衝撃検知装置
【課題】電子機器に故障が発生した場合において、その故障原因が落下等で受けた衝撃によるものであるかを判別する技術を提供することを課題とする。
【解決手段】電子機器10の筐体11内に衝撃検知装置40が収納されている。衝撃検知装置40は、略立方体形状のケース41と、ケース41の内壁に接合された6個のピン42,42・・・と、ボール43とを備えている。6個のピン42,42・・・がボール43を挟持している。電子機器10に大きな衝撃が加わると、ボール43がいずれかの方向に力を受け、いずれかのピン42に突き刺さる。これにより、電子機器10に大きな衝撃が加わったことを検知することができる。
【解決手段】電子機器10の筐体11内に衝撃検知装置40が収納されている。衝撃検知装置40は、略立方体形状のケース41と、ケース41の内壁に接合された6個のピン42,42・・・と、ボール43とを備えている。6個のピン42,42・・・がボール43を挟持している。電子機器10に大きな衝撃が加わると、ボール43がいずれかの方向に力を受け、いずれかのピン42に突き刺さる。これにより、電子機器10に大きな衝撃が加わったことを検知することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器などに加えられた衝撃を検知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯型ゲーム機、ノートパソコン、携帯情報端末、携帯音楽プレーヤなど、様々な電子機器が存在する。これら電子機器は、その性質上、ユーザが持ち歩くことが多いため、誤って落下させる場合がある。また、携帯型の機器でなくとも、機器を誤って落下させるような場合があり得る。たとえば、DVDプレーヤ、デスクトップパソコン、プリンターなどの製品を購入し、その製品を搬送する途中で落下させるような場合が考えられる。
【0003】
一方、電子機器は、非常に精密な部品で構成されているため、落下などにより衝撃が加わると故障の原因となる。一般には、ユーザの過失で製品を落下させ、製品を故障させた場合には、その修理費用はユーザが負担することになる。これに対して、ユーザが正常に使用していたにも関わらず、製品が故障した場合には、その修理費用は、保証期間内であれば、製造元あるいは販売元が負担するのが一般的である。
【0004】
たとえば、ユーザが故障した製品を販売店に持ち込んだとする。このとき、製品の筐体が割れていたり、へこんでいたりすれば、ユーザが製品を落下させるなど、製品に大きな衝撃を与えたことが明白である。このような事情であれば、正常な使用による故障とは考えられず、ユーザに費用負担をお願いした場合にも、トラブルになることはあまりない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、最近、製品の筐体の強度が非常に高くなってきたため、製品を落下させた場合にも、筐体には、簡単には傷がつかなくなっている。このため、ユーザの過失により製品を落下させ、故障が発生した場合にも、その故障の要因が落下によるものであると判別することが難しい。このため、製造元あるいは販売元は、やむなく修理費用を負担するという場合も多い。
【0006】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、電子機器などの製品に加えられた衝撃を検知する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、機器に加えられた衝撃を検知する装置であって、前記機器の筐体内部に設けられる検知部材と、前記機器内の複数箇所に設けられ、複数の方向から前記検知部材を前記機器内部で挟持する支持部材と、を備え、前記機器に所定以上の大きさの衝撃が加わった場合、前記検知部材が複数の支持部材のうち一の支持部材に突き刺さるよう構成したことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、機器に加えられた衝撃を検知する装置であって、前記機器の筐体内部に設けられる検知部材と、前記検知部材を収納し、前記機器の構成部品に固設されるケースと、前記ケース内の複数箇所に設けられ、複数の方向から前記検知部材を前記ケース内部で挟持する支持部材と、を備え、前記機器に所定以上の大きさの衝撃が加わった場合、前記検知部材が複数の支持部材のうち一の支持部材に突き刺さるよう構成したことを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の衝撃検知装置において、前記検知部材は、6個の支持部材により上下左右前後の6方向から挟持されることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の衝撃検知装置において、前記検知部材として前記支持部材よりも硬度の弱い部材を用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の衝撃検知装置は、機器内の複数箇所に設けられた支持部材により、複数の方向から検知部材を挟持したので、検知部材が一の支持部材に突き刺さっていることを確認することで、機器に大きな衝撃が加わったことを判別することが可能である。また、検知部材がいずれの支持部材に突き刺さっているかにより、どの方向に強い衝撃を受けたかを判別することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】電子機器に第1の実施の形態に係る衝撃検知装置を内装した図である。
【図2】衝撃検知装置の平面図である。
【図3】フレーム先端部の拡大図である。
【図4】ボールが接合されている状態の電子機器内の図である。
【図5】ボールの接合状態が解除されたときの電子機器内の図である。
【図6】電子機器に第2の実施の形態に係る衝撃検知装置を内装した図である。
【図7】衝撃検知装置の拡大図である。
【図8】フレーム先端の拡大図である。
【図9】ボールが接合されている状態の電子機器内の図である。
【図10】ボールの接合状態が解除されているときの電子機器内の図である。
【図11】第3の実施の形態に係る衝撃検知装置を示す図である。
【図12】ケースを除いた衝撃検知装置を示す図である。
【図13】ケースを除いた衝撃検知装置の正面図および平面図である。
【図14】衝撃発生時におけるピンとボールの状態図である。
【図15】第4の実施の形態に係る衝撃検知装置を示す図である。
【図16】ケースを除いた衝撃検知装置を示す図である。
【図17】衝撃発生時におけるフレームとボールの状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
{第1の実施の形態}
以下、図面を参照しつつ本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は、電子機器10内に衝撃検知装置20が装着された状態を示す図である。電子機器10は、たとえば、携帯ゲーム機、ノートパソコン、携帯情報端末などであり、筐体11の中に様々な電子部品、機械部品を収納している。
【0014】
図2は、衝撃検知装置20の平面図である。衝撃検知装置20は、図1および図2に示すように、四角形の枠を形成するフレーム21と、そのフレーム21の内側に接合された2本のフレーム22,22と、その2本のフレーム22,22の端部に挟まれるようにして接合されたボール23とを備えている。
【0015】
本実施の形態においては、フレーム21,22およびボール23は、プラスティック製の部材である。なお、フレーム21,22およびボール23は一体成形されていてもよい。そして、図3に示すように、フレーム22は、ボール23に接合される側の端部22aが他の部分より細く形成されている。これにより、端部22aの強度が他の部分よりも弱くなっており、電子機器10に所定の大きさ以上の衝撃が加わったときには、フレーム22が端部22aにおいて切断されるよう構成されているのである。
【0016】
ここで、端部22aの強度をどの程度とするかは、電子機器10の許容する衝撃の大きさに応じて決定すればよい。たとえば、電子機器10の内装部品が非常に衝撃に弱い部品であれば、端部22aの強度も非常に弱くする必要がある。逆に、電子機器10の内装部品が衝撃に比較的強いのであれば、端部22aの強度を比較的強くしてもよい。あるいは、50cmの高さから落下させた衝撃により切断されるような強度とするとか、1mの高さから落下させた衝撃により切断されるような強度とするなど、衝撃が加わる状況を想定し、それら想定される状況を基準として、強度を算定してもよい。逆に言えば、電子機器10に加えてはならない衝撃を加えた場合には、フレーム22が切断されるように端部22aの強度を決定すればよい。
【0017】
図4は、電子機器10内の側面図であり、ボール23が、フレーム22に接合されている状態を示している。なお、フレーム21は、筐体11内に収納されている電子機器10の部品12に取り付け固定されている。つまり、ボール23は、フレーム22およびフレーム21を介して、電子機器10内の構成部品(部品12あるいは筐体11)に固定されている。
【0018】
そして、電子機器10が落下するなどして、電子機器10に大きな衝撃、つまり、フレーム22の端部22aの強度を超える衝撃が加わると、端部22aにおいてフレーム22が切断され、図5に示すように、ボール23の電子機器10に対する接合状態が解除されるのである。これにより、ボール23は、筐体11内を転がるようになり、電子機器10を振るだけで、簡単に、電子機器10に大きな衝撃が加わったことを確認することが可能である。
【0019】
したがって、修理依頼を受けた販売店等においては、電子機器10を軽く振って、ボール23が転がっていることを確認することができれば、ユーザにより電子機器10に大きな衝撃が加えられたことを判別することができるのである。また、ユーザにとっても利便性がよい。つまり、誤って電子機器10を落下させた場合に、ボール23が転がるのを確認できれば、電子機器10が故障している可能性が高いと考えられるため、早急に修理依頼すべきと判断できるのである。
【0020】
この実施の形態においては、フレーム22をプラスティック製の部材とし、その端部22aの形状を細くするようにしたが、フレーム22の端部22aとその他の部分の材質を変えるようにしてもよい。たとえば、フレーム22を金属で構成し、その端部22aのみを薄いプラスティックで構成するようにしてもよい。
【0021】
{第2の実施の形態}
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図6は、電子機器10内に衝撃検知装置30が装着された状態を示す図である。電子機器10は、第1の実施の形態と同様、携帯ゲーム機等である。
【0022】
図7は、衝撃検知装置30を拡大した図である。衝撃検知装置30は、略立方体形状のケース31と、ケース31の内壁に接合された4本のフレーム32,32・・・と、ボール33とを備えている。本実施の形態では、ケース31は、6つの壁面で内部空間を密閉しているが、ボール33が通過しない程度の孔や窓が設けられていてもよい。
【0023】
また、本実施の形態において、ケース31、フレーム32およびボール33は、プラスティック製の部材である。なお、ケース31、フレーム32およびボール33は一体成形されていてもよい。そして、図8に示すように、フレーム32は、ボール33に接合される側の端部32aが他の部分より細く形成されている。これにより、端部32aの強度が他の部分よりも弱くなっており、電子機器10に所定の大きさ以上の衝撃が加わったときには、フレーム32が端部32aにおいて切断されるよう構成されているのである。ここで、端部32aの強度をどの程度とするかは、第1の実施の形態におけるフレーム22の場合と同様である。
【0024】
図9は、電子機器10内の側面図であり、ボール33が、フレーム32に接合されている状態を示している。なお、ケース31は、筐体11に取り付け固定されている。つまり、ボール33は、フレーム32およびケース31を介して、電子機器10の筐体11に固定されている。なお、ケース31を筐体11内の他の部品に取り付けるようにしてもよい。
【0025】
そして、電子機器10が落下するなどして、電子機器10に大きな衝撃、つまり、フレーム32の端部32aの強度を超える衝撃が加わると、端部32aにおいてフレーム32が切断され、図10に示すように、ボール33のケース31に対する接合状態が解除されるのである。これにより、ボール33は、ケース31内を転がるようになり、電子機器10を振るだけで、簡単に、電子機器10に大きな衝撃が加わったことを確認することが可能である。また、ボール33は、ケース31内を転がるだけであるので、電子機器10内の他の部品に衝撃を与え、それら部品を損傷させるといった心配がない。
【0026】
したがって、修理依頼を受けた販売店等は、電子機器10を軽く振って、ボール33が転がっていることを確認することができれば、ユーザにより、電子機器10に大きな衝撃が加えられたことを判明することができる。
【0027】
この実施の形態においては、フレーム32をプラスティック製の部材とし、その端部32aの形状を細くするようにしたが、フレーム32の端部32aとその他の部分の材質を変えるようにしてもよい。たとえば、フレーム32を金属で構成し、その端部32aのみを薄いプラスティックで構成するようにしてもよい。
【0028】
また、第1および第2の実施の形態で説明したフレーム21,22,32の形状、配置は、一例であり、特に限定されるものではない。たとえば、図2で示したタイプの衝撃検知装置20を図7で示したケース31内に収納して構成してもよいし、図7で示したフレーム32とボール33とからなる部品を、ケース内に収納することなく、直接電子機器10内の構成部品に取り付けるようにしてもよい。
【0029】
{第3の実施の形態}
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図11は、衝撃検知装置40を示す図である。この衝撃検知装置40は、略立方体形状のケース41と、ケース41の内壁に接合された6個のピン42,42・・・と、ボール43とを備えている。なお、図11においては、ボール43の後ろ側(背面側)のピン42を図示省略している。このような構成の衝撃検知装置40が電子機器10の筐体11内に収納されている。その様子は、図6において示した衝撃検知装置30が電子機器10内に収納される場合と同様である。本実施の形態では、ケース41は、6つの壁面で内部空間を密閉しているが、ボール43が通過しない程度の孔や窓が設けられていてもよい。
【0030】
また、本実施の形態において、ケース41およびボール43は、プラスティック製の部材であり、ピン42は、金属製の部材である。また、ボール43は、内部が空洞で、非常に薄いプラスティックで形成されており、金属製のピン42が強くボール43に押し当てられると、ボール43の球面に孔が開き、金属製のピン42がボール43の内部に突き刺さるように構成されている。ボール43は、ウレタンなどで構成されていてもよい。つまり、大きな衝撃が加わった際、ピン42がボール43に突き刺さるように、ボール43がピン42よりも硬度の弱い部材で構成されていればよい。
【0031】
図12は、ピン42およびボール43を取り出して図示したものである。ピン42は、四角錐形状をしており、その底面がケース41の内面に接合され、その先端部がボール43に近接している。そして、ケース41内には、6つのピン42,42・・・が設けられ、それらピン42が、ボール43の上下左右前後の方向からボール43を挟持することで、ボール43を中空状態で支持しているのである。つまり、各ピン42とボール43とは接合はされておらず、6つの方向からピン42がボール43を挟持することで、ボール43を支持しているのである。
【0032】
図13(a)は、衝撃検知装置40のケース内の正面図であり、上下左右のピン42により、ボール43を挟持している様子を示している。図13(b)は、衝撃検知装置40のケース内の平面図であり、前後左右のピン42により、ボール43を挟持している様子を示している。ケース41は、第2の実施の形態におけるケース31と同様、筐体11に取り付け固定されている。あるいは、ケース41を電子機器10内の部品に取り付けるようにしてもよい。
【0033】
そして、電子機器10が落下するなどして、電子機器10に大きな衝撃が加わると、ボール43がいずれかの方向に力を受け、いずれかのピン42に押し付けられる。そして、前述したように、ボール43は、内部が空洞で薄いプラスティックあるいはウレタンなどで形成されているので、図14に示すように、押し付けられた金属製のピン42の端部42aがボール43の表面を突き破って、ボール43の内部に突き刺さるのである。
【0034】
これにより、修理依頼を受けた販売店あるいは修理工場において、電子機器10の筐体11を開けることにより、簡単に、電子機器10に大きな衝撃が加わったことを確認することが可能である。さらに、ボール43が、どのピン42に突き刺さっているかを確認することで、どの方向に強く衝撃を受けたかを確認することができる。これにより、電子機器がどの方向から落下したかを分析することにより、故障の原因が衝撃によるものであるかどうかを判断することも可能である。
【0035】
{第4の実施の形態}
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図15は、衝撃検知装置50を示す図である。この衝撃検知装置50は、略立方体形状のケース51と、ケース51の内壁に接合された6個のフレーム52,52・・・と、ボール53とを備えている。この衝撃検知装置50が電子機器10の筐体11内に収納されている。その様子は、図6で示したケース31が筐体11内に収納されている場合と同様である。本実施の形態では、ケース51は、6つの壁面で内部空間を密閉しているが、ボール53が通過しない程度の孔や窓が設けられていてもよい。
【0036】
また、本実施の形態において、ケース51およびボール53は、プラスティック製の部材であり、フレーム52は金属製の部材である。また、ボール53は、内部が空洞で、非常に薄いプラスティックで形成されており、金属製のフレーム52が強くボール53に押し当てられると、ボール53の球面に孔が開き、金属製のフレーム52がボール53の内部に突き刺さるように構成されている。ボール53は、ウレタンなどで構成されていてもよい。つまり、大きな衝撃が加わった際、フレーム52がボール53に突き刺さるように、ボール53がフレーム52よりも硬度の弱い部材で構成されていればよい。
【0037】
図16は、フレーム52およびボール53を取り出して図示したものである。フレーム52は、棒状の部材であり、その一端部がケース51の内面に接合され、その他端部がボール53に近接している。そして、ケース51内には、6つのフレーム52,52・・・が設けられ、それらフレーム52が、ボール53の上下左右前後の方向からボール53を挟持することで、ボール53を中空状態で支持しているのである。つまり、各フレーム52とボール53とは接合はされておらず、6つの方向からフレーム52がボール53を挟持することで、ボール53を支持しているのである。
【0038】
そして、電子機器10が落下するなどして、電子機器10に大きな衝撃が加わると、ボール53がいずれかの方向に力を受け、いずれかのフレーム52に押し付けられる。そして、前述したように、ボール53は、内部が空洞で薄いプラスティックあるいはウレタンなどで構成されているので、図17に示すように、押し付けられた金属製のフレーム52の端部52aがボール53の表面を突き破って、ボール53の内部に突き刺さるのである。
【0039】
これにより、修理依頼を受けた販売店あるいは修理工場において、電子機器10の筐体11を開けることにより、簡単に、電子機器10に大きな衝撃が加わったことを確認することが可能である。さらに、ボール53が、どのフレーム52に突き刺さっているかを確認することで、どの方向に強く衝撃を受けたかを確認することができる。これにより、電子機器10がどの方向から落下したかを分析することにより、故障の原因が衝撃によるものであるかどうかを判断することも可能である。
【0040】
{変形例}
第3および第4の実施の形態においては、支持部材であるピン42あるいはフレーム52により、検知部材であるボール43,53を挟持するようにした。そして、これら支持部材および検知部材は、ケース41,51に収納されるよう構成した。これら実施の形態の変形例として、支持部材および検知部材を収納するケースを設けないようにしてもよい。つまり、電子機器10の構成部品(筐体11を含む。)に直接複数の支持部材を取り付け、この支持部材により検知部材を挟持するようにしてもよい。
【0041】
たとえば、第3の実施の形態においては、ケース41の内壁に6個のピン42,42・・・を設け、これらピン42,42によりボール43を挟持するようにしたが、電子機器10の構成部品に6個のピン42,42・・・を直接取り付け、これらピン42,42・・・により、ボール43を挟持するようにしてもよい。第4の実施の形態についても同様に、電子機器10の構成部品に直接フレーム52,52・・・を取り付けて、ボール53を挟持するようにすればよい。
【0042】
なお、第3および第4の実施の形態では、検知部材であるボールがピンやフレームに突き刺さるよう構成されているので、基本的には、ボールが筐体11内で転がることはない。ただし、ボールがピンやフレームに突き刺さらない場合も想定されるので、第3および第4の実施の形態のように、ボールをケース内に収納しておく意義はある。なお、ボールがピンやフレームに突き刺さらなかった場合であっても、ボールがピンやフレームに挟持されている状態が解除され、ケース内を転がっていれば、電子機器に大きな衝撃が加えられたと判断することが可能である。
【0043】
また、上記第1〜第4の実施の形態において、検知部材であるボール23,33,43,53を保護するストッパーを設けるようにしてもよい。たとえば、樹脂製のストッパーでボールおよびフレーム等を保護および固定し、このストッパーを装着している限りにおいては、ボールの接合状態が解除されたり、ボールがピンやフレームに突き刺さったりしないようにするのである。そして、販売店等において、店員がこのストッパーを取り外して製品を購入者に受け渡すのである。このようにすれば、製品に衝撃が加えられたのが、販売後であることが明確となる。あるいは、このストッパーを外さなければ、製品の電源が入らないように構成してもよい。購入者は、製品を使用するためには、ストッパーを外さなければならないので、衝撃検知装置を必然的に有効とさせることが可能である。
【符号の説明】
【0044】
10 電子機器
11 筐体
20,30,40,50 衝撃検知装置
21,22,32,52 フレーム
23,33,43,53 ボール
31,41,51 ケース
42 ピン
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器などに加えられた衝撃を検知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯型ゲーム機、ノートパソコン、携帯情報端末、携帯音楽プレーヤなど、様々な電子機器が存在する。これら電子機器は、その性質上、ユーザが持ち歩くことが多いため、誤って落下させる場合がある。また、携帯型の機器でなくとも、機器を誤って落下させるような場合があり得る。たとえば、DVDプレーヤ、デスクトップパソコン、プリンターなどの製品を購入し、その製品を搬送する途中で落下させるような場合が考えられる。
【0003】
一方、電子機器は、非常に精密な部品で構成されているため、落下などにより衝撃が加わると故障の原因となる。一般には、ユーザの過失で製品を落下させ、製品を故障させた場合には、その修理費用はユーザが負担することになる。これに対して、ユーザが正常に使用していたにも関わらず、製品が故障した場合には、その修理費用は、保証期間内であれば、製造元あるいは販売元が負担するのが一般的である。
【0004】
たとえば、ユーザが故障した製品を販売店に持ち込んだとする。このとき、製品の筐体が割れていたり、へこんでいたりすれば、ユーザが製品を落下させるなど、製品に大きな衝撃を与えたことが明白である。このような事情であれば、正常な使用による故障とは考えられず、ユーザに費用負担をお願いした場合にも、トラブルになることはあまりない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、最近、製品の筐体の強度が非常に高くなってきたため、製品を落下させた場合にも、筐体には、簡単には傷がつかなくなっている。このため、ユーザの過失により製品を落下させ、故障が発生した場合にも、その故障の要因が落下によるものであると判別することが難しい。このため、製造元あるいは販売元は、やむなく修理費用を負担するという場合も多い。
【0006】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、電子機器などの製品に加えられた衝撃を検知する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、機器に加えられた衝撃を検知する装置であって、前記機器の筐体内部に設けられる検知部材と、前記機器内の複数箇所に設けられ、複数の方向から前記検知部材を前記機器内部で挟持する支持部材と、を備え、前記機器に所定以上の大きさの衝撃が加わった場合、前記検知部材が複数の支持部材のうち一の支持部材に突き刺さるよう構成したことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、機器に加えられた衝撃を検知する装置であって、前記機器の筐体内部に設けられる検知部材と、前記検知部材を収納し、前記機器の構成部品に固設されるケースと、前記ケース内の複数箇所に設けられ、複数の方向から前記検知部材を前記ケース内部で挟持する支持部材と、を備え、前記機器に所定以上の大きさの衝撃が加わった場合、前記検知部材が複数の支持部材のうち一の支持部材に突き刺さるよう構成したことを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の衝撃検知装置において、前記検知部材は、6個の支持部材により上下左右前後の6方向から挟持されることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の衝撃検知装置において、前記検知部材として前記支持部材よりも硬度の弱い部材を用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の衝撃検知装置は、機器内の複数箇所に設けられた支持部材により、複数の方向から検知部材を挟持したので、検知部材が一の支持部材に突き刺さっていることを確認することで、機器に大きな衝撃が加わったことを判別することが可能である。また、検知部材がいずれの支持部材に突き刺さっているかにより、どの方向に強い衝撃を受けたかを判別することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】電子機器に第1の実施の形態に係る衝撃検知装置を内装した図である。
【図2】衝撃検知装置の平面図である。
【図3】フレーム先端部の拡大図である。
【図4】ボールが接合されている状態の電子機器内の図である。
【図5】ボールの接合状態が解除されたときの電子機器内の図である。
【図6】電子機器に第2の実施の形態に係る衝撃検知装置を内装した図である。
【図7】衝撃検知装置の拡大図である。
【図8】フレーム先端の拡大図である。
【図9】ボールが接合されている状態の電子機器内の図である。
【図10】ボールの接合状態が解除されているときの電子機器内の図である。
【図11】第3の実施の形態に係る衝撃検知装置を示す図である。
【図12】ケースを除いた衝撃検知装置を示す図である。
【図13】ケースを除いた衝撃検知装置の正面図および平面図である。
【図14】衝撃発生時におけるピンとボールの状態図である。
【図15】第4の実施の形態に係る衝撃検知装置を示す図である。
【図16】ケースを除いた衝撃検知装置を示す図である。
【図17】衝撃発生時におけるフレームとボールの状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
{第1の実施の形態}
以下、図面を参照しつつ本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は、電子機器10内に衝撃検知装置20が装着された状態を示す図である。電子機器10は、たとえば、携帯ゲーム機、ノートパソコン、携帯情報端末などであり、筐体11の中に様々な電子部品、機械部品を収納している。
【0014】
図2は、衝撃検知装置20の平面図である。衝撃検知装置20は、図1および図2に示すように、四角形の枠を形成するフレーム21と、そのフレーム21の内側に接合された2本のフレーム22,22と、その2本のフレーム22,22の端部に挟まれるようにして接合されたボール23とを備えている。
【0015】
本実施の形態においては、フレーム21,22およびボール23は、プラスティック製の部材である。なお、フレーム21,22およびボール23は一体成形されていてもよい。そして、図3に示すように、フレーム22は、ボール23に接合される側の端部22aが他の部分より細く形成されている。これにより、端部22aの強度が他の部分よりも弱くなっており、電子機器10に所定の大きさ以上の衝撃が加わったときには、フレーム22が端部22aにおいて切断されるよう構成されているのである。
【0016】
ここで、端部22aの強度をどの程度とするかは、電子機器10の許容する衝撃の大きさに応じて決定すればよい。たとえば、電子機器10の内装部品が非常に衝撃に弱い部品であれば、端部22aの強度も非常に弱くする必要がある。逆に、電子機器10の内装部品が衝撃に比較的強いのであれば、端部22aの強度を比較的強くしてもよい。あるいは、50cmの高さから落下させた衝撃により切断されるような強度とするとか、1mの高さから落下させた衝撃により切断されるような強度とするなど、衝撃が加わる状況を想定し、それら想定される状況を基準として、強度を算定してもよい。逆に言えば、電子機器10に加えてはならない衝撃を加えた場合には、フレーム22が切断されるように端部22aの強度を決定すればよい。
【0017】
図4は、電子機器10内の側面図であり、ボール23が、フレーム22に接合されている状態を示している。なお、フレーム21は、筐体11内に収納されている電子機器10の部品12に取り付け固定されている。つまり、ボール23は、フレーム22およびフレーム21を介して、電子機器10内の構成部品(部品12あるいは筐体11)に固定されている。
【0018】
そして、電子機器10が落下するなどして、電子機器10に大きな衝撃、つまり、フレーム22の端部22aの強度を超える衝撃が加わると、端部22aにおいてフレーム22が切断され、図5に示すように、ボール23の電子機器10に対する接合状態が解除されるのである。これにより、ボール23は、筐体11内を転がるようになり、電子機器10を振るだけで、簡単に、電子機器10に大きな衝撃が加わったことを確認することが可能である。
【0019】
したがって、修理依頼を受けた販売店等においては、電子機器10を軽く振って、ボール23が転がっていることを確認することができれば、ユーザにより電子機器10に大きな衝撃が加えられたことを判別することができるのである。また、ユーザにとっても利便性がよい。つまり、誤って電子機器10を落下させた場合に、ボール23が転がるのを確認できれば、電子機器10が故障している可能性が高いと考えられるため、早急に修理依頼すべきと判断できるのである。
【0020】
この実施の形態においては、フレーム22をプラスティック製の部材とし、その端部22aの形状を細くするようにしたが、フレーム22の端部22aとその他の部分の材質を変えるようにしてもよい。たとえば、フレーム22を金属で構成し、その端部22aのみを薄いプラスティックで構成するようにしてもよい。
【0021】
{第2の実施の形態}
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図6は、電子機器10内に衝撃検知装置30が装着された状態を示す図である。電子機器10は、第1の実施の形態と同様、携帯ゲーム機等である。
【0022】
図7は、衝撃検知装置30を拡大した図である。衝撃検知装置30は、略立方体形状のケース31と、ケース31の内壁に接合された4本のフレーム32,32・・・と、ボール33とを備えている。本実施の形態では、ケース31は、6つの壁面で内部空間を密閉しているが、ボール33が通過しない程度の孔や窓が設けられていてもよい。
【0023】
また、本実施の形態において、ケース31、フレーム32およびボール33は、プラスティック製の部材である。なお、ケース31、フレーム32およびボール33は一体成形されていてもよい。そして、図8に示すように、フレーム32は、ボール33に接合される側の端部32aが他の部分より細く形成されている。これにより、端部32aの強度が他の部分よりも弱くなっており、電子機器10に所定の大きさ以上の衝撃が加わったときには、フレーム32が端部32aにおいて切断されるよう構成されているのである。ここで、端部32aの強度をどの程度とするかは、第1の実施の形態におけるフレーム22の場合と同様である。
【0024】
図9は、電子機器10内の側面図であり、ボール33が、フレーム32に接合されている状態を示している。なお、ケース31は、筐体11に取り付け固定されている。つまり、ボール33は、フレーム32およびケース31を介して、電子機器10の筐体11に固定されている。なお、ケース31を筐体11内の他の部品に取り付けるようにしてもよい。
【0025】
そして、電子機器10が落下するなどして、電子機器10に大きな衝撃、つまり、フレーム32の端部32aの強度を超える衝撃が加わると、端部32aにおいてフレーム32が切断され、図10に示すように、ボール33のケース31に対する接合状態が解除されるのである。これにより、ボール33は、ケース31内を転がるようになり、電子機器10を振るだけで、簡単に、電子機器10に大きな衝撃が加わったことを確認することが可能である。また、ボール33は、ケース31内を転がるだけであるので、電子機器10内の他の部品に衝撃を与え、それら部品を損傷させるといった心配がない。
【0026】
したがって、修理依頼を受けた販売店等は、電子機器10を軽く振って、ボール33が転がっていることを確認することができれば、ユーザにより、電子機器10に大きな衝撃が加えられたことを判明することができる。
【0027】
この実施の形態においては、フレーム32をプラスティック製の部材とし、その端部32aの形状を細くするようにしたが、フレーム32の端部32aとその他の部分の材質を変えるようにしてもよい。たとえば、フレーム32を金属で構成し、その端部32aのみを薄いプラスティックで構成するようにしてもよい。
【0028】
また、第1および第2の実施の形態で説明したフレーム21,22,32の形状、配置は、一例であり、特に限定されるものではない。たとえば、図2で示したタイプの衝撃検知装置20を図7で示したケース31内に収納して構成してもよいし、図7で示したフレーム32とボール33とからなる部品を、ケース内に収納することなく、直接電子機器10内の構成部品に取り付けるようにしてもよい。
【0029】
{第3の実施の形態}
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図11は、衝撃検知装置40を示す図である。この衝撃検知装置40は、略立方体形状のケース41と、ケース41の内壁に接合された6個のピン42,42・・・と、ボール43とを備えている。なお、図11においては、ボール43の後ろ側(背面側)のピン42を図示省略している。このような構成の衝撃検知装置40が電子機器10の筐体11内に収納されている。その様子は、図6において示した衝撃検知装置30が電子機器10内に収納される場合と同様である。本実施の形態では、ケース41は、6つの壁面で内部空間を密閉しているが、ボール43が通過しない程度の孔や窓が設けられていてもよい。
【0030】
また、本実施の形態において、ケース41およびボール43は、プラスティック製の部材であり、ピン42は、金属製の部材である。また、ボール43は、内部が空洞で、非常に薄いプラスティックで形成されており、金属製のピン42が強くボール43に押し当てられると、ボール43の球面に孔が開き、金属製のピン42がボール43の内部に突き刺さるように構成されている。ボール43は、ウレタンなどで構成されていてもよい。つまり、大きな衝撃が加わった際、ピン42がボール43に突き刺さるように、ボール43がピン42よりも硬度の弱い部材で構成されていればよい。
【0031】
図12は、ピン42およびボール43を取り出して図示したものである。ピン42は、四角錐形状をしており、その底面がケース41の内面に接合され、その先端部がボール43に近接している。そして、ケース41内には、6つのピン42,42・・・が設けられ、それらピン42が、ボール43の上下左右前後の方向からボール43を挟持することで、ボール43を中空状態で支持しているのである。つまり、各ピン42とボール43とは接合はされておらず、6つの方向からピン42がボール43を挟持することで、ボール43を支持しているのである。
【0032】
図13(a)は、衝撃検知装置40のケース内の正面図であり、上下左右のピン42により、ボール43を挟持している様子を示している。図13(b)は、衝撃検知装置40のケース内の平面図であり、前後左右のピン42により、ボール43を挟持している様子を示している。ケース41は、第2の実施の形態におけるケース31と同様、筐体11に取り付け固定されている。あるいは、ケース41を電子機器10内の部品に取り付けるようにしてもよい。
【0033】
そして、電子機器10が落下するなどして、電子機器10に大きな衝撃が加わると、ボール43がいずれかの方向に力を受け、いずれかのピン42に押し付けられる。そして、前述したように、ボール43は、内部が空洞で薄いプラスティックあるいはウレタンなどで形成されているので、図14に示すように、押し付けられた金属製のピン42の端部42aがボール43の表面を突き破って、ボール43の内部に突き刺さるのである。
【0034】
これにより、修理依頼を受けた販売店あるいは修理工場において、電子機器10の筐体11を開けることにより、簡単に、電子機器10に大きな衝撃が加わったことを確認することが可能である。さらに、ボール43が、どのピン42に突き刺さっているかを確認することで、どの方向に強く衝撃を受けたかを確認することができる。これにより、電子機器がどの方向から落下したかを分析することにより、故障の原因が衝撃によるものであるかどうかを判断することも可能である。
【0035】
{第4の実施の形態}
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図15は、衝撃検知装置50を示す図である。この衝撃検知装置50は、略立方体形状のケース51と、ケース51の内壁に接合された6個のフレーム52,52・・・と、ボール53とを備えている。この衝撃検知装置50が電子機器10の筐体11内に収納されている。その様子は、図6で示したケース31が筐体11内に収納されている場合と同様である。本実施の形態では、ケース51は、6つの壁面で内部空間を密閉しているが、ボール53が通過しない程度の孔や窓が設けられていてもよい。
【0036】
また、本実施の形態において、ケース51およびボール53は、プラスティック製の部材であり、フレーム52は金属製の部材である。また、ボール53は、内部が空洞で、非常に薄いプラスティックで形成されており、金属製のフレーム52が強くボール53に押し当てられると、ボール53の球面に孔が開き、金属製のフレーム52がボール53の内部に突き刺さるように構成されている。ボール53は、ウレタンなどで構成されていてもよい。つまり、大きな衝撃が加わった際、フレーム52がボール53に突き刺さるように、ボール53がフレーム52よりも硬度の弱い部材で構成されていればよい。
【0037】
図16は、フレーム52およびボール53を取り出して図示したものである。フレーム52は、棒状の部材であり、その一端部がケース51の内面に接合され、その他端部がボール53に近接している。そして、ケース51内には、6つのフレーム52,52・・・が設けられ、それらフレーム52が、ボール53の上下左右前後の方向からボール53を挟持することで、ボール53を中空状態で支持しているのである。つまり、各フレーム52とボール53とは接合はされておらず、6つの方向からフレーム52がボール53を挟持することで、ボール53を支持しているのである。
【0038】
そして、電子機器10が落下するなどして、電子機器10に大きな衝撃が加わると、ボール53がいずれかの方向に力を受け、いずれかのフレーム52に押し付けられる。そして、前述したように、ボール53は、内部が空洞で薄いプラスティックあるいはウレタンなどで構成されているので、図17に示すように、押し付けられた金属製のフレーム52の端部52aがボール53の表面を突き破って、ボール53の内部に突き刺さるのである。
【0039】
これにより、修理依頼を受けた販売店あるいは修理工場において、電子機器10の筐体11を開けることにより、簡単に、電子機器10に大きな衝撃が加わったことを確認することが可能である。さらに、ボール53が、どのフレーム52に突き刺さっているかを確認することで、どの方向に強く衝撃を受けたかを確認することができる。これにより、電子機器10がどの方向から落下したかを分析することにより、故障の原因が衝撃によるものであるかどうかを判断することも可能である。
【0040】
{変形例}
第3および第4の実施の形態においては、支持部材であるピン42あるいはフレーム52により、検知部材であるボール43,53を挟持するようにした。そして、これら支持部材および検知部材は、ケース41,51に収納されるよう構成した。これら実施の形態の変形例として、支持部材および検知部材を収納するケースを設けないようにしてもよい。つまり、電子機器10の構成部品(筐体11を含む。)に直接複数の支持部材を取り付け、この支持部材により検知部材を挟持するようにしてもよい。
【0041】
たとえば、第3の実施の形態においては、ケース41の内壁に6個のピン42,42・・・を設け、これらピン42,42によりボール43を挟持するようにしたが、電子機器10の構成部品に6個のピン42,42・・・を直接取り付け、これらピン42,42・・・により、ボール43を挟持するようにしてもよい。第4の実施の形態についても同様に、電子機器10の構成部品に直接フレーム52,52・・・を取り付けて、ボール53を挟持するようにすればよい。
【0042】
なお、第3および第4の実施の形態では、検知部材であるボールがピンやフレームに突き刺さるよう構成されているので、基本的には、ボールが筐体11内で転がることはない。ただし、ボールがピンやフレームに突き刺さらない場合も想定されるので、第3および第4の実施の形態のように、ボールをケース内に収納しておく意義はある。なお、ボールがピンやフレームに突き刺さらなかった場合であっても、ボールがピンやフレームに挟持されている状態が解除され、ケース内を転がっていれば、電子機器に大きな衝撃が加えられたと判断することが可能である。
【0043】
また、上記第1〜第4の実施の形態において、検知部材であるボール23,33,43,53を保護するストッパーを設けるようにしてもよい。たとえば、樹脂製のストッパーでボールおよびフレーム等を保護および固定し、このストッパーを装着している限りにおいては、ボールの接合状態が解除されたり、ボールがピンやフレームに突き刺さったりしないようにするのである。そして、販売店等において、店員がこのストッパーを取り外して製品を購入者に受け渡すのである。このようにすれば、製品に衝撃が加えられたのが、販売後であることが明確となる。あるいは、このストッパーを外さなければ、製品の電源が入らないように構成してもよい。購入者は、製品を使用するためには、ストッパーを外さなければならないので、衝撃検知装置を必然的に有効とさせることが可能である。
【符号の説明】
【0044】
10 電子機器
11 筐体
20,30,40,50 衝撃検知装置
21,22,32,52 フレーム
23,33,43,53 ボール
31,41,51 ケース
42 ピン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器に加えられた衝撃を検知する装置であって、
前記機器の筐体内部に設けられる検知部材と、
前記機器内の複数箇所に設けられ、複数の方向から前記検知部材を前記機器内部で挟持する支持部材と、
を備え、
前記機器に所定以上の大きさの衝撃が加わった場合、前記検知部材が複数の支持部材のうち一の支持部材に突き刺さるよう構成したことを特徴とする衝撃検知装置。
【請求項2】
機器に加えられた衝撃を検知する装置であって、
前記機器の筐体内部に設けられる検知部材と、
前記検知部材を収納し、前記機器の構成部品に固設されるケースと、
前記ケース内の複数箇所に設けられ、複数の方向から前記検知部材を前記ケース内部で挟持する支持部材と、
を備え、
前記機器に所定以上の大きさの衝撃が加わった場合、前記検知部材が複数の支持部材のうち一の支持部材に突き刺さるよう構成したことを特徴とする衝撃検知装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の衝撃検知装置において、
前記検知部材は、6個の支持部材により上下左右前後の6方向から挟持されることを特徴とする衝撃検知装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の衝撃検知装置において、
前記検知部材として前記支持部材よりも硬度の弱い部材を用いることを特徴とする衝撃検知装置。
【請求項1】
機器に加えられた衝撃を検知する装置であって、
前記機器の筐体内部に設けられる検知部材と、
前記機器内の複数箇所に設けられ、複数の方向から前記検知部材を前記機器内部で挟持する支持部材と、
を備え、
前記機器に所定以上の大きさの衝撃が加わった場合、前記検知部材が複数の支持部材のうち一の支持部材に突き刺さるよう構成したことを特徴とする衝撃検知装置。
【請求項2】
機器に加えられた衝撃を検知する装置であって、
前記機器の筐体内部に設けられる検知部材と、
前記検知部材を収納し、前記機器の構成部品に固設されるケースと、
前記ケース内の複数箇所に設けられ、複数の方向から前記検知部材を前記ケース内部で挟持する支持部材と、
を備え、
前記機器に所定以上の大きさの衝撃が加わった場合、前記検知部材が複数の支持部材のうち一の支持部材に突き刺さるよう構成したことを特徴とする衝撃検知装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の衝撃検知装置において、
前記検知部材は、6個の支持部材により上下左右前後の6方向から挟持されることを特徴とする衝撃検知装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の衝撃検知装置において、
前記検知部材として前記支持部材よりも硬度の弱い部材を用いることを特徴とする衝撃検知装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−102814(P2011−102814A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32752(P2011−32752)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【分割の表示】特願2005−248766(P2005−248766)の分割
【原出願日】平成17年8月30日(2005.8.30)
【出願人】(591128453)株式会社メガチップス (322)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【分割の表示】特願2005−248766(P2005−248766)の分割
【原出願日】平成17年8月30日(2005.8.30)
【出願人】(591128453)株式会社メガチップス (322)
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