説明

表皮材の縫製構造

【課題】外観品質を向上させることができ、表皮材に要するコストを低廉化でき、縫製作業の作業者の負担を軽減できる表皮材の縫製構造を提供する。
【解決手段】シート用表皮9の所定の表皮部分を形成する表皮材11にステッチ10が形成されて表皮材11の端縁11Tに達し、表皮材11の端縁11Tの外方に表皮材11とは別部材の端材13が配置され、ステッチ10は、表皮材11の端縁11Tを越えて端材13に連続して形成され、端材13のステッチ10は、表皮材11の端縁11T側に向かって折り返すように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
シート用表皮の所定の表皮部分を形成する表皮材にステッチが形成されて前記表皮材の端縁に達している表皮材の縫製構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、シートのデザイン性を高めるために、シート用表皮の所定の表皮部分を形成する表皮材にステッチ(縫製パターン)を形成する技術がある。特許文献1ではシートクッションの表皮材を例に挙げて説明してあるが、この種の技術はシートバックの表皮材にも適用される。以下に、この技術をシートバックの表皮材を例に挙げて説明する。
図6,図7に車両用シート1のシートバック2のサイドサポート部5を覆うサイド表皮材11(表皮材に相当)に装飾用のステッチ10が形成されている。符号3はシートクッションである。
このステッチ10を形成するために、サイド表皮材11はサイド表皮材11の長手方向に沿う分割ラインで2分割され、分割端部11A同士が縫製されるとともに、各分割端部11Aが縫着ラインを中心にして残りのサイド表皮材部分の裏側に折り曲げられて重なっている。
そして、互いに重なった分割端部11Aとサイド表皮材部分にステッチ10が形成されている。ステッチ10はダブルステッチに構成され、ステッチ10の長手方向と直交する方向に互いに間隔を空けて一対、平行に形成されている。
また、前記ステッチ10を形成する際に、表皮材11の端部11Cからの糸の抜けやほつれを防止するため、反対方向に縫い方向を戻す縫い返しが長さL1にわたって行なわれ、その後、再び縫着ラインに沿って縫い目が入れられている。
端縁11Tを含むサイド表皮材11の端部11Cは、センターサポート部4を覆うメイン表皮材16(シート用表皮の別の表皮部分を形成する表皮材)の端部16Cに縫製されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭62−116999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
サイド表皮材11の端部11Cとメイン表皮材16の端部16Cの縫い合わせに必要な縫い代量L2(図6参照)は7mm程度であり、一般的な縫製ピッチである5mmで2針分の縫い返しをすると、縫い返しの長さが10mmとなる。
そのため、上記従来の技術によれば、両表皮材11,16の端部11C,16C同士を縫製した状態で、ステッチ10が形成されている方のサイド表皮材11の意匠面に3mm(10mm−7mm=3mm)の縫い返し12(図7の拡大図を参照)が露出してしまい、外観品質が低下するという問題があった。
この縫い返し12が意匠面に露出しないように両表皮材11,16の縫い代の幅を大きくすることも考えられる。
しかしながら、縫い代の幅を大きくすると、両表皮材11,16の大きさが大きくなり、両表皮材11,16の合わせ部に波うちやうねりが生じる。そして、高価な表皮材11,16を使用した場合、両表皮材11,16に要するコストが高くなる。
また、サイド表皮材11の端部11Cでの縫い返しは、押さえ板でサイド表皮材11を押さえた状態で糸に張力をかけながら行うことから、サイド表皮材11の物性(伸びやすさや剛性)によってはサイド表皮材11に破れやしわが生じる原因になっていた。
さらに、縫い返しの縫い目ピッチを高い精度で管理する場合、サイド表皮材11の意匠面側に露出した縫い返し12の長さを一つ一つ確認しなくてはならず、確認作業に手間がかかり、作業者の負担が大きくなっていた。
本発明は上記実状に鑑みて成されたもので、その目的は、外観品質を向上させることができ、表皮材に要するコストを低廉化でき、縫製作業の作業者の負担を軽減できる表皮材の縫製構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特徴は、
シート用表皮の所定の表皮部分を形成する表皮材にステッチが形成されて前記表皮材の端縁に達している表皮材の縫製構造であって、
前記表皮材の端縁の外方に前記表皮材とは別部材の端材が配置され、
前記ステッチは、前記表皮材の端縁を越えて前記端材に連続して形成され、
前記端材のステッチは、前記表皮材の端縁側に向かって折り返すように形成されている点にある。(請求項1)
【0006】
前記ステッチは、前記表皮材の端縁を越えて前記端材に連続して形成され、前記端材のステッチは、前記表皮材の端縁側に向かって折り返すように形成されているから、前記端縁を含む表皮材の端部からの糸の抜けやほつれを防止することができ、前記表皮材の端部を別の表皮材の端部に縫製した時に、ステッチの縫い返しした箇所を前記別の表皮材の端部で覆い隠すことができる。
これにより、両表皮材の端部同士を縫製した状態で、ステッチが形成されている方の表皮材の意匠面に縫い返しが露出するのを防ぐことができ、外観品質を向上させることができる。
また、ステッチの縫い返しした箇所を前記別の表皮材の端部で覆い隠すことができるから、両表皮材の端部の縫い代の幅を大きくする必要もなくなる。その結果、両表皮材の合わせ部に波うちやうねりが発生するのを防ぐことができ、表皮材に要するコストの増加を防ぐことができる。
そして、表皮材とは別部材の端材に縫い返しするので、表皮材に破れやしわ等が発生するのを防ぐことができる。
さらに、上記のように、ステッチの縫い返しした箇所を前記別の表皮材の端部で覆い隠すことができるから、縫い返しの縫い目ピッチを高い精度で管理しなくてもよくなり、作業者は縫い返しの縫い目を気にせずに縫製することができて作業者の負担を軽減することができる。(請求項1)
【0007】
本発明において、
前記端材は前記表皮材の端縁に接触していると、次の作用を奏することができる。(請求項2)
【0008】
前記端材は前記表皮材の端縁に接触しているから、表皮材の端縁と端材の端部との間に隙間ができるのを防止することができ、シート用表皮をクッションパッドに被せる時に、前記端材の端部がフレーム等に引っ掛かるのを防ぐことができて、組み付け作業の作業性を向上させることができる。(請求項2)
【0009】
本発明において、
前記シート用表皮がクッションパッドに被せられた状態で、前記端材は、前記ステッチが形成された前記表皮材の縫製部の裏面に重なると、次の作用を奏することができる。(請求項3)
【0010】
一般に、前記縫製部は表皮材の端部を二重に折り曲げて形成されている。このように厚みがある縫製部の裏面に端材が重なっているから、表皮材の意匠面側に端材の存在が目立ち難い。すなわち、比較的薄い表皮材(別の表皮材)の下に端材が重なって表皮材(別の表皮材)の表面が盛り上がった状態になるのを防ぐことができる。これにより、外観品質をより向上させることができる。(請求項3)
【0011】
本発明において、
前記ステッチはダブルステッチに構成され、長手方向と直交する方向に互いに間隔を空けて一対設けられていると、次の作用を奏することができる。(請求項4)
【0012】
前記ステッチはダブルステッチに構成され、長手方向と直交する方向に互いに間隔を空けて一対設けられているから、端材が重なる前記縫製部の幅を広く確保することができ、表皮材の意匠面側に端材の存在がより目立ち難くすることができる。(請求項4)
【0013】
本発明において、
前記シート用表皮がクッションパッドに被せられた状態で、前記端材は、クッションパッドに形成された表皮材吊り込み具収容溝内に入り込むと、次の作用を奏することができる。(請求項5)
【0014】
前記シート用表皮がクッションパッドに被せられた状態で、前記端材は、クッションパッドに形成された表皮材吊り込み具収容溝内に入り込むから、薄い表皮材を使った場合でも端材が表皮材の意匠面上に盛り上がって見えるのを防ぐことができる。(請求項5)
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、
外観品質を向上させることができ、表皮材に要するコストを低廉化でき、縫製作業の作業者の負担を軽減できる表皮材の縫製構造を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】車両用のシートの斜視図
【図2】表皮材と端材にわたって形成されたステッチを示す平面図
【図3】別実施形態を示す断面図であり、シートバックパッドに形成された表皮材吊り込み具収容溝に端材が収容されている状態を示す断面図
【図4】別実施形態を示す図であり、表皮材の縫製部に端材を重ね合わせた状態を示す平面図
【図5】別実施形態を示す図であり、表皮材と端材にわたって形成されたシングルステッチを示す平面図
【図6】従来の技術を示す図であり、ステッチの縫い返しを示す斜視図
【図7】従来の技術を示す図であり、ステッチの縫い返しが表皮の表面に表れている状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1に支持フレーム7に支持された車両用シート1を示してある。この車両用シート1は、着座者の臀部及び大腿部を支持するシートクッション3と、着座者の背中を受け止め支持するシートバック2とを備え、シートバック2の上端部に、着座者の頭部を支持するヘッドレスト24が連結されている。
【0018】
前記シートバック2は、着座者の背中を受けるセンターサポート部4と、センターサポート部4の両側部からシート前方側に隆起し、着座者の上半身をシート幅方向で保持する左右一対のサイドサポート部5とを備えている。
【0019】
図3にシートバック2の表皮9(シート用表皮に相当)を示してある。図3は別実施形態を示す図であるが、別実施形態の表皮9の構造と本実施形態の表皮9の構造とは同一であるので図3に基づいて表皮9の構造を説明する。図3に示すように、シートバック2の表皮9は、センターサポート部4を覆うメイン表皮材16と、サイドサポート部5の前面5M(シート幅方向外側ほどシート前方側に位置する傾斜面)を覆うサイド表皮材11と、サイドサポート部5のシート側方側の面5Sを覆うマチ表皮材23とを縫製して袋状に形成され、ウレタンフォームから成るシートバックパッド31(クッションパッドに相当)に被されている。
【0020】
各表皮材11,16,23はレザーで形成されている。各表皮材11,16,23が布材で形成されていてもよく、レザーや布材以外の部材で形成されていてもよい。
【0021】
図1,図2に示すように、前記サイド表皮材11に装飾用のステッチ10(縫製パターン)が形成されている。このステッチ10を形成するために、サイド表皮材11はサイド表皮材11の長手方向に沿う分割ラインで2分割され、一対の分割端部11A同士が縫製されるとともに、各分割端部11Aが縫着ラインを中心にして残りのサイド表皮材部分の裏側に折り曲げられて重なっている(この構造については従来の技術を示す図6も参照)。
そして、互いに重なった分割端部11Aとサイド表皮材部分の幅方向中央部にステッチ10が形成されている。ステッチ10はダブルステッチに構成され、ステッチ10の長手方向と直交する方向に互いに間隔を空けて一対、平行に形成されている。
【0022】
このステッチ10は、サイドサポート部5の頂面5T(図1,図3参照)よりもシート幅方向内側のサイド表皮材部分に、前記頂面5Tに沿う縦方向に長く形成され、ステッチ10の長手方向の一端部(上端部)がサイド表皮材11の長手方向の一端部(上端部)のシート幅方向内側の端縁11Tに達し、ステッチ10の長手方向の他端部(下端部)がサイド表皮材11の長手方向の他端部(下端部)のシート幅方向内側の端縁11Tに達している。
【0023】
前記端縁11Tを含むサイド表皮材11の端部11Cは、サイド表皮材11とは別の表皮材であるメイン表皮材16の幅方向の端部16C(側部)に縫製される(図3参照)。前記サイド表皮材11の端部11Cとメイン表皮材16の端部16Cとの縫い合わせに必要な縫い代量L2(図6参照)は7mm程度であり、一般的な縫製ピッチである5mmで2針分の縫い返しをすると、縫い返しの長さL1が10mmとなる。そのため、通常の縫製手段ではサイド表皮材11の意匠面に3mm(10mm−7mm=3mm)の縫い返し12(図7の拡大図を参照)が露出してしまい、外観品質が低下する。そこで、本発明では次のように構成してある。
【0024】
図2に示すように、前記サイド表皮材11の端縁11Tの外方にサイド表皮材11とは別部材の長方形状の端材13が配置されている。そして、前記ステッチ10がサイド表皮材11の端縁11Tを越えて端材13に連続して形成され、端材13のステッチ10は、サイド表皮材11の端縁11T側に向かって折り返すように形成されている。符号12は前記端縁11T側に向かって折り返されたステッチ10の縫い返しである。図2にはサイド表皮材11の長手方向の一端部側を示してあるが、サイド表皮材11の長手方向の他端部側にも別の端材13が配置されて、前記一端部側と同一の構造に構成されている。
【0025】
前記端材13は外観に出ない程度の厚さや大きさに設定され、サイド表皮材11と同一材質で同一厚さ(例えば1mm〜5mm程度)、縦横15mm〜20mm程度の四角形に設定されている。端材13の厚さと材質がサイド表皮材11と同一に設定されているので、縫製ピッチや糸の張力などを変化させることなく、一定の縫い目強度を与えることができる。端材13の厚さ・材質・大きさは、配置される場所や表皮材の種類によって、種々の変更が可能であり、サイド表皮材11と同一でなくてもよい。
【0026】
[縫製の方法]
(1) ステッチ10の長手方向の一方の端部の縫い始め時に一方の端材13に縫い返しする。
(2) 続けてサイド表皮材11の一対の分割端部12A同士の縫着ラインに沿ってステッチ10を形成する。
(3) サイド表皮材11の縫い終わり部においても同様に他方の端材13に縫い返しする。
端材13はサイド表皮材11とメイン表皮材16の裏側に入ってしまう為、縫い返しは何度行っても良い。縫い返しの数が増えれば必然的に縫製強度も増す。
従って、作業者は外観を気にする事無く、サイド表皮材11の端部11Cの縫製強度を高めることができる。
【0027】
上記の構成により、
前記ステッチ10は、サイド表皮材11の端縁11Tを越えて端材13に連続して形成され、端材13のステッチ10は、サイド表皮材11の端縁11T側に向かって折り返すように形成されているから、前記端縁11Tを含むサイド表皮材11の端部11Cからの糸の抜けやほつれを防止することができ、前記サイド表皮材11の端部11Cをメイン表皮材16の端部16Cに縫製した時に、ステッチ10の縫い返しした箇所(縫い返し12)を前記メイン表皮材16の端部16Cで覆い隠すことができる。
【0028】
これにより、両表皮材11,16の端部11C,16C同士を縫製した状態で、ステッチ10が形成されている方のサイド表皮材11の意匠面に縫い返し12が露出するのを防ぐことができ、外観品質を向上させることができる。
【0029】
また、ステッチ10の縫い返しした箇所をメイン表皮材16の端部16Cで覆い隠すことができるから、両表皮材11,16の端部11C,16Cの縫い代の幅を大きくする必要もなくなる。その結果、両表皮材11,16の合わせ部に波うちやうねりが発生するのを防ぐことができ、サイド表皮材11に要するコストの増加を防ぐことができる。
そして、サイド表皮材11とは別部材の端材13に縫い返しするので、サイド表皮材11に破れやしわ等が発生するのを防ぐことができる。
【0030】
さらに、上記のように、ステッチ10の縫い返しした箇所をメイン表皮材16の端部16Cで覆い隠すことができるから、縫い返し12の縫い目ピッチを高い精度で管理しなくてもよくなり、作業者は縫い返し12の縫い目を気にせずに縫製することができて作業者の負担を軽減することができる。
【0031】
[別実施形態]
(1) 図3に示すように、前記表皮9がシートバックパッド31に被せられた状態で、前記端材13が、シートバックパッド31に形成された吊り袋収容溝27(表皮材吊り込み具収容溝に相当)内に入り込むよう構成してあってもよい。
前記吊り袋収容溝27は、センターサポート部4とサイドサポート部5の合わせ部(接続部)に縦方向(シートバックの上下方向)に沿って形成されている。また、メイン表皮材16とサイド表皮材11の接続部に、吊り袋収容溝27に収容される吊り袋17(表皮材吊り込み具に相当)が、両表皮材11,16の裏側に位置するように共縫いされている。吊り袋収容溝27の底部にはワイヤ18が設けられ、吊り袋17はホグリング材を介してワイヤ18に連結支持されている。これにより、メイン表皮材16とサイド表皮材11の合わせ部が前記吊り袋収容溝27側に引き込まれている。
また、厚みが薄いサイド表皮材11・メイン表皮材16を使用した場合においても、意匠面となる両表皮材11,16の裏面に端材13が重なるのを避けることができ、端材13の厚みが表皮9(サイド表皮材11・メイン表皮材16)の意匠面に盛り上がって外観を損なうことを確実に防ぐことができる。
【0032】
(2) 図4に示すように、前記表皮9がシートバックパッド31(クッションパッドに相当)に被せられた状態で、前記端材13は、ステッチ10が形成されたサイド表皮材11の縫製部19の裏に重なるよう構成されていてもよい。前記端材13は前記縫製部19に縫製されている。
前記縫製部19はサイド表皮材11の分割端部11Aを折り曲げて形成されており厚みがあることから、サイド表皮材11の意匠面側に端材13の存在が目立ち難い。すなわち、例えば、比較的薄いメイン表皮材16の下に端材13が重なって、メイン表皮材16の表面が盛り上がった状態になるのを防ぐことができる。これにより、外観品質をより向上させることができる。特に、シングルステッチ10の場合に比べて、ダブルステッチ10は厚みのある縫製部19の幅が広い為、端材13に重なる範囲を広く取ることができ、端材13の外観への影響を防ぐことができる
【0033】
(3) 図5に示すように、前記ステッチ10はシングルステッチに構成され、前記縫製部19に一本だけ設けられていてもよい。
【0034】
(4) 意匠上、外観に影響を与えない範囲であれば、前記端材13の端部13Cをサイド表皮材11の端縁11Tに接触させてもよく、前記端材13の端部13Cをサイド表皮材11の端縁11Tを含む端部11Cに重ね合わせてあってもよい。
この構成によれば、サイド表皮材11の端縁11Tと端材13の端部13Cとの間に隙間ができるのを防止することができ、表皮9をシートバックパッド31に被せる時に、前記端材13の端部13Cがシートバックフレーム等に引っ掛かるのを防ぐことができて、組み付け作業の作業性を向上させることができる。
【0035】
(5) 本発明は、シートクッション3のサイドサポート部6を覆うサイド表皮材の縫製構造にも適用することができる。シートクッション3のサイドサポート部6を覆うサイド表皮材にはステッチ20(図1参照)が形成されている。また、本発明は、その他の表皮材の縫製構造にも適用することができる。
【符号の説明】
【0036】
9 シート用表皮(表皮)
10 ステッチ
11 表皮材(サイド表皮材)
11T 端縁(表皮材の端縁)
13 端材
19 縫製部
27 表皮材吊り込み具収容溝(吊り袋収容溝)
31 クッションパッド(シートバックパッド)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート用表皮の所定の表皮部分を形成する表皮材にステッチが形成されて前記表皮材の端縁に達している表皮材の縫製構造であって、
前記表皮材の端縁の外方に前記表皮材とは別部材の端材が配置され、
前記ステッチは、前記表皮材の端縁を越えて前記端材に連続して形成され、
前記端材のステッチは、前記表皮材の端縁側に向かって折り返すように形成されている表皮材の縫製構造。
【請求項2】
前記端材は前記表皮材の端縁に接触している請求項1記載の表皮材の縫製構造。
【請求項3】
前記シート用表皮がクッションパッドに被せられた状態で、前記端材は、前記ステッチが形成された前記表皮材の縫製部の裏面に重なる請求項1又は2記載の表皮材の縫製構造。
【請求項4】
前記ステッチはダブルステッチに構成され、長手方向と直交する方向に互いに間隔を空けて一対設けられている請求項3記載の表皮材の縫製構造。
【請求項5】
前記シート用表皮がクッションパッドに被せられた状態で、前記端材は、クッションパッドに形成された表皮材吊り込み具収容溝内に入り込む請求項1又は2記載の表皮材の縫製構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−106774(P2013−106774A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253820(P2011−253820)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)