データ群における前記グループ行動データ群の位置情報を表示するステップと、
を備えたことを特徴とする提示方法。
【請求項15】
コンピュータを、
各ユーザの行動に関するそれぞれの行動データによって構成される全体行動データ群を蓄積する行動データ蓄積部と、
対象ユーザの前記行動データに基づいて、所定の条件により前記全体行動データ群から当該対象ユーザを含むグループ行動データ群を抽出するグループ行動データ群抽出部、
抽出された前記グループ行動データ群における前記対象ユーザの行動データの位置情報を表示するための表示データを生成する対象ユーザ行動データ処理部、
前記全体行動データ群における前記グループ行動データ群の位置情報を表示するための表示データを生成するグループ行動データ処理部、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−204883(P2010−204883A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−48809(P2009−48809)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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