説明

衣服

【課題】 見返しを設けたうえで止水も確実に行い得る衣服の提供。
【解決手段】 左右の前身ごろの合せ目部どうしがスライドファスナを介して着脱自在に設けられ、スライドファスナの一方のテープ部と、一方の前身ごろの合せ目側端部と、見返しの合せ目側端部とが重ねられ、テープ部および一方の前身ごろの合せ目側端部が縫着されるとともに、縫着部分に見返しの合せ目側端部が一体に設けられ、縫着部分において一方の前身ごろおよび見返しの裏面に亙すように止水テープが貼着され、スライドファスナを閉じた際に、エレメントどうしの噛合せ目から浸入した水および縫着部から浸入した水が後方へ移動するのを抑制する浸入防止手段が他方の前身ごろに設けられている構成の衣服。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣行などに着用するレインスーツなどの衣服に関し、特に衣服のうちの上着に関する。
【背景技術】
【0002】
雨天時に着用される衣服(レインスーツ)として、例えば特許文献1に示す衣服が提案されている。
この種の衣服には、左右の前身ごろの合せ目部にスライドファスナ(そのテープ部)を縫着しているものがある。この合せ目部において、スライドファスナを縫着している部分の裏側には止水テープ(シームテープ)を貼着して水の浸入を抑制している。この止水テープは縫着部分を覆ってスライドファスナのテープ部と前身ごろを構成する身ごろ生地とに亙るように、丈方向に沿って貼着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−23414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、スライドファスナのテープ部は表面が粗いから止水テープが貼着されにくく、身ごろ生地とスライドファスナの縫着部から浸入する水の止水を充分に行うことができないという課題がある。
ところで、衣服において、前身ごろの合せ目がめくれた際に、身ごろの裏面が露呈してしまうと見栄えが悪いことから、前身ごろの合せ部には「見返し」を設けることが考えられる。見返しは身ごろ生地と同じものが用いられるから、この種の衣服において見返しの見返し面(表面)には、防水処理や撥水処理が施されていることになる。
したがって、前身ごろの生地の表面が見返し面となるようにして、前身ごろ、スライドファスナ、および見返しを縫着し、見返しの見返し面に止水テープを貼着すると、防水処理や撥水処理によって止水テープの接着力が及ばず剥がれ易く、前身ごろ、スライドファスナ、および見返しの縫着部分から水が浸入し易くなってしまう。
【0005】
そこで本発明は上記課題に鑑み、見返しを設けたうえで止水も確実に行い得る衣服の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、左右の前身ごろの合せ目部どうしがスライドファスナを介して着脱自在に設けられた衣服であって、前記スライドファスナの一方のテープ部と、一方の前身ごろの合せ目側端部と、見返しの合せ目側端部とが重ねられ、前記テープ部および一方の前身ごろの合せ目側端部が縫着されるとともに、該縫着部分に見返しの合せ目側端部が一体に設けられ、前記縫着部分において一方の前身ごろおよび見返しの裏面に亙すように止水テープが貼着され、スライドファスナを閉じた際に、該スライドファスナのエレメントどうしの噛合せ目から浸入した水および前記縫着部から浸入した水が後方へ移動するのを抑制する浸入防止手段が他方の前身ごろに設けられていることを特徴としている。
【0007】
上記構成のようにして見返しを設けることで、縫着部から後方へ浸入してきた水は、一方の前身ごろと見返しの間においては、止水テープによって幅方向外側へ移動するのが抑制される。また、スライドファスナのエレメントどうしの噛合せ目および縫着部からさらに後方へ浸入してきた水は、他方の前身ごろに設けた浸入防止手段によって後方へ移動するのが抑制される。
【0008】
本発明の衣服では、浸入防止手段は、スライドファスナを閉じた状態でスライドファスナの後側に対応し且つ丈方向に沿うよう設けられた止水面部と、該止水面部の幅方向一方端部から止水面部の表面側に戻るように折返されるとともに丈方向に沿う堰部とを備え、縫着部分はスライドファスナを閉じた状態で前記堰部の幅方向他方端部よりも他方の前身ごろ側に位置ずれしていることを特徴としている。
【0009】
上記構成においては、スライドファスナを閉じると、そのエレメントどうしの噛合せ目および縫着部分から後方に浸入した水は、止水面部で後方への移動を抑制され、止水面部を幅方向一方側に移動した水は、堰部によって堰き止められる。
【0010】
本発明の衣服では、見返しを構成する生地に丈方向の切目部が形成され、該切目部にポケット開口用スライドファスナが縫着されて見返しにポケットが取付けられ、前記ポケット開口用スライドファスナは、堰部に対して幅方向外側に配置されていることを特徴としている。
【0011】
左右の前身ごろの合せ目部どうしがスライドファスナを介して着脱自在に設けられた衣服において見返しを設けて、見返しにポケットを取付けることで、衣服を便利に使用することができる。
そして、ポケット開口用スライドファスナは、堰部に対して幅方向外側に配置することで、水の移動が堰部で抑制されてポケット側に浸入するのを抑えられる。
【0012】
本発明の衣服では、左右の前身ごろおよび見返しは、表面側に撥水加工が施され裏面側は透湿性を有して、裏面側から止水テープに施した接着剤が浸透可能に構成されていることを特徴としている。
【0013】
上記構成によれば、縫着部分において一方の前身ごろおよび見返しの裏面に亙すようにして、止水テープを確実に固着することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の衣服は、スライドファスナのテープ部および一方の前身ごろの合せ目側端部が縫着されるとともに、縫着部分に見返しの合せ目側端部が一体に設けられ、縫着部分において一方の前身ごろおよび見返しの裏面に亙すようにして止水テープが固着されていることで、見返しを確実に設けることができるとともに、スライドファスナを閉じた際に、該エレメントどうしの噛合せ目から浸入した水および縫着部から浸入した水が後方へ移動するのを、他方の前身ごろに設けた浸入防止手段によってよって効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第一実施形態(第二の実施形態と共通)を示す上衣の全体概略正面図
【図2】同じく図1における前身ごろの幅方向中心側の平面断面図
【図3】本発明の第二の実施形態を示す、前身ごろの幅方向中心側の平面断面図
【図4】本発明の第三の実施形態を示す前身ごろの幅方向中心側の平面断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の第一の実施形態に係る衣服を、魚釣りの際に着用されるレインスーツの上衣を例に、図面に基づいて説明する。図1は上衣の全体概略正面図、図2は図1における前身ごろの幅方向中心側の平面断面図である。
これらの図に示すように、上衣1は左右の前身ごろ3A,3Bからなる前身ごろ、後身ごろ4、左右の袖6、見返し8、浸入防止手段12、左右の前立13,13、ネック部(カラー)19を有する。
左右の前身ごろ3A,3Bを形成する生地は、上衣1の後側で連続して後身ごろ4を形成している。
ネック部19はハイネック状の構成を有する。ネック部19が高いから、上衣1は防寒性に優れる。
上衣1を構成する生地(基本的に一枚生地)は、防水性および防寒性に優れたものを用いている。
【0017】
左右の前身ごろ3A,3Bの合せ目部20,21に、スライドファスナ7を構成するテープ部10,11がそれぞれ縫着されている。つまり、左右の前身ごろ3A,3Bの合せ目部20,21どうしがスライドファスナ7を介して着脱自在に設けられている。なお、この実施形態における上衣1では、スライドファスナ7を前側で覆う前立は設けられていない。
スライドファスナ7はネック部19の上端部までが達していて、着用者Hの顎に対してその外側にスライドファスナ7の上端部が位置する構成となっている。
なお、合せ目部20,21は、スライドファスナ7を閉じた際、すなわちスライドファスナ7のエレメント7a,7bどうしを噛合させても接触するものではない。しかしながら、ここでは、左右の前身ごろ3A,3Bにおけるスライドファスナ7のテープ部10,11が縫着される部分の丈方向の領域を、合せ目部と称している。
なお、このスライドファスナ7の開閉操作は、周知のように引手7cを把持してスライダ7dを丈方向(上下方向)にスライドさせることで行う。
【0018】
上衣1の前記生地、特に左右の前身ごろ3A,3B、左右の前立13,13を構成する生地は、表面側に撥水加工(あるいは防水加工)が施され、裏面側は透湿性を有して、後述の止水テープ(以下シームテープという)17に施した接着剤が裏面側から浸透可能に構成されており、これによって確実にシームテープ17を貼着できるようになっている。
【0019】
見返し8は、左前身ごろ3Aの合せ目部20の裏側に設けられている。見返し8は、左前身ごろ3Aと同じ生地、同じ表面加工を施した一枚の帯状生地によって構成されている。なお、見返し8は、左前身ごろ3Aの丈方向略全域に亙って設けられており、ネック部19には至らない。またその幅は上衣1のサイズ等に応じて適宜設定される。
【0020】
ここで、見返し8の取付け構造、およびその周辺の構成について、図2に基づいて説明する。
左前身ごろ3A側のスライドファスナ7の一方のテープ部10は、左前身ごろ3Aの合せ目部側端部と、左前身ごろ3Aの合せ目部の裏側に配置された見返し8の合せ目側端部に前後で挟まれている。左前身ごろ3Aの合せ目部側端部の前側には、左前立13の合せ目部側端部が重ねられ、見返し8の合せ目側端部、一方のテープ部10、左前身ごろ3Aの合せ目部側端部、および左前立13の合せ目部側端部が一体となるよう縫着されて、左縫着部分14が形成されている。
左前身ごろ3Aと見返し8は、互いに裏面15,15が前後で対向されるよう設けられている。換言すれば、左前身ごろ3Aの前面は撥水加工されている表面16であり、見返し8の後面は撥水加工されている表面16である。
【0021】
左縫着部分14に対する幅方向外側近傍において、左前身ごろ3Aおよび見返し8の裏面15,15に亙すようにしてシームテープ17が貼着されることで固着されている。このシームテープ17は、左縫着部分14の丈方向に対応する長さを有して貼着されている。なお、左前身ごろ3Aと見返し8はその幅方向一方側が開放されている。
【0022】
次に、侵入防止手段12を説明する。これは、スライドファスナ7を閉じた際に、左縫着部分14から浸入した水が後方への移動を抑制するよう構成されている。侵入防止手段12は、左縫着部分14およびスライドファスナ7のエレメント7a,7bどうしの噛合せ目の後側に対応する領域を含んで、且つ左縫着部分14の丈方向長さを含む領域に設けられている。
【0023】
浸入防止手段12は、スライドファスナ7を閉じた状態でスライドファスナ7のエレメント7a,7bどうしの噛合せ目の後側に対応し且つ丈方向に沿うよう設けられた止水面部18を有する。
また浸入防止手段12は、止水面部18の幅方向一方端部から止水面部18の表面側に戻るように折返されるとともに丈方向に沿う堰部22とを備えている。
左縫着部分14は、スライドファスナ7を閉じた状態で堰部22の幅方向他方端部よりも右前身ごろ3B側に位置ずれするよう設定されている。
【0024】
止水面部18は、右前身ごろ3Bがその合せ目側端部からさらに幅方向一方側に延長されることで形成されている。つまり止水面部18は、右前見ごろ3Bと同じ生地で形成されており、撥水加工されている表面16が前側にあるよう設けられている。
【0025】
堰部22は、後折返し部23と前折返し部24とから構成されている。後折返し部23は、止水面部18の幅方向端部を止水面部18の幅方向一方端部から他方側に戻るように止水面部18の表面に沿って一旦折返されることで形成されている。前折返し部24は、後折返し部23の他方側端部から一方側にさらに折返されて、後折返し部23の前側に沿い、幅方向両端部が後折返し部23に縫着されている。堰部22の幅方向一方側と止水面部18の間から、堰部22の裏側に浸入した水は下方へ移動し、裏側には至らないよう構成されている。また、堰部22の下端部は、止水面部18に幅方向に沿うよう縫着されている。
【0026】
右前身ごろ3Bの合せ目部21には、スライドファスナ7のテープ部11、右前立13の合せ目側端部が順に前側に重ねられて、右前身ごろ3Bに縫着され、その右縫着部分において右前身ごろ3Bの裏面には、シームテープ17aが貼着されている。
【0027】
左前立13および右前立13を説明する。
左前立13および右前立13は左右対称の構成であるから、同一の符号を付して説明する。左前立13および右前立13は、それぞれ前後一対の前立生地26,27と、後側の前立生地27の幅方向途中に縫着されたスライドファスナ部30,31とを有する。このスライドファスナ部30,31は、上衣1とは別でその上側に装着するベスト等と一体化させるために設けられている。
【0028】
上記構成の上衣1では、左前身ごろ3Aの裏側に見返し8を設けているから、左前身ごろ3Aがめくれた時でも生地の裏側が露呈しにくく、見返し8は左前身ごろ3Aと同じ生地として、左前身ごろ3Aがめくれた時には、該生地の表側が見えるから、上衣1の見栄えを向上させることができる。
【0029】
ところで、生地に撥水加工が施されていても、生地どうしの縫着部分では、水の浸入がされ易い。しかしながら、この上衣1では、見返し8の取付部分において、左縫着部分14に対する幅方向外側近傍では、左前身ごろ3Aおよび見返し8の裏面15,15に亙すようにしてシームテープ17が貼着されることで固着されている構成である。したがって、このシームテープ17によって左縫着部分14から後方へ向かって浸入した水は、シームテープ17によって、見返し8と左前身ごろ3Aとの間に浸入するのを抑制される。
そして、左縫着部分14から後方へ向けて浸入した水は、止水面部18によって後方へ浸入するのが抑制され、止水面部18から幅方向一方側へ移動した水は、堰部22によってそれ以上幅方向一方側へ移動するのを抑制され、下方へ移動し、排除される。
【0030】
このように、左右の前身ごろ3A,3Bどうしが、その合せ目部20,21に設けたスライドファスナ7を開閉することで着脱自在に設けられた上衣1に、その左前身ごろ3Aに見返し8を縫着することで設けたとしても、見返し8の取付部分において、左縫着部分14に対する幅方向外側に、左前身ごろ3Aおよび見返し8の裏面15,15に亙すようにしてシームテープ17を貼着することで、左縫着部分14に対して幅方向一方側へ水が浸入するのを防止できる。また、左縫着部分14から後方へ向けて浸入した水が、止水面部18によって後方へ浸入するのを抑制でき、止水面部18から幅方向一方側へ移動した水が、堰部22によってそれ以上幅方向一方側へ移動するのを抑制できる。
【0031】
次に、図1および図3に基づいて本発明の第二の実施形態を説明する。図3は前身ごろの幅方向中心側の平面断面図である。第二の実施形態が第一の実施形態と異なる構成は、見返し8にポケット35を取付けている点であり、他の構成は第一の実施形態と同様である。
【0032】
ポケット35の構成について述べる。ポケット35は、胸ポケットに相当する丈方向高さ位置に配置されている。ポケット35は、ポケット開口用スライドファスナ37とポケット本体38とからなる。見返し8を構成する生地に丈方向の切目部が形成されて、該切目部に沿ってポケット開口用スライドファスナ37のテープ部39a,39bが縫着されている。ポケット本体38は着用者Hの手が見返し8の表面16側から挿入されるよう、該生地が見返し8と左前身ごろ3Aの間に挿入されている。
ポケット開口用スライドファスナ37の幅方向位置は、スライドファスナ7を閉じた状態において、テープ部39a,39b、特に幅方向内側のテープ部39aの見返し8との縫着部が、堰部22の幅方向一方側端部よりも幅方向外側である。
【0033】
上記構成において、左右の前身ごろ3A,3Bの合せ目部20,21どうしがスライドファスナ7を介して着脱自在に設けられた上衣1において見返し8を設けて、見返し8にポケット35を取付けることで、上衣1を便利に使用することができる。
そして、ポケット開口用スライドファスナ37は、堰部22に対して幅方向外側に配置することで、水の移動が堰部22で抑制されてポケット35側に浸入するのを抑えることができる。
【0034】
次に、図4に基づいて本発明の第三の実施形態を説明する。図4は前身ごろの幅方向中心側の平面断面図である。第三の実施形態が第一の実施形態と異なる構成は、左縫着部分14の構成であるから、他の部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0035】
本発明の第三の実施形態では、左前身ごろ3Aを構成する生地を、左前身ごろ3Aの合せ目部側端部において裏側に折返して見返し8を形成している。つまり左前身ごろ3Aと見返し8を連続した生地で構成している。また、左前身ごろ3Aの合せ目部側端部、スライドファスナ7のテープ部10、および左前立13の合せ目部側端部が前に向かって順に重ねられて縫着されることで左縫着部分14が構成されている。
さらに、左縫着部分14において、左前身ごろ3Aの合せ目部側端部の生地に、シームテープ17が、左前身ごろ3Aの裏面15および見返し8の裏面15に亙るように貼着されることで固着されている。
他の構成は第一の実施形態と同様である。
【0036】
この構成において、左縫着部分14の前側から浸入した水は、シームテープ17によって後方への移動を抑制される。一方で、スライドファスナ7のテープ部10側へ浸入して後方へ移動することが考えられる。しかしながら、左縫着部分14は、スライドファスナ7を閉じた状態で堰部22の幅方向他方端部よりも右前身ごろ3B側に位置ずれするよう設定されているから、スライドファスナ7のテープ部10側へ浸入して後方へ移動した水が、止水面部18および堰部22によって、後方へ移動するのを抑制することができる。
【符号の説明】
【0037】
1…上衣、7…スライドファスナ、7a,7b…エレメント、10,11…テープ部、12…浸入防止手段、13…左右の前立、14…左縫着部分、15…生地の裏面、16…生地の表面、17…シームテープ、18…止水面部、20,21…合せ目部、22…堰部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の前身ごろの合せ目部どうしがスライドファスナを介して着脱自在に設けられた衣服であって、
前記スライドファスナの一方のテープ部と、一方の前身ごろの合せ目側端部と、見返しの合せ目側端部とが重ねられ、前記テープ部および一方の前身ごろの合せ目側端部が縫着されるとともに、該縫着部分に見返しの合せ目側端部が一体に設けられ、前記縫着部分において一方の前身ごろおよび見返しの裏面に亙すように止水テープが貼着され、
スライドファスナを閉じた際に、該スライドファスナのエレメントどうしの噛合せ目から浸入した水および前記縫着部から浸入した水が後方へ移動するのを抑制する浸入防止手段が他方の前身ごろに設けられていることを特徴とする衣服。
【請求項2】
浸入防止手段は、スライドファスナを閉じた状態でスライドファスナの後側に対応し且つ丈方向に沿うよう設けられた止水面部と、該止水面部の幅方向一方端部から止水面部の表面側に戻るように折返されるとともに丈方向に沿う堰部とを備え、縫着部分はスライドファスナを閉じた状態で前記堰部の幅方向他方端部よりも他方の前身ごろ側に位置ずれしていることを特徴とする請求項1記載の衣服。
【請求項3】
見返しを構成する生地に丈方向の切目部が形成され、該切目部にポケット開口用スライドファスナが縫着されて見返しにポケットが取付けられ、前記ポケット開口用スライドファスナは、堰部に対して幅方向外側に配置されていることを特徴とする請求項2記載の衣服。
【請求項4】
左右の前身ごろおよび見返しは、表面側に撥水加工が施され裏面側は透湿性を有して、裏面側から止水テープに施した接着剤が浸透可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の衣服。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate