説明

表示システム

【課題】視認性が良く、多くの情報を提供できる表示システムを提供すること。
【解決手段】センサ部と、表示内容データを格納する記憶手段と、制御部と、制御部からの表示内容出力に基づき情報を表示する表示板とを備えた表示システムであって、前記制御部には、補助表示板を追加接続可能であり、前記記憶手段には、接続機器の属性・機能データ、表示方式データが格納されるとともに、前記制御部は、接続機器認識手段と表示方式選択手段とを備えており、補助表示板を接続すると、該補助表示板を自動認識し動作させると共に、表示方式データを参照して表示方式を変更し、前記表示板に表示する内容の一部を前記補助表示板において表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として道路上あるいはその近傍に設置され、様々な道路情報や気象情報、交通安全情報等を表示する表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、多数のLEDやエレクトロルミネッセンスを用いた表示板に、道路情報や交通安全情報等を表示するようにした表示装置が使用されている。通常、この種の表示装置においては、複数の表示パターンが予め登録されており、この表示パターンに基づいて表示がなされている。
【0003】
そして、このような表示装置においては、道路を通行する車の運転者等に対してより正確かつ多くの情報を提供し、これによって交通安全に資するべく、様々な工夫がなされてきた。
【0004】
例えば、従来のこの種の表示装置として、複数種類の表示文字を記憶する表示文字記憶手段と、表示文字記憶手段に記憶された複数種類の表示文字から表示文字を選択する表示文字選択手段と、その選択された表示文字を組み合わせて表示パターンを作成する表示パターン作成手段と、その作成された表示パターンを登録する表示パターン登録手段と、登録された表示パターンを選択する表示パターン選択手段とを有するパソコンと、表示板と、表示パターン選択手段によって選択された表示パターンが入力され、前記入力された表示パターンに基づいてその表示パターンで表示板を継続表示させる表示制御部とを有するものがある(特許文献1)。
【0005】
この従来の表示装置によれば、表示を変更したい場合には、予め記憶された表示文字から表示すべき文字を適宜選択し、それを組み合わせて表示パターンを作成登録して、その登録した表示パターンを表示制御部に入力することによって、表示を変更することができるので、操作が非常に容易となっていた。
【0006】
また、この表示装置によれば、周囲の気温を検知する温度センサを備え、気温の表示と気温に対応して選択される表示文字(例えば、氷点下時における「凍結注意」など)の表示とを組み合わせた表示パターンを表示することができる(図8参照)。
【特許文献1】特開2000−352019号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、この従来の表示装置においては、必要に応じて複数の情報を表示できるものの、多くの情報を表示しようとすると、各情報の表示文字サイズが小さくなってしまう。そうすると、視認性が悪くなり、却って運転者らに伝えるべき情報が伝わらないという問題点があった。
【0008】
また、この種の表示装置は固定的に設置されるものであるため、いったん表示装置を設置した後に、新たに表示すべき事項の変更や追加の必要が生じた場合には、表示装置全体を取り替えるか、あるいは別の新たな表示装置を追加設置するよりほかなかった。
【0009】
装置全体を取り替えるとすると、当然、相当のコストと手間を要することとなる。また、別の表示装置を追加するとすれば、別途電源を設けたり、配線をするなどのハードの改造が必要となり、またそれに応じたソフトの変更も必要となっていた。
【0010】
本発明は、上記のような問題点を克服するためになされたものであり、視認性が良く、必要な情報をできるだけ多く運転者らに伝えることのできる表示システムを提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、表示すべき事項の変更や追加の必要が生じたときに、システム全体の取り替えをする必要もなく、別の補助表示装置を追加することによってハードやソフトの改変をする必要もない表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、本発明の表示システムは、外部条件を検知するセンサ部と、表示内容データを格納する記憶手段と、前記センサ部からの情報に基づき前記表示内容データから表示内容を選択する表示内容選択手段を有する制御部と、制御部から出力された表示内容に基づき情報を表示する表示板とを備えた表示システムであって、前記制御部は、機器接続部を備えていて別の補助表示板を追加接続可能であり、前記記憶手段には、接続機器の属性・機能データ、表示方式データが格納されるとともに、前記制御部は、接続機器認識手段、および表示方式選択手段を備えており、前記制御部への接続手段を有する補助表示板を前記接続部に接続すると、前記接続機器認識手段が前記補助表示板が備える属性・機能データと予め記憶された前記接続機器の属性・機能データとを参照して該補助表示板を自動認識し動作させると共に、前記表示方式選択手段が表示方式データを参照して表示方式を変更し、前記表示板に表示する内容の一部を前記補助表示板において表示するようにしたことを特徴とする。
【0013】
この表示システムによれば、新たな補助表示板を元の表示システムに接続するだけで、当該補助表示板を自動的に認識し動作させるという所謂プラグアンドプレイ機能を有すると共に、システムとして表示すべき情報の一部をこの補助表示板に表示させることができる。したがって、表示すべき情報の変更や追加を容易に行うことができるので、迅速な対応が可能になるとともに、設置コスト面でも非常に有利となる。また、表示する情報が増えても、その一部を補助表示板に表示することによって元の表示文字サイズを維持することができるので、運転者等にとって良い視認性が確保される。
【0014】
ここで、「表示内容データ」とは、様々な表示に使用する表示文字・図案のデータ、およびそれらを組み合わせた表示パターンを含むようにすることができる。より具体的には、表示文字・図案のデータとは、例えば「安全運転」「交通安全」「速度注意」「対向車注意」「凍結注意」「スリップ注意」「点灯せよ」「この先」「事故発生」「災害発生」などの表示文字や、天気等の気象条件を表す図記号、交通標識に使用される記号や図案、その他道路の通行者に対して注意喚起を促す様々な図案、記号等を含むものである。また、ここでいう表示パターンとは、例えば、「この先」「急カーブ」「走行注意」などの複数の表示文字や前記各種図案を選択して、これらの表示文字を所定時間毎に、又はランダムな時間間隔を保って順次繰り返し表示させ、あるいは更に上記各種図案、気温や風速などのセンサ部で検知した情報も組み合わせて表示させるというパターンのことである。
【0015】
また、「表示板」および「補助表示板」は、例えば多数のLEDやエレクトロルミネッセンス等の自発光体を備え、それらを外部からの制御により任意の発光体を発光させ、表示したい表示内容を表示させることを可能とするものである。なお、表示板は、補助表示板を接続するための機器接続部を備えるとともに、補助表示板は、表示板の機器接続部に接続する可能な接続手段を備えている。
【0016】
「接続機器の属性・機能データ」とは、接続される補助表示板についての属性および機能に関するデータであり、補助表示板を制御部の接続部に接続したときに自動的に当該補助表示板を認識して動作させるためのプログラムを含む。
【0017】
「表示方式」とは、前記表示パターンにおいて表示すべき内容の全てを表示板に表示させる、あるいは表示すべき内容の一部を補助表示板に分割して表示させるという、それぞれの表示方法を指し、表示方式データは、これら複数の表示方式の属性を含むものである。
【0018】
前記記憶手段に格納された表示内容データは、表示文字・図案データと表示パターン・データとを含み、前記表示内容選択手段は、前記表示文字・図案データから1つ又は複数の表示文字を選択する表示文字・図案選択手段と、選択された表示文字・図案に基づいて表示パターンを作成する表示パターン作成手段と、作成された複数の表示パターンを予め登録しておく表示パターン登録手段と、表示パターン選択手段とを含むようにするのが好ましい。
【0019】
このようにすれば、表示内容の変更、追加をする場合に、予め登録された表示パターンの中から必要な表示パターンを選択して表示させることができ、また、さらに表示内容を追加する場合にも、表示文字をいちいち作成する必要がなく、予め記憶された表示文字の中から表示文字を選択し、それを組み合わせて表示パターンを作成すればよいので、非常に容易に表示内容の変更が出来る。
【0020】
また、前記センサ部は、視程計、照度計、温度計、湿度計、風速計、降雨計、または積雪計のうちのいずれか1つ、あるいはそれらのうち任意のセンサを複数備えるようにするのが好ましい。
【0021】
このようにすれば、目的に応じて必要な外部条件を検知し、表示すべき情報を適切に選択して表示することができる。なお、このセンサ部は、上記のものに限定されず、必要に応じて様々なセンサを備えるようにすることができる。
【0022】
さらに、前記表示システムは、有線または無線の通信手段により接続された情報基地局から発信される情報を受信する受信部を備えると共に、前記条件属性データには、前記情報基地局から発信される情報の属性データが含まれるようにするのが好ましい。
【0023】
ここでいう「情報基地局」とは、道路管理者等が管理する道路情報発信基地局や、気象情報を発信する気象情報局など、様々な情報発信基地局が含まれる。例えば、道路管理者が管理し情報受信手段、情報処理部、および情報送信手段を備えた基地局であり、道路に設置したITVカメラから送信される道路状況に関する情報やインターネット等により得られる広域情報などを受信、情報処理し、前記条件選択手段で選択される条件に関する情報として、表示システムの制御部へ送信する。この道路管理基地局は有人のものであっても、無人(自動制御)のものであってもよい。
【0024】
このようにすれば、前記センサ部では検知できない事故や自然災害など、非常時の注意情報や警報情報等を表示することが可能となる。
【0025】
なお、本発明においては、接続された補助表示板を取り外せば、自動的に表示板の表示が補助表示板接続前の表示に戻るよう制御されているのが好ましい。このようにすれば、補助表示板の取り外し時に、表示板の表示を元に戻す作業が不要となる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、新たな補助表示板を元の表示システムに接続するだけで、当該補助表示板を自動認識すると共に、システムとして表示すべき情報の一部をこの補助表示板に表示させることができる。したがって、表示すべき情報の変更や追加を容易に行うことができるので、迅速な対応が可能になるとともに、設置コスト面でも非常に有利となる。また、表示する情報が増えても、その一部を補助表示板に表示することによって表示文字のサイズを維持することができるので、運転者等にとって良い視認性が確保される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明に係る表示システムの最良の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0028】
図1は、本発明に係る表示システム1において補助表示板4を取り付けた状態を示す正面図、図2は、その側面図、図3は背面図である。図4(a)および(b)は、本発明に係る表示システム1の補助表示板4取り付け前の状態を示す図である。
【0029】
また、図5は、本発明に係る表示システムの一実施形態について、そのシステム構成を示す概略図であり、図6は、本発明に係る表示システムの動作フローを示す図である。
【0030】
図1に示すとおり、本発明に係る表示システム1は、表示板2と補助表示板4とを、それぞれ固定手段91、92により、当該表示システムの設置位置の地表面Gに立設した支柱5に固定することによって構成されており、この実施形態においては、表示板2の筐体内に、本表示システム1の制御装置3が備えられている。
【0031】
表示板2および補助表示板4は、それぞれ多数のチップLEDを略マトリクス状に配置した表示部21および41を備えており、いずれも制御部8からの制御により任意のLEDを発光させ、表示すべき内容を適宜表示することが可能となっている。
【0032】
上述の通り、この実施形態においては、表示システム1の制御装置3は、表示板2の筐体内に備えられているが、必ずしもこのような形態に限定される必要はなく、当該制御装置3は、表示板2に取付けられるようにしても良いし、表示板2に近接して設けるようにしても良い。
【0033】
制御装置3の構成は、図5に示すとおりであって、記憶手段7と制御部8とを備えている。記憶手段7は、同じく図5に示す通り、条件の属性データ71、表示内容データ72、接続機器データ73、および表示方式データ74とを格納しており、前記表示内容データ72は、表示文字・図案データ721と表示パターンデータ722とを含むものである。
【0034】
ここで、前記「条件の属性データ71」とは、年月日や曜日、時刻など、季節や時間帯に関する属性、気温や湿度、降雨、降雪、風速などセンサ6で検知される外部条件の属性、当該表示システム1が設置される場所の地理的条件の属性、あるいは事故や自然災害に関する情報など外部(情報基地局9)から伝達される非常の情報の属性等、道路の通行に影響を与える可能性のある条件の属性に関するデータの属性を広く含んでおり、これらの属性が予め記憶手段7に格納されている。
【0035】
また、表示内容データ72としては、様々な表示に使用する複数の表示文字・図案データ721、およびそれらを組み合わせて作成・登録された複数の表示パターン722を含んでいる。尚、表示パターン722は、前記表示文字・図案のデータ721は、例えば「安全運転」「交通安全」「速度注意」「対向車注意」「凍結注意」「スリップ注意」「点灯せよ」「この先」「事故発生」「災害発生」などの表示文字や、天気等の気象条件を表す図記号、交通標識に使用される記号や図案、その他道路の通行者に対して注意喚起を促す様々な図案、記号等がある。
【0036】
また、表示パターンデータ722とは、例えば、「この先」「急カーブ」「走行注意」などの複数の表示文字や前記各種図案を選択し、これらの表示文字を所定時間毎に、又はランダムな時間間隔を保って順次繰り返し表示させ、あるいは更に上記各種図案、気温や風速などのセンサ部で検知した情報も組み合わせて表示させるというような表示パターンが複数作成・登録されたデータのことである。
【0037】
接続機器データ73は、制御装置3(制御部8)に接続される補助表示板4に関する当該接続機器の属性や機能などに関するデータを含み、また補助表示板4が接続されたときに当該補助表示板4を自動認識し、動作させるためのプログラムを含んでいる。
【0038】
尚、表示方式とは、上述の通り、表示すべき内容の全てを表示板に表示させる、あるいは表示すべき内容の一部を補助表示板に分割して表示させるという、それぞれの表示方法を指し、表示方式データ74は、これら複数の表示方式の属性を含むデータのことである。
【0039】
一方、制御部8は、センサ6や情報基地局9から取得する条件情報と記憶手段7に格納されている条件の属性データ71を参照して条件を選択する条件選択手段81と、前記選択された条件と記憶手段7に格納されている表示内容データ72とを参照して表示内容を選択する表示内容選択手段82とを備えている。また、補助表示板4を接続したときに、当該補助表示板4の接続を検知すると共に記憶手段7に格納されている接続機器データ73を参照して補助表示板4を認識し、当該補助表示板4を動作させる接続機器認識手段83、および補助表示板4の接続(および取り外し)の際に、表示方式データ74を参照して表示方式を選択する表示方式選択手段84を備えている。
【0040】
尚、この図に示す表示システムにおいては、センサ6として温度センサを、情報基地局9は本表示システムが設置される道路の道路管理局を利用するものとしている。センサ6は有線の入力手段により制御装置3(制御部8)と接続され、情報基地局9は無線手段により制御装置3(制御部8)に設けた受信アンテナ85と通信可能になっており、当該情報基地局9から、道路の交通状況や、事故・災害情報、気象情報などが、適時送信され、受信アンテナ85を介して制御部へ入力される。
【0041】
また、表示内容選択手段82は、表示文字選択手段821、表示パターン作成手段822、表示パターン登録手段823、および表示パターン選択手段とを備えている。表示文字選択手段821により表示文字・図案データ721の中から適宜表示文字・図案を選択し、表示パターン作成手段822により選択した表示文字・図案を組み合わせて表示パターンを作成し、作成した表示パターンを表示パターン登録手段823により登録する。また、表示パターン選択手段824により、条件に応じた表示パターンを選択する。これにより、条件に応じた表示内容を選択することが可能となる。
【0042】
さらに、制御部8は、表示板2に表示内容を出力する第一の出力手段86および補助表示板4に表示内容を出力する第二の出力手段87とを備えている。
【0043】
表示板2と制御部8とはケーブルで接続されており、表示板2で表示すべき表示内容は、第一の出力手段86から前記ケーブルを介して表示板2へ出力される。また、補助表示板4は、接続手段42(この実施形態では、先端にプラグを有するケーブル)により制御部8に設けた接続部88(プラグソケット)に対して接続・取り外し可能となっており、前記接続手段42を前記接続部88に接続すると、接続部88および接続手段42を介して、補助表示板4へ電力が供給されると共に、制御部8の接続機器認識手段83により接続機器データ73を参照して補助表示板4を自動認識し、動作させる。さらに、表示方式選択手段84により表示方式データ74を参照して、それまで表示板2に表示されていた内容の一部を補助表示板4に表示させるという表示方式を選択し、それに基づいた表示内容が表示板2および補助表示板4へそれぞれ出力される。
【0044】
このような構成をとることにより、補助表示板4を接続すれば、制御装置3が補助表示板4を自動認識し、それまで表示板2に表示していた内容の一部を補助表示板に表示させることが出来る。それゆえ、表示すべき情報の変更や追加が必要な場合にも大掛かりな装置取替え工事やハード・ソフトの改変を要しないので、表示内容の変更・追加が容易であって迅速な対応が可能になるとともに、設置コスト面でも非常に有利となる。また、表示する情報が増えても、その一部を補助表示板に表示することによって表示文字のサイズを大きいままで維持することが可能となるため、運転者等にとって良い視認性が確保される。
【0045】
なお、制御装置3の接続部88は複数備えるようにすることができ、それに応じて多くの接続機器データ88、および表示方式データ74を予め入力しておけば、より多くの情報を必要に応じて表示させることが可能となる。また、この実施形態においては表示板2と補助表示板4とでは別々の情報を表示しているが、1つの(あるいは一連の)情報を表示板2と補助表示板4とに分割して表示させるようにすることも可能である。
【0046】
次に、上記のシステム構成を踏まえ、図6のフロー図に基づいて、補助表示板4の接続前の、この実施形態における表示システム1の具体的な動作について説明する。
【0047】
先ず、センサ6で検知した情報、および情報基地局9から発信された情報が外部条件として制御部8において取得される(S1)。
【0048】
続いて、S1で取得した情報および記憶手段7に格納されている条件の属性データ71を参照して(S2)、条件選択手段81により、その時点で該当する条件を選択する(S3)。
【0049】
次に、S3で選択された条件を基に表示内容データを参照して(S4)、制御部8の表示内容選択手段82により、表示板2で表示すべき表示内容を選択する(S5)。
【0050】
続いて、接続機器認識手段83により接続機器の有無を参照するとともに、S5で選択した表示内容および表示方式データ74を参照して(S6)、表示方式を選択する(S7)。補助表示板4を接続する前においては、当然のことながら、表示すべき事項をすべて表示板2で表示することになるので、表示方式としては、表示すべき内容を全て表示板2に表示するという表示方式を選択することになる。尚、補助表示板4を接続しない間は、S6およびS7のステップは省略してもよい(この場合、図6における矢印Rのフローに沿って、S5からS8のステップに進む)。
【0051】
以上のS1〜S7のステップを踏んで表示すべき内容が決定され、当該表示すべき表示内容が制御部8から表示板2へ出力され(S8)、表示板2において、表示すべき内容を表示することになる(S9)。
【0052】
図4(a)は、S1〜S9の動作により、「走行注意」と「只今の気温 25℃」が表示された状態を示している。尚、このように一般的注意表示「走行注意」とセンサ6(温度センサ)で検知した温度とを表示板2で表示させると、一般的注意表示のみを表示する場合(図4(b))に比べて表示文字のサイズが小さくなってしまう。そうすると、より多くの情報を提供しようとすればするほど視認性が悪くなり、却って情報が伝わりにくいという不都合が生じる。
【0053】
以後、経時的にS1〜S9の動作を繰り返すよう制御部8で制御することによって、適時条件に応じた表示内容を表示させることが可能となっている。
【0054】
なお、上記繰り返しについては、常に一定時間間隔でセンサ6や情報基地局9からの情報を取得して表示を変更する(すなわち図6における矢印Pのフロー)ようにしてもよいし、あるいは、通常はセンサ6や情報基地局9からの情報以外の記憶手段7に格納されている条件の属性データ71(年月日、時刻など)を参照してS2〜S9の動作を繰り返すようにする(図6のおける矢印Qのフロー)とともに、センサ6(温度センサ)からの温度変化情報や情報基地局9からの情報が制御部8に入力されたときにのみ、S1へ戻ってS1〜S9の動作をする(矢印Pのフロー)ようにすることも可能である。
【0055】
次に、図7を参照して、補助表示板4を接続したときの動作について説明する。
【0056】
図7におけるS1からS9の動作は図6に記載の動作フローと同じであって、補助表示板4を接続する前の動作を示しており、これに補助表示板4を接続することによって、S10以下の動作が行われることとなる。
【0057】
先ず、補助表示板4の接続手段42を、制御部8の接続部88に接続する(S10)。そうすると、制御部8において、記憶手段7に格納されている接続機器データ73を参照して(S11)、接続機器認識手段83により、当該補助表示板4を自動認識する(S12)。
【0058】
接続機器認識手段83により補助表示板4を自動認識すると、図7における矢印Tに示すとおり、制御部8において、補助表示板4に関するデータと表示方式データとを参照し(S6)、表示方式選択手段84より表示方式を選択する(S7)。
【0059】
これによって、表示すべき内容の一部を補助表示板4に表示させる表示方式が選択され、それまで表示板2に表示されていた表示内容の一部が、補助表示板4に表示されることとなる。
【0060】
このような動作をすることで、表示すべき情報の変更や追加が必要な場合にも大掛かりな装置取替え工事やハード・ソフトの改変を要しないので、表示内容の変更・追加が容易であって迅速な対応が可能になる。また、それゆえコスト面でも非常に有利となる。さらに、例えば、図4(a)における温度表示を補助表示板4に表示させることによって、表示板2の表示文字サイズを図4(b)の大きさとすることができる。したがって、表示する情報が増えても、その一部を補助表示板に表示することによって表示文字のサイズを大きいままで維持することが可能ようにとなり、運転者等にとって良い視認性が確保される。
【0061】
一方、補助表示板4が取り外されると、制御部8において、接続機器(補助表示板4)が取り外されたことを検知すると共に、再度表示方式データ74を参照して(S6)、表示方式を選択する(S7)。ここでは、補助表示板4を取り外す場合には、補助表示板4を接続する前の表示方式、すなわち、補助表示板4に表示していた内容を含めて表示板2に表示する表示する表示方式を選択することになる。そして、選択された表示方式に基づいて制御部8から表示すべき表示内容が表示板2へ出力され、前記表示内容が表示板2において表示される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係る表示システムの設置状態を示す正面図である。
【図2】本発明に係る表示システムの設置状態を示す側面図である。
【図3】本発明に係る表示システムの設置状態を示す背面図である。
【図4】(a)は、本発明に係る表示システムの補助表示板接続前の状態(温度表示付き)を示す正面図であり、(b)は、同じく本発明に係る表示システムの補助表示板接続前の状態(温度表示無し)を示す正面図である。
【図5】本発明に係る表示システムのシステム構成を示す概略図である。
【図6】本発明に係る表示システムの補助表示板が接続されていない状態における動作を示すフロー図である。
【図7】本発明に係る表示システムの補助表示板が接続された状態における動作を示すフロー図である。
【図8】従来の表示システムを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0063】
1 表示システム
2 表示板
21 表示部
3 制御装置
4 補助表示板
41 表示部
42 接続手段
5 支柱
6 センサ
7 記憶手段
71 条件の属性データ
72 表示内容データ
73 接続機器データ
74 表示方式データ
8 制御部
81 条件選択手段
82 表示内容選択手段
83 接続機器認識手段
84 表示方式選択手段
88 接続部





【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部条件を検知するセンサ部と、表示内容データを格納する記憶手段と、前記センサ部からの情報に基づき前記表示内容データから表示内容を選択する表示内容選択手段を有する制御部と、制御部から出力された表示内容に基づき情報を表示する表示板とを備えた表示システムであって、前記制御部は、機器接続部を備えていて別の補助表示板を追加接続可能であり、前記記憶手段には、接続機器の属性・機能データ、表示方式データが格納されるとともに、前記制御部は、接続機器認識手段、および表示方式選択手段を備えており、前記制御部への接続手段を有する補助表示板を前記接続部に接続すると、前記接続機器認識手段が前記補助表示板が備える属性・機能データと予め記憶された前記接続機器の属性・機能データとを参照して該補助表示板を自動認識し動作させると共に、前記表示方式選択手段が表示方式データを参照して表示方式を変更し、前記表示板に表示する内容の一部を前記補助表示板において表示するようにしたことを特徴とする表示システム。
【請求項2】
前記記憶手段に格納された表示内容データは、表示文字・図案データと表示パターン・データとを含み、前記表示内容選択手段は、前記表示文字・図案データから1つ又は複数の表示文字を選択する表示文字・図案選択手段と、選択された表示文字・図案に基づいて表示パターンを作成する表示パターン作成手段と、作成された複数の表示パターンを予め登録する表示パターン登録手段と、表示パターン選択手段とを含んでいることを特徴とする請求項1記載の表示システム。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−180945(P2009−180945A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−20142(P2008−20142)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000002462)積水樹脂株式会社 (781)
【Fターム(参考)】