説明

表示ディスプレイ保護装置及び表示装置

【課題】より確実に物理的衝撃から表示ディスプレイを保護する表示ディスプレイ保護装置及び表示装置を提供する。
【解決手段】液晶パネルの前面側に設けられる液晶パネル保護装置4に、略真空状態となっており液晶パネルを視認可能に略透明な袋状の保護部材と、保護部材に注入される気体を保持する気体保持部と、保護部材と気体保持部とを連結するとともに、気体保持部から保護部材への気体の流入を調節する調節弁42と、保護部材の前面側に存する障害物との距離を検出する位置センサ44と、CPU45に、検出された距離の時間変化から障害物の接近速度を算出させる速度算出プログラム47Aと、検出された距離が所定値以下で、且つ、算出される速度が所定値以上の場合に、調節弁42を開いて、保護部材に気体保持部から気体を流入させる開閉制御プログラム47Bと、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示ディスプレイ保護装置及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示ディスプレイである液晶パネルは、外部からの物理的衝撃に弱いため、何らかの保護を施す必要がある。そして、例えば、液晶パネルを備える表示装置において、転倒時保護バーを備え、転倒時に当該転倒時保護バーを液晶パネルの前面側或いは背面側に突出させることにより、液晶を保護するものが知られている(例えば、特許文献1)。
また、車両などに搭載されるエアバッグ装置において、乗員との距離を赤外線センサにより検出し、乗員の姿勢を推定することにより、エアバッグの展開を制御し、衝突時の物理的衝撃から乗員を保護するものも知られている(例えば、特許文献2)。
【特許文献1】特開2001−005397号公報
【特許文献2】特開平10−315906号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、液晶パネルを外部からの物理的衝撃から保護するためには、転倒時における物理的衝撃だけでなく、液晶パネルに向かって衝突してくる物体等からも保護する必要がある。
また、車両と液晶パネルでは、構造及び用途が全く異なるため、車両で用いられているエアバック装置をそのまま液晶パネルに適用しただけでは液晶パネルの性能を劣化させてしまうおそれがある。
【0004】
本発明の課題は、より確実に物理的衝撃から表示ディスプレイを保護する表示ディスプレイ保護装置及び表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、表示ディスプレイと、前記表示ディスプレイを備える表示部に設けられる表示ディスプレイ保護装置と、を備える表示装置において、
前記表示ディスプレイ保護装置は、
前記表示ディスプレイの前面側に設けられる袋状の保護部材と、
前記保護部材に注入される気体を保持する気体保持部と、
前記保護部材と前記気体保持部とを連結するとともに、前記気体保持部から前記保護部材への気体の流入を調節する調節弁と、
前記表示ディスプレイの前面側に備えられ、前記保護部材の前面側に存する障害物との距離を検出する距離検出手段と、
前記距離検出手段により検出された距離の時間変化から障害物の接近速度を算出する速度算出手段と、
前記保護部材の振動を検出する振動検出手段と、
前記距離検出手段により検出された距離が所定値以下、前記速度算出手段により算出される速度が所定値以上、及び、前記振動検出手段により検出される振動の振幅が所定値以上の場合に、前記調節弁を開いて、前記保護部材に前記気体保持部から気体を流入させる調節弁制御手段と、
を備え、
前記保護部材は、
略透明なフィルム材からなり、前記気体保持部から気体が流入していない時は、当該保護部材は略真空状態となっており、当該保護部材を介して前記表示ディスプレイを視認可能になっていることを特徴としている。
【0006】
請求項2に記載の発明は、表示ディスプレイを備える表示装置に設けられる表示ディスプレイ保護装置において、
前記表示ディスプレイの前面側に設けられる略透明な袋状の保護部材と、
前記保護部材に注入される気体を保持する気体保持部と、
前記保護部材と前記気体保持部とを連結するとともに、前記気体保持部から前記保護部材への気体の流入を調節する調節弁と、
前記表示ディスプレイの前面側に備えられ、前記保護部材の前面側に存する障害物との距離を検出する距離検出手段と、
前記距離検出手段により検出された距離の時間変化から障害物の接近速度を算出する速度算出手段と、
前記距離検出手段により検出された距離が所定値以下で、且つ、前記速度算出手段により算出される速度が所定値以上の場合に、前記調節弁を開いて、前記保護部材に前記気体保持部から気体を流入させる調節弁制御手段と、
を備え、
前記保護部材は、
前記気体保持部から気体が流入していない時は略真空状態となっており、当該保護部材を介して前記表示ディスプレイを視認可能になっていることを特徴としている。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の表示ディスプレイ保護装置において、
前記保護部材の振動を検出する振動検出手段を備え、
前記調節弁制御手段は、
前記振動検出手段により検出される振動の振幅が所定値以上の場合に、前記調節弁を開いて、前記保護部材に前記気体保持部から気体を流入させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、保護部材が表示ディスプレイの前面側に設けられ、気体保持部により、保護部材に注入される気体が保持され、調節弁により、保護部材と気体保持部とが連結されるとともに、気体保持部から保護部材への気体の流入が調節され、表示ディスプレイの前面側に備えられた距離検出手段により、保護部材の前面側に存する障害物との距離が検出され、速度算出手段により、距離検出手段によって検出された距離の時間変化から障害物の接近速度が算出され、調節弁制御手段により、距離検出手段によって検出された距離が所定値以下で、且つ、速度算出手段によって算出される速度が所定値以上の場合に、調節弁が開かれて、保護部材に気体保持部から気体が流入されるので、表示ディスプレイの前面側に、障害物が所定値以下の距離で存在し、且つ、所定値以上の接近速度で接近する場合には、気体が流入することにより保護部材が膨らむこととなって、転倒時における物理的衝撃だけでなく、表示ディスプレイに向かって衝突してくる物体等からも表示ディスプレイを保護することができることとなって、より確実に物理的衝撃から表示ディスプレイを保護することができる。
また、保護部材は、略透明なフィルム材からなり、気体保持部から気体が流入していない時は略真空状態となっており、当該保護部材を介して表示ディスプレイを視認可能になっているので、車両に用いられるエアバック装置と違って当該保護部材によって表示ディスプレイに表示される映像等が遮られることがなく好適である。
【0009】
また、振動検出手段により、保護部材の振動が検出され、調節弁制御手段は、振動検出手段により検出される振動の振幅が所定値以上の場合に、調節弁を開いて、保護部材に気体保持部から気体を流入させるので、表示ディスプレイの前面側に存する障害物により保護部材が所定値以上の振幅で振動した場合には、気体が流入することにより保護部材が膨らんで表示ディスプレイを保護することとなって、さらに確実に物理的衝撃から表示ディスプレイを保護することができる。
【0010】
また、保護部材により、表示ディスプレイに手などが直接触れることを防ぐことができ、手垢等による汚れを防ぐことができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、略透明な袋状の保護部材が表示ディスプレイの前面側に設けられ、気体保持部により、保護部材に注入される気体が保持され、調節弁により、保護部材と気体保持部とが連結されるとともに、気体保持部から保護部材への気体の流入が調節され、表示ディスプレイの前面側に備えられた距離検出手段により、保護部材の前面側に存する障害物との距離が検出され、速度算出手段により、距離検出手段によって検出された距離の時間変化から障害物の接近速度が算出され、調節弁制御手段により、距離検出手段によって検出された距離が所定値以下で、且つ、速度算出手段によって算出される速度が所定値以上の場合に、調節弁が開かれて、保護部材に気体保持部から気体が流入されるので、表示ディスプレイの前面側に、障害物が所定値以下の距離で存在し、且つ、所定値以上の接近速度で接近する場合には、気体が流入することにより保護部材が膨らむこととなって、転倒時における物理的衝撃だけでなく、表示ディスプレイに向かって衝突してくる物体等からも表示ディスプレイを保護することができることとなって、より確実に物理的衝撃から表示ディスプレイを保護することができる。
また、保護部材は、気体保持部から気体が流入していない時は略真空状態となっており、当該保護部材を介して表示ディスプレイを視認可能になっているので、車両に用いられるエアバック装置と違って当該保護部材によって表示ディスプレイに表示される映像等が遮られることがなく好適である。
【0012】
また、保護部材により、表示ディスプレイに手などが直接触れることを防ぐことができ、手垢等による汚れを防ぐことができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、振動検出手段により、保護部材の振動が検出され、調節弁制御手段は、振動検出手段により検出される振動の振幅が所定値以上の場合に、調節弁を開いて、保護部材に気体保持部から気体を流入させるので、表示ディスプレイの前面側に存する障害物により保護部材が所定値以上の振幅で振動した場合には、気体が流入することにより保護部材が膨らんで表示ディスプレイを保護することとなって、さらに確実に物理的衝撃から表示ディスプレイを保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図を参照して、本発明に係る表示ディスプレイ保護装置及び表示装置を実施するための最良の形態を詳細に説明する。本実施形態では、表示ディスプレイとして液晶パネル20を例示して説明する。
【0015】
まず、本発明に係る表示装置1の構成について図1を参照しながら説明する。本実施形態に係る表示装置1は、例えば、図1に示すように、表示部2,支持台3,表示ディスプレイ保護装置としての液晶パネル保護装置4等を備えて構成される。
【0016】
表示部2は、例えば、液晶パネル20,当該液晶パネル20を保持するパネル枠21等を備えて構成される。
液晶パネル20は、例えば、略矩形の平板形状に形成されている。
パネル枠21は、例えば、液晶パネル20をはめ込み可能な略矩形の凹部22を備える枠体である。
【0017】
支持台3は、例えば、パネル枠21の下部に連結され、表示部2を支持する台である。
【0018】
液晶パネル保護装置4は、例えば、図1〜図3に示すように、液晶パネル20の前面側に設けられる保護部材40,当該保護部材40に注入される気体を保持する気体保持部41,当該保護部材40と気体保持部41とを連結する調節弁42,振動センサ43,位置センサ44,CPU(Central Processing Unit)45,RAM(Random Access Memory)46,記憶部47等を備えて構成される。
【0019】
保護部材40は、例えば、略透明なフィルム部材から形成される袋状の部材であり、パネル枠21の液晶パネル20の前側に、当該パネル枠21の凹部22を覆うように取り付けられている。
より具体的には、保護部材40は、例えば、図2(a),図2(b)に示すように、パネル枠21に固定される第1面401と、当該第1面401に対向し、上端が第1面401とともにパネル枠21に固定され、下端がパネル枠21に固定されていない第2面402と、第1面401の下端と第2面402の下端とを連結する第3面403とからなる袋状の部材であり、表示装置1に取り付けられた際には、その内部が略真空状態となっており、液晶パネル20に表示された画像が視認可能となっている。
また、第3面403の一部には開口部が設けられており、この開口部が調節弁42と接続され、調節弁42が開かれた際に気体保持部41からの気体が流入する流入口となっている。
【0020】
気体保持部41は、例えば、パネル枠21の保護部材40の下側に設けられ、当該保護部材40の下端と調節弁42を介して連結されている。そして、気体保持部41は、保護部材40に注入される気体を圧縮した状態で保持している。保護部材40に注入される気体としては、安全のため、人間が吸引しても害のない気体であることが望ましい。
【0021】
調節弁42は、例えば、CPU45が後述する開閉制御プログラム47Bを実行することにより制御されて開閉し、気体保持部41から保護部材40への気体の流入を調節する。
そして、例えば、図2(b)に示すように、調節弁42が開かれると、気体保持部41からの気体が当該保護部材40に流入し、保護部材40の第2面402が前側へと移動することにより、当該保護部材40が膨張するようになっている。
【0022】
振動センサ43は、例えば、加速度センサ等であり、保護部材40の振動を検出する。具体的には、振動センサ43は、保護部材40の振動を検出し、振動の振幅の大きさに応じた検出信号をCPU45に出力する。これにより、振動センサ43は、振動検出手段として機能する。
【0023】
位置センサ44は、例えば、赤外線センサ等であり、パネル枠21の液晶パネル20の前側に備えられて、保護部材40の前面側に存する障害物との距離を検出する。具体的には、位置センサ44は、保護部材40の前面側に存する障害物との距離を検出し、当該距離の長さに応じた距離検出信号をCPU45に出力する。これにより、位置センサ44は、距離検出手段として機能する。
【0024】
CPU45は、例えば、記憶部47に格納された処理プログラム等を読み出して、RAM46に展開して実行することにより、液晶パネル保護装置4全体の制御を行う。
【0025】
RAM46は、CPU45により実行された処理プログラム等を、RAM46内のプログラム格納領域に展開するとともに、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果等をデータ格納領域に格納する。
【0026】
記憶部47は、例えば、プログラムやデータ等が予め記憶されている記録媒体(図示せず)を有しており、この記録媒体は、例えば、半導体メモリ等で構成されている。また、記憶部47は、CPU45が液晶パネル保護装置4全体を制御する機能を実現させるための各種データ,各種処理プログラム,これらプログラムの実行により処理されたデータ等を記憶する。より具体的には、記憶部47は、例えば、図3に示すように、速度算出プログラム47A,開閉制御プログラム47B等を格納している。
【0027】
速度算出プログラム47Aは、例えば、CPU45に、位置センサ44によって検出された距離の時間変化から、保護部材40の前面側に存する障害物の接近速度を算出する機能を実現させるプログラムである。より具体的には、速度算出プログラム47Aは、CPU45に、位置センサ44から入力される距離検出信号の時間変化から、保護部材40の前面側に存する障害物の接近速度を算出する機能を実現させるプログラムである。CPU45は、かかる速度算出プログラム47Aを実行することにより、速度算出手段として機能する。
【0028】
開閉制御プログラム47Bは、例えば、CPU45に、位置センサ44より検出された距離が所定値以下、速度算出プログラム47Aを実行することにより算出した速度が所定値以上、及び、振動センサ43により検出された振動の振幅が所定値以上の場合に、調節弁42を開いて、保護部材40に気体保持部41から気体を流入させる機能を実現させるプログラムである。より具体的には、開閉制御プログラム47Bは、CPU45に、位置センサ44より検出された距離が所定値以下、速度算出プログラム47Aを実行することにより算出した速度が所定値以上、及び、振動センサ43により検出された振動の振幅が所定値以上であるか否かを判断し、位置センサ44より検出された距離が所定値以下、速度算出プログラム47Aを実行することにより算出した速度が所定値以上、及び、振動センサ43により検出された振動の振幅が所定値以上の場合に、調節弁42を開いて、保護部材40に気体保持部41から気体を流入させる機能を実現させるプログラムである。CPU45は、かかる開閉制御プログラム47Bを実行することにより、調節弁制御手段として機能する。
【0029】
次に、上述のような構成の液晶パネル保護装置4の動作について図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、位置センサ44により保護部材40の前側に存する障害物との距離が検出され、振動センサ43により保護部材40の振動が検出され、CPU45が、速度算出プログラム47Aを実行することにより、当該障害物の接近速度の算出を行う(ステップS1)。
【0030】
次に、CPU45は、開閉制御プログラム47Bを実行することにより、ステップS1において得られた障害物との距離が所定値以下、接近速度が所定値以上、及び、保護部材40の振動の振幅が所定値以上であるか否かを判断する(ステップS2)。
【0031】
ステップS2において、CPU45が、ステップS1において得られた障害物との距離が所定値以下、接近速度が所定値以上、及び、保護部材40の振動の振幅が所定値以上ではないと判断した場合には(ステップS2;No)、ステップS1に戻る。
ステップS2において、CPU45が、ステップS1において得られた障害物との距離が所定値以下、接近速度が所定値以上、及び、保護部材40の振動の振幅が所定値以上であると判断した場合には(ステップS2;Yes)、CPU45は、開閉制御プログラム47Bの実行に基づいて、調節弁42を開き、保護部材40に気体保持部41からの気体を流入させ(ステップS3)、本処理を終了する。
【0032】
以上に説明した本発明に係る液晶パネル保護装置4及び表示装置1によれば、保護部材40が液晶パネル20の前面側に設けられ、気体保持部41により、保護部材40に注入される気体が保持され、調節弁42により、保護部材40と気体保持部41とが連結されるとともに、気体保持部41から保護部材40への気体の流入が調節され、液晶パネル20の前面側に備えられた位置センサ44により、保護部材40の前面側に存する障害物との距離が検出され、CPU45が速度算出プログラム47Aを実行することにより、検出された距離の時間変化から障害物の接近速度が算出され、CPU45が開閉制御プログラム47Bを実行することにより、検出された距離が所定値以下で、且つ、算出される速度が所定値以上の場合に、調節弁42が開かれて、保護部材40に気体保持部41から気体が流入されるので、液晶パネル20の前面側に、障害物が所定値以下の距離で存在し、且つ、所定値以上の接近速度で接近する場合には、気体が流入することにより保護部材40が膨らむこととなって、転倒時における物理的衝撃だけでなく、液晶パネル20に向かって衝突してくる物体等からも液晶パネル20を保護することができることとなって、より確実に物理的衝撃から液晶パネル20を保護することができる。
また、保護部材40は、略透明なフィルム材からなり、気体保持部41から気体が流入していない時は略真空状態となっており、当該保護部材40を介して液晶パネル20を視認可能になっているので、車両に用いられるエアバック装置と違って当該保護部材40によって液晶パネル20に表示される映像等が遮られることがなく好適である。
【0033】
また、振動センサ43により、保護部材40の振動が検出され、CPU45は、開閉制御プログラム47Bを実行することにより、検出される振動の振幅が所定値以上の場合に、調節弁42を開いて、保護部材40に気体保持部41から気体を流入させるので、液晶パネル20の前面側に存する障害物により保護部材40が所定値以上の振幅で振動した場合には、気体が流入することにより保護部材40が膨らんで液晶パネル20を保護することとなって、さらに確実に物理的衝撃から液晶パネル20を保護することができる。
【0034】
また、保護部材40により、液晶パネル20に手などが直接触れることを防ぐことができ、手垢等による汚れを防ぐことができる。
【0035】
なお、保護部材40は、液晶パネル保護装置4に取り替え可能に備えられてもよい。これにより、保護部材40が手垢等により汚れた場合には、当該保護部材40を取り替えることにより、液晶パネル20の視認性を良好な状態に保つことができる。
また、振動センサ43は必須の構成ではなく、位置センサ44のみにより障害物が検出されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る表示装置の正面図(図1(a))及び側面図(図1(b))である。
【図2】本発明に係る保護部材が膨張する前の表示部の要部及び液晶パネル保護装置を示す図(図2(a)),本発明に係る保護部材が膨張した後の表示部の要部及び液晶パネル保護装置を示す図(図2(b))である。
【図3】本発明に係る液晶パネル保護装置の内部構成を説明するブロック図である。
【図4】本発明に係る液晶パネル保護装置の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0037】
1 表示装置
2 表示部
20 液晶パネル(表示ディスプレイ)
4 液晶パネル保護装置
40 保護部材
41 気体保持部
42 調節弁
43 振動センサ(振動検出手段)
44 位置センサ(距離検出手段)
45 CPU(速度算出手段,調節弁制御手段)
47A 速度算出プログラム(速度算出手段)
47B 開閉制御プログラム(調節弁制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示ディスプレイと、前記表示ディスプレイを備える表示部に設けられる表示ディスプレイ保護装置と、を備える表示装置において、
前記表示ディスプレイ保護装置は、
前記表示ディスプレイの前面側に設けられる袋状の保護部材と、
前記保護部材に注入される気体を保持する気体保持部と、
前記保護部材と前記気体保持部とを連結するとともに、前記気体保持部から前記保護部材への気体の流入を調節する調節弁と、
前記表示ディスプレイの前面側に備えられ、前記保護部材の前面側に存する障害物との距離を検出する距離検出手段と、
前記距離検出手段により検出された距離の時間変化から障害物の接近速度を算出する速度算出手段と、
前記保護部材の振動を検出する振動検出手段と、
前記距離検出手段により検出された距離が所定値以下、前記速度算出手段により算出される速度が所定値以上、及び、前記振動検出手段により検出される振動の振幅が所定値以上の場合に、前記調節弁を開いて、前記保護部材に前記気体保持部から気体を流入させる調節弁制御手段と、
を備え、
前記保護部材は、
略透明なフィルム材からなり、前記気体保持部から気体が流入していない時は、当該保護部材は略真空状態となっており、当該保護部材を介して前記表示ディスプレイを視認可能になっていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
表示ディスプレイを備える表示装置に設けられる表示ディスプレイ保護装置において、
前記表示ディスプレイの前面側に設けられる略透明な袋状の保護部材と、
前記保護部材に注入される気体を保持する気体保持部と、
前記保護部材と前記気体保持部とを連結するとともに、前記気体保持部から前記保護部材への気体の流入を調節する調節弁と、
前記表示ディスプレイの前面側に備えられ、前記保護部材の前面側に存する障害物との距離を検出する距離検出手段と、
前記距離検出手段により検出された距離の時間変化から障害物の接近速度を算出する速度算出手段と、
前記距離検出手段により検出された距離が所定値以下で、且つ、前記速度算出手段により算出される速度が所定値以上の場合に、前記調節弁を開いて、前記保護部材に前記気体保持部から気体を流入させる調節弁制御手段と、
を備え、
前記保護部材は、
前記気体保持部から気体が流入していない時は略真空状態となっており、当該保護部材を介して前記表示ディスプレイを視認可能になっていることを特徴とする表示ディスプレイ保護装置。
【請求項3】
前記保護部材の振動を検出する振動検出手段を備え、
前記調節弁制御手段は、
前記振動検出手段により検出される振動の振幅が所定値以上の場合に、前記調節弁を開いて、前記保護部材に前記気体保持部から気体を流入させることを特徴とする請求項2に記載の表示ディスプレイ保護装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−219336(P2007−219336A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−41891(P2006−41891)
【出願日】平成18年2月20日(2006.2.20)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】