説明

衝撃吸収材料

【課題】衝撃吸収性能に優れる衝撃吸収材料を提供すること。
【解決手段】(A)(メタ)アクリロイル基を有するエネルギー線硬化型化合物と、(B)分子内にメルカプト基2〜6個を有するポリチオール化合物とを含む衝撃吸収材料であって、衝撃吸収材料中の(メタ)アクリロイル基と(B)成分中のメルカプト基との官能基数比が、100:0.5n〜100:5n(nは、ポリチオール化合物1分子中のメルカプト基の数である。)であることを特徴とする衝撃吸収材料である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衝撃吸収材料に関し、さらに詳しくは、エン−チオール系のエネルギー線硬化型システムを採用することにより、硬化前のエネルギー線硬化型化合物、好ましくはオリゴマーの種類を変更することなく、架橋点間分子量を大きくすることができ、低硬度かつ高いロス特性を有する衝撃吸収材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に柔軟性、伸縮性、弾性といった、所謂ゴム特性を与える組成物はエラストマーと呼ばれ、その振動に対する疲労耐久性が、他の高分子素材と比較し抜きんでて優れているため、タイヤ等の自動車部材、土木、建築等の構造物用シール部材、Oリング等のパッキング部材、ガスケット部材、スピーカー等の音響用部材、携帯電話用キーシート等のシート部材、防振材料、各種機構部材等として適用されている。
特に、近年、携帯電話等のモバイル機器が普及し、その使用に際して、落下などによって、破壊されたり、とりわけ、高性能化、小型化が進んだモバイル機器では、特に耐衝撃性が求められている。
【0003】
ところで、ラジカル重合型光硬化系であるエン−チオール系光硬化型樹脂組成物は、酸素によるラジカルの失活が起きても、活性なチイルラジカルが再生されるため、アクリル系材料にみられるような酸素による重合阻害がないこと、光開始剤の使用量の低減が可能であること、硬化時の体積収縮率が小さいこと、重合開始から数秒〜数分の短時間で硬化すること、非常に硬度が高い硬化物から柔軟な硬化物まで広い材料設計が可能であること、1mm以上の厚膜の硬化物も作製可能であることなどの利点を有することから、光硬化材料として注目を浴びている(非特許文献1参照)。
【0004】
このエン−チオール系光硬化型樹脂組成物としては、例えば(1)ポリエンと、ポリチオールと、特定構造の臭素置換された芳香環を有する化合物を含有し、かつポリエンとポリチオールの質量比が49:1〜1:49である光硬化性樹脂組成物(特許文献1参照)、及び(2)ポリエン化合物、及び多価アミン化合物とメルカプトカルボン酸化合物との反応生成物からなる(ポリ)チオール系モノマーを含有してなるエン−チオール系光硬化型樹脂組成物(特許文献2参照)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4034098号公報
【特許文献2】特開2007−70417号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「UV・EB硬化技術の展望」,シーエムシー出版,2002年,39〜50頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、携帯電話用キーシート等のシート部材等に有効な、衝撃吸収性能に優れる衝撃吸収材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、(メタ)アクリロイル基を有するエネルギー線硬化型化合物と、チオール基2〜6個を有するポリチオール化合物とを、(メタ)アクリロイル基とチオール基との官能基数比が特定の範囲内にあるように含むエネルギー線硬化型エラストマー組成物からなる衝撃吸収材料により、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0009】
すなわち、本発明は、(A)(メタ)アクリロイル基を有するエネルギー線硬化型化合物と、(B)分子内にメルカプト基2〜6個を有するポリチオール化合物とを含む衝撃吸収材料であって、衝撃吸収材料中の(メタ)アクリロイル基と(B)成分中のメルカプト基との官能基数比が、100:0.5n〜100:5n(nは、ポリチオール化合物1分子中のメルカプト基の数である。)であることを特徴とする衝撃吸収材料、を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の衝撃吸収材料は、衝撃吸収性能に優れ、落下時の衝撃加速度を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の衝撃吸収材料は、(A)(メタ)アクリロイル基を有するエネルギー線硬化型化合物と、(B)分子内にチオール基2〜6個を有するポリチオール化合物とを含み、かつ衝撃吸収材料中の(メタ)アクリロイル基と(B)成分中のチオール基との官能基数比が、100:0.5n〜100:5n(nは、ポリチオール化合物1分子中のチオール基の数である。)であることを特徴とする。
【0012】
[(A)エネルギー線硬化型化合物]
本発明の衝撃吸収材料においては、(A)成分として、(メタ)アクリロイル基を有するエネルギー線硬化型化合物が用いられる。このエネルギー線硬化型化合物としては、得られる衝撃吸収材料の性能及び加工性などの観点から、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有するものを用いることができる。1分子中の(メタ)アクリロイル基の個数は、通常2〜6個程度、好ましくは2〜4個、特に好ましくは2個である。
なお、上記(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を指す。
このようなエネルギー線硬化型化合物としては、(メタ)アクリロイル基を有するエネルギー線硬化型オリゴマーであることが好ましい。
【0013】
((メタ)アクリロイル基を有するエネルギー線硬化型オリゴマー)
(メタ)アクリロイル基を有するエネルギー線硬化型オリゴマーとしては、特に制限はなく、例えばウレタン系(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル系(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル系(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ系(メタ)アクリレートオリゴマー、水素添加共役ジエン重合体系(メタ)アクリレートオリゴマー及びその水素添加物などを挙げることができる。
ここで、ウレタン系(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアナートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
ポリエステル系(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
【0014】
ポリエーテル系(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができ、エポキシ系(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ系(メタ)アクリレートオリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシアクリレートオリゴマーも用いることができる。
また、共役ジエン重合体系(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、液状スチレン−ブタジエン共重合体をアクリル変性して得られるSBRジアクリレート、ポリイソプレンをアクリル変性して得られるポリイソプレンジアクリレートなどが挙げられ、水素添加共役ジエン重合体系(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば両末端に水酸基を有する、水素添加ポリブタジエン又は水素添加ポリイソプレンの前記水酸基を、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを指し、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸を指す。
【0015】
本発明においては、前記(メタ)アクリロイル基を有するエネルギー線硬化型オリゴマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、衝撃吸収材料として用いる場合には、前記オリゴマーの中で、得られる衝撃吸収材料の性能及び加工性などの観点から、2官能ウレタン系(メタ)アクリレートオリゴマーが好適である。なお、2官能ウレタン系(メタ)アクリレートオリゴマーとは、ウレタン系(メタ)アクリレートオリゴマーの1分子中に、(メタ)アクリロイル基が2個含まれていることを意味する。
【0016】
[(B)ポリチオール化合物]
本発明の衝撃吸収材料において、(B)成分として用いられるポリチオール化合物は、分子内にメルカプト基を2〜6個有する化合物である。
このようなポリチオール化合物としては、分子内にメルカプト基を2〜6個有するものであればよく、特に制限されず、例えば、炭素数2〜20程度のアルカンジチオールなどの脂肪族ポリチオール類、キシリレンジチオールなどの芳香族ポリチオール類、アルコール類のハロヒドリン付加物のハロゲン原子をメルカプト基で置換してなるポリチオール類、ポリエポキシド化合物の硫化水素反応生成物からなるポリチオール類、分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコール類と、チオグリコール酸、β−メルカプトプロピオン酸、又はβ−メルカプトブタン酸とのエステル化物からなるポリチオール類などを挙げることができる。
【0017】
これらのポリチオール類の中で、反応性がよく、かつ化学構造の制御が容易な、分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコール類と、チオグリコール酸、β−メルカプトプロピオン酸、又はβ−メルカプトブタン酸とのエステル化物、特にβ−メルカプトプロピオン酸とのエステル化物又はβ−メルカプトブタン酸とのエステル化物からなるポリチオール類が好適である。
前記の分子内に水酸基2〜6個を有する多価アルコール類としては、炭素数2〜20のアルカンジオール、ポリ(オキシアルキレン)グリコール、グリセロール、ジグリセロール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどを挙げることができる。
【0018】
前記炭素数2〜20のアルカンジオールは、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、例えばエチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,12−ドデカンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、水添ビスフェノールAなどが挙げられる。
ポリ(オキシアルキレン)グリコールとしては、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールエチレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールプロピレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0019】
本発明においては、(B)成分のポリチオール化合物として、例えばエチレングリコールジ(チオグリコレート)、エチレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、トリメチレングリコールジ(チオグリコレート)、トリメチレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、トリメチレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、プロピレングリコールジ(チオグリコレート)、プロピレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、プロピレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、1,3−ブタンジオールジ(チオグリコレート)、1,3−ブタンジオールジ(β−メルカプトプロピオネート)、1,3−ブタンジオールジ(β−メルカプトブタネート)、1,4−ブタンジオールジ(チオグリコレート)、1,4−ブタンジオールジ(β−メルカプトプロピオネート)、1,4−ブタンジオールジ(β−メルカプトブタネート)、ネオペンチルグリコールジ(チオグリコレート)、ネオペンチルグリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、ネオペンチルグリコールジ(β−メルカプトブタネート)、1,6−ヘキサンジオールジ(チオグリコレート)、1,6−ヘキサンジオールジ(β−メルカプトプロピオネート)、1,6−ヘキサンジオールジ(β−メルカプトブタネート)、1,8−オクタンジオールジ(チオグリコレート)、1,8−オクタンジオールジ(β−メルカプトプロピオネート)、1,8−オクタンジオールジ(β−メルカプトブタネート)、1,9−ノナンジオールジ(チオグリコレート)、1,9−ノナンジオールジ(β−メルカプトプロピオネート)、1,9−ノナンジオールジ(β−メルカプトブタネート)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールジ(チオグリコレート)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールジ(β−メルカプトプロピオネート)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールジ(β−メルカプトブタネート)、ジエチレングリコールジ(チオグリコレート)、ジエチレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、トリエチレングリコールジ(チオグリコレート)、トリエチレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、トリエチレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、ポリエチレングリコールジ(チオグリコレート)、ポリエチレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、ポリエチレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、ジプロピレングリコールジ(チオグリコレート)、ジプロピレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、ジプロピレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、トリプロピレングリコールジ(チオグリコレート)、トリプロピレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、トリプロピレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、ポリプロピレングリコールジ(チオグリコレート)、ポリプロピレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、ポリプロピレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(チオグリコレート)、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(β−メルカプトブタネート)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールエチレンオキサイド付加物のジ(チオグリコレート)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールエチレンオキサイド付加物のジ(β−メルカプトプロピオネート)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールエチレンオキサイド付加物のジ(β−メルカプトブタネート)、水添ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のジ(チオグリコレート)、水添ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のジ(β−メルカプトプロピオネート)、水添ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のジ(β−メルカプトブタネート)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールプロピレンオキサイド付加物のジ(チオグリコレート)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールプロピレンオキサイド付加物のジ(β−メルカプトプロピオネート)、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールプロピレンオキサイド付加物の(β−メルカプトブタネート)、水添ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物のジ(チオグリコレート)、水添ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物のジ(β−メルカプトプロピオネート)、水添ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物のジ(β−メルカプトブタネート)、グリセロールトリ(チオグリコレート)、グリセロールトリ(β−メルカプトプロピオネート)、グリセロールトリ(β−メルカプトブタネート)、ジグリセロールテトラ(チオグリコレート)、ジグリセロールテトラ(β−メルカプトプロピオネート)、ジグリセロールテトラ(β−メルカプトブタネート)、トリメチロールプロパントリ(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリ(β−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリ(β−メルカプトブタネート)、ジトリメチロールプロパンテトラ(チオグリコレート)、ジトリメチロールプロパンテトラ(β−メルカプトプロピオネート)、ジトリメチロールプロパンテトラ(β−メルカプトブタネート)、ペンタエリスリトールテトラ(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラ(β−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラ(β−メルカプトブタネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(チオグリコレート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(β−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(β−メルカプトブタネート)などを好ましく用いることができる。
【0020】
これらのポリチオール化合物の中で、ポリ(β−メルカプトプロピオネート)及びポリ(β−メルカプトブタネート)体が好ましく、特に、ポリエチレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラ(β−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(β−メルカプトプロピオネート)、ポリエチレングリコールジ(β−メルカプトブタネート)、ペンタエリスリトールテトラ(β−メルカプトブタネート)及びジペンタエリスリトールヘキサ(β−メルカプトブタネート)が、入手性及び得られるエラストマーの性能の観点から好適である。
【0021】
前記(B)成分のポリチオール化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、本発明の衝撃吸収材料における当該(B)成分のポリチオール化合物の含有量は、前述した(A)成分のエネルギー線硬化型化合物における(メタ)アクリロイル基と、当該(B)成分におけるメルカプト基との官能基数比が、100:0.1n〜100:5n(nは、ポリチオール化合物1分子中のメルカプト基の数である。)の範囲にあるように選定される。
すなわち、ポリチオール化合物として、分子内にメルカプト基2個を有する2官能化合物を用いる場合は、(メタ)アクリロイル基/メルカプト基の官能基数比は、100:0.2〜100:10であり、メルカプト基4個を有する4官能化合物を用いる場合は、(メタ)アクリロイル基/メルカプト基の官能基数比は、100:0.4〜100:20であり、メルカプト基6個を有する6官能化合物を用いる場合は、(メタ)アクリロイル基/メルカプト基の官能基数比は、100:0.6〜100:30である。
メルカプト基が、(メタ)アクリロイル基100に対して、用いるポリチオール化合物に応じて与えられる下限値未満では、ポリチオール化合物を配合した効果が十分に発揮されず、低硬度化、高いロス特性が得られず、本発明の目的が達せられない。一方、メルカプト基が、(メタ)アクリロイル基100に対して、用いるポリチオール化合物に応じて与えられる上限値を超えると、衝撃吸収材料が柔らかすぎて、底付きが生じてしまう。そうすると、緩衝能力を発揮する前に床と衝突し、本発明の硬化が得られない。以上の観点から、(メタ)アクリロイル基/メルカプト基の官能基数比は、100:n〜100:5nの範囲が好ましく、100:2.5n〜100:5nの範囲がより好ましい。
【0022】
本発明の衝撃吸収材料は、エネルギー線硬化型であり、エネルギー線としては、紫外線及び電子線、α線、β線、γ線などの電離性放射線を用いることができるが、本発明においては、操作性や生産性及び経済性などの観点から、紫外線を用いることが好ましい。紫外線を用いる場合には、当該衝撃吸収材料は、(C)成分として光ラジカル重合開始剤を含むことが好ましい。なお、電子線やγ線のような電離性放射線を用いる場合には、光重合開始剤を含有させなくても、速やかに硬化を進めることができる。
本発明の衝撃吸収材料に含有させる光ラジカル重合開始剤の量は、該組成物に含まれる全エネルギー線硬化型化合物100質量部に対して、通常0.1〜10質量部程度、好ましくは0.5〜3質量部である。また、本発明においては、上記光ラジカル重合開始剤と共に、公知の光増感剤を併用することができる。
【0023】
[(C)光ラジカル重合開始剤]
(C)成分の光ラジカル重合開始剤としては、分子内開裂型及び/又は水素引き抜き型を用いることができる。
分子内開裂型としては、ベンゾイン誘導体類、ベンジルケタール類[例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア651]、α−ヒドロキシアセトフェノン類[例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:ダロキュア1173、イルガキュア184、イルガキュア127、イルガキュア2959]、α−アミノアセトフェノン類[例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア907、イルガキュア369]、α−アミノアセトフェノン類とチオキサントン類(例えば、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン)との併用、アシルホスフィンオキサイド類[例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア819]などが挙げられる。
【0024】
水素引き抜き型としては、ベンゾフェノン類とアミンの併用、チオキサントンとアミンの併用などが挙げられる。また、分子内開裂型と水素引き抜き型を併用してもよい。中でもオリゴマー化したα−ヒドロキシアセトフェノン及びアクリレート化したベンゾフェノン類が好ましい。より具体的には、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン][例えば、Lamberti S.p.A製、商品名:ESACURE KIP150など]、アクリル化ベンゾフェノン[例えは、ダイセル・ユー・シー・ビー(株)製、商品名:Ebecryl P136など]、イミドアクリレートなどが挙げられる。
【0025】
(C)成分の光ラジカル重合開始剤としては、これらの他に、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとベンゾフェノンの混合物、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[(4−メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、ベンゾイルメチルエーテル、ベンゾイルエチルエーテル、ベンゾイルブチルエーテル、ベンゾイルイソプロピルエーテル、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー、2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマーと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノンの混合物、イソプロピルチオキサントン、o−ベンゾイル安息香酸メチル及び[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタンなども用いることができる。
【0026】
[任意成分]
本発明の衝撃吸収材料においては、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じ、任意成分として、例えば単官能(メタ)アクリレートモノマー、無機充填剤、有機増粘剤、カップリング剤、酸化防止剤、光安定剤、接着性向上剤、補強剤、内部離型剤、軟化剤、着色剤、レベリング剤、難燃剤、帯電防止剤などを用いることができる。
【0027】
(単官能(メタ)アクリレートモノマー)
単官能(メタ)アクリレートモノマーは、分子内に一つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物であって、本発明の衝撃吸収材料の粘度調整や、得られる衝撃吸収材料の物性調整のために、必要に応じ、適宜量用いられる化合物である。
この単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0028】
(無機充填剤)
無機充填剤や後述の有機増粘剤を、本発明の衝撃吸収材料に配合することにより、該組成物に増粘性及び揺変性(チクソトロピー)が付与され、組成物の成形性を向上させることができる。
無機充填剤としては、シリカ(SiO2)、アルミナ、チタニア及び粘度鉱物などが挙げられ、中でもシリカ粉末、疎水処理したシリカ粉末又はこれらの混合物が好ましい。より具体的には、乾式法により微粉化したシリカ微粉末[例えば、日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジル300など]、このシリカ微粉末をトリメチルジシラザンで変性した微粉末[例えば、日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジルRX300など]及び上記シリカ微粉末をポリジメチルシロキサンで変性した微粉末[例えば、日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジルRY300など]などが挙げられる。
無機充填剤の平均粒径は、増粘性、チクソトロピーの付与の観点から、5〜50μmが好ましく、5〜12μmがより好ましい。
【0029】
(有機増粘剤)
有機増粘剤としては、水添ひまし油、アマイドワックス又はこれらの混合物が好ましい。有機増粘剤として具体的には、ひまし油(主成分がリシノール酸の不乾性油)の水添品である水添ひまし油[例えば、ズードケミー触媒(株)製、商品名:ADVITROL100、楠本化成(株)製、商品名:ディスパロン305など]及びアンモニアの水素をアシル基で置換した化合物である高級アマイドワックス[例えば、楠本化成(株)製、商品名:ディスパロン6500など]などが挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また前記無機充填剤と併用してもよい。
【0030】
(カップリング剤)
カップリング剤は、得られる衝撃吸収材料と基材との密着性を向上させるために、本発明の衝撃吸収材料に、必要に応じて適宜量用いられる。このカップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などがあるが、中でもシラン系カップリング剤が好適である。
上記シラン系カップリング剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどの不飽和基含有シランカップリング剤;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのグリシジル基含有シランカップリング剤;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ基含有シランカップリング剤;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト基含有シランカップリング剤等が挙げられる。これらのシラン系カップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0031】
(酸化防止剤)
本発明の衝撃吸収材料に用いられる酸化防止剤としては、フェノール系、イオウ系、リン系酸化防止剤などが挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール,ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール),2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニルブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−〔メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、ビス〔3,3'−ビス−(4'−ヒドロキシ−3'−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、1,3,5−トリス(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、α−トコフェロール等が例示される。
【0032】
イオウ系酸化防止剤としては、ジラウリル3,3'−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3'−チオジプロピオネート等が例示され、またリン系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が例示される。
【0033】
これらの酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中でフェノール系酸化防止剤が好適である。
この酸化防止剤の配合量は、その種類に応じて適宜選定されるが、前記(A)成分のエネルギー線硬化型化合物と、(B)成分のポリチオール化合物と、所望により用いられる単官能(メタ)アクリレートモノマーとの合計量100質量部に対して、通常0.01〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部である。
【0034】
(光安定剤)
本発明の衝撃吸収材料に用いられる光安定剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、トリアジン系などの紫外線吸収剤や、ヒンダードアミン系光安定剤などが挙げられるが、これらの中でヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。
このヒンダードアミン系光安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−〔2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル−メタクリレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕ブチルマロネート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル,N,N',N",N"'−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン−1,3,5−トリアジン−N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物、2,2,4,4−テトラメチル−20−(β−ラウリルオキシカルボニル)エチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5.1.11.2〕ヘネイコサン−21−オン、β−アラニン,N,−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−ドデシルエステル/テトラデシルエステル、N−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5.1.11.2〕ヘネイコサン−21−オン、2,2,4,4−テトラメチル−21−オキサ−3,20−ジアザジシクロ−〔5.1.11.2〕−ヘネイコサン−20−プロパン酸ドデシルエステル/テトラデシルエステルプロパンジオイックアシッド、〔(4−メトキシフェニル)−メチレン〕−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)エステル、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールの高級脂肪酸エステル、1,3−ベンゼンジカルボキシアミド−N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)等が挙げられる。
【0035】
これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。この光安定剤の配合量は、その種類に応じて適宜選定されるが、前記(A)成分のエネルギー線硬化型化合物と、(B)成分のポリチオール化合物と、所望により用いられる単官能(メタ)アクリレートモノマーとの合計量100質量部に対して、通常0.01〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部である。
【0036】
(接着性向上剤、その他)
本発明の衝撃吸収材料において、所望により用いられる接着性向上剤としては、例えばテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、クマロン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系炭化水素、ロジン誘導体などが挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、当該衝撃吸収材料は、所望により、ガラス繊維や炭素繊維などの補強剤;水添ヒマシ油、無水硅酸微粒子などの垂れ止め剤;ステアリン酸などの脂肪酸、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、ステアリン酸アマイドなどの脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックスなどの内部離型剤;プロセスオイルなどの軟化剤;着色剤;レベリング剤;難燃剤;帯電防止剤等を配合することができる。
本発明の衝撃吸収材料は、基本的には無溶媒であるが、必要に応じ溶媒を加えてもよい。
【0037】
[衝撃吸収材料の調製]
本発明の衝撃吸収材料の調製方法に特に制限はなく、公知の方法を適用することができる。例えば、前記の(A)成分、(B)成分及び所望により用いられる各添加成分を温度調節可能な混練機、例えば、一軸押出機、二軸押出機、プラネタリーミキサー、二軸ミキサー、高剪断型ミキサーなどを用いて混練することにより、調製することができる。
このようにして得られた衝撃吸収材料の粘度は、50℃で1〜1000Pa・s程度、である。1Pa・s以上であれば、液漏れ等を起こし目的の形状の成形体が得られないことを防止できる。一方、1000Pa・s以下であれば、充填が容易に行え、また、型を用いる場合に型を押し上げてしまうことがないため、目的の形状の硬化体が容易に得られる。以上の観点から、エラストマー組成物の25℃における粘度は、10〜500Pa・sの範囲がさらに好ましい。
【0038】
[硬化体の作製]
本発明においては、前記のようにして調製した衝撃吸収材料に、エネルギー線を照射することにより、衝撃吸収材料の硬化体を得ることができる。
エネルギー線としては、前述したように、操作性、生産性及び経済性などの観点から、紫外線が好適である。なお、紫外線を用いる場合には、本発明の衝撃吸収材料として、光ラジカル重合開始剤を含むものを用いることが好ましい。
紫外線源としては、キセノンランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、マイクロ波方式エキシマランプ等を挙げることができる。紫外線を照射する雰囲気としては、窒素ガス、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気あるいは酸素濃度を低下させた雰囲気が好ましいが、通常の空気雰囲気でも十分に硬化させることができる。照射雰囲気温度は、通常10〜200℃とすることができる。
なお、当該衝撃吸収材料のエネルギー線、好ましくは紫外線照射による硬化方法としては、得られる衝撃吸収材料の硬化体の用途に応じて、適宜選択することができる。
【0039】
次に、当該衝撃吸収材料を、携帯電話用キーシート等のシート部材のようなシール層付き部材及び独立した衝撃吸収材料の硬化体(支持体や被着体を有しない)を作製する場合の例を挙げ、それぞれにおける硬化方法の好ましい態様について説明する。
なお、本発明の衝撃吸収材料の用途に関しては、後で説明する。
【0040】
(シール層付き部材)
本発明の衝撃吸収材料を被着体に塗布し、エネルギー線、好ましくは紫外線照射により硬化させることにより、シール層付き部材を製造することができる。被着体としては、例えば、硬質樹脂からなるものも使用することができるが、加工性等から金属製のものが好ましい。金属としては特に制限はなく、例えば、冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム/亜鉛合金めっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板、マグネシウム板、マグネシウム合金板などの中から、適宜選択して用いることができる。また、マグネシウムを射出成形したものも用いることができる。耐食性の点から、ニッケルめっき処理を施した金属が好適である。
【0041】
上記組成物の被着体への塗布は、上記組成物を必要に応じて温度調節し、一定粘度に調整した塗液を用いて任意の方法で行うことができ、例えばグラビアコート、ロールコート、スピンコート、リバースコート、バーコート、スクリーンコート、ブレードコート、エアーナイフコート、ディッピング、ディスペンシングなどの方法を用いることができる。上記衝撃吸収材料を塗布し、成形した後、エネルギー線、好ましくは紫外線を照射することにより塗布層を硬化させて、シール層付き部材を得ることができる。
【0042】
(独立した衝撃吸収材料の硬化体)
独立した衝撃吸収材料の硬化体とは、支持体や被着体のない衝撃吸収材料の硬化体そのものを指す。
上記の独立した衝撃吸収材料の硬化体を紫外線照射により製造する場合、その手段としては種々の方法を採用することができるが、好ましくは、(1)上型、下型よりなる一組の成形型の少なくともいずれか一方を紫外線が透過する材料にて形成し、硬化前の当該衝撃吸収材料を所定量滴下する。次に上型と下型を圧着して、型閉じし、紫外線を透過する材料からなる型の外側から紫外線を照射し、組成物を硬化させて目的の硬化体を得る方法、および(2)上型、下型よりなる一組の成形型の少なくともいずれか一方を紫外線が透過する材料にて形成し、次いで上型と下型を圧着して、型閉じし、次に型に予め形成しておいた注入口より、硬化前の当該衝撃吸収材料を所定量注入する。そして、紫外線を透過する材料からなる型の外側から紫外線を照射し、組成物を硬化させて目的の衝撃吸収材料の硬化体を得る方法が好ましい。
【0043】
紫外線を透過する型に用いられる材料としては、例えば石英、石英ガラス、硼珪酸ガラス、ソーダガラス等のガラス材料、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、セルロース樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体等の樹脂材料が例示できるが、これらに限定されない。特に好ましくは、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂である。
【0044】
[衝撃吸収材料の硬化体の性状]
本発明の衝撃吸収材料は、前述したように、(A)成分のエネルギー線硬化型化合物と、(B)成分のポリチオール化合物とを含有させて、エン−チオール系のエネルギー線硬化システムを採用することにより、硬化前の前記エネルギー線硬化型化合物の種類を変更することなく、硬化物の架橋点間分子量を大きくすることができ、衝撃加速度を緩和する衝撃吸収材料を提供することができる。
当該衝撃吸収材料を、エネルギー線照射により硬化させることによって得られた衝撃吸収材料の硬化体は、以下に示すFlory−Rehnerの式より算出される架橋点間分子量が4000〜55,000の範囲にあることが好ましい。架橋点間分子量が4000以上であれば、衝撃吸収材料の硬化体における破断伸びの向上効果が良好に発揮され、一方、架橋点間分子量が55,000以下であれば、衝撃吸収材料の硬化体は、加工性に優れ、かつ、エラストマーとしての実用的な強度を有するものになる。
【0045】
(架橋点間分子量Mc)
衝撃吸収材料の硬化体の架橋点間分子量Mcは、下記の方法により算出することができる。
Flory−Rehnerの式
【0046】
【数1】

【0047】
[ただし、Mc:架橋点間分子量[g/mol]、ρ:密度[g/cm3]、ν1:溶剤(トルエン)のモル体積[cm3/mol]、ν2:体積膨潤率[−]、χ1:Floryのχパラメータ[−](溶剤と衝撃吸収材料の硬化体のsp値より概算)である。]
により、架橋点間分子量Mcを算出することができる。
本発明においては、架橋点間分子量Mcとして、前記(1)のFlory−Rehnerの式より算出される値を採用する。
【0048】
この架橋点間分子量Mcは、使用する(B)成分のポリチオール化合物の種類の選択及び(A)成分の(メタ)アクリロイル基を有するエネルギー線硬化型化合物に対する該ポリチオール化合物の使用割合の選定によって制御することができ、ひいては破断伸びを制御することができる。
本発明においては、前述したように、前記(B)成分のポリチオール化合物として、分子内にメルカプト基2〜6個を有する2〜6官能ポリチオール化合物が用いられ、かつエラストマー組成物中の全(メタ)アクリロイル基と前記(C)成分におけるメルカプト基との官能基数比[CH=C(R)−CO]/SH(ただし、Rは水素原子又はメチル基)が、100/0.3〜100/n(nは、ポリチオール化合物1分子中のメルカプト基の数)の範囲になるように、選定することにより、得られるエラストマー硬化体の架橋点間分子量Mcを4000〜55,000の範囲内の所望の値に制御することができる。

前記(A)成分のエネルギー線硬化型化合物における(メタ)アクリロイル基に対する前記(B)成分におけるメルカプト基との官能基数比SH/[CH=C(R)−CO]比(ただし、Rは水素原子又はメチル基)が、0.001n〜0.05n(nは、ポリチオール化合物1分子中のチオール基の数)の範囲になるように、選定することにより、得られる衝撃吸収材料の硬化体の架橋点間分子量Mcを4000〜55,000の範囲内の所望の値に制御することができる。
本発明においては、前述したように、前記(C)成分のポリチオール化合物として、分子内にメルカプト基2〜6個を有する2〜6官能ポリチオール化合物が用いられ、かつ
【0049】
[エン−チオール系エネルギー線硬化システム]
本発明の衝撃吸収材料は、(A)成分の(メタ)アクリロイル基含有エネルギー線硬化型化合物と、(B)成分の2〜6官能ポリチオール化合物とによる、エン−チオール系のエネルギー線硬化システムを採用しており、このエン−チオール系のエネルギー線硬化システムを説明する前に、まず、一般的な(メタ)アクリロイル基含有化合物のラジカル重合及びエン−チオール系エネルギー線硬化システムの反応機構について説明する。
【0050】
(1)(メタ)アクリロイル基含有化合物のラジカル重合及びエン−チオール系エネルギー線硬化システムの反応機構
(メタ)アクリロイル基含有化合物として、2官能アクリロイル基含有オリゴマーと単官能アクリロイル基含有モノマーとを用い、かつ光ラジカル重合開始剤を用いた系の紫外線照射による架橋反応は、連鎖反応であって、下記のスキーム1に示すステップで重合が進行する。
<スキーム1>
【0051】
【化1】

【0052】
(R1は有機基を示す。)
まず、紫外線の照射により励起した光重合開始剤(PI)が開裂してラジカルを生成させ、このラジカルがアクリロイル基にアタックすることにより、励起末端が移動し(開始反応)、オリゴマー及びモノマーが次々に励起末端に反応しながら、重合が進行する(成長反応)。なお、停止反応及び連鎖反応の説明は省略する。
【0053】
一方、エンとチオールの反応は、下記のスキーム2に示すように逐次反応である。
<スキーム2>
【0054】
【化2】

【0055】
(R2及びR3は、それぞれ有機基を示す。)
まず、紫外線の照射により励起したチオールが水素ラジカルを放出して、チオールラジカルを生成し、このチオールラジカルとエンとが反応したのち、別のチオールから水素原子を引き抜き、反応が終了する。
ラジカル重合系の紫外線硬化システムと、エン−チオール系システムを併用した場合、アクリロイル基含有化合物同士の重合と、アクリロイル基含有化合物とチオールとの反応はほぼ同時に進行していく。なお、反応速度はエンとチオールとの反応の方が速いものが多いが、桁が変わるほどではない。チオールが反応した部位は、それ以上、アクリロイル基含有化合物の重合は起こらないため、結果としてアクリロイル基含有化合物のみの硬化物と、エン−チオール系システムを併用した硬化物を比較すると、エン−チオール系システムを併用した硬化物の方が、重合鎖が短くなる。このように、重合鎖が短くなると、ミクロゲル(エラストマー中の硬い部分)の生成を抑制する効果が期待できる。
以上のことから、エン−チオール系システムの併用は、硬化物の柔軟性を高める効果があると云える。
【0056】
(2)2官能(メタ)アクリレートオリゴマーとポリチオール化合物との反応による架橋点間分子量の増加機構
次に、2官能(メタ)アクリレートオリゴマーとして、2官能ウレタン系アクリレートオリゴマーを、ポリチオール化合物として、2官能ポリチオール化合物を用いた例を挙げて、架橋点間分子量Mcの増加機構について説明する。この反応は、下記のスキーム3に従って進行する。
<スキーム3>
【0057】
【化3】

【0058】
2官能ウレタン系アクリレートオリゴマー2分子と、2官能ポリチオール化合物1分子とが反応すると、上記スキーム3で示されるように、分子鎖が延長された1本の新たなオリゴマーが生成する。すなわち、ポリチオール化合物を加えることにより、使用する2官能ウレタン系アクリレートオリゴマーの分子量を変えることなく、反応過程でオリゴマー鎖を延長することができる。
その後、紫外線照射により、オリゴマー鎖が延長された2官能ウレタン系アクリレートオリゴマーの重合が進行すると、架橋点間分子量の大きな衝撃吸収材料の硬化体が得られることになる。
なお、ポリチオール化合物として、4官能や6官能のものを用いる場合には、これらのポリチオール化合物の構造中に、通常架橋点となる部位が存在するために、架橋点間分子量の増加は、2官能ポリチオール化合物と比べると小さい。しかし、4官能や6官能のポリチオール化合物とウレタン系アクリレートオリゴマーが反応すると、長い側鎖をもつスターブランチオリゴマーが生成することにより、この部分が、衝撃吸収材料の硬化体の中ではソフトセグメントとして働き、結果として、該衝撃吸収材料は架橋点間分子量が伸びた場合と同じように、破断伸びが増大すると考えられる。
【実施例】
【0059】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例における衝撃加速度を測定した。衝撃加速度の測定方法は以下のとおりである。
(衝撃加速度の測定方法)
重さ約20gのおもりの上下に、平板状の試料を貼付し、測定用のケースに入れる。このとき、試料以外の部分でおもりとケースは接触しない構造となっている。このケースを、高さ30cmの位置から、厚さ40cmのラワン材に上に落下させ、そのときの衝撃加速度を測定した。出力は、小野測器社製CF-350 PORTABLE DVAL CHANNEL FFT ANALYZERを用い、測定はエミック社製ピックアップセンサー710Cを用いた。
【0060】
実施例1〜10及び比較例1、2
表1に示す配合組成の衝撃吸収材料を調製し、以下に示す方法に従って衝撃吸収材料の硬化体シートを作製し、さらに各試験で使用する形状に裁断した。
まず、15cm×15cm×3mmのガラス板2枚と、15cm×15cm×0.06mmの離型性ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム2枚を用意する。
スペーサーで所定の厚みを保持しながら、前記で得られた紫外線硬化型衝撃吸収材料を、離型性PETフィルムで挟み、さらにガラス板で挟んだのち、温度25℃にて紫外線(センエンジニアリング社製、紫外線照射機「UV1501BA−LT」、同社製メタルハライドランプ「SE−1500M」を使用)を、照度150mW/cm2、照射時間60secの条件で照射し、前記衝撃吸収材料を硬化させた。
次いで、ガラス板及び離型性PETフィルムから、衝撃吸収材料の硬化体シートを剥がし、120℃にて4時間アニーリング処理を行ったのち、各試験に使用する形状に裁断し、衝撃加速度の測定に用いた。測定結果を表1に示す。なお、実施例1〜10及び比較例1、2の紫外線硬化型衝撃吸収材料は、いずれも室温で適度の粘度を有し、均質な組成物であった。
【0061】
【表1】

【0062】
[注]
1)エネルギー線硬化型オリゴマーA:共栄社化学社製、商品名「ライトタックPUA−KH32M」(2官能ウレタン系アクリレートオリゴマー、イソボルニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、及びイルガキュア2959(光重合開始剤)の混合物)
2)2官能ポリチオール化合物:SC有機化学社製、商品名「EGMP4」、テトラエチレングリコールジ(β−メルカプトプロピオネート)
3)4官能ポリチオール化合物:SC有機化学社製、商品名「PEMP」、ペンタエリスリトールテトラ(β−メルカプトプロピオネート)
4)6官能ポリチオール化合物:SC有機化学社製、商品名「DPMP」、ジペンタエリスリトールヘキサ(β−メルカプトプロピオネート)
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の衝撃吸収材料は、硬化前のエネルギー線硬化型化合物の種類を変更することなく、硬化物の架橋点間分子量を大きくすることができ、低硬度化と高いロス特性を得ることができる。
したがって、この衝撃吸収材料の硬化体は、例えば携帯電話用キーシート等のシート部材などの用途が期待でき、落下しても機器が破壊されない、耐衝撃性の強い部材として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)(メタ)アクリロイル基を有するエネルギー線硬化型化合物と、(B)分子内にメルカプト基2〜6個を有するポリチオール化合物とを含む衝撃吸収材料であって、衝撃吸収材料中の(メタ)アクリロイル基と(B)成分中のメルカプト基との官能基数比が、100:0.5n〜100:5n(nは、ポリチオール化合物1分子中のメルカプト基の数である。)であることを特徴とする衝撃吸収材料。
【請求項2】
(A)(メタ)アクリロイル基を有するエネルギー線硬化型化合物が、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である、請求項1に記載の衝撃吸収材料。
【請求項3】
(メタ)アクリロイル基を有するエネルギー線硬化型化合物が、エネルギー線硬化型オリゴマーである、請求項2に記載の衝撃吸収材料。
【請求項4】
エネルギー線硬化型オリゴマーが、ウレタン系(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル系(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル系(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ系(メタ)アクリレートオリゴマー、共役ジエン重合体系(メタ)アクリレートオリゴマー及びその水素添加物の中から選ばれる少なくとも1種である、請求項3に記載の衝撃吸収材料。
【請求項5】
(B)分子内にメルカプト基2〜6個を有するポリチオール化合物が、水酸基2〜6個を有する多価アルコールのβ−メルカプトプロピオン酸エステルである、請求項1〜4のいずれかに記載の衝撃吸収材料。
【請求項6】
水酸基2〜6個を有する多価アルコールが、炭素数2〜20のアルカンジオール、ポリ(オキシアルキレン)グリコール、グリセロール、ジグリセロール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールである、請求項5に記載の衝撃吸収材料。
【請求項7】
エネルギー線が、紫外線であり、(C)光ラジカル重合開始剤を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の衝撃吸収材料。
【請求項8】
光ラジカル重合開始剤が、分子内開裂型及び/又は水素引抜き型である、請求項7に記載の衝撃吸収材料。

【公開番号】特開2010−254856(P2010−254856A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−108172(P2009−108172)
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】