説明

表示システム及び表示方法

【課題】文字を入力する際に必要な操作回数を減らす。
【解決手段】表示システムにおいては、入力候補となる文字に係る複数のグループ項目を含む文字選択領域と、文字以外に係る選択項目を含む領域とがディスプレイの同一画面に表示される。選択カーソルは、これらの領域に含まれる選択項目のいずれかに移動させることが可能である。通常方向操作がなされたときは、選択カーソルのある選択項目から隣接する選択項目に選択カーソルを移動させる(ステップS3)。一方、通常方向操作とは異なる特殊方向操作がなされたときは、文字選択領域から他の領域に選択カーソルを直接的に移動させる(ステップS7〜S9)。したがって、文字を入力する際における選択カーソルを移動させるための操作回数を大幅に減らすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに情報を表示する表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、表示システムにおいては、表示するコンテンツのタイトル等を変更できるように、文字を入力する機能が設けられている(例えば、特許文献1参照。)。近年では、このような文字入力を直感的に行うため、タッチパネルを採用し、画面上に表示された各文字に対応するコマンドボタンにユーザが触れることで、文字を入力できるようになっている表示システムも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−128939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のタッチパネル方式を採用する場合、ユーザの手が届く位置にディスプレイを配置することが必要となる。しかしながら、表示システムが自動車などの車両に搭載される車載装置の場合や、家庭用のテレビの場合などにおいては、ユーザの手が届く位置にディスプレイを配置できないことがある。このような場合は、ディスプレイと操作部材とが別個に設けられ、ユーザはディスプレイから離間した位置から操作部材を操作して表示システムに指示を行うことになる。
【0005】
このようにディスプレイから独立した操作部材が採用される場合は、タッチパネル方式とは異なる文字の入力手法が採用される。例えば、一の入力手法においては、文字及びコマンド(文字の修正指示などのコマンド)に対応する複数の選択項目が、ディスプレイの画面上に表示される。そして、ユーザは、方向操作が可能な操作部材を操作して、ディスプレイの画面上に表示された複数の選択項目のいずれかにカーソル(フォーカス)を移動させ、選択項目を確定していくことで文字を入力する。
【0006】
このような入力手法を採用する場合においては、カーソルを移動させる操作が必要であるため、必要な操作回数が多くなる。特に、文字を入力する場合は、入力候補となる文字の数に応じた多数の選択項目が画面上に表示されることから、カーソルを移動させる操作が多くなってしまい、ユーザが煩雑に感じることになる。このため、必要な操作回数を減らすことができる技術が要望されていた。
【0007】
特に、車両に搭載される表示システムにおいては、信号待ちの停車中などの比較的短い期間に、車両の周辺の状況や車両の他の計器類にも注意を払いつつ表示システムをユーザが操作する場面が生じる。このため、車両に搭載される表示システムでは、必要な操作回数を減らすことができる技術が強く要望されていた。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、文字を入力する際に必要な操作回数を減らすことができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、ユーザに情報を表示する表示システムであって、入力候補となる文字に係る複数の第1項目を含む第1領域と、前記文字以外に係る第2項目を含む第2領域とを同一画面に表示する表示手段と、前記表示手段と独立して配置され、方向を示す方向操作をユーザから受付可能な操作部材と、前記方向操作に応じて、前記複数の第1項目及び前記第2項目を含む複数の選択項目のいずれかに第1カーソルを移動させる表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記方向操作として、前記操作部材を一の方向へ所定時間内に一回のみ移動させる通常方向操作がなされた場合は、前記複数の選択項目のうち前記第1カーソルのある選択項目から隣接する選択項目に前記第1カーソルを移動させ、前記方向操作として、前記通常方向操作とは異なる特殊方向操作がなされた場合は、前記第1領域及び前記第2領域の一方から他方に前記第1カーソルを移動させる。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の表示システムにおいて、前記第2領域は複数あり、前記複数の第2領域は、前記第1領域からみて異なる方向に配置され、前記表示制御手段は、前記第1領域に前記第1カーソルがある場合において前記特殊方向操作がなされたときは、前記複数の第2領域のうち該特殊方向操作が示す方向にある前記第2領域に前記第1カーソルを移動させる。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の表示システムにおいて、前記第2領域は複数あり、前記複数の第2領域のうちの2つの第2領域は、前記第1領域を挟んで配置されており、前記表示制御手段は、前記2つの第2領域の一方に前記第1カーソルがある場合において、前記2つの第2領域の一方からみて前記第1領域の逆方向を示す前記特殊方向操作がなされたときは、前記2つの第2領域の他方に前記第1カーソルを移動させる。
【0012】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の表示システムにおいて、前記特殊方向操作は、前記操作部材を一の方向へ所定時間内に二回連続して移動させる操作である。
【0013】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の表示システムにおいて、前記特殊方向操作は、前記操作部材を一の方向へ移動させた状態を一定時間以上維持する操作である。
【0014】
また、請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の表示システムにおいて、前記複数の第1項目は、前記文字が組み分けされる複数のグループにそれぞれ対応し、前記操作部材は、回転操作を前記ユーザからさらに受付可能であり、前記表示制御手段は、前記回転操作に応じて、前記第1カーソルのある前記第1項目のグループに含まれる複数の文字にそれぞれ対応する複数の第3項目のいずれかに第2カーソルを移動させる。
【0015】
また、請求項7の発明は、ユーザに情報を表示する表示方法であって、(a)入力候補となる文字に係る複数の第1項目を含む第1領域と、前記文字以外に係る第2項目を含む第2領域とを表示手段の同一画面に表示する工程と、(b)前記表示手段と独立して配置される操作部材において、方向を示す方向操作をユーザから受け付ける工程と、(c)前記方向操作に応じて、前記複数の第1項目及び前記第2項目を含む複数の選択項目のいずれかに第1カーソルを移動させる工程と、を備え、前記工程(c)は、前記方向操作として、前記操作部材を一の方向へ所定時間内に一回のみ移動させる通常方向操作がなされた場合は、前記複数の選択項目のうち前記第1カーソルのある選択項目から隣接する選択項目に前記第1カーソルを移動させ、前記方向操作として、前記通常方向操作とは異なる特殊方向操作がなされた場合は、前記第1領域及び前記第2領域の一方から他方に前記第1カーソルを移動させる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1ないし7の発明によれば、通常方向操作とは異なる特殊方向操作がなされたときは第1領域及び第2領域の一方から他方に第1カーソルを移動させることから、文字を入力する際において第1領域及び第2領域の一方から他方に第1カーソルを移動させるための操作回数を減らすことができる。
【0017】
また、特に請求項2の発明によれば、複数の第2領域のうち特殊方向操作が示す方向にある第2領域に第1カーソルを移動させることから、ユーザは所望の第2領域に第1カーソルを直感的に移動させることができる。
【0018】
また、特に請求項3の発明によれば、2つの第2領域の一方からみて第1領域の逆方向を示す特殊方向操作がなされたときは2つの第2領域の他方に第1カーソルを移動させることから、2つの第2領域の一方から他方に第1カーソルを移動させるための操作回数を減らすことができる。
【0019】
また、特に請求項4の発明によれば、特殊方向操作を比較的容易に行うことができる。
【0020】
また、特に請求項5の発明によれば、特殊方向操作を比較的容易に行うことができる。
【0021】
また、特に請求項6の発明によれば、方向操作と回転操作との2種類の操作によって、グループと、そのグループに含まれる文字とを個別に選択できることから、非常に少ない操作で任意の文字を素早く選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、表示システムの構成の概要を示すブロック図である。
【図2】図2は、ディスプレイ及び操作部の車室内における配置例を示す図である。
【図3】図3は、メインコントローラの外観を示す斜視図である。
【図4】図4は、文字を入力するための入力画面の一例を示す図である。
【図5】図5は、文字を入力するための入力画面の一例を示す図である。
【図6】図6は、文字を入力するための入力画面の一例を示す図である。
【図7】図7は、文字を入力するための入力画面の一例を示す図である。
【図8】図8は、文字を入力するための入力画面の一例を示す図である。
【図9】図9は、文字を入力するための入力画面の一例を示す図である。
【図10】図10は、選択カーソルが移動する様子を示す図である。
【図11】図11は、選択カーソルが移動する様子を示す図である。
【図12】図12は、ユーザの操作に応じた表示システムの処理の流れを示す図である。
【図13】図13は、選択カーソルが移動する様子を示す図である。
【図14】図14は、選択カーソルが移動する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0024】
<1.構成>
図1は、本実施の形態の表示システム100の構成の概要を示すブロック図である。この表示システム100は、自動車などの車両に搭載される車載表示システムであり、ドライバなどのユーザに対して各種の情報を表示する。表示システム100は、主な機能としてオーディオ機能とナビゲーション機能とを有しており、オーディオ機能で再生するコンテンツのタイトルや、ナビゲーション用の地図画像などの各種情報を表示可能となっている。
【0025】
図1に示すように、表示システム100は、システム全体を統括する本体部10と、各種情報を表示するディスプレイ3と、各種音声を出力するスピーカ4と、ユーザが操作を行う操作部5とを備えている。
【0026】
操作部5は、メインコントローラ50とモード切替ボタン59とを含んでいる。メインコントローラ50は、表示システム100に各種の指示を行う際に、ユーザが主に操作するものである。一方、モード切替ボタン59は、表示システム100の表示モードを切り替えるためのボタンである。表示システム100の表示モードには、オーディオ機能に係る情報を表示するオーディオモードと、ナビゲーション機能に係る情報を表示するナビゲーションモードとがある。
【0027】
ディスプレイ3、スピーカ4及び操作部5は、本体部10とケーブルを介して電気的に接続される。このため、ディスプレイ3及びスピーカ4は本体部10の制御下で動作するとともに、操作部5へのユーザの操作内容は信号として本体部10に入力される。
【0028】
本体部10は、表示システム100の全体を統括する装置であり、車両の所定の位置に配置される。本体部10は、放送信号を受信する放送受信部21と、ディスクを再生するディスク再生部22と、デジタル形式の音声データを再生するデータ再生部23と、ナビゲーション機能を提供するナビゲーション部24とを備えている。
【0029】
放送受信部21は、AM、FM等のラジオ放送や地上デジタルテレビ放送などの放送信号を受信するアンテナを備えており、受信した放送信号に基づく音声信号や映像信号を取得する。放送受信部21で取得された音声信号はスピーカ4から出力され、映像信号はディスプレイ3に表示される。
【0030】
ディスク再生部22は、CD、DVD及びBD(Blu-ray Disc)などのディスクメディアの記録内容を読み取って、音声信号や映像信号を取得する。ディスク再生部22で取得された音声信号はスピーカ4から出力され、映像信号はディスプレイ3に表示される。
【0031】
データ再生部23は、ハードディスクを備えており、ハードディスクに予め記憶されたMP3などのデジタル形式の音声データを読み取ってデコードし、再生可能な音声信号を取得する。ディスク再生部22で取得された音声信号はスピーカ4から出力される。
【0032】
ナビゲーション部24は、車両の現在位置に応じた地図画像をディスプレイ3に表示させるとともに、目的地が設定された場合は目的地までのルート案内を行う。ナビゲーション部24はGPSを備えており、GPSで車両の現在位置を取得する。ルートを含む地図画像はディスプレイ3に表示され、ルート案内用の音声はスピーカ4から出力される。
【0033】
さらに、本体部10は、システム全体を制御する制御部1を備えている。制御部1は、例えば、CPU、RAM及びROMなどを備えたコンピュータである。制御部1の各種の機能は、ROMなどに予め記憶されたファームウェアとしてのプログラムに従ってCPUが演算処理を行うことで実現される。図中に示す、指示受付部11、及び、表示制御部12は、このようにして実現される制御部1の機能のうちの一部を示している。
【0034】
指示受付部11は、操作部5への操作内容に基づいてユーザの指示を受け付ける。指示受付部11が受け付けた指示は制御部1により実行される。操作部5においては、複数の種類の操作をユーザから受け付けることが可能となっており、各操作には表示システム100に対する指示が割り当てられている。指示受付部11は、操作部5へのユーザの操作内容を示す信号に基づいて、当該操作に割り当てられたユーザの指示を受け付けることになる。
【0035】
また、表示システム100では、ユーザインタフェースとしてGUI(Graphical User Interface)が採用されている。指示受付部11は、ディスプレイ3の表示内容と、操作部5へのユーザの操作内容とに基づいて、文字を入力する指示を含む各種の指示をユーザから受け付けることになる。なお、本実施の形態のディスプレイ3は、タッチパネル機能を有していない。
【0036】
ユーザが表示システム100に対して各種の指示を行う場合には、複数の選択項目がディスプレイ3の画面に表示される。これら複数の選択項目にはそれぞれ、表示システム100に対する指示が割り当てられている。ユーザは、複数の選択項目が表示された画面を確認しながら、操作部5を操作して、カーソル(フォーカス)を所望の選択項目に移動させることで選択項目を選択し、カーソルのある選択項目を確定する。これにより、複数の選択項目のうちから一の選択項目がユーザに指定される。指示受付部11は、ユーザに指定された選択項目に割り当てられた指示を受け付ける。
【0037】
表示制御部12は、ディスプレイ3の表示に係る制御を行う。表示制御部12は、例えば、ディスプレイ3の画面に表示された複数の選択項目のうち、フォーカスのある一の選択項目にカーソルを表示する。そして、カーソルの移動指示が割り当てられた操作が操作部5になされた場合は、表示制御部12は、複数の選択項目のいずれかにカーソルを移動させる。
【0038】
ディスプレイ3、スピーカ4及び操作部5は、本体部10とは独立して、車室内におけるそれぞれに適した位置に配置される。図2は、ディスプレイ3、スピーカ4及び操作部5の車室内における配置の一例を示す図である。
【0039】
図2に示すように、ディスプレイ3は、視認するドライバの視線の移動量が少なくなるように、インストルメントパネル91の前方の左右中央で、フロントガラス90に近接した位置に配置される。また、スピーカ4は、ディスプレイ3に近接して、インストルメントパネル91の左右中央に配置される。
【0040】
また、操作部5は、ユーザが操作しやすいようにディスプレイ3から独立して、ディスプレイ3から離間した位置に配置される。具体的には、操作部5は、運転席95と助手席96との間に設けられるセンターコンソール93に配置される。センターコンソール93にはシフトレバー94が設けられており、このシフトレバー94に近接して操作部5が配置されている。
【0041】
メインコントローラ50はシフトレバー94よりも後方に配置され、メインコントローラ50の周辺にモード切替ボタン59が設けられる。図2に示す車両は右ハンドル車であるため、運転席95に着座するドライバは、運転中においてハンドル92を操作しながら、必要に応じてシフトレバー94を左手で操作する。操作部5は、このシフトレバー94に近接して配置されるため、ドライバはドライビングポジションのまま左手で操作部5を操作することが可能である。
【0042】
操作部5のメインコントローラ50は、回転操作、押圧操作(プッシュ操作)及び方向操作(スライド操作)のすべてをユーザから受け付け可能な一つの操作部材を備えている。ユーザは、回転操作、押圧操作及び方向操作のすべてをメインコントローラ50に対して片手のみで行うことが可能である。
【0043】
図3は、メインコントローラ50の外観を示す斜視図である。図に示すように、メインコントローラ50は、略円柱形状をしており、ユーザがその全体を片手で覆って把持できる程度の大きさとされている。
【0044】
メインコントローラ50は、図中の矢印AR1で示す方向に回転する回転操作を受け付け可能である。この回転操作がなされると、回転操作がなされたこと、及び、その回転方向(左方向、及び、右方向)を示す信号が制御部1に入力される。このような信号を出力するデバイスとしてロータリーエンコーダを採用することができる。
【0045】
また、メインコントローラ50は、図中の矢印AR2で示す方向にプッシュする押圧操作を受け付けることが可能である。この押圧操作がなされると、押圧操作がなされたことを示す信号が制御部1に入力される。このような信号を出力する機能は、例えば押圧操作によって移動したメインコントローラ50の一部で押圧される押圧スイッチを採用することにより実現できる。
【0046】
さらに、メインコントローラ50は、図中の矢印AR3で示す4方向にスライドする方向操作を受け付けることが可能である。この方向操作がなされると、方向操作がなされたこと、及び、その方向操作によって示された方向(スライドされた方向)を示す信号が制御部1に入力される。このような信号を出力する機能は、例えば方向操作によって移動したメインコントローラ50の一部で押圧される複数の押圧スイッチを採用することで実現できる。押圧スイッチは、方向操作によって示すことが可能な4方向にそれぞれ配置される。
【0047】
また、メインコントローラ50は、いずれの方向にもスライドされておらず、かつ、押し込まれていない基準位置に戻るように、バネなどの弾性部材によって付勢されている。これにより、ユーザが押圧操作または方向操作を行った後にメインコントローラ50を操作する力を抜いた場合には、メインコントローラ50は操作を行う前の基準位置に戻るようになっている。
【0048】
メインコントローラ50では、操作手法が異なる2種類の方向操作を受け付けることが可能となっている。一方の種類の方向操作は、メインコントローラ50を一の方向へ所定時間内に一回のみ移動させ、基準位置に戻す通常の方向操作(以下、「通常方向操作」という。)である。また、他方の種類の方向操作は、メインコントローラ50を一の方向へ所定時間内に二回連続して移動させる操作(以下、「特殊方向操作」という。)である。この特殊方向操作は、コンピュータに一般に用いられるポインティングデバイス(マウス)における「ダブルクリック」と同種の操作であるため、ユーザは比較的容易に行うことができる。通常方向操作と特殊方向操作とではそれぞれ異なる指示が割り当てられている。すなわち、指示受付部11は、通常方向操作がなされた場合と特殊方向操作がなされた場合とでそれぞれ異なる指示を受け付けることになる。
【0049】
<2.文字の入力画面>
<2−1.入力画面の概要>
表示システム100は、文字の入力機能を有しており、様々な場面でユーザは表示システム100に文字を入力できるようになっている。例えば、オーディオモードでは、音声データのタイトルやアーティストの名称の修正の場面などで文字を入力できる。また、ナビゲーションモードでは、目的地の検索のためのキーワードの設定の場面などで文字を入力できる。
【0050】
図4は、文字を入力する場合にディスプレイ3に表示される入力画面を示す図である。この入力画面は、文字の入力が必要となる場面で表示される。図に示すように、ディスプレイ3の画面領域は大きく左右に2つに分割され、左側が文字の入力に関連する選択項目が表示される文字入力エリアA1、右側が編集の対象を示す編集対象エリアA2となっている。図4の例は、ハードディスクに記憶された音声データのタイトルを修正する場合である。編集対象エリアA2には、音声データのタイトル70が反転して表示され、このタイトル70が文字入力における編集の対象であることが示されている。
【0051】
また、文字入力エリアA1は、その上部に文字編集領域31が設けられる。また、文字入力エリアA1の文字編集領域31よりも下部は左右に3つに分割され、左から種類変更領域32、文字選択領域33、及び、コマンド領域34となっている。したがって、文字選択領域33からみて、上方向に文字編集領域31、左方向に種類変更領域32、右方向にコマンド領域34がそれぞれ配置されることになる。種類変更領域32とコマンド領域34とは、文字選択領域33を挟むように配置される。これら4つの領域31〜34は、同一画面に表示される。
【0052】
文字入力エリアA1内においては、選択カーソルC0が表示される。この選択カーソルC0は、メインコントローラ50に対する方向操作で移動することが可能となっている。すなわち、メインコントローラ50の方向操作がなされると、その方向操作に応じて、文字編集領域31、種類変更領域32、文字選択領域33、及び、コマンド領域34のそれぞれに含まれる選択項目のいずれかに、表示制御部12は選択カーソルC0を移動させることになる。
【0053】
以下、文字編集領域31、文字選択領域33、種類変更領域32、及び、コマンド領域34の各領域についてそれぞれ説明する。
【0054】
<2−2.文字編集領域>
まず、文字編集領域31について説明する。文字編集領域31には、選択カーソルC0を移動させることが可能な選択項目として入力バー31aがある。
【0055】
入力バー31aは、編集中の文字列が表示される領域である。入力バー31aには、文字を入力する位置を示す位置カーソルC1が表示される。入力バー31aに選択カーソルC0を移動させた状態で、メインコントローラ50で回転操作を行うと、位置カーソルC1が入力バー31a内を左右方向に移動する。これにより、編集中の文字列中において文字を入力する位置を変更することができる。
【0056】
<2−3.文字選択領域>
次に、文字選択領域33について説明する。文字選択領域33は、入力する文字をユーザが選択するための領域である。入力候補となる複数の文字は、複数のグループに組み分けされる。文字選択領域33には、これら複数のグループにそれぞれ対応する複数の選択項目(以下、「グループ項目」という。)61が上下方向及び左右方向の二次元に配列されている。
【0057】
図4では、日本語の「ひらがな」を入力する場合を例示しており、入力候補となる複数のかな文字は五十音図の行(子音)に基づいて組み分けされている。具体的にはグループとして「あ行」「か行」「さ行」「た行」…があり、それぞれのグループに対応するグループ項目61が表示されている。これらのグループ項目61には、選択カーソルC0を移動させることが可能である。
【0058】
図5は、この左上隅にある「あ行」のグループ項目61に選択カーソルC0がある状態を示している。文字を入力する際には、メインコントローラ50の通常方向操作には選択カーソルC0の移動指示が割り当てられている。すなわち、通常方向操作がなされると、その通常方向操作に応じて、表示制御部12は、その時点において選択カーソルC0があるグループ項目61から、隣接するグループ項目61に選択カーソルC0を移動させる。
【0059】
例えば、図5に示す状態において右方向への通常方向操作を行うと、図6に示すように「か行」のグループ項目61にカーソルC0が移動される。また、図5に示す状態において下方向への通常方向操作を行うと、図7に示すように「た行」のグループ項目61に選択カーソルC0が移動される。したがって、ユーザはメインコントローラ50に通常方向操作を行うことで、所望のグループを選択することができる。このように、文字選択領域33において選択カーソルC0は、文字が組み分けされるグループを選択するためのものとなるため、「グループカーソル」C0ともいう。
【0060】
図5〜図7に示すように、グループカーソルC0の表示枠は円形状となっている。このグループカーソルC0の表示枠内の領域は中心から放射状に伸びる複数の線で略扇状の複数の領域に区分されている。そして、これら複数の領域のそれぞれは当該グループに含まれる文字に対応する項目(以下、「文字項目」という。)62となっている。これにより、一つのグループに含まれる複数の文字にそれぞれ対応する複数の文字項目62は環状に配列される。
【0061】
具体的には、図5に示すように、「あ行」のグループ項目61にグループカーソルC0がある場合は、「あ行」に含まれる「あ」「い」「う」「え」「お」の文字に対応する文字項目62が環状に配列して表示される。この場合、その他のグループ(「か行」「さ行」「た行」など)の文字に対応する文字項目62は表示されない。
【0062】
同様に、図6に示すように、「か行」のグループ項目61がグループカーソルC0がある場合は、「か行」に含まれる「か」「き」「く」「け」「こ」の文字に対応する文字項目62が環状に配列して表示され、その他のグループの文字に対応する文字項目62は表示されない。また、図7に示すように、「た行」のグループ項目61がグループカーソルC0がある場合は、「た行」に含まれる「た」「ち」「つ」「て」「と」の文字に対応する文字項目62が環状に配列して表示され、その他のグループの文字に対応する文字項目62は表示されない。このように、グループカーソルC0によって選択中のグループに含まれる文字に対応する文字項目62のみが表示され、非選択のグループに含まれる文字に対応する文字項目62は非表示とされる。
【0063】
また、グループカーソルC0内には、文字カーソルC2が表示される。メインコントローラ50の回転操作には、文字カーソルC2の移動指示が割り当てられている。したがって、回転操作がなされると、その回転操作に応じて、表示制御部12は当該グループカーソルC0内の文字項目62のいずれかにこの文字カーソルC2を移動させる。具体的には、メインコントローラ50で右方向の回転操作(以下、「右回転操作」という。)を行った場合は、グループカーソルC0内で右回転方向に隣接した文字項目62に文字カーソルC2が移動する。また逆に、メインコントローラ50で左方向の回転操作(以下、「左回転操作」という。)を行った場合は、グループカーソルC0内で左回転方向に隣接した文字項目62に文字カーソルC2が移動する。
【0064】
例えば、図5に示す状態から、メインコントローラ50で右回転操作を行えば、図8に示す状態となり、文字カーソルC2が「あ」の文字項目62から「い」の文字項目62に移動する。逆に、図8に示す状態から、メインコントローラ50で左回転操作を行えば、図5に示す状態となり、文字カーソルC2が「い」の文字項目62から「あ」の文字項目62に移動する。したがって、ユーザは、メインコントローラ50に回転操作を行うことで、グループカーソルC0で選択中のグループに含まれる所望の文字を選択することができる。
【0065】
また、メインコントローラ50で押圧操作を行った場合は、その時点で文字カーソルC2がある文字項目62が確定される。これにより、当該文字項目62の文字を入力する指示が指示受付部11に受け付けられる。したがって、ユーザは、メインコントローラ50に押圧操作を行うことで、文字カーソルC2で選択した文字を表示システム100に入力することができる。
【0066】
このようにして入力された文字は、入力バー31aの位置カーソルC1が示す位置に表示される。例えば、図8に示す状態で、メインコントローラ50で押圧操作を行えば、文字カーソルC2がある文字項目62の「い」の文字が、入力する文字として確定される。そして、図9に示すように入力バー31aの位置カーソルC1の位置に「い」の文字が表示される。
【0067】
このような操作体系が採用されるため、ユーザは、メインコントローラ50の方向操作でグループ(五十音図の行/子音)を選択し、メインコントローラ50の回転操作でそのグループに含まれる文字(五十音図の段/母音)を選択できる。その結果、方向操作と回転操作との2種類の操作を組み合わせることで、入力候補となる「ひらがな」に含まれる多数の文字の中から、任意の文字を非常に少ない操作で素早く選択することができる。また、グループの選択と文字の選択とで異なる種類の操作(方向操作と回転操作)が採用されるため、グループを確定する操作が不要であるとともに、グループと文字とをそれぞれ個別に選択できる。このため、グループの選択及び文字の選択を正確に行うことが可能となり、所望の文字を正確に選択することができる。その結果、文字入力に係る操作性を高くすることができることになる。
【0068】
<2−4.種類変更領域>
次に、図4に戻り、種類変更領域32について説明する。種類変更領域32には、選択カーソルC0を移動させることが可能な選択項目として、ひらがなボタン32a、カタカナボタン32b、英字ボタン32c、及び、数記号ボタン32dがある。メインコントローラ50に対して通常方向操作を行うことで、これらのボタン32a〜32dのうちで、その時点で選択カーソルC0のあるボタンから、隣接するボタンに選択カーソルC0を移動させることができる。
【0069】
これらのボタン32a〜32dには、文字選択領域33において入力する文字の種類を変更するコマンドが割り当てられている。例えば、ひらがなボタン32aには、文字選択領域33において入力する文字の種類を「ひらがな」に変更するコマンドが割り当てられている。したがって、ひらがなボタン32aに選択カーソルC0を移動させて押圧操作を行うと、当該コマンドが指示受付部11に受け付けられる。その結果、文字選択領域33においては「ひらがな」に対応するグループ項目61が表示され、「ひらがな」が入力可能となる。
【0070】
同様に、カタカナボタン32bには入力する文字の種類を「カタカナ」に変更するコマンドが割り当てられ、英字ボタン32cには入力する文字の種類を「英字(アルファベット)」に変更するコマンドが割り当てられている。さらに、数記号ボタン32dには、入力可能な文字の種類を「数」及び「記号」に変更するコマンドが割り当てられている。
【0071】
<2−5.コマンド領域>
次に、コマンド領域34について説明する。コマンド領域34には、選択カーソルC0を移動させることが可能な選択項目として、変換ボタン34a、無変換ボタン34b、スペースボタン34c、修正ボタン34d、完了ボタン34e、及び、戻るボタン34fがある。メインコントローラ50に対して通常方向操作を行うことで、これらのボタン34a〜34fのうちで、その時点で選択カーソルC0のあるボタンから、隣接するボタンに選択カーソルC0を移動させることができる。
【0072】
これらのボタン34a〜34fには、文字の入力に関するコマンドが割り当てられている。例えば、変換ボタン34aには、入力バー31aに入力した文字を漢字に変換するコマンドが割り当てられている。したがって、変換ボタン34aに選択カーソルC0を移動させて押圧操作を行うと、当該コマンドが指示受付部11に受け付けられる。その結果、入力バー31aに入力された文字が、漢字に変換される。
【0073】
また、無変換ボタン34bには、入力バー31aに入力した文字を「ひらがな」のままとするコマンドが割り当てられている。無変換ボタン34bに選択カーソルC0を移動させて押圧操作を行うと、入力バー31aに入力された文字が漢字に変換されずに「ひらがな」のままで確定される。
【0074】
スペースボタン34cには、入力バー31aにスペース(空白)を入力するコマンドが割り当てられている。スペースボタン34cに選択カーソルC0を移動させて押圧操作を行うと、入力バー31aの位置カーソルC1の位置にスペースが入力される。
【0075】
修正ボタン34dには、入力バー31a内の文字を削除するコマンドが割り当てられている。修正ボタン31bに選択カーソルC0を移動させて押圧操作を行うと、入力バー31aに表示された文字列のうち位置カーソルC1で指定された文字が削除される。
【0076】
完了ボタン34eには、入力バー31aに入力した文字列を確定して文字入力を終了するコマンドが割り当てられている。完了ボタン34eに選択カーソルC0を移動させて押圧操作を行うと、文字の入力画面に移行する前の画面に戻るとともに、入力バー31aに入力された文字列が編集の対象に反映されることになる。
【0077】
また、戻るボタン34fには、文字の入力をキャンセルするコマンドが割り当てられている。戻るボタン34fに選択カーソルC0を移動させて押圧操作を行うと、編集の対象が変更されずに、文字の入力画面に移行する前の画面に戻ることになる。
【0078】
<3.カーソルの移動>
上述したように、文字選択領域33、種類変更領域32、及び、コマンド領域34においては、メインコントローラ50に対して通常方向操作を行うことで、その時点で選択カーソルC0のある選択項目から、隣接する選択項目に選択カーソルC0を移動させることができるようになっている。
【0079】
また、文字入力エリアA1の各領域31〜34において、他の領域との境界に隣接する選択項目に選択カーソルC0がある場合には、通常方向操作を行うことで選択カーソルC0を他の領域に境界を越えて移動させることができる。より具体的には、他の領域の方向を示す通常方向操作を行うことで、当該他の領域にある選択項目に選択カーソルC0を移動させることができる。
【0080】
例えば、図10の上部に示すように、文字選択領域33の左上隅にある「あ行」のグループ項目61に選択カーソル(グループカーソル)C0がある状態を想定する。この状態において、メインコントローラ50に左方向への通常方向操作を行った場合は、図10の下部に示すように、領域間の境界を越えて、種類変更領域32のひらがなボタン32aに選択カーソルC0が移動する。
【0081】
ところで、図10の上部に示す状態において、文字選択領域33の右側のコマンド領域34の選択項目に対して、ユーザが選択カーソルC0を移動させたい場合がある。この場合に、通常方向操作で選択カーソルC0を移動させようとすると、右方向への通常方向操作を少なくとも3回行う必要がある。このように選択カーソルC0の移動のために必要な操作回数が多くなると、ユーザが煩雑に感じることになる。このような問題に対応するため、本実施の形態の表示システム100では、特殊方向操作に、選択カーソルC0を他の領域に直接的に移動させる指示が割り当てられている。すなわち、特殊方向操作がなされると、表示制御部12は、選択カーソルC0を他の領域に直接的に移動させることになる。
【0082】
例えば、図11の上部に示す状態(図10の上部と同様の状態)において、メインコントローラ50に右方向への特殊方向操作を行った場合は、図11の下部に示すように、コマンド領域34の変換ボタン34aに選択カーソルC0が直接的に移動する。
【0083】
図11の例では、「あ行」のグループ項目61に選択カーソルC0がある状態から選択カーソルC0を移動させているが、文字選択領域33の複数のグループ項目61(選択項目)のいずれに選択カーソルC0がある状態においても特殊方向操作を行った場合は、他の領域の選択項目に選択カーソルC0を移動させることができる。
【0084】
また、図11の例ではコマンド領域34に選択カーソルC0を移動させているが、特殊方向操作によってコマンド領域34以外の領域31,32にも選択カーソルC0を直接的に移動させることができる。
【0085】
選択カーソルC0は、文字選択領域33からみて、特殊方向操作が示す方向にある領域の選択項目に直接的に移動することになる。具体的には、上方向を示す特殊方向操作を行った場合は、文字選択領域33からみて上方向にある文字編集領域31の入力バー31aに選択カーソルC0が移動する。また、右方向を示す特殊方向操作を行った場合は文字選択領域33からみて右方向にあるコマンド領域34の選択項目に選択カーソルC0が移動し、左方向を示す特殊方向操作を行った場合は文字選択領域33からみて左方向にある種類変更領域32の選択項目に選択カーソルC0が移動する。
【0086】
このように、文字選択領域33の選択項目61に選択カーソルC0がある状態において通常方向操作とは異なる特殊方向操作を行った場合においては、文字選択領域33から他の領域に選択カーソルC0を直接的に移動させることができる。したがって、文字を入力する際において領域間の境界を越えて選択カーソルC0を移動させるための操作回数を大幅に減らすことができる。
【0087】
図12は、文字選択領域33の選択項目(グループ項目)61に選択カーソルC0がある状態における、メインコントローラ50へのユーザの操作に応じた表示システム100の処理の流れを示す図である。以下、この処理の流れについて説明する。
【0088】
まず、メインコントローラ50への操作が、押下操作、回転操作、及び、方向操作のいずれであるかが判定される(ステップS1)。また、メインコントローラ50への操作が方向操作であった場合は、さらに、通常方向操作であるか特殊方向操作であるかが判定される(ステップS2)。
【0089】
メインコントローラ50への操作が通常方向操作の場合は(ステップS2にてNo)、表示制御部12が、グループカーソル(選択カーソル)C0のあるグループ項目61から、通常方向操作が示す方向に隣接するグループ項目61にグループカーソルC0を移動させる(ステップS3)。また、メインコントローラ50への操作が回転操作の場合は、表示制御部12が、グループカーソルC0内で回転操作が示す回転方向に隣接した文字項目62に文字カーソルC2を移動させる(ステップS4)。また、メインコントローラ50への操作が押圧操作の場合は、その時点で文字カーソルC2がある文字項目62に対応する文字が入力される(ステップS5)
また、メインコントローラ50への操作が特殊方向操作の場合は、さらに、特殊方向操作が示す方向が判定される(ステップS6)。特殊方向操作が示す方向が左方向の場合は、表示制御部12が、種類変更領域32の選択項目に選択カーソルC0を移動させる(ステップS7)。また、特殊方向操作が示す方向が上方向の場合は、表示制御部12が、文字編集領域31の選択項目に選択カーソルC0を移動させる(ステップS8)。また、特殊方向操作が示す方向が右方向の場合は、表示制御部12が、コマンド領域34の選択項目に選択カーソルC0を移動させる(ステップS9)。
【0090】
このように、表示制御部12が、特殊方向操作が示す方向にある領域に選択カーソルC0を移動させることから、ユーザは文字選択領域33から所望の領域に選択カーソルC0を直感的に移動させることができる。
【0091】
なお、これまでは文字選択領域33の選択項目61に選択カーソルC0がある状態について述べたが、文字選択領域33以外の領域の選択項目に選択カーソルC0がある状態においても、特殊方向操作を行うことが可能である。文字選択領域33以外の領域の選択項目に選択カーソルC0がある状態においては、当該領域からみて文字選択領域33の方向を示す特殊方向操作を行うことで、文字選択領域33の選択項目61に直接的に選択カーソルC0を移動させることができる。
【0092】
例えば、図13の上部に示すように、コマンド領域34の無変換ボタン34bに選択カーソルC0がある状態を想定する。この状態において、メインコントローラ50に左方向への特殊方向操作を行った場合は、図13の下部に示すように、領域間の境界を越えて、文字選択領域33のグループ項目61に選択カーソルC0が直接的に移動する。
【0093】
また、このように文字選択領域33に選択カーソルC0を移動させる場合においては、文字選択領域33において最後に選択カーソルC0があったグループ項目61に、選択カーソルC0を戻すことが望ましい。換言すれば、前回に文字選択領域33に選択カーソルC0があった場合において、文字選択領域33から他の領域に選択カーソルC0を移動させたときに、その移動の直前において選択カーソルC0があったグループ項目61に、選択カーソルC0を戻すことが望ましい。このようにすることで、ユーザが所望の文字を選択する際の操作における違和感を少なくすることができる。
【0094】
また、コマンド領域34と種類変更領域32との間においても、特殊方向操作を行うことで、文字選択領域33を経由せずに選択カーソルC0を直接的に移動させることができるようになっている。
【0095】
例えば、図14の上部に示すように、コマンド領域34の選択項目に選択カーソルC0がある状態を想定する。この状態において、メインコントローラ50に右方向への特殊方向操作を行った場合は、図14の下部に示すように、種類変更領域32の選択項目に選択カーソルC0が直接的に移動する。すなわち、コマンド領域34からみて文字選択領域33の逆方向を示す特殊方向操作を行うことで、選択カーソルC0を種類変更領域32に直接的に移動させることができる。
【0096】
同様に、種類変更領域32の選択項目に選択カーソルC0がある状態において、メインコントローラ50に左方向への特殊方向操作を行った場合は、コマンド領域34の選択項目に選択カーソルC0が直接的に移動する。すなわち、種類変更領域32からみて文字選択領域33の逆方向を示す特殊方向操作を行うことで、選択カーソルC0をコマンド領域34に直接的に移動させることができる。
【0097】
このように、文字選択領域33を挟んで配置されるコマンド領域34と種類変更領域32との間においても、選択カーソルC0を直接的に移動させることができることから、コマンド領域34及び種類変更領域32の一方から他方に選択カーソルC0を移動させるための操作回数を大幅に減らすことができる。
【0098】
以上のように、本実施の形態の表示システム100においては、入力候補となる文字に係る複数のグループ項目61を含む文字選択領域33と、文字以外に係る選択項目を含む3つの領域31,32,34とがディスプレイ3の同一画面に表示される。選択カーソルC0は、これらの領域31〜34に含まれる選択項目のいずれかに移動させることが可能となっている。通常方向操作がなされたときは、表示制御部12が、選択カーソルC0のある選択項目から隣接する選択項目に選択カーソルC0を移動させる。一方、通常方向操作とは異なる特殊方向操作がなされたときは、表示制御部12が、文字選択領域33から3つの領域31,32,34のいずれかに、あるいは、3つの領域31,32,34のいずれかから文字選択領域33に選択カーソルC0を直接的に移動させる。したがって、文字を入力する際において、領域間の境界を越えて選択カーソルC0を移動させるための操作回数を大幅に減らすことができる。
【0099】
<4.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態で説明した形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
【0100】
上記実施の形態では、特殊方向操作は、メインコントローラ50を一の方向へ所定時間内に二回連続して移動させる操作であると説明したが、別の操作であってもよい。例えば、特殊方向操作は、メインコントローラ50を一の方向へ移動させ、基準位置に戻さずに移動させた状態を一定時間以上維持する操作であってもよい。この特殊方向操作は、コンピュータに一般に用いられるポインティングデバイス(マウス)における「長押し」と同種の操作であるため、ユーザは比較的容易に行うことができる。
【0101】
また、上記実施の形態では、日本語の仮名(ひらがな、カタカナ)については、五十音図の行(子音)に基づいてグループへ組み分けを行っていたが、五十音図の段(母音)に基づいて組み分けを行うようにしてもよい。
【0102】
また、上記実施の形態では、入力候補となる文字がグループに組み分けされ、文字選択領域33にグループ項目61が表示されていた。これに対して、入力候補となる文字を組み分けせず、文字選択領域33に入力候補となる各文字に対応する選択項目をそのまま表示し、各文字に対応する選択項目に選択カーソルC0を移動できるようになっていてもよい。
【0103】
また、上記実施の形態では、通常方向操作を行うことでも、領域間の境界を越えて選択カーソルC0を移動させることができた。これに対して、通常方向操作を行った場合には、領域間の境界を越えての選択カーソルC0の移動をできないようにしてもよい。この場合は、領域間の境界を越えての選択カーソルC0の移動は、特殊方向操作を行った場合にのみできることになる。
【0104】
また、上記実施の形態では、表示システム100は車両に搭載される車載表示システムであると説明したが、家庭用のテレビなどの他の表示システムの場合であっても、上述した技術を好適に適用可能である。
【0105】
また、上記実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に各種の機能が実現されると説明したが、これら機能のうちの一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。
【符号の説明】
【0106】
3 ディスプレイ
11 指示受付部
12 表示制御部
31 文字編集領域
32 種類変更領域
33 文字選択領域
34 コマンド領域
50 メインコントローラ
61 グループ項目
62 文字項目
C0 選択カーソル
C2 文字カーソル
100 表示システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに情報を表示する表示システムであって、
入力候補となる文字に係る複数の第1項目を含む第1領域と、前記文字以外に係る第2項目を含む第2領域とを同一画面に表示する表示手段と、
前記表示手段と独立して配置され、方向を示す方向操作をユーザから受付可能な操作部材と、
前記方向操作に応じて、前記複数の第1項目及び前記第2項目を含む複数の選択項目のいずれかに第1カーソルを移動させる表示制御手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、
前記方向操作として、前記操作部材を一の方向へ所定時間内に一回のみ移動させる通常方向操作がなされた場合は、前記複数の選択項目のうち前記第1カーソルのある選択項目から隣接する選択項目に前記第1カーソルを移動させ、
前記方向操作として、前記通常方向操作とは異なる特殊方向操作がなされた場合は、前記第1領域及び前記第2領域の一方から他方に前記第1カーソルを移動させることを特徴とする表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の表示システムにおいて、
前記第2領域は複数あり、
前記複数の第2領域は、前記第1領域からみて異なる方向に配置され、
前記表示制御手段は、前記第1領域に前記第1カーソルがある場合において前記特殊方向操作がなされたときは、前記複数の第2領域のうち該特殊方向操作が示す方向にある前記第2領域に前記第1カーソルを移動させることを特徴とする表示システム。
【請求項3】
請求項1に記載の表示システムにおいて、
前記第2領域は複数あり、
前記複数の第2領域のうちの2つの第2領域は、前記第1領域を挟んで配置されており、
前記表示制御手段は、前記2つの第2領域の一方に前記第1カーソルがある場合において、前記2つの第2領域の一方からみて前記第1領域の逆方向を示す前記特殊方向操作がなされたときは、前記2つの第2領域の他方に前記第1カーソルを移動させることを特徴とする表示システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の表示システムにおいて、
前記特殊方向操作は、前記操作部材を一の方向へ所定時間内に二回連続して移動させる操作であることを特徴とする表示システム。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかに記載の表示システムにおいて、
前記特殊方向操作は、前記操作部材を一の方向へ移動させた状態を一定時間以上維持する操作であることを特徴とする表示システム。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の表示システムにおいて、
前記複数の第1項目は、前記文字が組み分けされる複数のグループにそれぞれ対応し、
前記操作部材は、回転操作を前記ユーザからさらに受付可能であり、
前記表示制御手段は、前記回転操作に応じて、前記第1カーソルのある前記第1項目のグループに含まれる複数の文字にそれぞれ対応する複数の第3項目のいずれかに第2カーソルを移動させることを特徴とする表示システム。
【請求項7】
ユーザに情報を表示する表示方法であって、
(a)入力候補となる文字に係る複数の第1項目を含む第1領域と、前記文字以外に係る第2項目を含む第2領域とを表示手段の同一画面に表示する工程と、
(b)前記表示手段と独立して配置される操作部材において、方向を示す方向操作をユーザから受け付ける工程と、
(c)前記方向操作に応じて、前記複数の第1項目及び前記第2項目を含む複数の選択項目のいずれかに第1カーソルを移動させる工程と、
を備え、
前記工程(c)は、
前記方向操作として、前記操作部材を一の方向へ所定時間内に一回のみ移動させる通常方向操作がなされた場合は、前記複数の選択項目のうち前記第1カーソルのある選択項目から隣接する選択項目に前記第1カーソルを移動させ、
前記方向操作として、前記通常方向操作とは異なる特殊方向操作がなされた場合は、前記第1領域及び前記第2領域の一方から他方に前記第1カーソルを移動させることを特徴とする表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−113541(P2012−113541A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262465(P2010−262465)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】