説明

衛生洗浄装置の芳香制御方法

【課題】 芳香手段のタイミングを制御して、経済的且つ快適な雰囲気に維持する芳香装置の制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 局部洗浄手段又は温風乾燥手段と、芳香手段を備えた衛生洗浄装置において、前記局部洗浄手段又は前記温風乾燥手段の動作時間が所定時間を越えた場合に、前記芳香手段の芳香量を大きくするように制御することを特徴とする。これにより、局部洗浄手段や温風乾燥手段など衛生洗浄装置使用時の臭気発生のタイミングと、芳香手段の芳香量を変化させるタイミングを容易に一致させることが出来、使用者又は次に別の使用者が便室に入った時に、臭気による不快感を与えることが無くなり、使用者又は次に別の使用者にとって芳香濃度が濃すぎず、薄すぎず、ムラの無い快適な芳香が行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生洗浄装置に搭載される芳香装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、衛生洗浄装置の芳香手段で便器の周辺の芳香を実施する場合、ヒータ等により芳香剤を一定温度に加温し、芳香剤を気化させて芳香する方法や、冷房もしくは暖房装置等の送風装置を用い、前記冷房もしくは暖房装置等の送風装置の吸排気口に至る通風路内部に芳香剤を設け、送風により芳香剤の雰囲気を含んだ空気を放出させて芳香する方法などが一般的であった。
【特許文献1】実願平1−146101号(実開平3−86170号)のマイクロフィルム
【特許文献2】特開平4−261928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記従来の芳香手段の制御方法では、常時芳香手段を動作しているため、芳香剤の減りが早いなど芳香剤の寿命が短くなってしまうことや、常時芳香されることにより過度の芳香となり、便室内の芳香剤の香りがきつくなってしまうことなどがあった。また芳香剤の寿命を考えて芳香量を減らした場合は、使用者が用便時に臭気を感じてしまうなど不快感を感じるという問題があった。 また冷房もしくは暖房装置などの送風装置等と連動している場合、前記冷房もしくは暖房装置が動作していないと芳香されず、芳香動作にムラが出てしまい、使用者の臭気の発生タイミングと芳香のタイミングが合わないことがあり、便臭が充満し使用者又は次に別の使用者が便室に入った時に、不快感を与えるという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、芳香手段のタイミングを制御して、経済的且つ快適な雰囲気に維持する芳香装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に係る衛生洗浄装置の制御方法は、局部洗浄手段又は温風乾燥手段と、芳香手段を備えた衛生洗浄装置において、前記局部洗浄手段又は前記温風乾燥手段の動作時間が所定時間を越えた場合に、前記芳香手段の芳香量を大きくするように制御することを特徴とする。
【0005】
これにより、局部洗浄手段や温風乾燥手段など衛生洗浄装置使用時の臭気発生のタイミングと、芳香手段の芳香量を変化させるタイミングを容易に一致させることが出来、使用者又は次に別の使用者が便室に入った時に、臭気による不快感を与えることが無くなり、使用者又は次に別の使用者にとって芳香濃度が濃すぎず、薄すぎず、ムラの無い快適な芳香が行える。また局部洗浄手段又は温風乾燥手段の使用時間又は使用回数などに応じて、芳香手段の芳香量を変化させる方法などを用いれば、さらに効率良く芳香が行える。なお局部洗浄手段と温風乾燥手段を組み合わせて、芳香手段の芳香量を変化させる制御であっても良い。また過度の芳香などによる、無駄な芳香剤の使用を抑えることが出来る。
【0006】
請求項2に係る衛生洗浄装置の制御方法は、便器に、便器周辺の臭気を脱臭する脱臭手段と、芳香手段を設けた衛生洗浄装置において、前記脱臭手段の動作時間が所定時間を越えた場合に、前記芳香手段の芳香量を大きくするように制御することを特徴とする。
【0007】
これにより、脱臭による臭気除去のタイミングと、芳香手段の芳香量を変化させるタイミングを容易に一致させることが出来、効率良く芳香が行え、使用者又は次に別の使用者が便室に入った時に、臭気による不快感を与えることが無くなる。使用者又は次に別の使用者にとって芳香濃度が濃すぎず、薄すぎず、ムラの無い快適な芳香が行える。また脱臭の使用時間や動作設定などにより、芳香手段の芳香量を変化させる方法などを用いれば、さらに効率良く芳香が行える。また脱臭動作により臭気が軽減している為、芳香剤の使用量を減らせ、無駄な芳香剤の使用を抑えることが出来る。
【発明の効果】
【0008】
本発明の衛生洗浄装置の芳香制御方法において、衛生洗浄便座またはトイレの使用にタイミングに併せ、芳香手段の芳香量を行うことが可能となり、使用者の便器使用のタイミング、すなわち臭気発生のタイミングと、芳香手段の芳香量を変化させるタイミングを容易に一致させることが出来、使用者又は次に別の使用者が便室に入った時に、臭気による不快感を与えることが無くなり、使用者又は次に別の使用者にとって芳香濃度が濃すぎず、薄すぎず、ムラの無い快適且つ効率の良い芳香が行える。また、検知時間の長さに応じて、芳香手段の芳香量を変化させるので、さらに実使用に合った効果的な芳香が行える。
【0009】
また過度の芳香などによる、無駄な芳香剤の使用を抑えることが出来る。また便座を使用しないで男性が小用をするために、便器の前に立ったときでも、芳香量を実施することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の第1の実施の形態に係る衛生洗浄装置の制御方法を使用する衛生洗浄装置を用いる便器の平面図、図2は同装置を用いる便器の一部を断面で示した側面図、図3は本発明の第2の実施の形態に係る衛生洗浄装置の斜視図、図4は本発明の第1の実施の形態に係る衛生洗浄装置の制御方法のフローチャート、図5本発明の第2の実施の形態に係る衛生洗浄装置の制御方法のフローチャート、図6本発明の第3の実施の形態に係る衛生洗浄装置の制御方法のフローチャート、図7本発明の第4の実施の形態に係る衛生洗浄装置の制御方法のフローチャート、図8本発明の第5の実施の形態に係る衛生洗浄装置の制御方法のフローチャート、図9本発明の第6の実施の形態に係る衛生洗浄装置の制御方法のフローチャート、図10本発明の第7の実施の形態に係る衛生洗浄装置の制御方法のフローチャートである。
【0011】
図1、図2に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る衛生洗浄装置の制御方法を使用する衛生洗浄装置10には、周囲の空気に含まれた臭気を吸収し芳香する芳香手段11と動作を制御する制御装置12を有している。芳香手段11は、便器13の汚物を洗浄及び排出する容器状の便器本体14の後側上部に設けた衛生洗浄装置10の衛生洗浄装置本体16の中に収納されている。そして、芳香手段11は便器本体14の内側又はその近傍に開口する吸入口17と、便器本体14の外側に開口する排出口18とを有する通風ダクト19を備え、通風ダクト19の中には送風機20と、例えば固形状の芳香剤21を設けている。そして、送風機20によって吸入口17から入った便器本体14の周辺の空気を排出口18に向かって流し、空気に含まれる臭気を芳香剤21によりマスキングして、空気を芳香して排出口18から外側に排出するようにしている。なお、芳香手段は前記に限らず、図示しない加温できる発熱部を有し、発熱部により芳香剤を加温し揮発させるで芳香方法あっても構わない。
【0012】
なお、図示しないが前記芳香剤21を脱臭触媒15に置き換え、脱臭触媒15により空気に含まれた臭気物質を、前記脱臭触媒15に吸着させて空気を排出口18に排出する装置が脱臭手段41であり、芳香剤21は前記脱臭手段41の脱臭触媒15から排出口18の間に設置しても良い。
また、便器本体14の前側には便器本体14の上部に配置された便座22と便座22を覆う便蓋23を設け、便座22と便蓋23の後側端部を衛生洗浄装置本体16の前側にヒンジ構造24によって支持して、開閉自在に取り付けられている。また、衛生洗浄装置本体16に収納された衛生洗浄装置15は便器本体14の内側に出入りして洗浄水を噴出し、使用者の局部を洗浄するノズル機構25を有する局部洗浄手段26と、便器本体14の内側に温風を吹き出して使用者の局部を乾燥する温風乾燥手段27を有している。
【0013】
衛生洗浄装置本体16の前側部には、便座22と便蓋23の開閉動作に干渉しない位置に、操作部本体28を設け、操作部本体28の便座22側に対面して便座22に着座した使用者を検出する、例えば赤外線を利用した着座センサー29を設けている。また操作部本体28には、着座センサー29が動作したときからの時間を計測する図示しないタイマーと、局部洗浄手段26を動作させて使用者のおしり洗浄やビデ洗浄をする洗浄スイッチ31と、温風乾燥手段27を動作させる乾燥スイッチ32と、局部洗浄手段26と温風乾燥手段27のそれぞれの動作を停止させる共通の止めスイッチ33とを設けている。
また、芳香手段11の芳香量の変更を手動によるか、あるいは自動的に行うかを選択する芳香選択スイッチ34と、芳香量を手動で変更する芳香量スイッチ39と、芳香を動作させる動作時間を、例えば短時間(60秒間)、中時間(90秒間)、長時間(120秒間)、使用状況に合わせて時間を自動的に設定する自動設定時間等の4種類から選定する動作時間選択スイッチ35と、着座センサーの非検出状態など便器の使用終了後からのオフディレー動作時間を、例えば、オフディレー動作無し、短時間(60秒間)、中時間(90秒間)、長時間(120秒間)使用状況に合わせて時間を自動的に設定する自動設定時間等の5種類からの選択するオフディレー時間選択スイッチ40を設けている。なお、これらのスイッチは、操作部本体28ではなく、例えば赤外線などで駆動信号を発信することが出来る図示しないリモコン装置に備えてあっても良い。
【0014】
更に、操作部本体28には、着座センサー29と図示しないタイマーと芳香選択スイッチ34と芳香量スイッチ34、動作時間選択スイッチ35、オフディレー時間選択スイッチ40の動作に応じて送風機20の動作を制御するマイクロコンピューターを備えた制御装置12を収納している。
【0015】
ここで、本発明の第1の実施の形態に係る衛生洗浄装置10の制御方法について、図4に示したフローチャートに示す衛生洗浄装置10の着座センサー29の出力と送風機20によって発生させる風量との関係の説明図を参照して説明する。
【0016】
(1)使用者が便座22に着座したことを着座センサー29により検知する(ステップS1)と共に、着座センサー29が検知したときからの時間をカウントする(ステップS2)。
【0017】
(2)着座センサー29の出力信号により制御装置12は送風機20の送風量を例えば小芳香風量(例えば0.05m3/min)で動作させて臭気を含んだ空気を芳香手段11に供給する(ステップS3)。
【0018】
(3)図示しないタイマーによって着座から所定の待ち時間をカウントし、例えば30秒経過したら(ステップS4)、制御装置12により、送風機20の回転数を大きくして小芳香風量よりも大きい例えば中芳香風量(例えば0.09m3/min)に切替え、芳香動作を行う(ステップS5)。
【0019】
(4)着座センサーからの出力信号が認められなくなった場合、タイマー(1)の検出時間により、芳香手段のオフディレー動作時間を変更する(ステップ7)。例えば着座センサー29の検出信号の検出時間が一定時間内(例えば30秒以内)であれば、オフディレー動作時間は例えば短時間(例えば60秒:ステップS8)、一定時間経過後(例えば30秒以上)であれば、オフディレー動作時間は例えば長時間(例えば120秒:ステップS11)となる。
また同様に、着座センサーの検出信号の検出時間が一定時間内であれば、オフディレー時間中の芳香量は例えばそのまま中芳香風量で行い、一定時間経過後であれば、オフディレー時間中の芳香量は例えば中芳香風量より大きい大芳香風量(例えば0.18m3/min:ステップ12)になる。
【0020】
(5)オフディレー時間をカウントし(ステップS9、ステップS13)、所定の動作時間が経過したら、制御装置12により例えば送風機20を停止し、芳香動作を停止する(ステップS10、ステップS14)。
【0021】
この場合、芳香スイッチ34は自動で動作するようにしている。なお、この芳香選択スイッチ34を手動で動作するようにしていれば、芳香量スイッチ39により、使用者の任意により、例えば芳香動作無から、中芳香風量(例えば0.09m3/min)に芳香量を可変できる。
芳香手段11の動作の動作時間は、使用者が動作時間選択スイッチ35によって任意に、例えば短時間(60秒間)、中時間(90秒間)、長時間(120秒間)、使用状況に合わせて時間を自動的に設定する自動設定時間等の4種類から選択して決める。使用状況に合わせて時間を自動的に設定する自動設定時間を設定しておけば、例えば着座センサー29の出力信号の検出時間が一定時間内(例えば30秒以内)であれば、動作時間は例えば短時間(例えば60秒)、一定時間経過後(例えば30秒以上)であれば、動作時間は例えば長時間(例えば120秒)となる。なお、設定された芳香動作時間が終了しても、着座センサー29の検出出力が継続されている場合は、検出出力が認められなくなるまで、そのまま芳香動作を継続しても良い。また、タイマーの検出出力時間の長さに応じて、芳香量を変更させても良い。
【0022】
芳香手段11のオフディレー時間を自動的に動作させる場合は、オフディレー時間選択スイッチ40をオフディレー無し以外に設定しておく。これにより着座センサーの非検出状態など便器の使用終了後からのオフディレー動作時間を、選択された、例えば短時間(60秒間)、中時間(90秒間)、長時間(120秒間)、使用状況に合わせて時間を自動的に設定する自動設定時間、のいずれかのオフディレー時間が自動的動作される。使用状況に合わせて時間を自動的に設定する自動設定時間を設定しておけば、例えば着座センサー29の検出信号の検出時間が一定時間内(例えば30秒以内)であれば、オフディレー時間は例えば短時間(例えば60秒)、一定時間経過後(例えば30秒以内)であれば、オフディレー時間は例えば長時間(例えば120秒)となる。また、タイマーの検出出力時間の長さに応じて、芳香量を変更させても良い。
【0023】
本発明の第2の実施の形態に係る衛生洗浄装置について、図1〜図3を参照して説明する。
芳香装置は、第1の実施の形態に係る衛生洗浄装置10に設けた着座センサー29のほかに便器13の前側に立った使用者を検知する、図3に示す人体センサー37を便室内に追加して設けている。
なお、第1の実施の形態と同一構成要素については、同一名称同一符号を付し、説明を省略する。また、以下に述べる実施の形態についても同様とする。
これにより、便座22を使用しないで男性が小用をするために便器13の前に立ったときでも、人体センサー37によって使用者を検知し、人体センサー37の出力信号により制御装置12が送風機20を動作させると共に、前記第1の実施の形態に係る衛生洗浄装置10の制御方法で述べた(3)、(4)、(5)と同様の動作を行い、便室内をタイミングよく短時間で芳香する。また過度の芳香などによる、無駄な芳香剤の使用を抑えることが出来る。
【0024】
なお、変形例として、着座センサー29と人体センサー37の両方を設ける代わりに、便座22を使用した状態と便器13の前に立った使用者の両方を検出することが可能な使用者センサー(図示しない)、すなわち便室への入退室検知出来るセンサーを設けて、その出力により制御装置12が芳香手段11を動作させるようにしてもよい。
【0025】
本発明の第3の実施の形態に係る衛生洗浄装置10の制御方法について、図1、図2を参照して説明する。
第3の実施の形態は前記第1の実施の形態に係る衛生洗浄装置10の制御方法において、芳香量を例えば中芳香風量等にて行うタイミングを、タイマーによって着座から所定の待ち時間経過した後に例えば中芳香風量動作を開始する代わりに、使用者の局部洗浄手段26又は温風乾燥手段27の使用時間又は使用回数に応じて、例えば中芳香風量動作の開始を決めるようにしたものである。
この場合、芳香装置10は局部洗浄手段26を使用したときからの時間を計測する図示しないタイマーを備えている。
【0026】
制御方法は、図5に示すように、
(1)使用者が局部洗浄手段26を使用することにより動作検知する(ステップS1)と共に、局部洗浄手段26が検知したときからの時間をカウントする(ステップS2)。
(2)局部洗浄手段26の動作検知により制御装置12は送風機20の送風量を例えば小芳香風量(例えば0.05m3/min)で動作させて臭気を含んだ空気を芳香手段11に供給する(ステップS3)。
(3)洗浄スイッチ31を入れてから所定の洗浄時間(例えば1〜5秒以上)を検出したとき(ステップS4)、送風機20の回転数を大きくして小芳香風量よりも大きい例えば中芳香風量(例えば0.09m3/min)に切替え、芳香動作を行う(ステップS5)。
(4)局部洗浄手段26からの動作検知が認められなくなった場合、タイマーの検出時間により、芳香のオフディレー動作時間を変更する(ステップ7)。例えば局部洗浄手段26の動作検知の検出時間が一定時間内(例えば10秒以内)であれば、オフディレー動作時間は例えば短時間(例えば60秒:ステップS8)、一定時間経過後(例えば10秒以上)であれば、オフディレー動作時間は例えば長時間(例えば120秒:ステップS11)となる。また同様に、局部洗浄手段26の動作検知の検出時間が一定時間内であれば、オフディレー動作時間中の芳香量は例えばそのまま中芳香風量で行い、一定時間経過後であれば、オフディレー動作時間中の芳香量は例えば中芳香風量より大きい大芳香風量(例えば0.18m3/min:ステップ12)になる。
(5)オフディレー時間をカウントし(ステップS9、ステップS13)、所定の動作時間が経過したら、制御装置12により例えば送風機20を停止し、芳香動作を停止する(ステップS10、ステップS14)。
【0027】
これにより、使用者が便座22から立ち去る前に、局部洗浄手段26を使用したことにより芳香を行うことができるので、臭気の発生とパワー脱臭のタイミングを容易に一致させることが出来る。
また、局部洗浄手段26の使用時間を計測する図示しないタイマーの代わりに、局部洗浄手段26を使用した回数を計測するカウンター(図示しない)を設けて、所定の使用回数(例えば1回以上)に達したとき、例えば小芳香風量からさらに大きい芳香風量に切り換えるようにしてもよい。
また、局部洗浄手段以外でも、温風乾燥手段27又は止スイッチ33など便器の使用が明らかになる機能を用いても構わない。
【0028】
本発明の第4の実施の形態に係る衛生洗浄装置の制御方法について、図1、図2を参照して説明する。
第4の実施の形態は前記第1の実施の形態に係る衛生洗浄装置10の制御方法において、芳香量を中芳香風量等にて行うタイミングを、図示しないタイマーによって着座から所定の待ち時間経過した後に例えば中芳香風量動作を開始する代わりに、便座22又は便蓋23の開閉の検知に応じて、例えば中芳香風量等の動作の開始を決めるようにしたものである。
この場合、衛生洗浄装置10は便座22又は便蓋23の開検知したときから閉検知したときまでの時間を計測する図示しないタイマーを備えている。なお、便座22及び便蓋23の開閉検知手段は、衛生洗浄装置16側と便座22及び便蓋23のいずれか片方にマグネットなどを内蔵し、もう一方側にマグネットなどを検出出来る素子を設け開閉を検知出来る装置や、便座22又は便蓋23をヒンジ構造部24にモータ〔図示しない〕などを用いて、自動的に前記便座22又は便蓋23の開閉を行う手段からの検出信号などを使用するものとする(図示しない)
【0029】
制御方法は、図6に示すように、
(1)使用者が便蓋23の開検知をする(ステップS1)と共に、検知したときからの時間をカウントする(ステップS2)。
(2)便蓋23の開検知により制御装置12は送風機20の送風量を例えば小芳香風量(例えば0.05m3/min)で動作させて臭気を含んだ空気を芳香手段11に供給する(ステップS3)。
(3)便蓋23をあけてから所定の開検知時間(例えば30秒以上)を検出したとき(ステップS4)、送風機20の回転数を大きくして小芳香風量よりも大きい例えば中芳香風量(例えば0.09m3/min)に切替え、芳香動作を行う(ステップS5)。
(4)便蓋23の開検知が認められなくなった場合、すなわち閉検知となった場合、タイマーの検出時間により、芳香のオフディレー時間を変更する(ステップ7)。例えば便蓋23の開検知の検出時間が一定時間内(例えば30秒以内)であれば、オフディレー時間は例えば短時間(例えば60秒:ステップS8)、一定時間経過後(例えば30秒以上)であれば、オフディレー時間は例えば長時間(例えば120秒:ステップS11)となる。
また同様に、便蓋23の開検知の検出時間が一定時間内であれば、オフディレー時間中の芳香量は例えばそのまま中芳香風量で行い、一定時間経過後であれば、オフディレー時間中の芳香量は例えば中芳香風量より大きい例えば大芳香風量(例えば0.18m3/min:ステップ12)になる。
(5)オフディレー動作時間をカウントし(ステップS9、ステップS13)、所定の動作時間が経過したら、制御装置12により例えば送風機20を停止し、芳香動作を停止する(ステップS10、ステップS14)。
【0030】
これにより、便蓋を開けたら芳香量を大きくして芳香を行うことができるので、臭気の発生のタイミングと芳香のタイミングを容易に一致させることが出来る。また、便蓋23以外でも、便座22を用いることにより、便器の前に立って小用をする場合でも、芳香手段により芳香を行うことが出来る。また過度の芳香などによる、無駄な芳香剤の使用を抑えることが出来る。
【0031】
第5の実施の形態は前記第1の実施の形態に係る衛生洗浄装置10の制御方法において、本発明の第5の実施の形態に係る芳香装置の制御方法では、芳香量を例えば中芳香風量等にて行うタイミングを、タイマーによって着座から所定の待ち時間経過した後に例えば中芳香風量動作に切り換える代わりに、便器11の近傍に臭気センサー43を設けている。
【0032】
第5の実施の形態の動作は、図7に示すように、
(1)臭気センサー43が動作し、所定濃度、すなわち例えば人が不快感を持つ程度の臭気濃度(芳香開始濃度)を検出したとき(ステップS1)、制御装置12により送風機20の動作させ、例えば小芳香風量にて芳香を開始する(ステップS2)。
(2)芳香動作によって臭気センサー43の検出濃度が所定の芳香停止濃度(例えば、芳香動作開始時の10%以下)に低下したとき(ステップS3)、芳香停止濃度検出時からオフディレー時間をカウントし(ステップS4)、所定のオフディレー時間(例えば30秒)経過したことを確認し(ステップS5)、その後に制御装置12によって送風機20を停止し、芳香動作を停止する(ステップS6)。
【0033】
これにより、臭気センサー43によって検出された臭気濃度が使用者に不快感を与える程度になったときに芳香動作を開始させることにより、芳香をタイミングよく動作させることが出来る。なお、臭気センサーは、例えば臭気物質を吸着することにより電位が変化するイオン性高分子膜やシクロデキストリン等を用いてイオン感受性電界効果型トランジスタで構成して、臭気濃度に比例した電圧を測定するようにしている。
なお、芳香動作の時間は、検出した臭気濃度の大きさに応じて自動的に、例えば短時間(60秒間)、中時間(90秒間)、長時間(120秒間)を制御装置12により選択して送風機30を制御するようにしてもよい。これにより、芳香動作が安定する。
また、臭気濃度に応じて、例えば、大芳香風量から中芳香風量になど風量を段階的に変化させても良い。
【0034】
なお、例えば、臭気センサー43の設置場所は便器13の近傍であれば、脱臭装置内の空気流通路、便器の内側又は外側、便室内の壁面等のいずれでもよい。また、前記実施の形態では使用時に便座に着座する洋式便器の場合について説明したが、便器13の上方にしゃがんで用を足す和式便器の場合については、便室内に設けた人体センサーによって便器13の上方の使用者を検知することにより、脱臭装置を制御することができる。
【0035】
本発明の第6の実施の形態に係る衛生洗浄装置の制御方法について、図1、図2を参照して説明する。
第6の実施の形態は前記第1の実施の形態に係る衛生洗浄装置10の制御方法において、芳香量を例えば中芳香風量等にて行うタイミングを、タイマーによって着座から所定の待ち時間経過した後に、例えば中芳香風量動作を開始する代わりに、脱臭手段41の操作又は動作に応じて、例えば中芳香風量等の動作の開始を決めるようにしたものである。
【0036】
制御方法は、図8に示すように、
(1)脱臭装置の動作検知をする(ステップS1)と共に、検知したときからの時間をカウントする(ステップS2)。
(2)脱臭動作の検知により制御装置12は送風機20の送風量を例えば小芳香風量(例えば0.05m3/min)で動作させて臭気を含んだ空気を芳香手段11に供給する(ステップS3)。
(3)脱臭動作の検知からの検出時間が、所定時間(例えば30秒以上)を検出したとき(ステップS4)、送風機20の回転数を大きくして小芳香風量よりも大きい例えば中芳香風量(例えば0.09m3/min)に切替え、芳香動作を行う(ステップS5)。
(4)脱臭動作の検知が認められなくなった場合(ステップ6)、又はオフディレー動作となった場合、タイマーの検出時間により、芳香のオフディレー動作時間を変更する(ステップ7)。例えば脱臭動作検知の検出時間が一定時間内(例えば30秒以内)であれば、オフディレー動作時間は例えば短時間(例えば60秒:ステップS8)、一定時間経過後(例えば30秒以上)であれば、オフディレー動作時間は例えば長時間(例えば120秒:ステップS11)となる。また、芳香のオフディレー動作時間は、脱臭手段のオフディレー動作時間に併せても構わない。
また同様に、脱臭動作検知の検出時間が一定時間内(例えば30秒以内)であれば、オフディレー時間中の芳香量は例えばそのまま中芳香風量で行い、一定時間経過後(例えば30秒以上)であれば、オフディレー時間中の芳香量は例えば中芳香風量より大きい例えば大芳香風量(例えば0.18m3/min:ステップ12)になる。
(5)オフディレー時間をカウントし(ステップS9、ステップS13)、所定の動作時間が経過したら、制御装置12により例えば送風機20を停止し、芳香動作を停止する(ステップS10、ステップS14)。
【0037】
これにより、使用者が脱臭手段を使用したら芳香を行うことができるので、臭気の発生とパワー脱臭のタイミングを容易に一致させることが出来る。また脱臭動作により臭気が軽減している為、芳香剤の使用量を減らせ、無駄な芳香剤の使用を抑え効率良く芳香することが出来る。
また、芳香手段11を脱臭手段と同じ送風装置を使用することにより、脱臭と併せた効果的な芳香を行うことが出来る。
【0038】
本発明の第7の実施の形態に係る衛生洗浄装置の制御方法について説明する。第7の実施の形態は前記第1の実施の形態に係る脱臭装置10の制御方法において、芳香量を例えば中芳香風量等にて行うタイミングを、タイマーによって着座から所定の待ち時間経過した後に例えば中芳香風量動作を開始する代わりに、図示しない便器洗浄手段の動作に応じて中芳香風量等の動作の開始を決めるようにしたものである。
【0039】
制御方法は、図9に示すように、
(1)図示しない便器洗浄手段の動作検知をする(ステップS1)と共に、オフディレー動作時間をカウントする(ステップS2)。
(2)便器洗浄手段の動作検知により制御装置12は送風機20の送風量を例えば小芳香風量(例えば0.05m3/min)で動作させて臭気を含んだ空気を芳香手段11に供給する(ステップS3)。
(3)オフディレー動作時間が、所定の動作時間を経過したら(ステップS4)、制御装置12により例えば送風機20を停止し、芳香動作を停止する(ステップS5)。
【0040】
これにより、便器を洗浄したら使用したら芳香を行うことができるので、臭気の発生とパワー脱臭のタイミングを容易に一致させることが出来る。
【0041】
本発明の第8の実施の形態に係る衛生洗浄装置10の制御方法について説明する。
第8の実施の形態は前記第7の実施の形態に係る脱臭装置10の制御方法において、芳香量の変更を行うタイミングを、図示しない便器洗浄手段の動作に応じて芳香を変更する代わりに、芳香量スイッチ39の動作に応じて芳香量の変更をするようにしたものである。
【0042】
制御方法は、図10に示すように、
(1)芳香量スイッチ39の動作検知をする(ステップS1)と共に、オフディレー時間をカウントする(ステップS2)。
(2)芳香量スイッチ39の動作検知により制御装置12は送風機20の送風量を例えば小芳香風量(例えば0.05m3/min)で動作させて臭気を含んだ空気を芳香手段11に供給する(ステップS3)。
(3)オフディレー動作時間が、所定の動作時間を経過したら(ステップS4)、制御装置12により例えば送風機20を停止し、芳香動作を停止する(ステップS5)。
【0043】
これにより、使用者の任意により芳香を行うことができるので、使用者にとって効果的なタイミングで芳香を行うことが出来る。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は何ら前記の実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1〜8の実施の形態に係る衛生洗浄装置の制御方法を使用す生成洗浄装置を用いる便器の平面図である。
【図2】同脱臭装置を用いる便器の一部を断面で示した側面図である。
【図3】本発明の第1〜8の実施の形態に係る衛生洗浄装置の制御方法を使用する衛生洗浄装置の斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る衛生洗浄装置の制御方法のフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る衛生洗浄装置の制御方法のフローチャートである。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る衛生洗浄装置の制御方法のフローチャートである。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係る衛生洗浄装置の制御方法のフローチャートである。
【図8】本発明の第5の実施の形態に係る衛生洗浄装置の制御方法のフローチャートである。
【図9】本発明の第6の実施の形態に係る衛生洗浄装置の制御方法のフローチャートである。
【図10】本発明の第7の実施の形態に係る衛生洗浄装置の制御方法のフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
10:衛生洗浄装置、11:芳香手段、12:制御装置、13:便器、14:便器本体、15:脱臭触媒、16:衛生洗浄装置本体、17:吸入口、18:排出口、19:通風ダクト、20:送風機、21:芳香剤、22:便座、23:便蓋、24:ヒンジ構造、25:ノズル機構、26:局部洗浄手段、27:温風乾燥手段、28:操作部本体、29:着座センサー、31:洗浄スイッチ、32:乾燥スイッチ、33:止めスイッチ、34:芳香選択スイッチ、35:動作時間選択スイッチ、36:衛生洗浄装置、37:人体センサー、39:芳香量スイッチ、40:オフディレー選択スイッチ、41:脱臭手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
局部洗浄手段又は温風乾燥手段と、芳香手段を備えた衛生洗浄装置において、前記局部洗浄手段又は前記温風乾燥手段の動作時間が所定時間を越えた場合に、前記芳香手段の芳香量を大きくするように制御することを特徴とする衛生洗浄装置の芳香制御方法。
【請求項2】
便器に、便器周辺の臭気を脱臭する脱臭手段と、芳香手段を設けた衛生洗浄装置において、前記脱臭手段の動作時間が所定時間を越えた場合に、前記芳香手段の芳香量を大きくするように制御することを特徴とする衛生洗浄装置の芳香制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−23769(P2007−23769A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−296240(P2006−296240)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【分割の表示】特願2002−84419(P2002−84419)の分割
【原出願日】平成14年3月25日(2002.3.25)
【出願人】(000010087)東陶機器株式会社 (3,889)
【出願人】(301068491)TOTOウォシュレットテクノ株式会社 (10)
【Fターム(参考)】