説明

衛生薄葉紙収納箱

【課題】商品陳列時等の使用前に箱外部から中身を視認できるものでありながら、使用時の外観が従来に近く簡素であり、見栄えが良い、衛生薄葉紙収納箱を提供する。
【解決手段】上記課題は、箱上面1Uに、上面裂開用ミシン目線11内に収まるように、又は上面裂開用ミシン目線11内及びその周囲部に跨り且つ取り出し口12を内側から覆うフィルムシート2と重なるように、中身視認用窓30を開口することにより解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ティシュペーパー、ペーパータオル、キッチンペーパー等を収納するための衛生薄葉紙収納箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の衛生薄葉紙収納箱としては、紙箱の上面に環状のミシン目線が形成され、環状ミシン目線内及びその周囲部を被覆するようにして、紙箱内面にスリットを有する樹脂製又は樹脂を含むフィルムシートを貼付した構造を採るのが一般的である。使用に際しては、環状のミシン目線を切り剥がすことで、紙箱に取り出し口を形成し、その取り出し口内にスリットを露出させる。使用者はこのスリットを介して衛生薄葉紙を引き出して使用する。
ところで、このような一般的な収納箱を採用した製品では、環状のミシン目線を切り離すとフィルムシートを介して中身を見ることができるが、切り離し前には見ることはできない。よって、中身である衛生薄葉紙自体の外観に特徴のある製品の場合、例えば色や模様を印刷や、エンボス加工で付加したりした場合や、素材自体の質感に特徴のある製品の場合に、その外観を消費者に対する訴求手段として利用できず、箱外面に写真やキャッチコピーを印刷する他なかった。
このような問題点に対して、箱上面における、環状ミシン目線外に補強材付の中身視認用窓を設けることが提案されている(例えば、特許文献1等)。
しかし、この収納箱の場合、使用に際して取出口を形成した後においても、中身視認用窓が箱上面に単独で残るため、見栄えが悪いという問題点があった。
【特許文献1】特開2005−82202
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明の主たる課題は、商品陳列時等の使用前に箱外部から中身を視認できるものでありながら、使用時の外観が従来に近く簡素であり、見栄えが良い、衛生薄葉紙収納箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決した本発明は次記の通りである。
<請求項1記載の発明>
上面と底面とこれらに連接する側面とを有する箱本体と、前記上面に形成された環状の裂開用ミシン目線と、前記環状ミシン目線内範囲及びその周囲部を箱本体内側から覆う、透視可能なフィルムシートとを有し、
前記フィルムシートにおける少なくとも環状ミシン目線内範囲にスリットが形成され、前記環状ミシン目線に沿ってミシン目線に囲まれる範囲を引き剥がすことにより、取り出し口が形成されるとともに、この取り出し口内に、前記フィルムシート及びそれに形成されたスリットが露出され、このスリットを介して、箱内に収納された衛生薄葉紙が取り出し可能となる衛生薄葉紙収納箱であって、
前記上面に、前記環状ミシン目線内に収まるように、又は前記環状ミシン目線内及びその周囲部に跨り且つ前記フィルムシートと重なるように、中身視認用窓が開口されている、ことを特徴とする衛生薄葉紙収納箱。
【0005】
(作用効果)
本発明の特徴は、環状ミシン目線内に収まるように、又は環状ミシン目線内及びその周囲部に跨り且つ透視可能なフィルムシートと重なるように、中身視認用窓を開口したところにある。これにより、使用前においては中身視認用窓内に露出するフィルムシートを介して収納箱の中身を視認することができる。この中身視認用窓はその内側からスリットを有するフィルムシートにより覆われているため、中身視認用窓を介した異物混入を防止できる。そして、使用に際して、環状ミシン目線により囲まれる範囲を引き剥がすと、中身視認用窓が環状ミシン目線内に収まるように設けられている場合は、中身視認用窓が引き剥がし部分に伴って完全に消失し、中身視認用窓が環状ミシン目線内及びその周囲部に跨り且つフィルムシートと重なるように設けられている場合は、中身視認用窓のうち環状ミシン目線内に位置する部分が引き剥がし部分に伴って消失するとともに、環状ミシン目線外に位置する部分は取り出し口の一部なすように一体化する。よって、使用時の外観が従来に近く簡素であり、見栄えが良いものとなる。
しかも、中身視認用窓の少なくとも一部が環状ミシン目線内に収まる位置に開口していると、中身視認用窓を指掛け孔として利用し、環状ミシン目線により囲まれる範囲を引き剥がすことができる。よって、別途の指掛け手段を省略することができる。
さらに、中身視認用窓の少なくとも一部が環状ミシン目線内に収まる位置に開口しているため、フィルムシートの範囲を拡大することなく、又は拡大するとしてもより少ない面積で中身視認用窓を封止できる。よって、資材の追加を最小限に抑えることができる。また、本発明では、追加の加工も少なくて済むため、製造も容易である。
【0006】
<請求項2記載の発明>
前記中身視認用窓は前記フィルムシートにおける前記スリットと重ならず、且つ前記中身視認用窓の周縁が、前記フィルムシートにおける前記スリットから10mm以上離間している、請求項1記載の衛生薄葉紙収納箱。
【0007】
(作用効果)
中身視認用窓の開口位置がフィルムシートのスリットと重なっていたり、近接したりしていると、中身視認用窓及びフィルムシートのスリットを介して異物が混入し易いため、上記のとおり、中身視認用窓の開口位置をフィルムシートのスリットと重ねず、且つ十分に離間させるのが好ましい。
【0008】
<請求項3記載の発明>
前記フィルムシートにおけるスリットに代えてミシン目線が形成されており、このミシン目を切り離すことにより前記スリットが形成されるように構成されている、請求項1又は2記載の衛生薄葉紙収納箱。
【0009】
(作用効果)
本発明では、中身視認用窓の開口位置がフィルムシートと重なるため、中身視認用窓及びフィルムシートのスリットを介して異物が混入するおそれがある。よって、上記のようにフィルムシートのスリットに代えてミシン目線を採用すると、ミシン目線はスリットより異物混入し難いため好ましい。
【0010】
<請求項4記載の発明>
前記中身視認用窓が前記ミシン目線上にある、請求項3記載の衛生薄葉紙収納箱。
【0011】
(作用効果)
このように中身視認用窓がスリットに代えたミシン目線上にあることにより、中身を視認できるだけでなく、商品が購入前に開封されたかどうか確認できる。
【0012】
<請求項5記載の発明>
前記フィルムシートの厚みが70μm以上であり、且つ前記中身視認用窓を覆う補強部材を有しない、請求項1〜4の何れか1項に記載の衛生薄葉紙収納箱。
【0013】
(作用効果)
このように、フィルムシートの厚みを厚くすることにより、中身視認用窓を覆う補強部材が無くても、中身視認用窓が誤って又はいたずらにより破損するといった事態が起こり難い。
【発明の効果】
【0014】
以上詳述のとおり、本発明によれば、商品陳列時等の使用前に箱外部から中身を視認できるものでありながら、使用時の外観が従来に近く簡素であり、見栄えが良い、等の利点がもたらされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態について、添付図面を参照しながら詳述する。
図1は、衛生薄葉紙収納箱X1の上面1U側からの斜視図であり、図2は衛生薄葉紙、例えばティシュペーパー取り出し時の状態を示す斜視図であり、図3は、本実施形態の衛生薄葉紙収納箱X1の上面を示す平面図である。
この衛生薄葉紙収納箱X1は所謂ボックステイシュを想定したものであり、上面1U及び底面1Bに裂開用ミシン目線11,40を有する紙箱1と、上面の裂開用ミシン目線内範囲11a及びその周囲部を内側から覆うフィルムシート2とを備える(以下、上面の裂開用ミシン目線11を上面裂開用ミシン目線11という)。
【0016】
紙箱1は、衛生薄葉紙収納箱X1の外形をなす直六面体の紙製の箱体であり、上面1U、底面1B及びこれらを連接する側面と、各面の長手方向両側縁に連接された底面側端面片、側面端面片、上面側端面片とを有し、側面端面片を箱内面側に折り返した後、これに重ねて上面側端面片と底面側端面片とを折り曲げ、各片の当接部分をホットメルト接着剤等により接着して構成される構造をなしているが、その大きさ、形状、展開形状等はこれに限らず既知の衛生薄葉紙収納箱の紙箱の構成を採用できる。
また、この種の一般的な収納箱の大きさは、概ね長手縁が110〜320mm、短手縁が70〜200mm、高さが40〜150mm程度であり、少なくとも本願発明はこの大きさの箱は対象となる。
【0017】
他方、紙箱1は、図示はしないが、花柄、螺旋模様、波模様、ドット模様、亀甲模様、星模様、十字模様、幾何学模様など適宜の文字・図形・絵・記号の単体又はこれらの組み合わせにより構成される適宜の模様を外面又は内面に付与することができる。紙箱外面に対する模様の付与は、グラビア印刷等の既知の印刷方法により行うことができる。
【0018】
他方、紙箱1の上面1Uに形成される上面裂開用ミシン目線11は環状をなし、既知の方法及びカットタイ比で形成される。
上面裂開用ミシン目線11により囲まれる範囲11aの具体的形状については限定されず、従来既知の形状を採用できる。具体的には、図示例の如く、紙箱上面の長手方向に沿う方向を長辺とする略楕円形状が代表的に採用される。
【0019】
他方、フィルムシート2は、上面裂開用ミシン目線11により囲まれる範囲11aのサイズより大きく、例えば、方形であり紙箱1上面の内面側に接着剤により接着されている。
フィルムシート2のスリット21は上面裂開用ミシン目線11により囲まれる範囲11aに位置されており、環状の上面裂開用ミシン目線11に沿ってこれにより囲まれる範囲11aを引き剥がすことにより、図2に示されるように、取り出し口12(以下、上面の取り出し口を上面取り出し口12という)が形成されるとともに、フィルムシート2及びそれに形成されたスリット21が上面取り出し口12を介して露出される。
フィルムシート2の紙箱1への接着に用いる接着剤の種類は特に限定されないが、リサイクルの点で水性接着剤が好ましい。
【0020】
他方、スリット21の長さは、上面取り出し口12の長手方向全長より短くすることが望ましいが、上面取り出し口12の長手方向全長と同じ長さにすることもでき、さらに、フィルムシート2の長手方向長さより短い条件の下で、上面取り出し口12の長手方向全長より長くすることもできる。
【0021】
紙箱1とフィルムシート2との接着力(剥離強度)は特に限定されない。従来製品における紙箱1とフィルムシート2との接着力と同程度でよい。
【0022】
フィルムシート2の素材は、透視可能な素材(例えばJIS P 8138に規定される不透明度で20%以下、特に10%以下)であれば特に限定されず、公知のものを用いることができる。具体例を言えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の樹脂からなる樹脂製フィルムシート、又はこれらを積層した積層の樹脂製フィルムシート、フィルムシートと薄葉紙等を積層したラミネートフィルムシート、樹脂製繊維からなる合成紙シート等である。取り出し性を考慮すると樹脂製フィルムシートが好ましく、特にポリエチレンフィルムシートが好ましい。
【0023】
フィルムシート2の厚みは適宜定めることができるが、70〜200μmが好ましい。70μm未満では、強度的に不足し、衛生薄葉紙の取り出し時においてフィルムシートの裂けあるいは破断の確率が高くなる。逆に、200μmを超えると、フィルムシートが裂ける等の強度の問題はないものの、衛生薄葉紙取り出し時のひっかかりが大きくなり、薄葉紙が取り出しにくくなったり破れたりする可能性がある。またコスト高ともなる。
【0024】
特徴的には、図3(a)にも示すように、紙箱1の上面1Uにおける、上面裂開用ミシン目線11内及びその周囲部に跨る部分であって且つフィルムシート2と重なる部分に、中身視認用窓30が開口されている。
このような中身視認用窓30を設けることにより、使用前においては中身視認用窓30内に露出するフィルムシート2を介して収納箱1の中身を視認することができる。この際、中身視認用窓30はその内側からフィルムシート2により覆われているため、中身視認用窓30を介した異物混入は防止される。そして図2に示すように、使用に際して上面裂開用ミシン目線11により囲まれる範囲を引き剥がすと、中身視認用窓30のうち上面裂開用ミシン目線11内に位置する部分が引き剥がし部分11aに伴って消失するとともに、上面裂開用ミシン目線11外に位置する部分は取り出し口12の一部なすように一体化する。よって、使用時の外観が従来に近く簡素であり、見栄えが良いものとなる。
【0025】
しかも、中身視認用窓30の少なくとも一部が上面裂開用ミシン目線11内に収まる位置に開口していると、中身視認用窓30を指掛け孔として指を挿入し、上面裂開用ミシン目線11により囲まれる範囲を引き剥がすことができるため、図示例のように、別途の指掛け手段を省略することができる。さらに、中身視認用窓30の一部が上面裂開用ミシン目線11内に収まる位置であるため、フィルムシート2の範囲を拡大することなく、又は拡大するとしてもより少ない面積で中身視認用窓30を封止できる。よって、資材の追加を最小限に抑えることができる。また、本発明では、追加の加工も少なくて済むため、製造も容易である。
【0026】
上述した中身視認用窓30の形状は適宜定めることができ、方形(図示例)、円形、三角形等の図形状の他、文字その他のデザイン形状であっても良い。中身視認用窓30の大きさ(面積)は適宜定めることができるが、中身の見易さからは100mm2以上とするのが好ましい。特に、中身視認用窓30が円状の場合は直径10mm以上とするのが好ましく、楕円状の場合は短軸長さ10mm以上とするのが好ましく、他の形状の場合でも、10mm以上直線的に連続する開口部分を有しているのが好ましい。
【0027】
また、衛生薄葉紙収納箱内のウェブの高さについては、衛生薄葉紙収納箱の高さをHmmとした場合、0.9×Hmmとするのが好ましい。ウェブ高さが0.9×Hmm未満の場合、ウェブ特徴を視認しづらく、また、見栄えの点でも悪い。
【0028】
また、中身視認用窓30の開口位置がフィルムシート2のスリット21と重なっていたり、近接したりしていると、中身視認用窓30及びフィルムシート2のスリット21を介して異物が混入し易い。よって、中身視認用窓30はその全体がフィルムシート2におけるスリット21と重ならず、且つ中身視認用窓30の周縁が、フィルムシート2におけるスリット21から10mm以上離間しているのが好ましく、特に10〜35mm離間しているのが好ましい。この離間距離は図3に符号31で示されている。このように構成されていると、フィルムシート2が撓んだとしてもスリット21が十分に隠れるため異物混入が発生し難い。
【0029】
中身視認用窓30の開口部位は、図示例では上面1Uの長手縁1Lとスリット21との間になっているが、上面1Uの短手縁1Sとスリット21との間にすることもできる。また、図3(b)に示すように、上面裂開用ミシン目線11内に収まる部位に、中身視認用窓30を開口することもできる。この場合、特に図示のように周縁の一部が上面裂開用ミシン目線11の延長線をなすように配置するのが好ましい。この形態では、上面裂開用ミシン目線11により囲まれる範囲11aを引き剥がすと、中身視認用窓30が引き剥がし部分11aに伴って完全に消失するため、見栄えが良いものとなる。ただし、この形態では、異物混入の観点から中身視認用窓30とスリット21とを重ねないようにすると、取り出し口12の寸法形状によっては、中身視認用窓30の寸法が過度に小さくなるおそれがある。これに対して、前述の図3(a)等に示される形態では、このような制限を受け難いという利点がある。
【0030】
また、異物混入効果をより一層のものとするため、フィルムシート2におけるスリット21に代えて、開口が殆ど無く異物混入し難いスリット形成用のミシン目線(図示略)を採用し、使用者が使用時にミシン目線を切り離すように構成するのも好ましい。この場合、図4に示すように、スリット形成用のミシン目線22上に中身視認用窓30を位置させることもできる。これにより、中身を視認できるだけでなく、商品が購入前に開封されたかどうか確認できる。このミシン目線22におけるカット部の長さは5mm以下、カットタイ比は8:1〜2:1程度とするのが好ましい。なお、カットタイ比とはミシン目の切れ目の部分(カット部)の長さと切れ残りの部分(タイ部)の長さとの比のことである。
【0031】
また、中身視認用窓30はフィルムシート2で塞がれているだけであるため、フィルムシート2の強度が低いと、誤って又はいたずらにより破損するといった事態が起こり得る。このため、前述の従来例のように補強部材を設けることもできるが、中身の見易さや、製造容易性、製造コストの観点から好ましくないため、フィルムシート2の厚みを70μm以上に増加して、強度を確保するのが好ましい。
【0032】
他方、衛生薄葉紙収納箱X1の内部には、例えば複数の衛生薄葉紙Pを所謂ポップアップ式に重畳してなる衛生薄葉紙束が収容され、図2に示されるように、スリット21から衛生薄葉紙Pを一枚一枚取り出して使用される。このような収容形態では、衛生薄葉紙Pの平坦面は上面1Uと平行になるため、上述のように上面1Uに中身視認用窓30を設けることで、衛生薄葉紙Pの平坦面を外部から良好に視認できるという利点がある。また、 衛生薄葉紙収納箱の製品は、複数個(例えば5箱)を上下方向に積み重ねてフィルムで包装し、1パックとして市販されることがあるが、この場合であっても、最上部の箱の上面1Uにおける中身確認用窓30を介して箱の中身を視認することができる。ただしこの場合、パックの包装フィルムのうち少なくとも中身確認用窓30と重なる部分はフィルムシート2と同様に透視可能なフィルム素材であることが必要である。
【0033】
衛生薄葉紙P自体の大きさ、紙厚、プライ数(重ね枚数)及び組成は本発明では限定されない。また、衛生薄葉紙Pは用途に応じた既知の薄様紙の抄紙技術にしたがって製造することができる。
【0034】
抄紙には、例えば、抄紙原料を実質的に湿紙に形成するワイヤーパート、湿紙を脱水するプレスパート、脱水された湿紙を乾燥するドライヤーパートの少なくとも3つのパートから成る、公知種々の抄紙機を用いることができる。
かかる衛生薄葉紙は、例えば、ティシュペーパー、キッチンペーパー。ワイプなどに応じて適宜既知の技術によりその物性、組成を変更することができる。
なお、衛生薄葉紙をティシュペーパーとするならば、その好適な坪量としては、例えば、10〜40g/m2(JIS P 8124)、1枚あたりの好適な紙厚25〜800μm、好適な乾燥引張強度は、2プライで縦方向;150〜800cN/幅25mm、横方向;50〜400cN/幅25(JIS P 8113)である。また、好適なソフトネスは0.5〜6.0g(JIS L1096)、MMD(カトーテック(株)粗さ付摩擦感テスターKES−SE)は3〜18、伸びは5〜40%の範囲である。
【0035】
衛生薄葉紙束の製造は、既知のインターホルダーにより衛生薄葉紙原紙を折り畳んだ後に、所定の大きさに切断する既知の方法を採用できる。
本発明においては、衛生薄葉紙束の高さや大きさ等は特に限定されるものではなく、収容する衛生薄葉紙収納箱の大きさに併せて適宜変更することができる。
本発明は、箱X1内に収納された衛生薄葉紙P自体が、箱X1外部から中身視認用窓30を介して視認できるものであるため、外観に特徴のある衛生薄葉紙製品、例えば色や模様が印刷やエンボス加工で付加された製品や、素材自体の質感に特徴のある製品に特に好適である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、ティシュペーパー、ペーパータオル、キッチンペーパー等を収納するための衛生薄葉紙収納箱に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】衛生薄葉紙収納箱の上面側からの斜視図である。
【図2】衛生薄葉紙収納箱の使用時の斜視図である。
【図3】衛生薄葉紙収納箱の上面を示す平面図である。
【図4】衛生薄葉紙収納箱の上面を示す平面図である。
【符号の説明】
【0038】
1…紙箱、1U…紙箱上面、1L…上面の長手縁、1S…上面の短手縁、2…フィルムシート、11…上面裂開用ミシン目線、11a…上面裂開用ミシン目線により囲まれる範囲、12…上面取り出し口、21…スリット、22…ミシン目、30…中身視認用窓、31…離間距離、P…ティシュペーパー、X1…衛生薄葉紙収納箱。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面と底面とこれらに連接する側面とを有する箱本体と、前記上面に形成された環状の裂開用ミシン目線と、前記環状ミシン目線内範囲及びその周囲部を箱本体内側から覆う、透視可能なフィルムシートとを有し、
前記フィルムシートにおける少なくとも環状ミシン目線内範囲にスリットが形成され、前記環状ミシン目線に沿ってミシン目線に囲まれる範囲を引き剥がすことにより、取り出し口が形成されるとともに、この取り出し口内に、前記フィルムシート及びそれに形成されたスリットが露出され、このスリットを介して、箱内に収納された衛生薄葉紙が取り出し可能となる衛生薄葉紙収納箱であって、
前記上面に、前記環状ミシン目線内に収まるように、又は前記環状ミシン目線内及びその周囲部に跨り且つ前記フィルムシートと重なるように、中身視認用窓が開口されている、ことを特徴とする衛生薄葉紙収納箱。
【請求項2】
前記中身視認用窓は前記フィルムシートにおける前記スリットと重ならず、且つ前記中身視認用窓の周縁が、前記フィルムシートにおける前記スリットから10mm以上離間している、請求項1記載の衛生薄葉紙収納箱。
【請求項3】
前記フィルムシートにおけるスリットに代えてミシン目線が形成されており、このミシン目線を切り離すことにより前記スリットが形成されるように構成されている、請求項1記載の衛生薄葉紙収納箱。
【請求項4】
前記中身視認用窓が前記ミシン目線上にある、請求項3記載の衛生薄葉紙収納箱。
【請求項5】
前記フィルムシートの厚みが70μm以上であり、且つ前記中身視認用窓を覆う補強部材を有しない、請求項1〜4の何れか1項に記載の衛生薄葉紙収納箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−76823(P2010−76823A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248420(P2008−248420)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】