説明

衛生洗浄装置

【課題】 脈動発生時に発生する振動、脈動を付加された洗浄水を吐出する際に発生する振動、ノズル駆動時に起こる振動などを簡略的な防振構造で本体に伝えることを防止する衛生洗浄装置を提供する。
【解決手段】 給水口から洗浄水を取込む給水手段と、給水手段によって取込まれた洗浄水を加熱する加熱手段と、加熱された洗浄水に脈動を付加する脈動発生手段と、脈動発生手段によって脈動を付加された洗浄水を人体に噴出する洗浄ノズルと、これら給水手段、加熱手段、脈動発生手段及び洗浄ノズルを収納するケーシング100を備えた衛生洗浄装置であって、脈動発生手段及び洗浄ノズルを支持台510に取付け、支持台510は、弾性体110,113を介してケーシング100に固定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱された洗浄水を人体に向け吐出する衛生洗浄装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来より、人体の局部を洗浄する衛生洗浄装置として、トイレ用の衛生洗浄装置がよく知られている。この種のトイレ用の衛生洗浄装置では、熱交換器により温水化された洗浄水に脈動を付加させ、少ない洗浄水量で洗浄感と洗浄力を得るための脈動発生装置を備え、また洗浄水を人体に噴出する洗浄ノズルを収納位置と洗浄位置との間で進退させるようなされている。非使用時には洗浄ノズルをケーシング内の収納位置に収め、使用時には洗浄水の吐出方向が便座に着座した使用者に向かう方向となるような洗浄位置に洗浄ノズルを移動することで使用の便宜を図っている。また、この洗浄ノズルの進退装置を利用するなどして、洗浄中に洗浄ノズルを微小距離移動させて洗浄位置を変えながら洗浄するような態様(いわゆるムーブ洗浄)を採用した衛生洗浄装置も製品化されている。
【特許文献1】特開2001−132057
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上記の従来の技術では、洗浄水に脈動を与えることと、洗浄ノズルが進退することで、下記のような問題が発生した。
(1)脈動付加によって、衛生洗浄装置本体を形成するケーシングが振動する。
(2)洗浄ノズルの進退によって、衛生洗浄装置本体を形成するケーシングが振動する。
これらの問題に対して、各ユニットに各々防振構造を設ける対策を実施しているが、各ユニット単位で防振対策を実施しているため、製品の小型化ができず、また防振構造のための部品点数の増加によるコストアップの原因となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
かかる課題を解決するために、本発明は、給水口から洗浄水を取込む給水手段と、前記給水手段によって取込まれた洗浄水を加熱する加熱手段と、前記洗浄水に脈動を付加する脈動発生手段と、前記脈動発生手段によって脈動を付加された洗浄水を人体に噴出する洗浄ノズルと、前記給水手段、加熱手段、脈動発生手段及び洗浄ノズルを収納するケーシングを備えた衛生洗浄装置であって、前記脈動発生手段及び洗浄ノズルを支持台に取付け、前記支持台は、弾性体を介して前記ケーシングに固定した。
【発明の効果】
【0005】
脈動発生手段と洗浄ノズルを支持台により一体化し、その支持台を衛生洗浄装置のケーシングに弾性体を介して取付けることにより、装置の防振構造が簡素化され、コストダウンが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明における衛生洗浄装置では、給水口から洗浄水を取込む給水手段と、給水手段によって取込まれた洗浄水を加熱する加熱手段と、加熱された洗浄水に脈動を付加する脈動発生手段と、前記脈動発生手段によって脈動を付加された洗浄水を人体に噴出する洗浄ノズルと、前記給水手段、加熱手段、脈動発生手段及び洗浄ノズルを収納するケーシングを備えている。そして、前記脈動発生手段及び洗浄ノズルを支持台に取付けられ、前記支持台は、弾性体を介してケーシングに取付けられる。脈動発生手段と洗浄ノズルが支持台を介して一体に構成されていることにより、装置の小型化が実現できる。また、支持台の質量は前記脈動発生手段と前記洗浄ノズルと支持台自身の和として大きくなる。そのため振動発生源の質量が大きくなることにより、振動を起き難くすることができる。さらに支持台が弾性体を介してケーシングに取り付けられていることにより、弾性体により支持台とケーシングは弾性的に連結される。このため脈動発生手段によって脈動を付加する際に発生する振動、脈動を付加された洗浄水を洗浄ノズルから吐出する際に発生する振動、洗浄ノズルの進退駆動により発生する振動、は弾性体によって減衰して、衛生洗浄装置に伝わることが防止される。したがって、簡単な構成で衛生洗浄装置の振動及び騒音を低減することが可能となる。さらに本衛生洗浄装置においては脈動発生手段を備えているため、洗浄水圧力変動部により強制的に圧力の変動が加えられた洗浄水が吐水流路に給水される。圧力の変動が加えられて吐水流路に給水されると、洗浄水に速度差が生じ、その繰り返しによって洗浄水の噴流の疎密の繰り返しが強制的変動として現れる。したがって、少ない洗浄水においても人体は、より刺激感のある洗浄を味わうことができる。そのため洗浄水流量を減らすことが可能となるため加熱手段によって温水化された洗浄水を蓄えておくためのタンクの小型化が可能となる。したがって装置の小型化が可能となる。
【0007】
また、前記脈動発生手段は前記支持台に第2の弾性体を介して取付けられる。脈動発生手段が支持台に弾性体を介して取り付けられることにより、脈動発生手段によって脈動を付加する際の振動は弾性体により、減衰して支持台に伝わることが防止される。よって支持台を介して、洗浄ノズルに振動が伝わることにより発生する振動を防止できる。さらに、支持台とケーシング間の弾性体に加えて、脈動発生手段が支持台に弾性体を介して取り付けられることにより、脈動発生手段と支持台との間の弾性体、支持台とケーシングとの間の弾性体との2つの振動絶縁のダンパ機構を構成できる。このため高い制振効果を発揮することができ、便器などへの振動伝播を回避できる。またこのような制振により、振動に伴なう異音の発生も効果的に抑制できる。
【0008】
そして、前記加熱手段として、洗浄水を瞬間的に加熱して、温水化し、その洗浄水を脈動発生手段に導入する温水手段を好適に採用している。衛生洗浄装置に脈動発生手段を備えている場合、洗浄水に脈動を付加することで、少ない洗浄流量で十分な洗浄感や洗浄力を確保することができるため、商用電源の使用下で瞬間式熱交換器を用いた場合でも、充分な昇温能力を確保することができる。したがって、必要時にのみ洗浄水を加熱するため、従来の衛生洗浄装置の大半に備えられた貯湯タンクが不要となって装置全体の小型化を図ることができ、あわせて省エネを図ることも可能となる。
【0009】
前記瞬間式熱交換器と前記支持台は近傍に配置され、かつ前記加熱手段から脈動発生手段に温水を導入する出水口が、脈動発生手段入水口の近傍に配置される。脈動発生装置と瞬間式熱交換器が隣接することにより、瞬間式熱交換器から脈動発生装置をつなぐ配管の長さを限りなく短くすることができる。そのため、狙いの設定温度に達するための時間が短くなるため、初期吐水温度特性が向上する。また洗浄水加熱手段から洗浄ノズル吐水口までの配管を短くすることにより、該加熱手段によって温度調節された洗浄水が人体局部に到達する時間が早くなる。したがって洗浄動作中に使用者により温度変更が行われた場合においても温度調節された洗浄水が人体局部に到達する時間が早くなる。つまり温度変更に対する応答性が向上する。また熱容量が小さくなることにより、瞬間式熱交換器の出力を小さくすることができる。
【0010】
前記脈動発生装置の上流には、人体に向け洗浄水を吐水する主流路と人体に向け吐水されない捨水流路とを備えており、さらに主流路と捨水流路との流路の切替えを行う切替弁を備えている。脈動発生手段の上流に切替弁を備えることにより、装置が何らかの故障により、万が一高温水が発生した場合、洗浄水を捨水流路に切替えることにより、高温吐水が防止される。したがって安定した安全な温度の洗浄水のみを人体に提供することができる。また洗浄水を捨水流路に切替え、かつ熱交換器内の温水ヒータをoffすることにより、給水手段によって取込まれた洗浄水は取込まれた温度のまま熱交換器を通過し、捨水流路を介して排出される。したがって、熱交換器内は洗浄水により効果的に冷却される。このようにして高温水が発生した場合においても人体への高温吐水を防止しつつ、流路の冷却を行うことが可能となる。さらに洗浄ノズルの伸出・収納時は捨水流路へ洗浄水を切替え、ノズルが洗浄位置にあるときにのみ洗浄水を脈動発生手段に給水し、洗浄ノズルを介して人体に吐出することにより、洗浄したい箇所以外を濡らして使用者に不快感を与えることがなくなる。
【0011】
前記洗浄ノズルは複数の流路を備える。洗浄ノズルに複数の流路を備えることにより、一つの洗浄ノズルで複数の洗浄モードを持つことができる。そのため、ノズルユニットをコンパクトにすることができるため装置の小型化が可能となる。また、洗浄ノズルが一つであることにより、脈動発生手段によって発生した振動が伝わる部材が減るため、防振構造が簡素化される。
【0012】
この切替弁は、前記洗浄ノズルの上流に入水口と複数の出水口を備えた複数の通水部を備え、それらの通水部のうち少なくとも一つ以上の通水部を備えた弁体により洗浄水を前記複数の出水口の一つまたは複数に選択的に切り替え、また洗浄水の流量を増減する流量調節兼流路切替弁を備えている。一つ以上の通水部を有した弁体が複数の出水口の一つまたは複数に選択的に切り替えることにより、複数の洗浄モードを持つことが可能となる。また同時に流量調整も実施するため、流調機能と流路切替機能を一体にすることができるため、脈動発生手段によって発生した振動が伝わる部材が減少し、防振構造が簡素化される。さらに、瞬間式熱交換器を備えた衛生洗浄装置の場合、制御器から温水ヒータに信号を与えても、温水ヒータの熱容量による時間の遅れが存在するため、例えば洗浄モード切替時における、洗浄水の極端な流量低下は熱交換器の過熱を起こし、高温水を発生させる要因となる。しかし、本衛生洗浄装置においては、切替弁が流量調節兼流路切替弁と別体に構成されているため、洗浄モードの切替時に流量調節兼流路切替弁の駆動前に洗浄水を捨水流路への切替を行い、流量調節兼流路切替弁によって洗浄モード切替と流量調節を実施し、洗浄水の温度が安定した状態で洗浄水を主流路に切替え、人体に吐出させることが可能となるため、安定した安全な洗浄水のみを人体に提供することができる。
【0013】
また、前記流量調節兼流路切替弁と前記洗浄ノズルと一体に構成され、収納位置と使用位置の間を自在に移動可能である。流量調節兼流路切替弁が洗浄ノズルと一体に構成され、収納位置と使用位置の間を自由に移動可能としていることにより、流量調節兼流路切替弁と洗浄ノズルの間の流路を限りなく小さくすることが可能となる。したがって、洗浄水の流動抵抗を最小限に抑えることが可能となる。流量調節兼流路切替弁の上流側に脈動発生装置を備える場合には、脈動発生装置によって与えられた脈動を減衰させることなく、吐水口から吐出することができる。したがって、脈動発生手段の出力やサイズを最小限に抑えることができるため、脈動発生時に発生する振動が抑制され、装置の小型化も可能となる。さらに、流量調節兼流路切替弁が、洗浄ノズルと別体にて構成されている場合は、流量調節兼流路切替弁と洗浄ノズルを接続するチューブ等の流路を複数本必要とし、ノズルを収納位置と使用位置の間で移動させる場合は、複数のチューブがノズルの移動に合わせて移動するためのスペースを確保しなければならず、また複数のチューブの屈曲力に抗してノズルを移動させなければならないため、出力を十分確保したノズル駆動手段が必要となる。これに対し、流量調節兼流路切替手段と洗浄ノズルを一体にて構成した場合は、ノズルの移動に合わせて移動するチューブは一本だけになるのでチューブの移動スペースやノズル駆動手段の出力を最小限に抑えることができるため、ノズル駆動時に発生する振動、ノズル駆動モータ自身の振動が抑制される。さらに捨水流路への切替手段のみを流量調節兼流路切替手段から分離して配設することで、流量調節兼流路切替手段がいかなる状態(設定)であっても捨水流路への切替時間は常に一定となるため、流路切替時間のばらつきによる不快感を使用者に与えずに済む。また、洗浄ノズルと流量調節兼流路切替手段が一体化された場合、捨水流路への配管(例えば可撓性のあるチューブ等)が必要となる。その場合、洗浄ノズルが収納された時に流量調節兼流路切替手段と捨水流路とを接続する長さが必要であり、また洗浄ノズルが伸出した時には、配管が収納されるスペースが必要となる。さらに洗浄ノズルの伸出・収納に伴なう移動軌跡上に障害物がないことも必要となる。しかし、本発明によれば捨水流路への切替を行う切替弁を別体として構成し、捨水流路への配管は固定される。したがって洗浄ノズルの伸出・収納に伴なう配管のスペースが不要となるため、装置の小型化を図ることができる。
【0014】
前記切替弁は駆動源としてソレノイドを使用した電磁三方弁を用いることができる。切替弁の駆動源にソレノイドを使用することにより、主流路と捨水流路の高速切替動作が可能となる。したがって洗浄モードの切替えにおいて瞬時に流路を捨水流路に切替えることができるため、洗浄水の流量の変動が少なくなる。そのため流量の変動による高温水の発生が防止される。また、駆動源にソレノイドを使用していることにより、コストダウンが可能となる。さらに、高速切替動作により高温吐水防止の確実性が向上する。
【0015】
前記脈動発生手段は洗浄水の給水経路の一部をなすシリンダと、該シリンダ内で往復動し、その往復動により洗浄水の流れに脈動を起こして洗浄水を前記シリンダ下流に圧送するプランジャと、該プランジャを往復駆動させる電磁ソレノイドと、該ソレノイドを励磁する励磁手段と、前記シリンダに設けられ、下流側への洗浄水の通過を許容する逆止弁とを有する。電磁ソレノイドの励磁制御を通してプランジャをシリンダ内で往復動させ、これにより脈動を洗浄水の流れに起こして洗浄水を脈動流の状態で圧送することができる。しかも、下流側にしか逆止弁を備えず、シリンダの上流側には逆止弁を有しないので脈動流での圧送時に、プランジャの移動状況によらずにシリンダ内に洗浄水を常時導いて洗浄水を圧送する。よって特段の構成やプランジャ移動制御を用いなくても脈動流での洗浄水圧送に際して流量ゼロの状況を起こさないようにできる。したがって洗浄水の流れが瞬間的にでも遮断された状況を起こさないようにできるので給水経路を含む洗浄水の系において水撃の発生を緩和できる。この結果、洗浄水の系に含まれる配管や流路内の機器の損傷や劣化、あるいはビビリ音等の異音や不用意な振動といった不具合を解消あるいは軽減できる。
【0016】
前記脈動発生装置と前記電磁三方弁は一体に構成される。電磁三方弁と脈動発生装置が一体に構成されることにより振動源質量を電磁三方弁と脈動発生装置の和として大きくすることができる。したがって脈動発生に伴なう振動を起き難くすることができるため、防振構造が簡素化される。また、ユニットとして電磁三方弁と脈動発生装置が一体に構成されているため、電磁三方弁と脈動発生装置の流路を可能な限り小さくすることができる。そのため狙いの設定温度に達するための時間が短くなるため、初期吐水温度特性が向上する。また熱容量が小さくなるため、熱交換器の出力も小さくすることができる。
【0017】
また、脈動発生装置は、洗浄水の給水経路の一部をなすシリンダと、該シリンダ内で往復動し、その往復動により洗浄水の流れに脈動を起こして洗浄水を前記シリンダ下流に圧送するプランジャと、該プランジャを往復駆動させる電磁ソレノイドと、該ソレノイドを励磁する励磁手段とを有したものとし、且つ、前記脈動発生装置と前記切替弁とを、両者の間に脈動発生装置による水撃を減衰させるアキュムレータを介して、それぞれ一体化してもよい。切替弁と脈動発生装置が一体に構成されることにより振動源質量を切替弁と脈動発生装置の和として大きくすることができる。したがって脈動発生に伴なう振動を起き難くすることができるため、防振構造が簡素化される。また、ユニットとして切替弁と脈動発生装置が一体に構成されているため、切替弁と脈動発生装置の流路を可能な限り小さくすることができる。そのため狙いの設定温度に達するための時間が短くなるため、初期吐水温度特性が向上する。また熱容量が小さくなるため、熱交換器の出力も小さくすることができる。さらには、切替弁と脈動発生装置を一体化するにあたり、間にアキュムレータを介しているので、脈動発生装置から上流側への水撃はアキュムレータで吸収されるため、急な水撃により切替弁が誤動作するようなことがなくなる。
【実施例】
【0018】
以下、本発明を採用した実施例について図面に基づき説明する。
本実施例による衛生洗浄装置の水路図を図1に示す。ここで図1は、洗浄水の供給系を示す概略構成図である。
【0019】
図1に示すように、衛生洗浄装置の水路系は、衛生洗浄装置のケーシングの外部の給水源(図示せず)から給水される入水側弁ユニット50と熱交換ユニット60と三方弁・脈動発生ユニット70とを備える。そして、三方弁・脈動発生ユニット70から洗浄ノズルユニット80の流量調節兼流路切替弁81を経て洗浄ノズル82に、三方弁・脈動発生ユニット70により付与された脈動を保った洗浄水が導かれ、当該ノズル82から吐水される。これらの各ユニットは、衛生洗浄装置のケーシングに収納されている。ここで三方弁・脈動発生ユニット70と洗浄ノズルユニット80は支持部材510を介して洗浄水吐出ユニット90として一体に構成されている。また制御器10は電磁弁53、入水温センサss62a、ヒータ61、出水温センサss62b、フロートスイッチ63、三方弁71、脈動発生機器74、流量調節兼流路切替弁81、洗浄ノズル82および制御ボタン(図示せず)に接続されている。なお制御ボタンには強い刺激感のあるハードなおしり洗浄(以下おしり洗浄と呼ぶ)、ソフトなおしり洗浄(以下やわらか洗浄と呼ぶ)、ビデ洗浄(以下ビデ洗浄と呼ぶ)の各洗浄モードを選択する洗浄ボタン、洗浄水の水勢を変化させるための水勢変更ボタン、洗浄水の温度を選択できる温度調節ボタン、洗浄を停止するための停止ボタンが含まれる。
【0020】
これら各ユニットは三方弁・脈動発生ユニット70を挟んでそれぞれ給水管路で接続されている。即ち、入水側弁ユニット50と熱交換ユニット60は、給水管路55で接続され、三方弁・脈動発生ユニット下流の流量調節兼流路切替弁81は給水管路75で接続されている。なお、熱交換ユニット60と三方弁・脈動発生ユニット70は、互いに近傍に配置され、より詳しくは、熱交換ユニット60の出水口を三方弁・脈動発生ユニット70の入水口に近接させて配置され、両者は給水管路67で接続されている。
【0021】
給水管路55は給水源(水道管)から洗浄水(水道水)を直接給水すべく入水側弁ユニット50に配管されている。この給水管路55に導かれた洗浄水は、入水側弁ユニット50のストレーナ51でゴミなどが補足されて、逆止弁52に流れ込む。そして電磁弁53にて管路が開かれると、洗浄水は調圧弁54に流れ込み、所定の圧力(1次圧:0.098MPa{約1.0kgf/cm}に調圧された状態で、瞬間式加熱方式の熱交換ユニット60に流入する。このように調圧を受けて流入する洗浄水流量は約300〜600cc/min程度となるようにされている。なお、給水管路55を便器洗浄用の洗浄水を貯留する洗浄水タンク(図示省略)から分岐して入水側弁ユニット50に配管することもできる。
【0022】
上記した入水側弁ユニット50下流の熱交換ユニット60はヒータ61を内蔵する熱交換部62を備える。このヒータ61は熱応答性が良好なタングステン−モリブデンを用いたもので、次のようにして製造されている。まずタングステン−モリブデンのペーストで、ヒータパターンをセラミックシートにスクリーン印刷し、このセラミックシートを円筒状セラミックに巻き付け、焼結する。こうすることで、ヒータはヒータパターンを絶縁層で絶縁して形成した円筒状セラミックヒータとして構成される。そして、通電用の電極部にはNiメッキしたコバール電極を用い、このコバール電極をヒータパターンにロー付け固定する。また、こうしてできた円筒形状のヒータにガラス溶着にて取付フランジを固定し、ヒータ61とされる。このようにヒータ61を熱応答性が良好なものとしたので、熱交換部62はこのヒータ61による洗浄水の瞬間加熱が可能な容量であれば良くなり、熱交換部62、ひいては熱交換ユニット60全体の小型化が可能である。また熱交換ユニット60の構造が簡略化されるので、組付け工数の低減、低コスト化といった製造上の利点がある。なお、ヒータ61またはその近傍に、その異常加熱を機械的に遮断する図示しないバイメタルスイッチや温度ヒューズが装着されている。そして、この熱交換ユニット60は熱交換部62へ流入する洗浄水の温度と熱交換部62から流出する洗浄水の温度を入水温センサss62aと出水温センサss62bで検出しつつ、その検出温度を基にして洗浄水を設定温度の洗浄水に加熱するようにヒータ61の加熱動作を制御する。そしてこのようにして、温水化された洗浄水は後述する三方弁・脈動発生ユニット70に流入し、脈動を付加され、流量調節兼流路切替弁81に流入する。
【0023】
また、この熱交換ユニット60は熱交換部62内の水位を検出するフロートスイッチ63を有する。このフロートスイッチ63は、ヒータ61が水没する所定の水位以上になるとその旨の信号を出力するよう構成されている。そして、制御器10はこの信号を入力している状況下でヒータ61を通電制御するので水没していないヒータ61に通電してしまうというような事態、いわゆるヒータ61の空焚きを防止する。なお、熱交換ユニット60のヒータ61は制御器10にてフィードフォワード制御とフィードバック制御を組合わせながら最適に制御される。
【0024】
更に、この熱交換ユニット60は熱交換部62からの洗浄水出口、即ち、熱交換部62下流の管路の熱交換部接続箇所に、バキュームブレーカ64と安全弁65とを備える。バキュームブレーカ64は、負圧となった管路内に大気を導入して、熱交換部下流の管路内の洗浄水を断ち切り、熱交換部下流側からの洗浄水逆流を防止する。また安全弁65は給水管路67内の水圧が所定値を越えると開弁し、捨水配管66へ洗浄水を排出することにより、異常時の機器の破損、ホースの外れ等の不具合を防止している。
【0025】
次に洗浄水吐出ユニット90について説明する。図2(a),(b)はそれぞれ洗浄水吐水ユニット90の斜視図である。洗浄水吐出ユニット90は、三方弁・脈動発生ユニット70と、洗浄ノズルユニット80と、三方弁・脈動発生ユニット70及び洗浄ノズルユニット80を取付けるための支持台510とからなる。より詳しくは、支持台510と、支持台510に組込み配設されたノズル駆動モータ520と、このノズル駆動モータ520の正逆回転を前後動に変換して洗浄ノズルユニット80に伝達する伝達機構530と、支持台510上面に立設され洗浄ノズルユニット80を便器ボール側で褶動自在に保持するノズル保持部540と、洗浄ノズルユニット80を後述するノズル進退軌道に沿って案内する案内レール部550と、支持台510側面にあって三方弁・脈動発生ユニット70を固定するための固定ボス560を有する。
【0026】
伝達機構530はノズル駆動モータ520の回転軸に固定された駆動プーリ530aと上記のノズル進退軌道に沿った前後の従動プーリ530bとこれらプーリに掛け渡されたタイミングベルト530cと当該ベルトにテンションを与えるテンショナ530dを有する。タイミングベルト530cは洗浄ノズルユニット80に固定された連結部83を介して、洗浄ノズルユニット80と係合・固定されている。よってこの洗浄ノズルはタイミングベルト530cの正逆回転に応じて、洗浄ノズルの収納位置と洗浄位置との間を前後に進退駆動する。
【0027】
洗浄ノズルユニット80の先端部は、収納時に支持台510の先端に位置するノズル保持部540内に収納される。洗浄位置の時には、洗浄ノズルユニット80が人体局部を吐水可能な位置までノズル保持部540を褶動して伸出する。なおノズル保持部540には洗浄水ポート540aが設けられており、ノズル伸出・収納時に洗浄水ポート540aに送られてきた洗浄水によってノズルの洗浄が可能となる。
【0028】
三方弁・脈動発生ユニット70は支持台510にある固定ボス560に防振ゴム(図示せず)を介してネジ締結される。よってこの防振ゴムによる制振作用により、脈動発生に伴なう振動を抑制できると共に、振動による異音発生も抑制できる。
【0029】
続いて三方弁・脈動発生ユニット70の構造について説明する。図3は三方弁・脈動発生ユニット70の概略構成断面図である。三方弁・脈動発生ユニット70は三方弁71、接続配管72、アキュームレータ73、脈動発生機器74から構成されている。アキュームレータ73は三方弁71と脈動発生機器74を接続する接続配管72中に設置されており、この接続配管72は、図示するように三方弁入水口71aと出水口71bと脈動発生器入水口74aとを備えている。この構造により、三方弁71とアキュームレータ73と脈動発生機器74が一体化されている。
【0030】
次に三方弁71について説明する。図3に示すように三方弁は入水口71a、出水口71b、出水口71c、磁性体を用いた弁体71d、コイル71e、バネ71fが備えられている。弁体71dには出水口71b、出水口71cをシールするための弁ゴム71gが備えられている。入水口71aから取り入れられた洗浄水はコイル71eへの通電onもしくはoffによって出水口71b,出水口71cのいずれかより吐出されるようになっている。本実施例では出水口71bをアキュームレータ73に接続された主流路側75に、出水口71cをノズル洗浄ポート540aに接続された捨水流路76に接続されるようにした(図1参照)。コイル71eへの通電がoffの場合、弁体71dはバネ71fの力により出水口71b側に位置し、出水口71bは閉塞している。したがって出水口71cは開放されている。そのため洗浄水は出水口71cより吐出される。コイル71eへの通電をonするとコイル71eが励磁され、弁体71dには出水口71bを開放する方向の吸引力が働くようになる、そのため弁体71dが出水口71cへ移動するため今度は出水口71cが閉塞され、出水口71bが開放される。以上により洗浄水は出水口71bより主流路側75に洗浄水を吐出する。さらにコイル71eへの通電をoffとすると吸引力が失われ、バネ71fにより弁体71dが出水口71bへ移動し、再び出水口71bを閉塞する。したがって出水口71cが開放され、洗浄水は出水口71cより吐出される。
【0031】
コイル71eへの通電がon、offのどちらにおいても出水口71b、出水口71cのいずれかが開放されているため閉塞区間が存在しない構造となっている。また本実施例のように三方弁71にソレノイドを使用することにより主流路75と捨水流路76の切り替えが高速に行われるようになる。
【0032】
さらに出水口71bを通常閉としたことでコイル71eへの通電をoffとするだけで主流路75の閉塞が可能となるため、何らかの異常により万が一異常高温水が発生した場合においてもコイル71eへの通電をoffとするだけで人体に高温吐水をさせない安全動作を確実に行うことができる。
【0033】
次に、アキュームレータ73は図3に示す様に脈動発生機器74より上流の接続配管72に接続されたハウジング73aとハウジング内のダンパ室73bとこのダンパ室73bに配置されたダンパ73cを有する。よってアキュームレータ73は三方弁・脈動発生ユニット70の上流側の給水管路67にかかる水撃を低減する。このため熱交換部62の洗浄水温度分布に及ぼす水撃の影響を緩和でき、洗浄水の温度を安定化することができる。この場合、アキュームレータ73は脈動発生機器74に近接配置したり当該機器と一体的に配置することが、後述するようにこの脈動発生機器74で発生された脈動を上流側に伝播することを速やかにかつ効果的に回避できる観点から好ましい。なお、アキュームレータ73はダンパ73cとこれを付勢するスプリングを設けた構成や、給水管路67を一部上方に意図的に膨張させたようなエアー溜まりとして形成することもできる。
【0034】
次に、脈動発生機器74は図3に示す様に給水管路67、75に接続されるシリンダ74bにプランジャ74cを褶動自在に備える。そして、このプランジャ74cを脈動発生コイル74dの励磁制御により上流側・下流側に進退させる。プランジャ74cは脈動発生コイル74dの励磁により図示する原位置(プランジャ原位置)から下流側74hに移動するが、コイル励磁が消えると、復帰スプリング74fの付勢力を受けて原位置に復帰する。この際、緩衝スプリング74eでプランジャ74cの動作が緩衝される。プランジャ74cはその内部に鋼球とスプリングからなる逆止弁74gを有するので、プランジャ原位置から下流側への移動の際にはシリンダ74b内の洗浄水を加圧して給水管路75に押し流す。この際、プランジャ原位置は一定であることから、一定量の洗浄水が給水管路75に送られることになる。その後、原位置に復帰する際には逆止弁74gを経てシリンダ74b内に洗浄水が流れ込むので、次回のプランジャ74cの下流側移動により、改めて一定量の洗浄水が給水管路75に送られることになる。しかも、プランジャの原位置復帰の際には、プランジャ74c下流側、即ち給水管路75の洗浄水の引き込みが起こるので、この脈動発生機器74はプランジャ74cの往復動に伴なって圧力が周期的に上下変動する脈動を引き起こし、洗浄水を脈動流の状態で給水管路に流す。
【0035】
この場合、脈動発生機器74には給水管路55を経て、上記の1次圧の洗浄水が給水されている。よって上記したようにプランジャの原位置復帰の間に逆止弁74gを経てシリンダ74b内に流れ込んだ洗浄水は逆止弁74gによる圧力損失や下流側の洗浄水の引き込みの影響を受けて1次圧のままではないものの、給水管路75に送られる。この様子を図で持って表すと、図4に示す様に、洗浄水は、脈動発生機器74への導入水圧Pin(一次圧)を中心に脈動した圧力で脈動発生機器74から給水管路75、ひいては洗浄ノズルユニット80に送られて局部に吐水される。しかも、脈動発生機器74からその下流に送られる洗浄水圧は上記のようにプランジャ74cの原位置復帰の際の逆止弁74gを経たシリンダ74b内への洗浄水流れ込みにより、ゼロとなることはない。この洗浄水圧の脈動推移は洗浄水流量の推移に反映する。この場合、脈動の中心となる上記の導入水圧Pinは調圧弁54によって調圧されるので脈動を図4に示す軌跡のまま上下にシフトしたものとできる。そして、洗浄水圧の脈動推移は洗浄水流量の推移に反映するので、脈動をシフトさせれば、吐水量事態を上下に調整できる。
【0036】
この図4に見られる脈動周期MTは脈動発生コイル74dの励磁周期に同期し、この励磁周期の変更制御を通して種々設定可能である。しかも洗浄水の脈動流発生にプランジャ74c往復動のためのコイル励磁だけで済むので、脈動発生機器74の構成を簡単にすることができる。
【0037】
さて、三方弁・脈動発生ユニット70の設置に際しては、防振ゴムを介在させた。よってこの防振ゴムによる制振作用により、振動発生に伴なう振動を抑制できると共に、振動による異音発生も抑制できる。さらに本実施例では三方弁71とアキュームレータ73と脈動発生機器74が一体に構成されているため、振動源の質量がこれら構成要素の和として大きくしたこと自体で脈動発生に伴なう、振動を起き難くできることに加えて、防振ゴムによる制振作用により制振を図ることができる。このようにして、ユニットを一体化し、振動源の質量を大きくすることに加えて、支持台510と一体に構成することで部材数削減によるコスト低下といった製造上の利点があり、装置の小型化も図ることができる。さらに、三方弁・脈動発生ユニット70と支持台510との間に防振ゴムを配設すれば、この防振ゴムと支持台510下面の防振ゴムとで、図5に示すような2自由度系の振動絶縁のダンパ機構を構成できる。このため、振動緩和に効果的なバネ定数k1、k2や減衰係数c1、c2とできるように防振ゴムを選定することにより、高い制振効果を発揮することができ、便座などへの振動伝播を効果的に回避できる。このような制振により、振動に伴なう異音の発生も効果的に抑制できる。
【0038】
さらに、図3に示す様に三方弁71とアキュームレータ73と脈動発生機器74をユニットとして一体に構成したので、流路を可能な限り短くすることができるため、設定温度に達するまでの時間が短くなるため、初期吐水温度特性が向上する。また熱容量が小さくなるため、ヒータ61の出力を小さくすることが可能となる。
【0039】
また本実施例では、上記の水路系を構成するにあたり、次のようにした。即ち、三方弁・脈動発生ユニット70の給水管路67、給水管路75を高硬度の可撓性配管とすると共に給水管路75の硬度を給水管路67より大きくした。また、これら管路と上記各ユニットの配管接続部にカプラ方式の継手を用いた。更に、各ユニットを近接配置(熱交換ユニット60出水口と三方弁・脈動発生ユニット70入水口、三方弁・脈動発生ユニット70出水口と洗浄ノズルユニット80入水口)して、給水管路長を短くした。これらの結果、給水管路自体の伸縮、膨張・収縮が起き難くなり、この伸縮に伴なう脈動流減衰の影響を抑制できるため、脈動減衰を低減した状態で脈動流の洗浄水を洗浄ノズルユニット80に送り込むことができる。下流側配管65においては高硬度の可撓性配管とあわせてより効果的に抑制できる。よって脈動発生機器74の出力を小さく設定できるため、脈動発生機器74の振動を小さくすることができる。さらに各給水管路長が短くなっていることにより、設定温度に達するまでの時間が短くなり、初期吐水温度特性が向上する。また熱容量が小さくなるため、ヒータ61の出力を小さくすることが可能となる。
【0040】
次に洗浄ノズルユニット80について説明する。図6に洗浄ノズルユニット80に流量調節兼流路切替弁81が配設されている状態を示したものである。図6に示す様に、流量調節兼流路切替弁81は、洗浄ノズル82の後端に位置する。そして、三方弁・脈動発生ユニット70から送られた脈動流の洗浄水の給水先を、洗浄ノズル82の各流路83、84、85に切り換え、かつその流量を調節する。
【0041】
次に洗浄ノズル82について説明する。図7(a),(b)に洗浄ノズルの構造図を示す。洗浄ノズル82内にある複数の洗浄流路83,84,85はそれぞれ洗浄ノズル先端近傍にあるおしりに向かって洗浄水を吐出するおしり洗浄用吐水穴401とビデ洗浄用吐水穴402に連通する。吐水穴401,402の上流には洗浄流路83,85を通水する洗浄水を旋回させながら旋回流として吐水穴から吐水させるための洗浄水渦室301,302を設けてある。なお洗浄流路84は洗浄渦室301の下方に連通し、吐水穴401と連通している。
【0042】
ここで、おしり、やわらか洗浄用のノズル構造を例にとり、洗浄ノズル82内の洗浄水の動きを説明する。おしり洗浄時においては図8に示すように、一つの吐水穴401より旋回洗浄水RW、直進洗浄水UWという複数の種類の洗浄水を吐水する。ここで、旋回洗浄水RWとは吐水穴401の軸心を中心として螺旋状に旋回された状態で吐水穴401の向く方向に吐水される洗浄水をいう。直進洗浄水UWとは吐水穴401の向く方向にほぼ真っ直ぐに吐水される洗浄水をいう。図9に示すように旋回洗浄水RWは旋回中心付近が中空で、吐水穴401から離れるにしたがって徐々に広がった螺旋形状を有する。このような旋回洗浄水RWは洗浄流路84から洗浄水渦室301に供給された洗浄水が洗浄水渦室301の内周壁に沿って流れることにより実現される。すなわち洗浄流路84からの洗浄水が略円柱形状を有する洗浄水渦室301の内周壁に沿って供給されることにより、図8に示す矢印SYに示すように洗浄水は洗浄水渦室301内で旋回し、これにより洗浄水に旋回成分が付与され、吐水穴401に向かうのである。このように洗浄流路84を通過する洗浄水が洗浄水渦室301の内周壁に沿って流入することにより旋回状態とされた洗浄水の流れを旋回流と呼び、洗浄流路84を旋回流路と呼ぶ。こうした螺旋形状の旋回洗浄水RWによれば局部の広い範囲(図8に示す洗浄面積SMc)をソフトに洗浄することができる。また旋回により洗浄水が適当に細分化され、十分なやわらか感をもった吐水をすることができる。一方直進洗浄水UWは旋回洗浄水のような中空部分や広がりのない略円柱形状を有する。このような直進洗浄水UWは洗浄流路85からの洗浄水が洗浄水渦室301の軸心に向かって流れ込み、旋回されることなく、図8SSに示すように略鉛直上方に進行することにより実現される。このように洗浄流路85を通過する洗浄水が略鉛直上方に進行する洗浄水の流れを直進流と呼び、洗浄流路85を直進流路と呼ぶ。こうした略円柱形状の直進洗浄水UWによれば、局部の狭い範囲(図8に示す洗浄面積SMa)を強く洗浄することができる。このようにおしり洗浄は、旋回流と直進流の洗浄水の組合せによって実現している。また、図示していないビデ洗浄の流路構成は旋回流のみを備えたものであり、洗浄流路83をビデ流路と呼ぶ。
【0043】
続いて流量調節兼流路切替弁81について説明する。図6は、流量調節兼流路切替弁81を構成する部品の分解図であり、これらの部品は洗浄ノズル本体82に組み込まれ、一体に構成されている。この流量調整兼流路切替弁81は、駆動軸171を有する駆動モータ170と、十字穴付のナベタッピンネジ160と、押板180と、Oリング190と、収納ボディ200と、Yパッキン210と、一端を駆動に、軸他端を固定部に結合される支持部220と、シールフランジ230と、スプリング240と、可動部250と、固定部260と、固定部シール270から構成されている。
【0044】
これら流量調節兼流路切替弁構成部品のうち弁機能を果たす可動部250と固定部260の上面図を図9(a),(b)に示す。図9(a)に示すように、可動部250には、大穴251と、小穴252が貫通するように形成されている。
【0045】
また、図9(b)に示すように、固定部260には、ビデ流路83に通じるビデ穴261、旋回流路84に通じる旋回穴262、直進流路85に通じる直進穴263が貫通するように構成されている。また各穴に連通するように凹部261a,261b,262a,262b,262c,263a,263bが所定の幅をもって固定部の円周方向に形成されている。凹部261b,262b,263aは、可動部250のすべての穴と固定部260のすべての穴が連通する全開状態に使用される。また、凹部263aはおしり洗浄時に直進流を、凹部262cは旋回流を形成し、それぞれ流量調節するために使用される。更に、凹部262bはやわらか洗浄時、凹部261aはビデ洗浄時にそれぞれ流量調節するために使用される。各洗浄流路への洗浄水の切替は可動部250の各穴部のいずれかが、固定部260の各穴部とそれに連通する凹部のいずれか一つまたは複数に連通することによって行われる。また固定部260に備えられた凹部の深さは連通する貫通穴に向かって増加している。そして可動部250を回転移動させることで、可動部250と固定部260の凹部もしくは穴部によって形成される最小流路断面積を増加もしくは減少させることで、選択された洗浄流路への洗浄水流量が変化する。なお図9(a),(b)に示すように可動部250と固定部260には回転軸があり、この回転軸を中心に可動部は固定部上を回転するのである。また可動部250の回転方向は駆動モータ180により時計回り、半時計回りいずれの回転も可能である。
【0046】
図10(a)〜(d)は、固定部250と可動部260の相対位置関係を変化させたときの、固定部250の穴部と可動部260の穴部および凹部の連通状態を表したものである。詳細には駆動軸171・支持部220を介して駆動モータ180の駆動トルクが伝達され回転する可動部250が、各洗浄流路へそれぞれ連通する穴部と凹部が形成された固定部260上を回転する様子を示したものであり、具体的には、それぞれ原点状態兼ビデ洗浄モード状態(最小流量設定時)、全開状態、やわらか洗浄モード状態(最大流量設定時)、おしり洗浄モード状態(最小流量設定時)を示している。なお本図では可動部の各穴部と固定部の穴部もしくは凹部に連通している箇所を黒塗りで示している。
【0047】
図10(a)は、モータの回転角度が0°の状態であり、本状態が原点状態である。本状態は可動部250の大穴251の一部が固定部260のビデ穴261と連通する凹部261aと連通され、原点状態であると同時にビデ洗浄モードにおける最小流量設定状態を達成している。本状態がビデ洗浄における最小吐水流量となり、回転方向Lに沿ってモータの回転角度が増加するにつれて、ビデ穴261と連通する凹部263aの深さも増加するため、凹部263aに構成される最小流路断面積が増加して、ビデ流路83に流出する洗浄水の流量は増加する。
【0048】
図10(a)の状態から可動部250を回転方向Lに沿って半時計回りに約105°回転させると図10(b)の状態になる。図10(b)は可動部250の大穴251が固定部260のビデ穴261に連通する凹部261bと旋回穴262と連通する凹部262aと連通し、また可動部250の小穴252が固定部260の直進穴263に連通する凹部263bと連通することによって、洗浄ノズル本体内の全流路へと連通する全開状態を達成している。
【0049】
図10(a)の状態から可動部250を回転方向Lに沿って半時計回りに約155°回転させると図10(c)の状態になる。図10(c)では、可動部250の大穴251が固定部260の旋回穴262と連通することによって、やわらか洗浄モードにおける最大流量設定状態を達成している。本状態がやわらか洗浄における最大吐水流量となり、モータの回転角度を増加させると可動部250の大穴が回転方向Lに向かって凹部深さが減少する凹部262bと連通するため、モータの回転角度を増やすことにより旋回流路84へ流出される洗浄水の流量は減少する。
【0050】
図10(a)から可動部を回転方向Lに沿って半時計回りに約235°回転させると、図10(d)の状態になる。図10(d)では、可動部250の大穴251が固定部260の直進穴263に連通する凹部263aと連通し、また可動部250の小穴252が固定部260の旋回穴262に連通する凹部262cと連通することにより、おしり洗浄モードにおける最小流量設定を達成している。すなわちおしり洗浄モードにおいては2流路を同時に流量調節することで、ノズルから吐出される流量と、直進流、旋回流の比率を変化させ、各水勢毎に最適な流量と吐水状態(洗浄面積や洗浄感)を実現している。また、おしり穴263と連通する凹部263aの凹部深さは回転方向Lに沿って増加し、やわらか穴262と連通する凹部262cの凹部深さも同様に回転方向Lに沿って増加する。よって本状態がおしり洗浄モードにおける最小吐水流量となりモータの回転角度を増やすことによりおしり洗浄時の洗浄水の流量は増加する。
【0051】
このようにして、この流量調節兼流路切替弁81により、流量調節兼流路切替弁81へと供給された洗浄水はビデ穴261,旋回穴262,直進穴263のいずれか、もしくは複数、もしくは全ての穴に導かれ水路を決定し、流量調節を行っているのである。
【0052】
次に、本実施例に使用している流量調節兼流路切替弁81の流量調節、流路切替特性について説明する。図11(a)は、流量調節兼流路切替弁81に備えられた固定部260と可動部250の相対回転角度に対するビデ穴261からビデ流路83に流出する洗浄水、旋回穴262から旋回流路84に流出する洗浄水、直進穴263から直進流路85に流出する洗浄水の流量特性を示す図である。図12の横軸は可動部250の原点位置からの回転角度を示し、縦軸は固定部の各穴から洗浄ノズル本体80内の各流路へと流出する洗浄水の流量を示す。ここで示す回転角度は、図10(a)に示す可動部の回転方向Lを正方向としている。
【0053】
また実線Q1がビデ流路83を流れる洗浄水の流量変化を、点線Q2が旋回流路84を流れる洗浄水の流量変化を、一点鎖線Q3が直進流路85を流れる洗浄水の流量変化をそれぞれ示している。
【0054】
図11(a)に示すように、Q1の変化はモータの回転角度0°においてすでに洗浄水がビデ流路83を流れており、回転角度が増すにつれて、ビデ流路83を流れる洗浄水の流量は増加し約60〜80°の領域で最大となる。さらに回転角度が大きくなるにつれて、ビデ流路83を流れる洗浄水の流量は減少し、モータの回転角度が約120°でビデ流路83を流れる洗浄水の流量はゼロになる。
【0055】
次にQ2の変化について説明する。モータの回転角度が約95°において旋回流路84に洗浄水が流れ始め、モータの回転角度が増加するにつれて洗浄水の流量は増加し、モータの回転角度が約130〜155°の領域で洗浄水の流量は最大となる。さらに回転角度を増加させると洗浄水の流量は減少し始める。回転角度が220°付近で、大穴251と凹部262bの連通がなくなる前に、小穴252が固定部260の旋回穴262に連通する凹部262cと連通し始めるが、後述するように直進流路85と同時通水となるため、旋回流路84に流れる洗浄水は235°付近まで減少していく。その後Q2は、回転角度が約255°の位置にて流量は極大値を示したあと角度の増加に伴い流量は減少する。
【0056】
続いてQ3について説明する。回転角度が約90°から可動部250の小穴252が固定部260の直進穴263に連通する凹部263cと連通し、直進流路85へに洗浄水が流れ始め、回転角度が約105°において極大値を示し、回転角度が約120°において流量はゼロになる。さらに回転角度を増加すると、回転角度が約220°にて可動部250の大穴251が固定部260の直進穴263に連通する凹部263aと連通し、再度洗浄出口から洗浄水が流出され、回転角度を増加させるにつれて洗浄水の流量は増加し、約300°にて最大値を示す。
【0057】
図11(a)に示すようにある流路からの洗浄水の流出が停止するまでに別の流路から洗浄水が流出し始め、いずれの回転角度においてもビデ流路83,旋回流路84,直進流路85のいずれかの流路から洗浄水が流出しており、止水区間を設けない構造としている。また流量調節兼流路切替弁は約310°においてストッパーを設けており、それ以上の角度設定はできないようになっている。
【0058】
図11(b)は流量調節兼流路切替弁81から洗浄ノズル82を介して吐出される洗浄水の流量の変化を示したものである。図11(b)においても横軸は可動部250の原点位置からの回転角度を示し、縦軸は洗浄ノズル82を介して吐出される洗浄水の流量を示す。即ち、この洗浄水の流量は図11(a)におけるQ1,Q2,Q3の合計流量となる。回転角度が0°から60°まではビデ洗浄モードにおける流量調節範囲、回転角度が155°から215°まではやわらか洗浄モードにおける流量調節範囲、回転角度が235°から295°まではおしり洗浄モードにおける流量調節範囲である。回転角度が105°付近において流量調節兼流路切替弁81は全開状態となっており、ビデ流路83,旋回流路84,直進流路85のすべての穴から洗浄水が流出している。このようにして、この流量調節兼流路切替弁81により、流量調節兼流路切替弁81へと供給された洗浄水はビデ穴261,旋回穴262,直進穴263のいずれか、もしくは複数、もしくは全ての穴に導かれ水路を決定し、流量調節を行っているのである。また、本実施例においては各洗浄モード以外の領域においても流出される洗浄水は流量調節兼流路切替弁81の実使用範囲における最小吐水流量と略同一以上となるため、洗浄モード切替時等における極端な流量の低下が防止され、熱交換ユニット60による過熱を防止している。
【0059】
次に洗浄水吐出ユニット90の取付について説明する。図12は洗浄水吐出ユニット90の取付を説明する斜視図である。図13は洗浄水吐水ユニットを底面方向から見た斜視図である。図示するように洗浄水吐水ユニット90は支持台510に設けた孔部512とケーシングに設けた突出部102とを嵌合させ、支持台510に設置された取付フランジ511を衛生洗浄装置本体のケーシング100に設けられた取付ボス101にネジ締結することで行われる。
【0060】
図14は取付フランジ511とケーシング100に設けた取付ボス101とのネジ固定の状態をそれぞれ示す断面図である。図示するように取付ボス101は根本側の大径部分101c1と先端側の小径部分101c2とから構成されている。円筒部分の両端にフランジ部分を設けた糸巻上の弾性部材110が取付ボス101の小径部分101c2に挿入されており、取付フランジ511は弾性部材110のフランジの間の窪みに嵌め込まれている。なお、その状態で弾性部材110は上部から座金111を介して止めネジ112により固定される。上記弾性部材110はシリコンゴム製のものである。なお横方向において取付ボス101と弾性部材110との間および取付フランジ511と弾性部材110との間は密着した状態ではなく、十分な隙間があくように弾性部材110のサイズが定められている。すなわち、横方向において取付フランジ511が取付ボス101回りで微小に変動することは許容しつつ、大きくずれることを防いでいる。
【0061】
図15は支持台510に設けた孔部512とケーシング100に設けた突出部102との嵌合状態を示す断面図である。図示するように孔部512に突出部102が下部から差し込まれているが、両者の間には凹形状のシリコンゴム製の弾性部材113が介在されている。なお横方向において孔部512と弾性部材113との間および突出部102と弾性部材110との間は密着した状態ではなく、十分な隙間が空くように弾性部材113のサイズが定められている。すなわち、横方向において、突出部102が孔部512において微小に変動することは許容しつつ大きくずれることを防いでいる。
【0062】
更に三方弁・脈動発生ユニット70、洗浄ノズルユニット80が支持台510を介して一体に構成されていることにより、振動源質量を三方弁・脈動発生ユニット70、洗浄ノズルユニット80、支持台510の和として大きくすることで脈動発生による振動、脈動を付加された洗浄水を吐出する際に発生する振動、洗浄ノズルユニット80の進退やノズル駆動モータ520そのものを振動源とする振動を起きにくくできることに加えて、防振ゴムによる制振作用により制振を図ることができる。
【0063】
上記構成の洗浄水吐出ユニット90の取付によって、洗浄水吐出ユニット90の振動、すなわち、洗浄ノズルユニット80の進退やノズル駆動モータ520そのものを振動源とする振動、三方弁・脈動発生ユニット70を駆動源とする振動を、弾性部材110,113によって吸収することができる。このため、これら振動は減衰して、衛生洗浄装置本体を形成するケーシングに伝わることを防止することができる。特に、この実施例においては洗浄水吐出ユニット90の取付を各部材が完全に密着しないで隙間が空くように構成されていることから、よりいっそう、上記振動の減衰効果は大きい。
【0064】
また、この実施例では前述したように洗浄ノズルユニット80から圧力が周期的に上下変動する脈動流の状態で洗浄水が吐出される構成となっているが、このために洗浄水吐出ユニット90全体が振動する恐れがあったが上記取付構造によりその振動がケーシングに伝わることもない。
【0065】
なお、弾性部材110,113はシリコンゴムを材料としていたが、これに替えて、ウレタンゴムなどのほかの種類のゴムを材料としてもよいし、ゴムに替えて、弾性変形するものであれば、エラストマー等の樹脂等の他の材料とすることもできる。
【0066】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施しうることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明における衛生洗浄装置の水路図
【図2】図2(a),(b)は本発明における洗浄水吐水ユニットの斜視図
【図3】三方弁・脈動発生ユニット断面図
【図4】本発明による脈動発生機器74による洗浄水の流れの様子を説明する説明図
【図5】三方弁・脈動発生ユニットの設置の様子を模式的に表した模式図
【図6】流量調節兼流路切替弁と洗浄ノズルの一部透視図
【図7】洗浄ノズルの断面図
【図8】洗浄ノズル内における洗浄水の動き
【図9】図9(a),図9(b)はそれぞれ流量調節兼流路切替弁における可動部と固定部の上面図
【図10】図10(a)〜図10(d)は流量調節兼流路切替弁における可動部と固定部によるそれぞれ原点兼ビデ洗浄状態、全開状態、やわらか洗浄状態、おしり洗浄状態
【図11】図11(a),(b)はそれぞれ、流量調節兼流路切替弁内の可動部の回転角度によるビデ流路、旋回流路、直進流路から吐水される洗浄水の流量と洗浄ノズルを介して吐水される洗浄水の流量
【図12】洗浄水吐水ユニットの取付を説明する斜視図
【図13】洗浄水吐水ユニットを底面方向から見た斜視図
【図14】支持台に設けた取付フランジとケーシングに設けた取付ボスとのネジ固定の状態をそれぞれ示す断面図
【図15】支持台に設けた孔部とケーシングに設けた突出部との嵌合状態を示す断面図
【符号の説明】
【0068】
50 … 給水手段
60 … 瞬間式熱交換器(加熱手段)
71 … 電磁三方弁
74 … 脈動発生手段
75 … 主流路
76 … 捨水流路
81 … 流量調節兼流路切替弁
82 … 洗浄ノズル
100 … ケーシング
110、113 … 弾性体
510 … 支持台



【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水口から洗浄水を取込む給水手段と、前記給水手段によって取込まれた洗浄水を加熱する加熱手段と、加熱された洗浄水に脈動を付加する脈動発生手段と、前記脈動発生手段によって脈動を付加された洗浄水を人体に噴出する洗浄ノズルと、前記給水手段、加熱手段、脈動発生手段及び洗浄ノズルを収納するケーシングを備えた衛生洗浄装置であって、前記脈動発生手段及び洗浄ノズルを支持台に取付け、前記支持台は、弾性体を介して前記ケーシングに固定したことを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載の衛生洗浄装置において、前記脈動発生手段は前記支持台に第2の弾性体を介して取付けられたことを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の衛生洗浄装置において、前記加熱手段は、前記洗浄水を瞬間的に加熱して温水化する瞬間式熱交換器としたことを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項4】
請求項3に記載の衛生洗浄装置において、前記瞬間式熱交換器と前記支持台は近傍に配置され、かつ前記瞬間式熱交換器から脈動発生手段に温水を導入する出水口を、前記脈動発生手段の入水口の近傍に配置したことを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の衛生洗浄装置において、前記脈動発生装置の上流に人体に向け洗浄水を吐水する主流路と、人体に向け吐水されない捨水流路を備え、さらに前記主流路及び捨水流路を切替える切替弁を備えたことを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項6】
請求項5に記載の衛生洗浄装置において、前記洗浄ノズルは複数の流路を備えたことを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項7】
請求項6に記載の衛生洗浄装置において、前記切替弁は、前記洗浄ノズルの上流に入水口と複数の出水口を備えた複数の通水部を備え、前記通水部のうちの一つ以上を備えた弁体により洗浄水を前記複数の出水口の一つまたは複数に選択的に切り替え可能であり、また洗浄水の流量を増減することを可能とした流量調節兼流路切替弁であることを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項8】
請求項7に記載の衛生洗浄装置において、前記流量調節兼流路切替弁と前記洗浄ノズルとは一体化され、前記洗浄ノズルの収納位置と使用位置の間を自在に移動可能なことを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項9】
請求項5〜8のいずれかに記載の衛生洗浄装置において、前記切替弁は、ソレノイドを駆動源とした電磁三方弁としたことを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の衛生洗浄装置において、前記脈動発生手段は洗浄水の給水経路の一部をなすシリンダと、該シリンダ内で往復動し、その往復動により洗浄水の流れに脈動を起こして洗浄水を前記シリンダ下流に圧送するプランジャと、該プランジャを往復駆動させる電磁ソレノイドと、該ソレノイドを励磁する励磁手段と、前記シリンダに設けられ、下流側への洗浄水の通過を許容する逆止弁とを有することを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項11】
請求項9に記載の衛生洗浄装置において、前記脈動発生装置と前記電磁三方弁を一体化したことを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項12】
請求項5に記載の衛生洗浄装置において、前記脈動発生装置は、洗浄水の給水経路の一部をなすシリンダと、該シリンダ内で往復動し、その往復動により洗浄水の流れに脈動を起こして洗浄水を前記シリンダ下流に圧送するプランジャと、該プランジャを往復駆動させる電磁ソレノイドと、該ソレノイドを励磁する励磁手段とを有してなり、且つ、前記脈動発生装置と前記切替弁とを、前記脈動発生装置による水撃を減衰させるアキュムレータを介して一体化したことを特徴とする衛生洗浄装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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