説明

衝撃センサ

【課題】球体で衝撃力を検知する機械的な衝撃センサにおいて、作動前の球体の確実な保持、設定された設定値での確実な作動、作動後の球体の保持を確実にする。
【解決手段】球体2が地上のある高さのところから重力の加速度gで落下したとき、衝撃力Fが発生する。球体2が円錐窪み14を脱すると、コイルスプリング5の力で、収納ケース4が移動して、その先端面27が球体2に接して、球体2を先端面27と底面13との間で挟んで固定することになる。この状態になると、表示窓15から収納ケース4を覗くことができ、球体2がある衝撃以上を受けたことを目視でも確認できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝突、落下時等に発生する衝撃力を検知する衝撃センサに関する。更に詳しくは、携帯電話等のように壊れやすい携帯用電子機器、豆腐のような形がくずれやすい食品等を落下、衝突させたときの衝撃力を機械的手段で検知する衝撃センサに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器、食品等の精密機器、食品等のトラック輸送等の運搬、荷役等の過程で、外部からの所定以上の衝撃が加わったことを検知する各種のショックセンサが提案されている。又、携帯電話、デジタルカメラ等の電子機器を落下させたときの履歴を記録する、走行中の自動車が事故等で衝突したときこれを検知し、エアーバッグを作動させる等、電気的に検出する各種衝撃センサが提案されている。電気的な衝撃センサではなく、機械的手段で検知するものも数多く提案されている。この中で、スプリング圧で金属製の球体を押圧して保持し、設定以上の衝撃が加わったとき、設定された位置から球体が移動して衝撃を検知するものが提案されている(特許文献1及び2)。
【0003】
しかしながら、提案されているこれらの衝撃センサは、組立時に特殊な治具が必要だったり、衝撃時に球体の自由な動きを保証する関係から、非作動時における球体の保持機構が不安定である等の問題もある。また、一平面方向に球体を移動させる関係から、設定以上の衝撃力が加わり球体が移動したとき、この移動後の球体の保持が不安定である。即ち、従来提案されている機構は、球体を保持するための機構の運動の自由度が高く不安定である。
【0004】
球体の保持機構は、理想的には設定値以下では球体を確実に保持し、設定した衝撃値以上では確実に作動し、作動後はその位置で動かないように確実に保持しておくのが好ましい。この球体の保持は、球体の転動による音の発生、加速度の方向が確定できない等の理由からである。また、衝撃センサを小型にした場合、検知後の確認において、球体が移動したことを確認しなくてはならず、検知を判定することを識別するには困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平7−14380号公報
【特許文献2】特開2006−284450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上述のような技術背景のもとになされたものであり、下記目的を達成する。
本発明の目的は、球体で衝撃力を検知する機械的な衝撃センサにおいて、作動前の球体の確実な保持、設定された設定値での確実な作動、作動後の球体の保持を確実にする衝撃センサを提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、球体で衝撃力を検知する機械的な衝撃センサにおいて、いかなる方向の衝撃力を感知できる衝撃センサを提供することにある。
本発明の更に他の目的は、球体で衝撃力を検知する機械的な衝撃センサにおいて、作動する衝撃力の設定変更が容易にできる衝撃センサを提供することにある。
本発明の更に他の目的は、球体で衝撃力を検知する機械的な衝撃センサにおいて、衝撃力を検知した場合、目視にて表示窓を確認することで、正確に設定された衝撃の有無を識別できる衝撃センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記目的を達成するため、次の手段を採る。
本発明1の衝撃センサは、
筐体(1)と、
前記筐体(1)内の支承部(14)に位置して支承される金属製の球体(2)と、
前記支承部(14)と対向して前記球体(2)を押圧し、後記弾性部材(5)を収納するための支持部材(3,4)と、
前記球体(2)を押圧し付勢するための弾性部材(5)と、
前記筐体(1)に係止され、前記支持部材(3,4)との間で前記弾性部材(5)を保持するための蓋部材(6)と
からなる衝撃センサであって、
前記筐体(1)は、前記支持部材(3,4)を一方向の直線上にのみ案内する案内ガイド(19)を有することを特徴とする。
【0009】
本発明2の衝撃センサは、本発明1において、
前記筐体(1)は、前記球体(2)が所定位置から移動したとき、前記支持部材(3,4)が移動したことを視認できる表示窓(15)を有していることを特徴とする。
【0010】
本発明3の衝撃センサは、本発明1又は2において、
前記支持部材(3,4)は、
前記球体(2)に接触して前記支承部(14)に押圧するための球体支持部材(3)と、
前記弾性部材(5)及び前記球体支持部材(3)を保持して、かつ前記案内ガイド(19)により案内される収納ケース(4)とからなることを特徴とする。
【0011】
本発明4の衝撃センサは、本発明1又は2において、
前記支承部(14)は、前記筐体(1)の内面、又は前記支持部材(3,4)に形成された円錐状の円錐窪みであることを特徴とする。
【0012】
本発明5の衝撃センサは、本発明2において、
前記支持部材(3,4)と前記筐体(1)を構成する素材の色彩が異なるものである
ことを特徴とする。
【0013】
本発明6の衝撃センサは、本発明3において、
前記収納ケース(4)は、設定された衝撃力が付加されたとき、移動した前記球体(2)を前記筐体(1)の底面(13)との間で挟んで固定するための先端面(27)を有していることを特徴とする。
【0014】
本発明7の衝撃センサは、本発明3において、
前記球体支持部材(3)、又は前記収納ケース(4)には、設定された衝撃力が加えられたとき、一部がせん断破壊されるせん断破壊部(42,51)を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の衝撃センサは、球体で衝撃力を検知する機械的な衝撃センサにおいて、一方向にのみ移動する支持部材で球体を保持するので、作動前の球体の保持が安定している。如何なる方向の衝撃力も表示窓だけで確認できる。また、球体を円錐の窪みに保持したので、傾斜角、摩擦角により誤作動が発生しにくい等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の衝撃センサ10の実施の形態1の外観を示す外観図である。
【図2】図2は、衝撃センサ10の立体分解図である。
【図3】図3(a)は、図1のA−A線で切断したときの断面図であり、図3(b)は球体が移動して、衝撃センサ10が動作した後の状態を示す断面図である。
【図4】図4は、衝撃センサの原理を示す説明図である。
【図5】図5(a)は、衝撃センサ40の実施の形態2を示す部分断面図であり、図5(b)は、球体が移動して、衝撃センサ40が動作した後の状態を示す断面図である。
【図6】図6は、衝撃センサ50の実施の形態3を示す部分断面図である。
【図7】図7(a)は、衝撃センサ60の実施の形態4を示す部分断面図であり、図7(b)は、衝撃センサ60が動作し球体が移動した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[実施の形態1]
次に、本発明の実施の形態1を説明する。図1は、本発明の衝撃センサ10の実施の形態1の外観を示す外観図である。図2は、衝撃センサ10の立体分解図である。衝撃センサ10は、概略すると本体を構成する筐体1、鋼性の球体2、球体2を押圧する球体支持棒3、球体支持棒3を押すコイルスプリング5、このコイルスプリング5を支持し収納し、球体支持棒3をす案内する収納ケース4、及びコイルスプリング5に係合し、かつ蓋の機能からなる板金製の蓋部材6からなる。筐体1は、衝撃センサ10の本体を成すものであり、球体2、球体支持棒3、収納ケース4、コイルスプリング5、及び蓋部材6を内部の空間に収納するためのものである。
【0018】
図3(a)は、図1のA−A線で切断したときの断面図であり、図3(b)は、球体が移動して、衝撃センサが動作した後の状態を示す断面図である。筐体1は、内部に長方体状の空洞が形成され、底11を有し、底11と対向する一辺が開いている開口12を有し、概略すると箱状のものである。この筐体1は、ABS樹脂、PPS、PBT等のエンジニアリングプラスチック(以下、エンプラという。)からなる合成樹脂製のものであり、一体のものである。底11の内部の正方形の底面13の中心には、円錐状の円錐窪み14が形成されている。
【0019】
円錐窪み14は、鋼鉄製の球体2を配置して支承するためのものであり、その中心へ球体2を案内して、正確に位置決めする機能も有する。なお、本例の球体2は、寸法精度が高く、容易に入手可能で、かつ安価であることから、ボールベアリングで使用されているものを用いた。筐体1の一側面には、矩形の表示窓15を有している。表示窓15は、透明の樹脂製で作られたものであり、内部が透けて見えるように形成したものである。表示窓15は、後述するように球体2が移動したとき、この表示窓15から筐体1の内部を覗き目視できるようにするためのものである。図2に示すように、筐体1には、この長さ方向でいうと、先端の約1/3の位置には段差16を有しており、この段差16を境に筐体1の外形が小さくなるように小径部17が形成されている。
【0020】
小径部17は、蓋の機能を果たす蓋部材6を嵌め込むために形成されている。小径部17を形成する各4面には、長方形状の係止突起部18が形成されている。係止突起部18は、板金製の蓋部材6を固定するための突起物である。蓋部材6は、ステンレス鋼板等の板金製の素材で作られているので、係止突起部18によりこの先端が弾性変形して、挿入されて固定される。球体支持棒3は、球体2を固定するための部品である。球体支持棒3は、先端の円錐部20、及びこの後端に繋がる円筒部21からなる一体のエンプラ製である。
【0021】
球体2の球面は、円錐窪み14に支承され、その対向する側の球面は球体支持棒3の先端22で押さえられている。先端22の先端は、球体2の固定を安定にするために平面に形成されている。従って、理論的には、球体支持棒3と球体2との接触は、点接触である。球体支持棒3の円筒部21は、収納ケース4に挿入されている。収納ケース4は、外観がサイコロ状の正方体状の形を成している。収納ケース4は、筐体1の長方体状の空洞である内壁面19に案内されて一方向のみ摺動する。収納ケース4の一端に底を有した挿入穴25が形成され、この挿入穴25に球体支持棒3の円筒部21が挿入されている。
【0022】
収納ケース4は、球体支持棒3と一体の部品となる。なお、球体支持棒3と収納ケース4は、本例では別々の部品であるが、一体の部品として構成しても良い。この両者が一体のものは、本発明では支持部材と称する。収納ケース4の他端側には環状で底を有する環状溝26が形成されている。環状溝26は、コイルスプリング5を収納するための円筒状の空間である。環状溝26の底でコイルスプリング5の一端を支承し、コイルスプリング5の他端は後述する蓋部材6の底板30で支承される。蓋部材6は、弾性のある板金製で作られたものであり、筐体1の蓋の役割をする部品である。
【0023】
結局、収納ケース4は、筐体1内の長方体状の空洞である内壁面19に安定的にガイドし、球体支持棒3を一軸線方向にのみ案内するための部材である。蓋部材6は、矩形の底板30とこの四方から直角に曲げられた4個の爪部31からなる。各爪部31には、長方形状の貫通孔である係止孔32が形成されている。係止孔32は、衝撃センサ10を組立てたとき、筐体1の係止突起部18に係止されている。この係止により、コイルスプリング5は圧縮された状態で、環状溝26内に収納される。
【0024】
結局のところ、コイルスプリング5のスプリング力は、収納ケース4を押圧し、収納ケース4は保持している球体支持棒3を押圧し、この先端22で球体2を円錐窪み14に常時押圧していることになる。そして、コイルスプリング5のこの押圧の反力は、蓋部材6を押して、蓋部材6は筐体1の係止突起部18を引っ張ることになる。言い換えると、球体2への押圧力の反力が、筐体1への引張力応力として常時加えられていることになる。
【0025】
[衝撃センサ10の原理}
図4は、衝撃センサ10の原理を示す説明図である。上記のような構造を有する衝撃センサ10において、球体2の質量をmとすると、この球体2が地上のある高さのところから重力の加速度gで落下したとき、落下地点から時間Δtの間に運動量がゼロとなる。この運動量がゼロとなる間に加速度−αの等加速運動により、速度がゼロになったとすると、衝撃力Fは、F=mαで表される。一方、球体2が円錐窪み14から脱するには、角度θの斜面を押し上げる力が必要となる。ただし、この衝撃力Fは、筐体1の底面13と平行な平面方向の加速度である。それ以外の方向の加速度の場合は、この平面方向の分力となる。
【0026】
このとき、球体2と円錐窪み14の間には摩擦があるので、この摩擦角λも作用する。従って、球体2が円錐窪み14から脱するには、F>Ptan(θ+λ)が条件となる。ただし、Pは、コイルスプリング5による球体支持棒3の押圧力である。この原理から理解されるように、例えば、押圧力P、球体2の質量m、摩擦角λが一定の場合、円錐窪み14の角度θを変えるだけで衝撃力の検知レベルを変更できる。又、球体2の大きさを変更して質量mを変える、コイルスプリング5のバネ定数を変更して、押圧力Pを変更すること等でも衝撃力の検知レベルを容易に変更できる。なお、摩擦角λを安定させるために、球体2と円錐窪み14の表面にワックス等の潤滑剤を塗って、摩擦角λを一定にすると良い。
【0027】
(実施の形態1の動作)
次に、前記実施の形態1の動作を説明する。図3(a)は、衝撃センサ10が作動する前の状態を示す断面図であり、図3(b)は、衝撃センサ10が動作し球体が移動した後の状態を示す断面図である。電子機器の筐体等に固定されている衝撃センサ10が地上のある高さのところから重力の加速度gで落下し、床等の硬いものに衝突したとき、電子機器の筐体に大きな衝撃力が発生する。このとき、筐体に固定されている衝撃センサ10内の球体2に重力とは逆方向の加速度がかかる。この加速度の大きさが設定値を越えると、前述した原理で球体2は円錐窪み14を脱する。
【0028】
球体2は円錐窪み14を脱すると同時に、コイルスプリング5の力で、収納ケース4が筐体1の内壁面19を摺動して移動し、収納ケース4の先端面27が球体2に接して、球体2を先端面27と底面13との間で挟んで固定することになる(図3(b)に示す状態)。この状態になると、表示窓15から収納ケース4を覗くことができ、球体2がある衝撃以上を受けたことを目視でも確認できる。収納ケース4の移動を見やすく容易に視認できるように、着色により筐体1と収納ケース4の色彩を変えるとよい。
【0029】
[実施の形態2]
図5(a)は、衝撃センサ40の実施の形態2を示す部分断面図であり、図5(b)は、衝撃センサ40が動作し球体が移動した状態を示す断面図である。前述した実施の形態1の衝撃センサ10は、球体支持棒3の中心線方向のみの加速度の場合、原理的には球体2は円錐窪み14から移動することはない。又は、球体支持棒3の中心線C方向の加速度の分力成分が大きい場合、設定した衝撃が発生しても作動しないことになる。この実施の形態2の衝撃センサ40は、球体支持棒3の中心線方向Cの加速度も感度良く検知できるものである。
【0030】
この実施の形態2の衝撃センサ40は、収納ケース4の挿入穴25の内周面に突起41を形成したものである。この球体支持棒3の円筒部21は、突起41で支えられている。球体2の中心線C方向の加速度成分が、設定以上の大きさの衝撃力が負荷されると、球体支持棒3が中心線C方向に移動し、突起41をせん断破壊することになる。図4に示すように、突起41がせん断される面積がAとした場合、このせん断破壊力Wは、W=τ・Aとなる。
【0031】
ただし、τは、突起41が破壊されるときのせん断応力である。せん断応力の大きさは、突起41の素材のせん断強度によって決定される。球体2の加速度による衝撃力F>Wでないと、球体支持棒3は収納ケース4の挿入穴25内を移動しない。図5(b)は、衝撃センサ40が動作したときの時の状態を示す断面図である。この衝撃センサ40は、突起41が円筒状のせん断面(図面A)42がリング状にせん断されて、球体支持棒3は収納ケース4の挿入穴25内を移動後の状態を示すものである。この状態になると、表示窓15から収納ケース4を覗くことができ、球体2がある衝撃以上を受けたことを目視でも確認できる。
【0032】
[実施の形態3]
図6は、衝撃センサ50の実施の形態3を示す部分断面図である。前述した実施の形態2の衝撃センサ40は、収納ケース4の突起41をせん断破壊するものであった。衝撃センサ50は、球体支持棒3の円筒部21に鍔51を形成したものである。鍔51は、中心線C方向に球体2の加速度により所定以上の大きさの衝撃力が負荷されると、球体支持棒3が中心線C方向に移動し、円筒状のせん断面(図面A)52から鍔51をせん断破壊することになる。衝撃センサ50のせん断破壊の原理は、実施の形態2の衝撃センサ40と実質的に同一である。
【0033】
[実施の形態4]
前述した実施の形態1ない3は、筐体1の底面13に形成された円錐窪み14に球体2を配置するものであった。しかしながら、前述した本発明の原理から理解されるように、この円錐窪み14は必ずしも筐体1の底面13に形成する必要はない。図7(a)は、衝撃センサ60の実施の形態4を示す部分断面図であり、図7(b)は、衝撃センサ60が動作し球体が移動した状態を示す断面図である。この衝撃センサ60は、球体支持棒3の先端面に円錐窪み61を形成し、筐体1の底面13に突起62を形成した例である。この突起62の先端は平坦面である。衝撃センサ60の動作原理は、前述したものと実質的に同一であり、その説明は省略する。
【0034】
[その他の実施の形態]
前述した実施の形態は、機構的な方法で衝撃力を検知し、かつ視認により設定以上の衝撃力の発生を確認するものであった。しかしながら、この視認に換えて電気的な信号に変えて検知する方法でも良い。この場合、コイルスプリング5、収納ケース4、球体支持棒3を導電性材料で構成し、かつ円錐窪み14の部分を導電性の金属素材、又は、円錐窪み14以外の底面13の部分を導電性とすることで、導通、又は非導通とすることにより、電気的に検知できる。
【0035】
前述した実施の形態1ないし4では、収納ケース4と球体支持棒3とが別体であったが、これを一体構造にし、本発明でいう支持部材とする構造であっても良い。また、前述した実施の形態1ないし4では、コイルスプリング5を用いたが、コイルスプリング5は安定しバネ圧を作ることができるが、ストロークが大きくなる傾向がある。また、蓋部材6をバネ鋼とし、この底板30にせん断加工により、渦巻き状の切り込みを入れて、これをプレス加工により円錐状に塑性変形させて、円錐スプリングとするものである。この方法は、コイルスプリング5と蓋部材6を兼用するので、部品点数を減らせる利点がある。
【符号の説明】
【0036】
1…筐体
2…球体
3…球体支持棒
4…収納ケース
5…コイルスプリング
6…蓋部材
14,61…円錐窪み
10,40,50,60…衝撃センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体(1)と、
前記筐体(1)内の支承部(14)に位置して支承される金属製の球体(2)と、
前記支承部(14)と対向して前記球体(2)を押圧し、後記弾性部材(5)を収納するための支持部材(3,4)と、
前記球体(2)を押圧し付勢するための弾性部材(5)と、
前記筐体(1)に係止され、前記支持部材(3,4)との間で前記弾性部材(5)を保持するための蓋部材(6)と
からなる衝撃センサであって、
前記筐体(1)は、前記支持部材(3,4)を一方向の直線上にのみ案内する案内ガイド(19)を有することを特徴とする衝撃センサ。
【請求項2】
請求項1において、
前記筐体(1)は、前記球体(2)が所定位置から移動したとき、前記支持部材(3,4)が移動したことを視認できる表示窓(15)を有している
ことを特徴とする衝撃センサ。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記支持部材(3,4)は、
前記球体(2)に接触して前記支承部(14)に押圧するための球体支持部材(3)と、
前記弾性部材(5)及び前記球体支持部材(3)を保持して、かつ前記案内ガイド(19)により案内される収納ケース(4)と
からなることを特徴とする衝撃センサ。
【請求項4】
請求項1又は2において、
前記支承部(14)は、前記筐体(1)の内面、又は前記支持部材(3,4)に形成された円錐状の円錐窪みである
ことを特徴とする衝撃センサ。
【請求項5】
請求項2において、
前記支持部材(3,4)と前記筐体(1)を構成する素材の色彩が異なるものである
ことを特徴とする衝撃センサ。
【請求項6】
請求項3において、
前記収納ケース(4)は、設定された衝撃力が付加されたとき、移動した前記球体(2)を前記筐体(1)の底面(13)との間で挟んで固定するための先端面(27)を有している
ことを特徴とする衝撃センサ。
【請求項7】
請求項3において、
前記球体支持部材(3)、又は前記収納ケース(4)には、設定された衝撃力が加えられたとき、一部がせん断破壊されるせん断破壊部(42,51)を有している
ことを特徴とする衝撃センサ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−168020(P2012−168020A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−29295(P2011−29295)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(592245432)スタッフ株式会社 (31)