説明

衣服吊下げ保持装置及びサスペンダー装置

【課題】上衣服の装着状態を維持しつつ、容易に下衣服を降ろせることができ、かつ、降ろす前の状態にも容易に戻す。
【解決手段】ベスト10に取り付けた上ベルト22と、雨合羽ズボン12に取り付けた下ベルト32とを、着脱具30を介して連結し、必要に応じて、着脱具のオス部34とメス部30とを離脱させることで、雨合羽ズボン12の上げ降ろし作業を容易に行うことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣服吊下げ保持装置及びサスペンダー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一般に使用されているサスペンダーは後ろ2ヶ所(1箇所もある)と前2箇所を固定している(一例として、特許文献1参照)。
【0003】
このような構成のサスペンダーにおいて、着脱具がサスペンダーベルトにより両肩を通して繋がっているため、ズボンを下ろす時に前と後ろの脱着具を同時に取外し出来ず、脱着具がズレることが多い。
【0004】
また、ズボンを履く時にサスペンダーの着脱具を容易に固定することが出来ない、ときにはサスペンダーを再度両肩に通し直す必要がある、落下しないように注意する必要がある、等々の煩雑さがあった。
【0005】
ここで、サスペンダー付き合羽(ズボン)の後ろは固定され、前に2箇所の脱着具の方式で、雨等侵入防止のため前チャックが無いものが多く、生理的現象に対応する時にもサスペンダーを両肩より後ろへ外す必要があり、取り付けるときは上着(合羽)を着ている時は上着の中より両肩へ通す時ため非常に大変であった。
【特許文献1】特開2005−120556公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、上衣服の装着状態を維持しつつ、容易に下衣服を降ろせることができ、かつ、降ろす前の状態にも容易に戻すことができる衣服吊下げ保持装置及びサスペンダー装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、互いに着脱可能な一対の着脱部材を備えた着脱具と、一端部が上衣服における脇下部から腰部にかけた領域に取り付けられ、他端部に前記一方の着脱部材が取り付けられた吊下げ本体部と、一端部が下衣服の上部開口端に取り付けられ、他端部に前記他方の着脱部材が取り付けられた吊下げ補助具と、を有することを特徴としている。
【0008】
第1の発明によれば、吊下げ本体部が上衣服に取り付けられ、吊下げ補助具が下衣服に取り付けられ、この吊下げ本体部と吊下げ補助具とが、着脱可能な一対の着脱部材を備えた着脱具によって連結されているため、吊下げ本体部の上衣服への取り付け状態、或いは吊下げ補助具の下衣服への取り付け状態を維持して、両者を分離することができる。
【0009】
また、第2の発明は、両肩部に通すための一対の環状部が設けられこの環状部が前記両肩部に装着されることで保持状態となる肩掛け保持具と、互いに着脱可能な一対の着脱部材を備えた着脱具と、一端部が前記肩掛け保持具の下端部に一端部が取り付けられ、他端部に前記一方の着脱部材が取り付けられた吊下げ本体部と、一端部が下衣服の上部開口端に取り付けられ、他端部に前記他方の着脱部材が取り付けられた吊下げ補助具と、を有することを特徴としている。
【0010】
第2の発明によれば、吊下げ本体部が肩掛け保持具に取り付けられ、吊下げ補助具が下衣服に取り付けられ、この吊下げ本体部と吊下げ補助具とが、着脱可能な一対の着脱部材を備えた着脱具によって連結されているため、吊下げ本体部の肩掛け保持具への取り付け状態、或いは吊下げ補助具の下衣服への取り付け状態を維持して、両者を分離することができる。
【0011】
上記第2の発明において、前記一対の環状部同士を互いに連結することで、前記保持状態を安定させる安定部をさらに有することを特徴としている。
【0012】
安定部での安定状態を維持したまま、吊下げ補助具を分離することができるため、下衣服の上げ降ろしが容易となる。
【0013】
第1の発明又は第2の発明において、前記着脱部材の一方又は他方が弾性力で係合するロック爪であり、前記着脱部材の他方又は一方が前記ロック爪が係止される係止部であり、前記吊下げ本体部と前記吊下げ補助具の互いの連結動作に連動してロック爪が弾性変形することで係止部に係止し、外部からのロック爪への前記弾性力に抗した操作により係止部への係止状態が解除されることを特徴としている。
【0014】
着脱具として弾性力で係合するロック爪と係止部を備えることで、所謂ワンタッチでの着脱が可能となり、操作性がさらに向上する。
【0015】
第1の発明又は第2の発明において、前記吊下げ補助具には、前記着脱具と前記下衣服への取付機能を兼ねる複数のボタンホールが設けられた連結領域が設けられ、前記ボタンホールを選択的に下衣服に設けられたボタンに装着することで前記下衣服の高さ調整を可能とすることでを特徴としている。
【0016】
下衣服の高さ調整を兼ねるので、作業性がさらに向上する。
【0017】
第1の発明又は第2の発明において、前記吊下げ補助具と下衣服とのそれぞれに、前記着脱具と前記下衣服への取付機能を兼ねるフック部又はループ部で構成される面ファスナーが設けられ、選択的にフック部とループ部との装着位置を変更する前記下衣服の高さ調整を可能とすることを特徴としている。
【0018】
下衣服の高さ調整を兼ねるので、作業性がさらに向上する。また、調整幅が連続的に変更できる利点を持つ。
【0019】
第1の発明又は第2の発明において、前記吊下げ補助具が、前記下衣服にクリップで取り付けられていることを特徴としている。
【0020】
簡易的な構造であり、操作も簡単であり、かつコストダウンにつながる。
【0021】
第3の発明は、ベスト両脇の下にベルトとベルト脱着具の一方を取り付け、下衣服側面の上部には前記脱着具の他方を取り付けることにより、容易に下衣服を分離できる機能を持ったことを特徴としている。
【0022】
第4の発明は、左右の肩に環状のベルトとその環状のベルトに結ばれた左右を結ぶベルトにより両肩に安定させ、安定したその環状の下部よりベルトとベルト脱着具の片方を取り付け、一方は下衣服側面上部へその脱着具の相棒を取り付けることにより、脱着具により容易に下衣服を分離できる機能を持ったことを特徴としている。
【0023】
第3の発明又は第4の発明において、前記着脱具が、前記下衣服側面の上部への連結を兼ねる、ボタンホールとボタンとで構成されていることを特徴としている。
【0024】
第3の発明又は第4の発明において、前記着脱具が、前記下衣服側面の上部への連結を兼ねる、面ファスナーで構成されていることを特徴としている。
【0025】
第3の発明又は第4の発明において、前記着脱具が、挟み式接続具により前記下衣服側面の上部へ連結されていることを特徴としている。
【0026】
下衣服(例えば、ズボン)の両側面を吊り上げる手段を持った構造において、上衣服(例えば、ベスト)の両側面より下衣服の両側面を接続具で吊り上げる構造であり、サスペンダーの脱着操作を容易にしたものである。
【0027】
なお、上衣服に替わり合羽の内側に接続具を取り付けても良い。
【0028】
また、両肩に環状のベルトを掛けて、その両環状のベルト同士を結ぶベルトにより肩に安定させ、安定したその環状の下部にベルトと接続具で下衣服の両側面を吊り上げる手段を持たせてもよい。
【0029】
本構成によれば、サイドに脱着具があるため、上衣服を着たままでも、上衣服の裾を持ち上げるだけで着脱具の脱着に寄与することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、上衣服の装着状態を維持しつつ、容易に下衣服を降ろせることができ、かつ、降ろす前の状態にも容易に戻すことができる。
【0031】
例えば、雨が降っているときに雨合羽の上着を脱がずに容易にズボンを下ろすことが可能となり、濡れることが少なくなる。通常のズボンを履いている時も効果は大きく、大便をするとき上着をそのまま着ていられ、サスペンダーがずれて落下することもなくなり、ズボンを履く時には容易にサスペンダーを接続することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
(第1の実施の形態)
図1乃至図3には、本発明の衣服吊下げ保持装置及びサスペンダー装置の第1の実施の形態が示されている。
【0033】
第1の実施の形態では、上衣服としてベスト10、下衣服として雨合羽ズボン12が適用されている。
【0034】
ベスト10は、前開きタイプであり、装着者14が着用する場合には、ファスナー16のエレメント(ボールとカップリング)16Aを、コネクタ16Bのスライドによって離脱した状態とし、着用後にコネクタ16Bを上にスライドさせることで、エレメントを連結する。なお、図1では、下から約1/2までコネクタ16Bをスライドさせた状態を示している。
【0035】
ベスト10の両側面、すなわち、装着者14の脇の下部14A、腰部14Bより上部にサスペンダーの吊下げ本体部を構成する上ベルト22の一端部が固定されている。
【0036】
この上ベルト22の一端部は、予めベスト14に布材24を介して縫製された矩形リング26に通すことによって巻き掛けられるようにして固定されている(図2参照)。
【0037】
図2及び図3に示される如く、上ベルト22の他端部は、着脱部28の一方(メス部30)が取り付けられている。
【0038】
前記雨合羽ズボン12の上部開口端の両側部(装着者14の腰骨が突き出ている近傍)には、吊下げ補助具を構成する下ベルト32の一端部が固定されている。また、この下ベルト32の一端部は、雨合羽ズボン12の内側に縫合されている(図2参照)。
【0039】
図2及び図3に示される如く、下ベルト32の他端部は、着脱部28の他方(オス部34)が取り付けられている。
【0040】
上ベルト22が取り付けられた着脱部28のメス部30は、内容が空洞とされた直方体形状であり、図3の両側面は、略台形の切欠部30Aが形成され、内方空間と連通している。
【0041】
一方、下ベルト32が取り付けられた着脱部28のオス部34は、所謂フォーク状に3本の突起部34L、34C、34Rが形成されている。中央の突起部34Cがガイド部として役目を有しており、前記メス部30の空洞内に設けられた案内レール(図示省略)に沿って移動することで、オス部30とメス部34との装着時の相対位置を維持することができる。
【0042】
また、両側の突起部34L、34Rは、弾性力で図3の左右に変形可能な爪部として役目を有している。この突起部34L、34Rは、メス部30への挿入時に挿入開口に当接することで、互いに接近する方向に弾性変形し、前記切欠部30Aに到達すると、当該弾性変形が解除され、切欠部30Aに係止されるようになっている。すなわち、切欠部30Aは、係止部としての役目を有することになり、突起部34L、34Rが切欠部30Aに収容されている状態では、オス部34とメス部30とは係合状態が維持される。
【0043】
また、突起部34L、34Rをメス部30の内側へ押圧操作すると、突起部34L、34Rが弾性変形して、メス部30からの取り外しが可能となる。
【0044】
すなわち、例えば、生理的現象に伴い、雨合羽ズボン12を降ろすときの動作は、サスペンダーはそのまま(ベスト10を着用したまま)、着脱部28のオス部34とメス部30とを離脱させるのみとなる。
【0045】
以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0046】
第1の実施の形態では、ベスト10と雨合羽ズボン12とは対で持ち運び、ベスト10は予め着用していてもよいし、雨合羽スボン12の着用と同時に着用してもよい。
【0047】
雨合羽ズボン12を着用する必要が生じたとき、まず、ベスト10を着用していない場合は、これを着用する。このとき、雨合羽スボン12とは無関係に着用可能であるため、装着者14は、ファスナー16のエレメント(ボールとカップリング)16Aを、コネクタ16Bをスライドさせて離脱した状態とし、着用後にコネクタ16Bを上にスライドさせることで、エレメントを連結する。
【0048】
次に、雨合羽スボン12を着用すると、ベスト10側に取り付けられた上ベルト22と、雨合羽ズボン12側に取り付けられた下ベルト32とが上下で対向する位置となる。
【0049】
この状態で、着脱具28のメス部30の空洞に対して、オス部34の突起部34L、34C、34Rを挿入する。この挿入動作に伴って、中央の突起部34Cにより挿入方向が案内されるため、特に注視することなく円滑に挿入動作を行うことができる。
【0050】
また、この挿入動作に伴って、左右の突起部34L、34Rが互いに内側に弾性変形し、メス部30の切欠部30Aに到達すると、弾性変形が解除され、切欠部30Aに係止される。
【0051】
これにより、着脱部28のオス部34とメス部30とは係合状態が維持され、雨合羽スボン12は、ベスト10に吊り下げされた状態で保持される。
【0052】
次に、雨合羽スボン12を着用しているときに、生理的現象等の理由で雨合羽ズボンを降ろす必要が生じると、従来、サスペンダーを用いているため、全て(例えば、後ろ1箇所、前2箇所)の係合を解除して、完全分離しなければならなかった。
【0053】
これに対して第1の実施の形態では、上ベルト22と下ベルト32との間に着脱具30を設け、容易に着脱可能に連結してあるため、必要に応じて、この着脱具30のオス部34とメス部30とを離脱すればよい。
【0054】
より具体的には、オス部34の突起部34L、34Rを内側に押圧操作する。これにより、突起部34L、34Rが弾性変形し、切欠部30Aとの係止状態が解除される。この状態で、オス部34をメス部30から引き抜くことで、上ベルト22と下ベルト32とを容易に分離することができ、結果として、雨合羽スボン12がベスト10から分離される。
【0055】
このように、第1の実施の形態では、ベスト10に取り付けた上ベルト22と、雨合羽ズボン12に取り付けた下ベルト32とを、着脱具30を介して連結し、必要に応じて、着脱具のオス部34とメス部30とを離脱させることで、雨合羽ズボン12の上げ降ろし作業を容易に行うことが可能となる。
【0056】
なお、上衣服はベスト10に限らず、下着類や上着類、チャツ、セーター等であってもよい。また、下衣服も雨合羽スボン12に限らず、通常のスボン、スカート等であってもよい。
【0057】
(第2の実施の形態)
以下に本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、前記第1の実施の形態と同一構成部分については同一の符号を付して、その構成の説明を省略する。
【0058】
図4及び図5に示される如く、第2の実施の形態は、前記第1の実施の形態で示したベスト10(図1参照)に代わりに、肩掛け保持具50が設けられている。
【0059】
肩掛け保持部50は、右肩用リングベルト50Aと左肩用リングベルト50Bを備えている。右肩用リングベルト50Aと左肩用リングベルト50Bの間には、後安定用ベルト50Cで掛け渡されている。この後安定用ベルト50Cは、装着者14(図1参照、図4では図示省略)が装着したときの両肩からのズレを防止する。
【0060】
また、右肩用リングベルト50Aと左肩用リングベルト50Bとの間には、前安定用ベルト50Dが掛け渡されている。この前安定用ベルト50Dには、長さ調整付脱着具50Eが取り付けられている。この長さ調整付脱着具50Eにより、装着者14は、装着状態を所望の状態に調整でき、かつ着脱が容易となる。
【0061】
図4及び図5に示される如く、右肩用リングベルト50Aと左肩用リングベルト50Bのそれぞれの下端部には、上ベルト22の上端部が取り付けられている(なお、右肩用リングベルト50Aと左肩用リングベルト50Bと上ベルト22とは同一材料であってもよい)。この上ベルト22の下端部は、着脱具28のメス部30が長さ調整可能に取り付けられている。
【0062】
着脱具28のオス部34は、下ベルト32の上端に取り付けられ、当該下ベルト32の下端部は下衣服(例えば、雨合羽ズボン12)の側面上部に取り付けられている。
【0063】
この第2の実施の形態によれば、ベスト10(図1参照)が不要であり、他の上衣類が下層側、或いは上層側にあっても違和感がなく、予め右肩用リングベルト50Aと左肩用リングベルト50Bとを両肩に通し、前安定用ベルト50Dの長さ調整付着脱具50Eにより装着しておくことができる。
【0064】
この状態で、雨合羽スボン12を履く必要が生じた場合、単純に雨合羽ズボン12を履き、着脱具28のオス部34とメス部30とを連結することで、雨合羽スボン12の落下を防止し、常に正しく装着させておくことができる。
【0065】
さらに、この雨合羽ズボン12を脱ぐときは、逆に着脱具28のオス部34とメス部30とを離脱すればよい。
【0066】
(第3の実施の形態)
以下に本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、前記第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同一構成部分については同一の符号を付して、その構成の説明を省略する。
【0067】
第3の実施の形態は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態において、下ベルト32を雨合羽ズボン12に取り付ける手段(縫合処理)と、上ベルト22との連結手段(着脱具28)と、別々に設けていたのに対し、これらを共通化した点に特徴がある。
【0068】
図6(A)に示される如く、この第3の実施の形態では、上ベルト22と下ベルト32(図1等参照)の区別がなく、単体のベルト52が設けられ、このベルト52の上端に、第1の実施の形態であればベスト10(図1参照)、第2の実施の形態であれば左肩用リングベルト50A又は右肩用リングベルト50Bが取り付けられている。
【0069】
このベルト52には、長手方向(上下方向)に沿って複数のボタンホール52A〜52Eが設けられている。
【0070】
一方、下衣服(例えば、雨合羽スボン12)の上端開口端の内側には、ボタン54が縫合されている。
【0071】
このボタン54は、前記ベルト52のボタンホール52A〜52Eに対応しており、選択的に所望のボタンホール52A〜52Eへボタン54をセットすることが可能となっている(図6(B)参照)。
【0072】
この第3の実施の形態において、このボタン54のボタンホール52A〜52Eへの装着により、雨合羽ズボン12を吊り上げるようにしたものである。ボタンホール52A〜52Eを高さ方向に数個設けることにより、吊り上げる長さを調整することができる。
【0073】
ベルト52は、ベスト10の場合に内側に取り付けてもよいし、外側に取り付けても良い。さらに、ベスト10に限らず、上着の内側へ取り付けても同様の効果を得られる。
【0074】
(第4の実施の形態)
以下に本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、前記第1の実施の形態乃至第3の実施の形態と同一構成部分については同一の符号を付して、その構成の説明を省略する。
【0075】
第4の実施の形態は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態における着脱具28の変形例である。
【0076】
図7に示される如く、この第4の実施の形態では、上ベルト22と下ベルト32が重なる領域を高さ調整領域とし、この領域に面ファスナ56のフック部58とループ部60を設けた。例えば、図7に示される如く、上ベルト22にフック部58が取り付けられ、下ベルト32にループ部60が取り付けられている。
【0077】
この第4の実施の形態において、下衣服(雨合羽スボン12等)を履き、その後、上ベルト22と下ベルト32とを重ね合わせることで、面ファスナ56のフック部58とループ部58とが互いに係合し合い、この係合力によって、雨合羽ズボン12を吊り上げることができる。このとき、上ベルト22と下ベルト32との重ね合わせ量を変更することで、簡単に吊り上げる長さを調整することができる。
【0078】
なお、上ベルト22は、ベスト10の場合に内側に取り付けてもよいし、外側に取り付けても良い。さらに、ベスト10に限らず、上着の内側へ取り付けても同様の効果を得られる。
【0079】
なお、下ベルト32を下衣服(雨合羽ズボン12等)に取り付ける場合に、上記第1の実施の形態や第2の実施の形態では、縫合処理で固定したが、図8に示される如く、汎用のクリップ58を用いて、下衣類(雨合羽ズボン12等)の上端に挟持固定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】第1の実施の形態に係るサスペンダーの装着状態を示す概略図である。
【図2】第1の実施の形態に係るサスペンダーの側面図である。
【図3】図2の右側面図である。
【図4】第2の実施の形態に係るサスペンダーの装着状態を示す概略図である。
【図5】第2の実施の形態に係るサスペンダーの概念図である。
【図6】第3の実施の形態に係るサスペンダーを示し、(A)はボタンをボタンホールに装着する前、(B)はボタンをボタンホールに装着した後を示す。
【図7】第4の実施の形態に係るサスペンダーの着脱具の側面図である。
【図8】下ベルトと下衣類との取り付け状態の変形例に係る斜視図である。
【符号の説明】
【0081】
10 ベスト(上衣服)
12 雨合羽ズボン(下衣服)
14 装着者
16 ファスナー
16A エレメント
16B コネクタ
14A 下部
14B 腰部
22 上ベルト(吊下げ補本体部)
24 布材(吊下げ本体部)
26 矩形リング(吊下げ本体部)
28 着脱部
30 メス部
32 下ベルト(吊下げ補助具)
360A 切欠部
34 オス部
34L、34C、34R 突起部
50 肩掛け保持具
50A 右肩用リングベルト
50B 左肩用リングベルト
50C 後安定用ベルト
50D 前安定用ベルト
50E 長さ調整付脱着具
52 ベルト
52A〜52E ボタンホール
54 ボタン
56 面ファスナ
58 フック部
60 ループ部
62 クリップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに着脱可能な一対の着脱部材を備えた着脱具と、
一端部が上衣服における脇下部から腰部にかけた領域に取り付けられ、他端部に前記一方の着脱部材が取り付けられた吊下げ本体部と、
一端部が下衣服の上部開口端に取り付けられ、他端部に前記他方の着脱部材が取り付けられた吊下げ補助具と、
を有することを特徴とする衣服吊下げ保持装置。
【請求項2】
両肩部に通すための一対の環状部が設けられこの環状部が前記両肩部に装着されることで保持状態となる肩掛け保持具と、
互いに着脱可能な一対の着脱部材を備えた着脱具と、
一端部が前記肩掛け保持具の下端部に一端部が取り付けられ、他端部に前記一方の着脱部材が取り付けられた吊下げ本体部と、
一端部が下衣服の上部開口端に取り付けられ、他端部に前記他方の着脱部材が取り付けられた吊下げ補助具と、
を有することを特徴とする衣服吊下げ保持装置。
【請求項3】
前記一対の環状部同士を互いに連結することで、前記保持状態を安定させる安定部を有することを特徴とする請求項2記載の衣服吊下げ保持装置。
【請求項4】
前記着脱部材の一方又は他方が弾性力で係合するロック爪であり、前記着脱部材の他方又は一方が前記ロック爪が係止される係止部であり、前記吊下げ本体部と前記吊下げ補助具の互いの連結動作に連動してロック爪が弾性変形することで係止部に係止し、外部からのロック爪への前記弾性力に抗した操作により係止部への係止状態が解除されることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項記載の衣服吊下げ装置。
【請求項5】
前記吊下げ補助具には、前記着脱具と前記下衣服への取付機能を兼ねる複数のボタンホールが設けられた連結領域が設けられ、前記ボタンホールを選択的に下衣服に設けられたボタンに装着することで前記下衣服の高さ調整を可能とすることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項記載の衣服吊下げ装置。
【請求項6】
前記吊下げ補助具と下衣服とのそれぞれに、前記着脱具と前記下衣服への取付機能を兼ねるフック部又はループ部で構成される面ファスナーが設けられ、選択的にフック部とループ部との装着位置を変更する前記下衣服の高さ調整を可能とすることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項記載の衣服吊下げ装置。
【請求項7】
前記吊下げ補助具が、前記下衣服にクリップで取り付けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項記載の衣服吊下げ装置。
【請求項8】
ベスト両脇の下にベルトとベルト脱着具の一方を取り付け、下衣服側面の上部には前記脱着具の他方を取り付けることにより、容易に下衣服を分離できる機能を持ったことを特徴とするサスペンダー装置。
【請求項9】
左右の肩に環状のベルトとその環状のベルトに結ばれた左右を結ぶベルトにより両肩に安定させ、安定したその環状の下部よりベルトとベルト脱着具の片方を取り付け、一方は下衣服側面上部へその脱着具の相棒を取り付けることにより、脱着具により容易に下衣服を分離できる機能を持ったことを特徴とするサスペンダー装置。
【請求項10】
前記着脱具が、前記下衣服側面の上部への連結を兼ねる、ボタンホールとボタンとで構成されていることを特徴とする請求項8又は請求項9記載のサスペンダー装置。
【請求項11】
前記着脱具が、前記下衣服側面の上部への連結を兼ねる、面ファスナーで構成されていることを特徴とする請求項8又は請求項9記載のサスペンダー装置。
【請求項12】
前記着脱具が、挟み式接続具により前記下衣服側面の上部へ連結されていることを特徴とする請求項8又は請求項9記載のサスペンダー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−127138(P2009−127138A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−301205(P2007−301205)
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(503387064)
【Fターム(参考)】