説明

衛生洗浄装置

【課題】洗浄ノズルの殺菌効果あるいは抗菌効果の持続性を高めたり、光源の交換頻度を抑えることができる衛生洗浄装置を提供することを目的とする。
【解決手段】表面に光触媒を有する層を設けた洗浄ノズルと、前記洗浄ノズルの表面に水を噴射する吐水部と、抗菌性を有する金属イオンを前記水に添加する金属イオン生成部と、前記洗浄ノズルの表面に紫外線を照射する発光部と、をケーシング内に備え、前記吐水部は、前記金属イオンを含有した水を前記洗浄ノズルに噴射し、前記発光部は、前記洗浄ノズルの表面に紫外線を照射して、前記水に含まれる金属イオンを前記洗浄ノズルの表面に析出させることを特徴とする衛生洗浄装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、衛生洗浄装置に関し、具体的には洋式腰掛便座に腰掛けた使用者の「おしり」などを水で洗浄する衛生洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
局部洗浄用の洗浄ノズルは、その洗浄ノズルや温水タンクなどの所定の機能部品を取り付けるケーシングから少なくとも一部を外部に露出(進出)した状態で局部に洗浄水を噴射する。そのため、洗浄ノズルには汚水や汚物が付着するおそれがある。そこで、洗浄ノズルに付着した汚水や汚物を除去するために、洗浄ノズルの表面に水を噴射するノズルクリーニング機能を備えた衛生洗浄装置がある。しかしながら、洗浄ノズルにはより一層の清潔感が求められている。
【0003】
これに対して、洗浄ノズルを収納するノズル収納室に、紫外線を照射する紫外線照射手段を備え、洗浄ノズルや吐水口を紫外線で殺菌可能な衛生洗浄装置がある(特許文献1)。特許文献1に記載された衛生洗浄装置では、洗浄ノズルの表面に光触媒が設けられ、洗浄ノズルの防汚効果あるいは殺菌効果あるいは防臭効果を得ることもできる。
【0004】
光触媒は紫外線を照射されると励起して酸化還元反応を生じ、雑菌や細菌や臭気物質などの有機物を分解する分解作用と、表面が水に濡れやすい親水作用と、を生ずる。光触媒を励起して分解作用と親水作用との効果を得るためには、ある程度大きな出力の紫外線を照射する必要がある。また、その照射時間も長くすることが望ましい。しかしながら、紫外線を照射する光源には寿命があるため、ある程度大きな出力の紫外線を照射すると、その光源をあまり長期間に亘って使用できないという問題がある。その結果、光源の交換頻度が多くなり、使用者の負担が大きくなるおそれがある。
【0005】
また、殺菌性のある銀イオンなどの金属イオンを溶解した洗浄水を人体洗浄ノズルへ噴射して、その人体洗浄ノズルを洗浄・殺菌できるトイレ装置がある(特許文献2)。しかしながら、特許文献2に記載された装置において、殺菌性のある金属イオンを溶解した洗浄水を人体洗浄ノズルへ噴射しても、その洗浄水が人体洗浄ノズルの表面にあまり残らず流れてしまうおそれがある。その結果、人体洗浄ノズルの洗浄・殺菌の効果をあまり得られないおそれがある。
【特許文献1】特開2006−274641号公報
【特許文献2】特開2005−336856号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、洗浄ノズルの殺菌効果あるいは抗菌効果の持続性を高めたり、光源の交換頻度を抑えることができる衛生洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、表面に光触媒を有する層を設けた洗浄ノズルと、前記洗浄ノズルの表面に水を噴射する吐水部と、抗菌性を有する金属イオンを前記水に添加する金属イオン生成部と、前記洗浄ノズルの表面に紫外線を照射する発光部と、をケーシング内に備え、前記吐水部は、前記金属イオンを含有した水を前記洗浄ノズルに噴射し、前記発光部は、前記洗浄ノズルの表面に紫外線を照射して、前記水に含まれる金属イオンを前記洗浄ノズルの表面に析出させることを特徴とする衛生洗浄装置である。
この衛生洗浄装置によれば、光触媒の還元作用によって金属が光触媒を有する層の表面に析出するため、その金属を継続的に洗浄ノズルの表面に付着させて残すことができる。そのため、洗浄ノズルの殺菌効果あるいは抗菌効果の持続性を高めることができる。その結果、光源としての発光部の交換頻度を抑えることができる。
【0008】
また、第2の発明は、表面に光触媒を有する層を設けた洗浄ノズルと、前記洗浄ノズルをケーシングから進退させるノズル駆動部と、前記洗浄ノズルの表面に水を噴射する吐水部と、抗菌性を有する金属イオンを前記水に添加する金属イオン生成部と、前記洗浄ノズルの表面に紫外線を照射する発光部と、をケーシング内に備え、前記発光部から前記洗浄ノズルに紫外線を照射させて前記光触媒を有する層を親水化させる工程と、前記ノズル駆動部を駆動させ、前記洗浄ノズルを前記ケーシングから進退させつつ、前記吐水部から前記金属イオンを含有した水を前記洗浄ノズルに噴射させて、前記洗浄ノズルの表面を前記金属イオンを含有した水で濡れた状態にする工程と、前記ケーシングに収納された状態の前記洗浄ノズルに前記発光部から紫外線を照射させて、前記洗浄ノズルの表面に前記金属イオンを析出させる工程と、を順次実行する制御部をさらに備えたことを特徴とする衛生洗浄装置である。
この衛生洗浄装置によれば、光触媒の還元作用によって金属が光触媒を有する層の表面に析出するため、その金属を継続的に洗浄ノズルの表面に付着させて残すことができる。そのため、洗浄ノズルの殺菌効果あるいは抗菌効果の持続性を高めることができる。その結果、光源としての発光部の交換頻度を抑えることができる。
【0009】
また、第3の発明は、第2の発明において、前記洗浄ノズルが前記ケーシング内に収納された状態において前記洗浄ノズルの先端部を覆うノズル洗浄室をさらに備え、前記吐水部は、前記ノズル洗浄室内において前記水を噴射することを特徴とする衛生洗浄装置である。
この衛生洗浄装置によれば、衛生洗浄装置に既設の機能を使用できるため、機能および装置の大型化を避けることができる。
【0010】
また、第4の発明は、第2または第3の発明において、前記洗浄ノズルを前記ケーシングから進出させるときは、前記金属イオン生成部による前記金属イオンの添加を停止させつつ前記吐水部から前記洗浄ノズルに水を噴射することを特徴とする衛生洗浄装置である。
この衛生洗浄装置によれば、金属イオンの無駄な流出を抑えることができる。そのため、金属イオン生成部に設けられた電極の消耗を抑え、金属イオン生成部をより長期間に亘って使用することができる。
【0011】
また、第5の発明は、第2または第3の発明において、前記金属イオン生成部に導水しないように水を迂回させるバイパス流路をさらに備え、前記洗浄ノズルを前記ケーシングから進出させるときは、前記吐水部は前記バイパス流路を介して導水された水を前記洗浄ノズルに噴射することを特徴とする衛生洗浄装置である。
この衛生洗浄装置によれば、金属イオンの無駄な流出を抑えることができる。そのため、金属イオン生成部に設けられた電極の消耗を抑え、金属イオン生成部をより長期間に亘って使用することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の態様によれば、洗浄ノズルの殺菌効果あるいは抗菌効果の持続性を高めたり、光源の交換頻度を抑えることができる衛生洗浄装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる衛生洗浄装置の外観を表す斜視模式図である。
本実施形態の衛生洗浄装置100は、図1に表したように、洋式腰掛便器の上部に設けられる本体部400と、この本体部400に対して開閉自在にそれぞれ軸支された便座200と便蓋300と、を備える。なお、便蓋300は、必ずしも設けなくてもよい。
【0014】
本実施形態の本体部400は、ケーシング405を有している。このケーシング405は、ケースプレート401とケースカバー403とから形成されている。ケースプレート401とケースカバー403との内部には、衛生洗浄機能を実現するための機能部品が設けられている。
【0015】
衛生洗浄装置100は、便座200に座った使用者の「おしり」などに向けて水を噴出する洗浄ノズル465を有するノズルユニット460などを適宜備える。また、衛生洗浄装置100は、洗浄水を温める熱交換器を有する熱交換機能部や、洋式腰掛便器のボウル内の空気を吸い込み、フィルタや触媒などを介して臭気成分を低減させる脱臭機能部や、便座200に座った使用者の「おしり」などに向けて温風を吹き付けて乾燥させる温風乾燥機能部や、トイレ室内に温風を吹き出してトイレ室を暖房する室内暖房機能部などを備える。なお、脱臭機能部や温風乾燥機能部や室内暖房機能部などは、必ずしも設けなくてもよい。
【0016】
また、本実施形態にかかる衛生洗浄装置100は、後に詳述するように、殺菌性や抗菌性を有する金属イオンを生成し、洗浄ノズル465の表面を洗浄する水にその金属イオンを添加する金属イオン生成部450を備える。すなわち、金属イオン生成部450は、殺菌性や抗菌性を有する金属イオンを溶解させた水を生成できる。そして、衛生洗浄装置100は、後に詳述する吐水部からその金属イオンを溶解させた水を洗浄ノズル465の表面に噴射できる。これについては、後に詳述する。
【0017】
さらに、本実施形態にかかる衛生洗浄装置100は、洗浄ノズル465の表面に紫外線を照射する光源としての発光部471を備える。この発光部471は、例えばケースカバー403やノズルユニット460などに設けられている。一方、洗浄ノズル465の表面には、光触媒を有する層が設けられている。そして、発光部471は、洗浄ノズル465の表面に紫外線を照射することにより、その洗浄ノズル465の表面に設けられた光触媒を励起させることができる。これについても、後に詳述する。
【0018】
図2は、本実施形態にかかる衛生洗浄装置に設けられたノズルユニットを表す斜視模式図である。
また、図3は、金属イオン生成部の構成の一例を例示する模式図である。
本実施形態のノズルユニット460は、基台としての取付台461と、取付台461に支持された洗浄ノズル465と、洗浄ノズル465を移動させるノズル駆動部463と、を有している。洗浄ノズル465は、図2に表した矢印Aのように、ベルトなどの伝動部材464を介してノズル駆動部463から伝達される駆動力により、取付台461に対して摺動自在に設けられている。すなわち、洗浄ノズル465は、洗浄ノズル465自身の軸方向(進退方向)に直進移動することができる。そして、洗浄ノズル465は、本実施形態の衛生洗浄装置100の本体部400および取付台461から進退自在に移動できる。
【0019】
洗浄ノズル465の先端部には、ひとつあるいは複数の吐水口467が設けられている。洗浄ノズル465は、便座200に座った使用者の「おしり」などに向けて、適宜供給された水を吐水口467から噴射可能とされている。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加温されたお湯も含むものとする。
【0020】
また、本実施形態のノズルユニット460には、ノズル洗浄室469が設けられている。ノズル洗浄室469は、取付台461に対して固定され、その内部に設けられた吐水部468から水を噴射することにより、洗浄ノズル465の外周表面(胴体)を洗浄することができる。洗浄ノズル465が収納された状態において、吐水口467の部分(洗浄ノズル465の先端部)はノズル洗浄室469の中にほぼ収容されている。そのため、ノズル洗浄室469は、その内部に設けられた吐水部468から水を噴射することにより、収納された状態の洗浄ノズル465の吐水口467の部分を洗浄することができる。また、ノズル洗浄室469は、洗浄ノズル465の進退時において、外周表面の洗浄を行う洗浄水が飛散することを抑制できる。洗浄ノズル465は、ノズル洗浄室469を貫通して進出または後退する。
【0021】
図1に関して前述したように、衛生洗浄装置100は、殺菌性や抗菌性を有する金属イオンを生成し、ノズル洗浄室469内に設けられた吐水部468から噴射される水にその金属イオンを添加する金属イオン生成部450を備える。すなわち、金属イオン生成部450は、殺菌性や抗菌性を有する金属イオンを溶解させた水を生成できる。
【0022】
金属イオン生成部450は、図3に表したように、制御装置451と電解槽456とを有する。制御装置451には、電源部452と制御部453と電流供給部454とが設けられている。電源部452は、例えば交流100ボルトや交流200ボルトなどの商用電源からの交流電源を直流電源に変換する。電流供給部454は、電解槽456内に設けられた一組の電極457a、457bに電流を供給することにより、その電極457a、457bから金属イオンを溶出させる。つまり、電極457a、457bに電流を供給した場合に金属イオンが溶出され、電極457a、457bに電流を供給しない場合には金属イオンは溶出されない。制御部453は、電源部452および電流供給部454などの動作や、後に詳述する動作の順序などを制御する。
【0023】
電解槽456内には、例えば一組の薄い平板状の電極457a、457bが互いに対向するように所定間隔を置いてほぼ平行に配置されている。なお、図3に関する説明においては、金属イオンが銀イオン(Ag)である場合を例に挙げて説明する。この場合には、電極457a、457bは、銀(Ag)または銀を含有する金属によって形成されている。そして、電極457aと電極457bとの間には電圧が印加され、例えば電極457aはアノード(陽極)として作用し、電極457bはカソード(陰極)として作用する。
【0024】
なお、本実施形態では、これらの間の印加電圧の極性を適宜反転させて、電極457bをアノード(陽極)側の電極に設定し、電極457aをカソード(陰極)側の電極に設定することができるようにしてもよい。また、本実施形態では、一組の電極457a、457bはいずれも、銀(Ag)、または銀を含有する金属によって形成されているが、これだけに限定されず、少なくともアノード(陽極)の電極が銀または銀を含む金属により形成されていればよい。また、電極457a、457bの枚数は、それぞれ1枚ずつでもよいし、それぞれ2枚以上でもよい。
【0025】
そして、電流供給部454から電極457a、457bに電流が供給されると、電気分解により陽極側の電極457aから銀イオン(Ag)が生成(溶出)され、その銀イオン(Ag+)は電極457aと電極457bとの間の水流に放出される。このようにして、金属イオン生成部450は、銀イオン(Ag)を溶解させた水を生成できる。
【0026】
金属イオンとしては、銀イオン(Ag)の他、銅イオン(Cu2+)や亜鉛イオン(Zn2+)などが挙げられる。この中でも銀イオン(Ag)は比較的殺菌力が強く、また抗菌スペクトルが広いため比較的多くの菌に対して殺菌効果がある。さらに、低濃度で効果を発揮することができるため、銀イオン(Ag)生成のための電気エネルギーも小さくできる。そのため、金属イオン生成部450を小型化することができたり、長寿命化することができる。
【0027】
殺菌性を有する金属イオンの抗菌作用は、例えば銀イオン(Ag)が細菌(マイナス(−)に帯電)に引きつけられて、細菌内の電気的なバランスがくずれて細菌を死滅させるとともに、細菌内酵素の−SH基(スルフヒドリル基)と反応して酵素活性を失活させることなどによるものである。また、この銀イオン(Ag)に代表される殺菌性を有す金属イオンの抗菌作用は、人体に無害であることもあり、温泉やプールの水の殺菌や、洗濯機の洗浄水、さらには抗菌繊維等をはじめとして、日常生活の中において広く利用されている。
【0028】
これによれば、本実施形態にかかる衛生洗浄装置100では、金属イオン生成部450において生成され、殺菌性や抗菌性を有する金属イオンが溶解された水を吐水部468から洗浄ノズル465の表面に噴射することにより、洗浄ノズル465は殺菌性や抗菌性の効果を得ることができる。
【0029】
しかしながら、吐水部468から吐水されるのは金属イオンが溶解された水であるため、その水は洗浄ノズル465の表面に噴射されても流れてしまうおそれがある。すなわち、殺菌性や抗菌性を有する金属イオンは洗浄ノズル465の表面にはあまり残らず、流れてしまうおそれがある。その結果、洗浄ノズル465の殺菌性や抗菌性の効果は、あまり持続しないおそれがある。また、殺菌性や抗菌性を有する金属イオンが洗浄ノズル465の表面にあまり均一に付着しないおそれもある。
【0030】
そこで、本実施形態の洗浄ノズル465の表面には、光触媒を有する層が設けられている。「光触媒」とは、半導体的な物性を有し、その伝導電子帯と荷電子帯のバンドギャップエネルギーより大きいエネルギーを有する光が照射されると励起状態となり、電子・正孔対を生成する物質のことである。
【0031】
また、洗浄ノズル465の近傍には、図2に表したように、洗浄ノズル465の表面に紫外線を照射する発光部471が設けられている。発光部471は、洗浄ノズル465の表面に紫外線を照射することにより、その洗浄ノズル465の表面に設けられた光触媒を励起させることができる。なお、図2に表したノズルユニット460では、発光部471は洗浄ノズル465の上側に設けられているが、これだけに限定されず、洗浄ノズル465の下側や左右側方に設けられていてもよい。また、発光部471の設置数はこれだけに限定されない。
【0032】
光触媒の材料としては、金属の酸化物や硫化物などの半導体を用いることができる。具体的には、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)などの金属酸化物や、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)などの金属硫化物などを挙げることができる。これらのうちでも、特に、酸化チタンは、光触媒として活性であり、また、安定性や安全性などの点でも優れる。
【0033】
例えば、アナターゼ型結晶構造の二酸化チタンでは、387nm以下の波長の光が照射されると光励起され、その内部に電子・正孔対が生成される。つまり、光触媒は、紫外線を照射されると、励起して酸化還元反応を生ずる。その結果、表面が水に濡れやすい親水作用を得ることができる。したがって、光触媒を有する層が設けられた洗浄ノズル465の表面に発光部471から発光された紫外線を照射すると、その表面は水になじむようになり、濡れやすくなる(親水作用)。これによれば、洗浄ノズル465の表面には水滴ができず、水が表面に濡れ広がるようになるため、吐水部468から吐水された金属イオンを含有する水は、洗浄ノズル465の表面に略均一に濡れ広がる。
【0034】
また、前述したように、光触媒は、紫外線を照射されると励起して酸化還元反応を生ずる。つまり、光触媒は、発光部471から発光された紫外線を照射されると還元作用を生ずる。そのため、この光触媒の還元作用により、吐水部468から洗浄ノズル465の表面に吐水された水に溶解された金属イオンは、電子を受け取り金属として析出する。さらに、光触媒の親水作用により、吐水部468から吐水された金属イオンを含有する水は、洗浄ノズル465の表面に略均一に濡れ広がっているため、洗浄ノズル465の表面に略均一に金属が析出する。例えば、前述したように、金属イオン生成部450において生成された金属イオンが銀イオン(Ag)である場合には、光触媒の親水作用および還元作用により、洗浄ノズル465の表面に略均一に銀(Ag)が析出する。
【0035】
これによれば、析出した金属(例えば、銀(Ag))は洗浄ノズル465の表面に略均一に付着して残るため、洗浄ノズル465の殺菌性や抗菌性の効果をより長く持続させることができる。その結果、本実施形態にかかる衛生洗浄装置100では、洗浄ノズル465の表面において光触媒の親水作用の効果を得るための紫外線、および光触媒の還元作用を生じさせるための紫外線の照射時間をより短くすることができる。そのため、光源としての発光部471の寿命をより長くすることができ、光源としての発光部471の交換頻度を抑えることができる。
【0036】
なお、洗浄ノズル465の殺菌効果や抗菌効果を高め、同時に金属イオンが溶解された水による洗浄ノズル465の表面の変色などを防ぐためには、金属イオンの添加量を所定の範囲内とすることが望ましく、金属イオン生成部450に導かれる水の電気伝導度に応じて、電極457a、457bに供給する電流を調節することが望ましい。このため、電流供給部454は、水の電気伝導度を検出可能な電気伝導度検出回路を有していてもよい。なお、水の電気伝導度の検出は、例えば、図示しない定電流回路により電極457a、457bの電極間に一定電流を流し、その時の電極間電圧を電気伝導度検出回路で測定することによって行われる。
【0037】
次に、本実施形態にかかる衛生洗浄装置の構成について、図面を参照しつつ説明する。 図4は、本実施形態にかかる衛生洗浄装置の構成を例示する模式図である。
本実施形態にかかる衛生洗浄装置100は、開閉弁としての機能を有するバルブ410と、洗浄水を温める熱交換器420と、を備える。なお、熱交換器420は、流路に通水された水を瞬時に加熱する、いわゆる瞬間加熱式の熱交換器であってもよいし、貯湯タンクを設けて水を加熱する、いわゆる貯湯加熱式の熱交換器であってもよい。
【0038】
また、本実施形態にかかる衛生洗浄装置100は、熱交換器420から導水された水を、「おしり洗浄」や「やわらか洗浄」や「ビデ洗浄」を行う洗浄水として洗浄ノズル465に導水する流路と、金属イオン生成部450に導水する流路と、を切り替える切替弁(三方弁)430をさらに備える。またさらに、切替弁430と洗浄ノズル465との間の流路には、洗浄水に脈動を与えておしりなどをやさしく洗浄する電磁ポンプ440が設けられている。但し、電磁ポンプ440は、必ずしも設けなくてもよい。
【0039】
ノズルユニット460には、「おしり洗浄」や「やわらか洗浄」や「ビデ洗浄」の際における流量の調整(流調)を行ったり、流路を切り替える流調・流路切替弁466が設けられている。なお、電磁ポンプ440と流調・流路切替弁466とは、弾力性や耐熱性などを有する例えば「シリコンチューブ」などと呼ばれる配管によって接続されている。
【0040】
殺菌性や抗菌性を有する金属イオンを溶解させた水をノズル洗浄室469内に設けられた吐水部468から洗浄ノズル465の表面に噴射させる場合には、まず切替弁430を切り替えて、熱交換器420からの水を金属イオン生成部450に導水する。そして、切替弁430の切替と同時に、あるいはその切替動作と前後して、電流供給部454から電極457a、457bに電流を供給する。そうすると、電気分解により陽極側の電極457aから金属イオンが生成(溶出)され、その金属イオンは電極457aと電極457bとの間の水流に放出され溶解される。
【0041】
一方、金属イオンを溶解させていない水をノズル洗浄室469内に設けられた吐水部468から洗浄ノズル465の表面に噴射させる場合には、電流供給部454から電極457a、457bに供給する電流を停止すればよい。これによれば、電極457a、457bにおいて電気分解が起こらず、陽極側の電極457aから金属イオンが生成されないため、金属イオンを溶解させていない水を吐水部468から吐水することができる。これらの動作については、後に詳述する。
【0042】
図5は、本実施形態の変形例にかかる衛生洗浄装置の構成を例示する模式図である。
本具体例の衛生洗浄装置には、切替弁(三方弁)430が設けられていない。一方、流調・流路切替弁466から金属イオン生成部450を介さずにノズル洗浄室469内に設けられた吐水部468に水を導水可能なバイパス流路480が設けられている。すなわち、バイパス流路480は、流調・流路切替弁466からの水を迂回させて、その水を金属イオン生成部450に導水させないことができる。これによれば、電流供給部454から電極457a、457bに電流を供給するか否かにかかわらず、流調・流路切替弁466は、熱交換器420からの水をバイパス流路480に導水することにより、金属イオンを溶解させていない水を吐水部468から吐水させることができる。
【0043】
なお、本具体例の洗浄ノズル465は3本の可動部を有する3段式の吐水ノズルを例示しているが、これだけに限定されず、可動部が2本あるいは4本以上の多段式の吐水ノズル、あるいは可動部がノズルヘッドのみの単段式の吐水ノズルであってもよい。また、その他の構造は、図4に表した衛生洗浄装置の構成と同様である。
【0044】
本具体例の衛生洗浄装置によれば、金属イオンの無駄な流出を抑えることができる。そのため、金属イオン生成部450をより長期間に亘って使用することができる。より具体的には、金属イオン生成部450の電解槽456内では、図3に関して前述したように、電気分解により陽極側の電極457aから金属イオンが溶出されるため、その電極457aは消耗する。そこで、本具体例の衛生洗浄装置によれば、熱交換器420からの水をバイパス流路480に導水することにより、金属イオンの無駄な溶出を抑えることができるため、電極457aの消耗を抑え、金属イオン生成部450をより長期間に亘って使用することができる。
【0045】
次に、本実施形態にかかる衛生洗浄装置の具体的な動作について、図面を参照しつつ説明する。
図6は、本実施形態にかかる衛生洗浄装置の動作の具体例を例示するフローチャートである。
また、図7は、本具体例の衛生洗浄装置の動作を例示するタイミングチャートである。 なお、以下の説明において、「おしり洗浄」と「ビデ洗浄」との動作はほぼ同様であるため、「ビデ洗浄」の動作については適宜省略する。
【0046】
まず、本具体例の衛生洗浄装置の動作では、使用者によって「おしり洗浄スイッチ」が押される前では、金属イオン生成部450、吐水部468、および発光部471は全て「OFF」になっている場合を想定する。すなわち、金属イオン生成部450では、殺菌性や抗菌性を有する金属イオンが生成されず、金属イオンを溶解させた水が生成されていない場合を想定する。また、吐水部468から洗浄ノズル465の表面に洗浄水が吐水されていない場合を想定する。さらに、発光部471から紫外線が発光されず、洗浄ノズル465の表面に紫外線が照射されていない場合を想定する。さらに、表面に光触媒を有する層が設けられた洗浄ノズル465は、発光部471から紫外線を十分に照射され、その表面(光触媒を有する層)は親水化している場合を想定する。
【0047】
なお、図面中において、「金属イオン生成ON」とは殺菌性や抗菌性を有する金属イオンが生成される場合を意味し、「金属イオン生成OFF」とは殺菌性や抗菌性を有する金属イオンが生成されない場合を意味するものとする。また、「吐水部ON」とは吐水部468から洗浄ノズル465の表面に洗浄水が噴射(吐水)される場合を意味し、「吐水部OFF」とは吐水部468から洗浄ノズル465の表面に洗浄水が噴射(吐水)されない場合を意味するものとする。また、「発光部ON」とは発光部471から洗浄ノズル465の表面に紫外線が照射される場合を意味し、「発光部OFF」とは発光部471から洗浄ノズル465の表面に紫外線が照射されない場合を意味するものとする。
【0048】
まず、使用者によって「おしり洗浄スイッチ」が押されると(ステップS101)、制御部453は使用者が便座200に着座しているか否かを適宜設置された着座センサにより判断する(ステップS103)。使用者が便座200に着座にしていると制御部453が判断した場合には(ステップS103:YES)、洗浄ノズル465は進出前に吐水口467から水を吐水し、吐水口467の部分を自ら洗浄する(セルフクリーニング)(ステップS105)。一方、使用者が便座200に着座にしていないと制御部453が判断した場合には(ステップS103:NO)、洗浄ノズル465は動作を待機する(ステップS107)。
【0049】
続いて、洗浄ノズル465の前洗浄(セルフクリーニング)が終了すると、制御部453は吐水部468から洗浄ノズル465の表面に水を噴射して、洗浄ノズル465の外周表面(胴体)を洗浄する。このとき、金属イオン生成は「OFF」の状態のままであるため、金属イオンは生成されず、吐水部468からは金属イオンを溶解させていない水が噴射される。なお、図面中の括弧は、金属イオン生成部450、吐水部468、および発光部471の動作が継続され、変化していないことを意味するものとする。
【0050】
続いて、洗浄ノズル465が進出し(ステップS111)、その進出動作が完了すると、制御部453は吐水部468からの吐水を停止して洗浄ノズル465の外周表面の洗浄を終了する(ステップS113)。続いて、洗浄ノズル465は使用者の「おしり」などに向けて洗浄水を噴射して局部洗浄を行う(ステップS115)。そして、制御部453は「ビデ洗浄」の操作がなされていないことを判断し、使用者によって「止」スイッチが操作されると(ステップS117:止SW「ON」)、吐水口467からの洗浄水の噴射を停止する(ステップS119)。
【0051】
続いて、制御部453は、金属イオン生成部450において金属イオンの生成し、吐水部468から洗浄ノズル465の表面に水を噴射し、発光部471から洗浄ノズル465の表面に紫外線を照射する(ステップS121)。このとき、金属イオン生成は「ON」の状態であるため、殺菌性や抗菌性を有する金属イオンが生成され、吐水部468からはその金属イオンを溶解させた水が噴射される。
【0052】
この状態を維持しつつ、制御部453は、洗浄ノズル465を本体部400に収納する。このとき、吐水部468からは殺菌性や抗菌性を有する金属イオンを溶解させた水が噴射されているため、洗浄ノズル465の外周表面(胴体)にはその金属イオンを溶解させた水が付着する。さらに、本実施形態の洗浄ノズル465の表面には、前述したように、光触媒を有する層が設けられ、その表面(光触媒を有する層)は親水化されているため、金属イオンを溶解させた水は水膜を形成するように洗浄ノズル465の表面に略均一に濡れ広がる。
【0053】
続いて、制御部453は、洗浄ノズル465の収納が完了したか否かを判断し(ステップS125)、収納が完了していないと判断した場合には(ステップS125:NO)、洗浄ノズル465の収納動作を継続する(ステップS123)。一方、制御部453は、収納が完了したと判断した場合には(ステップS125:YES)、金属イオン生成部450における金属イオンの生成を停止し、吐水部468から洗浄ノズル465の表面への噴射を停止する(ステップS127)。
【0054】
一方、発光部471から洗浄ノズル465の表面に紫外線を照射する動作については、そのまま継続させる(ステップS127)。このとき、洗浄ノズル465の収納時には、金属イオンを溶解させた水が吐水部468から噴射され、水膜を形成するように洗浄ノズル465の表面に略均一に濡れ広がっているため、光触媒の還元作用により、洗浄ノズル465の表面には略均一に銀(Ag)が析出する。
【0055】
続いて、洗浄ノズル465は収納後に吐水口467から水を吐水し、吐水口467の部分を自ら洗浄する(セルフクリーニング)(ステップS129)。そして、本実施形態にかかる衛生洗浄装置100は時間を計測するタイマ機能などを適宜備え、図7に表したように、所定時間が経過したときに発光部471を消灯する(ステップS131)。
【0056】
本具体例の衛生洗浄装置の動作によれば、洗浄ノズル465の進出時には金属イオン生成部450において金属イオンは生成されず、洗浄ノズル465の収納時に金属イオン生成部450において金属イオンは生成される。そのため、より効率的に金属イオンを溶解させた水を洗浄ノズル465の表面に噴射し、銀(Ag)を析出させることができる。すなわち、洗浄ノズル465の収納時に金属イオンを溶解させた水を洗浄ノズル465の表面に噴射するため、その表面はより多くの水が付着した状態で発光部471から紫外線を照射される。そのため、本具体例の衛生洗浄装置の動作によれば、より効率的に銀(Ag)を析出させることができる。
【0057】
さらに、洗浄ノズル465の進出時には金属イオン生成部450において金属イオンを生成しないため、金属イオンの無駄な流出を抑えることができる。これによれば、電極457aの消耗を抑え、金属イオン生成部450をより長期間に亘って使用することができる。
【0058】
そして、図2および図3に関して前述したように、析出した金属は洗浄ノズル465の表面に略均一に付着して残るため、洗浄ノズル465の殺菌性や抗菌性の効果をより長く持続させることができる。その結果、発光部471からの紫外線の照射時間をより短くすることができ、光源としての発光部471の寿命をより長くすることができる。つまり、光源としての発光部471の交換頻度を抑えることができる。
【0059】
図8は、本実施形態にかかる衛生洗浄装置の動作の他の具体例を例示するフローチャートである。
また、図9は、本具体例の衛生洗浄装置の動作を例示するタイミングチャートである。
【0060】
本具体例の衛生洗浄装置の動作では、洗浄ノズル465の進出前に吐水口467から水を吐水し、吐水口467の部分を自ら洗浄(セルフクリーニング)した後(ステップS205)、制御部453は、金属イオン生成部450において金属イオンを生成する(ステップS209)。そして、洗浄ノズル465が進出し(ステップS211)、洗浄ノズル465の収納が完了するまで(ステップS225:YES)、制御部453は、金属イオン生成部450における金属イオンの生成を継続する(ステップS213、ステップS221)。その他の動作については、図6および図7に表した動作と同様である。
【0061】
本具体例の衛生洗浄装置の動作によれば、洗浄ノズル465の進出時にも金属イオン生成部450において金属イオンを生成し、金属イオンを溶解させた水を洗浄ノズル465の表面に噴射する。そのため、金属イオンを溶解させた水を洗浄ノズル465の表面により確実に付着させ、より確実に銀(Ag)を析出させることができる。
【0062】
そして、洗浄ノズル465の表面に銀(Ag)が析出した場合には、図6および図7に関して前述したように、洗浄ノズル465の殺菌性や抗菌性の効果をより長く持続させることができる。その結果、発光部471からの紫外線の照射時間をより短くすることができ、光源としての発光部471の寿命をより長くすることができる。つまり、光源としての発光部471の交換頻度を抑えることができる。
【0063】
なお、図6〜図9に表したフローチャートおよびタイミングチャートでは、金属イオン生成部450において金属イオンを生成する動作、および吐水部468から水を洗浄ノズル465に噴射する動作は、「おしり」などの局部洗浄の動作に基づいているが、これだけに限定されない。例えば、使用者による局部洗浄の操作に関係なく、所定時刻になったときに金属イオン生成部450において金属イオンを生成して、吐水部468から金属イオンを含有した水を洗浄ノズル465に噴射してもよい。この場合には、使用頻度がより少ない夜間に行うことが好ましい。これによれば、洗浄ノズル465の表面に定期的に金属を析出させることができ、洗浄ノズル465の殺菌性や抗菌性の効果をより長く持続させることができる。
【0064】
あるいは、所定時刻ではなく、使用者による局部洗浄の使用回数に応じて、金属イオン生成部450において金属イオンを生成して、吐水部468から金属イオンを含有した水を洗浄ノズル465に噴射してもよい。つまり例えば、使用者が5回の局部洗浄の終了操作を行った後に、金属イオン生成部450において金属イオンを生成して、吐水部468から金属イオンを含有した水を洗浄ノズル465に噴射してもよい。これによれば、洗浄ノズル425の使用の度合いに応じて、洗浄ノズル465の表面に金属を析出させることができ、洗浄ノズル465の殺菌性や抗菌性の効果をより長く持続させることができる。
【0065】
あるいは、本実施形態の衛生洗浄装置100は、洗浄ノズル425の使用頻度を学習する使用頻度学習機能を備えもよい。つまり、衛生洗浄装置100は、例えば、適宜設定された期間を周期として計時を行う計時機能と、その周期を分割した複数の時間帯に洗浄ノズル425を使用した回数を記憶する記憶機能と、を備えてもよい。そして、1日のうちで使用者による洗浄ノズル465の使用頻度が少ないと判断した時間帯に、金属イオン生成部450において金属イオンを生成して、吐水部468から金属イオンを含有した水を洗浄ノズル465に噴射してもよい。これによれば、洗浄ノズル465の使用頻度が少ない時間帯を狙って洗浄ノズル465の表面に金属を析出させることができ、洗浄ノズル465の殺菌性や抗菌性の効果をより長く持続させることができる。
【0066】
以上説明したように、本実施形態によれば、吐水部468から吐水された金属イオンを含有する水は、親水化された洗浄ノズル465の表面(光触媒を有する層)に略均一に濡れ広がる。そして、光触媒の還元作用により、吐水部468から洗浄ノズル465の表面に吐水された水に溶解された金属イオンは、電子を受け取り金属として析出する。これによれば、析出した金属は洗浄ノズル465の表面に略均一に付着して残るため、洗浄ノズル465の殺菌性や抗菌性の効果をより長く持続させることができる。その結果、洗浄ノズル465の表面において光触媒の親水作用の効果を得るための紫外線、および光触媒の還元作用を生じさせるための紫外線の照射時間をより短くすることができる。そのため、光源としての発光部471の寿命をより長くすることができ、光源としての発光部471の交換頻度を抑えることができる。
【0067】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、ノズルユニット460などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや金属イオン生成部450や発光部471の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の形態にかかる衛生洗浄装置の外観を表す斜視模式図である。
【図2】本実施形態にかかる衛生洗浄装置に設けられたノズルユニットを表す斜視模式図である。
【図3】金属イオン生成部の構成の一例を例示する模式図である。
【図4】本実施形態にかかる衛生洗浄装置の構成を例示する模式図である。
【図5】本実施形態の変形例にかかる衛生洗浄装置の構成を例示する模式図である。
【図6】本実施形態にかかる衛生洗浄装置の動作の具体例を例示するフローチャートである。
【図7】本具体例の衛生洗浄装置の動作を例示するタイミングチャートである。
【図8】本実施形態にかかる衛生洗浄装置の動作の他の具体例を例示するフローチャートである。
【図9】本具体例の衛生洗浄装置の動作を例示するタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0069】
100 衛生洗浄装置、 200 便座、 300 便蓋、 400 本体部、 401 ケースプレート、 403 ケースカバー、 405 ケーシング、 410 バルブ、 420 熱交換器、 430 切替弁(三方弁)、 440 電磁ポンプ、 450 金属イオン生成部、 451 制御装置、 452 電源部、 453 制御部、 454 電流供給部、 456 電解槽、 457a、457b 電極、 460 ノズルユニット、 461 取付台、 463 ノズル駆動部、 464 伝動部材、 465 洗浄ノズル、 466 流調・流路切替弁、 467 吐水口、 468 吐水部、 469 ノズル洗浄室、 471 発光部、 480 バイパス流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に光触媒を有する層を設けた洗浄ノズルと、
前記洗浄ノズルの表面に水を噴射する吐水部と、
抗菌性を有する金属イオンを前記水に添加する金属イオン生成部と、
前記洗浄ノズルの表面に紫外線を照射する発光部と、
をケーシング内に備え、
前記吐水部は、前記金属イオンを含有した水を前記洗浄ノズルに噴射し、
前記発光部は、前記洗浄ノズルの表面に紫外線を照射して、前記水に含まれる金属イオンを前記洗浄ノズルの表面に析出させることを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項2】
表面に光触媒を有する層を設けた洗浄ノズルと、
前記洗浄ノズルをケーシングから進退させるノズル駆動部と、
前記洗浄ノズルの表面に水を噴射する吐水部と、
抗菌性を有する金属イオンを前記水に添加する金属イオン生成部と、
前記洗浄ノズルの表面に紫外線を照射する発光部と、
をケーシング内に備え、
前記発光部から前記洗浄ノズルに紫外線を照射させて前記光触媒を有する層を親水化させる工程と、
前記ノズル駆動部を駆動させ、前記洗浄ノズルを前記ケーシングから進退させつつ、前記吐水部から前記金属イオンを含有した水を前記洗浄ノズルに噴射させて、前記洗浄ノズルの表面を前記金属イオンを含有した水で濡れた状態にする工程と、
前記ケーシングに収納された状態の前記洗浄ノズルに前記発光部から紫外線を照射させて、前記洗浄ノズルの表面に前記金属イオンを析出させる工程と、
を順次実行する制御部をさらに備えたことを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項3】
前記洗浄ノズルが前記ケーシング内に収納された状態において前記洗浄ノズルの先端部を覆うノズル洗浄室をさらに備え、
前記吐水部は、前記ノズル洗浄室内において前記水を噴射することを特徴とする請求項2記載の衛生洗浄装置。
【請求項4】
前記洗浄ノズルを前記ケーシングから進出させるときは、前記金属イオン生成部による前記金属イオンの添加を停止させつつ前記吐水部から前記洗浄ノズルに水を噴射することを特徴とする請求項2または3に記載の衛生洗浄装置。
【請求項5】
前記金属イオン生成部に導水しないように水を迂回させるバイパス流路をさらに備え、
前記洗浄ノズルを前記ケーシングから進出させるときは、前記吐水部は前記バイパス流路を介して導水された水を前記洗浄ノズルに噴射することを特徴とする請求項2または3に記載の衛生洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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